JP3259021B2 - レーダモジュール - Google Patents

レーダモジュール

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JP3259021B2
JP3259021B2 JP30864993A JP30864993A JP3259021B2 JP 3259021 B2 JP3259021 B2 JP 3259021B2 JP 30864993 A JP30864993 A JP 30864993A JP 30864993 A JP30864993 A JP 30864993A JP 3259021 B2 JP3259021 B2 JP 3259021B2
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誠仁 新行内
博 植松
成貴 加藤
米山  務
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載用FMレーダ装置
などに利用されるレーダモジュールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】乗用車などの車両に搭載され追突や衝突
防止用警報装置などに利用される車載用レーダー装置
は、数十cm程度の至近距離をも検出範囲とする必要上
パルスレーダーの形態よりもFMレーダーの形態が適し
ている。また、先行車両や対向車両などの標的までの最
遠測距範囲は数m程度の比較的短距離で足りるため、
放射電波が必要以上に遠方まで伝播したり、既存のマイ
クロ波帯の通信設備に干渉したりすることを回避するた
め、60GHz以上の伝播減衰量の大きなミリ波帯の電
波が適している。このミリ波帯の利用は、アンテナの大
きさとその前後に配置されるFM信号発生器やミキサー
などを含めたレーダーモジュールの小型化を図る上から
も適している。
【0003】従来、上記60GHz以上のミリ波帯のレ
ーダーモジュールは、マイクロストリップ線路の形式で
構成されているが、使用周波数の上昇に伴い線路からの
放射電力が大きくなり損失が増大すると共に、複数系統
のレーダーモジュールを近接させて配置した場合に、相
互干渉が生じやすく測定精度が低下するという問題があ
る。また、レーダーモジュールの一層の小型化、部品点
数の節減及びこれによる低廉化も必要とされている。
【0004】上記各種の問題点を解決するための新たな
線路形式として、電子情報通信学会論文誌vol.J73 ー1
,No.3, pp 87 ー94(1990 年 3月) に掲載された「非
放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回路」と題する米
山教授らの論文に開示されている非放射性誘電体線路
(Non-Radiative-Dielectric-waveguide:NRDガイ
ド)が適している。この非放射性誘電体線路は、半波長
よりわずかに小さな間隔を保って対向する2枚の平行導
体板の間に棒状の誘電体を挿入することによりこの棒状
体に沿う電磁波の伝播のみを可能としたものである。
【0005】この非放射性誘電体線路では線路の上下方
向には導体板によって遮蔽されるとともに、線路の側方
に漏洩しようとする電波の伝播も導体板の間隔が半波長
未満であるために遮断される。このため、線路からの電
力放射は極めて小さく、多数の系統のモジュール相互の
干渉を回避することができる。また、非放射性誘電体線
路では、線路相互を近接させたりフェライトなどを付加
することにより、方向性結合器やアイソレータ等の各種
部品が容易に作成出来ることから、2枚の金属平板間に
複数の高周波機能素子を作成でき、従来のマイクロウエ
ーブIC(MIC)と比較しても遜色のないモジュール
全体の小型化が実現可能である。
【0006】上記米山教授らの論文には、非放射性誘電
体線路を用いたミリ波帯の送信機と受信機が開示されて
いる。本発明者は、マイクロストリップ線路を用いた従
来のFMレーダーモジュールについては送信側のFM信
号発振器と受信側の局部発信器とを共用する手法が一般
的であるという点を考慮して、図6に示すような構成の
非放射性誘電体線路を用いたミリ波帯のFMレーダーモ
ジュールを試作した。図6に示すレーダーモジュール
は、上部導体板30とこれと同形状の下部導体板との間
に挿入された直線状あるいは曲線状の棒状の誘電体ロッ
ドから構成される非放射性誘電体線路を基本に、ガンダ
イオードとバラクタダイオードによるFM信号発生器3
1、アイソレータ32、方向性結合器33、36、送信
アンテナ34、受信アンテナ35及び平衡型のシングル
バランスド・ミキサー37から構成されている。
【0007】FM信号発生器31で発生されたミリ波帯
のFM信号は、アイソレータ32を通過したのち、3dB
方向性結合器33を介して半分が送信アンテナ34に供
給され、残り半分が3dB方向性結合器36を介して更に
等分され、それぞれが平衡型のシングルバランスド・ミ
キサー37を構成する2個のミキサーダイオードにロー
カル信号として供給される。送信アンテナ34に供給さ
れたFM信号は、その先端部から外部に放射される。物
体からの反射波は、受信アンテナ35に受信され、3dB
方向性結合器36によって等分配され、それぞれが平衡
型のシングルバランスド・ミキサー37を構成する2個
のミキサーダイオードに供給される。物体からの反射波
は送信アンテナ34にも入力するが、この受信信号はア
イソレータ33の無反射終端に供給されて吸収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図6に示した非放射性
誘電体線路を用いたFMレーダーモジュールによれば、
この線路からの放射電力が極めて小さいため、60GH
z程度のミリ波帯においても線路の伝播損失が小さく、
多系統のモジュール相互の干渉も有効に回避されること
が確認できた。しかしながら、このFMレーダーモジュ
ールは、小型化と部品点数の削減の点では、まだ改良の
余地がある。
【0009】すなわち、図6に示したFMレーダモジュ
ールでは、FM信号発生器31と送信アンテナ34,受
信アンテナ35との間にアイソレータ32を設置してい
るために、以下のような問題がある。まず、第1に、無
反射終端を含むアイソレータの設置面積のぶんFMレー
ダモジュール全体が大型になる。第2に、アイソレータ
の製造と特性の調整に要するぶんFMレーダモジュール
全体の製造コストが上昇する。第3に、アイソレータを
構成するフェライトや永久磁石などでは、磁性的特性の
温度依存性が大きいだけでなく、温度変化に対する履歴
特性を示すため、FMレーダモジュールの温度安定性を
低下させる。
【0010】また、図6に示したFMレーダモジュール
を構成するミキサーの形式は、同一特性のミキサーダイ
オードを2個使用してインピーダンスの整合を図るとい
う平衡型であるため、以下のような問題がある。まず、
第1に、平衡型ミキサーでは、2個のミキサーダイオー
ドを必要とするため、部品コストが増大すると共にFM
レーダモジュール全体の小型化が困難になる。第2に、
平衡型のミキサーでは、ローカル信号を2分割して各ミ
キサーダイオードに供給するという原理上、所望レベル
の出力信号を得るためには、発生させたFM信号の相当
部分をローカル信号に割当てなければならないという問
題がある。すなわち、送信アンテナから外部に放射する
分がそれだけ少なくなり、FMレーダ装置としての最大
検知距離が短縮される。第3に、平衡型のキサーでは、
非放射性誘電体線路とミキサーダイオード間のインピー
ダンス整合のために、高誘電率の薄膜を付加し、その寸
法と空隙の幅とを調整する煩雑な作業が必要となる。ま
た、2個のミキサーダイオードのそれぞれについて同一
特性のもとで非放射性誘電体線路とのインピーダンス整
合を図ることは極めて困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の各種の問
題点を解決する本発明のレーダモジュールは、アンテナ
が単一の送受共用アンテナから構成されると共に、この
送受共用アンテナと信号発生器との間を接続する非放射
性誘電体線路からはアイソレータや方向性結合器が除去
され、ミキサーのみが配置される。本発明の好適な実施
例によれば、信号発生器と送受共用アンテナとの間を接
続する非放射性誘電体線路が両者の間の最短経路に沿っ
て直線的に延長されると共に、ミキサーがシングルダイ
オード・ミキサーから構成される。
【0012】さらに、本発明の一実施例のレーダモジュ
ールでは、シングル・ミキサーダイオードが非放射性誘
電体線路のLSM01伝播モードの電界強度が最大とな
る中心位置からずらして配置すると共にこのずれ量を調
整することにより、信号の透過量とインピーダンス整合
状態を調整可能にされる。さらに、上記シングル・ダイ
オードミキサーおよび送受共用アンテナを含む部分と、
上記信号発生器が接続される非放射性誘電体線路との間
の最終的なインピーダンス調整は、この非放射性誘電体
線路の途中に形成される空隙の幅と、この空隙および前
記シングル・ダイオードミキサーの間の距離との調整に
より行われる。
【0013】
【作用】信号発生器と送受共用アンテナとの間を接続す
る非放射性誘電体線路内に配置されたミキサーには、信
号発生器から送受共用アンテナに向けて伝播する信号
と、送受共用のアンテナで受信されこれから信号発生器
に向けて逆向きに伝播する反射波とが供給される。この
ミキサーに互いに互いに逆向きに供給される信号がFM
信号であれば、このFM信号とその反射波とは、この反
射波を生じさせた物体までの距離に応じた周波数差を有
している。これら周波数の異なるFM信号と反射波と
は、ミキサーによって混合され、物体までの距離に応じ
た周波数のビート信号を発生する。信号発生器が一定周
波数の信号を発生する発振器であれば、信号とその反射
波との周波数差はこの反射を生じさせた物体との相対速
度を示すことになる。このように、本発明のレーダモジ
ュールは、アンテナを送受共用にすると共に、この送受
共用アンテナと信号発生器とを接続する非放射性誘電体
線路からアイソレータや方向性結合器などを除去してミ
キサーのみを配置することにより、モジュール全体の小
型化が実現できる。
【0014】また本発明のレーダモジュールは、非放射
性誘電体線路を構成する誘電体ロッド内のLSM伝播モ
ードの電界強度が最大となる中心位置から所定量ずらし
てミキシング素子を配置することにより、非放射性誘電
体線路とミキサーとのインピーダンス整合が行われる。
すなわち、従来技術による非放射性誘電体線路とミキサ
ーとの間のインピーダンス整合方法とは異なり、高誘電
率の薄膜よる調整が不要になる。このため、製造条件
のバラツキに起因する特性のバラツキが低減されると共
に、ミキサー単体の小型化も達成される。また、従来
とは異なり、2個のダイオードの特性を一致させる必
要がないので、ミキサー単体の小型化のみならず、レー
ダー・モジュール全体の小型化とともに特性のバラツキ
を回避できる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例のFMレーダ
モジュールの構成を示す平面図であり、1は下部導体
板、2はFM信号発生器、3は送受共用アンテナ、4は
非放射性誘電体線路を構成する誘電体ロッド、5はシン
グルダイオード・ミキサーである。なお、この平面図
は、図示の便宜上、上部導体板を取り外した状態を示さ
れている。実際には、図示の構造の上部に下部導体板1
と同一構造の上部導体板が配置される。
【0016】FM信号発生器2は、金属ブロック体のガ
ンダイオードマウント2aと、周波数変調用のバラクタ
ーダイオードとダイオードマウント2aの側面に保持さ
れたガンダイオード2cとを実装したマイクロストリッ
プ線路2bと、このマイクロストリップ線路に実装され
るガンダイオード2cが発生したFM信号を誘電体ロッ
ド4を含む非放射性誘電体線路上に導く共振器を兼ねた
金属ストリップ2dとから構成されている。
【0017】下部導体板1と上部導体板とは、誘電体ロ
ッド4を介在させながらガンダイオードが発生するミリ
波帯のFM信号の半波長よりもやや小さな間隔を保って
平行に配置されているため、このFM信号は2枚の平行
平板間の誘電体ロッド4に沿ってのみ伝播可能になる。
主要な伝播モードとしてはLSM01モードとLSE0
1モードの2種類が存在するが、これらのうち低損失性
のLSM01モードが利用される。回路構造の対称性が
損なわれる箇所で発生するLSE01モードを抑制する
ために、誘電体ロッド4の該当の箇所にモードサプレッ
サが埋め込まれている。
【0018】誘電体ロッド4a内を伝播したFM信号
は、インピーダンス整合のために形成されている空隙4
dを通って誘電体ロッド4aから誘電体ロッド4bに伝
播し、シングルダイオード・ミキサー5と誘電体ロッド
4cとを通って送受共用アンテナ3に伝播する。この実
施例のFMレーダモジュールの特徴の一つは、誘電体ロ
ッド4(4a,4b,4c)と上下の導体板とで構成さ
れる非放射性誘電体線路が、FM信号発生器2から中間
にアイソレータや方向性結合器などの素子を一切介在さ
せることなく、しかも、送受共用アンテナ3までの最短
経路に沿って直線的に延長される点である。また、この
FMレーダモジュールの他の特徴は、FM信号発生器1
と送受共用アンテナ3とを接続する直線状の非放射性誘
電体線路の途中にシングルダイオード・ミキサー5が配
置される点である。
【0019】シングルダイオード・ミキサー5と誘電体
ロッド4との結合部分の構成を図2の部分平面図に拡大
して示す。また、シングルダイオード・ミキサーのみの
構成を図3の部分正面図に拡大して示す。ミキサーダイ
オード5aを装着した誘電体基板5bが、一定間隔を保
って対向する一定幅の誘電体ロッド4bと4cの各端面
の間に、各誘電体ロッドの軸線方向と直交するように配
置される。誘電体ロッド4bと4cの各端面と誘電体基
板5bとの間には、インピーダンス整合用の高誘電率の
薄膜が設置されていない。
【0020】単一のミキサーダイオード5aが、誘電体
基板5bの中央部に形成されたダイオード取付けパター
ン5d上に、誘電体基板5bの中心からオフセット量D
だけずらされた状態で取付けられている。このオフセッ
ト量Dは、誘電体ロッド4b,4c内でLSM01伝播
モードの電界強度が最大となる高さ方向の中心位置から
のずれ量に相当する。このオフセット量Dを最適値に調
整すると共に、ダイオード取付けパターン5dの面積と
形状とを最適化することにより非放射性誘電体線路とシ
ングルダイオード・ミキサー間のインピーダンス整合が
行われる。これに伴い、インピーダンス整合用の高誘電
率薄膜が不要となる。なお、ダイオード取付けパターン
5dの間に複数のダイオードを並列接続したり、ミキサ
ーダイオード5aに代えて非線形特性に基づく混合機能
を有する他の類似の固体素子を配置することもできる。
【0021】さらに、ミキサーダイオードの取付けオフ
セット量Dとダイオード取付けパターン5dの形状と寸
法を調整することにより、このミキサーを透過する信号
の電力とこのミキサーによる変換電力の比率を制御する
ことができる。左右のダイオード取付けパターン5dに
は、高周波信号の漏れを防ぎながらミキサーダイオード
5aにバイアス電圧を供給するためのλ/4チョークパ
ターン5cが接続されている。ミキサーダイオード5a
が発生したビート信号は、λ/4チョークパターン5c
と同軸線路5eとを通ってこのFMレーダモジュールの
外部に伝達される。
【0022】図1において、FM信号発生器2が発生し
たミリ波帯のFM信号は、誘電体ロッド4と上下の導体
板とから構成される非放射性誘電体線路に沿って伝播
し、この非放射性誘電体線路の途中に配置されたシング
ルダイオード・ミキサー5に到達する。この到達したF
M信号の一部はローカル信号としてこのシングルダイオ
ード・ミキサー5に吸収され、残りの大部分はこのシン
グルダイオード・ミキサー5を透過して送受信共用アン
テナ3に到達し、外部に放射される。
【0023】この送受共用アンテナ3は、根元側から先
端側に向けて直線的に増加する開口面を有するホーン部
3bと、上下の導体板の端部からホーン部3b内に突出
せしられる誘電体ロッド3aから構成され、シングルダ
イオード・ミキサー4を通過して誘電体ロッド4の先端
部分まで伝播してきたFM信号を外部に放射する。送受
共用アンテナ3から外部に放射され、標的で反射されて
戻ってきたFM信号の反射波は、この送受共用アンテナ
3に受信される。この送受共用アンテナ3に受信された
反射波は、上記放射経路を逆向きにたどって誘電体ロッ
ド4の先端部分に導かれ、誘電体ロッド4と上下の導体
板で構成される非放射性誘電体線路に沿って伝播し、シ
ングルダイオード・ミキサー4に供給される。
【0024】このように、シングルダイオード・ミキサ
ー4は、送受共用アンテナ3から放射されるFM信号
と、標的で反射されて送受共用アンテナに受信された
反射信号とを混合することにより、低周波のビート信号
を発生する。この低周波のビート信号は、同軸線路5e
を通ってこのレーダモジュールの外部に導かれる。シン
グルダイオード・ミキサー4を通過した反射波の一部は
FM発振器2に向けて伝播するが、この反射波のレベル
がこのFM発振器2が発生するFM信号のレベルに比べ
て十分減衰しているため、FM信号発生器の動作に及ぼ
す影響は小さい。
【0025】FM信号発生器2とこれに接続される非放
射性誘電体線路との間のインピーダンス整合は、最終的
には誘電体ロッド4aと4bの間に形成される空隙4d
の長さGと、誘電体ロッド4bの長さLとを調整するこ
とによって行われる。図4と図5は、シングルダイオー
ド・ミキサー5および送受共用アンテナ3含む回路部
分と、非放射性誘電体線路のインピーダンス整合の良
否を示す実測データである。この実測データは、図1の
誘電体ロッド4aに測定器を接続して実測したVSWR
の周波数特性である。図4はGが 0.5mm, Lが 3.9m
mの場合の実測データであり、図5はGが 0.7mm, L
が 4.0mmの場合の実測データである。図4に示す実測
データから明らかなように、空隙4dの長さGと誘電体
ロッド4bの長さLを最適値に調整することにより、実
用上十分なインピーダンス整合を実現できる。
【0026】上記の実験では、空隙4dと誘電体ロッド
4bの長さを調整することによりインピーダンス整合を
行った。しかしながら、空隙4dに代えて、誘電体ロッ
ド4a,4bとは異なる誘電率を有する適宜な長さの誘
電体を誘電体ロッド4aと4bとの間に挿入したり、誘
電体ロッド4bを誘電体ロッド4aとは異なる誘電率や
幅(従って異なる線路インピーダンス)を有する適宜な
長さの誘電体ロッドで置き換えるなど、異なる各種の手
法によってインピーダンス整合を行うこともできる。
【0027】以上、FMレーダモジュールを例に取って
本発明を説明した。しかしながら、FM信号発生器を一
定周波数の信号を発生する信号発生器で置き換えること
により、ドップラーシフトに基づく相対速度の検出のみ
を行うドップラーレーダ・モジュールについても本発明
を適用できる。また、信号発生器として異なるタイミン
グでFM(周波数掃引)モードとCW(周波数固定)モ
ードとに切り換えて動作させることにより時分割的に相
対距離と相対速度を検出できる。
【0028】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のレ
ーダモジュールは、アンテナを送受共用にすると共に、
これと信号発生器との間を接続する非放射性誘電体線路
内にミキサーのみを配置する構成であるから、モジュー
ル全体の小型化が実現できる。また、信号発生器と送受
共用アンテナとの間を接続する非放射性誘電体線路内で
はアイソレータが省略されているため、部品点数の削減
と調整労力の低減が可能となり、製造コストが低下する
という効果も奏される。また、ローカル信号の強度が要
求されないので最大検知距離が拡大するという利点もあ
る。
【0029】さらに、本発明のレーダモジュールは、非
放射性誘電体線路を構成する誘電体ロッド内のLSM伝
播モードの電界強度が最大となる中心位置から所定量ず
らして単一のミキサーダイオードなど配置することによ
り、非放射性誘電体線路とミキサーとのインピーダンス
整合が行われる。すなわち、従来技術の非放射性誘電体
線路とミキサーとの間のインピーダンス整合方法とは異
なり、高誘電率の薄膜よる調整が不要になる。このた
め、製造条件のバラツキに起因する特性のバラツキが低
減されると共に、ミキサー単体の小型化も達成される。
また、従来とは異なり、2個のダイオードの特性を一致
させる必要がないので、ミキサー単体の小型化のみなら
ず、レーダー・モジュール全体の小型化とともに特性の
バラツキを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のFMレーダモジュールの構
成の一例を示す平面図である。
【図2】図1中のシングルダイオード・ミキサー5とそ
の周辺の非放射性誘電体線路の拡大平面図である。
【図3】図1中のシングルダイオード・ミキサー5の拡
大正面図である。
【図4】シングルダイオード・ミキサー5および送受共
用アンテナ3を含む回路部分と非放射性誘電体線路との
インピーダンス整合の良否の状態を示す実測データであ
る。
【図5】シングルダイオード・ミキサー5および送受共
用アンテナ3を含む回路部分と非放射性誘電体線路との
インピーダンス整合の良否の状態を示す実測データであ
る。
【図6】先行技術を延長することにより構成したFMレ
ーダモジュールの構成の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 上部導体板 2 FM信号発生器 3 送受共用アンテナ 4 非放射性誘電体線路 5 シングルダイオード・ミキサー 5a 単一のミキサーダイオード 5b 誘電体基板 5e 同軸線路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 成貴 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 米山 務 宮城県仙台市太白区袋原字小平12番17号 (56)参考文献 特開 平6−268447(JP,A) 特開 平6−268446(JP,A) 特開 平6−268445(JP,A) 特開 平6−216654(JP,A) 米山 務,非放射性誘電体線路を用い たミリ波集積回路,電子情報通信学会論 文誌,日本,電子情報通信学会,1990年 3月25日,VOL.J73−C−I N O.3,87−94 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号を発生する信号発生器と、この発生さ
    れた信号を放射する送信アンテナと、反射波を受信する
    受信アンテナと、前記送信アンテナから放射される信号
    と前記受信アンテナに受信された反射波とを混合してビ
    ート信号を発生させるミキサーと、このミキサーから出
    力されるビート信号を外部に導く出力信号線と、前記信
    号発生器、前記アンテナ及び前記ミキサーの間を接続す
    る非放射性誘電体線路とを備えたことと、 前記送信アンテナと受信アンテナと送受共用アンテナ
    を構成することと、 前記信号発生器と前記送受共用アンテナとの間を接続す
    る非放射性誘電体線路内には、前記ミキサーのみが配置
    されたことを特徴とするレーダモジュール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記信号発生器と前記送受共用アンテナとの間を接続す
    る非放射性誘電体線路は、両者の間の最短経路に沿って
    直線的に延長されたことを特徴とするレーダモジュー
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記ミキサーは、シングルダイオード・ミキサーである
    ことを特徴とするレーダモジュール。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3において、 前記シングル・ダイオードミキサーは、非放射性誘電体
    線路のLSM01伝播モードの電界強度が最大となる中
    心位置からずらして配置されたことを特徴とするレーダ
    モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4において、前記シングル・ダイオードミキサーおよび送受共用アン
    テナを含む部分と、前記信号発生器が接続される非放射
    性誘電体線路との間の最終的なインピーダンス調整は、
    この非放射性誘電体線路の途中に形成される空隙の幅
    と、この空隙および前記シングル・ダイオードミキサー
    の間の距離と の調整により行われることを特徴とするレ
    ーダモジュール。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5において、 前記信号発生器はFM信号発生器であることを特徴とす
    るレーダモジュール。
JP30864993A 1993-11-15 1993-11-15 レーダモジュール Expired - Fee Related JP3259021B2 (ja)

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米山 務,非放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回路,電子情報通信学会論文誌,日本,電子情報通信学会,1990年3月25日,VOL.J73−C−I NO.3,87−94

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