JP3257382B2 - 半導体レ−ザモジュ−ル - Google Patents

半導体レ−ザモジュ−ル

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JP3257382B2
JP3257382B2 JP33794395A JP33794395A JP3257382B2 JP 3257382 B2 JP3257382 B2 JP 3257382B2 JP 33794395 A JP33794395 A JP 33794395A JP 33794395 A JP33794395 A JP 33794395A JP 3257382 B2 JP3257382 B2 JP 3257382B2
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裕美 中西
均 寺内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光加入者系に幅
広く用いることのできる低コストで高性能の半導体レ−
ザモジュールに関する。
【0002】半導体レ−ザは、音声や、映像、各種のデ
ータ信号を光信号として伝送するための光源となるもの
である。ここでは、光ファイバと一体化されたり、或い
は光コネクタと容易に結合できるように、レセプタクル
などに一体化されたものを半導体レ−ザモジュールと呼
ぶ。本発明は半導体レ−ザと、光ファイバ、光導波路な
ど光学素子を結合したモジュールの改良に関する。光フ
ァイバと半導体レ−ザのモジュールは、光ファイバを用
いた音声、映像、コンピュータのデータなどの通信用光
源、計測用光源などとして用いられる。半導体レ−ザモ
ジュールは、光通信の光源としても利用できるが光通信
システムそのものがなお未成熟である。
【0003】
【従来の技術】図1によって従来例に係る半導体レ−ザ
モジュールの構造を説明する。半導体レ−ザチップ1
は、金属製(例えば鉄、コバール、銅タングステン)の
ヘッダ2に半田材(例えば金錫AuSnや金ゲルマAu
Ge半田)を用いて固定される。さらに金ワイヤなどに
よって、リードピンの頂部とレ−ザの電極が接続(図で
は省略されている)される。リードピン4、5…は外部
の駆動回路などに接続されていて、駆動回路からレ−ザ
に励起電流を流す事ができるようになっている。半導体
レ−ザは駆動電流に応じた光を出す。
【0004】半導体レ−ザの光は温度変化に敏感であ
る。温度が上がると効率が低下し、下がると効率が高揚
する。そこで温度変化依存性を排除するために、常に半
導体レ−ザの平均的な発光出力を検知し、安定化させる
事が必要である。そこで半導体レ−ザ1の背後にモニタ
用のフォトダイオード6を設置する。半導体レ−ザチッ
プ1は背後Rにも光を出すようにできるから、その光の
強度をモニタフォトダイオード6によって監視する。モ
ニタフォトダイオードの光電流を、レ−ザの駆動回路に
フィードバックしレ−ザ光量を安定化させる。こうして
温度変化によらず、平均出力が一定になるようにする。
【0005】レ−ザの前面Fより出射した光は、レンズ
7によって集光され、効率よく光ファイバ8に入射す
る。レンズとしては、球レンズ、非球面レンズ、セルフ
ォックレンズなどが用いられる。レンズ7はホルダ−1
1によって支持される。光ファイバに入った光は、信号
光として光ファイバの中を伝搬してゆく。伝搬した光信
号は、受信側のフォトダイオードによって、電気信号に
変換され、もとの音声や、映像に戻される。
【0006】半導体レ−ザは導波路の両側にあるミラー
が共振器を形成し、ミラーによって多重反射された光が
同じ位相を持つような波長の光を発生する。一旦外部に
出た光の一部がレ−ザに戻ると、これとレ−ザ内部の光
が干渉する。戻り光によってレ−ザの励起状態が影響を
受けると発振状態が不安定になる。戻り光に弱いという
のがレ−ザの弱点である。そこで従来は、光ファイバの
端面10を斜めに研磨している。斜め研磨端面10で反
射された光はレ−ザには戻らない。戻り光の問題は光フ
ァイバを斜めに研磨することによって解決される。しか
し光ファイバが必ず斜め研磨できるとは限らない。図1
は光ファイバとレ−ザを組み合わせたモジュールの理念
形である。実際には様々のバリエーションがある。目的
によっては斜め研磨できないもの、斜め研磨がふさわし
くないものがある。
【0007】半導体レ−ザモジュールには大きく分けて
2種類のものがある。一つは光ファイバを固定したピグ
テイルタイプである。今一つは、光ファイバを着脱でき
るレセプタクルタイプである。それぞれについて説明す
る。
【0008】[1.ピグテイルタイプ半導体レ−ザモジ
ュール]図2によってピグテイルタイプのモジュールの
例を述べる。レンズホルダ−11の前方にさらにフェル
ールホルダ−12が設けられる。フェルールホルダ−1
2は光ファイバの端部を保持するフェルール9を固定す
るものである。フェルールホルダ−12の端部13は、
レンズホルダ−11またはヘッダ2に固定される。光フ
ァイバ8は固定されている。ヘッダ2に対して光ファイ
バ8を着脱できない。光ファイバの端面10は斜めに研
磨されている。傾斜角は4゜〜8゜である。斜面になっ
ているために反射光がレ−ザチップ1に戻らない。これ
は先述の通りである。光ファイバの端面が半導体レ−ザ
に対して完全に固定されているから、斜め研磨端面を利
用する事ができる。戻り光の問題は解決されている。
【0009】ピグテイルタイプのレ−ザモジュールは、
機器に組み込む場合や、他の部品と前もって光ファイバ
によって結合される場合には便利である。光ファイバの
他端は、融着によって、他の機器や、他の部品の光ファ
イバと結合される。このタイプの難点は、光ファイバが
固定され着脱できないということである。光加入者系
や、計測器などに用いる場合は、通常の電気配線と同じ
ように、コンセント式に自由に抜き差しできる事が強く
望まれる。ピグテイルタイプのモジュールはこのような
要望に応える事ができない。
【0010】[2.レセプタクルタイプ半導体レ−ザモ
ジュール]通常の電気系統と同じように、光ファイバを
着脱自在にしたものがレセプタクルタイプである。図3
にレセプタクルタイプの半導体レ−ザモジュールの理念
型を示す。実際にこのようなものが使われている訳では
ない。レ−ザ、光ファイバなど基本構成要素は図1のも
のと共通する。レンズホルダ−11の前方がレセプタク
ル14になっている。これに対して着脱自在のコネクタ
15が設けられ、コネクタ15の中心の穴16にフェル
ール9が固定されている。フェルール9の先端がコネク
タ15の端面より突き出ている。
【0011】レセプタクル14の通し穴18に、光ファ
イバ8を含むフェルール9の先端が抜き差しできるよう
になっている。フェルール9を通し穴18に差し込ん
で、コネクタ15の雌ネジとレセプタクル14の雄ねじ
17を螺合させて、コネクタ15とレセプタクル14を
一体化する。このモジュールは光ファイバを着脱できる
単純な構成になっている。
【0012】光ファイバ8の端面19は軸方向に対して
直角である。斜め研磨されていない。平坦な端面19で
あるために反射光20が半導体レ−ザ1に戻る。先ほど
から述べている戻り光の問題が生ずる。
【0013】レセプタクルタイプの場合、光ファイバ端
面を斜め研磨する事ができない。どうして斜めにできな
いのか?もしも端面が斜めに研磨してあると、たとえ規
格によって寸法を厳密に決めたとしても、光ファイバの
レセプタクルに対する嵌合方向、位置が着脱する度に異
なる。レ−ザの発光強度は軸線に対して回転対称ではな
い。チップの面に対して平行な方向にはビームは余り広
がらない。チップ面に対して直角の方向にビームは大き
く広がっている。
【0014】レ−ザビームが軸線に対して回転対称でな
いので、光ファイバがレセプタクルの通し穴18で回転
すると光ファイバに入射する光の強度が大きく変動す
る。さらにネジの嵌合の度合いによって、光ファイバ端
の軸方向の位置も異なる。それによっても光ファイバに
入射するレ−ザ光の強度が変動する。このように、光フ
ァイバの端面が斜めに研磨されていると着脱の度に光フ
ァイバとレ−ザの結合効率が変化してしまう。これでは
正確な光信号の送受信を行う事ができない。
【0015】このような難点があるので、光ファイバを
着脱するレセプタクルタイプのモジュールは光ファイバ
の端面を平坦にしなけらばならない。平坦にすれば光フ
ァイバ端部が回転しても入射光の強度は一定にする事が
できる。しかしそうすると反射光がレ−ザに戻るという
問題が再び浮上する。戻り光が深刻な問題になるために
図3のような単純なレセプタクル型のモジュールは実際
には未だ利用されていない。
【0016】戻り光によってレ−ザ動作が不安定になる
という事は良く知られている。どのように不安定になる
のか?これを説明する。図4は反射戻り光の影響を示す
グラフである。
【0017】これは端面が平坦な光ファイバを対向させ
半導体レ−ザの光を入射させ、半導体レ−ザの励起電流
drv を上げていった時の光ファイバの他端で測った光
電流Pf(mW)と、光電流の駆動電流による微分dP
f/dIdrv (W/A)(つまり微分量子効率)を示
す。横軸は駆動電流Idrv (mA)である。下方にはP
fを、上方には微分量子効率を示す。
【0018】20mAからレ−ザ発振が始まり、50m
Aで0.5mWの発振出力が得られる。100mAで約
1.2mWの光出力となる。しかし電流に対する光出力
の関係は一様でない。電流が増えても光が増えない部分
もある。電流変化に対して光が大きく増える場合もあ
る。
【0019】そのような状況は微分量子効率を見る事に
よって一層はっきりする。はじめ微分量子効率は0.0
15W/Aである。駆動電流が40mAを越えるころか
ら微分量子効率が周期性の変動を始める。駆動電流が増
大するにつれて、変動の周期は短くなり変動の振幅は大
きくなってゆく。75mA、80mA、85mA、91
mA、96mAにおいて微分量子効率が0或いは負にな
っている。
【0020】反対に、64mA、71mA、76mA、
82mA、88mA、94mA、99mAにおいて微分
量子効率が0.030W/Aになっている。平均の微分
量子効率が0.015W/Aであるから、±100%の
変動である。
【0021】このような効率の変動は温度変化によって
もたらされる。半導体レ−ザを駆動すると高い電流密度
の電流が流れるから熱が発生する。熱によって半導体レ
−ザの活性層の屈折率が増大する。そのため共振器の光
学長が増大する。共振器の光学長が変動すると、レ−ザ
光の波長が変わる。光ファイバ端によって反射された光
がレ−ザに戻るが、これが内部の光と位相が一致すると
相互に強めあう。位相が異なると内部の光を弱めること
になる。
【0022】温度変動によって波長が変化するから、光
ファイバ端面からの反射光と内部共振器での反射光の間
の位相の差Δθが変化する。位相差の変動によって光出
力が変わるので、このようにPfが波を打つようになる
のである。つまり図3のように単純なレセプタクルタイ
プのモジュールは戻り光のために実際には役に立たない
という事である。そこでレセプタクルタイプのモジュー
ルは殆ど例外なく、次に述べるダミー光ファイバ方式を
用いていた。
【0023】[3.ダミーファイバを用いるレセプタク
ル型半導体レ−ザモジュール]図5にダミー光ファイバ
を用いたレセプタクルタイプのモジュールを示す。レセ
プタクル14の前方の穴に短いダミーファイバ23が固
定されている。ダミーファイバ23のレ−ザ側の面24
は斜めに研磨されている。反対側の面25は平坦面とな
っている。
【0024】コネクタ15にはやや丸みを帯びた端面2
6を持つ光ファイバ21、フェルール22が挿入固定さ
れている。コネクタ15はレセプタクル14に対して着
脱自在である。コネクタ15をレセプタクル14に嵌着
すると、光ファイバ端面26が、ダミーファイバ23の
後端面25に密着する。屈折率が同一の材料であるから
ここでの反射は殆どない。
【0025】ダミーファイバの先端が斜め切断面24に
なっているから、端面での反射光27はレ−ザには戻ら
ない。これはダミーファイバによって戻り光の困難を解
決している。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】現在利用されているレ
セプタクルタイプの半導体レ−ザモジュールは例外なく
ダミーファイバ方式を用いている。これはしかしながら
次の難点がある。余分なダミーファイバを使うのでダミ
ーファイバや、これの固定部品が必要となる。さらに組
立工数も増える。部品の加工費も増大する。為にコスト
高となる。
【0027】光加入者系の光通信は、局から各家庭それ
ぞれに光ファイバを敷設し、各家庭に送受信モジュール
を設置する事によって成り立つ。家庭に一つづつ必要な
ものであるから安価なものでなければならない。高額の
装置はとうていあまねく普及しない。ダミーファイバを
備えたモジュールはそれだけ高額の装置になる。光加入
者系システムの普及のためには、できるだけ装置を低コ
ストのものにしなければならない。可能である限り10
円でも1円でもコストを削減する必要がある。
【0028】このような理由でダミーファイバのないレ
セプタクルタイプの半導体レ−ザモジュールの供給が、
光加入者系を現実のものにするためには必須の条件とな
る。要するに、平坦な端面を持つ光ファイバを半導体レ
−ザに対向させて反射光がレ−ザに戻る条件において
も、半導体レ−ザが安定な動作を維持できるようにすれ
ばよい。つまり戻り光のあるレ−ザにおいて温度変動が
あっても、光出力が殆ど変わらないということが目標に
なる。これは難しい問題であって、どうして戻り光が半
導体レ−ザの動作不安定性を引き起こすのか?という問
題を直視する必要がある。従来は端面斜め切断によっ
て、或いは光アイソレータを挿入することによってその
問題を回避していたのである。
【0029】特公平7−87256号は半導体レ−ザと
光ファイバの結合に於いて、周囲温度が変動したとき光
ファイバからの光出力が3dB程度も変動するというこ
とを問題にしている。そして半導体レ−ザの共振器長L
1と、半導体レ−ザ端面と光ファイバ端面の光学距離L
eの関係を適当に定める事によって戻り光の問題を解決
したという。これは、半導体レ−ザ端面と光ファイバ間
光学距離Leを半導体レ−ザの光学的共振器長L1の整
数倍にするからそのような動作不安定性が起こるのであ
って、半整数倍にすればそのような問題から免れる事が
できると主張している。つまり、
【0030】 Le=NL1 (Nは整数) (1) が最悪の条件であり、 Le=(N+0.5)L1 (Nは整数) (2)
【0031】が最良の条件であるとしている。光学距離
というのは屈折率を経路にそって積分したものである。
屈折率が1の空間では、通常の距離に等しい。屈折率の
異なる物質がある場合は、屈折率と厚みの積をたし合わ
せたものが光学的距離である。以下簡単に「距離」と言
うこともある。
【0032】もしも(1)式のようにレ−ザ端面光ファ
イバ端面間距離Leが、内部共振器の整数倍であると、
光ファイバから反射された光と、共振器で反射された光
の位相が揃うから、互いに強めあう関係にある。光ファ
イバの端面とレ−ザの端面からなる平行面をここでは外
部共振器と呼んで、内部共振器と並行に論ずる事にしよ
う。つまり外部共振器の長さLeが、内部共振器長L1
の整数倍であると、両方の共振器が協力して誘導放出を
強めるように働く。
【0033】しかし温度変化によって、僅かにこの関係
からずれた場合、外部共振器によって反射された光が、
レ−ザ内部に戻ると内部光と位相が合わないので、内部
励起を弱めるように作用する。ところが(2)のよう
に、外部共振器長Leを内部共振器長L1の半整数倍と
すると、外部共振器で反射されたものが内部光の励起を
抑制するようになっているから、これから多少条件がず
れても励起光の強度にさほど影響しないというのであ
る。
【0034】半導体レ−ザの共振器長L1が1mm(屈
折率×長さ)のとき、(2)式で決まる点の±0.2m
mの範囲に光ファイバ端を設定すべきであると述べてい
る。つまりNL1と(N+1)L1の中間点(N+0.
5)L1の前後20%の範囲ならば戻り光の影響が最小
になり、出力変動が0.3dB以下になるというのであ
る。つまり 特公平7−87256のよしとする範囲
は、
【0035】 (N+0.3)L1≦Le≦(N+0.7)L1 (3)
【0036】であることになる。これに反して、Leが
L1の整数倍であると出力変動が3dBにも達するとい
う。このような結論は、しかしながら実験に基づいてい
たものではなく、全て計算による推論である。推論が正
しいとする裏付けになるような実験結果を示していな
い。
【0037】本発明はダミーファイバを用いることな
く、平行端面を有する光ファイバを着脱自在としたモジ
ュールを提供する事を目的とする。つまり光ファイバの
端面からの反射光がレ−ザに戻ってもそれが半導体レ−
ザの動作不安定性を引き起こさないようにした光送受信
モジュールを提供する事が本発明の目的である。その点
で前記の特公平7−87256号と共通する。しかし解
決の手段は相違する。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体レ−ザ
端面と反射体との距離として定義される外部共振器長L
aが、半導体レ−ザの光路の実効的な長さ(屈折率×長
さ)Lcの整数倍から整数倍+(1/6)の範囲、ある
いは整数倍+(5/6)から次の整数倍迄とする。つま
りNを整数とし、
【0039】 NLc<La≦{N+(1/6)}Lc (4) 或いは、 {N+(5/6)}Lc≦La<(N+1)Lc (5)
【0040】とするのである。このようにすることによ
って、戻り光があっても半導体レ−ザの動作が不安定に
ならないようにする事ができる。ダミーファイバなどの
部品を追加することなく、平坦面を持つ光ファイバが着
脱可能な光送受信モジュールを提供することができる。
【0041】この式の意味の概略を説明する。半導体レ
−ザ端面から反射体までの距離、つまり外部共振器長L
aは、先述のLeと同じものである。これを図3によっ
て定義する。外部共振器長Laは、レ−ザ端からレンズ
の背面までの距離L1 と、レンズ背面から中心までの距
離L2 と、レンズ中心からレンズ前面迄の距離L3 と、
レンズの前面から光ファイバ端部までの距離L4 の和で
ある。
【0042】 La=L1 +L2 +L3 +L4 (6)
【0043】L1 とL4 は空気中であるから空間的な長
さそのものである。L2 +L3 はレンズの屈折率とレン
ズの厚みの積である。
【0044】(1/6)の6は、半導体レ−ザの発振の
モードの数からきている。通常用いられる半導体レ−ザ
は多モードである。複数の縦モードを持っている光源で
ある。つまり厳密に単色ではない。レ−ザ媒質が電流注
入によって発生し得る光の波長帯Wは有限の広がりを持
つ。かなり広い波長体の光を自然放出することができ
る。しかし内部共振器の長さLcの2倍、2Lcが光の
波長の整数倍であるという条件から、誘導放出される光
の波長は限定される。発光波長体Wの中にいくつかの誘
導放出可能な波長が含まれる。これらの波長を縦モード
という。しかし誘導放出可能な波長の数はそれほど多く
ない。
【0045】図6は多モード半導体レ−ザの発光波長、
強度特性の一例を示すグラフである。これは1.3μm
帯の半導体レ−ザである。横軸はレ−ザ光の波長、縦軸
はレ−ザ光の強度である。ピーク強度を与えるものがモ
ードである。縦モードは数多くある。ここではλm を中
心にしてモードにλm-4 〜λm+4 の符号を振っている。
ピークの内でも最大の強度を与えるのは、λm+1 である
が、これから−10dBで線を引くと、−10dB迄に
含まれる縦モードはλm-3 〜λm+2 である。縦モードは
無数にあるが、その内強度の大きいものはせいぜい6〜
7モードしかない。その他の波長の光は弱くて殆ど考慮
する必要がない。
【0046】すると7本の縦モードだけ、つまり波長の
異なる7つの光だけを対象にすればよいことになる。内
部共振器長Lcは、全ての誘導放出波長の公倍数であ
る。波長は整数でないが、これらの整数倍のものを倍数
といい、ある数が二つ以上の数の倍数である場合公倍数
ということにする。今問題にしている有力な7つの波長
についてもLcは公倍数である。するとNLcは、7つ
の波長の公倍数である。(N+1)Lcも7つの波長の
公倍数である。NLc〜(N+1)Lcにはそれ以外に
7つの波長の公倍数は存在しない。
【0047】もしもLaをNLcや(N+1)Lcにす
ると7つの波長の光全てが内外共振器の作用によって強
め合う。これを全面共振と呼ぼう。温度変動があり少し
条件が外れると、7つの波長全てが共振しなくなり(非
共振)光量の減少が著しい。つまり全面共振から非共振
へ変化する。これが戻り光による不安定性の本質であ
る。
【0048】しかしNLc〜(N+1)Lcの範囲に、
7つの波長の倍数に当たる長さは数多く含まれる。7つ
の波長のいくつかの組についての公倍数もその範囲にい
くつか含まれる。外部共振器長Laを何れかの波長の倍
数或いは、いくつかの組の公倍数に等しくすると、それ
らの波長の光は戻り光によっては強められる。これを部
分的共振と呼ぼう。一つの波長の倍数である場合を1重
共振、公倍数である場合は多重共振が起きる。両方含め
て部分共振と呼ぼう。全ての波長が共振する場合が全面
共振である。
【0049】初め部分共振条件に設定すると、温度変動
によってLaがその条件から外れる。ために光強度が減
少する。つまり部分的共振と非共振の間を変化するから
光量不安定になる。NLcから(1/6)Lcの間に
は、一つの波長について倍数が存在する。つまり1重共
振が一つだけ存在する。長さLcの区間を6つに分割し
た場合、部分共振点の分布が最も少ない区間である。そ
こで本発明はこの部分をLaの距離として好ましいもの
として選択する。
【0050】同じ事は、(N+1)Lcの前(1/6)
Lcの範囲{(N+(5/6))Lc〜(N+1)L
c}についても言える。この範囲では一つの波長の倍数
が一つ存在するだけである。1重部分共振が起こるだけ
である。部分共振点の密度が低い。本発明はそこでこの
部分をもLaの距離として選択する。
【0051】そこで本発明は、これら1回部分共振の範
囲(NLc〜NLc+(1/6)Lc、(N+(5/
6))Lc〜(N+1)Lc)に外部共振器長Laを設
定するのである。これは長さLcの区間の1/3の部分
区間を選択するということである。
【0052】さらに進んで、NLcから(1/7)Lc
の間には、どの波長についても倍数が存在しない。つま
り部分共振点が一つもない。長さLcの区間を7つに分
割した場合、部分共振点の分布がもっとも少ない区間で
ある。そこで本発明はこの部分をLaの距離としてさら
に好ましいものとして選択する。
【0053】同じ事は、(N+1)Lcの前(1/7)
Lcの範囲{(N+(6/7))Lc〜(N+1)L
c}についても言える。この範囲でも部分共振点がな
い。本発明はそこでこの部分をさらに好ましいLaの距
離として選択する。そこで本発明は、より優れた範囲と
してこれら完全非共振の範囲(NLc〜NLc+(1/
7)Lc、(N+(6/7))Lc〜(N+1)Lc)
に外部共振器長Laを設定するのである。この条件は次
のように表現する事ができる。
【0054】 NLc<La≦{N+(1/7)}Lc (7) {N+(6/7)}Lc≦La<(N+1)Lc (8)
【0055】LaはLcの整数倍NLc、(N+1)L
cであってはならないから、これらとの関係を示す不等
号は等号を含まない。LaがNLcにいくら近くても良
いがNLcであってはいけない。部品の製造誤差、組立
誤差が十分に小さければLaとNLcの差は、無限小で
あって良い。
【0056】しかしながら、実際には部品には寸法誤差
があるし、組立の公差も考慮して設計しなければならな
い。現在の技術によれば、これらの光学部品を組み合わ
せた場合、全体の誤差を±20μmに抑える事が可能で
である。将来的には全体の寸法公差をさらに減らすこと
ができるであろう。もしも寸法公差を±20μmとする
と、設計の際、NLcや(N+1)Lcから、20μm
以上離さなければならない。すると前述の式は、
【0057】 NLc+20μm≦La≦{N+(1/6)}Lc (9) 或いは、 {N+(5/6)}Lc≦La≦(N+1)Lc−20μm (10)
【0058】と書ける。20μmの寸法公差を含めてい
るから、不等号が、等号入りの不等号になる。さらによ
り望ましい範囲は、(8)、(9)に対応して、
【0059】 NLc+20μm≦La≦{N+(1/7)}Lc (11) {N+(6/7)}Lc≦La≦(N+1)Lc−20μm (12) と表現できる。
【0060】例えばレ−ザのキャビティ長を300μ
m、屈折率を3.73とすると、光学的共振器長は11
19μmとなる。これの1/6は186.5μmであ
る。これが好ましい範囲である。これから20μmを除
いても、160μmの良好な範囲が残る。十分に設計、
製作可能な幅をもつ。
【0061】Lcが8400μmより短いと、(9)、
(10)によって決まる範囲の方が(7)、(8)の範
囲よりも狭いことになる。従ってLc≦8400μmで
あれば(9)、(10)の範囲では部分共振点が一つも
ないことになる。
【0062】
【発明の実施の形態】本発明の思想に基づく戻り光の影
響の低減方法についてさらに具体的に説明する。レ−ザ
チップの長さをL0 とし、発光波長に対する等価屈折率
をn0 とする。チップの共振器長Lcは、Lc=n0
0 である。InGaAsP系の1.3μm光レ−ザを例
に取ると、L0 =300μm、n0 =3.73である。
内部共振器長は、Lc=1.119mmとなる。
【0063】外部共振器長Laは図3の配置では、La
=L1 +n1 D+L4 によって計算される。n1 はレン
ズの屈折率である。La/Lcの倍率Nを様々に変え
て、レ−ザ発振のパワーと、微分量子効率を測定した。
【0064】[(a)LaがLcの整数倍の場合(図
7)]LaをLcの5倍とした。La=5Lc=5.5
95mm。このモジュールに於いて、半導体レ−ザの励
起電流を0mAから100mAまで変化させて、半導体
レ−ザを発光させ、その強度を調べた。図7にその結果
を示す。20mAから発光を始める。それ以後100m
Aまで駆動電流にほぼ比例して光出力Pf(mW)が増
大する。発光強度の増大と共にチップの温度が上昇す
る。それと共に内部共振器長が少しづつ増大する。光出
力を電流によって微分した微分量子効率は大きく変動す
る。平均値が約0.016W/Aであるが、この上下に
大きい振幅で振動する。変動幅は駆動電流に比例して増
加する。電流が50mAの時に、微分量子効率の変動は
±70%にも達する。
【0065】駆動電流が70mA〜80mAになると変
動幅は±100%になる。駆動電流が100mAでは、
変動の範囲は平均値の上下±150%にもなる。93m
A、97mAにおいては微分量子効率がマイナスになる
時もある。このように電流と光出力の関係が、線形から
大きくはずれると電流によって変調した光信号が正確に
電気信号の大きさに対応しなくなる。つまり光通信の信
号としては不適当である。
【0066】通常微分量子効率は平均値±50%以下で
ある事が望ましいとされる。LaがLcの整数倍とした
図7の結果はその要求を満足することができない。これ
は僅かな温度の変動によって、全ての縦モードが内外の
共振器において強め合う状態から全く強め合わない状態
へ変化するからである。為に電流に帯する光出力の変動
が大きいのである。
【0067】[(b)LaがLcの半整数倍の場合(図
8)]LaをLcの5.5倍とした。La=5.5Lc
=6.1545mmである。半導体レ−ザの励起電流を
0mAから100mAまで変化させて、半導体レ−ザを
発光させ、その強度を調べた。結果を図8に示す。20
mAから発光を始め、以後100mAまで駆動電流にほ
ぼ比例して光出力Pf(mW)が増大する。微分量子効
率は大きく変動する。平均値が約0.016W/Aであ
るが、此の上下に大きい振幅で振動する。変動幅は駆動
電流に比例して増加する。電流が50mAの時に、微分
量子効率の変動は±40%にも達する。
【0068】駆動電流が80mA〜90mAになると変
動幅は±100%になる。駆動電流が81mA、86m
Aでは、微分量子効率がマイナスになる。望ましいとさ
れる±50%の基準を満たすことができない。La/L
cの比を半整数にするのは、前記の特開平3−1808
5号が推奨するものである。しかし半整数の比は最良の
ものでなく、基準を満足できない。比が半整数である
と、7つの縦モードの内、4つが外部共振器によって共
振する。温度変動によってこの比から僅かに外れるだけ
で、完全に非共振になってしまう。このように共振、非
共振の交代が起こるので光出力の変動が大きくなるので
ある。
【0069】[(c)LaがLcの{整数+(5/
6)}倍の場合(図9)]LaをLcの(5+(5/
6))倍とした。La=6.527mmである。半導体
レ−ザの励起電流を0mAから100mAまで変化させ
て、半導体レ−ザを発光させ、その強度を調べた。結果
を図9に示す。20mAから発光を始め、以後100m
Aまで駆動電流にほぼ比例して光出力Pf(mW)が増
大する。微分量子効率はあまり変化しない。駆動電流が
50mAで平均値の±20%の程度である。駆動電流が
100mAの時ですら、微分量子効率が±30%であ
る。此の実施例は先述の±50%以下という基準を満足
している。
【0070】微分量子効率の変動が極めて小さく、電流
と光出力の線形性が優れている。図7の整数倍の場合に
比較してその卓越性が良く分かる。図8の半整数倍の場
合に比べても変動幅の小ささが明瞭に分かる。この結果
は先程説明した特開平3−18085号と矛盾する。
【0071】[(d)LaがLcの{整数+(1/
6)}倍の場合(図10)]LaをLcの(5+1+
(1/6))倍とした。La=6.900mmである。
半導体レ−ザの励起電流を0mAから100mAまで変
化させて、半導体レ−ザを発光させ、その強度を調べ
た。結果を図10に示す。20mAから発光を始め、以
後100mAまで駆動電流に比例して光出力Pf(m
W)が増大する。微分量子効率はあまり変化しない。駆
動電流が50mAで平均値の±20%の程度である。駆
動電流が100mAの時でも、微分量子効率が±36%
である。此の実施例も先述の±50%以下という基準を
満足している。これも微分量子効率の変動が極めて小さ
く、電流と光出力の線形性が優れている。
【0072】以上の結果から、LaとLcの比が、半整
数倍であることが、半導体レ−ザモジュールに最上の線
形性を与えるものではないことがわかる。そして、整数
倍を除き、整数倍の前後±1/6の範囲にある時に微分
量子効率の変動が最も小さくなるという全く意外な結果
が得られた。どうして、整数倍の±(1/6)の近傍が
このように優れた線形性を与えるのか?何故整数倍の±
(1/6)の範囲が、戻り光の影響を小さくできるのか
?これが謎として新たに現れる。
【0073】本発明者は物理的に考察し、次のように此
の現象を解釈した。図11はレ−ザの内部共振器におい
て定在波ができている状態を示す。ミラー1、ミラー2
とあるのは、半導体レ−ザの両端面のミラーを表す。縦
モードはこの間に定在波を作ることができ、しかもレ−
ザ媒質によって発光する波長領域にあることが条件にな
る。内部共振器の実効長さLcを整数で割った値が定在
波の半波長であり得る。つまりλ=2Lc/m(mは整
数)である。図6に示したように、半導体レ−ザの媒質
が発生し得る波長にはかなりの広がりがあり、6〜7つ
の波長が存在し得る。
【0074】数字を挙げて具体的に述べよう。半導体レ
−ザの共振器の長さを300μmとし1.3μmに対す
る屈折率をn=3.73とする。Lc=1119μmと
なる。本発明はこの場合、図12に示すようにNLcの
前後186.5μmの範囲に外部共振器をおくというこ
とである。半導体レーザの発光スペクトルは幅を持つガ
ウシアンに少し似ているが前後非対称であり、厳密にガ
ウシアンではない。励起可能な波長は1310μm〜1
317μmと仮定する。するとm=1700に対してλ
=1316.5nm、m=1701に対してλ=131
5.7nm、m=1702に対してλ=1314.9n
m、m=1703に対してλ=1314.2、m=17
04に対してλ=1313.4nm、m=1705に対
してλ=1312.6nm、m=1706の対してλ=
1311.8nmとなる。
【0075】半導体レ−ザの光の中にこのような7つの
波長の有力な光が含まれるとする。図6に示したよう
に、勿論もっと多くの縦モードが含まれるが強度の大き
いものはこの7つであるとする。最高の強度をもつ縦モ
ードから10dBの範囲では、7つのモードしかない。
【0076】
【表1】
【0077】表1にこれらのモードの除数m、波長と、
外部共振器長Laを内部共振器長Lcで割った値が、N
+(1/2)、N+(5/6)、N+(6/7)、N+
1、N+1+(1/7)、N+1+(1/6)、N+1
+(1/2)の場合にこれらの波長の光が、外部共振器
長の長さの約数になるかどうかを表す。端数をβによっ
て代表させると、
【0078】 La=(N+β)Lc=(N+β)mλ/2 (13) となる。これを二つに分けて、外部共振器の往復の実効
長さ2Laは、 2La=Nmλ+βmλ (14)
【0079】となる。外部共振器を往復して帰ってきた
光の位相はこれをλで割って2πを掛けたものである。
2πは1周期を表すものであるから、簡単のためにこれ
を省き、外部共振器にいくつの波長が含まれるかという
ことを求めると、
【0080】2La/λ=Nm+βm (15)
【0081】となる。Nmは整数である。βmが端数を
含む。内部共振器に存在する定在波との位相の差はβm
の端数に2πを乗じたものである。つまり内外の共振器
における位相の差Δθは
【0082】Δθ=2π[βm] (16)
【0083】によって簡単に表すことができる。但し
[Z]は、Zの端数部分ということである。βは勿論1
以下の正数である。βが有理数であると仮定すると、こ
れは
【0084】 β=p/q (但しp<q) (17) と表現できる。pとqはいずれも自然数である。これを
(16)に代入すると Δθ=2π[pm/q] (18)
【0085】となる。位相差Δθが0になるのは、自然
数qが自然数mの約数であるときのみである。反対にq
の倍数であるmのみが位相差Δθを0にすることができ
る。
【0086】説明を円滑にするために、これらのモード
に順にA〜Gの名前を付けよう。m=1700の光を
A、1701の光をB、1702の光をC、1703の
光をD、1704の光をE、1705の光をF、170
6の光をGとする。
【0087】La/LcがN、N+1の場合はA〜Gの
7つの全モードが外部共振器長の約数になる。A〜G全
てのモードが外部共振器で反射された戻ってきたとして
レ−ザ内部の同じモードの光と位相が同じになり共振す
る。外部ミラーによって反射された光が内部で共振する
場合を○によって示す。つまり○によって示されるモー
ドは、内外で共振する事を意味する。
【0088】La/Lc=N±1/2の場合はmが偶数
である場合、波長λが外部共振器で反射されたものが、
レ−ザの内部のものと位相がそろう。つまりA、C、
E、Gの偶数モード4つが内外共振器によって強め合
う。奇数モードB、D、Fのみが半波長違うので内外共
振器で打ち消しあう。
【0089】La/Lc=N+(5/6)の場合は、波
長が外部共振器の約数になるのはE(1704)のみで
ある。mが6の倍数であるのは、m=1704だけだか
らである。これは外部共振器で反射されて帰ってきたも
のが内部の同じモードの光を強める。その他の6つのモ
ードA、B、C、D、F、G全ては内外の位相差が0で
なく、外部共振器で反射されたものとレ−ザ内部の光が
打ち消しあう。このような関係はβの分母によって決ま
る。これは(15)から明白である。
【0090】La/Lc=N+(1/6)の場合も同様
である。モードEだけが共振条件を満たす。La/Lc
=N+(1/7)、(6/7)の場合は、モードB(m
=1701)だけが内の共振条件を満たす。1701の
みが7の倍数であるからである。
【0091】外部ミラーによって反射されてきた光が、
内部の共振器に励起されている光と位相が合致するモー
ドの数は、β=0で7つ、β=1/2で4つ、β=1/
6、5/6で1つ、β=1/7、6/7で一つである。
【0092】表1の下欄に位相整合数として記してあ
る。La/Lcの比に関し、これら位相整合数が1〜7
であるものは全て孤立点である。その点を少しでも離れ
ると外部光と内部光の位相が合わなくなる。つまり打ち
消しあう。非共振である。位相整合数が1〜7のものに
La/Lcを設定しておくと、温度変動によって比の値
がずれるので、整合数が0に代わり光出力が変動するこ
とになる。
【0093】温度変化によるLa/Lcの比が変動する
ことによって、位相整合数が1〜7(部分共振)から、
位相整合数が0(非共振)に遷移するのがいけないので
ある。この遷移によってレ−ザのパワーが変動してしま
う。この遷移は共振/非共振の遷移ということもでき
る。
【0094】部分共振の起こる点はLa/Lc=N+β
(0<β<1)のβを変数として考えると、β=p/q
という有理数によって表現される点である。しかもqは
7以下の自然数である。7つのモードを考えており、そ
のモードは連続する7つのmをもつ。7つの連続する自
然数は、必ずその中に7の倍数、6の倍数、5の倍数、
4の倍数を一つ含む。7つの連続する自然数はその中に
3の倍数を必ず2つ含む。7つの連続する自然数はその
中に2の倍数を3個、あるいは4個含む。であるから、
β=p/q(qは2〜7の自然数、pは1〜6の自然
数)である点のみで部分共振が起こる。その他の点では
非共振である。温度変動があって非共振状態のままであ
るように設定できればパワー変動が僅かになる。
【0095】温度変動によってβが変化するのである
が、その変域に部分共振点を含まないようにすることに
よって、レ−ザパワーの揺らぎを小さくできるというこ
とになる。つまり部分共振点をできるだけ避けたところ
にβの値を設定すれば良いということである。qは7以
下の自然数(2、3、…、7)であり、p/qは1より
小さい(1≦p≦q−1)のであるから、部分共振点の
数はNからN+1の間に、
【0096】 1+2+3+…+6=21 (19)
【0097】21個存在するわけである。ところが6は
2と3の公約数であり4は2の倍数であるために、21
個の部分共振点の幾つかが重なる。
【0098】 2/6=1/3、3/6=2/4=1/2、4/6=2/3 (20)
【0099】結局独立の部分共振点は17個ある。これ
を全て書き下すのは簡単である。1/7、1/6、1/
5、1/4、2/7、1/3(2)、2/5、3/7、
1/2(3)、4/7、3/5、2/3(2)、5/
7、3/4、4/5、5/6、6/7
【0100】の17個である。(2)というのは2重
項、(3)3重項である。部分共振点の密度が最も濃密
であるのは、β=0.5の近くである。これから離れる
に従って部分共振点密度が低下して行く。β=0.5の
近傍の3/7≦β<4/7の1/7の狭い範囲に、部分
共振点がなんと4個もある。しかしβが、0<β≦1/
7又は6/7≦β<1の境界の近傍では部分共振点が一
つしかない。0<β<1/7には部分共振点がひとつも
ない。であるから最も良いのは、
【0101】 0<β≦1/7、 6/7≦β<1 (21)
【0102】の間に、[La/Lc]=[N+β]=β
を設定することである。この範囲において部分共振点は
一つしかない。式(21)の表現は、先述の(7)、
(8)の表現と等価である。次に良いのは、
【0103】 0<β≦1/6、5/6≦β<1 (22)
【0104】である。この範囲において、部分共振点は
2つしかない。(22)は先述の(4)、(5)の表現
と等価である。本発明はこの範囲をLaの位置設定の範
囲として選択する。
【0105】[特公平7−87256の疑問] 本発明
は、Lcの整数倍の前の1/6と、後の1/6の範囲
(全体の33%)を、Laの好ましい範囲として採用す
る。前述の特公平7−87256号は、反対に半整数倍
の前後1/5の範囲(全体の40%)をLaの好ましい
範囲として採用しようと言っていた。両者は全く相反す
る。重なるところはない。同じ目的を追求しながらどう
してこのような事があるのか?不思議な事である。本発
明は実験に基づいている。特公平7−87256は単に
推論である。本発明の確実さはこれが実験の結果によっ
ているということにより保証される。
【0106】特公平7−87256は半導体レ−ザの前
面等価反射率Reというものを考える。そして、半導体
レ−ザの後ろ方向の出射パワーに対して、前方向の出射
パワーを計算する。これは前面等価反射率の逆数の平方
根に比例するとしている。だから前面等価反射率が小さ
くなれば前面出射パワーが増加する。全面等価反射率が
大きくなれば全面出射パワ−が減少する。そして256
号の発明者は、前面等価反射率Reとして、
【0107】 Re=(R2 +Rr +2R2 1/2r 1/2cos2kLe)/(1+R2r +2R 2 1/2r 1/2cos2kLe) (23)
【0108】を与えている。R2 はレ−ザ共振器の前面
の反射率、Rr は光ファイバ端の反射率である。後面に
出るパワ−Poと前面に出るレ−ザパワ−Prの比は、
【0109】 Po/Pr=R1 1/2(1−R1-1(ΣIi)-1{ΣIi(1−Rei)Rei -1/2 } (24)
【0110】によって与えられるとする。R1は共振器
の前端の反射率である。これは変数Leを含む。Leを
共振器長Lcによって割った値を規格化距離とし、これ
が整数Nから一つ大きい整数N+1までの値を取るとき
の上記の比の値を数値計算している。そして規格化距離
が整数値N、N+1に近いときに振動が激しく振幅が大
きいといいうこと、N+0.5の近くでは変動が少ない
ことを発見している。
【0111】これは本発明と正反対の結論である。この
食い違いがどうして発生するのか?原因は幾つか考えら
れる。発振スペクトルの分布をガウシアンとしている
が、これは必ずしも正しくない。分布は時々刻々変動す
るものである。静的なものではない。9つのスペクトル
を仮定しているがこれも必ずしも正しくない。実際には
その内の2本あるいは3本のみが発振しているのであ
る。時間的に発振する波長が9本のスペクトルの間で交
代するのである。だから反射率が変化すると発振線自体
が変化する。
【0112】本発明は思弁的なものではない。実験に基
づくものである。実験によって得られた結果を、本発明
者は独自の整数論的な考察によって説明している。それ
は特公平7−87256とは全く違う観点に立ってい
る。前面反射率のように静的な概念によっては半導体レ
−ザの動的な特性を理解することは難しい。これは9つ
のモ−ドに重みIiを付けて平均している。しかし実際
には、ある外部共振器長が変化してゆくと、9つの内最
も条件に合致した何本かのスペクトルが強く発振してい
るのである。平均値で光っているのではない。外部共振
器長が変化すると重みIi自体が変動してしまうのであ
る。
【0113】外部共振器から反射して返ってきてこれが
内部共振器で反射されるものと位相が合致すると、エネ
ルギ−の点で僅かに優越する。これが他のモ−ドのエネ
ルギ−を吸い取って強いの実在モ−ドになるのかもしれ
ない。このようにモ−ドの変化が起こってゆくというこ
とを定性的に論じた物が前記の理由付けである。前面等
価反射率という概念よりもダイナミックに半導体レ−ザ
の動作を巧く説明できると考える。
【0114】
【実施例】
[実施例.1] 図13によって本発明の第1の実施
例を説明する。レ−ザチップ1が、ヘッダ(パッケー
ジ)2のポール3の側面に固定される。半導体レ−ザチ
ップはInGaAsPを活性層に用いた1.3μm光用
ファブリペロレ−ザである。チップのキャビティ長は標
準の300μmである。チップをまずAuGe半田によ
って、AlN製のサブマウントに固定し、さらにサブマ
ウントをAuSnによって鉄製のヘッダに取り付けられ
る。
【0115】このヘッダ2は適数のリードピン4、5…
を有する。パッケージ2には予め、モニタ用のフォトダ
イオード6が中央部に固定されている。このフォトダイ
オードはInGaAsを受光層とするPINフォトダイ
オードである。これは半導体レ−ザ1の後方に出てくる
光出力を監視するものである。
【0116】図示していないが、半導体レ−ザチップ
1、受光素子チップ6の電極は、直径30μmのAu線
によってパッケージ2のピン4、5、…に接続される。
次に集光系としてレンズホルダ−11と球レンズ7が一
体となった球レンズキャップを、プロジェクション溶接
によってパッケージ2の端面に溶接した。内部は不活性
ガスによって置換されている。
【0117】レンズホルダ−11のさらに外側に、円筒
形のレセプタクル14がヘッダ2に対して溶接される。
これは調芯した後に溶接される。レセプタクル14の他
端は開口28になっている。開口28の内側面にはスト
ッパ29が固着される。一方光ファイバ30は端部が平
坦に研磨されている。終端部がフェルール31によって
把持され、フェルール31がコネクタ32によって保持
される。コネクタ32の雌ネジと、レセプタクル14の
雄ネジが螺子部33において螺合するようになってい
る。フェルール31の先端は、レセプタクルの開口28
に挿入離脱することができる。
【0118】フェルール31を開口28に差し込むと先
端がストッパ29に当たって止まる。これによって軸方
向の位置が決まる。コネクタ32を廻しネジによって、
コネクタ32をレセプタクル14に固定する。光ファイ
バの端部が平坦であるから、光ファイバが開口28で回
転しても半導体レ−ザからの入射光量には変化がない。
この点で斜め研磨光ファイバと異なる。
【0119】球レンズ7は、直径が1.5mm、屈折率
は1.5であった。つまりL2 =L3 =1125μmで
ある。光ファイバの端面とレ−ザの端面の距離Laは、
内部共振器長Lcの{N+(6/7)}倍の位置に設定
した。ここでN=5、β=6/7とした。内部共振器長
Lc=1119μmであるから、La=(41/7)L
c=6554μmとなる。L1 とL2 が未知数である。
これだけでは値が決まらない。しかし半導体レ−ザから
の発散角に対して、光ファイバの入射角の比を決める
と、半導体レ−ザとレンズ中心の距離(L1 +L2
n)と、レンズ中心と光ファイバ端面の距離(L3 /n
+L4 )の比が決まる。これは大体1:3〜1:4の程
度に決める事が多い。ここでは4倍にしている。すると
1 とL4 が決定される。
【0120】L1 =411μm、L4 =3893μmと
なる。軸方向の距離パラメータが計算によって決まる。
軸垂直方向には、軸合わせをする。半導体レ−ザを発光
させた状態で、光ファイバの他端での光の強度をパワー
メータによって監視しレセプタクルをヘッダに対して相
対移動させ、光量が最大になる点を求め、そこでレセプ
タクルをヘッダに対してYAGレ−ザによって溶接し固
定する。
【0121】このモジュールについて半導体レ−ザの駆
動電流を変えながら光出力Pf(mW)を測定した図1
4にその結果を示す。20mAから100mAまでほぼ
正比例した光出力が得られる。微分量子効率(W/A)
は0.010W/A〜0.020W/Aの間にある。平
均値0.016W/Aからのズレは±35%の範囲に入
る。これは駆動電流が100mAの近傍での揺らぎであ
る。駆動電流は50mAの程度で使用する事が多い。5
0mAの駆動電流に対しては微分量子効率の最大の揺ら
ぎは±20%以下である。
【0122】一般に半導体レ−ザモジュールの微分量子
効率の揺らぎは平均値から±50%以下である事が要求
される。本発明はその要求を十分に満足することができ
る。本発明の優れた効果が明瞭に分かる。
【0123】[実施例.2] 図15に他の実施例に
よる半導体レ−ザモジュールを示す。パッケージ35の
中心部にモニタ用のフォトダイオードチップ36が傾い
て設けられる。ポール37の側面には、サブマウント3
8、レ−ザチップ39が固定される。球レンズ40を接
着剤41によって取り付けたキャップ42がパッケージ
35に溶接される。パッケージ35には、リードピン4
3、44、45が設けられる。開口47を有する円筒形
のスリーブ46がパッケージ35の面に溶接される。レ
セプタクル49がフェルールホルダ−50を介して、フ
ェルール51を保持する。フェルール51は光ファイバ
52の先端を把持している。光ファイバの先端53は軸
方向に対して垂直な平坦面となっている。スリ−ブとレ
セプタクルを軸垂直方向に位置合わせしてYAG溶接す
る。
【0124】この例において、球レンズは直径が1.5
mm、屈折率が1.5である。つまりL2 =L3 =11
25μmである。レ−ザ端面と光ファイバの光学距離L
aは、La=(4+7/8)Lcによって決めた。つま
りN=4、β=7/8の例である。残りのパラメ−タ
は、拡大率を1.5倍として、L1 =1120μm、L
4 =2085μmとした。完成したモジュールの特性を
評価した。図14に示したものとほぼ同様の安定したレ
−ザ出力を実現できた。
【0125】
【発明の効果】本発明は、半導体レ−ザの端面と光ファ
イバの距離Laが、内部共振器長Lcの整数倍を避け、
整数倍から前後(1/6)Lcの範囲に入るように設定
しているので、反射光が半導体レ−ザに戻っても位相
が、内部共振器によって決まる光の位相と合致しない。
ために温度変化による半導体レ−ザの出力変動が小さく
なる。微分量子効率の変動も所望の範囲に入っている。
つまり平坦な光ファイバを半導体レ−ザに対向させても
戻り光により半導体レ−ザの動作が不安定にならない。
【0126】ダミーファイバを使わず、直接に平坦面を
持つ光ファイバ端をモジュールに着脱する事ができる。
図5に示す従来のモジュールに比較してダミーファイバ
を省く事ができる。部品点数を減らし、組立工数を減少
させる事ができる。モジュールをより安価に製造できる
から、光加入者系の加入者側のモジュールとして広く採
用できる。これによって光加入者系の普及がより一層促
進されよう。
【0127】尚、球レンズを用いた実施例を説明した
が、これは結合効率を高めるための工夫にすぎない。本
発明は勿論レンズを含まないモジュールにも同様に適用
する事ができる。結合効率が低くても差し支えない低パ
ワーの半導体レ−ザモジュールの場合はレンズは不要で
ある。この場合も本発明の外部共振器長Laの設定は有
効である。この場合(n=1)Laは、単に半導体レ−
ザと光ファイバの空間的な距離に等しい。
【0128】反対に、より高い結合効率が要求される場
合は、収差の小さい非球面レンズを使う事が望ましい。
この場合、L2 +L3 はレンズの屈折率nと厚みDの積
nDによって与えられる。球レンズは安価であるが収差
が大きく、レ−ザ光を狭く絞りきれない。
【0129】また光ファイバと半導体レ−ザの結合につ
いて説明したが、光ファイバに限らず、どのような受光
体についても、端面位置の設定に関して本発明を適用で
きる。例えば光導波路にレ−ザ光を導入する場合、光導
波路の端面がレ−ザビームに対して垂直であれば反射光
がレ−ザに戻る。その場合においても本発明を適用する
ことによって、レ−ザ出力を安定化させることができ
る。
【0130】さらに光通信に限らず、光ファイバを使う
測定器において、半導体レ−ザの戻り光を防ぐためにア
イソレータを挿入したものがあるが、本発明によってそ
のような高額な部品を省く事もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜め研磨光ファイバとレ−ザを含む半導体レ−
ザモジュールの原理的構成図。
【図2】斜め研磨光ファイバを含む従来例に係るピグテ
イル型の半導体レ−ザモジュールの構成を示す縦断面
図。
【図3】本発明が目標にする着脱可能平坦研磨光ファイ
バを含むレセプタクル型半導体レ−ザモジュールの縦断
面図。
【図4】図3の平坦研磨光ファイバを含むレセプタクル
型半導体レ−ザモジュールにおいて、駆動電流Idrv
(mA)を増加させた時の、レ−ザの発光量Pf(m
W)と、微分量子効率dPf/dIdrv (W/A)の測
定結果を示すグラフ。
【図5】従来例に係るダミーファイバを用いるレセプタ
クル型半導体レ−ザモジュールの縦断面図。
【図6】1.3μm帯多モードレ−ザの発光スペクトル
を示すグラフ。横軸は発光波長(μm)、縦軸は対数表
示した発光強度。
【図7】半導体レ−ザの端面と光ファイバの光学距離L
aが、半導体レ−ザの光学的共振器長Lcの整数倍とし
た半導体レ−ザモジュールにおいて、駆動電流Idrv
(mA)を増加させた時の、レ−ザの発光量Pf(m
W)と、微分量子効率dPf/dIdrv (W/A)の測
定結果を示すグラフ。
【図8】半導体レ−ザの端面と光ファイバの光学距離L
aが、半導体レ−ザの光学的共振器長Lcの(整数+1
/2)倍とした半導体レ−ザモジュールにおいて、駆動
電流Idrv (mA)を増加させた時の、レ−ザの発光量
Pf(mW)と、微分量子効率dPf/dIdrv (W/
A)の測定結果を示すグラフ。
【図9】半導体レ−ザの端面と光ファイバの光学距離L
aが、半導体レ−ザの光学的共振器長Lcの(整数+5
/6)倍とした半導体レ−ザモジュールにおいて、駆動
電流Idrv (mA)を増加させた時の、レ−ザの発光量
Pf(mW)と、微分量子効率dPf/dIdrv (W/
A)の測定結果を示すグラフ。
【図10】半導体レ−ザの端面と光ファイバの光学距離
Laが、半導体レ−ザの光学的共振器長Lcの(整数+
1/6)倍とした半導体レ−ザモジュールにおいて、駆
動電流Idrv (mA)を増加させた時の、レ−ザの発光
量Pf(mW)と、微分量子効率dPf/dIdrv (W
/A)の測定結果を示すグラフ。
【図11】半導体レ−ザの励起光が両側のミラー1、2
に於いて反射され位相が揃うことによって定在波がで
き、その波長が光学的共振器長の2倍を整数mで割った
値2Lc/mになる事を示す波動図。
【図12】本発明の思想に従って、共振器長の1/6の
長さの範囲を、共振器長の整数倍の点NLcの前後に取
った場合の範囲が、Lc=1119μmの例において、
186.5μmあることを示す説明図。
【図13】本発明の第1の実施例に係る平坦研磨光ファ
イバを着脱自在に保持できるレセプタクル型半導体レ−
ザモジュールの縦断面図。
【図14】図13の本発明のレセプタクル型半導体レ−
ザモジュールにおいて、駆動電流Idrv を増加(mA)
させた時の、レ−ザの発光量Pf(mW)と、微分量子
効率dPf/dIdrv (W/A)の測定結果を示すグラ
フ。
【図15】本発明の第2の実施例に係る半導体レ−ザモ
ジュールの縦断面図。
【符号の説明】
1 レ−ザチップ 2 ヘッダ(パッケージ) 3 ポール 4 リードピン 5 リードピン 6 モニタ用フォトダイオード 7 レンズ 8 光ファイバ 9 フェルール 10 斜め研磨端面 11 レンズホルダ− 12 フェルールホルダ− 13 溶接部分 14 レセプタクル 15 コネクタ 16 フェルール通し穴 17 螺合部 18 フェルールを通す開口 19 軸方向に直角に研磨した平坦面 20 反射戻り光 21 光ファイバ 22 フェルール 23 ダミーファイバ 24 斜め研磨端面 25 ダミーファイバ後端面 26 光ファイバの前端面 27 反射戻り光 28 レセプタクルの光ファイバをとおすための開口 29 ストッパー 30 光ファイバ 31 フェルール 32 コネクタ 33 螺子部 34 反射戻り光 35 パッケージ 36 モニタ用フォトダイオード 37 ポール 38 サブマウント 39 レ−ザチップ 40 球レンズ 41 接着剤 42 キャップ 43 リードピン 44 リードピン 45 リードピン 46 スリーブ 47 開口部 48 スリーブの端面 49 レセプタクル 50 フェルールホルダ− 51 フェルール 52 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工原 美樹 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 平6−194548(JP,A) 特開 平5−95169(JP,A) 特開 平3−284708(JP,A) 特開 平3−18085(JP,A) 特開 昭61−64182(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 G02B 6/42

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザチップと半導体レーザチッ
    プからの光を受けその一部を戻り光として半導体レーザ
    チップに向かって反射する受光体を含む光学系におい
    て、半導体レーザチップの光学的共振器長をLc、半導
    体レーザチップの出射側端面から受光体の光入射端面ま
    での光学距離をLaとし、Nを整数とするとき、 NLc<La≦{N+(1/6)}Lc または {N+(5/6)}Lc≦La<(N+1)Lc の範囲に光学距離Laを設定することを特徴とする半導
    体レーザモジュール。
  2. 【請求項2】 半導体レーザチップと半導体レーザチッ
    プからの光を受けその一部を戻り光として半導体レーザ
    チップに向かって反射する受光体を含む光学系におい
    て、半導体レーザチップの光学的共振器長をLc、半導
    体レーザチップの出射側端面から受光体の光入射端面ま
    での光学距離をLaとし、Nを整数とするとき、 NLc+20μm≦La≦{N+(1/6)}Lc または {N+(5/6)}Lc≦La≦(N+1)Lc−20
    μm の範囲に光学距離Laを設定することを特徴とする半導
    体レーザモジュール。
  3. 【請求項3】 半導体レーザチップと半導体レーザチッ
    プからの光を受けその一部を戻り光として半導体レーザ
    チップに向かって反射する受光体を含む光学系におい
    て、半導体レーザチップの光学的共振器長をLc、半導
    体レーザチップの出射側端面から受光体の光入射端面ま
    での光学距離をLaとし、Nを整数とするとき、 NLc<La≦{N+(1/7)}Lc または {N+(6/7)}Lc≦La<(N+1)Lc の範囲に光学距離Laを設定することを特徴とする半導
    体レーザモジュール。
  4. 【請求項4】 半導体レーザチップと半導体レーザチッ
    プからの光を受けその一部を戻り光として半導体レーザ
    チップに向かって反射する受光体を含む光学系におい
    て、半導体レーザチップの光学的共振器長をLc、半導
    体レーザチップの出射側端面から受光体の光入射端面ま
    での光学距離をLaとし、Nを整数とするとき、 NLc+20μm≦La≦{N+(1/7)}Lc または {N+(6/7)}Lc≦La≦(N+1)Lc−20
    μm の範囲に光学距離Laを設定することを特徴とする半導
    体レーザモジュール。
  5. 【請求項5】 受光体の半導体レーザチップに対向する
    端面が、半導体レーザチップからの光の進行方向(光
    軸)に対して垂直であって端面は半導体レーザチップの
    光の一部を反射して戻り光として半導体レーザチップに
    返すことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の半
    導体レーザモジュール。
  6. 【請求項6】 半導体レーザチップとその発光光を受け
    る受光体との間に集光用のレンズを設けた事を特徴とす
    る請求項1〜5の何れかに記載の半導体レーザモジュー
    ル。
  7. 【請求項7】 受光体が光軸に垂直な端面を持つ光ファ
    イバであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の半導体レーザモジュール。
  8. 【請求項8】 受光体が光軸に垂直な端面を持つ光導波
    路であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載
    の半導体レーザモジュール。
  9. 【請求項9】 パッケージと、パッケージに固定された
    半導体レーザチップと、パッケージに固定され集光レン
    ズを有するレンズホルダーと、光コネクタと嵌合するた
    めのレセプタクルとを含み、半導体レーザチップが発光
    波長1.3μm帯のInGaAsPより成ることを特徴
    とする請求項1〜7の何れかに記載の半導体レーザモジ
    ュール。
  10. 【請求項10】 半導体レーザチップの前記受光体に向
    かう面と反対側の端面から出る光をモニタするInGa
    As系のpin−PDを有することを特徴とする請求項
    9に記載の半導体レーザモジュール。
  11. 【請求項11】 球レンズの屈折率が1.4〜1.6、
    球レンズの直径が1mm〜2mm、半導体レーザチップ
    の光学的共振器長Lcが1000mm〜1500mm、
    整数値Nが5であって、半導体レーザチップの端面と光
    ファイバの端面の光学的距離LaがLa={5+(6/
    7)}Lcとしたことを特徴とする請求項9又は10に
    記載の半導体レーザモジュール。
  12. 【請求項12】 球レンズの屈折率が1.4〜1.6、
    球レンズの直径が1mm〜2mm、半導体レーザチップ
    の光学的共振器長Lcが1000mm〜1500mm、
    整数値Nが4であって、半導体レーザチップの端面と、
    光ファイバの端面の光学的距離LaがLa={4+(7
    /8)}Lcとしたことを特徴とする請求項9又は10
    に記載の半導体レーザモジュール。
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