JP3257693B2 - 熱可塑性ポリウレタンホースの製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリウレタンホースの製造方法Info
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Description
からなるホースの製造方法に関する。本発明の製造方法
で得られるホースは、透明性および柔軟性が良好である
ことから流体移送用のチューブなどとして有用である。
PUと略す)は高弾性率を有し、耐摩耗性および耐油性
に優れる等の多くの特長を有するために、ゴムおよびプ
ラスチックスの代替材料として注目されており、溶融押
出成形などの通常のプラスチックス成形加工法が適用で
きる成形材料として広範な用途で多量に使用されるよう
になってきている。TPUは高分子ジオール、ジイソシ
アネートおよび1,4−ブタンジオールなどの鎖伸長剤
を混合して重合することにより製造されている。TPU
は使用した高分子ジオールの種類に応じて、ポリエステ
ル系TPU、ポリエーテル系TPU、ポリカーボネート
系TPU等に分類され、それぞれの特長を生かして種々
の用途に使用されている。TPUは上記のような特長に
加えて透明性も良好であることから、ホース素材として
も有用である。しかしながら、TPUを溶融押出成形法
でホースに成形する場合、ダイス口より押出された時点
でホースの形態を保持させるために、TPUをフィル
ム、シートなどの他の多くの成形品に溶融押出成形する
場合と比較して低い成形温度に設定する必要がある。こ
のため、押出成形機内での長時間滞留により生成した熱
劣化物、TPUとの相溶性に劣る添加剤等がダイス口に
付着しやすく、一般に目脂と呼ばれている堆積物とな
り、それがダイス口より押出されたホースの表面に傷を
付けるため、定期的にホースの生産を中断しダイス口を
掃除するという煩雑な作業が必要である。熱劣化を防止
するためにジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)のような酸化防止剤、あるいは耐熱性向上剤として
知られているリン系化合物を添加することが試みられて
いるが、ある程度の効果はあるものの、ホースの製造に
おける目脂の発生抑制の効果は、まだ十分ではない。
は、TPUからなるホースの溶融押出成形における目脂
の発生を抑え、透明性の良好なホースを長時間にわたっ
て連続的に製造しうる方法を提供することである。
目的は、重量平均フレーク径が3〜100μmである板
状物質を熱可塑性ポリウレタン基準で0.3〜0.9重
量%含有させた熱可塑性ポリウレタン組成物を溶融押出
成形することを特徴とするホースの製造方法を提供する
ことにより達成される。
されることはなく、例えば、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールなどのポリエーテルジオール;ポリエチレ
ンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジオ
ール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリ−3−メ
チルペンタンアジペートジオール、ポリカプロラクトン
ジオール、1,9−ノナンジオールと2−メチル−1,
8−オクタンジオールとの混合ジオールとアジピン酸と
を重縮合して得られたポリエステルジオールなどのポリ
エステルジオールなどの高分子ポリオールと、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアナートなどのジイソシア
ナートと、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ルなどの鎖伸長剤とを反応させて製造されたTPUが挙
げられる。
タルク、カオリン等が挙げられるが、雲母が好ましい。
雲母の種類としては白雲母(マスコバイト)、金雲母
(フロゴバイト)、黒雲母(バイオタイト)などより、
適宜選択することができる。
ク径とは、板状物質の試料を各種の目開きのマイクロシ
ーブまたはフルイで分級し、その結果をRosin-Rammler
線図にプロットし、測定に供した板状物質の全重量の5
0重量%が通過しうるマイクロシーブまたはフルイの目
開き(L50)を求め、このL50に基づき下記の(1)式
または(2)式により決定されるLの値として定義され
る寸法である。
以上の比較的粒度の大きい板状物質についてはフルイに
基づくL50を採用するのが適当であり、また重量平均フ
レーク径が約40μm以下の比較的粒度の小さい板状物
質についてはマイクロシーブに基づくL50を採用するの
が適当である。
満の場合は、TPU樹脂中で分散不良を起こしやすくな
り、ホースの品質低下につながる。反対に100μmを
越える重量平均フレーク径では、得られるホースの表面
に凹凸が発生し外観不良のものとなる。以上の理由によ
り、本発明で使用する板状物質の重量平均フレーク径は
3〜100μmであり、好ましくは、5〜75μmの範
囲である。板状物質の含有量は、得られるホースの透明
性および目脂の発生防止効果が特に良好となる点から、
TPU基準で0.3〜0.9重量%である。
は、さらに滑剤が配合されていると、目脂の発生抑制効
果がいっそう助長される場合がある。滑剤としてモンタ
ン酸ワックスおよび/または高級脂肪族ビスアミドが好
適である。モンタン酸ワックスとしては、モンタン酸と
エチレングリコール、プロピレングリコールのような脂
肪族ジオールまたはグリセリンのような脂肪族トリオー
ルとの縮合物や、それを水酸化カルシウムなどで部分鹸
化した化合物などが挙げられる。高級脂肪酸ビスアミド
としては、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレン
ビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。滑剤の含有
量としては、目脂の発生防止効果の点などから、TPU
基準で0.2〜1.5重量%が好ましい。
常法に準じて、例えばTPUと所定量の板状物質とを混
合することにより製造することができる。例えば雲母含
有TPU組成物は、次のようにして製造することができ
る。TPU、雲母および所望により雲母以外の第三成
分、例えば滑剤、を溶融押出機内でTPUの溶融条件下
に混練し、ストランドダイより溶融押し出ししたストラ
ンドをカッターで切断することにより、所望のTPU組
成物のペレットが得られる。混練性を良くするために
は、押出機は2軸スクリュー方式の方が単軸スクリュー
方式より好ましい。雲母またはそれと第三成分の押出機
への供給形態は、TPUペレットとの混合物であって
も、またTPUペレットとは別であってもよい。さらに
TPUを押出機中で溶融重合するに際して、その溶融重
合系に雲母またはそれと第三成分を添加してもよい。ま
た、TPUに雲母またはそれと第三成分を高濃度に配合
したマスターペレットを予め作製し、それをTPUペレ
ットと押出機に供給してもよい。
に溶融押出成形する方法は特に限定されず、例えばTP
U組成物からなるペレットを溶融押出機を用いてストレ
ートダイ、オフセットダイ、クロスダイなどから溶融押
し出しし、サイジングダイ、冷却槽、引き取り機、巻取
り機を通過して所望のホースが製造される。成形温度と
しては、通常TPUの硬度等に応じて140〜190℃
程度の範囲内の温度から適宜選択されるが、一般に溶融
押し出しされたホースの形態保持の点から通常の押出成
形に比べて低く設定される。なおダイ温度は厳密にコン
トロールすることが望ましい。
あり、通常無荷重下で自己形態保持性を有する。尚、本
発明で作られるホースの構造としては特に限定されず、
例えばTPU組成物のみからなる単層のものでもよい
し、ホースを補強するためなどの目的で他の層を設けた
積層構造のものであってもよい。本発明で得られるホー
スは、空気、油、燃料、化学物質などの流体輸送用のチ
ューブとして好適であり、空圧機器、塗装機器、農薬散
布部品、定量ポンプ、ガスホース、産業用ロボットなど
の部品として使用することができる。
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
レ製)100重量部、白雲母(白雲母3000、クラレ
製)0.8重量部およびエチレンビスステアリン酸アミ
ド0.8重量部を30φの2軸スクリュー型押出機(シ
リンダー温度160〜210℃、ダイス温度180〜1
90℃)を使用して溶融混練して組成物ペレットを得
た。得られた組成物ペレットを80℃で3時間除湿乾燥
して水分率50ppm とし、ストレートダイ(外径4m
m、内径2mm)を取り付けた25φ単軸スクリュー型
押出機(シリンダー温度150〜180℃、ダイス温度
180℃、吐出量4kg/h)からホースを溶融押し出し
し、ストレートダイ口に目脂が発生するまでの時間を測
定した。この結果を表1に示す。
レ製)100重量部、白雲母(白雲母400W、クラレ
製)3重量部およびモンタン酸ワックス3重量部を、3
0φの2軸スクリュー型押出機(シリンダー温度160
〜210℃、ダイス温度180〜190℃)を使用し、
溶融混練してマスタ−ペレットを得た。得られたマスタ
ーペレットを、熱可塑性ポリウレタン(クラミロン U
3190、クラレ製)に、マスターペレット/熱可塑性
ポリウレタンの重量比が1/5となるようにブレンドし
たのち、実施例1と同様にしてホースを溶融押し出し
し、成形し評価した。結果を表1に示す。
ワックスに変えた以外は実施例1と同様な方法により、
表1に示す組成の組成物ペレットを作製しホースを製造
した。結果を表1に示す。
較例1)か、雲母の量を0.8重量部から5重量部に変
更した(比較例2)以外は、実施例1と同様にしてホー
スを溶融押出成形した。結果を表1に示す。
る目脂の発生を抑制することができるので、長期にわた
って安定した状態でホースを製造することができる。し
かも、本発明の方法により得られるホースはTPUが本
来有する透明性および柔軟性を保持している。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量平均フレーク径が3〜100μmで
ある板状物質を熱可塑性ポリウレタン基準で0.3〜
0.9重量%含有させた熱可塑性ポリウレタン組成物を
溶融押出成形することを特徴とするホースの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP09371192A JP3257693B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 熱可塑性ポリウレタンホースの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09371192A JP3257693B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 熱可塑性ポリウレタンホースの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05261787A JPH05261787A (ja) | 1993-10-12 |
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Family
ID=14090010
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP09371192A Expired - Fee Related JP3257693B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 熱可塑性ポリウレタンホースの製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (6)
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1992
- 1992-03-18 JP JP09371192A patent/JP3257693B2/ja not_active Expired - Fee Related
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