JP3260827B2 - Gps受信機 - Google Patents

Gps受信機

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JP3260827B2 JP18128092A JP18128092A JP3260827B2 JP 3260827 B2 JP3260827 B2 JP 3260827B2 JP 18128092 A JP18128092 A JP 18128092A JP 18128092 A JP18128092 A JP 18128092A JP 3260827 B2 JP3260827 B2 JP 3260827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GPS(Global Posit
ioning System )衛星から信号を受信し搭載される移動
体等の測位を行うGPS受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】GPSは、地球周回移動上に所定個数打
ち上げたGPS衛星から信号を送信し、この信号からG
PS衛星の擬似距離及び位置を求めて搭載される移動体
(自動車、列車等)の測位計算を行うシステムである。
GPS受信機においては、GPS衛星から送信される信
号に基づき当該GPS衛星の位置及び擬似距離を計算す
る。GPS衛星の位置は当該GPS衛星から送信される
軌道データに基づき求めることができ、擬似距離は電波
伝搬時間から求めることができる。軌道データを良好に
復調・デコードするためにはキャリア位相同期を確保す
る必要があり、伝搬時間を求めるためには衛星からの送
信時刻(衛星時刻)を知る必要がある。これらの必要
は、キャリア位相同期のためのPLL及びPNコードの
捕捉のためのPLLにより満たされる。
【0003】図3には、一従来例に係るGPS受信機、
特にPNコードの捕捉及びキャリア位相同期に係る回路
の構成が示されている。この図に示されるように、GP
S受信機は、GPS衛星からの電波を受信するアンテナ
10を備えており、RFフロントエンド12は受信によ
って得られる信号を高周波増幅する。RFフロントエン
ド12の後段に接続されているIFアンプ14は、RF
フロントエンド12から出力される信号を中間周波数
(IF)に変換した上で増幅し、キャリアPLL用ミキ
サ16に出力する。キャリアPLL用ミキサ16は、キ
ャリアNCO(数値制御発振器)18から出力されるキ
ャリアとIFアンプ14の出力とを混合し、コードPL
L用ミキサ20に供給する。コードPLL用ミキサ20
は、キャリアPLL用ミキサ16から供給される信号と
PNコード発生器22から出力されるPNコードとを混
合し、コード位相検出回路24、キャリア位相検出回路
26及びパワー検出回路28に検出する。
【0004】ここに、GPS衛星からはスペクトラム拡
散変調された信号が送信されており、衛星時刻を知るた
めには変調時と同じPNコード(擬似雑音コード)によ
りスペクトラム逆拡散を行う必要がある。PNコード発
生器22は、コードNCO30から出力される信号の周
波数及び位相に応じてPNコードを発生させる。電源投
入直後等、測位計算に用いるGPS衛星を探索(サー
チ)する場合、コードNCO30の前段にスイッチ32
を介して接続されているサーチコード位相周波数計算回
路34は、順次異なるPNコードが生成されるよう、コ
ードNCO30に対してその発振位相及び周波数を設定
する。
【0005】一方、GPS衛星からの軌道データをデコ
ードするためには送信に係るキャリアと位相同期を確保
する必要がある。そこで、キャリアNCO18の前段に
スイッチ36を介して接続されているサーチキャリア位
相周波数計算回路38は、キャリアNCO18に対し位
相及び周波数を設定し、逐次、異なる位相及び/又は周
波数のキャリアを生成させる。
【0006】パワー検出回路28は、コードPLL用ミ
キサ20の出力に係る信号のパワーを検出する回路であ
る。この信号のパワーは、IFアンプ14から出力され
る信号のキャリアの位相及び周波数がキャリアNCO1
8によって発振されるキャリアの位相及び周波数と一致
し、かつキャリアPLL用ミキサ16から出力される信
号の位相がPNコード発生器22によって発生されるP
Nコードと一致している場合により大きくなる。従っ
て、パワー検出回路28により検出されるパワーが所定
のしきい値より大きければ、IFアンプ14から出力さ
れる信号に係るキャリアの位相及び周波数がキャリアN
CO18によって発生されるキャリアの位相及び周波数
とほぼ一致し、かつ当該信号の位相がPNコードとほぼ
一致していると見なすことができる。パワー検出回路2
8は、しきい値との比較結果を2値化し出力する。
【0007】パワー検出回路28の後段には、サーチ制
御回路40が接続されている。このサーチ制御回路40
は、パワー検出回路28の2値化出力に基づきスイッチ
32及び36を切り換える回路である。すなわち、パワ
ー検出回路28の2値化出力が所定のしきい値より大き
い旨を示す値である場合、サーチ制御回路40は、スイ
ッチ32及び36を図中上側に切り換え、サーチコード
位相周波数計算回路34及びサーチキャリア位相周波数
計算回路38による制御を断つ。
【0008】キャリア位相検出回路26及びコード位相
検出回路24は、キャリアPLL用ミキサ20から出力
される信号の位相を検出し、その後段にそれぞれ接続さ
れるキャリアPLLフィルタ42及びコードPLLフィ
ルタ44に位相誤差を示す信号を出力する。キャリアP
LL用ミキサ20の出力が、IFアンプの出力に係るキ
ャリア位相とキャリアNCO18に係るキャリア位相の
差(位相誤差)が0であることを示している場合、キャ
リア位相検出回路26の出力はその旨を示す信号(例え
ば0Vの直流電圧)となる。同様に、キャリアPLL用
ミキサ16の出力とPNコード発生器22によるPNコ
ードが位相同期している場合、コード位相検出回路24
の出力は位相誤差=0を示す信号となる。キャリアPL
Lフィルタ42及びコードPLLフィルタ44は、それ
ぞれキャリア位相検出回路26及びコード位相検出回路
24の出力からノイズを除去すると共に、キャリアPL
L及びコードPLLのロックを保持する。
【0009】すなわち、この従来例においては、コード
NCO30、PNコード発生器22、ミキサ20、コー
ド位相検出回路24及びコードPLLフィルタ44によ
りコードPLLが形成されており、キャリアNCO1
8、ミキサ16、キャリア位相検出回路26及びキャリ
アPLLフィルタ42によりキャリアPLLが形成され
ている。
【0010】図4には、この従来例におけるキャリアP
LLフィルタ42及びコードPLLフィルタ44の一例
構成が示されている。この図に示されるように、キャリ
アPLLフィルタ及びコードPLLフィルタ44として
は、二次のFIRフィルタを用いることができる。すな
わち、キャリア位相検出回路26又はコード位相検出回
路24から出力される信号に重みαを乗じ、当該信号の
積分値に重みβを乗じ、さらにこれを積分した値に重み
γを乗じ、各重み付けされた信号を加算して出力するよ
うな構成で良い。
【0011】このような構成とすることにより、従来に
おいては、PNコードを好適に捕捉することが可能にな
ると共に、キャリアの位相同期を確保することができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成においては、一旦サーチ状態からトラッキング
状態(PLLループによりGPS衛星を追尾している状
態)に移行した後、衛星からの信号が中断すると、再び
サーチを行わねばならないという問題点があった。言い
換えれば、信号中断から回復するまでに時間がかかって
しまい、信号中断時に測位を行うことができないという
問題点があった。
【0013】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、GPS衛星からの
信号が中断した場合にも所定時間トラッキング状態を維
持することができるGPS受信機を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、衛星からの信号にPLLからのキ
ャリア及びPNコードを混合した信号のパワーが所定値
を下回ったことを検出する手段と、この検出に応じサー
チの開始を所定時間遅らせる手段と、当該遅らせている
期間において位相誤差が0である旨を示す信号をコード
用PLL及びキャリア用PLLのループフィルタに与え
る手段と、を備え、GPS衛星をトラッキングしている
状態でGPS衛星からの信号が中断した場合に、コード
用PLLによるPNコード及びキャリア用PLLによる
キャリアそれぞれの位相を維持させることを特徴とす
る。好ましくは、前記検出したパワーが前記所定値を下
回ったことが検出されたときのサーチの開始を遅らせる
時間を、搭載先の移動体が採りうる最大の加速度及びG
PSにおけるPNコードのチップ長に応じて定める。
【0015】
【作用】本発明においては、GPS衛星をトラッキング
している状態で当該衛星からの信号が中断した場合に、
所定時間、コード用PLL及びキャリア用PLL両者に
おける発振位相が維持される。従って、短時間の中断で
あれば、測位計算を継続することが可能になる。
【0016】すなわち、PLLによるPNコード及びキ
ャリアとGPS衛星からの信号とを混合した信号のパワ
ーが所定値を下回った場合サーチの開始が所定時間遅延
されると共に、この期間において位相誤差が0である旨
を示す信号がコード用PLL及びキャリア用PLLのル
ープフィルタに与えられ、これらのループのロックが擬
似的に維持される。従って、上記遅延時間の間にGPS
衛星からの信号が回復すれば、サーチなしにトラッキン
グ、ひいては測位を継続することができる。上記遅延時
間を最大加速度及びチップ長に応じ定めることにより、
搭載に係る移動体の加速による信号中断の影響がなくな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図3及び図4に示される従来例
と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
【0018】図1には、本発明の一実施例に係るGPS
受信機の要部構成が示されている。この図に示されるよ
うに、本実施例は、図3に示される従来例にさらに連続
中断検出回路46、スイッチ48及び50を付加した構
成である。
【0019】連続中断検出回路46は、図2に示される
ように、パワー検出回路28の2値化出力を遅延させ論
理ORを求めてサーチ制御回路40に出力する。より詳
細には、ミキサ20から出力される図(a)の信号の
パワーがしきい値Thを越えているか否かがパワー検出
回路28によって判定され、さらに図2(b)に示され
るように2値化される。この図に示されるように、2値
化後のパワー検出回路28の出力は、ミキサ20から出
力される信号のパワーがしきい値Thを越えている場合
にH、越えていない場合にL値であり、連続中断検出回
路46はこれを図2(c)に示されるように所定時間遅
延する。連続中断検出回路46は、図2(b)に示され
る信号と図2(c)に示される信号の論理ORを求め、
図2(d)に示されるような信号を生成する。図2
(b)及び(d)の信号は、連続中断検出回路46から
サーチ制御回路40に供給される。
【0020】サーチ制御回路40は、図(d)の信号に
基づきスイッチ32及び36を制御する。また、本実施
例ではさらに、図2(b)の信号に基づきスイッチ48
及び50を制御する。具体的には、図2(d)の信号が
H値の場合スイッチ32及び36はフィルタ44及び4
2側に、L値の場合には計算回路34及び38側に接続
され、図2(b)の信号がH値の場合スイッチ48及び
50は位相検出回路26及び24側に、L値の場合には
接地側に、接続される。
【0021】次に、この実施例の全体動作について説明
する。
【0022】この実施例においてGPS衛星のサーチを
行う場合、パワー検出回路28の2値化出力はL値であ
るから、スイッチ32及び36がサーチコード位相周波
数計算回路34及びサーチキャリア位相周波数計算回路
38側に接続される。このとき、各計算回路34及び3
6の計算値に応じてPNコード発生器22及びキャリア
NCO18がそれぞれPNコード又はキャリアを発生さ
せ、これらはそれぞれミキサ20及び16によりIFア
ンプ14の出力と混合される。この混合の結果得られる
信号は、パワー検出回路28に入力され、この回路28
により当該信号のパワーが検出される。連続中断検出回
路46は、図2に示されるように、パワー検出回路28
の2値化出力とこの出力を所定時間遅延させた信号との
論理ORを求め、しきい値判別結果の2値化出力ととも
にサーチ制御回路40に出力する。
【0023】サーチ制御回路40は、連続中断検出回路
46から出力される論理ORの信号がL値である場合、
引き続きスイッチ32及び36を図中下側に維持し、サ
ーチ動作を継続する。連続中断検出回路46から出力さ
れる論理ORの信号がH値となると、サーチ制御回路4
0はスイッチ32及び36を図中上側、すなわちコード
PLLフィルタ44及びキャリアPLLフィルタ42側
に切り換える。これに先立ち、しきい値判別及び2値化
により得られる信号(図2(b)に相当)もH値になっ
ており、サーチ制御回路40はこれに応じてスイッチ4
8及び50を図中上側、すなわちキャリアPLLフィル
タ42及びコードPLLフィルタ44側に切り換えてい
る。従って、スイッチ32及び36を上側とすることに
より、コード用PLL及びキャリア用PLLが閉じ、P
Nコードが捕捉されキャリア位相同期化される。
【0024】このようにして、GPS衛星のトラッキン
グに移行した後、GPS衛星からの信号が中断した場
合、図2(b)の信号はL値に低下する。しかし、連続
中断検出回路46において遅延した信号との論理ORが
求められているため、図2(b)の信号がL値に低下し
てから遅延時間が経過するまでは、サーチ制御回路40
に出力される論理ORの信号は引き続きH値となる。サ
ーチ制御回路40は、スイッチ32及び36を図中上
側、すなわちトラッキング状態の位置に維持し、一方
で、スイッチ48及び50を図中下側に切り換える。す
なわち、キャリアPLLフィルタ42及びコードPLL
フィルタ44に入力される信号が位相誤差0を示す信号
となるようスイッチ48及び50を切り換える。
【0025】従って、本実施例においては、GPS衛星
からの信号が中断した場合でも、所定時間以内であれば
トラッキング状態に維持することができる。この所定時
間、すなわち連続中断検出回路46における遅延時間
は、例えば使用者の加速度最大値に基づき決定すれば良
い。具体的には、自動車等の加速度最大値が2g(g:
重力加速度)である場合、GPSにおけるPNコードの
チップ長が300mであることから、(300m/(2
g/2))1/2 、すなわちほぼ5sec程度の遅延時間
とすれば良い。このようにすると、搭載に係る移動体の
加速による信号中断の影響がなくなる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
GPS衛星をトラッキングしている状態で当該衛星から
の信号が中断した場合にコード用PLL及びキャリア用
PLLのループフィルタに位相誤差0を与えるようにし
たため、信号の中断が短時間であれば引き続き測位計算
が可能になり、再びサーチを行う必要がなくなくなる。
これにより、使用性が良いGPS受信機が実現される。
パワー低下検出からサーチ開始までの遅延時間を最大加
速度及びチップ長に応じ定めることにより、搭載に係る
移動体の加速による信号中断の影響がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るGPS受信機の構成を
示すブロック図である。
【図2】この実施例における連続中断検出回路の動作を
示す図であり、図2(a)はしきい値判別動作を、図2
(b)は2値化後のパワー検出回路の出力を、図2
(c)は図2(b)の信号を遅延させた信号を、図2
(d)は図2(b)の信号と図2(c)の信号の論理O
Rをそれぞれ示す図である。
【図3】一従来例に係るGPS受信機の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】GPS受信機におけるコード用PLLフィルタ
及びキャリア用PLLフィルタの一例構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
16 キャリアPLL用ミキサ 18 キャリアNCO 20 コードPLL用ミキサ 22 PNコード発生器 24 コード位相検出回路 26 キャリア位相検出回路 28 パワー検出回路 30 コードNCO 32,36,48,50 スイッチ 34 サーチコード位相周波数計算回路 38 サーチキャリア位相周波数計算回路 40 サーチ制御回路 42 キャリアPLLフィルタ 44 コードPLLフィルタ 46 連続中断検出回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 5/00 - 5/14 G01C 21/00 - 21/24 G01C 23/00 - 25/00 H03L 1/00 - 7/26 H04B 1/69 - 1/713 H04B 7/24 - 7/26 H04Q 7/00 - 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GPS衛星のサーチを行う際にはコード
    用PLL及びキャリア用PLLを開き、当該コード用P
    LLに含まれるPNコード発生器によりPNコードを順
    次発生させると共にキャリア用PLLに含まれるキャリ
    ア発振器により異なる周波数及び/又は位相のキャリア
    を順次発生させ、これらPNコード及びキャリアとGP
    S衛星からの信号とを混合してそのパワーを検出し、検
    出したパワーが所定値以上である場合にコード用PLL
    及びキャリア用PLLを閉じてGPS衛星のトラッキン
    グを開始するGPS受信機において、 前記検出したパワーが所定値を下回ったことを検出する
    手段と、 この検出に応じサーチの開始を所定時間遅らせる手段
    と、 当該遅らせている期間において位相誤差が0である旨を
    示す信号をコード用PLL及びキャリア用PLLのルー
    プフィルタに与える手段と、 を備え、 GPS衛星をトラッキングしている状態でGPS衛星か
    らの信号が中断した場合に、所定時間、コード用PLL
    によるPNコード及びキャリア用PLLによるキャリア
    それぞれの位相を維持させ、前記検出したパワーが前記
    所定値を下回ったことが検出されたときのサーチの開始
    を遅らせる時間を、搭載先の移動体が採りうる最大の加
    速度及びGPSにおけるPNコードのチップ長に応じて
    定めたことを特徴とするGPS受信機。
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