JP3255222B2 - 盗難を防止するためのタグ - Google Patents

盗難を防止するためのタグ

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JP3255222B2 JP31960896A JP31960896A JP3255222B2 JP 3255222 B2 JP3255222 B2 JP 3255222B2 JP 31960896 A JP31960896 A JP 31960896A JP 31960896 A JP31960896 A JP 31960896A JP 3255222 B2 JP3255222 B2 JP 3255222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、盗難を監視する物
品の無断持ち出しを報知するためのタグに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の盗難防止用タグとして、
盗難監視用の物品に取付けられたタグの共振回路部が電
波発信装置からの特定周波数の電波に共振し、タグが盗
難監視用の物品から分離されたか否かを分離検知手段が
検出し、分離検知手段の検出出力に基づいて分離報知部
が報知音出力手段を制御するように構成された盗難防止
用タグが開示されている(特開平8−185584)。
この盗難防止用タグでは、共振回路部が絶縁性誘電体の
薄膜の両面にエッチング等により所定形状の導電性金属
箔を形成して構成される。例えば、薄膜表面に、導電性
金属箔により渦巻状に形成された誘導回路部分と、この
誘導回路部分の渦巻状の中心部に誘導回路部分に連続す
るコンデンサ回路部分の表面側平面パターンとが形成さ
れる。上記分離検知手段はタグの物品への取付面に突出
する作動バーを有する取外し検出スイッチであり、この
検出スイッチには電源とブザーが電気的に接続される。
この取外し検知スイッチと電源とブザーにより構成され
る回路が分離報知部であり、ブザーが報知音出力手段で
ある。タグを物品に取付けると、作動バーが物品により
押込まれて上記取外し検知スイッチがオフの状態にな
り、タグを物品から外すと、作動バーが突出して取外し
検知スイッチがオンするようになっている。
【0003】また上記盗難監視用の物品を販売する店の
出入り口には送信アンテナと受信アンテナとが互いに所
定の間隔をあけて立設され、これらのアンテナは制御部
に電気的に接続される。制御部は共振回路部で共振する
周波数の電波を送信アンテナから送信させるとともに、
受信アンテナからの受信信号の信号レベルを常にチェッ
クするように構成される。更に制御部の制御出力には警
報を発するスピーカが接続される。このように構成され
た盗難防止用タグでは、盗難を監視している物品が未清
算のまま送信アンテナ及び受信アンテナ間を通過しよう
とすると、送信アンテナから送信された電波が盗難防止
用の物品に取付けられたタグの共振回路部で共振するた
め、受信アンテナには受信レベルの変調された受信信号
が受信される。この結果、制御部はスピーカから警報を
発し、未清算商品の持ち出しをチェックできる。またタ
グを物品から取外すと、作動バーが突出して取外し検知
スイッチがオンするので、ブザーが鳴動し、確実に盗難
を監視することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の盗
難防止用タグでは、表面がアルミニウム等の導電性材料
や鋼板等の強磁性材料により形成された物品にタグを取
付けると、共振回路部の自己インダクタンスが変化する
ため、表面が絶縁性材料や非磁性材料により形成された
物品にタグを取付けた場合と比較して、共振回路部の共
振周波数が変わってしまい、盗難防止用タグとして不適
切であった。本発明の目的は、盗難監視用の物品の表面
がどのような材料により形成されていても、或いは共振
周波数が高くても、共振回路部の共振周波数が変化する
ことがない、盗難を防止するためのタグを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1、図3〜図5及び図7に示すように、盗難監視用の
物品11に取付けられ送信アンテナ13から送信された
特定周波数の電波に共振する共振回路部14を有する盗
難を防止するためのタグ12の改良である。その特徴あ
る構成は、物品11の取付面と共振回路部14との間に
軟磁性材料により形成された軟磁性層76が介装され、
軟磁性層76の中央に無スリット部76eが形成され、
無スリット部76e周縁から軟磁性層76に複数のスリ
ット76c放射状に形成されたところにある。この請
求項1に係る盗難を防止するためのタグでは、表面がア
ルミニウム等の導電性材料や鋼板等の強磁性材料により
形成された物品11に軟磁性層76を介して共振回路部
14を取付けると、共振回路部14は軟磁性層76によ
り上記物品11から電磁遮蔽されるため、共振回路部1
4の自己インダクタンスは表面が絶縁性材料や非磁性材
料により形成された物品に取付けた場合と殆ど変わらな
い。また共振周波数が高くても、軟磁性層76に発生す
る渦電流がスリット76cにより遮断されるので、共振
回路部14の自己インダクタンスは上記と同様に殆ど変
わらない。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に軟磁性層を形成する軟磁性材料がアモ
ルファス合金、パーマロイ、電磁軟鉄、ケイ素鋼板、セ
ンダスト合金、Fe−Al合金又は軟磁性フェライトの
いずれかであることを特徴とする。アモルファス合金と
しては、コバルト系、鉄系、ニッケル系等の高透磁率材
料が用いられる。アモルファス合金はCo,Fe,Ni
を合計70〜98重量%にB,Si,Pを合計2〜30
重量%含み、その他Al,Mn,Zr,Nb等を含む。
【0007】コバルト系合金の具体的例としては、Co
−84重量%とFe−5.3重量%とSi−8.5重量
%とB−2.2重量%からなる合金、Co−84重量%
とFe−3.3重量%とB−1.3重量%とP−9.8
重量%とAl−1.6重量%からなる合金、Co−89
重量%とFe−5.3重量%とSi−2.3重量%とB
−3.4重量%からなる合金、Co−81.9重量%と
Fe−5.1重量%とSi−10重量%とB−3重量%
からなる合金、Co−80重量%とFe−10重量%と
Si−6重量%とB−4重量%からなる合金、Co−7
8.8重量%とFe−5.1重量%とSi−6.1重量
%とB−4.7重量%とNi−5.3重量%からなる合
金等がある。鉄系合金の具体的例としては、Fe−9
5.4重量%とB−4.6重量%からなる合金、Fe−
91.4重量%とSi−5.9重量%とB−2.7重量
%からなる合金等がある。Ni系合金の具体的例として
は、Ni−94.5重量%とP−5.5重量%からなる
合金等がある。
【0008】パーマロイとしては、78-Permalloy,45-P
ermalloy,Hipernik,Monimax,Sinimax,Radiometal,
1040 Alloy,Mumetal,Cr-Permalloy,Mo-Permalloy,S
upermalloy,Hardperm,36-Permalloy,Deltamax,角形
ヒステリシスパーマロイ,JIS PB 1種及び2種,JIS PC
1種〜3種,JIS PD 1種及び2種,JIS PE 1種及び2種等が
用いられる。電磁軟鉄としては、工業純鉄、アームコ
鉄、Cioffi純鉄、低炭素鋼板等が用いられる。ケイ素鋼
板としては、無方向性ケイ素鋼板、方向性ケイ素鋼板等
が用いられる。センダスト・Fe−Al合金としては、
アルパーム、ハイパーマル、センダスト、スーパーセン
ダスト等が用いられる。軟磁性フェライトとしては、低
磁束密度のMn−Mg系合金、Mn−Zn系合金、Ni
−Zn系合金や、高磁束密度のMn−Zn系合金等が用
いられる。この請求項2に係る盗難防止用タグでは、軟
磁性層として上記軟磁性材料を用いると、透磁率が10
00以上と大きく、保磁力が100A/m以下と小さ
く、かつヒステリシス損が小さいため、表面が上記導電
性材料や強磁性材料により形成された物品から共振回路
部を確実に電磁遮蔽できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図5に示すよう
に、盗難監視用の物品11に取付けられたタグ12は送
信アンテナ13から送信された特定周波数の電波に共振
する共振回路部14と、物品11の取付面と共振回路部
14との間に介装された軟磁性層16とを備える。物品
11はこの実施の形態では強磁性材料である鋼板製の容
器11aに収納された飲料水や食用油やキャンディ等で
ある。共振回路部14は紙やプラスチック薄板等の絶縁
性材料により形成されたベース板17と、ベース板17
の一方の面に銅やアルミニウム等の導電性材料により略
正方形の渦巻き状に形成されたコイル部18と、ベース
板17の一方の面に接着され上記コイル部18と電気的
に接続されたコンデンサ19とを有する(図1及び図
2)。コンデンサ19は誘電体層(図示せず)を介して
互いに接着された一対の電極層19aにより構成され
る。コイル部18は絶縁導線を略正方形に渦巻き状に巻
回してベース板17に貼付けることにより形成され、或
いはベース板17に積層したアルミニウム箔や銅箔等の
導電性材料をエッチング法又は打抜き法等により不要部
分を除去して略正方形の渦巻き状に形成される。
【0010】また軟磁性層16は接着剤層20を介して
積層された2枚の第1及び第2層16a,16bを有す
る(図1、図3及び図4)。接着剤層20は絶縁フィル
ムの両面に接着剤を塗布することにより形成され、第1
及び第2層16a,16bは接着剤層20により互いに
電気的に絶縁される。これは第1層16a又は第2層1
6bにて発生した渦電流が第2層16b又は第1層16
aに流れるのを防止するためである。第1層16aには
縦方向中央に横方向に延びる所定幅の部分を除いて、縦
方向に所定の間隔をあけて複数の第1スリット16cが
形成される(図3)。また第2層16bには横方向中央
に縦方向に延びる所定幅の部分を除いて、横方向に所定
の間隔をあけて複数の第2スリット16dが形成される
(図4)。これらのスリット16c,16dはエッチン
グ法、打抜き法、エレクトロンビーム法、レーザ溶断法
等により形成される。第1層16aと第2層16bとを
スリット16c,16dが互いに直角になるように積層
するのは、スリット16c,16dの方向がコイル部1
8の方向と直角のときに最も効率良く渦電流の発生を阻
止できるのに対し、スリット16c,16dの方向がコ
イル部18の方向と平行のときには殆ど渦電流の発生を
阻止できず、この殆ど渦電流の発生を阻止できない場合
のスリット16c,16dの方向の程度を少しでも緩和
するためである。また、1枚の軟磁性層で渦電流の発生
を阻止するためには後述する第3の実施の形態及び図7
に示すように、スリットを放射状に形成することが好ま
しい。
【0011】スリット16c,16dの幅を狭くしても
これらの層16a,16bに発生する渦電流の電圧が微
小であるため、スリット16c,16dにて放電が発生
することはない。またスリット16c,16dの幅を大
きくすると、軟磁性層16の体積が小さくなってこの軟
磁性層16による電磁遮蔽の効果が減少する。このた
め、性能上スリット16c,16dの幅は可能な限り狭
い方がよいが、スリット16c,16dの加工上の制約
がある。よって、エッチング法による場合、スリット1
6c,16dの幅は0.05mm〜1mm、好ましくは
0.05mm〜0.2mmである。打抜き法による場
合、スリット16c,16dの幅は0.1mm〜2m
m、好ましくは0.1mm〜0.2mmである。エレク
トロンビーム法による場合、スリット16c,16dの
幅を1μm〜100μm、好ましくは1μm〜10μm
である。また複数のスリット16c,16dにより分断
される第1及び第2層16a,16bの幅は狭いほど渦
電流が少なくなるが、スリット16c,16dの数が増
すと1本のスリット16c,16dの容積にスリット1
6c,16dの数を掛けた容積分だけ第1及び第2層1
6a,16bの体積がそれぞれ減り、これらの層16
a,16bによる電磁遮蔽の効果が減少する。よって、
スリット16c,16dの数は1〜100本/cm、好
ましくは5〜30本/cmである。
【0012】第1及び第2層16a,16bはアモルフ
ァス合金、パーマロイ、電磁軟鉄、ケイ素鋼板、センダ
スト合金、Fe−Al合金又は軟磁性フェライトのいず
れかの軟磁性材料によりそれぞれ形成される。互いに接
着された第1及び第2層16a,16b、即ち軟磁性層
16はベース板17と略同一の面積を有する平板状に形
成され、接着剤21によりコイル部18及びコンデンサ
19が形成されたベース板17の一方の面に接着され
る。またベース板17に接着された軟磁性層16は接着
剤22を介して上記物品11の表面、即ち鋼板製の容器
11aの表面に取付けられる(図1、図2及び図5)。
【0013】上記物品11を販売する店の出入り口(図
示せず)には上記送信アンテナ13と受信アンテナ23
とが互いに所定の間隔をあけて立設される(図5)。受
信アンテナ23は制御部24の制御入力に接続され、制
御部24の制御出力に送信アンテナ13が接続される。
また制御部24の制御出力には警報を発するスピーカ2
6が接続される。制御部24は共振回路部14で共振す
る周波数の電波を送信アンテナ13から送信させるとと
もに、受信アンテナ23からの受信信号の信号レベルを
常にチェックするように構成される。即ち、送信アンテ
ナ13から送信された電波を直接受信アンテナ23が受
信した場合の信号レベルを基準値とし、送信アンテナ1
3から送信された電波がタグ12の共振回路部14で共
振して受信アンテナ23が受信すると、この信号レベル
は上記基準値より所定値だけ大きくなるが、このとき制
御部24はスピーカ26を鳴動させるように構成され
る。
【0014】このように構成された盗難防止用タグの動
作を説明する。タグ12が取付けられた物品11を店か
ら無断で持出そうとして送信アンテナ13及び受信アン
テナ23間を通過すると、送信アンテナ13から送信さ
れた電波をタグ12の共振回路部14が拾って共振を起
こす。このとき共振回路部14は軟磁性層16により上
記物品11の鋼板製の容器11aから電磁遮蔽されるた
め、共振回路部14の自己インダクタンスは殆ど変化し
ない。また送信アンテナ13から送信された電波の周波
数が高くても、即ち共振回路部14の共振周波数が高く
ても、第1及び第2層16a,16bの互いに直交する
第1及び第2スリット16c,16dにより第1及び第
2層16a,16bに同心円上に流れるように発生する
渦電流が分断され、渦電流の発生を防止できるので、上
記と同様に共振回路部14の自己インダクタンスは殆ど
変化しない。この結果、コイル部18の自己インダクタ
ンスとコンデンサ19の容量により予め定められた周波
数の電波が共振回路部14から再放射される。この再放
射された電波を受信アンテナ23が受信すると、この受
信信号に基づいて制御部24は料金を支払っていない物
品11が無断で持出されることを検出するので、スピー
カ26を鳴動して警報を発する。一方、正規に料金を支
払った場合には、会計場所(図示せず)でタグ12に強
い電波を放射して共振回路部14のコンデンサ19を破
壊する。この結果、送信アンテナ13及び受信アンテナ
23間をその物品11が通過しても、共振回路部14共
振しないので、制御部24はスピーカ26を鳴動させな
い。
【0015】なお、この実施の形態では、物品として強
磁性材料である鋼板製の容器に収納された飲料水や食用
油やキャンディを挙げたが、導電性材料であるアルミニ
ウム製の容器に収納された飲料水等でも、或いは絶縁性
材料や非磁性材料やその他のどのような材料により形成
された物品でもよい。物品が本である場合には、本発明
のタグを売上げカードに接着剤により取付けることがで
き、正規に購入された本は店の会計場所で上記売上げカ
ードが抜取られるので、送信アンテナ及び受信アンテナ
間を通過してもスピーカが警報を発することはない。ま
た、この実施の形態では、コイル部を略正方形の渦巻き
状に形成したが、略円形の渦巻き状又はその他の形の渦
巻き状に形成してもよい。また、この実施の形態では、
第1及び第2層の2枚の軟磁性層を用いたが、3枚以上
の軟磁性層を用いてもよい。この場合には、各軟磁性層
のスリットを所定の角度ずつずらして形成することが好
ましい。また、軟磁性層の厚さは電磁遮蔽効果が示され
る限り、特に限定されないが、実用上は5μm〜500
μmの範囲にあることが好ましい。更に、この実施の形
態では、軟磁性を接着剤を介して物品の表面に取付け
たが、両面に粘着剤が塗布された粘着テープを介して物
品の表面に取付けてもよい。
【0016】図6は本発明の第2の実施の形態を示す。
この実施の形態では、軟磁性層46の第1層46a及び
第2層(図示せず)の複数の第1スリット46c及び第
2スリット(図示せず)が所定の間隔をあけて互いに平
行にかつ第1層46a及び第2層をそれぞれ複数の短冊
状に分離するように形成されることを除いて、上記第1
の実施の形態と同一に構成される。上記第1層46a及
び第2層に第1スリット46c及び第2スリットを形成
するには、絶縁フィルムに軟磁性箔を貼付けた後、エッ
チング法により行われる。このように構成された盗難を
防止するためのタグの動作は、上記第1の実施の形態と
略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0017】図7は本発明の第3の実施の形態を示す。
この実施の形態では、軟磁性層76の複数のスリット7
6cが軟磁性層76中央の無スリット部76e周縁から
放射状に形成される。上記スリット76cはエッチング
法、打抜き法、エレクトロンビーム法、レーザ溶断法等
により形成される。このように構成された盗難を防止す
るためのタグでは、スリット76cの本数がある程度限
定されてしまうので、渦電流防止の効果は上記第1の実
施の形態の軟磁性層より劣るが、スリット76cの方向
が一定でなく磁気的に方向性がないので、1枚の軟磁性
層76でも渦電流を防止でき、また複数の軟磁性層76
を用いる場合にもスリット76cの方向を考慮しなくて
済むことを除いて、動作は上記第1の実施の形態と略同
様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1〜図4に示すように、物品11に取付
けられるタグ12の共振回路部14のベース板17を絶
縁材料である紙により縦、横及び厚さがそれぞれ40m
m、40mm及び0.1mmの板状に形成し、このベー
ス板17の一方の面に直径0.2mmの絶縁導線を略正
方形の渦巻き状に9回巻回して形成したコイル部18を
貼付けた。このコイル部18の最も外側の辺の長さは3
0mmであり、最も内側の辺の長さは10mmであっ
た。但し、図2に示すコンデンサ19はコイル部18の
両端に接続しなかった。これは共振回路部14の共振周
波数が上記物品11の材質により変化するのはコイル部
18の自己インダクタンスが変化するためであり、コン
デンサ19の容量は物品11の材質が変わっても変化し
ないためである。
【0019】またベース板17の一方の面にコイル部1
8を挟んで軟磁性層16を接着した。軟磁性層16は第
1層16a、第2層16b、第3層(図示せず)及び第
4層(図示せず)の4つの層からなり、これらの層16
a,16bは80重量%のCoと10重量%のFeと6
重量%のSiと4重量%のBからなる合金により縦、横
及び厚さが40mm、40mm及び25μmにそれぞれ
形成した。第1層には図3に示すように縦方向中央に横
方向に延びる所定幅の部分を除いて、縦方向に所定の間
隔をあけて複数の第1スリット16cを形成した。第2
層16bには図4に示すように横方向中央に縦方向に延
びる所定幅の部分を除いて、横方向に所定の間隔をあけ
て複数の第2スリット16dを形成した。
【0020】第3層には第1スリット16cと同一の第
3スリット(図示せず)を形成し、第4層には第2スリ
ット16dと同一の第4スリット(図示せず)を形成し
た。第1〜第4スリット16c,16dは方向が異なる
のみでこれらの幅及び間隔等を同一に形成した。即ちス
リット16c,16dの幅、長さ及び間隔はそれぞれ
0.15mm、35mm及び0.85mmであり、中央
のスリットが形成されない部分の幅は2mmであった。
また第1層16a及び第3層ではスリット16cを上下
それぞれ39本ずつ、合計68本形成し、第2層16b
及び第4層ではスリット16dを左右それぞれ39本ず
つ、合計68本形成した。これらの層16a,16bを
電気絶縁性を有する接着剤層20を介して互いに接着し
た。このタグ12を実施例1とした。
【0021】<比較例1>図示しないが軟磁性層の第1
〜第4層にスリットを形成しないことを除いて、上記実
施例1と同様にタグを形成した。
【0022】<比較試験及び評価> 実施例1及び比較例1のタグをそれぞれアクリル板(厚
さ1mm)、アルミ板(厚さ1mm)及び鋼板(厚さ1
mm)上に置き、これらのタグのコイル部をRFインピ
ーダンス・アナライザHP 4191A(横河ヒューレ
ット・パッカード社製)に接続し、周波数を変えてコ
ル部自己インダクタンスL及びQ値を測定した。ここ
でQ値とは、角周波数をωとし、共振回路部の抵抗分を
rとするとき、ωL/rで定義される数値であり、Q値
が高いほど渦電流等による損失が少なくなり、共振の幅
が鋭くなることが知られている。なお、Q値は上記RF
インピーダンス・アナライザに直接表示される。その結
果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、実施例1及び比
較例1のタグをアクリル板、アルミ板及び鋼板のいずれ
の上に置いても、電波の各周波数に対する自己インダク
タンスは殆ど変わらなかったが、実施例1のQ値は比較
例1のQ値と比較して大幅に大きくなった。これは、実
施例1のタグは比較例1のタグに比べて渦電流等による
損失が少なく、共振の幅が鋭くなっていることを示す。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、盗
難監視用の物品に取付けられたタグが送信アンテナから
送信された特定周波数の電波に共振する共振回路部を有
し、物品の取付面と共振回路部との間に軟磁性材料によ
り形成された軟磁性層を介装し、更に軟磁性層に複数の
スリットを形成したので、共振回路部は軟磁性層により
表面が導電性材料や強磁性材料にて形成された上記物品
から電磁遮蔽されるため、共振回路部の自己インダクタ
ンスは殆ど変わらない。即ち、上記物品に取付けた共振
回路部の共振周波数は、表面が絶縁性材料や非磁性材料
により形成された物品に取付けた場合と略同一になる。
また共振周波数が高くても、軟磁性層に発生する渦電流
がスリットにより遮断されるので、共振回路部の自己イ
ンダクタンスは上記と同様に殆ど変わらない。更に軟磁
性層を形成する軟磁性材料がアモルファス合金、パーマ
ロイ、電磁軟鉄、ケイ素鋼板、センダスト合金、Fe−
Al合金又は軟磁性フェライトのいずれかであれば、こ
れらの軟磁性材料は透磁率が大きく、保磁力が小さく、
かつヒステリシス損が小さいため、表面が導電性材料や
強磁性材料により形成された物品から共振回路部を確実
に電磁遮蔽できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の盗難を防止するためのタ
グを示す図2のA−A線断面図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】図1のC−C線断面図。
【図4】図1のD−D線断面図。
【図5】そのタグが取付けられた物品を送信アンテナ及
び受信アンテナ間を通過させている状態を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図3に対応する断
面図。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図3に対応する断
面図。
【符号の説明】
11 物品 12 タグ 13 送信アンテナ 14 共振回路部 16,46,76 軟磁性層 16c,16d,46c,76c スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−222937(JP,A) 特開 平7−320978(JP,A) 実開 昭59−182791(JP,U) 実公 平7−82592(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 盗難監視用の物品(11)に取付けられ送信
    アンテナ(13)から送信された特定周波数の電波に共振す
    る共振回路部(14)を有する盗難を防止するためのタグ(1
    2)において、 前記物品(11)の取付面と前記共振回路部(14)との間に軟
    磁性材料により形成された軟磁性層(76)が介装され、前記軟磁性層(76)の中央に無スリット部(76e)が形成さ
    れ、 前記無スリット部(76e)周縁から 前記軟磁性層(76)に複
    数のスリット(76c)放射状に形成されたことを特徴と
    する盗難を防止するためのタグ。
  2. 【請求項2】 軟磁性層を形成する軟磁性材料がアモル
    ファス合金、パーマロイ、電磁軟鉄、ケイ素鋼板、セン
    ダスト合金、Fe−Al合金又は軟磁性フェライトのい
    ずれかである請求項1記載の盗難を防止するためのタ
    グ。
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