JP3254599B2 - 異常検出装置 - Google Patents

異常検出装置

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JP3254599B2 JP13490696A JP13490696A JP3254599B2 JP 3254599 B2 JP3254599 B2 JP 3254599B2 JP 13490696 A JP13490696 A JP 13490696A JP 13490696 A JP13490696 A JP 13490696A JP 3254599 B2 JP3254599 B2 JP 3254599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱間状態の材料の傷
を光学的に検出する装置に関し、特に搬送ライン上を移
動中の熱間状態にある形鋼の微小な傷の検出に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱間状態にある鋼材の表面に傷が存在す
ると、その部分の冷却速度が変化することから温度差を
生じる。この傷部分に生じた温度差による輻射光の輝度
の変化を光学的に検出することにより、熱間状態にある
鋼材の表面傷の検査が可能である。
【0003】また、レーザー等の光源を用いて、その光
を熱間状態にある鋼材の表面に照射し、その反射光の変
化から傷を検出する方法も一般的である。前記鋼材の表
面に傷が存在すると、その傷の凹凸により照射された光
が散乱することから、その反射光が変化する。被検査材
である鋼材がそれほど高温でない場合には、光源の波
長、受光スペクトル特性及び受光フィルターの特性を適
当に選定することにより、鋼材からの反射光と輻射光を
分離して検出することができるが、鋼材の温度が高くな
ると、鋼材からの反射光と輻射光との分離が困難になる
ため、非常に高エネルギーの光源を使用する、あるいは
光源の光を符号化して照射した光と受光した光との相関
をとり、反射光を識別する等の工夫が必要になる。
【0004】図5は例えば特開昭61−91544号公
報に開示されている従来の熱間金属材料の表面欠陥検出
方法における探傷カメラの光学構成を示すブロック図で
ある。図において、51は熱輻射感知用リニアアレイイ
メージセンサー、52は反射光感知用リニアアレイイメ
ージセンサー、53は被検査材である熱間の鋳造鋼片、
54はレンズ、55はレンズ絞り調整装置、56はイメ
ージセンサー駆動増幅回路である。
【0005】鋳造鋼片53からの輻射光の輝度は鋳造鋼
片53の温度によって大きく変化するため、熱輻射感知
用リニアアレイイメージセンサー51はその輝度の変化
に対して感知可能なダイナミックレンジを有する必要が
ある。しかしながら鋳造鋼片53の広い温度範囲に対応
可能な大きなダイナミックレンジを有するリニアアレイ
イメージセンサーを採用すると、逆に傷による比較的小
さい輝度の変化の検出が困難になってしまう。そこで傷
の検出が可能な範囲のダイナミックレンジを有するリニ
アアレイイメージセンサーを採用し、鋳造鋼片53から
の輻射光をレンズ絞り調整装置53によって絞り込み、
絞り込みがなお不足するときにはイメージセンサー駆動
増幅回路56により熱輻射感知用リニアアレイイメージ
センサー51の走査周期を変えて、受光時間を制御する
ことにより、常に熱輻射感知用リニアアレイイメージセ
ンサー51の露光感度水準を一定に保っている。
【0006】一方、鋳造鋼片53からの反射光の輝度
は、鋳造鋼片53の表面性状、特にスケールの発生の有
無による表面反射率の変化によって大きく影響される。
したがって、反射光感知用リニアアレイイメージセンサ
ー51においては、鋳造鋼片53の温度変化に伴う輻射
光の輝度変化と表面反射率の変化に伴う反射光の輝度変
化の両方に対処するため、レンズ絞り調整装置53によ
る絞り込み及びイメージセンサー駆動増幅回路56によ
る受光時間の制御を行っている。
【0007】図6は可視域の自己発光を生じるまでには
至らない程度の温度分布を有するH形鋼の従来の異常検
出装置の構成を示すブロック図である。図において、1
は被検査材であるH形鋼、2は前記H形鋼1の移動方
向、3は前記H形鋼1の移動量を検出する移動量検出
器、4は前記H形鋼1から発せられる光、5は前記H形
鋼1からの光を集光する第一の光学系、6は前記第一の
光学系5が集光した光、7は前記光6を受光して電気信
号に変換する第一の受光素子、8は前記第一の受光素子
7が出力する電気信号、9は前記電気信号8を入力して
映像信号に変換する信号処理部、10は前記移動量検出
器3からの移動量パルス、11は前記信号処理部9から
の映像信号、12は前記映像信号11を入力して前記H
形鋼1の異常部分を検出する検出部である。H形鋼1は
ローラーコンベア上を移動方向2の方向へ搬送されてい
る。H形鋼1の移動量は移動量検出器3で検出され、移
動パルス10として信号処理部9に入力される。第一の
受光素子7は、例えば多数のフォトダイオードを一列に
並べた1次元のラインセンサーである。このラインセン
サーにより、1次元の光の輝度分布が電気信号に変換さ
れ、信号処理部に入力される。信号処理部9では入力し
た1次元の輝度分布の電気信号を、移動量検出器3から
入力した移動量パルス10によって、H形鋼1の移動距
離に比例させて2次元に並び変えることにより、映像信
号11として検出部12に出力する。H形鋼1に傷があ
ると、その部分の温度が低下することにより、映像信号
11における電圧値が低くなる。検出部12では、傷の
有無あるいは有害度を判定するための予め決められた基
準電圧と比較して、映像信号11の電圧値がその値以下
のときに、傷と判定し、異常信号を発信する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7は圧延直後の冷却
過程初期の熱間状態にあるH形鋼の輝度の分布を示す輝
度分布図である。H形鋼のフランジの部分は、ウェブの
部分に比べて板厚が厚く熱容量が大きいため、温度の下
がりかたが少なく、材料の部位によって温度が大きく変
化し、材料全体に大きな温度分布を生じている。そのた
め、傷による小さな光の輝度の変化に、被検査材の温度
分布による輻射光の大きな輝度の変化が重疂されてしま
う。
【0009】このような温度分布を持つ熱間材料の傷を
上記の従来の異常検出装置で検出しようとすると、幅の
広いダイナミックレンジを有する受光素子を用いて被検
査材から発せられる光を受光し、受光素子が出力する電
気信号をフィルター処理して傷による光の輝度の変化を
分離、抽出する方法、同様に幅の広いダイナミックレン
ジを有する受光素子を用いて、受光した光の生の輝度分
布とその生の輝度分布を移動平均処理した分布との差を
とることにより、被検査材の温度分布による輻射光の輝
度の変化を除去又は軽減して傷による輝度の変化を検出
する方法、さらには、フランジ部分とウェブ部分の温度
があらかじめ判明している場合には、同様に幅の広いダ
イナミックレンジを有する受光素子を用いてそれぞれの
部位毎に異常判定のための基準電圧の設定を行う方法等
が考えられる。しかしながら、いずれの方法においても
幅の広いダイナミックレンジを有する受光素子を必要と
するため、微小な傷の輝度の変化をとらえることが困難
となり、傷の検出精度が低下してしまう。特にH形鋼の
フランジ面のウェブ側の境界付近に存在する傷を精度よ
く安定して検出することは非常に困難である。さらにこ
れらの処理をリアルタイムで実現するためには、高速の
プロセッサーや特殊なソフトウェアを必要とするため、
コスト及び開発期間面でのデメリットも多い。
【0010】一方、微小な傷を検出するためには傷によ
る輝度の変化を着実に捕らえられるように、受光素子の
受光感度を可能な限り高めるほうがよいが、受光感度を
高めると、受光可能な輝度の範囲、すなわち受光素子の
ダイナミックレンジは狭くなり、受光視野内に広い温度
分布を有する被検査材の異常検出は困難になる。
【0011】さらに、被検査材の温度が異なる部位から
の光が受光されないように、機械的にマスキングする方
法もあるが、機構が複雑になること及びマスキングした
部位の異常を検出できないという本質的な問題がある。
【0012】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、温度が部位によって異なり、
輻射光の輝度が一様でない熱間状態の被検査材に対して
も、欠陥検出力を低下させることなく、微小な傷も安定
して精度よく検出できる異常検出装置を得ることを目的
とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る異常検出装
置においては、熱間状態にある被検査材から発せられる
光を集光する第一の光学系と、該第一の光学系が集光し
た光を受光して電気信号に変換する第一の受光素子と、
該第一の受光素子が出力する電気信号を入力して映像信
号に変換する信号処理部と、該信号処理部が出力する映
像信号を入力して前記被検査材の異常部分を検出する検
出部と、前記被検査材から発せられる光を集光する第二
の光学系と、該第二の光学系が集光した光を受光して、
設定された空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分
布を検出し、電気信号に変換する第二の受光素子と、該
第二の受光素子が出力する電気信号を入力して、前記検
出された輝度分布が平坦になるような透過率パターンを
決定し、透過率パターン制御信号を出力するパターン発
生部と、該パターン発生部が出力する透過率パターン制
御信号を入力し、光の透過率パターンを制御する液晶と
を有し、前記液晶は、前記被検査材と前記第一の光学系
との間に配置したことを特徴とする。ここで、設定され
た空間周波数とは、上記の説明通りである。このため、
温度が部位によって異なり、輻射光の輝度が一様でない
熱間状態にある被検査材に対しても、欠陥検出力を低下
させることなく、微小な傷も安定して精度よく検出でき
る。
【0016】本発明に係る異常検出装置においては、熱
間状態にある被検査材から発せられる光を集光する第一
の光学系と、該第一の光学系が集光した光を受光して電
気信号に変換する第一の受光素子と、該第一の受光素子
が出力する電気信号を入力して映像信号に変換する信号
処理部と、該信号処理部が出力する映像信号を入力して
前記被検査材の異常部分を検出する検出部と、前記被検
査材から発せられる光を集光する第二の光学系と、該第
二の光学系が集光した光を受光して、設定された空間周
波数以下の空間周波数を有する輝度分布を検出し、電気
信号に変換する第二の受光素子と、該第二の受光素子が
出力する電気信号を入力して、前記検出された輝度分布
が平坦になるように透過率パターンを決定し、透過率パ
ターン制御信号を出力するパターン発生部と、該パター
ン発生部が出力する透過率パターン制御信号を入力し、
光の透過率パターンを制御する液晶とを有し、前記液晶
は、前記第一の光学系と前記第一の受光素子との間に配
置したことを特徴とする。ここで、設定された空間周波
数とは、上記の説明通りである。このため、温度が部位
によって異なり、輻射光の輝度が一様でない熱間状態に
ある被検査材に対しても、欠陥検出力を低下させること
なく、微小な傷も安定して精度よく検出できる。
【0017】本発明に係る異常検出装置においては、熱
間状態にある被検査材から発せられる光を集光する第一
の光学系と、該第一の光学系が集光した光を二分する分
離器と、前記二分された前記第一の光学系から発せられ
る光の一方を受光して電気信号に変換する第一の受光素
子と、該第一の受光素子が出力する電気信号を入力して
映像信号に変換する信号処理部と、該信号処理部が出力
する映像信号を入力して前記被検査材の異常部分を検出
する検出部と、前記二分された前記第一の光学系から発
せられる光のもう一方を受光して、設定された空間周波
数以下の空間周波数を有する輝度分布を検出し、電気信
号に変換する第二の受光素子と、該第二の受光素子が出
力する電気信号を入力して前記検出された輝度分布が平
坦になるような透過率パターンを決定し、透過率パター
ン制御信号を出力するパターン発生部と、該パターン発
生部が出力する透過率パターン制御信号を入力し、光の
透過率パターンを制御する液晶とを有し、前記液晶は、
前記分離器と前記第一の光学系との間に配置したことを
特徴とする。ここで、設定された空間周波数とは、上記
の説明通りである。このため、温度が部位によって異な
り、輻射光の輝度が一様でない熱間状態にある被検査材
に対しても、欠陥検出力を低下させることなく、微小な
傷も安定して精度よく検出できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の第1の実施の形態に係る
熱間状態にあるH形鋼の表面傷を検出する装置の構成を
示すブロック図であり、図5に示された符号と同一符号
のものは同一又は相当部を示すものとし、1は被検査材
である熱間状態のH形鋼、2は前記H形鋼1の移動方
向、3は前記H形鋼1の移動量を検出する移動量検出
器、4は前記H形鋼1から発せられる光、5は前記H形
鋼1からの光を集光する第一の光学系、6は前記第一の
光学系5が集光した光、7は前記光6を受光して電気信
号に変換する第一の受光素子、8は前記第一の受光素子
7が出力する電気信号、9は前記電気信号8を入力して
映像信号に変換する信号処理部、10は前記移動量検出
器3が出力する移動量パルス、11は前記信号処理部9
が出力する映像信号、12は前記映像信号11を入力し
て前記H形鋼1の異常部分を検出する検出部である。1
3は前記H形鋼1から発せられる光、14は前記光13
を集光する第二の光学系、15は前記第二の光学系14
が集光した光、16は前記光15を受光して、設定され
た空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分布を検出
し、電気信号に変換する第二の受光素子、17は前記第
二の受光素子が出力する電気信号、18は前記電気信号
17を入力して、前記検出された輝度分布が平坦になる
ように透過率パターンを決定し、透過率パターン制御信
号を出力するパターン発生部、19は前記パターン発生
部18が出力する透過率パターン制御信号、20は前記
透過率パターン制御信号19を入力して、光の透過率パ
ターンを制御する液晶である。
【0019】ここで、第一の光学系5及び第二の光学系
14は、第一の受光素子7及び第二の受光素子16のそ
れぞれにH形鋼1から発せられる光を予め決められた倍
率で結像させるためのレンズ系である。また第一の受光
素子7及び第二の受光素子16としては、多数のフォト
ダイオードを一列に並べた一次元のラインセンサーを使
用し、これを構成する各素子はH形鋼1の移動方向とは
直角の方向である幅方向に配列する。第一の光学系5及
び第一の受光素子7は検出すべき傷の大きさに応じた空
間分解能及び受光感度が得られるように、両者の配置、
倍率並びに受光素子のダイナミックレンジ及び素子数等
を決定する。一方第二の光学系14及び第二の受光素子
16は、H形鋼1の幅方向に対して第一の光学系5及び
第一の受光素子7と同一の受光視野になるように配置
し、H形鋼1の受光視野内の温度がその部位によって異
なることにより生じる輝度分布の空間周波数以下の空間
周波数を有する輝度分布を検出できるようなダイナミッ
クレンジと空間分解能が得られるように、両者の配置、
倍率並びに受光素子のダイナミックレンジ及び素子数等
を決定する。第二の受光素子16が検出する輝度分布の
空間周波数のうち、その最大値が設定された空間周波数
となる。すなわち、第二の受光素子16は、設定された
空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分布を検出す
る。設定された空間周波数は、例えばH形鋼1の部位に
よって温度が異なることにより生じた輝度分布の空間周
波数を予め計測しておく、あるいはシミュレーション解
析によって、H形鋼1の部位によって温度が異なること
により生じる輝度分布の空間周波数を求める等の方法に
より決定する。
【0020】なお、第一の受光素子7及び第二の受光素
子16に、1次元もしくは2次元のCCDセンサーを使
用してもよい。またこれらの受光感度域は赤外域であっ
てもあるいはそれ以外であってもよい。
【0021】次にその動作を説明する。第二の受光素子
16はそのダイナミックレンジが広いことから、H形鋼
1の部位による温度変化がかなり大きい場合でも、飽和
あるいは輝度不足を生じることなくH形鋼1からの輻射
光の輝度分布を捕らえることができる。第二の受光素子
16のダイナミックレンジは第一の受光素子7に比べて
広く、また空間分解能は第一の受光素子7のそれに比べ
て粗くなる。その結果、受光視野を第二の受光素子16
の素子数で区割りしたそれぞれの区分毎に受光輝度が平
均化されることになり、傷による高い空間周波数の輝度
変化は除去され、H形鋼1の部位による温度変化に起因
した比較的低い空間周波数の輝度分布のみが検出された
電気信号が受光素子16より出力される。一般的に空間
分解能が粗い素子は受光可能な輝度の許容値が大きいの
で、絞りの詳細な調整は不要であり、H形鋼1からの光
を直接受光させてもよい。パターン発生部18は、第2
の受光素子16が出力した光の輝度分布の電気信号17
を入力し、第一の受光素子7が受光する光の輝度分布が
予め決められた許容範囲内に入リかつ一様になるように
液晶20の透過率パターンを決定し、決定された透過率
パターンになるように液晶20を制御するため、透過率
パターン制御信号19を出力する。液晶20は入力した
透過率パターン制御信号19に基づき各素子の透過率を
調整する。
【0022】すなわち、H形鋼1から発せられる光4
は、液晶20を透過した後、第一の光学系5により集光
されるが、液晶20の透過率パターンが制御されること
により、前記光4の輝度の高い部分は、液晶20の透過
率の低い部分を透過し、前記光4の輝度の低い部分は液
晶20の透過率の高い部分を透過する。その結果、第一
の光学系5に集光される光の輝度は、H形鋼1の温度分
布に起因した比較的空間周波数の低い変動分が平坦化さ
れ、傷部以外は均一化された空間分布となる。液晶20
を用いたことにより、輝度分布の調整は非常に容易であ
る。なお、液晶20は1次元又は2次元の受光視野に対
応した寸法のものを選択する。
【0023】ここで液晶20は、第一の光学系5から離
し、H形鋼1の側に近付けて設置する。これにより、空
間的なフィルターの機能が生かされ、光の輝度分布の平
坦化が容易になる。
【0024】なお液晶20の透過率パターンの制御応答
に要する時間とH形鋼1が第二の光学系14の集光位置
から第一の光学系5の集光位置まで移動する時間が同期
するように両光学系5及び14の配置及び制御定数等を
決定する必要がある。ただし、H形鋼1の幅方向の輻射
光の輝度分布がその移動方向に一定の場合は、同期の必
要はない。また、サイドガイド及びピンチロール等を使
用して、第二の光学系14による集光位置から第一の光
学系5による集光位置までH形鋼1が移動する間、H形
鋼1の幅方向及び上下方向のずれが生じないようにす
る。
【0025】本実施の形態1によれば、H形鋼1のサイ
ズや位置の変動により受光視野内のH形鋼1の輝度分布
が変動しても、機械的なマスキングのような可動部を必
要とせずに高速で自動追従することができ、高速搬送ラ
インにおいても、H形鋼1の微小な傷を安定して検出す
ることができる。
【0026】図2は第一の受光素子7が出力する電気信
号8を入力した信号処理部9が出力する映像信号11の
一走査線上の信号図である。被検査材であるH形鋼1が
温度分布を持っていても映像信号11における傷部分を
除く輝度信号強度は均一化されるため、単純な閾値の設
定だけで傷の検出が可能である。
【0027】なお、上記では、設定された空間周波数以
下の空間周波数を有する輝度分布がH形鋼1の温度がそ
の部位によって異なることにより生じる場合について説
明したが、本実施の形態1では、H形鋼1の表面の反射
率及び放射率がその部位によって異なる結果生じる輝度
分布に対しても、同様の効果を得ることができる。
【0028】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2に係る異常検出装置の構成を示すブロック図であり、
図中1〜19は図1と同一のものであり、それぞれ前記
実施の形態1と同じ働きをする。21は前記液晶20と
同じ働きをする小型の液晶である。本実施の形態2で
は、小型の液晶21を第一の光学系5と第一の受光素子
7との間に配置することにより、前記実施の形態1と同
様の効果を得ることができる。1次元又は2次元の小型
の液晶21を使用できるため、低廉なコストでの装置化
が可能である。
【0029】実施の形態3.図4は本発明の実施の形態
3に係る異常検出装置の構成を示すブロック図である。
図中1〜12及び16〜19は図1と同一のものであ
り、それぞれ前記実施の形態1と同じ働きをする。21
は図3と同一のものであり、前記実施の形態2と同じ働
きをする。22は第一の光学系5が集光した光を二分
し、第一の受光素子7及び第二の受光素子16のそれぞ
れに受光させるためのハーフミラーである。本実施の形
態3は、H形鋼1の幅方向の輻射光の輝度分布がその移
動方向に一定である場合に適用可能であり、H形鋼1か
ら発せられる光を集光する光学系を一つにして、前記実
施の形態1と同様の効果を得るようにしたものである。
光学系を一つにしたことにより、装置を小型化できる。
なおサイドガイド及びピンチロール等を使用して、小型
の液晶21の透過率パターンの制御応答に要する時間内
はH形鋼1の幅方向及び上下方向の位置が変化しないよ
うにする。
【0030】実施の形態4.また、レーザー等の光源を
用いて、その光をH形鋼1の表面に照射し、その反射光
の変化からH形鋼1の異常を検出してもよい。この場
合、受光素子7は熱間状態にあるH形鋼1が自ら発する
輻射光と上記光源の反射光の両方を受光することになる
が、H形鋼1が可視域の輻射光を発するような高温の状
態の場合には、H形鋼1が発する輻射光の輝度が非常に
大きくなるため、上述の実施の形態と同様に、H形鋼1
の部位により温度が異なることにより生じる輝度分布を
平坦化した光を、受光素子7に受光させて、傷を検出す
る。
【0031】実施の形態5.以上の実施の形態において
は、H形鋼1が搬送中の場合の異常検出について例示し
たが、H形鋼1を停止させて、異常を検出する側がH形
鋼1の長手方向に移動して、H形鋼1の全長検査を行っ
てもよい。
【0032】実施の形態6.また第一の受光素子7及び
第二の受光素子16として2次元のイメージセンサーを
使用して、一定の面積毎に異常検出を行ってもよい。
【0033】実施の形態7.なお、上述の実施の形態に
おいては、H形鋼を被検査材としたときを例示したが、
本発明ではそれに限定されるものではなく、被検査材が
熱間状態にあるレールやI形鋼等のその他の鋼材、各種
金属材料の鋳造品、及びセラミック材料等にも利用でき
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。
【0035】部位によって温度が異なり、輻射光の輝度
が一様でない熱間状態にある被検査材に対しても、欠陥
検出力を低下させることなく、微小な傷による輝度の変
化を安定して精度よく検出できる。また、受光前の光の
段階で、傷部以外の輝度分布が平坦化されるため、簡単
な映像信号の処理で微小な傷の検出が可能である。さら
に、高速搬送ラインにおいて、被検査材のサイズや位置
が変動しても、高速で追従でき、熱間状態にある被検査
材の傷を安定して検出することができる。
【0036】光の透過率パターンの制御に液晶を用いて
いるので、熱間状態にある被検査材から発せられる光の
輝度分布の調整が容易である。
【0037】液晶は被検査材と第一の光学系との間に配
置したので、被検査材から発せられる光の輝度分布の平
坦化が容易である。
【0038】液晶は第一の光学系と第一の受光素子との
間に配置したので、小型の液晶を用いることができ低廉
なコストで装置化できる。
【0039】第二の光学系が不要であり、装置が小型化
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る異常検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る異常検出装置
の信号処理部が出力する映像信号図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る異常検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る異常検出装置
の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の熱間金属材料の表面欠陥検出方法におけ
る探傷カメラの光学構成を示すブロック図である。
【図6】従来の異常検出装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】圧延直後の熱間状態にあるH形鋼の輝度の分布
を示す輝度分布図である。
【符号の説明】
1 被検査材 2 被検査材の移動方向 3 移動量検出器 4 被検査材から発せられる光 5 第一の光学系 6 第一の光学系が集光した光 7 第一の受光素子 8 第一の受光素子が出力する電気信号 9 信号処理部 10 移動パルス 11 映像信号 12 検出部 13 被検査材から発せられる光 14 第二の光学系 15 第二の光学系が集光した光 16 第二の受光素子 17 第二の受光素子が出力する電気信号 18 パターン発生部 19 透過率パターン制御信号 20 液晶 21 小型液晶 22 ハーフミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有村 鶴和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 穂積 雄二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−79143(JP,A) 特開 昭60−80743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/88 - 21/892

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間状態にある被検査材から発せられる
    光を集光する第一の光学系と、該第一の光学系が集光し
    た光を受光して電気信号に変換する第一の受光素子と、
    該第一の受光素子が出力する電気信号を入力して映像信
    号に変換する信号処理部と、該信号処理部が出力する映
    像信号を入力して前記被検査材の異常部分を検出する検
    出部と、前記被検査材から発せられる光を集光する第二
    の光学系と、該第二の光学系が集光した光を受光して、
    設定された空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分
    布を検出し、電気信号に変換する第二の受光素子と、該
    第二の受光素子が出力する電気信号を入力して、前記検
    出された輝度分布が平坦になるような透過率パターンを
    決定し、透過率パターン制御信号を出力するパターン発
    生部と、該パターン発生部が出力する透過率パターン制
    御信号を入力して光の透過率パターンを制御する液晶と
    を有し、前記液晶は、前記被検査材と前記第一の光学系
    との間に配置したことを特徴とする異常検出装置。
  2. 【請求項2】 熱間状態にある被検査材から発せられる
    光を集光する第一の光学系と、該第一の光学系が集光し
    た光を受光して電気信号に変換する第一の受光素子と、
    該第一の受光素子が出力する電気信号を入力して映像信
    号に変換する信号処理部と、該信号処理部が出力する映
    像信号を入力して前記被検査材の異常部分を検出する検
    出部と、前記被検査材から発せられる光を集光する第二
    の光学系と、該第二の光学系が集光した光を受光して、
    設定された空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分
    布を検出し、電気信号に変換する第二の受光素子と、該
    第二の受光素子が出力する電気信号を入力して、前記検
    出された輝度分布が平坦になるような透過率パターンを
    決定し、透過率パターン制御信号を出力するパターン発
    生部と、該パターン発生部が出力する透過率パターン制
    御信号を入力し、光の透過率パターンを制御する液晶と
    を有し、前記液晶は、前記第一の光学系と前記第一の受
    光素子との間に配置したことを特徴とする異常検出装
    置。
  3. 【請求項3】 熱間状態にある被検査材から発せられる
    光を集光する第一の光学系と、該第一の光学系が集光し
    た光を二分する分離器と、前記二分された前記第一の光
    学系が集光した光の一方を受光して電気信号に変換する
    第一の受光素子と、該第一の受光素子が出力する電気信
    号を入力して映像信号に変換する信号処理部と、該信号
    処理部が出力する映像信号を入力して前記被検査材の異
    常部分を検出する検出部と、前記二分された前記第一の
    光学系が集光した光のもう一方を受光して、設定された
    空間周波数以下の空間周波数を有する輝度分布を検出
    し、電気信号に変換する第二の受光素子と、該第二の受
    光素子が出力する電気信号を入力して前記検出された輝
    度分布が平坦になるような透過率パターンを決定し、透
    過率パターン制御信号を出力するパターン発生部と、該
    パターン発生部が出力する透過率パターン制御信号を入
    力し、光の透過率パターンを制御する液晶とを有し、前
    記液晶は、前記分離器と前記第一の光学系との間に配置
    したことを特徴とする異常検出装置。
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