JP3257181B2 - 食品保存剤 - Google Patents
食品保存剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品に添加することに
より、食品に対し優れた防腐効果を発揮する食品保存剤
に関する。
より、食品に対し優れた防腐効果を発揮する食品保存剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の保存性を向上させる目的のため、
従来、ポリリジンを有効成分とする食品保存剤、ソルビ
ン酸もしくは安息香酸などの抗菌剤を主成分とした食品
保存剤が用いられている。しかしながら、これらの食品
保存剤はそれぞれ生育を抑制できる菌種が限られてお
り、例えば、ポリリジンは、細菌に対して高い抗菌効果
を示すが、酵母、かびに対しての抗菌効果は比較的低い
という欠点を有し、また、ソルビン酸や安息香酸は、か
び、酵母に対して高い抗菌効果を示すが、細菌に対して
の抗菌効果は低いという欠点を有している。このため、
ポリリジンのみで酵母、かびの増殖を抑制する場合、ま
たはソルビン酸や安息香酸のみで細菌の増殖を抑制する
場合は、食品保存剤を高濃度で食品に添加することが必
要となり、食品本来の風味を損なうおそれがある。
従来、ポリリジンを有効成分とする食品保存剤、ソルビ
ン酸もしくは安息香酸などの抗菌剤を主成分とした食品
保存剤が用いられている。しかしながら、これらの食品
保存剤はそれぞれ生育を抑制できる菌種が限られてお
り、例えば、ポリリジンは、細菌に対して高い抗菌効果
を示すが、酵母、かびに対しての抗菌効果は比較的低い
という欠点を有し、また、ソルビン酸や安息香酸は、か
び、酵母に対して高い抗菌効果を示すが、細菌に対して
の抗菌効果は低いという欠点を有している。このため、
ポリリジンのみで酵母、かびの増殖を抑制する場合、ま
たはソルビン酸や安息香酸のみで細菌の増殖を抑制する
場合は、食品保存剤を高濃度で食品に添加することが必
要となり、食品本来の風味を損なうおそれがある。
【0003】本発明者らは、ポリリジンとエチルアルコ
ールとを併用することにより、ポリリジンの酵母に対す
る抗菌効果が高まることを見いだし提案した(特開平2
−20271号公報)。また、本発明者らは、タンパク
質含有率の高い食品に対して、ポリリジンとグリシンや
アルギニン等のアミノ酸との併用が有効であることも見
いだし提案した(特開平5−68520号公報)。しか
し、食品の腐敗の原因となる菌種を問わず、且つタンパ
ク質含有量の多少や塩分含有量の多少等といった食品の
物性にも影響を受けにくく、しかも食品の風味にも影響
を与えない食品保存剤は未だ知られていない。
ールとを併用することにより、ポリリジンの酵母に対す
る抗菌効果が高まることを見いだし提案した(特開平2
−20271号公報)。また、本発明者らは、タンパク
質含有率の高い食品に対して、ポリリジンとグリシンや
アルギニン等のアミノ酸との併用が有効であることも見
いだし提案した(特開平5−68520号公報)。しか
し、食品の腐敗の原因となる菌種を問わず、且つタンパ
ク質含有量の多少や塩分含有量の多少等といった食品の
物性にも影響を受けにくく、しかも食品の風味にも影響
を与えない食品保存剤は未だ知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、食品の
腐敗を招く細菌、かび、酵母等の菌種を問わず、且つ食
品の物性、化学的組成による影響を受けにくく、しかも
食品の風味に影響を与えない食品保存剤について研究を
進めた。その結果、ポリリジンとソルビン酸もしくは安
息香酸またはそれらの塩とを有効成分とする食品保存剤
が、所期の目的を達成できる保存剤になることを見いだ
し、この知見に基づき、本発明を完成した。以上の記載
から明らかな様に、本発明の目的は、食品の腐敗の原因
となる細菌、かびおよび酵母等の菌種に対して高い抗菌
効果を有し、且つ食品の物性、化学的組成等の影響を受
けず、食品に対しての高い防腐効果が得られると共に、
食品本来の風味を損なわない食品保存剤を提供すること
である。
腐敗を招く細菌、かび、酵母等の菌種を問わず、且つ食
品の物性、化学的組成による影響を受けにくく、しかも
食品の風味に影響を与えない食品保存剤について研究を
進めた。その結果、ポリリジンとソルビン酸もしくは安
息香酸またはそれらの塩とを有効成分とする食品保存剤
が、所期の目的を達成できる保存剤になることを見いだ
し、この知見に基づき、本発明を完成した。以上の記載
から明らかな様に、本発明の目的は、食品の腐敗の原因
となる細菌、かびおよび酵母等の菌種に対して高い抗菌
効果を有し、且つ食品の物性、化学的組成等の影響を受
けず、食品に対しての高い防腐効果が得られると共に、
食品本来の風味を損なわない食品保存剤を提供すること
である。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)ポリリジンと、ソルビン酸もしくは安息香酸また
はそれらの塩とを有効成分とする食品保存剤。 (2)食品保存剤中のポリリジンの濃度が0.01〜5
0.0重量%であり、食品保存剤中のソルビン酸もしく
は安息香酸またはそれらの塩の濃度が0.1〜99.9
重量%である前記(1)記載の食品保存剤。 (3)ポリリジンがε−ポリリジンであることを特徴と
する前記(1)記載の食品保存剤。 (4)ソルビン酸の塩がカリウム塩である前記(1)記
載の食品保存剤。 (5)安息香酸の塩がナトリウム塩である前記(1)記
載の食品保存剤。
する。 (1)ポリリジンと、ソルビン酸もしくは安息香酸また
はそれらの塩とを有効成分とする食品保存剤。 (2)食品保存剤中のポリリジンの濃度が0.01〜5
0.0重量%であり、食品保存剤中のソルビン酸もしく
は安息香酸またはそれらの塩の濃度が0.1〜99.9
重量%である前記(1)記載の食品保存剤。 (3)ポリリジンがε−ポリリジンであることを特徴と
する前記(1)記載の食品保存剤。 (4)ソルビン酸の塩がカリウム塩である前記(1)記
載の食品保存剤。 (5)安息香酸の塩がナトリウム塩である前記(1)記
載の食品保存剤。
【0006】本発明の食品保存剤は、ポリリジンと、ソ
ルビン酸もしくは安息香酸またはそれらの塩とを有効成
分とすることを特徴とする、食品保存性に優れた食品保
存剤である。
ルビン酸もしくは安息香酸またはそれらの塩とを有効成
分とすることを特徴とする、食品保存性に優れた食品保
存剤である。
【0007】本発明で用いられるポリリジンは、例えば
特開昭59−20359号公報に記載のε−ポリリジン
生産菌であるストレプトマイセス族に属するストレプト
マイセス・アルブラス・サブスピ−シ−ズ・リジノポリ
メラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリ
ジンを分離、採取することによって得られる。
特開昭59−20359号公報に記載のε−ポリリジン
生産菌であるストレプトマイセス族に属するストレプト
マイセス・アルブラス・サブスピ−シ−ズ・リジノポリ
メラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリ
ジンを分離、採取することによって得られる。
【0008】リジンは1分子中に2つのアミノ基を有す
るアミノ酸であり、これから得られるポリリジンは一般
にα位のアミノ基とカルボキシル基とが結合したα−ポ
リリジンと、ε位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合
したε−ポリリジンとの2種類が存在するが、本発明で
は上記の製造法により得られるε−ポリリジンを用いた
方が安全性の面で望ましい。なお、ポリリジンの添加量
は、本発明の食品保存剤に対して0.01〜50.0重
量%である。
るアミノ酸であり、これから得られるポリリジンは一般
にα位のアミノ基とカルボキシル基とが結合したα−ポ
リリジンと、ε位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合
したε−ポリリジンとの2種類が存在するが、本発明で
は上記の製造法により得られるε−ポリリジンを用いた
方が安全性の面で望ましい。なお、ポリリジンの添加量
は、本発明の食品保存剤に対して0.01〜50.0重
量%である。
【0009】本発明で用いられるソルビン酸の塩として
は、カリウム塩が好ましい。また、安息香酸の塩として
は、ナトリウム塩が好ましい。ソルビン酸もしくは安息
香酸またはそれらの塩の添加量は、本発明の食品保存剤
に対しては0.1〜99.9重量%であり、ポリリジン
1重量部に対しては0.001〜100重量部、好まし
くは0.01〜50重量部である。
は、カリウム塩が好ましい。また、安息香酸の塩として
は、ナトリウム塩が好ましい。ソルビン酸もしくは安息
香酸またはそれらの塩の添加量は、本発明の食品保存剤
に対しては0.1〜99.9重量%であり、ポリリジン
1重量部に対しては0.001〜100重量部、好まし
くは0.01〜50重量部である。
【0010】本発明の食品保存剤にはpH調整剤とし
て、無機の酸、およびソルビン酸もしくは安息香酸以外
の有機酸類を配合することもできる。また、本発明の食
品保存剤は、粉末、水溶液のいずれの状態でも用いるこ
とができる。
て、無機の酸、およびソルビン酸もしくは安息香酸以外
の有機酸類を配合することもできる。また、本発明の食
品保存剤は、粉末、水溶液のいずれの状態でも用いるこ
とができる。
【0011】本発明の食品保存剤の対象食品としては、
穀類、野菜、果実類等を主体原料とする比較的低濃度で
タンパク質を含む食品、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、
魚肉ハム、ソーセージなどの水産加工食品、ハム、ソー
セージ、ウインナーソーセージ、ハンバーグ、ミンチボ
ールなどの畜肉加工食品、豆腐、豆乳など比較的高濃度
でタンパク質を含む食品、およびみそ、しょうゆ等のほ
かに、みそ、しょうゆを原料に用いたたれ、つゆ、佃煮
等の塩分濃度が高い食品が例示できる。また、本発明の
食品保存剤は塩分を比較的多く含有する漬物類、塩辛類
等やその他の種々の食品に対しても高い防腐効果が認め
られる。
穀類、野菜、果実類等を主体原料とする比較的低濃度で
タンパク質を含む食品、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、
魚肉ハム、ソーセージなどの水産加工食品、ハム、ソー
セージ、ウインナーソーセージ、ハンバーグ、ミンチボ
ールなどの畜肉加工食品、豆腐、豆乳など比較的高濃度
でタンパク質を含む食品、およびみそ、しょうゆ等のほ
かに、みそ、しょうゆを原料に用いたたれ、つゆ、佃煮
等の塩分濃度が高い食品が例示できる。また、本発明の
食品保存剤は塩分を比較的多く含有する漬物類、塩辛類
等やその他の種々の食品に対しても高い防腐効果が認め
られる。
【0012】本発明の食品保存剤を食品に添加する方法
には特に制限はなく、あらかじめ本発明の食品保存剤と
して調製したものを直接食品に添加してもよく、また、
本発明の食品保存剤を食品中に練り込んでもよい。さら
に、本発明の食品保存剤を水溶液として用いる場合は、
水溶液を食品に噴霧してもよく、また食品を浸漬しても
よい。このとき、ポリリジンの濃度は、食品に対して
0.001〜0.1重量%、特に0.005〜0.05
重量%の範囲内であることが好ましく、ソルビン酸もし
くは安息香酸またはそれらの塩の濃度は、遊離酸として
食品に対して0.01〜0.2重量%、特に0.05〜
0.1重量%の範囲内であることが好ましい。
には特に制限はなく、あらかじめ本発明の食品保存剤と
して調製したものを直接食品に添加してもよく、また、
本発明の食品保存剤を食品中に練り込んでもよい。さら
に、本発明の食品保存剤を水溶液として用いる場合は、
水溶液を食品に噴霧してもよく、また食品を浸漬しても
よい。このとき、ポリリジンの濃度は、食品に対して
0.001〜0.1重量%、特に0.005〜0.05
重量%の範囲内であることが好ましく、ソルビン酸もし
くは安息香酸またはそれらの塩の濃度は、遊離酸として
食品に対して0.01〜0.2重量%、特に0.05〜
0.1重量%の範囲内であることが好ましい。
【0013】本発明の食品保存剤を用いて食品を製造す
る場合、本発明の食品保存剤の添加は、食品の製造にお
けるどの工程において行ってもよい。また、本発明の食
品保存剤を食品に添加後さらに加熱処理を施すことによ
り、いっそう強力な防腐効果を発揮させることができ
る。
る場合、本発明の食品保存剤の添加は、食品の製造にお
けるどの工程において行ってもよい。また、本発明の食
品保存剤を食品に添加後さらに加熱処理を施すことによ
り、いっそう強力な防腐効果を発揮させることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、これらはなんら本発明を限定する
ものではない。 実施例1、比較例1(焼き肉のたれ) 市販の焼き肉のたれ100gに、表1記載の食品保存剤
を各1gずつ添加し(試験区1〜10)、試験区1〜4
のものを比較例1、試験区5〜10のものを実施例1と
して保存試験に供した。保存試験は、前記のようにして
調製した焼き肉のたれ10gを25℃の恒温室中に保存
し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に測
定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下で
ある日数を有効保存日数とした。試験区および結果を、
表1に示した。
具体的に説明するが、これらはなんら本発明を限定する
ものではない。 実施例1、比較例1(焼き肉のたれ) 市販の焼き肉のたれ100gに、表1記載の食品保存剤
を各1gずつ添加し(試験区1〜10)、試験区1〜4
のものを比較例1、試験区5〜10のものを実施例1と
して保存試験に供した。保存試験は、前記のようにして
調製した焼き肉のたれ10gを25℃の恒温室中に保存
し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に測
定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下で
ある日数を有効保存日数とした。試験区および結果を、
表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】この結果、ポリリジン、ソルビン酸カリウ
ム、安息香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例
1の試験区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例
1の試験区の食品保存性が著しく向上していることが確
認された。なお、官能試験の結果、実施例1の試験区
は、比較例1の試験区に比べて、味、色、におい等にお
いて全く差が認められず、本発明の食品保存剤を添加す
ることによる品質上の悪影響は認められなかった。
ム、安息香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例
1の試験区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例
1の試験区の食品保存性が著しく向上していることが確
認された。なお、官能試験の結果、実施例1の試験区
は、比較例1の試験区に比べて、味、色、におい等にお
いて全く差が認められず、本発明の食品保存剤を添加す
ることによる品質上の悪影響は認められなかった。
【0017】実施例2、比較例2(かまぼこ) スケソウダラ冷凍すりみ100gに、食塩3g、澱粉5
gおよび水20gを添加し、サイレント・カッターで1
0分間処理してねり肉を調製した。このねり肉100g
に表2記載の食品保存剤をそれぞれ所定量添加し(試験
区1〜10)、試験区1〜4のものを比較例2、試験区
5〜10のものを実施例2とした。こうして調製したね
り肉をらいかい機で5分間混合した後、塩化ビニリデン
フィルムに50gずつ充填した。これを90℃の熱水中
で30分間加熱したのち、流水で30分間冷却してケー
シングかまぼこを作製し、保存試験に供した。保存試験
は、前記のケーシングかまぼこを25℃の恒温室中に保
存し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に
測定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下
である日数を有効保存日数とした。試験区および結果
を、表2に示した。
gおよび水20gを添加し、サイレント・カッターで1
0分間処理してねり肉を調製した。このねり肉100g
に表2記載の食品保存剤をそれぞれ所定量添加し(試験
区1〜10)、試験区1〜4のものを比較例2、試験区
5〜10のものを実施例2とした。こうして調製したね
り肉をらいかい機で5分間混合した後、塩化ビニリデン
フィルムに50gずつ充填した。これを90℃の熱水中
で30分間加熱したのち、流水で30分間冷却してケー
シングかまぼこを作製し、保存試験に供した。保存試験
は、前記のケーシングかまぼこを25℃の恒温室中に保
存し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に
測定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下
である日数を有効保存日数とした。試験区および結果
を、表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】この結果、ポリリジン、ソルビン酸、ソル
ビン酸カリウムをそれぞれ単品で用いた比較例2の試験
区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例2の試験
区の食品保存性が著しく向上していることが確認され
た。なお、官能試験の結果、実施例2の試験区は、比較
例2の試験区に比べて、味、色、におい等において全く
差が認められず、本発明の食品保存剤を添加することに
よる品質上の悪影響は認められなかった。
ビン酸カリウムをそれぞれ単品で用いた比較例2の試験
区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例2の試験
区の食品保存性が著しく向上していることが確認され
た。なお、官能試験の結果、実施例2の試験区は、比較
例2の試験区に比べて、味、色、におい等において全く
差が認められず、本発明の食品保存剤を添加することに
よる品質上の悪影響は認められなかった。
【0020】実施例3、比較例3(ソーセージ) 豚肉および羊肉の挽き肉を等量混合した挽き肉100g
に、豚脂15g、食塩2.5g、重合リン酸塩0.1
g、スパイス0.5g、亜硝酸ナトリウム0.007g
および氷水10gを加え、サイレント・カッターで10
分間処理した。得られたエマジョン肉100gに表3記
載の食品保存剤をそれぞれ所定量添加し(試験区1〜1
0)、試験区1〜4のものを比較例3、試験区5〜10
のものを実施例3とした。こうして調製したエマジョン
肉をらいかい機で5分間混合した後、手動式スタツファ
ーを用いて15gずつ羊腸に充填した。これをスモーク
ハウスで40分間乾燥し、スモークおよび蒸煮を行い、
中心温度が75℃になる様に加熱してソーセージを作製
し、保存試験に供した。保存試験は、前記のソーセージ
を25℃の恒温室中に保存し、その一般生菌数を標準寒
天培地を用いて経時的に測定した。そして、一般生菌数
が105 cfu/g以下である日数を有効保存日数とし
た。試験区および結果を、表3に示した。
に、豚脂15g、食塩2.5g、重合リン酸塩0.1
g、スパイス0.5g、亜硝酸ナトリウム0.007g
および氷水10gを加え、サイレント・カッターで10
分間処理した。得られたエマジョン肉100gに表3記
載の食品保存剤をそれぞれ所定量添加し(試験区1〜1
0)、試験区1〜4のものを比較例3、試験区5〜10
のものを実施例3とした。こうして調製したエマジョン
肉をらいかい機で5分間混合した後、手動式スタツファ
ーを用いて15gずつ羊腸に充填した。これをスモーク
ハウスで40分間乾燥し、スモークおよび蒸煮を行い、
中心温度が75℃になる様に加熱してソーセージを作製
し、保存試験に供した。保存試験は、前記のソーセージ
を25℃の恒温室中に保存し、その一般生菌数を標準寒
天培地を用いて経時的に測定した。そして、一般生菌数
が105 cfu/g以下である日数を有効保存日数とし
た。試験区および結果を、表3に示した。
【0021】
【表3】
【0022】この結果、ポリリジン、ソルビン酸、安息
香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例3の試験
区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例3の試験
区の食品保存性が著しく向上していることが確認され
た。なお、官能試験の結果、実施例3の試験区は、比較
例3の試験区に比べて、味、色、におい等において全く
差が認められず、本発明の食品保存剤を添加することに
よる品質上の悪影響は認められなかった。
香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例3の試験
区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例3の試験
区の食品保存性が著しく向上していることが確認され
た。なお、官能試験の結果、実施例3の試験区は、比較
例3の試験区に比べて、味、色、におい等において全く
差が認められず、本発明の食品保存剤を添加することに
よる品質上の悪影響は認められなかった。
【0023】実施例4、比較例4(スライスハム) 表4記載の処方で調製した食品保存剤水溶液(試験区1
〜9)100mlをビーカーに入れ、これに市販のスラ
イスハムをそれぞれ2分間浸漬し、試験区1〜5のもの
を比較例4、試験区6〜9のものを実施例4とした。浸
漬後、水切りおよび風乾した後、保存試験に供した。保
存試験は、前記のスライスハムを25℃の恒温室中に保
存し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に
測定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下
である日数を有効保存日数とした。試験区および結果
を、表4に示した。
〜9)100mlをビーカーに入れ、これに市販のスラ
イスハムをそれぞれ2分間浸漬し、試験区1〜5のもの
を比較例4、試験区6〜9のものを実施例4とした。浸
漬後、水切りおよび風乾した後、保存試験に供した。保
存試験は、前記のスライスハムを25℃の恒温室中に保
存し、その一般生菌数を標準寒天培地を用いて経時的に
測定した。そして、一般生菌数が105 cfu/g以下
である日数を有効保存日数とした。試験区および結果
を、表4に示した。
【0024】
【表4】
【0025】この結果、ポリリジン、ソルビン酸カリウ
ム、安息香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例
4の試験区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例
4の試験区の食品保存性が著しく向上していることが確
認された。なお、官能試験の結果、実施例4の試験区
は、比較例4の試験区に比べて、味、色、におい等にお
いて全く差が認められず、本発明の食品保存剤を添加す
ることによる品質上の悪影響は認められなかった。
ム、安息香酸ナトリウムをそれぞれ単品で用いた比較例
4の試験区に比べ、本発明の食品保存剤を用いた実施例
4の試験区の食品保存性が著しく向上していることが確
認された。なお、官能試験の結果、実施例4の試験区
は、比較例4の試験区に比べて、味、色、におい等にお
いて全く差が認められず、本発明の食品保存剤を添加す
ることによる品質上の悪影響は認められなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の食品保存剤は、ポリリジンとソ
ルビン酸もしくは安息香酸またはそれらの塩とを有効成
分とすることにより、各々単独では抗菌効果が比較的低
い細菌、かびおよび酵母等に対して高い抗菌作用を発揮
する事ができる。また、これら抗菌剤の相乗効果により
種々の食品で防腐効果が発揮されるとともに、各々の成
分の添加量が削減されることにより食品本来の風味が損
なわれない。
ルビン酸もしくは安息香酸またはそれらの塩とを有効成
分とすることにより、各々単独では抗菌効果が比較的低
い細菌、かびおよび酵母等に対して高い抗菌作用を発揮
する事ができる。また、これら抗菌剤の相乗効果により
種々の食品で防腐効果が発揮されるとともに、各々の成
分の添加量が削減されることにより食品本来の風味が損
なわれない。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−16087(JP,A) 特開 平6−153882(JP,A) 特開 平6−98738(JP,A) 特開 平2−72852(JP,A) 特開 昭62−58975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/00 - 3/3598
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリリジンと、ソルビン酸もしくは安息
香酸またはそれらの塩とを有効成分とする食品保存剤。 - 【請求項2】 食品保存剤中のポリリジンの濃度が0.
01〜50.0重量%であり、食品保存剤中のソルビン
酸もしくは安息香酸またはそれらの塩の濃度が0.1〜
99.9重量%である請求項1記載の食品保存剤。 - 【請求項3】 ポリリジンがε−ポリリジンであること
を特徴とする請求項1記載の食品保存剤。 - 【請求項4】 ソルビン酸の塩がカリウム塩である請求
項1記載の食品保存剤。 - 【請求項5】 安息香酸の塩がナトリウム塩である請求
項1記載の食品保存剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23739793A JP3257181B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 食品保存剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23739793A JP3257181B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | 食品保存剤 |
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