JP3262097B2 - 半導体評価装置およびその方法 - Google Patents

半導体評価装置およびその方法

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JP3262097B2 JP06238899A JP6238899A JP3262097B2 JP 3262097 B2 JP3262097 B2 JP 3262097B2 JP 06238899 A JP06238899 A JP 06238899A JP 6238899 A JP6238899 A JP 6238899A JP 3262097 B2 JP3262097 B2 JP 3262097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体評価装置お
よびその方法に係り、半導体試料中のキャリア分布等を
試料を破壊することなく、光学的に測定・評価する半導
体評価装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体を製作する際、例えば、ポリシリ
コンをゲート電極として用いたMOSトランジスタで
は、半導体の微細化が進むにつれ1020cm-3代ものホ
ウ素(boron )をドープすることが必要となっている。
ここで、ドーパントをより効率よく活性化するために、
ドーパントの活性化状態、キャリア分布の評価試験が重
要となる。
【0003】従来から知られている微小な半導体構造内
のドーパント分布、あるいはキャリア分布を測定する手
法としては以下のようなものがある。 1.二次イオン質量分析法(SIMS : Secondary Ion
Mass Spectroscopy ) これは、ドーパント分布分析によく使用される方法の1
つであり、この方法は、一次イオンを加速して試料に衝
突させた際、二次イオンとして試料から放出される構成
元素種を質量分析により同定する方法で、感度も高く試
料深さ方向のドーパント分布を調べることができる。こ
の方法に関する文献としては、例えば固体表面分析1
(講談社、大西孝治ら編著)がある。
【0004】2.走査型ケルビンプローブフォース顕微
鏡(KFM : Kelvin probe Force Microscope)を利用
した方法 これは、高空間分解能測定が容易な走査型プローブ顕微
鏡を用いた方法のひとつであり、表面電位を測定するも
のである。ここで、構成装置としては伝導性カンチレバ
ーを有する走査型原子間力顕微鏡(AFM : Atomic Fo
rce Microscope)を利用する。この方法は、ドーパント
種および量に依存して変化する試料内部フェルミ準位差
がもたらす表面電位差をプローブ試料間の静電気力の差
として測定するものである。この方法に関する刊行物と
しては、例えばアプライド フィジクス レターズ、第
58巻、第25号、2921〜2923頁、(Applied Physics Lett
ers, Vol. 58, No.25 , P.2921-2923, 1991.)がある。
【0005】3.走査型トンネル分光法(STS : Sca
nning Tunneling Spectroscopy) これは、試料表面に絶縁膜を堆積し、探針試料間の電圧
容量特性を測定してドーパント分布を求める方法のひと
つであり、トンネル電流を用いて、探針試料間距離を一
定に保ち、電流電圧特性を測定するものである、この方
法によれば、試料半導体におけるn型領域とp型領域を
判別することができる。また、表面および表面から数原
子層の深さの領域については個々のドーパント原子を観
察するといった、非常に空間分解能の高い測定も可能で
あることが示されている。この方法に関する刊行物とし
ては、例えばアプライド フィジクス レターズ、第63
巻、第21号、2923〜2925頁、(Applied Physics Letter
s, Vol. 63, No.21 , P.2923-2925, 1993.)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記1.二次イオン質
量分析法は、試料に一次イオンを衝突させ構成元素をイ
オン化しながら弾き飛ばすという、いわゆる破壊分析法
であるため、デバイス動作特性との相関を直接観測する
ことは不可能であった。また、この方法では、ドーパン
ト活性化により生成されるキャリア分布を調べることは
できない。また、上記2.走査型ケルビンプローブフォ
ース顕微鏡を利用した方法では、試料と伝導性カンチレ
バー間の静電相互作用を検知するため、空間分解能が1
0nm程度以上に制限されるという問題があった。さら
に、上記3.走査型トンネル分光法では、表面状態に大
きく影響されるという問題点を有する。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、直接、半導体中のキャリア密度に比例した情報を
得て、キャリア分布をnmスケール程度の高空間分解能
で測定し、かつ非破壊的な半導体評価装置およびその方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体評価装置
は、半導体の検出表面に近接可能な金属プローブと、前
記半導体にキャリアによる表面プラズモンを励起するよ
半導体のバンドギャップよりも小さなエネルギーの赤
外光を前記半導体検出表面の裏面に照射する照射手段
と、前記半導体裏面からの反射光を検出する反射光検出
手段と、表面プラズモンの励起した前記半導体検出表面
の前記金属プローブ近傍からの散乱光を検出する散乱光
検出手段と、照射手段と前記反射光検出手段とを制御
し、前記散乱光検出手段の検出結果を処理する制御手段
と、を有することにより上記課題を解決した。また、本
発明においては、前記散乱光検出手段により検出された
前記散乱光の強度から半導体内部のキャリア分布を評価
することが好ましい。また、本発明の前記制御手段が、
前記照射手段から前記半導体裏面に照射する前記赤外光
の入射角および波長の関数として前記検出をおこなわせ
ることができる。また、本発明の前記制御手段が、前記
照射手段による前記赤外光の入射角を、当該赤外光が前
記半導体の裏面で全反射され、かつ前記反射光検出手段
により検出された反射光強度が最も低くなるような角度
に設定可能である手段を採用することができる。さら
に、本発明における前記金属プローブを前記半導体に対
して走査位置制御するとともに、前記散乱光の強度から
半導体内部のキャリア分布を評価する制御手段を有する
ことが好ましい。本発明において、前記半導体と金属プ
ローブ間との位置制御には、走査型プローブ顕微鏡と同
様に、試料と金属プローブ間のトンネル電流を利用する
か、走査型近接場光学顕微鏡で使用される剪断力検知法
が用いられることが望ましい。本発明において、前記半
導体が10 20 cm -3 オーダーのような高濃度のキャリア
15を有する試料とされることができる。
【0009】本発明半導体評価方法においては、所定の
入射状態とされた光を半導体検出表面の裏面に照射する
ことにより、前記半導体にキャリアによる表面プラズモ
ンを励起する過程と、前記半導体に励起された表面プラ
ズモンを前記半導体検出表面近傍に位置する金属プロー
ブによって局在化モードに変換し、前記半導体検出表面
からの散乱光として放射する過程と、前記金属プローブ
の前記半導体に対する位置制御をおこないながら前記散
乱光を検出して半導体におけるキャリア分布を評価する
過程と、を有することことにより上記課題を解決した。
本発明は、前記散乱光検出手段により検出された前記散
乱光の強度から半導体内部のキャリア分布を評価するこ
とが好ましい。本発明において、前記照射手段から前記
半導体裏面に照射する前記赤外光の入射角および波長の
関数として前記検出をおこなうことが望ましい。本発明
において、前記照射手段による前記赤外光の入射角を、
当該赤外光が前記半導体の裏面で全反射され、かつ前記
反射光検出手段により検出された反射光強度が最も低く
なるような角度に設定可能である手段を採用することが
できる。本発明において、前記半導体と金属プローブ間
との位置制御には、走査型プローブ顕微鏡と同様に、試
料と金属プローブ間のトンネル電流を利用するか、走査
型近接場光学顕微鏡で使用される剪断力検知法を用いる
ことが望ましい。さらに、前記半導体が10 20 cm -3
ーダーのような高濃度のキャリア15を有する試料とさ
れることができる。
【0010】本発明の半導体評価装置およびその方法に
おいては、照射手段により試料とされる半導体検出表面
の裏面からプリズムを通して赤外光を照射する。赤外光
により半導体には内部のキャリアにより表面プラズモン
が励起される。このとき、反射光検出手段により反射光
を検出し、この検出結果により表面プラズモンが励起さ
れるように入射角、波長、等の入射条件を設定する。こ
の表面プラズモンの励起された半導体検出表面近傍に制
御手段により制御された金属プローブを接近させると、
前記半導体に励起された表面プラズモンモードがこの金
属プローブによって局在化モードに変換され、半導体検
出表面から散乱光が放射される。この散乱光を散乱光検
出手段により測定することにより、散乱光強度が試料内
のキャリア密度に対応するため、この散乱光の強度から
半導体内部のキャリア分布を評価する非破壊的な評価を
実現することができる。
【0011】ここで、本発明では、試料を構成する半導
体のバンドギャップよりも小さなエネルギーの赤外光に
よって、試料裏面からプリズムを介して表面プラズモン
を励起する。また、バンドギャップよりも小さなエネル
ギーの光を使用することは、光散乱トモグラフィーとい
った材料欠陥評価法と組み合わせることが容易である利
点も有する。前記金属プローブとしては、走査型プロー
ブ顕微鏡の探針を使用することが可能であり、試料であ
る半導体と金属プローブ間との位置制御には、走査型プ
ローブ顕微鏡と同様に、試料と金属プローブ間のトンネ
ル電流を利用するか、走査型近接場光学顕微鏡で使用さ
れる剪断力検知法を用いることが可能である。このよう
に、試料と金属プローブとの間の位置を制御することに
より、面内空間分解能をnmオーダーにまで向上させる
ことができる。また、キャリア分布を与える散乱光強度
は、金属プローブの位置を制御するために用いる電流や
剪断力とは独立した物理量なので、安定したプローブ位
置制御ができる。表面プラズモンが励起された状態にお
いて、半導体検出表面に金属プローブを接近させない限
り半導体検出表面側には散乱光が放射されず、金属プロ
ーブを接近させたときのみ散乱光が放射するので、高い
信号雑音比で測定を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る半導体評価装
置およびその方法の一実施形態を、図面に基づいて説明
する。図1は、本実施形態の半導体評価装置を示す概略
構成図、図2は、図1のプリズム4上に配された試料1
0としてポリシリコンをゲート電極として用いたMOS
トランジスタを示す拡大構成図、図3は、バイアス電圧
印加下の金属プローブとp型半導体層との模式的なバン
ドダイアグラムを示す模式図である。
【0013】図1ないし図3に示すように、本発明に係
る半導体評価装置は、試料である半導体10の検出表面
に近接可能な金属プローブ1と、該金属プローブ1を前
記半導体10に対して走査位置制御する制御手段と、前
記半導体10にキャリア15による表面プラズモンを励
起するよう入射状態の設定可能な赤外光L1を前記半導
体10の検出表面の裏面に照射する照射手段と、前記半
導体10裏面からの反射光L2を検出する反射光検出手
段(反射光検出器)8Aと、表面プラズモンの励起した
前記半導体10検出表面の前記金属プローブ1近傍から
の散乱光L3を検出する散乱光検出手段とを有するもの
とされる。
【0014】金属プローブ1としては、金や銀で、ワイ
ア状とし、その先端を先鋭化したもの、あるいは金や銀
の微粒子をワイア状の透明媒体に配したものを用いるこ
とができる。金属プローブ1は、走査型プローブ顕微鏡
の探針と同様の駆動構成とされ、図1に示すように、ピ
エゾ素子2の先端に設けられて、ピエゾ素子2を駆動す
る図示しない粗動機構と、この粗動機構の駆動を制御す
るとともにピエゾ素子2に印加する電流および電圧を制
御する制御部3によって位置制御される。このとき、金
属プローブ1は、ピエゾ素子2を介して制御部3により
半導体(試料)10に対して電圧を印加されて、半導体
10に接近した際にその先端から半導体10へのトンネ
ル電流によって、半導体10への位置が制御される。
【0015】制御部3は、金属プローブ1の位置制御を
おこなうとともに、この金属プローブ1と半導体10と
の間にバイアス電圧を印加するバイアス電源を有し、ま
た、赤外光照射器5,反射光検出器8A,散乱光検出手
段等を制御し、これらの検出結果を処理して、その結果
を記憶可能かつ表示装置3Aに表示可能とされる。半導
体10と金属プローブ1との間の位置制御には、前述の
ように、試料(半導体)10と探針(金属プローブ)1
との間のトンネル電流を利用するもの以外にも、剪断力
検知法を使用する走査型ケルビンプローブフォース顕微
鏡の様な構成も適用可能である。
【0016】照射手段としては、赤外光照射器5と、プ
リズム4とが設けられる。赤外光照射器5は、試料を構
成する半導体10のバンドギャップよりも小さなエネル
ギーの赤外光L1を放射するものとされ、制御部3によ
り入射状態を制御された赤外光L1をプリズム4を通し
て試料10の裏面から入射する。試料10において、こ
の赤外光L1により共鳴励起されるプラズモンモードの
エネルギーは、それを担うキャリア15の密度で決定さ
れる。後述するように、ポリシリコンからなるゲート電
極14のような高濃度のキャリア15を有する試料にお
いては、共鳴エネルギーが0.1eV程度である。この
エネルギーの光にほぼ透明なシリコンをプリズム4材料
として用いることができる。赤外光照射器5は、試料1
0の裏面に全反射角以上の高角度で赤外光L1を入射し
た場合、キャリア15による表面プラズモンモードの励
起条件に一致した入射角θで反射率が減少するから、反
射光検出器8Aにより反射光L2の強度をモニタして最
も強く表面プラズモンモードが励起される(最も反射光
L2強度が低くなる)入射角θを測定し、この入射角θ
となるように、その照射位置を制御部3により設定可能
とされる。
【0017】プリズム4としては、試料10がシリコン
の場合にはこの試料10と同じシリコンを用いるように
して、試料10とプリズム4との界面での屈折率整合を
とる。また、プリズム4は、該プリズム4に赤外光L1
を入射させる際の反射や屈折の効果を最小限に抑えるた
めに、図1に示すように、半球状とされる。
【0018】散乱光検出手段としては、ミラー6とフィ
ルタ7と散乱光検出器8Bとを有する。ミラー6は、な
るべく有効な散乱光L3の集光立体角を拡大するために
散乱光L3を集光するものとされ、フィルタ7は、散乱
光L3を選択的に透過して散乱光検出器8Bににおける
検出波長を選択する。散乱光検出器8Bは、制御部3に
より金属プローブ1を試料10表面に対して走査した
際、赤外光L1の入射角θおよび波長の関数として散乱
光L3を検出し、検出された散乱光L3の面内分布およ
び強度を制御部3に出力するものとされる。
【0019】制御部3により金属プローブ1を試料10
表面に対して走査することにより、散乱光L3の面内分
布、および、反射光L2の面内分布がCRTディスプレ
イ装置(表示装置)3Aに表示される。この測定を赤外
光L1の入射角θおよび波長の関数として行うことによ
り、精密な検出ができる。
【0020】本発明半導体評価方法においては、上述の
ように、所定の入射状態とされた赤外光L1を半導体1
0検出表面の裏面に照射することにより、前記半導体1
0にキャリアによる表面プラズモンモードを励起する過
程と、前記半導体10に励起された表面プラズモンモー
ドを前記半導体10検出表面近傍に位置する金属プロー
ブ1によって局在化モードに変換し、前記半導体10検
出表面からの散乱光L3として放射する過程と、前記金
属プローブ1の前記半導体10に対する位置制御をおこ
ないながら前記散乱光L3を検出して半導体10におけ
るキャリア15分布を評価する過程とを有する。
【0021】ここで、試料10として、図2に示すよう
に、ポリシリコンをゲート電極として用いたMOSトラ
ンジスタを選択し、例えばソース11とドレイン12と
の間のゲート電極14部分におけるキャリア15分布を
評価する。この試料10に、赤外光照射器5により試料
10裏面からプリズム4を通して、赤外光L1を入射す
る。試料10において、この赤外光L1により共鳴励起
されるプラズモンモードのエネルギーは、それを担うキ
ャリア15の密度で決定される。このMOSトランジス
タの場合には、例えば1020cm-3オーダーのホウ素B
をドープしており、これだけの量のキャリア15が形成
するプラズモンモードのエネルギーは0.1eVのオー
ダーに達する。このように、ポリシリコンからなるゲー
ト電極14のような高濃度のキャリア15を有する試料
10においては、共鳴エネルギーが0.1eV程度であ
り、このエネルギーの光に対してプリズム4と試料10
とを同じ屈折率とし、試料10とプリズム4界面での屈
折率整合をとるとともに、半球状のプリズム4を用いて
プリズム4に入射光2を入射させる際の反射や屈折の効
果を最小限に抑えることにより、効率よく試料10にエ
バネッセント場を発生し、表面プラズモンを励起する。
【0022】ここで、試料10の裏面に全反射角以上の
高角度で赤外光L1を入射した場合、キャリア15によ
る表面プラズモンモードの励起条件に一致した入射角θ
で反射率が減少するから、反射光検出器8Aにより反射
光L2の強度をモニタして最も強く表面プラズモンモー
ドが励起される(最も反射光L2強度が低くなる)入射
角θを測定し、この入射角θとなるように、赤外光照射
器5の照射位置を制御部3により設定する。
【0023】この状態で、制御部3により試料10に対
するバイアス電圧を印加された金属プローブ1を、試料
10検出表面に接近させると表面プラズモンモードの一
部が局在化したプラズモンモードへと変換され、試料1
0から外部にフォノンとして放出され散乱光5が発生す
る。散乱光L3は、ミラー6により集光され、フィルタ
7により検出波長を選択された後、散乱光検出器8Bに
よりその強度を検出され、この検出結果が、制御部3に
出力される。
【0024】ここで、散乱光L3強度が試料10内のキ
ャリア15密度に対応するため、制御部3により金属プ
ローブ1を試料10検出表面に対して走査することによ
り、散乱光L3の面内分布、および、反射光L2の面内
分布を制御部3に記憶するとともにCRTディスプレイ
装置(表示装置)3Aに表示する。この検出を赤外光L
1の入射角θおよび波長の関数として行うことにより、
精密な検出をおこなって、この散乱光L3の強度から半
導体10内部のキャリア15分布を評価する非破壊的な
評価を実現することができる。
【0025】このとき、試料10検出表面側から赤外光
L1を照射しても、金属プローブ1を接近させていれば
局在化したプラズモンモードを励起することが可能であ
るが、直接の反射光、上部電極などの構造物による散乱
光など雑音光強度が大きくなる。これに比べて試料10
裏面からの全反射角度での励起であれば、金属プローブ
1を接近させない限り信号となる散乱光は発生せず、雑
音となる迷光を低く抑えることができ、高い信号雑音比
で測定を行うことができる。
【0026】ここで、本実施形態では、半導体10のバ
ンドギャップよりも小さなエネルギーの赤外光L1によ
って、半導体10裏面からプリズム4を介して表面プラ
ズモンを励起するため、バンドギャップよりも小さなエ
ネルギーの光を使用することは、光散乱トモグラフィー
といった材料欠陥評価法と組み合わせることが容易とな
る効果を有する。また、試料10と金属プローブ1との
間の位置を制御することにより、面内空間分解能をnm
オーダーにまで向上することができる。また、キャリア
分布を与える散乱光L3強度は金属プローブ1の位置を
制御するために用いる電流や剪断力とは独立した物理量
なので、安定して金属プローブ1の位置制御ができる。
表面プラズモンが励起された状態において、半導体10
検出表面に金属プローブ1を接近させない限り半導体1
0検出表面側からは散乱光L3が放射されず、金属プロ
ーブ1を接近させたときのみ散乱光が放射するので、高
い信号雑音比で測定を行うことができる。
【0027】ここで、試料10が半導体の場合、表面近
傍には空間電荷層が形成されているが、その影響を調べ
るためには、表面近傍のキャリア15密度を金属プロー
ブ1と試料10間のバイアス電圧で制御することができ
る。図3に示すように、バイアス電圧印加下の金属プロ
ーブ1とp型半導体層であるゲート電極14において
は、試料10裏面から入射された赤外光L1によりゲー
ト電極14表面にp型半導体主キャリアであるホール1
5による表面プラズモンモードが励起される。金属プロ
ーブ1が接近することにより、上述のように散乱光L3
が発生し、この散乱光L3の面内強度分布を測定するこ
とにより、キャリア15密度分布がわかる。また、本発
明の半導体評価装置およびその方法は、半導体10にお
けるキャリア15分布以外のファクターの評価にも使用
できることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】本発明の半導体評価装置およびその方法
によれば、照射手段により試料とされる半導体検出表面
の裏面からプリズムを通して赤外光を照射し、反射光検
出手段によりこの反射光を検出し、この検出結果により
表面プラズモンが励起されるように赤外光の入射角、波
長、等の入射条件を設定し、この赤外光により半導体に
は内部のキャリアにより表面プラズモンが励起され、こ
の表面プラズモンの励起された半導体検出表面近傍に制
御手段により制御された金属プローブを接近させて走査
すると、前記半導体に励起された表面プラズモンモード
がこの金属プローブによって局在化モードに変換され、
半導体検出表面から散乱光が放射され、この散乱光を散
乱光検出手段により測定することにより、散乱光強度が
試料内のキャリア密度に対応するため、この散乱光の強
度から直接、半導体中のキャリア密度に比例した情報を
得て、半導体内部のキャリア分布をnmスケール程度の
高空間分解能で測定し、非破壊的な評価をおこなうこと
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の半導体評価装置を示す概略構成
図である。
【図2】 図1のプリズム上に配された試料としてポリ
シリコンをゲート電極として用いたMOSトランジスタ
を示す拡大構成図である。
【図3】 バイアス電圧印加下の金属プローブとp型半
導体層との模式的なバンドダイアグラムを示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1…金属プローブ 2…ピエゾ素子 3…制御部(制御手段) 3A…CRTディスプレイ装置(表示装置) 4…プリズム(照射手段) 5…赤外光照射器(照射手段) 6…ミラー(散乱光検出手段) 7…フィルタ(散乱光検出手段) 8A…反射光検出器(反射光検出手段) 8B…散乱光検出器(散乱光検出手段) 10…半導体(試料) L1…赤外光 L2…反射光 L3…散乱光 11…ソース 12…ドレイン 14…ゲート電極 15…キャリア(ホール)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体の検出表面に近接可能な金属プロ
    ーブと、 前記半導体にキャリアによる表面プラズモンを励起する
    よう半導体のバンドギャップよりも小さなエネルギーの
    赤外光を前記半導体検出表面の裏面に照射する照射手段
    と、 前記半導体裏面からの反射光を検出する反射光検出手段
    と、 表面プラズモンの励起した前記半導体検出表面の前記金
    属プローブ近傍からの散乱光を検出する散乱光検出手段
    と、照射手段と前記反射光検出手段とを制御し、前記散乱光
    検出手段の検出結果を処理する 制御手段と、 を有することを特徴とする半導体評価装置。
  2. 【請求項2】 前記散乱光検出手段により検出された前
    記散乱光の強度から半導体内部のキャリア分布を評価す
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体評価装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記照射手段から前記
    半導体裏面に照射する前記赤外光の入射角および波長の
    関数として前記検出をおこなわせることを特徴とする請
    求項1または2に記載の半導体評価装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記照射手段による前
    記赤外光の入射角を、当該赤外光が前記半導体の裏面で
    全反射され、かつ前記反射光検出手段により検出された
    反射光強度が最も低くなるような角度に設定可能である
    ことを特徴とする請求項3記載の半導体評価装置。
  5. 【請求項5】 前記金属プローブを前記半導体に対して
    走査位置制御するとともに、前記散乱光の強度から半導
    体内部のキャリア分布を評価する制御手段を有すること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか記載の半導体評
    価装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体と金属プローブ間との位置制
    御には、走査型プローブ顕微鏡と同様に、試料と金属プ
    ローブ間のトンネル電流を利用するか、走査型近接場光
    学顕微鏡で使用される剪断力検知法が用いられることを
    特徴とする請求項5記載の半導体評価装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体が10 20 cm -3 オーダーのよ
    うな高濃度のキャリ ア15を有する試料とされることを
    特徴とする請求項1から6のいずれか記載の半導体評価
    装置。
  8. 【請求項8】 所定の入射状態とされた光を半導体検出
    表面の裏面に照射することにより、前記半導体にキャリ
    アによる表面プラズモンを励起する過程と、 前記半導体に励起された表面プラズモンを前記半導体検
    出表面近傍に位置する金属プローブによって局在化モー
    ドに変換し、前記半導体検出表面からの散乱光として放
    射する過程と、 前記金属プローブの前記半導体に対する位置制御をおこ
    ないながら前記散乱光を検出して半導体におけるキャリ
    ア分布を評価する過程と、 を有することを特徴とする半導体評価方法。
  9. 【請求項9】 前記散乱光検出手段により検出された前
    記散乱光の強度から半導体内部のキャリア分布を評価す
    ることを特徴とする請求項8記載の半導体評価方法。
  10. 【請求項10】 前記照射手段から前記半導体裏面に照
    射する前記赤外光の入射角および波長の関数として前記
    検出をおこなうことを特徴とする請求項8または9に記
    載の半導体評価方法。
  11. 【請求項11】 前記照射手段による前記赤外光の入射
    角を、当該赤外光が前記半導体の裏面で全反射され、か
    つ前記反射光検出手段により検出された反射光強度が最
    も低くなるような角度に設定可能であることを特徴とす
    る請求項10記載の半導体評価方法。
  12. 【請求項12】 前記半導体と金属プローブ間との位置
    制御には、走査型プローブ顕微鏡と同様に、試料と金属
    プローブ間のトンネル電流を利用するか、走査型近接場
    光学顕微鏡で使用される剪断力検知法を用いることを特
    徴とする請求項11記載の半導体評価方法。
  13. 【請求項13】 前記半導体が10 20 cm -3 オーダーの
    ような高濃度のキャリア15を有する試料とされること
    を特徴とする請求項8から12のいずれか記載の半導体
    評価方法。
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