JP3262134B2 - インクジェット記録ヘッド、及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、及びその製造方法

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JP3262134B2
JP3262134B2 JP2512692A JP2512692A JP3262134B2 JP 3262134 B2 JP3262134 B2 JP 3262134B2 JP 2512692 A JP2512692 A JP 2512692A JP 2512692 A JP2512692 A JP 2512692A JP 3262134 B2 JP3262134 B2 JP 3262134B2
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隆志 中村
修 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液滴の吐出によって記
録を行うインクジェット記録ヘッド、より詳細には圧電
素子の固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子の長手方向の変位により圧力壁
を変位させて圧力室内のインクを加圧し、圧力室に連通
するノズルからインク滴を吐出させるインクジェット記
録ヘッドは、特公平2−52625号公報(図7)に見られる
ようにインク吐出口101を有するノズルプレート10
2を接合した流路基板103に、圧力壁104を形成す
る圧力プレートを接合し、各圧力室に位置する部分に圧
電素子105の長手方向先端に配設された脚部106を
粘弾性部材107で連結させて構成されている(図
8)。そして圧電素子105は、1素子毎が固定板10
8によって位置決めされて接合され、回路基板109に
より電気的配線がなされている。
【0003】このため、独立した圧電素子105を1素
子づつ固定板108に固定する作業が必要となり、接合
にかかる手間が大きいといった問題がある。また、接合
時の接合圧力のばらつきにより圧力壁104にかかる与
圧も素子毎にばらつき、インク滴の吐出特性もばらつく
という問題がある。さらには、圧電素子105と圧力壁
104との間に脚部106を必要とするため、脚部10
6と圧電素子105との接合に手間がかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、複
数の圧電素子と圧力壁と圧電素子の結合構造の簡素で
き、かつ安定した吐出特性を備えたインクジェット記録
ヘッドを提供することにある。本発明の第2の目的は、
上記インクジェット記録ヘッドの製造方法を提案するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、圧電素子の軸方向の変位に
より圧力室の圧力壁を変位させてインクを加圧し、ノズ
ルからインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッド
において、保持基板に複数の前記圧電素子が固定された
圧電素子ユニットと、前記圧力室を備えたインク流路ユ
ニットと、前記圧電素子ユニットとインク流路ユニット
とを固定する固定板とを備え、前記圧電素子が先端側を
前記流路ユニットに接着剤により固定され、また前記保
持基板の前記圧電素子の列設方向に平行な面を前記固定
板に接着剤により固定されている。
【0006】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図2は、本発明のインクジェット
記録ヘッドの一実施例を示すものであって、櫛状の積層
型圧電素子1は、保持基板2に固定され、また保持基板
2の表面には図3に示したように各圧電素子1に駆動信
号を供給するための信号電極パターン2aを形成してユ
ニットに構成されている。
【0007】この振動子ユニットは、セラミックあるい
はガラスエポキシ基板からなる保持基板2に電極パター
ンを形成し、板状の積層型圧電素子板を接着剤等で接合
し、圧電素子板側から保持基板2の所定深さまで、所定
の幅wでダイシング等により溝を形成して歯割すること
により圧電素子1と、表面側に駆動信号を供給するため
の共通電極11とが形成されている。
【0008】インク流路ユニット12は、圧力室8、圧
力室8からノズル10に連通する連通孔9、インク供給
溜13、これらを構成するための肉部6と、圧力プレー
ト5と、ノズル10が穿設されたノズルプレート7とか
ら構成されている。
【0009】圧力プレート5は、圧電素子1の変位を受
ける厚肉に形成された突起状の圧力壁5aと、圧電素子
1の変位により撓む領域5bとを備え、接合部材4を介
して金属あるいは樹脂あるいはセラミック等で形成され
た固定板3に接合されている。この圧力プレート5は、
金属の電鋳や、金属エッチング、プラスチックフィルム
あるいは金属箔と感光性樹脂等の積層により製造するこ
とができる。
【0010】一方、上述した複数の圧電素子1は、図
5、図6に示したように固定板3の後端から挿入して先
端を接合部材4により圧力プレートの圧力壁5aに、後
端側を保持基板2により固定板3に接着剤により固定さ
れる。より詳細には、図1に示したように保持基板2
は、圧電素子1を固定している面と反対の面を固定板3
に接着剤により固定されている。
【0011】ところで、本実施例においては図3に示し
たようにダミーの圧電素子14(インク吐出用としての
機能をもたせず、構造体の一部として配設したもの)が
設けられていて、ダミー圧電素子14と固定板3との隙
間22に接着剤を流し込むことによっても接合されてい
る。すなわち、図1に示したように適度な粘性の接着
剤、粘度が500mPas程度のエポキシ系一液接着剤
や、UV嫌気性接着剤をA部やB部に塗布すると、隙間
21、22が適当な大きさとなるように調整しておけ
ば、毛細管力により浸透して必要箇所全面にいきわた
る。また接着剤の塗布が不要な領域は、隙間21、22
よりも大きな間隙を形成しておくのが望ましい。
【0012】その後に、図1における領域23、つまり
圧電素子の振動に寄与せず、かつ外部から塗布しやすい
領域に仮止め接着剤、つまり硬化時間が短い接着剤で仮
止めを行う。このような、仮止めには、アクリル系紫外
線硬化型接着剤が使用できる。
【0013】このように硬化時間が短い接着剤により仮
度めを行うことにより、接合作業に用いる接合用冶具を
早期、つまり仮止め接着剤の硬化に要する時間で開放す
ることができ、製造設備の効率化を図ることができ、ま
たエポキシ系接着剤を10゜C乃至40゜C範囲の常温
程度で24乃至48時間掛けて硬化させることができ
る。このような常温程度の加温で硬化させることができ
るから、硬化促進のために高温での加温による圧電素子
1や保持基板2や固定板3の材質、形状の相違等に基因
する熱膨張差による歪みを発生させることなく、圧力プ
レート5の平坦性を保持させた状態で記録ヘッドに組み
立てることができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の
発明によれば、複数の圧電素子の個々の接着工程を不要
とし、かつ広い面積を備えた保持基板により固定板に確
実に固定することができる。また、請求項2の発明によ
れば、保持基板と固定板とを本固定する接着剤を塗布し
た後、硬化時間が短い接着剤により仮止めするため、本
固定する接着剤を常温で硬化させて熱膨張差に基因する
インク流路ユニットの歪みを発生させることなく組み立
てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの固定領域
を示す図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
を、1つの圧力室の断面構造で示す図である。
【図3】図2におけるA−A’線での断面図である。
【図4】図2におけるB−B’線での断面図である。
【図5】固定板と圧電素子との組み付け工程を説明する
図である。
【図6】固定板と圧電素子との組み付け状態を示す図で
ある。
【図7】従来のインクジェット記録ヘッドの構造を説明
する図。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッドの構造を説明
する部分断面図。
【符号の説明】
1 積層型圧電素子 1a 積層型圧電素子の上端面 2 保持基板 2a 信号電極パターン 3 固定板 3a 固定板の上面 4 固定板と圧力プレートとの接合部材 4a 圧力室と圧力壁との接合部材 5 圧力プレート 5a、5b 圧力壁 6 流路肉部 7 ノズルプレート 8 圧力室 9 連通孔 10 ノズル 11 共通電極パターン 12 インク流路ユニット 13 インク供給溜 14 ダミー圧電素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子の軸方向の変位により圧力室の
    圧力壁を変位させてインクを加圧し、ノズルからインク
    滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、 保持基板に複数の前記圧電素子が固定された圧電素子ユ
    ニットと、前記圧力室を備えたインク流路ユニットと、
    前記圧電素子ユニットとインク流路ユニットとを固定す
    る固定板とを備え、 前記圧電素子が先端側を前記流路ユニットに接合され、
    また前記保持基板の前記圧電素子を固定している面と反
    対の面を前記固定板に接着剤により固定されたインクジ
    ェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保持基板と前記固定板が仮止め用接
    着剤によっても固定されている請求項1に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子ユニットにダミー振動子が
    設けられ、前記ダミー振動子が前記固定板に接着剤によ
    り固定されている請求項1に記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 インク流路ユニットが固定された固定板
    に、1枚の圧電振動板を保持基板に固定して歯割により
    複数の圧電素子が形成された圧電素子ユニットを、前記
    保持基板と固定板とに本固定用接着剤を塗布して治具に
    より保持した状態で、前記接着剤よりも硬化時間が短い
    接着剤で仮止めし、前記治具を外して温度10乃至40
    °Cで前記本固定用接着剤を硬化させるインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
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US08/471,230 US5630274A (en) 1991-12-26 1995-06-06 Method of making an ink jet recording head
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