JP3262471B2 - 波長多重通信に用いられる波長制御方法、及び光通信システム - Google Patents

波長多重通信に用いられる波長制御方法、及び光通信システム

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JP3262471B2 JP06415695A JP6415695A JP3262471B2 JP 3262471 B2 JP3262471 B2 JP 3262471B2 JP 06415695 A JP06415695 A JP 06415695A JP 6415695 A JP6415695 A JP 6415695A JP 3262471 B2 JP3262471 B2 JP 3262471B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特には波長多重通信シ
ステムにおいて用いる光送信器及び波長多重通信システ
ムにおける光送信器の波長制御方式、及びそれを用いた
光通信システムに関する。
【0002】
【従来技術】波長多重通信は、1つの伝送路内に独立し
た多数のチャンネルをもつことができる。フレーム同期
等の時間軸上での多重化が必須でないため、各チャンネ
ルの伝送速度を一致させる必要がなく、ネットワークの
柔軟性が求められるマルチメディア通信にも適してい
る。
【0003】波長多重通信システムの一例として、各端
局が波長可変な1組の光送信器と光受信器を持つシステ
ムがある。送信する端局は光送信器の波長可変光源の波
長を通信に使われていない波長(波長多重通信の”チャ
ンネル”)に合わせる。一方、受信する端局は受信する
波長に光受信器の光バンドパスフィルタ(以下、光フィ
ルタと呼ぶ)の透過スペクトルの中心波長(以下、光フ
ィルタの波長と呼ぶ)を一致させて受信する。システム
で利用できる波長範囲は光送信器及び光受信器の波長可
変範囲から決まる。また、チャンネルの波長間隔(以
下、チャンネル間隔と呼ぶ)は光受信器の光フィルタの
透過スペクトルの幅(バンド幅、半値幅)から決まる。
【0004】波長可変光源としては波長可変半導体レー
ザ(以下、半導体レーザをLDと呼ぶ)を用いることがで
きる。波長可変幅を広げるための研究が進められている
が、現時点で実用レベルのものは、多電極のDBR(distr
ibuted Bragg refrector)型やDFB(distributed feedba
ck)型のもので、波長可変幅は数nmである。一例として
は、電子情報通信学会の刊行物OQE89-116、“三電極長
共振器λ/4シフトMQW-DFBレーザ”記載のものが挙げ
られる。一方、波長可変フィルタとしては、ファブリペ
ロ共振器型のものを用いることができる。波長可変幅は
数10nm、スペクトル幅は0.1nm程度のものが実用レベル
になっている。一例としては、刊行物ECOC'90-605、“A
field-worthy, high-performance, tunable fiber Fab
ry-Perot filter”記載のものを挙げることができる。
【0005】このようなシステムにおいては、チャンネ
ル間隔を狭くすることにより、同じ波長可変幅で多くの
チャンネルをとることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらLDの発振
波長や光フィルタの透過波長は温度等の環境変化により
ドリフトを起こす。チャネル間隔が狭いと、この波長ド
リフトによってクロストークが生じてしまう。チャネル
間隔をLD、光フィルタの波長のドリフトによる変動幅以
下の間隔にするためには、制御によりドリフトを抑えな
ければならない。ドリフトを抑えるためには、波長を絶
対的、あるいは相対的に安定させることが必要である。
しかし、波長の絶対的な基準は簡易ではない。また、LA
Nのように光送信器が離れた場所にある通信システム内
では相対的に安定化することも難しい。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本願発明では波長
のドリフトの影響を受けない通信システム及び通信方法
を提供することを目的とする。他の目的として、基準波
長を必要としない通信システム及び通信方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】そのために本願においては、光伝送路上で
波長多重通信を行う光通信システムにおいて用いる光送
信器であって、出力光の発光波長を変化させうる発光手
段と、入力される光の波長を検出する波長検出手段と、
前記光伝送路上の光を前記波長検出手段に入力する手段
と、前記発光手段からの光を光伝送路に出力するかしな
いかを選択できるスイツチ手段と、前記波長検出手段に
よる検出結果に基づき、前記発光手段の発光波長と、前
記光伝送路上における波長軸上で長波長側もしくは短波
長側の少なくともいずれか一方で隣接する他の光の波長
との波長間隔を所定の間隔になる様に制御する手段とを
有する光送信器を提供する。
【0009】更に該光送信器において、前記波長検出手
段による検出結果に基づき、光伝送路上で他の光と混信
を起こすことなく前記発光手段からの光を前記光伝送路
に出力できる空きスペースの有無を判断する手段を有す
る光送信器を提供する。
【0010】更に前記光送信器いずれかにおいて、前記
波長検出手段が、透過波長を制御できる波長可変バンド
パスフィルタを有する光送信器を提供する。
【0011】更に前記光送信器いずれかにおいて、前記
発光手段が、発振波長を制御できる波長可変レーザであ
る光送信器を提供する。
【0012】更に、光伝送路上で波長多重通信を行う光
通信システムにおいて用いる光送受信器であって、前記
光送信器いずれかと、入力される光信号から自光送受信
器で受信すべき光信号を選択し、該光信号の波長の変動
に受信波長を追随させて受信する受信器を有する光送受
信器を提供する。
【0013】更に、それぞれが光送信器を有する複数の
端局を接続して波長多重通信を行う光通信システムであ
って、該光送信器が、上述のいずれかに記載のものであ
り、複数の端局の光送信器の送信波長が、送信開始順に
波長軸上の長波長側もしくは短波長側から順次波長多重
される光通信システムを提供する。
【0014】更に、それぞれが光送信器を有する複数の
端局を接続して波長多重通信を行う光通信システムであ
って、該光送信器が、前記空きスペースの有無を判断す
る手段を有するものであり、複数の端局の光送信器の送
信波長が、送信開始順に、自局の光送信器の発光可能な
波長範囲内の空きスペース内の波長軸上の長波長側もし
くは短波長側から順次波長多重される光通信システムを
提供する。
【0015】更に前記光通信システムのいずれかにおい
て、前記各端局が、入力される光信号から自端局で受信
すべき光信号を選択し、該光信号の波長の変動に受信波
長を追随させて受信する受信器を有する光通信システム
を提供する。
【0016】更に、光伝送路上で波長多重通信を行う光
通信システムにおいて用いる光送信器の発光手段の発光
波長制御方法であって、前記光伝送路上の自発光手段の
出力光以外の光の波長を検出し、自発光手段からの光を
前記光伝送路上に出力しても他の光と混信しない空きス
ペースを探し、前記発光手段を前記空きスペース内の波
長で発光する様に制御し、前記発光手段の発光波長と、
前記光伝送路上における波長軸上で長波長側もしくは短
波長側の少なくともいずれか一方で隣接する他の光の波
長との波長間隔を所定の間隔に保つ発光波長制御方法を
提供する。
【0017】更に該発光波長制御方法において、送信器
内の波長検出手段の検出可能波長を掃引することによっ
て波長の検出を行う発光波長制御方法を提供する。
【0018】更に該発光波長制御方法において、少なく
とも自発光手段の波長可変範囲を含む領域を掃引検出す
る発光波長制御方法を提供する。
【0019】更に前記発光波長制御方法いずれかにおい
て、掃引検出時に自発光手段を発光させて、前記波長検
出手段の検出可能波長を掃引することによって、自発光
手段の出力光の波長を前記光伝送路上の他の光の波長と
同時に検出する発光波長制御方法を提供する。
【0020】更に該発光波長制御方法において、自発光
手段の出力光を光伝送路に出力せずに前記波長検出手段
に入力させて自発光手段の出力光の波長を前記光伝送路
上の他の光の波長と同時に検出する発光波長制御方法を
提供する。
【0021】更に前記発光波長制御方法のいずれかにお
いて、自発光手段を発光させたときの掃引検出結果と、
発光させないときの掃引検出結果を比較することにより
自発光手段の出力光の波長と、光伝送路上の他の光の波
長を区別する発光波長制御方法を提供する。
【0022】更に前記発光波長制御方法いずれかにおい
て、送信器内の前記波長検出手段の検出可能波長を前記
空きスペース内に設定し、前記発光手段の発光波長を掃
引させて、前記検出可能波長に一致させることにより発
光手段を空きスペース内の波長で発光させる様に制御す
る発光波長制御方法を提供する。
【0023】更に該発光波長制御方法において、前記検
出可能波長を前記空きスペース内の長波長側もしくは短
波長側のいずれか一方の端部に設定する発光波長制御方
法を提供する。
【0024】更に前記発光波長制御方法いずれかにおい
て、自発光手段を前記空きスペース内で発光する様に制
御するまでは自発光手段の出力光を前記光伝送路上に出
力しない発光波長制御方法を提供する。
【0025】更に前記発光波長制御方法いずれかにおい
て、自発光手段の出力光の波長と、前記隣接する他の光
の波長の波長間隔を随時検出することにより、該波長間
隔が所定の間隔でないときは所定の間隔に近付けるべく
自発光手段を制御する発光波長制御方法を提供する。ま
た、本発明に係る波長多重通信に用いられる波長制御方
法は、自発光手段、該自発光手段から出される光を分岐
する分岐手段、該分岐手段により分岐された第1の光を
光伝送路に出力する制御を行なう光スイッチ、該分岐手
段により分岐された第2の光と該光伝送路上にある光の
波長を検出する波長検出手段を含み構成される光通信シ
ステムを用い、該光スイッチを非出力にした状態で、該
自発光手段による出力光も含めた該光伝送路上にある光
の波長を該波長検出手段により所定の範囲掃引して検出
する第1の検出工程、該光スイッチを非出力にした状態
で、該光伝送路上にあり、且つ該自発光手段による出力
光以外の他の光の波長を該波長検出手段により所定の範
囲掃引して検出する第2の検出工程、該第1及び第2の
検出工程に基づき認識される空き領域内であって、且つ
光伝送路上における波長軸上の短波長側(長波長側)で
隣接する他の光の波長と所定間隔離れた位置に、他の光
と混信しない波長に該波長検出手段の波長を設定する工
程、該光スイッチを非出力にした状態で、該自発光手段
の波長を掃引して該設定された波長に一致させる工程、
該光スイッチを出力状態にし、該自発光手段による光を
出力する工程、及び該自発光手段の波長を長波長側(短
波長側)にシフトさせ、該長波長側(短波長側)で隣接
する他の光の波長と所定間隔離れた波長になるように該
自発光手段の波長を制御する工程を有することを特徴と
する。
【0026】
【実施例】
(実施例1)図9は本実施例における光通信システムの
構成例であり、端局数nのスター型のネットワークであ
る。図示するように、端局6-1-1〜n、光ノード6-2-1〜
n、n×nスターカプラ6-3、光ファイバ6-4-1〜n、6-5-
1〜nで構成する。また、光ノード6-2-1〜nは、光送信器
6-6、光受信器6-7、光分岐器6-8で構成する。
【0027】端局6-1-1〜nは各々光ノード6-2-1〜nによ
りネットワークに接続する。各光ノード6-2-1〜nは送信
用の光ファイバ6-4-1〜nと受信用の光ファイバ6-5-1〜n
でn×nスターカプラ6-3と接続する。光送信器からの
送信光は送信用の光ファイバ6-4-1〜nでn×nスターカ
プラ6-3へ送る。n×nスターカプラ6-3は、その送信光
を均等に各受信用の光ファイバ6-5-1〜nに分配し各光ノ
ード6-2-1〜nに送る。受信用の光ファイバ6-5-1〜nから
の入射光を光分岐器6-8で2つに分け、光受信器6-7と光
送信器6-6に入力する。この構成により、自局の送信光
は他局の送信光と一緒に光送信器の光フィルタに入射す
る。
【0028】図1は本実施例における光送信器の構成例
である。図示するように、波長制御系2-1、LD2-2、光フ
ィルタ2-3、LD駆動回路2-4、光フィルタ駆動回路2-5、
受光素子2-6、増幅器2-7、識別器2-8、光変調器2-9、光
合流器2-11、光スイッチ2-12により構成する。
【0029】波長制御系2-1は、識別器2-8の出力信号を
もとに、LD駆動回路2-4、光フィルタ制御回路2-5、光ス
イッチ2-12を制御し、チューニング動作を行う物であ
り、演算処理回路、記憶素子、A/D変換器、D/A変換器等
で構成されており、チューニング動作で必要なパラメー
タ、動作手順を記憶している。チューニングの開始等は
当該光送信器に接続されるか、もしくは当該光送信器を
含む端局から制御される。
【0030】LD2-2、光フィルタ2-3は上述の従来例で述
べた素子を用いることができる。光フィルタ2-3のバン
ド幅(半値幅)は1/10・Δλとする。Δλは波長多重の
波長チャネルの間隔であり、詳細は後述する。また、シ
ステム内の全ての送信器の発光手段たるLDの波長可変範
囲は略一致しているものとし、光フィルタ2-3の波長可
変範囲は送信器の発光手段たるLDの波長可変範囲より大
きいとする。光変調器2-9はLDの出力光を送信信号で強
度変調する。LD2-2に注入する電流で直接変調した場
合、0.1nm程度の波長変動が生じるため、本実施例では
光変調器による外部強度変調方式を採用した。
【0031】LD駆動回路2-4は、波長制御系からのLD制
御信号(制御電圧;以下Veと記す)に対応した波長にな
るようにLD2-2を駆動(電流を注入)する。上記の三電
極長共振器λ/4シフトMQW-DFBレーザを用いる場合は
その出力は3つである。Veの変化量とLD2-2の波長の変
化量は略比例するものとして説明する。Δλに対応する
Veの変化量をΔVeとする。また、LD2-2の波長可変範囲
の最短波長に対応するVeをVemin、最長波長に対応するV
eをVemaxとする。
【0032】光フィルタ駆動回路2-5は、波長制御系か
らの光フィルタ制御信号(制御電圧;以下Vfと記す)に
対応した波長になるように光フィルタ2-3を駆動する。
Δλに対応するVfの変化量をΔVfとする。また、光フィ
ルタ2-3の波長可変範囲の最短波長に対応するVfをVfmi
n、最長波長に対応するVfをVfmaxとする。
【0033】識別器2-8のしきい値は、伝送路から光フ
ィルタ2-3に入射する各チャンネルの波長と光フィルタ2
-3の波長が一致したときの増幅器2-8の出力の半値に設
定する。入力信号がしきい値以上の場合はH、そうでな
い場合はL(Hはデジタル信号の1、Lはデジタル信号の
0を示す)を出力する。
【0034】光合流器2-11は光スイッチ2-12からの光と
伝送路からの光を合流して光フィルタ2-3に入力する。
光スイッチ2-12は光変調器2-9からの光を、ON/OFF信号
がHのとき伝送路に出力し、Lのときは光合流器2-11に出
力する。この構成により、伝送路に光を出さずにLDのLD
制御電圧Veに対する波長の特性を取ることができる。
【0035】本実施例では、発光手段たるLD(自局ある
いは他局)の発振波長と光フィルタの透過波長が一致し
たときの制御電圧Ve,Vfにより自局の発光波長及び他局
の送信波長と、自局の光フィルタの透過波長を相対的に
関係付け、自局の発光波長を制御してチャンネル間隔Δ
λを一定に保つ。波長制御系2-1に記憶されているΔV
e、ΔVf(掃引範囲及びチャンネル間隔の基準となる)
は、Δλに対して誤差を持っている。このため、波長の
相対的な関係付けのための波長掃引の範囲は両側とも0.
2・Δλ大きくする。また、Δλはこの誤差を許容でき
る値にする。
【0036】波長制御(チューニング)は、波長制御系
2-1がVe及びVfと識別器2-8の出力(HあるいはLか)をも
とに行う。光フィルタ2-3に入力される他局あるいは自
局のLDの波長と光フィルタの透過波長が一致した場合の
み、識別器2-8の出力はHになる。波長制御系2-1はLD2-2
あるいは光フィルタ2-3の波長を掃引した時に識別器2-8
の出力がHになる制御電圧(LDの場合はVe、光フィルタ
の場合はVf)を記憶する。但し、本実施例では光フィル
タの透過スペクトル幅が1/10Δλであるのに対し、掃引
ステップを約1/40Δλにしているため、Hとなる制御電
圧が連続する場合があるが、その場合はそれらの電圧の
平均をとって、その平均値を光フィルタの透過波長と光
フィルタに入力される光の波長の一致した時の電圧とし
て認識する。
【0037】図2は本実施例の動作の説明図である。”
動作1”と”動作2”があり、各動作におけるLD、光フ
ィルタの波長の位置関係を示している。光フィルタの掃
引範囲を各動作に、光送信器のLDの発振波長可変範囲と
光フィルタの透過波長可変範囲を”動作1”に示した。
図中、λen(n=1〜4)は、動作を説明する光送信器が
チューニングを開始する時に送信を行っているシステム
内の他の光送信器の送信波長である。λeは動作を説明
する光送信器のLDの波長である。λfs1は1回の掃引毎
の光フィルタの掃引開始波長、λfs2は同掃引終了波長
である。Δλはチャンネル間隔である。
【0038】チューニング動作について図2を用いて説
明する。
【0039】”動作1”。
【0040】VeをVeminとしLD2-2を最短波長で発振さ
せ、VfをVfminからVfe+1.2・ΔVfまで掃引する。掃引時
に最初に識別器2-8の出力がHになったVf(波長制御系2-
1はこれをVfeとして記憶する)はLD2-2の波長に対応す
る。ただし、VfminからVfe+1.2・ΔVfまで掃引する間に
識別器2-8の出力がVfeの時を含めて2回以上Hになった
とき、すなわちいったんLからHになり、Lに戻った後
再びHになったときには、自局の発光波長以外の他の光
が波長軸上で1.2Δλ以内にあることになるので空きス
ペース無しと判断し、チューニング動作を中断する。前
記Vfeから1.2ΔVf掃引して識別器2-8の出力がHにならな
いときはLD2-2の最短波長から1.2Δλの範囲には他の波
長はないことになるので空きスペースありと判断して”
動作2”を行う。VeminをVemとして記憶する。Vemは次
の動作もしくは次の掃引に進む際のVeの基準値となるも
のであり、1回の掃引毎に随時更新されて波長制御系に
記憶される。
【0041】”動作2”。
【0042】Ve=Vemとし、VfをVfe−0.2・ΔVfからVfe
+1.2・ΔVfまで掃引する。掃引中に識別器2-8の出力が
最初にHになったVfをVfm1、その後一旦Lになり再びHに
なったVfをVfm2として記憶する(但し、再びHにならな
かった場合にはVfm2=Vfm1+1.1・ΔVfとする)。そし
て、 Vfm2>Vfm1+ΔVfの場合 Ves=0.05・ΔVe Vfm2=Vfm1+ΔVfの場合 Ves=0 Vfm2<Vfm1+ΔVfの場合 Ves=−0.05・ΔVe を算出し、 Vem=Vem+Ves とすることによりVemの値を更新し、更に Vfe=Vfm1と
することによりフィルタの掃引開始値を更新して、こ
の”動作2”を繰り返す。この動作により、λeは長波
長側にシフトしていき、長波長側の隣接チャンネル(図
2ではλe4)とΔλのチャンネル間隔を誤差範囲内で維
持する。あるいは、LD2-2の波長可変範囲の最長波長を
維持する。図中、(a)はシフト開始時、(b)はシフトが終
了してΔλが維持されている状態を示している。自局の
発振波長もしくは波長軸上で隣接する他局の送信波長が
シフトしてチャネル間隔がΔλからずれてもこの動作を
繰り返すことによって、すぐに自局の送信波長をシフト
させてチャネル間隔をΔλに維持することができる。
尚、この動作を繰り返している途中、Vem≧Vemaxの場合
には、チューニング動作を終了し、Ve=Vemaxの状態を
維持する。
【0043】図3はLDの波長掃引時のLD制御電圧Veと識
別器の出力の関係を示している。上は波長の位置関係を
示している。図中の波長を示す記号は図2と同じであ
る。下はLD制御電圧に対する識別器2-8の出力を示して
いる。図中、VeminはLDを最短波長に設定した時の電
圧、VemはLDの波長λeが光フィルタの透過波長λfと一
致した時の電圧である。また、本実施例では、Veの掃引
ステップは前述のごとく1/20・ΔVeにしている。
【0044】本実施例では、光送信器は内蔵されるLDの
波長可変範囲の短波長側でに自送信器の波長可変範囲の
最短波長が送出可能かを判断してチューニングを開始
し、長波長側に波長をシフトさせていく。LDの最短波長
で送出可能かどうかを判断するためには、LDと伝送路上
の波長の相対的な位置関係を明確にすることが望まし
い。また、LDの発振波長の制御と実際の発振波長の関係
が明確になっているときには自送信器の発光波長を検出
して調べる必要は必ずしもないが、その関係は変わりう
る物である。この位置関係が明確になる前に光伝送路上
に光信号を送出してしまうと、伝送路上の他の光と混信
を起こしてしまう可能性があるため、本実施例ではこの
動作を光スイッチ2-11により伝送路への出力を遮断して
行う。
【0045】以上、本発明の特徴である光送信器のLDの
チューニングについて説明した。次に、この方式を用い
た場合の送信、受信の一例について述べる。
【0046】通信データの送信は、”動作1”後以降、
光スイッチから伝送路側に光を出力し始めてから一定時
間の待機後、開始する。それまではアイドリング信号を
送信する。これは受信側の光受信器内の光フィルタの透
過波長のこのチャンネルへの一致、宛先アドレスの識別
に要する時間を待つためである。アイドリング信号には
宛先アドレスが付けられ、受信側の受信チャンネルの識
別に用いられる。
【0047】受信は、λeを光受信器内の光フィルタ
(受信器の光フィルタの透過スペクトルのバンド幅は1/
5・Δλとする)で透過することにより行う。光受信器
は光受信器内の光フィルタの波長を伝送路上にある光の
波長に順次一致させ、その宛先アドレスの有無、及びそ
れが自局宛てのものであるかを調べる。宛先アドレスが
自局のアドレスである場合は、光フィルタの波長をその
光の波長にロックして受信を開始する。ロックの方法と
しては正弦波(周波数〜10kHz)の変調信号で光フィル
タの透過波長を変調し(最大波長偏移〜1/40・Δλ)、
受信信号と変調信号を乗算した信号の低周波成分を誤差
信号として用いる制御を適用できる。
【0048】本発明では送信波長は上記動作説明で述べ
たようにシフトする物であり、受信側ではそのシフトに
追随する必要がある。そのため送信波長シフト時の1ス
テップにおけるシフト量(上記動作説明におけるVesの
値に対応する波長変化量)は1/20・Δλとし、受信器の
光フィルタのバンド幅を1/5・Δλとすることにより受
信側で充分に追随可能な量としている。
【0049】本実施例ではシステム内の各送信器はそれ
ぞれ自送信波長を短波長側から長波長側へシフトさせて
いく。このシフト動作は随時行われるため長波長側で隣
接する他局の送信波長がなくなる(該他局が送信をやめ
る)か、もしくは該隣接波長が更に長波長側にシフトし
ていくと、それに応じて自局の送信波長を長波長側に詰
めることができシステム内の波長域を有効に活用でき
る。本実施例では送信波長を長波長側に詰めていく構成
としたが、この逆に短波長側に詰めていく構成も可能で
ある。
【0050】またネットワーク内を伝送途中にスターカ
プラなどでの増幅を行わないとき、もしくは十分に行わ
ないときなどは、送信器内において、伝送路から光合流
器に入ってくる光と、光スイッチから光合流器に入って
くる光の強度の違いが検出上の問題となる場合がある
が、そのときは図4のように光スイッチと光合流器の間
に減衰器2-13を設けるか、光スイッチにおいて、光合流
器側に光を出力するときに減衰を与えるようにしても良
い。
【0051】また図5に示すように光スイッチとして、
光を出力するかしないかの選択のみを行うものを用い、
光分岐器2-10と組み合わせて実施例1と同様の動作をさ
せるようにしても良い。図1の構成では光スイッチが、
光を伝送路上に出力するか、しないかを選択する手段
と、光合流器、光フィルタ等の側にLDの出力光を入力さ
せる手段を兼ねていたが、図5の構成においては、光ス
イッチと光分岐器を用いて同様の動作をそれぞれ行うこ
とになる。この構成にすることにより光伝送路上に出力
した自局の送信波長が自局に戻ってこない構成のネット
ワークにおいても、常に自局の出力光の波長を検出する
ことができるようになる。また本構成では、光分岐器2-
10から光合流器側に分岐される光と、光分岐器から光ス
イッチを介して光伝送路上に出力された光が光伝送路か
ら入力される光が合流されるため、波長検出時に自局の
発光波長の光の強度と他の光の強度の違いが問題となる
場合があるが、そのときは光分岐器2-10における分岐比
や、ネットワーク上での増幅率を適宜制御して光強度の
違いを検出可能な範囲内に収まるようにすればよい。
【0052】本実施例においては、自局の発光波長と光
伝送路上の他の光の波長の波長軸上での相対的な位置関
係を検出している。すなわち本発明においては、自局や
他局の出力する光の絶対的な波長をそれぞれ認識する必
要はない。また発光手段の波長やフィルタの透過波長
と、それぞれの制御信号との関係も相対的にわかってい
れば良く、例えば1ボルトの制御電圧を駆けたときに1.
556ミクロンで発光するなどの絶対的な関係は認識して
おく必要はない。
【0053】(実施例2)上記実施例1ではシステム内
の各送信器の送信波長可変範囲は略一致しているとし
た。本実施例では各送信器の送信波長可変範囲がまちま
ちである場合の実施例を提示する。
【0054】光通信システムの構成は実施例1と同様で
ある。
【0055】本実施例における光送信器の構成は実施例
1と同様であるが、光フィルタ2-3の波長可変範囲はシ
ステム内の全ての送信器の発光手段たるLDの波長可変範
囲より大きいとする。
【0056】図6は本実施例の動作の説明図である。”
動作1”から”動作4”まであり、各動作におけるLD、
光フィルタの波長の位置関係を示している。光フィルタ
の掃引範囲を各動作に、動作を説明する光送信器のLDの
波長可変範囲を”動作1”に示した。図中、λen(n=1
〜6)は、動作を説明する光送信器がチューニングを開
始する時に送信を行っているシステム内の他の光送信器
の波長である。λeは動作を説明する光送信器のLDの波
長である。λe1からλe4、及びλe5とλe6がそれぞれΔ
λ(チャンネル間隔)間隔で並んでいる。光フィルタの
掃引の開始波長をλfs1、終了波長をλfs2とする。LDの
掃引の開始波長をλes1、終了波長をλes2とする。
【0057】図7は光フィルタの波長掃引時の光フィル
タ制御電圧Vfと識別器の出力の関係を示している。ま
た、図中には本実施例において、光送信器のLDのチュー
ニングを行う空きスペースが示されている。本実施例で
は空きスペースとはそのスペースの短波長側、長波長側
共に1.2・Δλ以上の波長範囲に光のない領域をいう
(図では、λe4+1.2Δλからλe5−1.2Δλまでの領
域)。すなわち2.4・Δλ以上にわたって他局の送信光
がなければ空きスペースが存在することになる。LDの波
長を空きスペース内に設定すれば、他の光と混信しない
ことが保証される。図7において上は光通信システム内
で送信を行っている送信器の波長の配置を示している。
図中の波長を示す記号は図6と同じである。下は光フィ
ルタ制御電圧に対する識別器2-8の出力を示している。
図中、Vfminは光フィルタを最短波長に設定した時の電
圧、Vfm1、Vfm2、…、Vfm7は光フィルタの波長がλen
(n=1〜4)、λe、及びλen(n=5,6)と一致した時の
電圧である。また、ΔVfは光フィルタの波長がΔλ変化
するときのVfの変化量である。Vfの掃引ステップは前述
のごとく1/40・ΔVfにする。
【0058】LDの波長掃引時のLD制御電圧Veと識別器の
出力の関係は実施例1と同様に図3に示すとおりであ
る。
【0059】図8はLDの波長可変範囲と利用可能な波長
範囲の関係の一例として3つの端局の物を示している。
【0060】本実施例では、自光送信器の最短発振波長
側に空きスペースがなくても長波長側には空きスペース
が存在する可能性があるため、光送信器は内蔵されるLD
の波長可変範囲全体で空きスペースを捜し、その空きス
ペースの短波長側でチューニングを開始し、長波長側に
波長をシフトさせていく。本実施例においてもLDの波長
可変範囲内で空きスペースを捜すためには、LDと伝送路
上の波長の相対的な位置関係を調べることが必要であ
る。この位置関係が明確になる前に光伝送路上に光信号
を送出してしまうと、伝送路上の他の光と混信を起こし
てしまう可能性があるため、この動作を光スイッチ2-11
により伝送路への出力を遮断して行う。
【0061】チューニング動作は波長制御系2-1が行
う。以下、図6を参照してチューニングの総合的な動作
について説明する。
【0062】”動作1”。空きスペース捜し(その
1)。
【0063】光スイッチ2-11をOFF状態にし、発振波長
が光伝送路上に送出されないようにした上で、LD2-2を
最短波長で発振させ、光フィルタをλfminから、λfmax
まで掃引する。識別器2-8の出力がHになるVfをVfm1,Vfm
2,…として記憶する。具体的には、LD2-2を最短波長で
発振させるために、VeをVeminに固定し、光フィルタを
λfminから、λfmaxまで掃引するためにVfをVfminからV
fmaxまで掃引する。この例ではVfm1-1,Vfm1-2,…,Vfm1-
7を記憶する。
【0064】”動作2”。空きスペース捜し(その
2)。
【0065】光スイッチ2-11をOFF状態のまま、LD2-2を
OFF状態(消光)にし、光フィルタ2-3を”動作1”と同
じ範囲で掃引する。識別器2-8の出力がHになるVfをVfm2
-1,Vfm2-2,…として記憶する。具体的には、LD2-2をOFF
状態(消光)にするためにVeを0に固定し、光フィルタ
の掃引のためにVfをVfminからVfmaxまで掃引する。Vfm2
-1,Vfm2-2,…,Vfm2-6を記憶する。このとき自局のLDは
発光していないため記憶されるVfの値は”動作1”のと
きより少なくとも1つ少ない。このとき”動作1”で
記憶されたVfm1-1,Vfm1-2,…,Vfm1-7の内、”動作2”
で記憶されたVfm2-1,Vfm2-2,…,Vfm2-6にないものが自
局の発光手段であるLD2-2の波長に対応する。このときV
fの値が”動作1”のときよりも2つ以上減っていると
きは、送信をやめた他局があることが考えられるが、そ
のときはLD2-2を最短発振波長で再び発光させ、同じ範
囲で光フィルタの掃引を行い、増えたVfの値を自局のLD
の発振波長として認識する。この値をVfeminとして記憶
する。Vfemin以上の波長軸上で、隣り合うVfm2-1,Vfm2-
2,…の内その差が2.4・ΔVf以上あるもので最も短波長
寄りにある組み合わせを選び出し(例では、Vfm5とVfm6
の間)、その間を空きスペースとして認識する。尚空き
スペースを見つけるための波長フィルタの掃引は空きス
ペースを見つけた時点でやめるようにしても良い。本実
施例では、空きスペースを見つけるための波長フィルタ
の掃引は、波長フィルタの掃引可能領域全体を掃引して
いるが、これは自送信器の発光手段の発光可能波長の程
度の範囲を掃引するようにしても良い。
【0066】”動作3”(LD2-2の発振波長を空きスペ
ースの短波長側に移動)。
【0067】光スイッチ2-11をOFF状態のまま、光フィ
ルタ2-3の波長を空きスペースの短波長側に固定し、LD2
-2の発振波長をλeminから識別器2-8の出力がHになるま
で掃引する。識別器2-8の出力がHになるVeをVemとして
記憶する。ここでの説明における空きスペースは具体的
にはλe4+1.2Δλからλe5-1.2Δλであり、光フィルタ
2-3の波長を空きスペースの短波長側に固定するため
に、Vf=Vfe=Vfm5+1.2ΔVfとして固定し(ここではVf
m5がλe4に対応)、VeをVeminから掃引する。VeをVemin
から掃引することによりLD2-2の波長が光フィルタ2-3の
透過波長と一致したとき識別器2-8の出力がHに成り、そ
のときのVeをVemとして記憶する。尚、LD2-2の波長掃引
の途中、Vem≧Vemaxとなった場合には、LD2-2の波長可
変範囲内には空きスペースがないことになり、チューニ
ング動作を中断する。
【0068】”動作4”(シフト、Δλの維持)。
【0069】LD2-2を空きスペースの短波長側の波長で
発光させるために、VeをVemとする。これによりLD2-2の
発振波長を空きスペース内に設定できたことになるの
で、この時点から光スイッチ2-12をonにし、LD2-2の出
力光を光伝送路上に出力することができる。更に次の過
程として、光フィルタ2-3を空きスペースの短波長側か
ら1チャンネル分にマージンを加えた分掃引するため、
VfをVfe−0.2・ΔVfからVfe+1.2・ΔVfまで掃引する。
掃引中に識別器2-8の出力が最初にHになったVfをVfm1、
その後一旦Lになり再びHになったVfをVfm2として記憶す
る(但し、再びHにならなかった場合にはVfm2=Vfm1+
1.1・ΔVfとする)。Vfm1に対応する波長が自局の送信
波長であり、Vfm2に対応する波長が波長軸上の長波長側
で隣接する他局の送信波長である。そして、 Vfm2>Vfm1+ΔVfの場合 Ves=0.05・ΔVe Vfm2=Vfm1+ΔVfの場合 Ves=0 Vfm2<Vfm1+ΔVfの場合 Ves=−0.05・ΔVe を算出し、 Vem=Vem+Ves とすることによりVemの値を更新し、更に Vfe=Vfm1 とすることによりフィルタの掃引開始値を更新して、こ
の”動作4”を繰り返す。この動作により、λeは長波
長側にシフトしていき、長波長側の隣接チャンネル(図
6ではλe5)とΔλのチャンネル間隔を誤差範囲内で維
持する。図中、(a)はシフト開始時、(b)はシフト
が終了してΔλが維持されている時を示している。尚、
この動作を繰り返している途中、Vem≧Vemaxとなった場
合には、Ve=Vemaxの状態を維持する。本実施例ではVem
≧Vemaxとなり、Ve=Vemaxの状態を維持しているときで
も長波長側に隣接する他の光の波長が接近してきたとき
に検知する必要があるので、ネットワーク内の各光送信
器の波長検出手段としては、各局の発光手段の最大発光
波長よりも少なくとも1チャンネル分、もしくは1チャ
ンネル分に誤差分程度を足した波長まで検出できるもの
を用いるようにする。ネットワーク内の各光送信器の波
長検出手段としてそれぞれ検出可能波長領域が異なるも
のを用いることもでき、その場合にも、少なくとも自局
の発光手段の波長可変領域を含み、波長をシフトしてい
く側(本実施例では長波長側)に少なくとも1チャンネ
ル分、もしくは1チャンネル分に誤差分を足した程度の
波長まで検出できるものを各局で用いるようにする。
【0070】以上、本発明の特徴の1つである光送信器
のLDのチューニングについて説明した。次に、この方式
を用いた場合の送信、受信の一例について述べる。
【0071】通信データの送信は、図6の”動作3”でL
Dの波長が空きスペース内に設定された後、光スイッチ
から伝送路側へ光を出力し始めてから一定時間の待機
後、開始する。それまではアイドリング信号を送信す
る。これは受信側の光受信器内の光フィルタの光周波数
のこのチャンネルへの一致、宛先アドレスの識別に要す
る時間を待つためである。アイドリング信号には宛先ア
ドレスが付けられ、受信側の受信チャンネルの識別に用
いられる。
【0072】受信は、λeを光受信器内の光フィルタ
(透過スペクトルのバンド幅は1/5・Δλとする)で透
過することにより行う。光受信器は光受信器内の光フィ
ルタの波長を伝送路上にある光の波長に順次一致させ、
その宛先アドレスの有無、及びそれが自局宛てのもので
あるかを調べる。宛先アドレスが自局のアドレスである
場合は、光フィルタの波長をその光の波長にロックして
受信を開始する。本発明では送信波長は上記動作説明で
述べたようにシフトする物であり、受信側ではそのシフ
トに追随する必要がある。そのため送信波長シフト時の
シフト量(上記動作説明におけるVes)は受信側で追随
可能な量としている。
【0073】本実施例ではシステム内の各送信器はそれ
ぞれ自送信波長を短波長側から長波長側へシフトさせて
いく。このシフト動作は随時行われるため長波長側で隣
接する他局の送信波長がなくなる(該他局が送信をやめ
る)か、もしくは該隣接波長が更に長波長側にシフトし
ていくと、自局の送信波長を長波長側に詰めることがで
きシステム内の波長域を有効に活用できる。また複数の
空きスペースがとびとびにあるときでも最も短波長側の
空きスペース内で自送信波長の発振を始めることにより
よりチューニング動作に要する時間を短縮することを可
能としている。本実施例では送信波長を長波長側に詰め
ていく構成としたが、この逆に短波長側に詰めていく構
成も可能である。
【0074】実施例1における波長制御方法では、LD、
光フィルタの波長可変範囲に素子間で格差がある場合に
は、以下に示すように、システムで使用できる波長範囲
が制限されてしまう。
【0075】上述の例では、LDが問題になる(光フィル
タの波長可変範囲はシステム内のLDの波長可変範囲を含
んでいるため)。例えばLDの波長可変範囲と利用可能な
波長範囲が図10に示すような場合で、端局数が3つの
場合のについて説明する。送信を開始した順に、第1、
第2、第3光送信器と呼ぶことにする。第1光送信器の
LDの波長可変範囲が最も短波長寄りに、第3光送信器の
LDの波長可変範囲が最も長波長寄りにあるものとする。
第1光送信器の光は内蔵されたLDの最長波長λoでシフ
トを停止する。そして、第2光送信器はλo−Δλ、第
3光送信器ではλo−2・Δλの短波長側のみが利用可能
な波長範囲となる。したがって、最初に送信を開始した
光送信器以外は、内蔵するLDの波長可変範囲の一部しか
利用できなくなる。最悪の場合は波長可変範囲内に空き
スペースが存在しても送信を行えない場合がある。しか
しながら本実施例においては、空きスペースを効果的に
探すことができるため、各光送信器の発振可能波長域を
有効に使用することができる。
【0076】(実施例3)以下、図面を用いて本発明の
第3実施例について詳細に説明する。第3実施例はチュ
ーニング動作の一部のみが第2実施例と異なるので、そ
の部分のみについて説明する。
【0077】図11は本実施例の動作の説明図である。”
動作1”から”動作4”まであり、各動作におけるLD、
光フィルタの波長の位置関係を示している。”動作3”
のみが図1と異なる。また、”動作3”でLDの波長を長
波長側の隣接チャンネルのΔλ短波長側付近に一気にシ
フトするため、図6の”動作4”(a)は本実施例では存在
しない。”動作1”、”動作2”は第2実施例と同じで
ある。”動作3”(LD2-2の発振波長を空きスペースの
長波長側に移動)。
【0078】光スイッチ2-11をOFF状態のまま、光フィ
ルタ2-3の波長を空きスペースの長波長側に固定し、LD2
-2の発振波長をλeminから識別器2-8の出力がHになるま
で掃引する。識別器2-8の出力がHになるVeをVemとして
記憶する。具体的には、光フィルタ2-3の波長を空きス
ペースの長波長側に固定するために、Vf=Vfm6−1.2ΔV
fとし、VeをVeminから掃引する。尚、LD2-2の波長掃引
の途中、Vem≧Vemaxとなった場合には、Ve=Vemaxのま
まVfを減少させていき、識別器2-8の出力がHになるVf
をVfeとして記憶する。そしてVfeが空きスペース内にあ
る場合(この例では、Vfm5+1.2ΔVfe≦Vfm6−1.2ΔV
f)、Ve=Vemaxとして光伝送路上への出力を開始しても
光伝送路上の他の光と混信しないことになるので、Vem
=Vemaxとする。Vfeが空きスペース内にない場合にはチ
ューニング動作を中断する。”動作4”。動作自体は第
1実施例と同じである。”動作3”でLDの波長を長波長
側の隣接チャンネルのΔλ短波長側付近に一気にシフト
するため、この後の”動作4”の長波長側へのシフトは
小さく、Δλの維持を主に行う。
【0079】(その他の実施例)各構成要素は同様の機
能を有するものならば、実施例記載のものに限定される
ものではない(いくつかの構成要素からなる系について
も同様である)。さらに数値も動作の許容範囲であれば
記載の値に限定されるものではない。
【0080】具体的には、LDとして3電極λ/4シフト
DFB-LDを用いたが、多電極DBR(distributed Bragg ref
rector)-LD等を用いることもできる。光フィルタとし
てファイバ・ファブリ・ペロー型のものを用いたが、DF
B-LDフィルタ等の半導体型の光フィルタを用いることも
できる。
【0081】上記各実施例では引込・安定化の制御系と
して、微小変調による系を用いたが、他の制御系を用い
ることも可能である。
【0082】制御系の動作としては、波長の空きスペー
スを検出し、隣接するチャンネル(波長)と混信しない
波長間隔が保持される他の動作に置き換えることも可能
である。
【0083】また上記各実施例では光伝送路として光フ
ァイバを用いる例を示したが、本発明はそれに限定され
るものではなく、光を伝搬可能な空間や、光線により規
定される光経路など様々に適用できる。
【0084】
【発明の効果】本発明においては、光送信器が光伝送路
上に光を送出することなく自光送信器の発振波長と他光
送信器の送信波長の波長軸上の位置関係を検出できるた
め、送信開始時の混信をさけることができる。また本発
明の波長制御によりシステム内の各光送信器に内蔵され
るLDの波長可変範囲を有効に使うことができ、システム
のチャンネル数を増加し、端局が送信ができない確率が
低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の光送信器の構成図
【図2】実施例1の波長制御方法の動作説明図
【図3】実施例1のLD制御電圧と識別器の出力の関係を
示す図
【図4】実施例1の光送信器の他の構成図
【図5】実施例1の光送信器の他の構成図
【図6】実施例2の波長制御方法の動作説明図
【図7】実施例2の光フィルタ制御電圧と識別器の出力
の関係を示す図
【図8】実施例2のシステム内の各光送信器のLDの波長
可変範囲と利用可能な波長範囲を示す図
【図9】実施例1の光通信システムの構成図
【図10】システム内の各光送信器のLDの波長可変範囲
がそろっていない場合に実施例1に示す波長制御を行う
場合の利用可能な波長範囲を示す図
【図11】実施例3の波長制御方法の動作説明図
【符号の説明】
2−1 波長制御系 2−2 LD 2−3 光フィルタ 2−4 LD駆動回路 2−5 光フィルタ駆動回路 2−6 受光素子 2−7 増幅器 2−8 識別器 2−9 光変調器 2−10 光分岐器 2−11 光合流器 2−12 光スイッチ 6−1 端局 6−2 光ノード 6−3 n×nスターカプラ 6−4,6−5 光ファイバ 6−6 光送信器 6−7 光受信器 6−8 光分岐器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/14 10/20 10/26 10/28 H04J 14/02 (56)参考文献 特開 平4−318713(JP,A) 特開 平5−136735(JP,A) 特開 平3−214830(JP,A) 特開 平4−355526(JP,A) 特開 平6−120896(JP,A) 特開 昭59−182638(JP,A) 特開 平2−311032(JP,A) 特開 昭63−253739(JP,A) 特開 昭63−178630(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 10/00 - 10/28 H04J 14/00 - 14/08 H01S 5/042 H01S 5/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送路上における波長多重通信に用い
    られる波長制御方法であって、 自発光手段、該自発光手段から出される光を分岐する分
    岐手段、該分岐手段により分岐された第1の光を光伝送
    路に出力する制御を行なう光スイッチ、該分岐手段によ
    り分岐された第2の光と該光伝送路上にある光の波長を
    検出する波長検出手段を含み構成される光通信システム
    を用い、 該光スイッチを非出力にした状態で、該自発光手段によ
    る出力光も含めた該光伝送路上にある光の波長を該波長
    検出手段により所定の範囲掃引して検出する第1の検出
    工程、 該光スイッチを非出力にした状態で、該光伝送路上にあ
    り、且つ該自発光手段による出力光以外の他の光の波長
    を該波長検出手段により所定の範囲掃引して検出する第
    2の検出工程、 該第1及び第2の検出工程に基づき認識される空き領域
    内であって、且つ光伝送路上における波長軸上の短波長
    側で隣接する他の光の波長と所定間隔離れた位置に、他
    の光と混信しない波長に該波長検出手段の波長を設定す
    る工程、 該光スイッチを非出力にした状態で、該自発光手段の波
    長を掃引して該設定された波長に一致させる工程、 該光スイッチを出力状態にし、該自発光手段による光を
    出力する工程、 及び該自発光手段の波長を長波長側にシフトさせ、該長
    波長側で隣接する他の光の波長と所定間隔離れた波長に
    なるように該自発光手段の波長を制御する工程を有する
    ことを特徴とする波長制御方法。
  2. 【請求項2】 光伝送路上における波長多重通信に用い
    られる波長制御方法であって、 自発光手段、該自発光手段から出される光を分岐する分
    岐手段、該分岐手段により分岐された第1の光を光伝送
    路に出力する制御を行なう光スイッチ、該分岐手段によ
    り分岐された第2の光と該光伝送路上にある光の波長を
    検出する波長検出手段を含み構成される光通信システム
    を用い、 該光スイッチを非出力にした状態で、該自発光手段によ
    る出力光も含めた該光伝送路上にある光の波長を該波長
    検出手段により所定の範囲掃引して検出する第1の検出
    工程、 該光スイッチを非出力にした状態で、該光伝送路上にあ
    り、且つ該自発光手段による出力光以外の他の光の波長
    を該波長検出手段により所定の範囲掃引して検出する第
    2の検出工程、 該第1及び第2の検出工程に基づき認識される空き領域
    内であって、且つ光伝送路上における波長軸上の長波長
    側で隣接する他の光の波長と所定間隔離れた位置に、他
    の光と混信しない波長に該波長検出手段の波長を設定す
    る工程、 該光スイッチを非出力にした状態で、該自発光手段の波
    長を掃引して該設定された波長に一致させる工程、 該光スイッチを出力状態にし、該自発光手段による光を
    出力する工程、 及び該自発光手段の波長を短波長側にシフトさせ、該短
    波長側で隣接する他の光の波長と所定間隔離れた波長に
    なるように該自発光手段の波長を制御する工程を有する
    ことを特徴とする波長制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2に記載された波長制
    御方法を行なう前記自発光手段、前記分岐手段、前記光
    スイッチ、及び前記波長検出手段を含み構成される光通
    信システム。
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