JP3255146B2 - ビデオデッキおよびビデオデッキの映像調整方法 - Google Patents

ビデオデッキおよびビデオデッキの映像調整方法

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JP3255146B2 JP11497799A JP11497799A JP3255146B2 JP 3255146 B2 JP3255146 B2 JP 3255146B2 JP 11497799 A JP11497799 A JP 11497799A JP 11497799 A JP11497799 A JP 11497799A JP 3255146 B2 JP3255146 B2 JP 3255146B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオデッキおよ
びビデオデッキの映像調整方法に関し、特に、ビデオ信
号に重畳されたワイド信号を抽出し、再生する映像をソ
フトにする所定の映像調整処理を実行するビデオデッキ
およびビデオデッキの映像調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオ信号に記録されている所定の制御
信号に基づいて再生される映像を映像調整処理を実施し
ソフトにする機能は、レンタルビデオテープを視聴する
場合に適用されている。レンタルビデオテープは、多く
の利用者に視聴されるという使用形態上、ビデオテープ
に記録されているビデオ信号の劣化は、通常、一般家庭
などで利用するビデオテープと比較して大きくなってい
る。このようなレンタルビデオテープを再生すると、上
述した劣化は映像上に入るノイズ成分の原因となり、利
用者は画質の低下した映像を視聴することになる。そこ
で、レンタルビデオテープを再生するに際して、利用者
は、ビデオデッキが備える映像をソフトにする映像調整
処理を実行する機能を選択し、ノイズ成分を低減するこ
とにより画質を向上させ、視聴を良好にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のビデオ
デッキにおいて、利用者は手動で映像をソフトにする映
像調整処理を実行する機能を選択しなければならないた
め、操作が煩雑になっていた。
【0004】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、レンタルビデオテープに記録されているビデオ
信号の映像信号がワイド映像に対応しているか否かを検
出し、ワイド映像に対応していればレンタルビデオテー
プと判別し、再生される映像をソフトにする映像調整処
理を実行することが可能なビデオデッキおよびビデオデ
ッキの映像調整方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、ビデオテープに記録され
ているビデオ信号の映像信号および同ビデオ信号に重畳
されている所定の制御信号を再生する映像信号再生手段
と、 上記映像信号に対して再生される映像を複数のレ
ベルにてソフトにすることが可能な所定の映像調整処理
を実行する映像調整手段と、上記映像信号を再生するに
際して、その映像がワイド映像であるか否かを判定する
ワイド映像判定手段と、上記ワイド映像判定手段にて映
像がワイド映像と判定されると、利用者に対して映像を
ソフトにするか否かを提示して選択させるとともに、ソ
フトにするが選択された場合に、さらに上記複数のレベ
ルを提示して選択させて上記映像調整手段にこの選択に
応じた所定の映像調整処理を実行させることにより再生
される映像をソフトにする制御を実行する映像調整制御
手段とを具備する構成としてある。
【0006】上記のように構成した請求項1にかかる発
明において、映像信号再生手段は、ビデオテープに記録
されているビデオ信号の映像信号および同ビデオ信号に
重畳されている所定の制御信号を再生する。そして、ワ
イド映像判定手段は、映像信号再生手段が映像信号を再
生するに際して、上記ビデオ信号に基づいて再生される
映像がワイド映像であるか否かを判定する。ここで、映
像調整手段は、映像信号に対して再生される映像をソフ
トにする所定の映像調整処理を実行することが可能にな
っている。従って、映像調整制御手段は、ワイド映像判
定手段にて映像がワイド映像と判定されると、映像調整
手段に所定の映像調整処理を実行させ、再生される映像
をソフトにする制御を実行する。この映像調整手段は、
再生する映像を段階的に複数のレベルでソフトにするこ
とが可能であるとともに、映像調整制御手段は、映像調
整手段にて再生する映像をソフトにさせるに際し、ソフ
トにするか否かを提示して選択させる。そして、映像調
整制御手段は、この複数のレベルを提示して選択させ同
映像調整手段に選択に応じた映像調整処理を実行させて
映像をソフトにする。
【0007】すなわち、再生されるビデオテープに記録
されている映像がワイド映像に対応している場合、この
ようなビデオテープは予め映画などの映像が記録されて
いるレンタルビデオテープである場合が多い。一方、レ
ンタルビデオテープはその使用形態上、記録されている
ビデオ信号の劣化が否めない。従って、ビデオ信号の劣
化があると再生される映像にノイズ成分が入り画質の低
下を招くことが多い。そこで、再生される映像がワイド
映像であると、適用されているビデオテープをレンタル
ビデオテープと認識し、ノイズ成分を低減するために映
像をソフトにする所定の映像調整処理を実施し、再生さ
れる映像の画質を向上させている。これにより、利用者
は映像調整処理にて画質が向上した映像を視聴すること
が可能になる。また、再生される映像をソフトにする映
像調整処理を実行するに際し、映像調整処理の有無を利
用者に選択させると、利用者はソフトにする必要がない
場合は、ソフトにしない項目を選択すればよいし、ソフ
トにしたい場合はソフトを行う項目を選択すればよく、
利用者は所望の再生された映像を得ることが可能にな
る。そして、ソフトにする場合、映像をソフトに調整可
能な複数のレベルの中から、最良のものを選択すること
ができると利用者の好み、感性に応じて適宜映像をソフ
ト化することができて好適である。
【0008】ここで、映像信号再生手段は、ビデオテー
プを再生するものであり、これによって映像信号とその
同期信号とが再生されれば良い。従って、その形式につ
いては特に限定されるものではなく、VHS方式であっ
たり、ベータ方式であったり、8ミリ方式であるなど広
く適用可能である。また、その性質上、アナログ方式の
ビデオテープの再生において好適である。また、映像調
整手段は、映像信号に対する映像調整処理を行うが、結
果的に映像をソフトにさせる映像調整処理が可能であれ
ばよく、その意味で映像信号は広義なものと解釈される
べきである。すなわち、どの段階であろうとも映像を表
す性質のものであれば広義な意味での映像信号と呼ぶこ
とにする。
【0009】ワイド映像判定手段は映像がワイド映像で
ある判定する手法は多種の方法が観念される。そこで、
ビデオ信号に基づいて再生される映像がワイド映像であ
るか否かを判定する具体的な手法の一例として、請求項
2にかかる発明は、請求項1に記載のビデオデッキにお
いて、上記ワイド映像判定手段は、上記重畳された制御
信号のうちワイド映像を指示するワイド信号を抽出し、
映像がワイド映像であるか否かを判定する構成としてあ
る。上記のように構成した請求項1にかかる発明におい
て、ワイド映像判定手段は、ビデオ信号の所定の領域に
重畳された制御信号のうちワイド映像を指示するワイド
信号を抽出し、映像がワイド映像であるか否かを判定す
る。ビデオ信号は、映像を再生する複数の走査線に対応
した映像信号が重畳されている。一方、走査線の中に
は、映像信号が重畳されていない、いわゆる「空き走査
線」が存在する。通常、この「空き走査線」には所定の
デジタルデータが重畳されビデオデッキ側でこのデジタ
ルデータを抽出し、各種の制御を実現している。ここ
で、このデジタルデータには、再生される映像がワイド
映像であることを指示するワイド信号が含まれているこ
とがある。そこで、このワイド信号の有無により映像が
ワイド映像であるか否かを判定する。
【0010】また、ビデオ信号に基づいて再生される映
像がワイド映像であるか否かを判定する具体的な手法の
他の一例として、請求項3にかかる発明は、請求項1に
記載のビデオデッキにおいて、上記ワイド映像判定手段
は、映像の上下の所定の領域が無映像であるか否かを検
出し、無映像の場合、映像をワイド映像と判定する構成
としてある。上記のように構成した請求項3にかかる発
明において、ワイド映像判定手段は、映像の上下の所定
の領域が無映像であるか否かを検出し、無映像の場合、
映像をワイド映像と判定する。ワイド映像は画面の上下
の所定領域が無映像、すなわち、輝度が無い状態となっ
ている。従って、画面上下の所定の領域の映像信号を解
析することにより、映像がワイド映像か否かを判定する
ことが可能になる。
【0011】
【0012】
【0013】映像調整処理は各種のものを含み、映像を
ソフトにする手法の一例として、請求項4にかかる発明
は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のビデオデッ
キにおいて、上記映像調整手段は、シャープネスの調整
が可能であるとともに、上記映像調整制御手段は、この
映像調整手段のシャープネスの調整で映像をソフトにさ
せる構成としてある。上記のように構成した請求項4に
かかる発明において、映像調整手段によってシャープネ
スの調整が可能であり、映像調整制御手段による制御に
従って同映像調整手段はシャープネスの調整で映像をソ
フトにする。
【0014】シャープネスの調整についての具体的な手
法は各種のものが上げられるが、例えば、高域の周波数
特性を劣化させるだけでも十分に映像はソフトになる。
また、必ずしもアナログ的に調整量を変化させなければ
ならないわけではなく、数段階の調整が可能となった構
成であっても良い。その一例として、請求項5にかかる
発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のビデオ
デッキにおいて、上記映像調整手段は、通常の映像のノ
ーマルモードと、映像をソフトにしたレンタルモードと
の切り替えが可能であるとともに、上記映像調整制御手
段は、所定の映像調整処理を実行させるにあたり、同映
像調整手段に対して切り替えを指示する構成としてあ
る。上記のように構成した請求項5にかかる発明におい
ては、通常の映像のノーマルモードと、映像をソフトに
したレンタルモードというように映像調整手段が二段階
のモードを切り替え可能となっているので、映像調整制
御手段は欠落率が大きいときに映像をソフトにするレン
タルモードを指示し、そうでないときにはノーマルモー
ドを指示する。むろん、より細分化した段階を備えてい
るものであっても良い。また、段階的に変化させるのは
シャープネスでも良いし、他の調整手法であっても構わ
ない。
【0015】このように、ビデオテープの所定の領域に
記録されている所定の制御信号に基づいて映像信号によ
り再生される映像を調整する手法は必ずしも実体のある
装置に限られる必要はなく、その方法としても機能する
ことは容易に理解できる。このため、請求項6にかかる
発明は、ビデオテープの所定の領域に記録されている所
定の制御信号に基づいて映像信号により再生される映像
を調整するビデオデッキの映像調整方法であって、ビデ
オテープに記録されているビデオ信号の映像信号および
同ビデオ信号に重畳されている所定の制御信号を再生す
る映像信号再生工程と、上記映像信号に対して再生され
る映像を複数のレベルにてソフトにする所定の映像調整
処理を実行する映像調整工程と、上記映像信号を再生す
るに際して、その映像がワイド映像であるか否かを判定
するワイド映像判定工程と、上記ワイド映像判定工程に
て映像がワイド映像と判定されると、利用者に対して映
像をソフトにするか否かを提示して選択させるととも
に、ソフトにするが選択された場合に、さらに上記複数
のレベルを提示して選択させて上記映像調整工程におい
てこの選択に応じた所定の映像調整処理を実行させるこ
とにより再生される映像をソフトにする制御を実行する
映像調整制御工程とを具備する構成としてある。すなわ
ち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法として
も有効であることに相違はない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、レンタル
ビデオテープに記録されているビデオ信号の映像信号が
ワイド映像に対応しているか否かを検出し、ワイド映像
に対応していればレンタルビデオテープと判別し、再生
される映像をソフトにする映像調整処理を実行すること
が可能であるとともに、利用者に再生される映像をソフ
トにするか否かを提示するため、利用者は再生される映
像に応じて所望の画質を得ることができ、再生される映
像をソフトにするにあたり、複数の段階から適切な映像
を選択できるビデオデッキを提供することができる。ま
た、請求項2にかかる発明によれば、ビデオ信号にデジ
タルデータとして重畳されているワイド信号の有無に基
づいて判定するため、ワイド信号の有無を確実に行うこ
とができる。また、請求項3にかかる発明によれば、映
像信号において画面上下の所定の領域が無映像であるか
否かを検出することにより、映像がワイド映像であるか
否かを判定することが可能になる。さらに、請求項4に
かかる発明によれば、映像をソフトにさせるにあたって
シャープネスを調整するだけであるので、既存のハード
ウェアなどを容易に流用可能となる。さらに、請求項5
にかかる発明によれば、予め備えられているレンタルビ
デオ用のレンタルモードを利用するだけであり、さらに
容易に構成できる。さらに、請求項6にかかる発明によ
れば、レンタルビデオテープに記録されているビデオ信
号の映像信号がワイド映像に対応しているか否かを検出
し、ワイド映像に対応していればレンタルビデオテープ
と判別し、再生される映像をソフトにする映像調整処理
を実行することが可能なビデオデッキの映像調整方法を
提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にか
かるビデオデッキを適用したテレビデオを概略ブロック
図により示している。同図において、チューナ10は、
マイコン20から同調周波数を指示され、アンテナ11
を介してテレビ放送電波を受信して中間周波信号を出力
する。この中間周波信号はテレビ受像機能全般をつかさ
どる1チップIC(1chipIC)40に供給されて
いる。また、チューナ10はマイコン20に対して直に
接続されるとともに、ビデオユニット30と1チップI
C40はIICバス50を介してマイコン20に接続さ
れ、同マイコン20は受信周波数の指示やテレビデオ全
体としての制御を実行している。
【0018】ビデオユニット30はビデオメカ部31に
おけるセンサからの抽出信号を受信しつつサーボモータ
を駆動したりヘッド信号の授受を行っており、ビデオテ
ープに対する録画再生、およびテープ送りなどを実行す
る。ビデオユニット30にはコンポジットのビデオ出力
端子32と、音声出力端子33とを備えており、ビデオ
再生時、これらのビデオ出力端子32と音声出力端子3
3から再生信号を出力する。また、IICバス50に
は、この他にもビデオユニット30のビデオ出力端子3
2からビデオ信号を入力し、同ビデオ信号の所定の領域
に重畳されたワイド信号を抽出する抽出用IC70など
も接続されている。
【0019】この抽出用IC70は、接続するビデオ出
力端子32を介してビデオユニット30がビデオテープ
より読み出したビデオ信号を入力し、同ビデオ信号をス
ライスし、所定の領域に重畳されたデジタルデータを読
み出す。そして、このデジタルデータにワイド信号など
のデータが含まれている場合、同データを抽出すること
が可能なデータスライサである。かかるワイド信号は、
再生されるビデオテープに記録されている映像をワイド
画面対応に表示させるように指示するものである。この
ようにしてビデオ信号の所定の領域に重畳されるデジタ
ルデータに含まれるデータには、時刻情報の他にも放送
局IDなども含まれるが、本実施形態においてはワイド
信号を取得する構成とする。そして、マイコン20は、
抽出用IC70により抽出されたワイド信号はIICバ
ス50を介して取得できる。ここで、上述したワイド信
号の重畳方法は、映像信号となる各水平走査信号間に数
ビットのディジタルデータを含めておき、数フレームを
使って一つのまとまったディジタルデータを送信する構
成を採用している。
【0020】本実施形態においては、ビデオユニット3
0が出力するコンポジットのビデオ信号がビデオテープ
に記録されている映像信号であるとともに同ビデオ信号
に重畳されている所定の制御信号を含んでいるため、か
かるビデオ信号を出力するビデオユニット30が映像信
号再生手段を構成する。ただし、映像信号再生手段はビ
デオテープに記録されている映像信号をその同期信号と
ともに再生することができるものであればよく、必ずし
もコンポジットのビデオ信号でなくてもRGB原色信号
と同期信号とを分離して出力するようなものであっても
良い。
【0021】ビデオ出力端子32と音声出力端子33は
1チップIC40のビデオ入力端子41と音声入力端子
42に接続されている。この1チップIC40は上記チ
ューナ10から入力される中間周波信号に基づいてテレ
ビ放送の受像処理一般を行なうものであり、映像につい
てはRGBの原色ドライブ信号を出力可能となってい
る。むろん、これに基づいて偏向信号の出力なども行っ
ているし、音声信号の検波復調なども同時に行ってい
る。
【0022】また、1チップIC40は入力ソースとし
てテレビとビデオの切り替えが可能であり、テレビを入
力ソースとする場合には映像中間周波信号を検波復調す
るとともに音声中間周波信号に基づいて検波復調し、ビ
デオ信号と音声信号を生成するものの、それ以降につい
てはビデオを入力ソースとする場合と共通となり、映像
については映像調整を行ってからRGBの原色ドライブ
信号に変換する。
【0023】1チップIC40が行なう映像調整は、コ
ントラスト調節や、輝度調節や、色相調節、および画質
調節などが含まれ、これらのうち画質調節についてはア
パーチャコントロール回路43によって行っている。ア
パーチャコントロール回路43は受像管における映像信
号の高域周波数成分の低下を補償するものであり、より
具体的には総合周波数特性を変化させて調節を行う。す
なわち、総合周波数特性を向上させると高周波成分の再
生が良好となるので画質がはっきりとし、総合周波数特
性を低下させると高周波成分がカットされて画質がソフ
トになる。
【0024】すなわち、ビデオユニット30で再生され
たコンポジットのビデオ信号は当該1チップIC40に
おけるアパーチャコントロール回路43によって映像調
整処理されることになり、このアパーチャコントロール
回路43が行なう映像調整処理は画質をはっきりさせた
りソフトにさせたりするので、アパーチャコントロール
回路43を含む1チップIC40が本発明の映像調整手
段を構成すると言える。なお、このアパーチャコントロ
ール回路43における周波数特性はマイコン20によっ
て制御されている。
【0025】本実施形態においては、アパーチャコント
ロール回路43が1チップIC40内に備えられている
が、図2に示すように映像調整処理を1チップIC40
と切り離して外部回路で行うものとし、その映像調整処
理のためにビデオ信号をアパーチャコントロール回路4
4に入力させるような構成としても良い。この場合、総
合周波数特性の指示はアパーチャコントロール指示端子
APCTLにて行うようにすれば良い。
【0026】また、必ずしもテレビデオのようにテレビ
受像機能を有している必要はなく、ビデオユニット30
内で映像調整処理するようにしても良い。図3は、ビデ
オユニット30を示しており、音声信号に関してはオー
ディオヘッド31aからの再生信号をイコライザ再生増
幅回路34aにて再生処理している。一方、映像信号に
関してはビデオヘッド31bからの再生信号をヘッドア
ンプ34bにて増幅処理した後、映像信号再生系34c
とカラー再生系34dに供給し、さらにYC混合回路3
4eによって混合してコンポジットのビデオ信号を出力
している。この映像処理系はいわゆる輝度信号の復調を
行なうものであり、この復調回路部分での周波数特性を
可変としておくとともに、外部からの制御信号によって
同周波数特性を調整可能としてある。
【0027】かかる構成としておけば、テレビ受像機能
がない場合であっても外部からの制御信号によって周波
数特性を変化させることにより、画質をはっきりさせた
りソフトにさせたりすることができ、映像調整処理が可
能となる。
【0028】ただし、上述した実施形態のものにおいて
はビデオユニット30のビデオ出力端子32と音声出力
端子33とを1チップIC40に入力させるとともに外
部出力端子60に接続し、直に外部出力可能としてい
る。これは視聴時に映像調整を行なったとしても外部に
出力されるのは映像調整を行っていない元の信号となる
ことを意味し、ダビングしようとしているときには周波
数特性に手を加えない状態で出力できるので好適と言え
る。
【0029】この他、映像をソフトにさせるか否かは必
ずしも上述した画質調整だけに限られるものではなく、
視聴者が感覚的にソフトに感じるような制御であれば構
わない。例えば、輝度調節回路などにおいて鮮鋭度を増
すために画像のエッジ部分にオーバーシュートやプレシ
ュートを加えて画像の輪郭を強調する二次微分回路など
においても、インダクタンス成分やキャパシタンス成分
を変化させることによっても可能である。
【0030】ここで、ビデオ信号の所定の走査線に重畳
されている制御信号について説明する。ビデオ信号は2
62.5本の走査線の粗い画面を2回に分け、走査線5
25本により1枚のラスタ画面を形成する。しかし、こ
の走査線の全てに映像信号が重畳されているのではな
く、図4(a)に示すように、そのうちの数本について
は、映像信号に使用されない空きの走査線が存在してい
る。かかる空きの走査線には、図4(b)に示すように
上述したデジタルデータが重畳され、このうちの所定の
パルスを示すデジタルデータがワイド信号に該当する。
抽出用IC70は、ビデオ信号をビデオユニット30か
ら入力し、この空き走査線からデジタルデータを抽出
し、ワイド信号の有無を判定する。
【0031】ここで、この抽出用IC70におけるワイ
ド信号の抽出の有無に応じて、マイコン20が実行する
映像出力処理を図5に示すフローチャートに基づいて説
明する。同図において、抽出用IC70はビデオユニッ
ト30がIICバス50を介して出力するビデオ信号を
入力する(ステップS100)。そして、このビデオ信
号の所定の空き走査線に重畳されているデジタルデータ
を所定の手法により抽出する(ステップS105)。か
かるデジタルデータを解析し、ワイド信号に該当するデ
ータが含まれているか否かを判定する(ステップS11
0)。ここで、ワイド信号が含まれていると判定する
と、抽出用IC70は、IICバス50を介してマイコ
ン20にワイド信号が含まれていることを通知する。マ
イコン20はこの通知を入力すると、図示しないOSD
(オンスクリーンディスプレイ)回路を動作させ、図6
(a)に示すように利用者に映像をソフトにするか否か
を「Yes」・「No」にて問い合わせる画面を表示さ
せる。そして、利用者の選択操作を待機して、利用者が
「Yes」を選択すると、マイコン20はOSD回路
に、図6(b)に示す画質をソフトにするレベルを利用
者に問い合わせる画面を表示させる(ステップS12
0)。かかる場合、利用者は再生される映像にノイズ成
分が多く含まれている場合、「1.強めにソフトにす
る」を選択すればよいし、通常のソフトのレベルで対応
可能な場合、「2.ソフトにする」を選択すればよい。
また、ノイズ成分が微少であって、僅かなソフトのレベ
ルで良い場合、「3.弱めにソフトにする」を選択する
ことになる。ここで、利用者が所定の図示しない操作パ
ネル等により、所望のソフト処理のレベルを選択する
と、マイコン20はこの操作入力を取得し、画質をソフ
トにさせるためにアパーチャコントロール回路43をレ
ンタルポジションに設定するとともに、利用者により選
択されたソフト処理のレベルを設定する(ステップS1
25)。
【0032】そして、アパーチャコントローラ回路43
は、レンタルポジションにおいて、所定のレベルに従い
総合周波数特性を制御する。このように周波数特性を制
御され画質を調整された映像信号は、1chipIC4
0にて再生され(ステップS130)、出力され視聴可
能になる。すなわち、ステップS100〜ステップS1
125までの処理を実行することにより、ワイド信号の
有無に応じて映像の画質をソフトにさせる指示を行うた
め、かかるソフトウェアを実行するマイコン20とその
制御信号を出力するIICバス50などが映像調整制御
手段を構成する。
【0033】むろん、具体的な制御手法については各種
の手法が採用可能であり、上述した実施形態に限られる
ことはない。また、本実施形態においては、ステップS
115およびステップS120にて利用者にソフト処理
を実行するか否かを選択させるとともに、実行する場合
は、そのソフト処理のレベルを選択させる構成を採用し
ているが、むろん、このように利用者に選択を促す構成
に限定されるものではなく、ワイド信号を認識したら、
自動的にレンタルポジションを設定する構成を採用して
もよい。また、レンタルポジションを設定するに際し、
所定の手法によりビデオ信号のノイズ成分を解析にその
ノイズ成分の強弱を判定し、ソフト処理のレベルを決定
する構成を採用してもよく、適宜変更可能である。
【0034】本実施形態においては、アパーチャコント
ロール回路43は画質として三段階のポジションを備え
ており、図6(b)に示す通り、シャープな画質のポジ
ション「1」から弱めの画質のポジション「3」までが
レンタルポジションの設定範囲に相当する。これらはい
ずれもアパーチャコントロール回路43における周波数
特性の変更に対応していることはいうまでもない。
【0035】さらに、本実施形態においては、空き走査
線から重畳されているデジタルデータを抽出し、このデ
ジタルデータにワイド信号が存在するか否かを判定し、
存在する場合に再生される映像にソフト処理を施す構成
を採用しているが、むろん、再生するビデオテープがワ
イド画面対応に該当する場合に、このビデオテープがレ
ンタルビデオテープと識別し、ノイズ成分を低減するた
めにレンタルポジションを設定し、再生される映像に所
定のソフト処理を施すことができればよく、図7に示す
ような画面の上下の所定の領域がブランクになる。従っ
て、各走査線を検出し、画面上下の所定の領域における
走査線がブランク、すなわち、無映像となる場合に、所
定のソフト処理を実施するようにしてもよい。
【0036】このように、空き走査線に重畳されたデジ
タルデータの中からワイド信号を抽出し、このワイド信
号の有無によりアパーチャコントロール回路43にて周
波数特性の制御に基づく映像信号のソフト処理を実行す
る。従って、デジタルデータのワイド信号に基づく制御
のため、安定した制御を実現することが可能になる。ま
た、アパーチャコントロール回路43においては段階的
なレベルにてソフト処理を実現可能になっており、利用
者はこの複数のレベルから所望のレベルを選択すること
ができるため、より良好であって利用者の好みに合った
画質で映像を視聴することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるビデオデッキを適
用したテレビデオのブロック図である。
【図2】映像処理を外部回路で行う場合のブロック図で
ある。
【図3】ビデオデッキ内で映像調整処理する場合のブロ
ック図である。
【図4】空き走査線と空き走査線に含まれるデジタルデ
ータを示した図である。
【図5】本ビデオデッキに実行される映像出力処理の処
理内容を示したフローチャートである。
【図6】再生される映像をソフトにする映像調整処理の
選択を利用者に提示する画面図である。
【図7】ワイド画面対応の検出方法の他の例を示した図
である。
【符号の説明】
20…マイコン 21…同期抽出信号入力端子 30…ビデオユニット 31…ビデオメカ部 34c…映像信号再生系 40…1チップIC 41…ビデオ入力端子 42…音声入力端子 43…アパーチャコントロール回路 44…アパーチャコントロール回路 45…同期抽出信号出力端子 60…外部出力端子

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビデオテープに記録されているビデオ信
    号の映像信号および同ビデオ信号に重畳されている所定
    の制御信号を再生する映像信号再生手段と、 上記映像信号に対して再生される映像を複数のレベルに
    てソフトにすることが可能な所定の映像調整処理を実行
    する映像調整手段と、 上記映像信号を再生するに際して、その映像がワイド映
    像であるか否かを判定するワイド映像判定手段と、 上記ワイド映像判定手段にて映像がワイド映像と判定さ
    れると、利用者に対して映像をソフトにするか否かを提
    示して選択させるとともに、ソフトにするが選択された
    場合に、さらに上記複数のレベルを提示して選択させて
    上記映像調整手段にこの選択に応じた所定の映像調整処
    理を実行させることにより再生される映像をソフトにす
    る制御を実行する映像調整制御手段とを具備することを
    特徴とするビデオデッキ。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載のビデオデッキにお
    いて、 上記ワイド映像判定手段は、上記重畳された制御信号の
    うちワイド映像を指示するワイド信号を抽出し、映像が
    ワイド映像であるか否かを判定することを特徴とするビ
    デオデッキ。
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載のビデオデッキにお
    いて、 上記ワイド映像判定手段は、映像の上下の所定の領域が
    無映像であるか否かを検出し、無映像の場合、映像をワ
    イド映像と判定することを特徴とするビデオデッキ。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載のビデオデッキにおいて、 上記映像調整手段は、シャープネスの調整が可能である
    とともに、上記映像調整制御手段は、この映像調整手段
    のシャープネスの調整で映像をソフトにさせることを特
    徴とするビデオデッキ。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載のビデオデッキにおいて、 上記映像調整手段は、通常の映像のノーマルモードと、
    映像をソフトにしたレンタルモードとの切り替えが可能
    であるとともに、上記映像調整制御手段は、所定の映像
    調整処理を実行させるにあたり、同映像調整手段に対し
    て切り替えを指示することを特徴とするビデオデッキ。
  6. 【請求項6】 ビデオテープの所定の領域に記録されて
    いる所定の制御信号に基づいて映像信号により再生され
    る映像を調整するビデオデッキの映像調整方法であっ
    て、 ビデオテープに記録されているビデオ信号の映像信号お
    よび同ビデオ信号に重畳されている所定の制御信号を再
    生する映像信号再生工程と、 上記映像信号に対して再生される映像を複数のレベルに
    てソフトにする所定の映像調整処理を実行する映像調整
    工程と、 上記映像信号を再生するに際して、その映像がワイド映
    像であるか否かを判定するワイド映像判定工程と、 上記ワイド映像判定工程にて映像がワイド映像と判定さ
    れると、利用者に対して映像をソフトにするか否かを提
    示して選択させるとともに、ソフトにするが選択された
    場合に、さらに上記複数のレベルを提示して選択させて
    上記映像調整工程においてこの選択に応じた所定の映像
    調整処理を実行させることにより再生される映像をソフ
    トにする制御を実行する映像調整制御工程とを具備する
    ことを特徴とするビデオデッキの映像調整方法。
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