JP3257415B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP3257415B2
JP3257415B2 JP24975796A JP24975796A JP3257415B2 JP 3257415 B2 JP3257415 B2 JP 3257415B2 JP 24975796 A JP24975796 A JP 24975796A JP 24975796 A JP24975796 A JP 24975796A JP 3257415 B2 JP3257415 B2 JP 3257415B2
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喜重 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドが搭載
されたスライダを有する磁気ディスク装置に関し、特に
スライダの表面を低表面エネルギー化して、撥油性を向
上し、粘着を低減したスライダを備えた磁気ディスク装
置、外部記憶装置、ディスクアレイ、サーバ、及びコン
ピュータなどに好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスクとスライダの粘着を
低減するために、スライダの磁気ディスクとの対向面を
低表面エネルギ化することが試みられている。
【0003】例えば、スライダのレール面の表面にフッ
素化された層を有するカーボン膜を設け、レール面の表
面エネルギーを低下させ撥水、撥油性を有するように
し、異物の付着、ヘッドクラッシュの発生を防止するこ
とが特開昭63−251981号公報に記載されてい
る。
【0004】また、スライダの表面粗さをRmax≒0.0
5〜0.1マイクロメータ程度にすれば磁気ディスクの
表面粗さRmax≦0.2マイクロメータの場合、スライダ
と磁気ディスクとの吸・粘着を防止するうえで有効なこ
とが特開昭54−23517号公報に記載されている。
【0005】さらに、スライダの磁気ディスクと対向す
る面に、高さが急激に変化する山と谷を、山と谷の深さ
の差の平均値を50〜200Å、山と谷の繰り返しのピ
ッチを5〜200μmとして一定の規則性を持って形成
して、スライダと磁気ディスクとの粘着現象を防止する
ことが、例えば特開平03−232174号公報に記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術である特
開昭63−251981号公報に記載のようにレール面
を低表面エネルギ化することは、ヘッドクラッシュの発
生を防止するには良いが、磁気ディスク上の潤滑剤がレ
ール面に付着しなくなるためスライダと磁気ディスクと
の摩耗の進行が早まる恐れがある。
【0007】また、特開昭54−23517号公報に記
載のようにスライダに凹凸を形成すると、凹凸の高さの
差が浮上量低下となり、スペーシングロスになる。凹凸
で粘着防止するためには、10〜20マイクロメータの
表面粗さが必要であり、スペーシングロスは無視できな
くなる。
【0008】さらに、特開平03−232174号公報
に記載のようにスライダに山と谷を形成し、高さの差の
平均値を50〜200Åとしても、値が小さすぎ、時間
の経過と共に吸着物によって谷部が埋められて、凹凸の
効果が期待できなくなる。また、山と谷の繰り返しのピ
ッチを5〜200マイクロメータとすることは、値が大
きすぎ、数百ナノメータオーダの油滴が谷部に入り込
み、凹凸の効果が期待できなくなることがある。
【0009】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
磁気ディスクに設けられた潤滑剤が、スライダに付着し
にくく、スライダと磁気ディスクとの粘着を防止し、か
つスライダの浮上高さを低減し、記録密度を増大した磁
気ディスク装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に潤滑剤
層が形成された磁気ディスクと、前記磁気ディスクに対
してデータの記録再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘ
ッドを搭載し前記磁気ディスクと対向するスライダとを
有する磁気ディスク装置において、前記スライダに形成
され前記磁気ディスクと対向するレール面と、前記スラ
イダに前記レール面より段差を持って凹部として形成さ
れ、表面に凹凸が設けられたブリード面とを備え、前記
ブリード面に、付着した潤滑剤が凸部と接触し、凹部に
空気だまりができるように、高低差の平均値が10ナノ
メータ以上、800ナノメータ以下で、かつピッチの平
均値が10ナノメータ以上、300ナノメータ以下の凹
凸を形成し、前記凹凸を形成したブリード面に、膜厚が
単分子層厚さ以上でかつ前記凹凸の高低差の平均値の半
分以下である、フッ素を含有した化合物の膜を形成し
ものである。
【0011】レール面が磁気ディスクと直接対向するこ
とにより、浮上量を低減することができると共に、磁気
ディスクの潤滑剤はブリード面の凹凸の凸部にのみ接触
し、凹部に空気だまりができるため、潤滑剤とスライダ
の接触面積が低減する。このとき潤滑剤の表面エネルギ
はスライダ表面と潤滑剤との界面エネルギよりも小さい
ので、撥油性が増大する
【0012】凹凸の高低差の平均値haを10nm≦ha≦8
00nmとすることにより、分子オーダーの付着物により
凹凸の凹部が埋められて凹凸の効果が減少することや、
凹凸のアスペクト比が高くなり、強度的に凸部が壊れや
すくなって、凹凸の効果が減少することを防ぐことがで
きる。
【0013】さらに、凹凸の1つのピッチpの平均値pa
を10nm≦pa≦300nmとすることにより、分子オーダ
ーの付着物がトラップされやすくなり凹凸の凹部が埋め
られて凹凸の効果が減少することや、0.1μm以下の
微小な潤滑剤の飛散物または油滴に対して凹凸の効果が
なくなることを防ぐことができる。
【0014】上記のように、スライダのブリード面に上
記の凹凸を形成し、その上にフッ素を含有した化合物の
膜を形成すれば、スライダは潤滑剤に対して濡れにくく
なり、飛散した潤滑剤がスライダに付着するのを防止す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】コンピュータの記憶装置や情報記
録用等に使用される磁気ディスク装置は、情報の記録・
再生行う磁気ヘッドを搭載するスライダを磁気ディスク
に対向している。スライダは、磁気ディスクの回転とと
もに磁気ディスクに対して数十から百数十ナノメーター
の微小な隙間(浮上量)を保持して浮上する。
【0016】磁気ディスク装置の記録容量を増大させる
には、磁気ディスクに形成されている磁気トラックの密
度を増すと共に、スライダの浮上量を低減させ、スペー
シングロスを低減する必要がある。
【0017】スライダの浮上量を低減させるためには、
スライダが磁気ディスクと接触して、磁気ヘッドや磁気
ディスクが破損したり、情報の記録・再生が適正に行わ
れないという現象を防ぐ必要がある。このため、スライ
ダには保護膜が形成され、磁気ディスクには潤滑剤が設
けられている。しかし、磁気ディスク装置を停止した場
合、スライダは磁気ディスクに接触することなり、稼働
中にスライダの磁気ディスク対向面及び後端面に付着し
た潤滑剤が、スライダと磁気ディスクとの間にしみこん
で、スライダが磁気ディスクに粘着する恐れがある。
【0018】スライダと磁気ディスク粘着が発生する
と、再度磁気ディスク装置を稼働する場合、磁気ディス
クの回転開始時の回転トルクを増大させることになる。
【0019】磁気ディスク装置に装備されている磁気ヘ
ッドはスライダに搭載されており、磁気ディスクにデー
タを書き込んだり、磁気ディスクからデータを読み出し
たりする。スライダーは磁気ディスクの回転により浮上
し、磁気ディスクに対して微小な一定の隙間を保ちなが
ら、目的のデータ記録領域まで磁気記録トラック間を移
動する。
【0020】昨今の磁気記録装置の記録容量に対するニ
ーズは年々高まっている。従って、磁気ディスクの記録
密度も高くなり、磁気トラック間隔が狭くなる傾向にあ
る。この時、磁束密度の関係から、磁気ヘッドと磁気デ
ィスクの磁気記録面との距離(浮上量)も低下させる必
要がある。現在のところ、50ナノメータ程度の浮上量
であるが、今後はさらに高記録密度が要求されるため、
浮上量もさらに低減させる必要がある。浮上量が低くな
るとスライダーが磁気ディスクに接触する頻度も多くな
る。実際には、接触による磁気ヘッドあるいは磁気ディ
スクへのダメージを低減させるために、磁気ディスクの
表面に潤滑剤が設けられている。そのため、スライダー
の浮上量が低減すればするほど、磁気ディスク上の潤滑
剤がスライダーに付着しやすくなる。
【0021】一方、磁気ディスク装置が稼働していない
ときは、スライダーは磁気ディスクの特定の円周上で磁
気ディスクに接触している。このとき、スライダーに潤
滑剤が付着していると、スライダーと磁気ディスクとの
間で粘着現象が発生する。長時間磁気ディスク装置を停
止した状態にすると、粘着の状態がさらに増大し、再び
磁気ディスク装置を稼働しようとしても、スライダーが
粘着しているため磁気ディスクの駆動がスムーズに行え
なくなり、問題となる。このため粘着状態は、可能な限
り防止するかあるいは低減しなければならない。
【0022】本発明における磁気ディスク装置の実施の
形態について図1ないし図12を参照して詳細に説明す
る。図1は一実施の形態による磁気ディスク装置のカバ
ーを外した状態を示す斜視図、図2は、実施の形態によ
るスライダを拡大して示す斜視図、図3は、スライダを
磁気ディスク対向面から見た上面図、図4は、スライダ
のブリード面の一部をブリード面に垂直に切断した断面
図、図5は、他の実施の形態によるブリード部に形成さ
れた凹凸の一部を示す断面図、図6は、さらに他の実施
の形態によるブリード部に形成された凹凸の一部を示す
断面図、図7は、さらに他の実施の形態によるブリード
部に形成された凹凸の一部を示す断面図、図8は、他の
実施の形態によるスライダを拡大して示す斜視図、図9
は、さらに他の実施の形態によるスライダを拡大して示
す斜視図、図10は、スライダと磁気ディスクとの関係
を示す側面図、図11は、他の実施の形態によるスライ
ダと磁気ディスクとの関係を示す側面図、図12は、ス
ライダにフッ素を含有した化合物を蒸着する状態を示す
側面図である。
【0023】磁気ディスク1はスピンドル2に積層され
て固定されている。各磁気ディスク1の磁気記録面に対
向して磁気ヘッドを搭載するスライダ3が配置されてい
る。スライダ3はサスペンション4を介してキャリッジ
5に支持されている。スピンドル2とキャリッジ5は、
ベース6に設置されている。
【0024】図2の上面が磁気ディスクに対向する面で
ある。スライダ3の磁気ディスク対向面には、レール7
が形成されており、レール7以外の部分はブリード8で
ある。スライダー3の端面に磁気ヘッド9が搭載されて
いる。ただし、スライダ3やレール7の形状は図2で示
した形状に特定することはなく、磁気ディスク装置の性
能やスライダーの浮上特性等によって決定すれば良い。
【0025】図3において、斜線で示したブリード8部
に凹凸を形成する。スライダ表面に凹凸を形成すると、
スライダに潤滑剤が付着した場合に、潤滑剤は凹凸の凸
部にのみ接触するため接触面積が低減するために見かけ
の接触角が大きくなり撥油性が増大する。さらに、凹凸
の凹部に空気だまり(空気層)ができ、潤滑剤の表面エ
ネルギはスライダ表面と潤滑剤との界面エネルギーより
も小さいために、撥油性が向上する。よって、スライダ
表面に凹凸を形成すると潤滑剤が付着しにくくなる。ブ
リード8部に潤滑剤が付着しにくくなると、磁気ディス
ク装置駆動時に、潤滑剤がレール7上で気流により流さ
れて除去される。
【0026】図4において、ブリード8部には、凹凸が
形成されている。1つの凹凸の高低差をhとおくとhの平
均値haは、10nm≦ha≦800nmであることが好まし
い。haが10nmより小さくなると、分子オーダーの付着
物により凹凸の凹部が埋められて凹凸の効果が減少す
る。haが800nmより大きくなると、凹凸のアスペクト
比が高くなり、強度的に凸部が壊れやすくなって、凹凸
の効果が減少する。
【0027】さらに、凹凸の1つのピッチpの平均値pa
は、10nm≦pa≦300nmであることが良く、paが10
nmより小さくなると、分子オーダーの付着物がトラップ
されやすくなり凹凸の凹部が埋められて凹凸の効果が減
少する。paが300nmより大きくなると、0.1μm以
下の微小な潤滑剤の飛散物または油滴に対して凹凸の効
果がなくなり、潤滑剤が付着し易くなる。
【0028】さらに、ブリード面に垂直に切断したとき
得られる凹凸を表す断面図形が少なくとも統計的に自己
相似性を有しフラクタル次元が定義できる状態であり、
そのフラクタル次元が略2.2以上であれば撥油性の向
上に効果がある。しかし、フラクタル次元が略2.8以
上の場合は複雑性が増し、乱雑過ぎて強度的に凸部が壊
れやすくなったり、凹部に潤滑剤が吸着して凹凸の効果
が期待できない。
【0029】フラクタル次元と撥油性の関係は、原子間
力顕微鏡などによって測定された図形よりフラクタル次
元を計算し、潤滑剤を滴下したときの接触角の測定また
は油滴の拡散の観察により確認を行うことができる。
【0030】図5において、ブリード8部の凹凸に沿っ
てフッ素を含有した化合物10が形成されている。フッ
層を含有した化合物10は緻密な層状であることが好ま
しいが、実際には分子レベルのピンホールが存在する。
凹凸は、直接スライダ3に形成されている。
【0031】図6は、フッ素を含有した化合物12の下
に機能層14を設けた例であり、機能層14は、スライ
ダー3の保護や耐磨耗性などを改善する。機能層14は
スライダ3の性能や実装時の作業性によって1層または
2、3層設けると良く、機能層14の厚みも要求使用に
よって決定すれば良い。
【0032】図7は、機能層16に凹凸を形成して、そ
の上にフッ素を含有した化合物15を形成した例であ
り、機能層の上または下にさらに他の機能層を設けると
良い。凹凸を形成する層は、どの層でも良くて、フッ素
を含有した化合物15を形成した後に凹凸があればよ
い。
【0033】フッ素を含有した化合物がフッ素系シラン
化合物の場合、シラノール基がカップリング剤となりス
ライダー表面または機能層と化学的に結合し易くなるた
め、スライダーの低表面エネルギー化には効果的であ
る。フルオロアルキルシランとフルオロアルコキシシラ
ンについては、潤滑剤に対する撥油効果を確認してい
る。 また、フルオロアルキルシランの化学構造式は CF3(CF2)x(CH2)ySi(R)3 ただし、x=5〜13、y=0〜10、R:−OCH3、−OC2H5、−Cl で表される範囲であれば良い。ただし、xが5より小さ
くyが0の場合は分子鎖の長さが短くなって膜厚が薄く
なりすぎ、フッ素を含有した化合物上に付着した潤滑剤
がスライダーに形成された凹凸の表面に残留する官能基
に接近するため、潤滑剤が付着しやすくなる。
【0034】さらに、xが13より大きくyが10より大
きい場合は分子鎖の長さが長くなりすぎ結合が途中で切
れやすくなる。そして、同時に分子同士が絡みやすくな
り膜厚が不均一になりやすく凹凸の凹部が埋まって凹凸
の効果が低減し、凹凸の表面と結合していない化合物が
残留する。
【0035】さらに、フッ素を含有した化合物の分子量
は400〜1000であることが望ましく、フッ素を含
有した化合物の分子量が400よりも小さい場合は、膜
厚が薄くなりすぎ、フッ素を含有した化合物上に付着し
た潤滑剤がスライダに形成された凹凸の表面に残留する
官能基に接近するため、潤滑剤が付着しやすくなる。分
子量が1000よりも大きい場合は、フッ素を含有した
化合物の分子鎖の長さが長くなりすぎるため、結合が途
中で切れやすくなる。そして、同時に分子同士が絡みや
すくなり膜厚が不均一になりやすく凹凸の凹部が埋まっ
て凹凸の効果が低減し、凹凸の表面と結合していない化
合物が残留しやすくなる。
【0036】図8は、スライダの凹凸形成部をブリード
18とレール側面19とした例であり、付着した潤滑剤
がレール17とブリード18との境目にたまりにくく除
去されやすくなる。
【0037】図9は、スライダの凹凸形成部をブリード
18とレール側面19とスライダ側面20とした実施例
であり、付着した潤滑剤がレール17とブリード18と
の境目にたまりにくくなると同時に、スライダの側面部
にもたまりにくくなって除去されやすくなる。
【0038】また、スライダの凹凸の表面に形成された
フッ素を含有した化合物の厚みは、フッ素を含有した化
合物単分子の厚み以上で凹凸の高さの平均値の半分以下
であることが良い。フッ素を含有した化合物の厚みが凹
凸の高さの平均値の半分よりも大きい場合は、凹凸の凹
部が化合物で埋められることとなり、凹凸の効果がなく
なる。
【0039】図10は、磁気ディスク装置稼働中のスラ
イダ3の浮上量fを示し、スライダ3は磁気ディスク1
に対向している。磁気ディスク1の表面には潤滑剤層2
1が形成されている。
【0040】以上説明したようにスライダのブリード
部、レール側面、スライダ側面に凹凸を形成し、その上
にフッ素を含有した化合物を形成すれば、スライダは潤
滑剤に対して濡れにくくなり、浮上量fを低減しても、
飛散した潤滑剤がスライダに付着しない。そのため、ス
ライダと磁気ディスクとの粘着が発生せず、浮上量fは
50nm以下に低減することが可能となり、浮上量fが0n
mのコンタクトレコーディングも可能となる。
【0041】図11はコンタクトレコーディングの場合
のスライダ3と磁気ディスク1との関係を示す図であ
る。磁気ディスク1の表面には潤滑剤層21が形成され
ている。磁気ディスク装置稼働中でスライダ3と磁気デ
ィスク1とは接触している。◆本例によると、浮上量f
が0nm≦f≦50nmを満足した場合、磁気ディスクの単
位インチ当たりの記録密度Gは0.6Gb/in2≦G≦10Gb
/in2を達成できる。
【0042】次に、フッ素を含有した化合物をスライダ
表面に蒸着させる方法を説明する。◆図12は、フッ素
を含有した化合物をスライダ表面に蒸着させるための処
理容器22の断面図である。スライダ3を搭載したサス
ペンション4をワイヤー24で容器22内の空中に吊
し、容器22の底にフッ素を含有した化合物23を入
れ、容器22にふた25をする。この容器22を加熱炉
に入れて加熱する。蒸着を効率よく行うためには、加熱
炉の雰囲気温度は、フッ素を含有した化合物の沸点より
も高くする必要がある。雰囲気温度が高すぎる場合は、
フッ素を含有した化合物が分解し十分な撥油効果が得ら
れなくなるため、雰囲気温度は、フッ素を含有した化合
物の分解温度よりも低いことが好ましい。
【0043】フッ素を含有した化合物にフルオロアルキ
ルシランを使用した場合、雰囲気温度Tは、90℃≦T
≦235℃が良いことを確認した。蒸着方法に関して
は、図12に示した方法に限ることはなく真空蒸着等で
も良い。また、ディッピング後に乾燥する方法でも適当
な条件であれば可能である。
【0044】また、以上の例では、図12で示した蒸着
処理の前にスライダをアルコールまたは溶剤等で洗浄し
てフルオロアルキルシランまたはフルオロアルコキシシ
ランの吸着を阻害する付着物を取り除き、蒸着層の十分
な密着力を得ている。
【0045】さらに、低表面エネルギーの被膜を形成す
るための方法としては、特開昭54−58736号公報
には、金属または金属酸化物の表面をアルカリ処理後、
ペルフルオロアルコキシアルキルシランで処理すること
が記載されている。
【0046】上記のように凹凸とフッ素を含有した化合
物を形成したスライダを搭載した磁気ディスク装置は、
記録容量を増大することができ、ディスクアレイまたは
サーバまたは外部記憶装置またはコンピュータに適用す
れば、大記憶容量化や小型化することができる。
【0047】フッ素を含有した化合物を形成する場合に
おいて、その化合物の形成密度を増加させるためには、
フッ素を含有した化合物を蒸着により形成することが望
ましく、さらに望ましくは蒸着の雰囲気温度が少なくと
もフッ素を含有した化合物の沸点よりも高く、少なくと
もフッ素を含有した化合物の分解温度よりも低いことが
望ましく、さらに望ましくは、蒸着時の雰囲気温度Tが
90℃≦T≦235℃を満足することが望ましい。
【0048】また、フッ素を含有した化合物の形成密度
をさらに増加させるには、形成する前にアルコールまた
は溶剤で洗浄することが望ましく、極微量な油分でさえ
もフッ素を含有した化合物の結合性または結合密度に影
響を及ぼす。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ディスクに設けら
れた潤滑剤が、スライダに付着しにくく、スライダと磁
気ディスクとの粘着を防止し、かつスライダの浮上高さ
を低減し、記録密度を増大した磁気ディスク装置を提供
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態による磁気ディスク装置のカバ
ーを外した状態を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態によるスライダを拡大して示す斜
視図である。
【図3】 スライダを磁気ディスク対向面から見た上面
図である。
【図4】 スライダのブリード面の一部をブリード面に
垂直に切断した断面図である。
【図5】 他の実施の形態によるブリード部に形成され
た凹凸の一部を示す断面図である。
【図6】 さらに他の実施の形態によるブリード部に形
成された凹凸の一部を示す断面図である。
【図7】 さらに他の実施の形態によるブリード部に形
成された凹凸の一部を示す断面図である。
【図8】 他の実施の形態によるスライダを拡大して示
す斜視図である。
【図9】 さらに他の実施の形態によるスライダを拡大
して示す斜視図である。
【図10】 スライダと磁気ディスクとの関係を示す側
面図である。
【図11】 他の実施の形態によるスライダと磁気ディ
スクとの関係を示す側面図である。
【図12】 スライダにフッ素を含有した化合物を蒸着
する状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1…磁気ディスク、3…スライダ、7…レール、8…ブ
リード、10、12、15…フッ素を含有した化合物、
14…機能層、23…フッ素を含有した化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 弘詞 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (72)発明者 米川 直 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (56)参考文献 特開 昭60−52978(JP,A) 特開 昭63−64684(JP,A) 特表 平11−506247(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 21/21 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に潤滑剤層が形成された磁気ディスク
    と、前記磁気ディスクに対してデータの記録再生を行う
    磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載し前記磁気ディス
    クと対向するスライダとを有する磁気ディスク装置にお
    いて、 前記スライダに形成され前記磁気ディスクと対向するレ
    ール面と、前記スライダに前記レール面より段差を持っ
    て凹部として形成され、表面に凹凸が設けられたブリー
    ド面とを備え、 前記ブリード面に、付着した潤滑剤が凸部と接触し、凹
    部に空気だまりができるように、高低差の平均値が10
    ナノメータ以上、800ナノメータ以下で、かつピッチ
    の平均値が10ナノメータ以上、300ナノメータ以下
    の凹凸を形成し、 前記凹凸を形成したブリード面に、膜厚が単分子層厚さ
    以上でかつ前記凹凸の高低差の平均値の半分以下であ
    る、フッ素を含有した化合物の膜を形成したことを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気ディスク装置におい
    て、前記ブリード面に垂直に切断したときに得られる前
    記凹凸を表す断面図形が少なくとも統計的に自己相似性
    を有しフラクタル次元が定義できる状態であり、そのフ
    ラクタル次元が2.2〜2.8の範囲であることを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の磁気ディスク装置におい
    て、前記フッ素を含有した化合物は、分子量が400〜
    1000の範囲であることを特徴とする磁気ディスク装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気
    ディスク装置において、前記スライダは前記磁気ディス
    ク面と前記レール面との距離が50ナノメータ以下で浮
    上することを特徴とする磁気ディスク装置。
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