JP3261910B2 - 電気掃除機とその吸い口 - Google Patents

電気掃除機とその吸い口

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JP3261910B2
JP3261910B2 JP00111095A JP111095A JP3261910B2 JP 3261910 B2 JP3261910 B2 JP 3261910B2 JP 00111095 A JP00111095 A JP 00111095A JP 111095 A JP111095 A JP 111095A JP 3261910 B2 JP3261910 B2 JP 3261910B2
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幸司 岩瀬
正郎 砂川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機とその吸い
口に係り、特に吸い込み気流を利用して回転させるエア
ータービンによりロータリブラシを駆動するタイプの吸
い口と該吸い口を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリブラシによって床面の塵埃を掻
き取る吸い口を備えた電気掃除機において、前記吸い口
は、掃除機本体の電動送風機による吸い込み気流によっ
て発生する風力で回転するエアタービンを前記ロータリ
ブラシの駆動源とするものが知られている。
【0003】この吸い口のエアタービンとロータリブラ
シは、掃除機本体による風力で回転するので、掃除機本
体からの風力エネルギーは、塵埃を床面から掃除機本体
の集塵室へ輸送するエネルギーとエアタービン及びロー
タリーブラシを回転させるためのエネルギーに分けるこ
とができる。
【0004】電気掃除機において、掃除に必要な吸塵力
を確保するには、掃除機本体の風量を一定以上に確保す
ることが必要であるが、エアータービンに作用する風量
が過多になるとエアタービンとそれによって駆動される
ロータリブラシの回転速度が増加し、回転系の摩耗や騒
音が増大する不具合が生じる。特に、掃除床面が木や畳
等の場合にはロータリブラシとの間の摩擦力が少ないの
で、ロータリブラシが過回転となってその傾向が顕著と
なる。また、吸い口を持ち上げて掃除床面から離したと
きには、吸い込み抵抗が減少して風量が最大になると共
にロータリブラシの負荷がなくなるために、過回転状態
となる。これを防止するために、掃除機本体の風量を制
限する方法が提案されているが、この方法は、掃除のた
めに必要な吸塵力を確保することができなくなる不具合
を生じる。
【0005】このような問題を解決するために、エアー
タービンの回転力発生に寄与する吸い込み気流を通す主
ノズルとエアータービンをバイパスさせる気流を通す副
ノズルを設け、この副ノズルを手動操作で開閉すること
により主ノズルを通過する吸い込み気流量を変えてエア
タービンの回転力を制御し、掃除床面の種類に適応した
ロータリブラシの回転速度を得る方法(特願平4−25
6128号)や、床面側に突出させた可動車輪とバイパ
ス弁とを連動させ、吸い口を持ち上げたときにバイパス
弁を開くことにより、主ノズルを通過してエアタービン
に作用する吸い込み気流を減じて該エアタービンの過回
転を防止する方法(特願平4−240365号)が提案
されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、吸い
込み気流は塵埃を含んでいることから、この吸い込み気
流の流路中に機械的に移動して流路面積を変える制御機
構を設置すると、摺動部分に塵埃が付着して滑り難くな
ると共に風圧が作用するので摩擦抵抗が増加し、制御動
作が阻害されるようになる。従って、従来のこれらの制
御手段は、操作性や応動性の低下が発生するという問題
がある。
【0007】また、清掃作業時に吸い口を手軽に操作で
きるように、吸い口,延長管及びホースを軽量化する工
夫が施されている電気掃除機では、このような制御手段
は、小型軽量で自動制御機能を備えることが望ましい。
【0008】本発明の目的は、この種の電気掃除機にお
ける吸い口のロータリブラシを回転させるエアタービン
の回転速度を安定に制御することができる制御手段を提
供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、この種の電気掃除機
における吸い口のロータリブラシを回転させるエアター
ビンの回転速度を適正に自動制御することができる制御
手段を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、これらの制御手段を
小型軽量に実現することにある。
【0011】本発明の他の目的は、手軽に操作できるこ
れらの制御手段を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの特徴は、
吸い込み気流に付勢されて回転するエアータービンと、
このエアータービンを駆動源として回転するロータリー
ブラシと、エアタービンの回転速度を制御するブラシ
速度制御装置を有する吸い口と、この吸い口に接続され
る掃除機本体とを備えた電気掃除機または前記吸い口に
おいて、前記ブラシ速度制御装置に、前記エアータービ
ンの回転軸に固定して取り付けた回転導体円板と、この
回転導体円板に対向して磁束を作用させることにより
回転導体円板に発生する誘導電流による制動トルクを発
させる磁石と、前記回転導体円板に対する対向面積を
変えるように前記磁石を移動させることにより前記回転
導体円板に作用させる磁束量を変える制動トルク制御手
段を設けたことにある。
【0013】そして具体的には、前記ブラシ速度制御装
置は、前記エアータービンの回転軸に固定して取り付け
た回転導体円板と、この回転導体円板に対向して磁束を
作用させることにより該回転導体円板に発生する誘導電
による制動トルクを発生させる磁石と、前記回転導体
円板に作用させる磁束量を前記エアータービンの回転速
度に比例させて変化させるように前記回転導体円板に対
する前記磁石の対向面積を自動的に変化させる制動トル
ク制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】また、前記制動トルク制御手段は、前記エ
アータービンの回転速度を一定化するような制御特性を
有することを特徴とする。
【0015】また、前記制動トルク制御手段は、前記
と回転導体円板対向位置を該回転導体円板の径方向
に変えることにより対向面積を変えることを特徴とす
る。
【0016】また、前記制動トルク制御手段は、制動ト
ルクの反作用で前記磁石と回転導体円板の対向面積を増
加させる方向に該磁石をバネ力に逆らって引き込むこと
を特徴とする。
【0017】また、前記ブラシ速度制御装置は、前記エ
アータービンの回転軸に固定して取り付けた回転導体
と、この回転導体円板に対向して磁束を作用させるこ
とにより該回転導体円板に発生する誘導電流による制動
トルクを発生させる磁石と、前記回転導体円板に作用さ
せる磁束量を掃除床面の毛足の長さに比例させて変化さ
せるように前記回転導体円板に対する前記磁石の対向面
積を自動的に変化させる制動トルク制御手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0018】また、前記制動トルク制御手段は、掃除床
面に向かって伸びる床面検知アームの進退量に比例させ
回転導体円板対する前記磁石の対向面積を変えるこ
とを特徴とする。
【0019】
【作用】ブラシ速度制御装置における回転導体円板は、
磁石から発生する磁束と交差して回転することにより発
生する誘導電流による電磁相互作用によって制動トルク
を発生してエアタービンの回転の回転速度の上昇を
抑える。そして、回転導体円板に交差する磁束量を変え
ることにより制動トルクの大きさが変化してロータリブ
ラシの回転速度特性が変化する。
【0020】
【実施例】図1は本発明になる電気掃除機の外観を示し
ており、吸い口1は延長管2及びホース3によって電気
掃除機本体4に接続されている。吸い口1は、エアター
ビンにより駆動されるロータリブラシとブラシ速度制御
装置を備える。
【0021】図2及び図3は本発明になるエアタービン
駆動タイプの吸い口を示している。吸い口1は、合成樹
脂製の上ケース10,合成樹脂製の下ケース11及び合
成樹脂製の吸込口カバー12により外郭を構成し、家具
などへの傷付けを防止するバンパー13を前記下ケース
11と吸込口カバー12の間に挟持し、後端部に上下方
向に転角自在な合成樹脂性の接続ケーシング14を備
え、その先に回転自在な合成樹脂製の吸い口継手15を
接続している。
【0022】また、前記下ケース11は、前側下面に開
口する横長の吸い込み口16を有する。更に、この下ケ
ース11は、前端部下方にローラ17を、後端部下方に
車輪18,19を備え、このローラ17と車輪18,1
9により該下ケース11の下面と床面との間に一定の間
隔を生じるようにしている。
【0023】吸い込み口16の内側部には、ロータリブ
ラシ20を収納するロータリブラシ室21と、ロータリ
ブラシ20の駆動源となるエアタービン22を収納する
タービン室23と、吸い込み口16から吸い込んだ含塵
空気をタービン室23に導いてエアタービン22に吹き
付けるノズル24を備える。
【0024】タービン室23の後方には、前記接続ケー
シング14と吸い口継手15が連なり、吸い込口16か
ら入った含塵空気はロータリブラシ室21,ノズル2
4,タービン室23,ケーシング14及び吸い口継手1
5を順次に経由して延長管2に至る。
【0025】エアタービン22は、ボスに嵌入して固着
された回転軸25を下ケース11に取り付けたボールベ
オリング30,31によって回転自在に支持することに
よりタービン室23に配置される。ロータリブラシ20
は、両端を滑り軸受32,33によって下ケース11に
回転自在に支持することによって前記ロータリブラシ室
21に配置し、このロータリブラシ20に固着したプー
リ27と前記回転軸25の端部に固着した駆動プーリ2
6の間に掛け渡したベルト28により前記エアータービ
ン22の回転力を該ロータリブラシ20に伝える。
【0026】非接触型のブラシ速度制御装置100は、
回転軸25に取り付けられてエアータービン22及びロ
ータリブラシ20の回転速度を制御する。
【0027】図4及び図5は本発明になる前記ブラシ速
度制御装置100の一実施例を示しており、図4は縦断
正面図、図5は図4のA−A断面図である。導体で形成
された円板101は、回転軸25に固着される。この円
板101の板面に直交する方向に作用する磁束を発生す
る磁気源である磁石102,103は、空隙gを介して
該円板101の両面に対向する。この磁石102,10
3は、透磁性の良いヨーク104に固定して支持し、磁
束通路を効率よく構成するようにしてある。ヨーク10
4はガイド穴105a,105bを有するスライダー1
06に結合し、このスライダー106は、上ケース10
に取り付けたガイドシャット107に係合して該ガイド
シャフト107に沿って滑動する。スライダー106
は、初期状態では、バネ108の伸力aに押されて下限
ストッパ10aに当接するように移動し、磁石102,
103の一部の面が円板101を挟んで対向し、少量の
磁束を該円板101に作用させるように位置する。そし
て、円板101が回転することによって該円板101に
前記磁束による渦電流が発生し、該円板101に制動ト
ルクが発生する。この制動トルクの反力Fは、スライダ
ー106をバネ108の伸力aに逆らってガイドシャフ
ト107に沿って移動させる推力fを生成し、2つの力
a,fが釣り合うまでスライダー106が移動する。こ
のスライダー106の移動によって、磁石102,10
3は、円板101を挟んで対向する面積が漸増するよう
に移動し、その全面積が円板101と対向する位置まで
移動したときにこのスライダー106は上限ストッパー
10bに当接して停止する。
【0028】次に、このブラシ速度制御装置100によ
るブラシ回転速度制御作用について説明する。この電気
掃除機が使用されていないとき、すなわち、回転軸17
に固着された円板101が回転していないときは、バネ
108の伸力aによってスライダー106は下限ストッ
パー10aに当接されており、磁石102(103)は
位置Xにある。この位置Xは、磁石102,103の一
部の面が円板101に対向する位置である。従って、こ
の状態では磁石102,103が発生する磁束φの一部
分が円板101と直交するに過ぎない。
【0029】掃除が始まってエアタービン22が回転す
ると、回転軸25が回転して円板101を矢印方向に回
転させる。その結果、円板101に渦電流が発生し、電
磁相互作用によりこの円板101に制動トルクが発生す
る。この制動トルクは、円板101の回転速度と該円板
101を直交する有効な磁束量に比例する。また、この
制動トルクにより磁石102,103に働く反力Fは、
この磁石102,103を支えるスライダー106をガ
イドシャット107の長手方向にバネ108の伸力aに
逆らって引き込む(移動させる)力fとして働くことに
なる。
【0030】そして、吸い口1を持ち上げたり、木床や
畳のようにロータリブラシ20の回転負荷が少ない掃除
床面の場合にエアタービン22の回転速度が上昇する
と、制動トルクが大きくなって引き込み力fがバネ10
8の伸力aより大きくなるので、スライダー106はバ
ネ108の伸力aに逆らって移動し、磁石102,10
3は位置Yまで移動する。この位置Yでは、磁石10
2,103の全面積が円板101に対向するので該円板
101と直交する磁束量が最大となり、制動トルクが更
に大きくなって円板101の回転速度、すなわちロータ
リブラシ20の回転速度の上昇を抑えることになる。
【0031】次に、この状態で掃除中に、吸い口1が絨
毯の如くロータリブラシ20に対して大きな回転負荷を
与える掃除床面に移動した場合は、円板101の回転速
度が低下するので該円板101に発生する渦電流が小さ
くなって制動トルクが低下する。従って、引き込み力f
も小さくなり、スライダー106はバネ108の伸力a
に押し戻されて位置Xに戻り、制動トルクを減少して回
転速度を上昇させる。
【0032】このように、この実施例は、円板101に
発生する制動トルクの大きさが該円板101(エアター
ビン22及びロータリブラシ20)の回転速度に応じて
変化する現象を利用し、この円板101に作用させる磁
束を発生する磁気源である磁石102,103の位置を
制動トルクの反力を利用して移動することにより該円板
101に作用する磁束量を変化させる制御機構を設けた
ことにより、掃除床面の種類の変化による影響が少ない
ロータリブラシ回転速度が得られる。
【0033】この制御動作を、図6に示すエアタービン
の回転速度−トルク特性図で説明する。先ず、ブラシ速
度制御装置をもたない電気掃除機では、吸い口1を持ち
上げた無負荷状態,木床掃除負荷状態、絨毯掃除負荷状
態におけるエアタービン22の動作点は、R,M,Qと
なり、ロータリブラシ20の回転速度の変化幅は、吸い
口1を持ち上げた無負荷状態と絨毯掃除負荷状態では約
9000rpm、木床掃除負荷状態と絨毯掃除負荷状態
では約4000rpmと非常に大きい値になる。しかし
ながら、前記したような本発明になるブラシ速度制御装
置100による制動トルクをエアタービン22の回転軸
25に作用させることにより、このエアタービン22の
動作点は、それぞれ、R’,M’,Q’となり、回転速
度の変化幅は、吸い口1を持ち上げた無負荷状態と絨毯
掃除負荷状態で約1200rpm、木床掃除負荷状態と
絨毯掃除負荷状態で約120rpmと大幅に低減するこ
とができた。特に、負荷状態が大幅に異なる木床掃除と
絨毯掃除での回転速度差が極めて少なくなり、回転速度
も約3600rpmと掃除に適した値となる。
【0034】従来の電気掃除機では、掃除床面が変わる
ときには、その掃除床面に適正な回転速度を得るため
に、切り替えレバーによりバイパス弁を開閉する操作が
必要であったが、前記したようなブラシ速度制御装置1
00を設置することにより、掃除床面の種類に関係なく
略一定の回転速度を自動的に得ることができると共に吸
い口1を持ち上げたときの回転速度の過上昇も防止する
ことができる。しかも、その制御機構部に含塵空気を通
過させる必要がないので、付着塵埃や風圧によって起る
不安定な制御動作を解消することができる。
【0035】図7及び図8は、本発明になる前記ブラシ
速度制御装置100の他の実施例を示すもので、図7は
縦断正面図、図8は図7のA視図(ヨーク111は図示
省略)である。この実施例は、円板101に対向する2
つの磁石102,103の間の対向関係を変えることに
より、磁束通路の磁気抵抗値を変化させて制動トルクを
制御するものである。
【0036】円板101と交差する磁束を発生する磁石
102,103は、回転軸25を中心にした同心円上に
位置するように、透磁性の良いカップ状のヨーク11
0,111に取り付けられて円板101と空隙gを介し
て対向する。ヨーク110は、回転軸25を支持するボ
ールベアリング30を保持する軸受ケース120に固定
した中空軸112に回動可能に嵌合する。軸受ケース1
20は、下ケース11に固定されたものである。ヨーク
111は、下ケース11に固定されて静止状態にある。
113は前記ヨーク110に回転力を付与するロータリ
バネであり、一端を軸受けケース120に固定し、他端
をヨーク110の一部切り起し部110cに取り付けて
ある。このロータリバネ113のバネ力作用方向は、円
板101の回転方向に対して逆の方向であり、磁石10
3の位置Xが磁石102の固定位置Yからずれるように
ヨーク110を回動する。
【0037】このブラシ速度制御装置100は、吸い口
1が動作してない状態や絨毯掃除負荷状態では回転軸2
5の回転速度が低く、円板101に発生する制動トルク
が小さいので、磁石103(ヨーク110)に作用する
反力は小さい。従って、ヨーク110は、ロータリバネ
113のバネ力によって、図8に示すように、磁石10
3が磁石102からずれた状態で円板101と対向する
ように回動した状態となる。このような状態では、円板
101に作用する磁束の通路が長くなって磁気抵抗が増
加することにより磁束量は少なくなる。
【0038】しかし、吸い口1を持ち上げたり木面掃除
の如く小さい負荷状態になって回転軸25(エアタービ
ン)の回転速度が上昇すると、渦電流が増加して制動ト
ルクが大きくなるので、磁石103(ヨーク110)に
作用する反力も大きくなる。そして、この反力は、磁石
103を磁石102が固定された位置Yまで移動するよ
うに、ヨーク110をロータリバネ113のバネ力に逆
らって回動する。磁石102,103が位置Y上で対向
すると、円板101と直交する磁束の通路が短くなって
磁気抵抗が減少するので磁束の量が増加し、制動トルク
が増加する。なお、ヨーク110の回動範囲は、磁石1
03が位置X〜Yの範囲で回動するようにストッパー
(図示せず)によって規制される。
【0039】従って、ロータリブラシの回転負荷が掃除
床面によって変化しても該ロータリブラシの回転速度を
略一定範囲に保つことができる。
【0040】以上の各実施例は、円板101に働く制動
トルクの反力を利用して磁石102,103を移動させ
ることにより制動トルクの大きさ(ロータリブラシ回転
速度)を制御するものであるが、更に正確で且つ木目細
かなブラシ速度制御を行うことができるブラシ速度制御
装置の実施例を説明する。
【0041】図9に示す吸い口1は、円板101に作用
させる磁束を発生する磁石を内蔵した磁気源ユニット3
00をねじ軸205によつてアクチュエータ201と連
結させ、ロータリブラシ20の回転速度が掃除床面に適
応した値となるように、この磁気源ユニット300(磁
石)の移動位置を制御するものである。アクチュエータ
201は、センシング装置202で検知した掃除床面の
状態に応じた検知信号に基づいて、磁石が円板101に
対して適正な対向位置に移動するようにねじ軸205
(磁気源ユニット300)を駆動する。すなわち、絨毯
掃除のときは、円板101に作用する有効磁束が殆ど0
の位置、木床掃除のときは有効磁束が最大になる位置に
制御する。この方法は、ロータリブラシ20の回転速度
を掃除床面の種類に関係なく略一定範囲に制御するだけ
でなく、使用者の好みのロータリブラシ回転速度特性に
設定することができる効果が得られる。
【0042】次に、図10を参照し、吸い口1の床面側
に突出するように取り付けた床面検知手段と磁気源ユニ
ットを機械的に連動させて磁石の位置を変えることによ
り制動トルクを変化させて所定のロータリブラシ回転速
度を得る制御方法について説明する。
【0043】図10において、下端にローラ301を有
する床面検知アーム302は、下ケース11に形成した
アームガイド穴303a,303bに摺動可能に保持さ
れ、掃除床面状態に応じて上下動する。圧縮状態に収納
した押しバネ306は、前記床面検知アーム302を下
方に押し出すように作用する。床面検知アーム302の
上端には連結紐304の一端が結合され、該連結紐30
4の他端は、上ケース12に支持された回転プーリ30
5を経由して、磁石を内蔵した磁気源ユニット300に
結合され、掃除床面の状態に応じてローラ301の位置
が上下動することにより磁気源ユニット300をガイド
シャフト107に沿って移動させる。磁気源ユニット3
00は、内蔵する磁石が円板101から受ける制動トル
クの反力により該磁石が該円板101との対向面積を減
少する如く移動するように前記ガイドシャフト107に
支持され、前記連結紐304によって引き込まれて対向
面積を増加するように移動する。
【0044】掃除床面が毛足の長い絨毯のとき、ローラ
301は、下ケース11の底面に配置されている車輪1
8,19及びローラ17が位置する水平位置Wよりも下
位側の位置Uまで入り込み、毛足の短い絨毯のときは位
置Vまで入り込み、木床や畳のときは位置Wとなる。こ
のローラ301の位置の変化に追従して床面検知アーム
302が上下動し、連結紐304を介して磁気源ユニッ
ト300を駆動する。
【0045】ローラ301の位置U,V,Wと円板10
1に対向する磁石の関係を、ローラ301が位置Uのと
きに円板101に直交する磁束量が最小、位置Wのとき
に直交する磁束量が最大となるように相対関係を設定し
ておけば、掃除床面が絨毯や木床の如何に拘らずに、略
一定範囲のロータリブラシ回転速度を得ることができ
る。
【0046】この制御方法は、吸い口1を持ち上げたと
きのエアタービン過回転防止効果を得ることはできない
が、簡単な構成であるため、特願平4−240365号
出願にて開示した可動車輪と連結させたバイパスシャッ
ター機構を併用すれば更に実用性の高いものとなる。
【0047】以上に述べた各実施例は、掃除床面状態に
対応させて自動的に磁気源と円板の相対位置制御を行う
ことにより、ロータリブラシの回転速度制御を行うもの
であるが、磁気源の位置を手動で動かすことにより回転
速度を制御することでも所期の目的を達成できる。
【0048】図11に示す実施例は、円板101に作用
する磁束を発生する磁気源ユニット300の位置を摘み
400により手動操作してロータリブラシ回転速度特性
を設定する吸い口である。
【0049】この実施例において、突起部300aを有
する磁気源ユニット300は、ガイドシャフト107の
長手方向に滑動するように係合する。前記突起部300
aは上ケース12に設けられた摘み400と係合する。
そして、摘み400を矢印方向に動かすことにより、磁
気源ユニット300がガイドシャフト107上を摺動
し、内蔵する磁石が円板101を挾み込む形で対向する
面積の大きさを変えることにより該円板101と直交す
る有効磁束を変化させる。その結果、円板101に発生
する制動トルクの大きさが変化し、ロータリブラシ20
の回転速度が変化するので、使用者の好みで制御でき
る。この方法は、特願平4−240365号出願で提案
したバイパス流路の開閉による方法と比較すると、副ノ
ズル部への塵埃の噛み込みもなく且つ動作ストロークを
小さくできるので、手動操作ではあるが小さな力で簡単
に操作できる利点がある。
【0050】更に、吸い口を持ち上げたときは、ロータ
リブラシ20の回転は不要であるので、エアタービンの
回転速度を極力低下させて低騒音化とすることが望まし
い。そのために、これまで述べたブラシ速度制御装置
に、吸い口の床面側に設けた可動車輪と吸い込み気流通
路に設けたバイパス通路を併設し、該バイパス通路を開
閉するバイパス弁を前記可動車輪と連動させ、吸い口を
持ち上げたときにはバイパス弁を開いてエアタービン回
転速度上昇を抑える機構を組み合わせる構成も考えられ
る。
【0051】
【発明の効果】本発明は、エアータービンの回転に取
り付けた回転導体円板対する磁石の対向面積を変化さ
せることにより該回転導体円板に作用する磁束量を変え
誘導電流により発生する制動トルクの大きさを制御す
るようにしたので、吸い込み気流に含まれる塵埃や風圧
に影響されない安定したブラシ回転速度制御を実現する
ことができ、また、操作も簡単になる。
【0052】また、ブラシ速度制御装置は、回転速度ま
たは掃除床面に応動する速度制御を実行するので、ロー
タリブラシの回転速度を適正に自動制御することができ
る。
【0053】更に、ブラシ速度制御装置は、回転導体に
作用する磁束による誘導電流で制動トルクを発生するの
で、小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる電気掃除機の外観斜視図である。
【図2】本発明になる吸い口の上ケース及び吸込口カバ
ーを取外した状態で該吸い口の一部を断面した平面図で
ある。
【図3】図2に示した吸い口の縦断側面図である。
【図4】本発明になるブラシ速度制御装置の縦断側面図
である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】エアタービンの回転速度−トルク特性と動作点
を示す特性図である。
【図7】本発明になるブラシ速度制御装置の他の実施例
を示す縦断側面図である。
【図8】図7のA視図でヨークの一部を図示省略した図
面である。
【図9】本発明になる吸い口の他の実施例を示す縦断側
面図である。
【図10】本発明になる吸い口の更に他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図11】本発明になる吸い口の更に他の実施例を示す
縦断側面図である。
【符号の説明】
1…吸い口、 20…ロータリブラシ、 22…エアタ
ービン、25…回転軸、100…ブラシ速度制御装置、
101…回転導体、 102,103…磁石、104
…ヨーク、 106…スライダー、 108…バネ、
107…ガイドシャフト、 300…磁気源ユニット、
302…床面検知アーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂川 正郎 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (72)発明者 山本 亘 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (72)発明者 池田 隆二 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (56)参考文献 特開 昭62−68433(JP,A) 特開 昭61−290925(JP,A) 特開 平4−168970(JP,A) 実開 平4−51081(JP,U) 実開 昭60−89782(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸い込み気流に付勢されて回転するエアー
    タービンと、このエアータービンを駆動源として回転す
    るロータリーブラシと、記エアータービンの回転速度
    を制御するブラシ速度制御装置を有する吸い口と、この
    吸い口に接続される掃除機本体とを備えた電気掃除機に
    おいて、 前記ブラシ速度制御装置は、前記エアータービンの回転
    軸に固定して取り付けた回転導体円板と、この回転導体
    円板に対向して磁束を作用させることにより該回転導体
    円板に発生する誘導電流による制動トルクを発生させる
    磁石と、前記回転導体円板に対する対向面積を変えるよ
    うに前記磁石を移動させることにより前記回転導体円板
    に作用させる磁束量を変える制動トルク制御手段を備
    え、前記制動トルク制御手段は、制動トルクの反作用で
    前記磁石と回転導体円板の対向面積を増加させる方向に
    該磁石をバネ力に逆らって引き込むことを特徴とする電
    気掃除機。
  2. 【請求項2】吸い込み気流に付勢されて回転するエアー
    タービンと、このエアータービンを駆動源として回転す
    るロータリーブラシと、前記エアータービンの回転速度
    を制御するブラシ速度制御装置を有する吸い口と、この
    吸い口に接続される掃除機本体を備えた電気掃除機にお
    いて、 前記ブラシ速度制御装置は、前記エアータービンの回転
    軸に固定して取り付けた回転導体円板と、この回転導体
    円板に対向して磁束を作用させることにより該回転導体
    円板に発生する誘導電流による制動トルクを発生させる
    磁石と、前記回転導体円板に作用させる磁束量を前記エ
    アータービンの回転速度に比例させて変化させるように
    前記回転導体円板に対する前記磁石の対向面積を自動的
    に変化させる制動トルク制御手段を備え、前記制動トル
    ク制御手段は、制動トルクの反作用で前記磁石と回転導
    体円板の対向面積を増加させる方向に該磁石をバネ力に
    逆らって引き込むように構成したことを特徴とする電気
    掃除機。
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