JP3255809B2 - 光配線架 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバネットワー
クにおいて、光ケーブルを光コネクタ接続により光ファ
イバ心線へ分岐接続するための光配線架に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ファイバネットワークにおいて、光ケ
ーブルを光コネクタ接続により光ファイバ心線へ分岐接
続するには、多数の局内外光ファイバを成端して大群構
成とする光配線架が使用される。特に加入者系伝送路に
用いられる光配線架としては、ＦＴＭ（Ｆｉｂｅｒ Ｔ
ｅｒｍｉｎａｔｉｏｎ Ｍｏｄｕｌｅ）が用いられる。
図７および図８は、従来のＦＴＭを示す図であり、図中
符号１はＦＴＭ本体、２は端子板、３は光コネクタ、４
は分岐モジュールである。

【０００３】前記ＦＴＭ本体１は、水平に配置された仕
切板５によって等間隔の複数段に仕切られた棚状に形成
されており、前記分岐モジュール４を収納する段が複数
段形成されている。このＦＴＭ本体１の各段の同一側開
口部には、該開口部を略覆う端子板２が固定されてい
る。この端子板２には前記光コネクタ３の取り付け用の
穴６が複数並べて連設され、この穴６内にＳＣ型の光コ
ネクタ３が２個づつ配置・固定されている。この光コネ
クタ３は、外側に局内光ファイバ心線７が接続される図
示しない端子が複数配置され、内側に局外光ファイバ心
線が接続される図示しない複数の端子が前記局内光ファ
イバ心線７用の端子に対応する位置に配置されている。
前記分岐モジュール４は、板状に形成されたパッケージ
であって、図示しない局外光ケーブルに接続され、この
局外光ケーブルを構成する複数の光ファイバからなるテ
ープ状のテープコード８を導出している。このテープコ
ード８は、前記ＦＴＭ本体１の前記端子板２側に位置す
る構成部材近傍に設けられた分岐器９において、該テー
プコード８を構成する各光ファイバ心線が単心に分岐さ
れ、さらに、各光ファイバ心線の先端は前記光コネクタ
３内の端子にそれぞれ接続されている。

【０００４】各分岐モジュール４に対しては、それぞれ
専用の前記分岐器９および光コネクタ３が接続されてい
る。前記穴２に対して分岐モジュール４は２倍の数あ
り、これら分岐モジュール４は各段に一列に並べて収納
されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
な光配線架の場合、部品点数が膨大であるために製造が
大変である上、省スペース化に鑑みて各段に十分な広さ
が確保されていないため、狭隘な空間においてしかもそ
の最深部に位置する光コネクタ３に各光ファイバを接続
しなければならず、分岐モジュール４の取り付け作業性
に不満があった。また、テープコード８は分岐器９を仮
留具１０で所定の位置に仮固定した上、余長を８の字状
に湾曲させて各段内に収め、その後、分岐モジュール４
をＦＴＭ本体１内に収納するが、前記分岐器９の固定作
業に手間がかかる上、分岐モジュール４を段の適切位置
に収納する際にテープコード８の湾曲形状を保持するこ
とは困難であって、作業の手戻りが多くなり、作業能率
の低下の原因となっていた。

【０００６】一度光コネクタ３に接続された分岐モジュ
ール４を交換する場合には、光コネクタ３から光プラグ
を取り外す際に治具を使用するが、狭隘な空間内での治
具の操作になるため操作が困難となるほか、治具の挿入
・操作のための空間を形成するために多数の分岐モジュ
ール４をＦＴＭ本体１から抜き出す必要が生じるケース
が発生するため、非常に手間がかかるといった問題があ
った。

【０００７】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、分岐モジュールの収納や交換の作業性が向上する
光配線架を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の光配線架
では、光ケーブルを光コネクタ接続により光ファイバ心
線へ分岐接続するための光配線架であって、前記光コネ
クタが複数配列された棚状のフレーム内に分岐モジュー
ルが複数配置されてなり、前記光ケーブルから導出され
たテープコードが、前記分岐モジュール内を経由して前
記フレームの内側から前記光コネクタに接続され、該光
コネクタに前記フレームの外側から光ファイバ心線が接
続される光配線架において、少なくとも前記分岐モジュ
ールと、前記テープコードの余長部と、前記光コネクタ
とを内部に収納した薄板状パッケージが前記フレームに
横並びに支持され、かつ前記フレームに多段に配置さ
れ、前記フレームに支持した際にフレーム外側に臨む前
記薄板状パッケージの端部に前記光コネクタが突設さ
れ、かつ前記薄板状パッケージの一側部に、前記分岐モ
ジュールを薄板状パッケージの内外に出し入れ可能とす
る開口部が設けられ、前記薄板状パッケージを前記フレ
ームに支持した状態で、前記テープコードが接続された
分岐モジュールを前記薄板状パッケージの内外に出し入
れ可能な構成としたことを前記課題の解決手段とした。

【０００９】請求項２記載の光配線架では、光ケーブル
を光コネクタ接続により光ファイバ心線へ分岐接続する
ための光配線架であって、前記光コネクタが複数配列さ
れた棚状のフレーム内に分岐モジュールが複数配置され
てなり、前記光ケーブルから導出されたテープコード
が、前記分岐モジュール内を経由して前記フレームの内
側から前記光コネクタに接続され、該光コネクタに前記
フレームの外側から光ファイバ心線が接続される光配線
架において、少なくとも前記分岐モジュールと、前記テ
ープコードのファンアウト部および余長部および分岐固
定部と、前記光コネクタとを内部に収納した薄板状パッ
ケージが前記フレームに横並びに支持され、かつ前記フ
レームに多段に配置され、前記フレームに支持した際に
フレーム外側に臨む前記薄板状パッケージの端部に前記
光コネクタが突設され、かつ前記薄板状パッケージの一
側部に、前記分岐モジュールを薄板状パッケージの内外
に出し入れ可能とする開口部が設けられ、前記薄板状パ
ッケージを前記フレームに支持した状態で、前記テープ
コードが接続された分岐モジュールを前記薄板状パッケ
ージの内外に出し入れ可能な構成としたことを前記課題
の解決手段とした。

【００１０】請求項３記載の光配線架では、請求項２記
載の光配線架において、薄板状パッケージのフレームに
対する支持方向と、前記光コネクタに対する光ファイバ
心線の接続方向とが一致されていることを前記課題の解
決手段とした。

【００１１】

【作用】請求項１および２記載の光配線架によれば、分
岐モジュールと光コネクタとが、薄板状パッケージの内
部に収納配置された状態で一体的にフレームの内外に出
し入れされる。薄板状パッケージを構成する段階で、光
コネクタとテープコードの接続作業を効率良く行なうこ
とができる。また、薄板状パッケージをフレームに支持
した際には、光コネクタがフレームの外側に突出状態に
支持され、この光コネクタにフレーム外側から光ファイ
バ心線が接続可能になっている。さらにこの光配線架に
よれば、薄板状パッケージをフレームに支持した状態に
おいて、薄板状パッケージ内部の機器が該薄板状パッケ
ージを動かすことなく薄板状パッケージの内外に出し入
れされる。

【００１２】請求項３記載の光配線架によれば、薄板状
パッケージをフレームに支持すると同時に、光コネクタ
がフレーム外側からの光ファイバ心線に対して接続可能
な位置に位置する。

【００１３】

【００１４】

【実施例】以下本発明の一実施例を、図１から図４を参
照して説明する。本実施例の光配線架は、分岐モジュー
ル１２と、光ファイバの分岐固定部としての分岐器１３
と、ＳＣ型の光コネクタ１４とが内部に収納された薄板
状パッケージ１５を、複数の段を有する棚状のフレーム
１１に多数配列することにより概略構成されている。

【００１５】前記フレーム１１は、図７および図８に示
した前記ＦＴＭ本体１と同様に構成されている。図３に
示すように、フレーム１１を構成する各段には、水平に
配置されフレーム１１の各段を上下に仕切る仕切板１１
ａと、各段においてフレーム１１の厚さ方向において前
面側（図３右側）を閉塞する端子パネル１１ｂとが備え
られ、フレーム１１の後方側（図３左側）はパッケージ
１５を出し入れする開口部を成している。

【００１６】図１および図２に示すように、前記仕切板
１１ａは、フレーム１１に配置された状態で水平となる
底部１１ｃと、後方側の端部を３０度程度に屈曲して形
成された傾斜部１１ｅとを備えている。前記傾斜部１１
ｅは、仕切板１１ａの上側に屈曲されている。仕切板１
１ａは、全体が前記薄板状パッケージ１５を支持可能な
トレー状に形成されている。図１に示すように、仕切板
１１ａの中央部には、フレーム１１内に収納された薄板
状パッケージ１５が仕切板１１ａの前記底部１１ｃから
所定距離離間して上方に位置するように薄板状パッケー
ジ１５の底部を支持する支持部材１１ｆが立設されてい
る。

【００１７】前記端子パネル１１ｂは、フレーム１１の
各段の前面側開口部の上半分を略覆う形状に形成された
長方形状の板体であって、全てのものが同一平面上に位
置されている。この端子パネル１１ｂには、前記薄板状
パッケージ１５をフレーム１１の段に挿入した際に光コ
ネクタ１４が嵌め込まれ前面側（図１、図２右側）に突
出する光コネクタ穴１１ｇ、１１ｇ…がその長さ方向に
多数連設されている。この光コネクタ穴１１ｇ、１１ｇ
…のピッチは、フレーム１１に収納される薄板状パッケ
ージ１５の厚さ寸法と一致されている。

【００１８】フレーム１１の各段には、下側から立ち上
がって前記光コネクタ１４に接続される多数の単心の局
内光ファイバ心線Ｆを整列状態で捌くためにロッド状の
位置決め台１１ｈが、前記端子パネル１１ｂの各光コネ
クタ穴１１ｇ、１１ｇ…の略直下に位置され、前記フレ
ーム１１からその外側に離間して突設されている。この
位置決め台１１ｈの先端部外側には、局内光ファイバＦ
を仮留する仮留具としての板状ゴム部材１１ｉが２枚一
組として配置されている。前記板状ゴム部材１１ｉは、
図６に示すように、複数のスリット１１ｓが切り込まれ
たゴム板であって、前記局内光ファイバ心線Ｆをスリッ
ト１１ｓ奥側に設けられた拡幅部１１ｔに挟み込むこと
により、安定に挟持する構成となっている。なお、前記
局内光ファイバ心線Ｆは、コード径２．０ｍｍであっ
て、板状ゴム部材１１ｉによって互いに絡み合わないよ
うに支持されている。フレーム１１前面の各段において
位置決め台１１ｈの下方には、局内光ファイバ心線Ｆ、
Ｆ…を局内装置から各位置決め台１１ｈの近傍まで導く
トレー状のガイド部材１１ｊ（図１、図３、図４参照）
が配置されている。このガイド部材１１ｊは、前記仕切
り板１１ａに沿ってフレーム１１の幅方向全体に亙って
延在されている。

【００１９】前記薄板状パッケージ１５は、図１および
図２に示すように、樹脂等の薄板材を屈曲して角筒状に
形成された薄板状パッケージ本体１６によって前記分岐
モジュール１２、分岐器１３および光コネクタ１４など
を収納したものである。

【００２０】前記分岐モジュール１２は外面視偏平板状
のケーシングであって、内部に図示しないフィルタ、カ
プラ、光コネクタ等の光部品により光回路が構成され、
これら光回路に局外光ケーブル１７から導出されたテー
プコード１８が接続されたものであり、前記薄板状パッ
ケージ本体１６の上側に設けられたレール１９に自身の
一側部に固定された係合部材２０を係合させることによ
り、薄板状パッケージ本体１６の所定位置に吊下状態で
配置されるようになっている。

【００２１】図１に示すように、前記分岐器１３は、前
記薄板状パッケージ本体１６内に固定されたクリップ２
１を介して薄板状パッケージ本体１６に固定され、前記
分岐モジュール１２から導出されたテープコード１８が
接続されている。この分岐器１３に接続されたテープコ
ード１８の先端には、ピッチ変換されて単心の局外光フ
ァイバ心線２２、２２…に分岐されたファンアウト部１
８ａが設けられている。各局外光ファイバ心線２２の先
端は、光プラグ２３を介して前記光コネクタ１４に挿入
・固定されている。なお、分岐器１３を設けずに分岐モ
ジュール１２から直接単心光ファイバ心線２２に変換す
ることも可能である。

【００２２】前記光コネクタ１４は、薄板状パッケージ
本体１６の前面側端部（図１右側）において外端部に沿
って直列に配置・固定された二つの光アダプタ２４、２
４で構成されている。各光アダプタ２４、２４の局外側
（図１左側）には、局外光ファイバ心線２２、２２…が
光プラグ２３、２３…によって接続されている。光アダ
プタ２４、２４の局内側には、局内光ファイバ心線Ｆ、
Ｆ…が光プラグ２６、２６…によって接続可能になって
いる。光アダプタ２４、２４において、局内光ファイバ
心線Ｆ、Ｆ…の光プラグ２６、２６…は、局外光ファイ
バ心線２２、２２…が光プラグ２３、２３…と対向する
位置に接続される。局内装置と接続されている局内光フ
ァイバ心線Ｆ、Ｆ…の光アダプタ２４に対する接続方向
は、薄板状パッケージ１５のフレーム１１に対する挿入
方向と一致されている。

【００２３】それぞれの光アダプタ２４においては、薄
板状パッケージ本体１６内側の端面に局外ファイバ２２
用の光プラグ２３、２３…を接続するための図示しない
開口部が直列に配置され、薄板状パッケージ本体１６外
側の端面に局内光ファイバＦ用の光プラグ２６、２６…
を接続するための開口部が、直列に配置されている。図
示した光アダプタ２４は、局外、局内それぞれ４個ずつ
の光プラグ２３、２６が接続可能に形成され、したがっ
て、光コネクタ１４にあっては、計８個の光プラグ２
３、２６が接続可能になっている。前記開口部は、局外
側と局内側とが互いに同一直線上に配置されている。光
アダプタ２４、２４の両側部には、該光コネクタ１４を
薄板状パッケージ本体１６に固定するための光アダプタ
押え板２８、２８が取り付けられている。この光アダプ
タ押え板２８、２８は、薄板状パッケージ本体１６にネ
ジ止めされることにより、光アダプタ２４、２４の配列
状態を安定に保持するようになっている。なお、光プラ
グ２３と光プラグ２６とは、互いに同規格のものである
が、異なる規格の組み合わせであってもよい。この場
合、光アダプタ２４が、光プラグ２３と光プラグ２６と
の間において、信号を伝達可能に変化させる構成を有す
る。

【００２４】図１および図２に示すように、前記薄板状
パッケージ本体１６は、側面視概略台形状に形成された
側板１６ａ、１６ａを互いの面が平行となるように位置
させた状態で連結して形成され、全体も概略台形状の偏
平板状に形成されている。各側板１６ａ、１６ａの端部
には、相手側の側板１６ａとの連結用のフランジ１６ｂ
が複数箇所に突設されている。互いに連結される側板１
６ａ、１６ａの対は、互いのフランジ１６ｂ、１６ｂを
前記側板１６ａに対して略直角に屈曲して重合させ、こ
の状態で側板１６ａ、１６ａ同士、フランジ１６ｂ、１
６ｂ同士を、ボルト１６ｃによって固定することにより
連結されている。前記フランジ１６ｂの側板１６ａから
の突出寸法は、薄板状パッケージ本体１６の厚み寸法と
なっている。

【００２５】薄板状パッケージ本体１６の短辺１６ｄ
は、薄板状パッケージ１５をフレーム１１の段内に収納
する際に前記仕切板１１ａ上に載置される底面となって
いる。また、この短辺１６ｄおよびその延長線近傍にお
いて、薄板状パッケージ本体１６の収納奥側（図１、図
２中右側）に位置する端部には、該短辺１６ｄからこの
短辺１６ｄに平行に設けられた長辺１６ｅに向かって垂
直に切り欠いた形状の切り欠き部１６ｆが形成されてい
る。長辺１６ｅの内面側には、前記レール１９が固定さ
れている。薄板状パッケージ本体１６の支持方向手前側
（図１、図２左側）の端部は、前記短辺１６ｄと長辺１
６ｅとの間を連結する斜辺に形成され、かつ、分岐モジ
ュール１２を薄板状パッケージ本体１６内外に出し入れ
可能とする開口部１６ｇが開口されている。この開口部
１６ｇは、薄板状パッケージ本体１６内の所定位置に前
記分岐モジュール１２を収納した際に分岐モジュール１
２の一部が外部に露出する形状に形成されている。

【００２６】薄板状パッケージ本体１６を構成する側板
１６ａ、１６ａの一方には、その中央部前記短辺１６ｄ
寄りの部分にテープコード１８が卷回される卷回突起１
６ｈが突出されている。この卷回突起１６ｈに略所定以
上の湾曲径を維持してテープコード１８が卷回されるこ
とにより、テープコード１８の余長部１８ａが十分に確
保されるとともに、薄板状パッケージ本体１６内に収納
されるようになっている。

【００２７】薄板状パッケージ本体１６の長辺１６ｅの
後方側端部には、該長辺１６ｅに対して垂直の小フラン
ジ１６ｊが突設されている。この小フランジ１６ｊに
は、薄板状パッケージ１５がフレーム１１内に押し込ま
れた際に、フレーム１１の仕切板１１ａの後方側下面に
突設されたストッパ１１ｋと係合する固定つまみ１６ｋ
が薄板状パッケージ本体１６の軸線と平行に固定・支持
されている。固定つまみ１６ｋは、小フランジ１６ｊの
後方側に突設されているが、小フランジ１６ｊの前面側
にも図示しない突起を有し、薄板状パッケージ１５をフ
レーム１１内に挿入した際に、前記突起が挿入した上段
側の仕切板１１ａに固定されたストッパ１１ｋの図示し
ない係合孔と着脱自在に係合するようになっている。ま
た、固定つまみ１６ｋは、薄板状パッケージ１５をフレ
ーム１１内に収納後にもフレーム１１の後方側から露出
しており、薄板状パッケージ１５をフレーム１１内から
引き出す際に利用される。

【００２８】前記長辺１６ｅの中央部には、薄板状パッ
ケージ本体１６をフレーム１１に挿入した際に、挿入し
た上段側の仕切板１１ａの下面に固定された支持板１１
ｌと係合する係合板１６ｌが固定されている。前記支持
板１１ｌおよび係合板１６ｌは、図５に示すように、と
もに断面Ｌ字状の板材であって、薄板状パッケージ本体
１６をフレーム１１内に挿入した際に係合板１６ｌが支
持板１１ｌの後方側から前面側に向かってスライドしつ
つ係合状態に到るようになっている。また、支持板１１
ｌおよび係合板１６ｌが互いに係合した際には、これら
支持板１１ｌおよび係合板１６ｌを介して薄板状パッケ
ージ本体１６が仕切板１１ａの下方に懸下される。

【００２９】図１に示すように、長辺１６ｅの前面側端
部および該前面側端部と対向する薄板状パッケージ本体
１６の下面側には、薄板状パッケージ本体１６をフレー
ム１１の挿入する時に、仕切板１１ａの前面側下面およ
び前記端子パネル１１ｂの後方側の面に夫々水平に固定
されたガイド１１ｍと嵌合して、薄板状パッケージ本体
１６をフレーム１１の幅方向に対して位置決めする位置
決めレール１６ｍが固定されている。

【００３０】なお、薄板状パッケージ本体１６は、軽量
かつ製造が容易な素材であれば、樹脂以外の材料によっ
て形成することも可能である。

【００３１】以下、前記光配線架を利用した局内外の光
ファイバ心線の接続を、局外光ケーブル１７が８心の場
合を例にとって説明する。まず、薄板状パッケージ１５
を製作する。薄板状パッケージ１５は、分岐モジュール
１２と、分岐器１３と、光コネクタ１４とに、それぞれ
８心用のものを選択し、これらを薄板状パッケージ本体
１６内に収納して製作する。分岐モジュール１２の光回
路には前記局外光ケーブル１７から分岐して引き出した
８心のテープコード１８が接続され、光コネクタ１４装
着側にも分岐モジュール１２から十分な長さのテープコ
ード１８を引き出しておく。光コネクタ１４を、２つの
４心用の光アダプタ２４、２４から構成して光アダプタ
押え板２８で固定し、これら光アダプタ２４、２４を光
アダプタ押え板２８、２８の間に挟み込んだ状態とし
て、光アダプタ押え板２８、２８を薄板状パッケージ本
体１６にネジ止めする。

【００３２】テープコード１８の分岐モジュール１２か
ら光コネクタ１４に至る途中の適切位置に前記分岐器１
３を装着するとともに、この分岐器１３より先端の部分
を単心の局外光ファイバ心線２２に分岐してファンアウ
ト部１８ａを形成し、さらに各局外光ファイバ心線２２
の先端に光プラグ２３を固定して成端する。次に、薄板
状パッケージ本体１６の卷回突起１６ｈを有する側の半
割り体において、分岐モジュール１２、分岐器１３、光
コネクタ１４を所定位置に装着するとともに、テープコ
ード１８の余長部１８ｂを、卷回突起１６ｈを利用する
ことにより、十分な曲率半径を確保して緩やかに湾曲さ
せて収納する。次に、前記光プラグ２３を前記光コネク
タ１４と嵌合し、また分岐器１３をクリップ２１によっ
て固定した後、薄板状パッケージ本体１６の半割りの反
対側を装着・固定して薄板状パッケージ１５を完成す
る。

【００３３】次に、薄板状パッケージ１５をフレーム１
１の局外側（端子パネル１１ｂと反対の側）から各段に
挿入する。この際、光コネクタ１４を、端子パネル１１
ｂの光コネクタ穴１１ｇに挿入して光コネクタ穴１１ｇ
から外方に突出せしめる。薄板状パッケージ１５をフレ
ーム１１の前面側まで挿入する作業は、薄板状パッケー
ジ本体１６の位置決めレール１６ｍをガイド１１ｍと嵌
合させ、同時に係合板１６ｌを支持板１１ｌと係合させ
ることにより垂直方向の位置決めを行ない、薄板状パッ
ケージ本体１６の短辺１６ｄを支持部材１１ｆの上端上
を摺動させつつフレーム１１の局内側に水平移動させ、
前記光コネクタ１４部分を除く薄板状パッケージ１５前
面側の端面を端子パネル１１ｂに当接させるか、前記固
定つまみ１６ｋをストッパ１１ｋに当接させることによ
り水平方向の位置決めを行なう。次に、予め、位置決め
台１１ｈを介して前記光コネクタ穴１１ｇ近傍に位置さ
れた局内光ファイバ心線Ｆ、Ｆ…を光コネクタ穴１１ｇ
から突出された光コネクタ１４の局内側に接続する。

【００３４】前記光配線架によれば、薄板状パッケージ
１５をフレーム１１に挿入するだけで光コネクタ１４の
位置決めがなされ、しかも、フレーム１１に収納後にお
いてもフレーム１１に対して出し入れ自在な薄板状パッ
ケージ本体１６内に、分岐モジュール１２、分岐器１
３、光コネクタ１４を収納するようにしたので、光コネ
クタ１４と局外光ファイバ心線２２との接続、分岐モジ
ュール１２や分岐器１３の位置決めやテープコード１８
余長部１８ｂの収納等をフレーム１１の外での作業とす
ることができ、その作業性が向上する。

【００３５】薄板状パッケージ本体１６後方側に分岐モ
ジュール１２を薄板状パッケージ本体１６内外に出し入
れ可能とする開口部１６ｇが開口されているので、薄板
状パッケージ１５をフレーム１１に収納した後も、薄板
状パッケージ本体１６から引き抜くだけで分岐モジュー
ル１２の交換やメンテナンスを容易に行なうことができ
る。

【００３６】８心の光コネクタ１４に対して１つの分岐
モジュール１２が接続されるので、接続する光ファイバ
心線数に対する分岐モジュール１２の数が、前記した従
来に比して半数になって、作業の手間が大幅に減少する
とともに、分岐モジュール１２、１２…間のピッチも拡
張して、接続の作業性も向上する。

【００３７】光コネクタ１４と局内光ファイバ心線Ｆと
の接続方向と薄板状パッケージ１５のフレーム１１に対
する挿入方向とが一致されているので、薄板状パッケー
ジ１５をフレーム１１に収納する際に光コネクタ１４を
光コネクタ穴１１ｇに一方向に挿入するだけで光コネク
タ１４を確実かつ容易に位置決めすることができ、局外
光ファイバ心線２２と局内光ファイバ心線Ｆとの接続作
業の作業能率が向上する。

【００３８】なお、前記光アダプタとしては、本実施例
では４心用のものを記載したが、例えば８心用等のさら
に多心用のものを使用してもよい。局内側、局外側のそ
れぞれの単心光ファイバ心線としては、コード径２．０
ｍｍのものを用いたが、コード径１．５ｍｍ程度であっ
ても構わない。分岐モジュールとしては、８心用のもの
を用いたが、例えば１６心用等、さらに多心用のものを
使用しても構わない。また、例えば８心用の光アダプ
タ、１６心用の分岐モジュールを用いた場合には、一台
の光配線架によって前記した例の２倍の心線数の光ケー
ブルにも対応したＦＴＭを構成することができる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の光配線架
によれば、少なくとも分岐モジュール、光コネクタを、
パッケージ内に取りまとめて収納支持し、このパッケー
ジをフレームに支持するだけで光コネクタがフレーム面
から突出して光ファイバを接続可能な状態となるように
したので、光コネクタと光ファイバ心線との接続作業等
がフレームの外での作業となってその作業性が向上する
とともに、分岐モジュールや光コネクタの位置決めやテ
ープコードの余長部の収納も容易に行うことができる。
また、薄板状パッケージをフレームに支持した後も、薄
板状パッケージをフレームから引き抜くだけで目的の分
岐モジュール、光コネクタをフレーム外に取り出すこと
ができ、分岐モジュール、光コネクタの交換やメンテナ
ンスを容易に行うことができる。

【００４０】また本発明によれば、光ケーブルと光ファ
イバ心線との接続方向と、薄板状パッケージがフレーム
に支持された際の向きとが一致されているので、フレー
ムに支持する際に光コネクタを一方向に移動するだけで
確実かつ容易に薄板状パッケージを光ファイバ接続可能
位置に位置決めすることができ、光ケーブルと光ファイ
バ心線との接続の作業能率が向上する。

【００４１】さらに本発明によれば、薄板状パッケージ
は開口部から分岐モジュールを薄板状パッケージの内外
に自由に出し入れできるので、薄板状パッケージをフレ
ームに支持後も分岐モジュール、光コネクタの交換やメ
ンテナンス等を自由に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の光配線架の一実施例を示す側断面図
である。

【図２】 前記光配線架における薄板状パッケージの支
持状態を示す斜視図である。

【図３】 図１の全体側断面図である。

【図４】 図３の正面図である。

【図５】 本発明の光配線架における薄板状パッケージ
を示す正面図である。

【図６】 本発明の光配線架に用いられる板状ゴム部材
を示す拡大平面図である。

【図７】 従来例の光配線架を示す側断面図である。

【図８】 図７の正面図である。

【符号の説明】

１１…フレーム、１２…分岐モジュール、１３…分岐器
（分岐固定部）、１４…光コネクタ、１５…薄板状パッ
ケージ、１７…局外光ケーブル、１８…テープコード、
１８ａ…ファンアウト部、１８ｂ…余長部、２２…光フ
ァイバ心線、Ｆ…光ファイバ心線

フロントページの続き (72)発明者 横須賀 洋 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フ ジクラ 佐倉工場内 (72)発明者 富田 信夫 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 跡部 直之 東京都千代田区内幸町１丁目１番６号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−107416（ＪＰ，Ａ) 特表 平６−508700（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G02B 6/00 336 G02B 6/38

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ケーブルを光コネクタ接続により光フ
   ァイバ心線へ分岐接続するための光配線架であって、 前記光コネクタが複数配列された棚状のフレーム内に分
   岐モジュールが複数配置されてなり、前記光ケーブルか
   ら導出されたテープコードが、前記分岐モジュール内を
   経由して前記フレームの内側から前記光コネクタに接続
   され、該光コネクタに前記フレームの外側から光ファイ
   バ心線が接続される光配線架において、 少なくとも前記分岐モジュールと、前記テープコードの
   余長部と、前記光コネクタとを内部に収納した薄板状パ
   ッケージが前記フレームに横並びに支持され、かつ前記
   フレームに多段に配置され、前記フレームに支持した際
   にフレーム外側に臨む前記薄板状パッケージの端部に前
   記光コネクタが突設され、かつ前記薄板状パッケージの
   一側部に、前記分岐モジュールを薄板状パッケージの内
   外に出し入れ可能とする開口部が設けられ、前記薄板状
   パッケージを前記フレームに支持した状態で、前記テー
   プコードが接続された分岐モジュールを前記薄板状パッ
   ケージの内外に出し入れ可能な構成としたことを特徴と
   する光配線架。
2. 【請求項２】 光ケーブルを光コネクタ接続により光フ
   ァイバ心線へ分岐接続するための光配線架であって、 前記光コネクタが複数配列された棚状のフレーム内に分
   岐モジュールが複数配置されてなり、前記光ケーブルか
   ら導出されたテープコードが、前記分岐モジュール内を
   経由して前記フレームの内側から前記光コネクタに接続
   され、該光コネクタに前記フレームの外側から光ファイ
   バ心線が接続される光配線架において、 少なくとも前記分岐モジュールと、前記テープコードの
   ファンアウト部および余長部および分岐固定部と、前記
   光コネクタとを内部に収納した薄板状パッケージが前記
   フレームに横並びに支持され、かつ前記フレームに多段
   に配置され、前記フレームに支持した際にフレーム外側
   に臨む前記薄板状パッケージの端部に前記光コネクタが
   突設され、かつ前記薄板状パッケージの一側部に、前記
   分岐モジュールを薄板状パッケージの内外に出し入れ可
   能とする開口部が設けられ、前記薄板状パッケージを前
   記フレームに支持した状態で、前記テープコードが接続
   された分岐モジュールを前記薄板状パッケージの内外に
   出し入れ可能な構成とした ことを特徴とする光配線架。
3. 【請求項３】 請求項２記載の光配線架において、薄板
   状パッケージのフレームに対する支持方向と、前記光コ
   ネクタに対する光ファイバ心線の接続方向とが一致され
   ていることを特徴とする光配線架。