JP3262412B2 - スクリーン印刷版の製造方法 - Google Patents

スクリーン印刷版の製造方法

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JP3262412B2 JP17136493A JP17136493A JP3262412B2 JP 3262412 B2 JP3262412 B2 JP 3262412B2 JP 17136493 A JP17136493 A JP 17136493A JP 17136493 A JP17136493 A JP 17136493A JP 3262412 B2 JP3262412 B2 JP 3262412B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクリーン印刷版の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スクリーン印刷版は、感光膜
をスクリーンの表面に形成した後、ホトマスクを密着さ
せ、紫外線等の活性光線を照射し、現像、乾燥等の工程
を経て作られている。
【0003】上記感光膜をスクリーンの表面に形成する
方法としては、スクリーン印刷版用感光液を直接、スク
リーン枠に貼られたスクリーンに塗布する方法と、予め
プラスチックフィルムのようなベースフィルムに上記感
光液を塗布し乾燥させた感光性フィルムを用い、スクリ
ーンに感光膜を転写する方法とに分けられる。
【0004】前者の感光液を塗布する方法は、バケット
を用い、2〜15回程度感光液を重ね塗りし、必要な膜
厚を得るものである。
【0005】後者の感光性フィルムを用いる方法は、取
扱いが容易であり、高精度の版を得ることができるた
め、最近では数多く使用されている。ここで、感光性フ
ィルムをスクリーンに貼り付ける方法として、従来より
図1または図2に示すものがある。
【0006】図1の方法について説明すると、まず感光
膜面3を上にして感光性フィルム5を平台6に置く。そ
の上に、スクリーン枠1に貼られたスクリーン2をセッ
トする(図1(a))。次に、水または溶剤を含んだ水
をスクリーンの上から均一にスプレーし(図1
(b))、スキージ7を用いて均一に貼り付ける(図1
(c))。乾燥させた後、感光性フィルム5のベースフ
ィルム4を剥し、スクリーン印刷版を得る。
【0007】図2の方法について説明すると、感光性フ
ィルム5が貼り付けられる側のスクリーン2の表面に、
バケット9内に入れたスクリーン印刷版用感光液8を、
1〜2回塗布し(図2(a))、その上に感光性フィル
ム5の感光膜面3を押し当て、スキージ7を下方から押
しながら引き上げていく(図2(b))。なお、バケッ
ト9をスキージ7として兼用することもある。次に、ス
クリーン2の反対側に、上記と同じスクリーン印刷版用
感光液8を1回塗布し(図2(c))、乾燥させる。最
後にベースフィルム4を剥し、スクリーン印刷版を得
る。最近では、図2に示す方法を自動貼り付け機により
自動的に行うこともある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下の問題点がある。前者の感光液を塗布す
る方法によると、1)感光性フィルムをスクリーンに均
一に貼れない、2)一版当たりの感光膜の形成に時間が
かかる、3)大きい版になると均一な塗布が難しい、
4)膜厚精度も良くない、という欠点がある。
【0009】後者の感光性フィルムを用いる方法による
と、1)感光性フィルムをスクリーンに均一に貼れな
い、2)感光性フィルムの位置決めが正確に行われな
い、3)作業時間が多くかかる、4)大気中のホコリや
空気を感光膜面とスクリーンとの間に巻き込んでしま
う、等の欠点がある。
【0010】本発明の目的は、スクリーン上の正確な位
置に感光性フィルムを均一に貼り付けることができ、し
かも、作業が容易で、作業時間も短縮され、さらに大気
中のホコリや空気を感光膜面とスクリーンとの間に巻き
込まないスクリーン印刷版の製造方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ベース
フィルム上に感光膜を設けた感光性フィルムをスクリー
ンに貼り付けるスクリーン印刷版の製造方法において、
スリット口の付いた筒の中に、上記感光性フィルムの感
光膜面が外側となるようにロール状に巻いて収納し、上
記筒をバケットに入れ、上記スリット口より上記感光性
フィルムを引き出しながら、しかも、上記バケットのエ
ッジを感光性フィルムに押し当てて引き上げながら、上
記感光性フィルムをスクリーンに貼り付けることを特徴
とするスクリーン印刷版の製造方法、および(B)上記
スクリーンの片側または両側に、予めスクリーン印刷版
用感光液を塗布しておくことを特徴とするスクリーン印
刷版の製造方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明を図3にしたがって説明す
る。スリット口10の付いた筒11(図3(a))の中
に、感光膜面3が外側となるようにロール状に巻いた感
光性フィルム5(図3(b))を収納し(図3
(c)))、上記筒をバケット12にいれ(図3
(d))、スリット口10より感光性フィルム5を引き
出しながら(図3(d))、しかも、予めスクリーン印
刷版用感光液8を塗布しておいたスクリーン2にバケッ
トのエッジを押し当てながら引き上げていく(図3
(e))。この感光性フィルム5は、常に、バケット1
2のエッジ13と平行に引き出されるため、スクリーン
2に対して正確な位置で貼り付けることができる。
【0013】一方、感光膜面3が内側となるようにロー
ル状にまいて、筒11に入れ、本発明と同様な貼り付け
作業を行うことも可能であるが、貼り付け位置が狂うこ
ともあるため、好ましくない。
【0014】感光性フィルム5を貼り付けた後、反対側
のスクリーン2の表面に、押し出された感光液をかき取
りながら更に均一に、スクリーン印刷版用感光液を塗布
した後、よく乾燥させ、ベースフィルム4を剥し、感光
膜面3にポジフィルム等のホトマスクを密着させ、活性
光線を照射した後、現像し、スクリーン印刷版を得る。
【0015】本発明で使用するベースフィルムとして
は、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムを用い
ることができる。ベースフィルムは透明でも不透明でも
よく、着色したり、表面を水溶性樹脂でコーティングし
たり、マット状の処理をしたものを用いることもでき
る。ベースフィルムの厚みは20〜500μm、好まし
くは50〜125μmである。
【0016】プラスチックフィルムの代わりに、紙、離
型紙、合成紙等をベースフィルムとして用いることもで
きる。
【0017】本発明で使用する感光膜は、スクリーン印
刷版用感光液を上記ベースフィルム上に塗布し、乾燥す
ることによって形成される。感光膜の膜厚は、乾燥状態
で5〜500μm、好ましくは8〜400μmの範囲で
ある。数回に分けて塗布したものでもよく、また、数種
類の感光液を重ね合わせたものでもよい。さらに、感光
膜の上に保護層を設けることもできる。
【0018】スクリーン印刷用感光液としては、例え
ば、酢酸ビニルとポリビニルアルコールのエマルジョン
とジアゾ樹脂からなるジアゾ系感光液、部分ケン価ポリ
酢酸ビニルとエチレン状不飽和化合物および光重合開始
剤からなる光重合性感光液、スチルバゾリウム誘導体を
含む感光液、アクリルアミドと水溶性ナイロンからなる
感光液等が使用できる。これらの感光液には、必要に応
じて、染料、顔料、可塑剤、エチレン状不飽和化合物等
を加えることもできる。
【0019】スクリーン印刷版用感光液をベースフィル
ム上に塗布する方法としては、例えば、リバースコータ
ー、グラビアコーター、ドクターブリードコーター、バ
ーコーター、エアナイフコーター、エクストルーダー等
が用いられる。
【0020】感光性フィルムをロール状に巻く場合、そ
のロールの幅、長さ等は、貼り付けるスクリーンの面積
と同じか、あるいは小さくしておくことが望ましい。
【0021】スリット口の付いた筒としては、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン等の合成樹脂製の筒、あるいは
スチール、ステンレス、アルミ等の金属製の筒を使用す
ることができる。筒の直径は、作業性を考慮して、30
〜100mm、より好ましくは40〜80mmが好まし
い。筒の長さは、使用する感光性フィルムの幅と同じ
か、0.5〜10%程度長めのものが望ましい。また、
筒の内外側には、静電防止用塗料や静電防止用界面活性
剤等を塗布しておくことが望ましい。
【0022】スリット口の間隔は、特に制限はないが、
感光性フィルムの厚み以上であることが必要である。通
常1〜10mmであり、好ましくは2〜8mmである。
【0023】バケットは、スチールやステンレス等の金
属製が望ましく、上記筒が入るものであれば深さ、大き
さについて特に制限はない。
【0024】
【実施例】
実施例1 ベースフィルムとして、厚み75μm、幅1000mm
のポリエステルフィルム上に、下記の組成を有する感光
液をエクストルーダーで、乾燥状態での膜厚が25μm
になるように塗布し、乾燥した。
【0025】 ポリ酢酸ビニルエマルジョン(固形分50重量%) 100g 部分ケン価ポリ酢酸ビニル(重合度2000:重合度500 200g =9:1のもの)17重量%水溶液 トリメチロールプロパントリアクリレート 5.4g ウレタンアクリレート 18.9g 2−ヒドロキシプロピルアクリレート 2.7g イルガキュアー184(チバガイギー株式会社製) 1.5g ベンゾフェノン 1.5g フタロシアニングリーン10重量%水分散液 2g 4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩のパラホルムアルデヒド 2g 縮合物(ジアゾ樹脂) 水 40g
【0026】上記のようにして作製した感光性フィルム
を、幅710mm、長さ710mmにカットし、感光膜
面が外側となるようにロール状に巻いて、スリット口幅
5mm、内径50mm、幅715mmのポリ塩化ビニル
製筒に収納し、この筒をステンレス製のバケット内に入
れた。スクリーン枠に張られたテトロンスクリーン(2
50メッシュ)の、上記感光性フィルムの感光膜が接す
る側に、上記組成と同じ感光液を2回塗布した。バケッ
ト内に入れた上記筒のスリット口より、上記感光性フィ
ルムを引き出し、予め感光液を塗布したスクリーンに当
て付け、バケットのエッジを押し当てながらバケットを
引き上げ、感光性フィルムをスクリーンに貼り付けた。
最後に、スクリーンの反対側に、押し出された感光液を
かき取りながら、更に均一に上記と同じ感光液を1回塗
布した。この作業を10回行うのに、作業時間として2
0分要した。
【0027】次に、40℃で20分間乾燥させた後、ベ
ースフィルムを剥し、感光膜にホトマスクを密着させ、
4kWの高圧水銀灯を用いて、1m離れたところから9
0秒間、光照射した。その後、高圧水洗スプレーを用い
て水洗現像し、乾燥してスクリーン印刷版を得た。スク
リーン版の表面は均一であり、感光膜の位置決めも正確
であり、感光膜とスクリーンの間にホコリや空気が入り
込むこともなく、画像剥離も生じなかった。また、得ら
れた10版の全てが良品であった。
【0028】比較例1 実施例1と同様にして作製した幅710mm、長さ71
0mmの感光性フィルムを図1に示す方法を用いてスク
リーンに貼り付けた。すなわち、上記感光性フィルムの
感光膜面を上にして、平台上に置き、その上に実施例1
と同じスクリーン枠をセットした。この上から、水をス
プレーした後、スキージにて、余分の水を除去しながら
スクリーンに感光性フィルムを貼り付けた。この作業を
10回行うのに、作業時間として40分要した。その
際、感光性フィルムの位置が狂ったり、感光膜とスクリ
ーンとの間に生じる気泡による密着不良が生じたり、感
光膜とスクリーンの間にホコリが入り込んだりした。こ
のため、良品の版は、10版中5版だけであった。
【0029】その後、実施例1と同様に、40℃で20
分間乾燥させ、ベースフィルムを剥し、感光膜にホトマ
スクを密着し、4kWの高圧水銀灯を用いて、1m離れ
たところから90秒間、光照射し、高圧水洗スプレーを
用いて水洗現像し、乾燥させてスクリーン印刷版を得
た。スクリーンに貼られた感光膜で、位置ズレが生じて
いたものからは、精度のある印刷物は得られなかった。
また、密着不良を生じた部分やホコリの付着した部分で
は、画像剥離が生じていた。
【0030】比較例2 実施例1と同様にして作製した幅710mm、長さ71
0mmの感光性フィルムを図2に示す方法を用いてスク
リーンに貼り付けた。すなわち、スクリーン枠に張られ
たテトロンスクリーン(250メッシュ)に、実施例1
と同じ感光液を、上記感光性フィルムの感光膜が接する
側に2回塗布し、その上に、上記感光性フィルムの感光
膜面を当て、バケットのエッジを押し当て、バケットを
引き上げながら下方から上記感光性フィルムをスクリー
ンに貼り付けた。その際、感光性フィルムの位置が狂っ
たり、感光膜とスクリーンの間にホコリが入り込んだり
した。このため、10版中4版しか良品が得られなかっ
た。次に、スクリーンの反対側から、同じ感光液を1回
塗布した。この作業を10回行うのに、作業時間として
45分要した。その後、実施例1と同様に、40℃で2
0分間乾燥させ、ベースフィルムを剥し、感光膜にホト
マスクを密着させ、4kWの高圧水銀灯を用いて、1m
離れたところから90秒間、光照射し、高圧水洗スプレ
ーを用いて水洗現像し、乾燥させてスクリーン印刷版を
得た。ホコリの入り込んだ部分では、画像剥離が生じ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明により、スクリーン上の正確な位
置に感光性フィルムを貼り付けることが可能となった。
また、感光膜とスクリーンの間にホコリや空気を巻き込
むこともなくなり、感光膜とスクリーンとの接着不良や
画像剥離といった不良が生じなくなった。さらに、スク
リーン印刷版の製造作業が容易となり、作業時間も短縮
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スクリーン印刷版用感光液を直接スクリーン
に塗布する方法を示す図である。
【図2】 感光液を塗布し乾燥させた感光性フィルムを
用い、スクリーンに感光性フィルムを貼り付ける方法を
示す図である。
【図3】 ロール状に巻いた感光性フィルムを収納した
筒のスリット口より、感光性フィルムを引き出し、スク
リーンに貼り付ける方法を示す図である。
【符号の説明】
1 スクリーン枠 2 スクリーン 3 感光膜 4 ベースフィルム 5 感光性フィルム 6 平台 7 スキージ 8 スクリーン印刷版用感光液 9 バケット 10 スリット口 11 筒 12 バケット 13 エッジ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−113063(JP,A) 特開 昭61−114244(JP,A) 特開 昭61−17142(JP,A) 特開 昭64−88536(JP,A) 特開 昭53−104306(JP,A) 実開 昭63−153255(JP,U) 実開 平1−81654(JP,U) 実開 昭64−10742(JP,U) 実開 昭63−78945(JP,U) 実開 昭63−74640(JP,U) 実開 平1−81655(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/12 G03F 7/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム上に感光膜を設けた感光
    性フィルムをスクリーンに貼り付けるスクリーン印刷版
    の製造方法において、スリット口の付いた筒の中に、上
    記感光性フィルムを感光膜面が外側になるようにロール
    状に巻いて収納し、上記筒をバケットに入れ、上記スリ
    ット口より上記感光性フィルムを引き出しながら、しか
    も、上記バケットのエッジを感光性フィルムに押し当て
    て引き上げながら、上記感光性フィルムをスクリーンに
    貼り付けることを特徴とするスクリーン印刷版の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記スクリーンの片側または両側に、予
    めスクリーン印刷版用感光液を塗布しておくことを特徴
    とする請求項1に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
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