JP3258404B2 - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

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JP3258404B2
JP3258404B2 JP33655092A JP33655092A JP3258404B2 JP 3258404 B2 JP3258404 B2 JP 3258404B2 JP 33655092 A JP33655092 A JP 33655092A JP 33655092 A JP33655092 A JP 33655092A JP 3258404 B2 JP3258404 B2 JP 3258404B2
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健一 岩瀬
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旭テック株式会社
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料を融点以下の
適当な温度に加熱した後、冷却速度を加減して、金属材
料を所要の組織に変化させたり、あるいは所要の性質に
変化させるための焼なまし,焼戻し等の熱処理を施こす
ときに用いる熱処理炉に係り、特に、回分式(バッチ
式)に熱処理するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッチ式の熱処理炉は、密閉され
た空間(以下、室内というときもある)の内壁を耐火レ
ンガ等の耐火物で形成するとともに、その空間の内壁に
ヒータを設けて構成されている。そして、その熱処理炉
で被熱処理物(以下、ワークという)を熱処理するに
は、上記室内にワークを入れて密閉し、ヒータを駆動さ
せて炉内(室内)温度を熱処理の目的に合わせた所定温
度まで高めた後、熱処理の目的に合わせて徐冷するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のバッチ式の熱処理炉は、1回分の熱処理が行なわれ
ている間、熱処理炉が占有されるために、熱処理炉の運
転効率が劣るという欠点があった。
【0004】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、運転効率の優
れた熱処理炉を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、レール上をそれぞれ走行可能に設けられ
たワークを載置する2台の台車と、それら台車のうちの
いずれか一方の台車が前記レール上の所定の場所に位置
したときに、その一方の台車を底部とする密閉された空
間を有する熱処理炉本体と、その熱処理炉本体の前記レ
ール側の左,右側壁をそれぞれ開閉する開閉機構と、前
記レール側の左,右方向にそれぞれ一個ずつ設けられ、
かつそのレール方向に移動自在に設けられた、前記台車
のうちのいずれか一方の台車の上方を覆うことのできる
徐冷カバーとを有することを特徴としている。また、上
記開閉機構に代えて、台車をレール上に存在させたま
ま、熱処理炉本体を上昇させる上昇機構を設けたことを
特徴としている。
【0006】
【作用】上記構成において、2台の台車のうちの一方の
台車に載置されたワークが熱処理炉本体で所定温度に加
熱処理されると、開閉機構により側壁を開き、台車をレ
ールの一方向へ移動する。移動した台車を、徐冷カバー
が移動して覆い、所定温度になるまで徐冷する。ワーク
の載置されたレールの他方向の台車は、レール上を所定
場所まで移動し、その移動が終了すると開閉機構により
側壁が閉じられる。また、開閉機構に代えて上昇機構が
用いられたときは、台車の移動の際、台車を除いた熱処
理炉本体が上方へ移動する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は一実施例に係る熱処理炉の概略構成図で、
このうち図1(a)はその平面図及び図1(b)はその
正面図である。所定の長さを有するレールR0 には、2
台の台車1a,1bが載置されていて、そのレールR0
上を移動できるように構成されている。
【0008】両台車1a,1bは、同一構成なので、台
車1aを例に拡大して示された図2をも参照しながら説
明すると、フレーム2の下部には、レールR0 上を走行
するための4個の車輪3,3…を有するとともに、フレ
ーム2上には、耐火レンガからなる底壁4が設けられて
いる。そしてこの底壁4上にワークWが載置されるよう
に構成されている。また、この底壁4の上面には、電気
ヒータ(以下、ヒータという)H及びファンFが設けら
れている。
【0009】熱処理炉本体(以下、炉本体という)10
は、上記底壁4を炉本体の底部とするもので、レールR
0 のほぼ中程に設けられている。この炉本体10は、レ
ールR0 の布設方向の左,右側壁11a,11b、上壁
12及び前,後壁13a,13bが耐火レンガにセラミ
ックファイバーを張設して形成されているとともに、各
壁内面にはヒータHがそれぞれ設けられている。
【0010】上記各壁のうち、上壁12は、建物の梁B
に支持棒B′を介して支持されている。そして、この上
壁12には両側壁11a,11bを開閉するための一対
の開閉機構14,14が設けられている。すなわち、こ
の開閉機構14は、図示しない油圧またはモータからな
る駆動源で上下動されるアーム15を有し、このアーム
15の下端部が側壁11a,11bの上端部に回動自在
に設けられている。したがって、一対の開閉機構14,
14が駆動されてアーム15,15が上方へ回動される
と、両側壁11a,11bは図2の二点鎖線で示される
ように、上方へ持ち上り、両側壁11a,11b側が開
かれる。
【0011】レールR0 の両端側には、そのレールR0
の長手方向と同方向のレールR2 ,R3 がそれぞれ設け
られている。そして、これらレールR2 ,R3 はレール
0の外側に位置し、かつレールR0 と台車1a(1
b)分の長さだけ重複して設けられている。
【0012】徐冷カバー20a,20bは、ワークWを
載置した台車1a,1bを覆う容積の空間を有し、内壁
に断熱材の張設された鉄板から構成され、レールR2
3に4個の車輪21,21…を介してそれぞれ移動自
在に設けられている。これら徐冷カバー20a,20b
のうち、炉本体10側の側壁22,22は扉に形成され
ていて開閉自在に構成されているとともに、底が開放さ
れている。したがって徐冷カバー20a,20b内に
は、扉が開いた状態で台車1a,1bがそれぞれ自由に
出入りすることができる。
【0013】図中、Sはガラスウールからなるシール部
材で、台車1a,1bの上面周囲に設けられていて、
前,後の側壁13a,13bの下端部と両側壁11a,
11bの下端部をシールするために用いられている。
【0014】次に、本実施例に係る熱処理炉の熱処理動
作について説明する。先ず、徐冷カバー20aをレール
2 の右端に移動させておき、台車1aを図1の徐冷カ
バー20aの場所までモータMにより車輪Wを回転させ
て移動させておく。
【0015】そして、台車1aにワークWを載置したの
ち、開閉機構14,14を駆動させて両側壁11a,1
1bを上昇させ、モータMを駆動させて台車1aを左側
に移動させ、ちょうど図1の位置に達したときに停止さ
せる。この台車1aの位置決めは、フォトセンサ等から
なる周知の図示しない検知器を用いて行なわれる。
【0016】台車1aがレールR0 の所定の場所に位置
決めされたら、開閉機構14,14を再び駆動させて両
側壁11a,11bを閉じ、次いで、ヒータHに通電し
てワークWを所定温度まで加熱する。
【0017】所定の加熱時間が経過して徐冷開始時間に
達した時、開閉機構14,14を駆動させて両側壁11
a,11bを開くとともに、モータMを回転させて台車
1aを右側に移動させる。この台車1aの移動に先立っ
て、徐冷カバー20aは、図1に示される位置に炉本体
1側の側壁22を開いてレールR2 の左端に待機されて
いる。したがって、台車1aは徐冷カバー20a内に進
入することができる。台車1aが徐冷カバー20a内に
進入を完了した時点で、側壁22を閉じ、ワークWが所
定の温度、例えば室温になるまで徐冷する。
【0018】徐冷時間が終了したとき、徐冷カバー20
aを右側に移動させ、台車1aから熱処理済みのワーク
Wを取り出して台車1aにおける一連の熱処理を完了す
る。そして、空になった台車1a上に、次のワークWを
載置して待機しておく。
【0019】台車1aのワークWが炉本体10内で加熱
処理を受けている間に、他方の台車1bにワークWを載
置して待機状態にしておく。そして、台車1aが、上述
のように徐冷カバー20a側に移動すると同時に、台車
1bを炉本体10側に移動させて同様に加熱処理を行
う。
【0020】上述のように、本実施例に係る熱処理炉に
おいては、炉本体10の底部4となる2台の台車1a,
1bと、2個の徐冷カバー20a,21bを用いて、バ
ッチ連続式に運転できるので、熱処理炉の運転効率を高
めることができる。
【0021】図3は、両側壁11a,11bと上壁12
及び前,後壁13a,13bとを一体化し、台車1a,
1bの移動に際しては、その一体化された炉本体10を
シリンダ30で上昇させるようにしている。なお、図中
31,31は、炉本体10の上昇が円滑になるようにす
るための案内ロッドである。
【0022】このように、台車1a,1bを除いて炉本
体10を上昇させるときは、両側壁11a,11bを開
閉するための複雑な機構と両側壁11a,11bのシー
ル機構が省略できる特長がある。
【0023】
【発明効果】本発明に係る熱処理炉は、特許請求の範囲
に記載した構成からなるので、すなわち、本発明の熱処
理炉は、炉本体の底部となる2台の台車と、2個の徐冷
カバーを有しているので、バッチ連続式に運転でき、熱
処理炉の運転効率を高めることができる。また、台車を
除く炉本体を上昇させるときは、両側壁を開閉するため
の複雑な機構と両側壁のシール機構が省略できる特長が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る熱処理炉の概略図であ
って、同図(a)はその平面図、同図(b)はその正面
図である。
【図2】炉本体の詳細断面図である。
【図3】他の例の炉本体の詳細断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 台車 10 熱処理炉本体(炉本体) 14 開閉機構 20a,20b 徐冷カバー 30 シリンダー(上昇機構) R レール W 熱処理物(ワーク)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 9/26 F27B 17/00 C21D 1/00 111 C21D 1/00 113

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール上をそれぞれ走行可能に設けられ
    た被熱処理物を載置する2台の台車と、 前記台車のうちのいずれか一方の台車が前記レール上の
    所定の場所に位置したときに、その一方の台車を底部と
    する密閉された空間を有する熱処理炉本体と、 前記熱処理炉本体の前記レール側の左,右側壁をそれぞ
    れ開閉する開閉機構と、 前記レール側の左,右方向にそれぞれ一個ずつ設けら
    れ、かつそのレール方向に移動自在に設けられた、前記
    台車のうちのいずれか一方の台車の上方を覆うことので
    きる徐冷カバーと、 を有することを特徴とする熱処理炉。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の開閉機構に代えて台車を
    レール上に存在させたまま、熱処理炉本体を上昇させる
    上昇機構を設けたことを特徴とする熱処理炉。
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