JP3253932B2 - 半導体装置の製造装置及び製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造装置及び製造方法

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JP3253932B2
JP3253932B2 JP09572499A JP9572499A JP3253932B2 JP 3253932 B2 JP3253932 B2 JP 3253932B2 JP 09572499 A JP09572499 A JP 09572499A JP 9572499 A JP9572499 A JP 9572499A JP 3253932 B2 JP3253932 B2 JP 3253932B2
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克弥 能澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶成長工程を含
む半導体装置の製造方法およびその製造装置に係り、特
に結晶成長前の基板の清浄化対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体基板上にエピタキシャ
ル成長により半導体膜を形成する技術は、各種半導体素
子を形成する際に汎用されている。例えば、シリコン基
板上にシリコンやシリコンゲルマニウム等の結晶をエピ
タキシャル成長させる技術は、ヘテロバイポーラトラン
ジスタ等の高性能デバイスの作成を可能とする技術とし
て近年盛んに研究されている。このシリコン系エピタキ
シャル成長は、例えば半導体基板を真空容器内で加熱し
ておいて半導体基板の表面上に気体ソースを供給するU
HV−CVD法もしくは、固体ソースを加熱することに
より得られる分子線を半導体基板に供給するMBE法に
より行うことができる。
【0003】ここで、上述のような結晶成長法のいずれ
においても、このエピタキシャル成長を行う際に基板表
面に不純物が存在していると、それが核となり結晶欠陥
が発生し、成長した結晶層の品質が著しく損なわれる。
従って、結晶成長を開始する際には、半導体基板が非常
に清浄な表面を有している必要がある。この清浄表面
は、半導体基板を洗浄した後、炭素等の不純物を含まな
い清浄で薄い(10〜20Å程度)ケミカルオキサイド
を薬液処理により半導体基板上に形成し、その酸化膜を
真空容器内で除去することにより得ることができる。
【0004】このケミカルオキサイドを用いて清浄表面
を得る保護酸化膜法の詳細については、Ishizakaらの論
文(1986年Journal of Electrochemical Society誌666
頁)や、Tatsumi らの論文(1985年Japanese Journal o
f Applied Physics誌Vol.24,No.4 L227)に記載されて
いる。
【0005】ケミカルオキサイドは、それ自体が結晶欠
陥の原因となるので、結晶成長開始時点で完全に除去さ
れていなければならない。しかしながら、ケミカルオキ
サイドの除去には加熱処理が必要であり、その処理温度
(750〜850℃程度)は結晶成長時の温度(450〜
600℃程度)に比べて高い。
【0006】一方、デバイス作成のためにパターニング
が行われた基板に熱処理を施すと、不純物プロファイル
の変化や、パターン変形等の問題が発生する。したがっ
て、デバイス特性を確保するためには、基板加熱温度を
できる限り低温化し、かつ短時間化することが望まし
い。その点、上述のようにケミカルオキサイドの加熱処
理温度は高温で行なわれるため、この加熱処理工程の低
温化・短時間化がデバイス特性を確保する上で特に重要
であることがわかる。
【0007】そこで、従来より、ケミカルオキサイドの
除去のための加熱処理工程においては、以下のような観
察を行なって、加熱処理工程の低温化・短時間化を実現
しようとする試みがなされている。
【0008】−Si系ガスによる酸化膜除去反応の低温
化および従来の観察方法−ケミカルオキサイドの主構成
要素であるSiO2 は、それ単体では非常に安定な物質
であるが、半導体基板−酸化膜の界面で半導体基板を構
成するSiとSiO2 が反応し、SiOが生成される
と、SiOの揮発性が非常に高いためSiOが生成され
揮発する結果、SiO2 が失われていく。
【0009】したがって、保護酸化膜の除去反応を加速
するためには、Siを含む気体を供給しつつ、半導体基
板の表面部でSiOの形成反応を行わせるのが効果的で
ある。Hirayamaらの論文(1987年のApplied Physics Let
ters 誌51号2213頁)によれば、シラン(SiH4 )を酸
化膜の除去過程中に真空容器に導入してやることによ
り、従来酸化膜の除去に真空中,840℃で10分間要
していたのに対し、同じ酸化膜の除去に要する時間を,
同じ除去温度840℃で2分間に短縮でき、同じ同じ除
去時間10分では815℃まで低温化できるとしてい
る。
【0010】また、シラン等のシリコン系ガスはそのま
ま供給しても良く、またクラッキングしたのち供給して
も効果的であることが知られている。前者は特開昭64
−4026号公報に、後者は特開平1−305893号
公報に開示されている。
【0011】これらの論文および公報においては、高速
電子線回折(Reflection High-energy electron diffra
ction:RHEED)により、観察しながら酸化膜除去を
行なうことが記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記論
文や公報に開示される処理において用いられているRH
EEDを利用した場合、原理上、酸化膜が完全に除去さ
れた状態を検知することは可能ではあるが、酸化膜を除
去する途中の状態変化を詳しく観察することは困難であ
る。従って、酸化膜の除去の進行状態に伴って、適切に
加熱処理条件を変化させていくことは困難である。
【0013】その結果、上記論文や公報に記載されてい
る処理方法においては、経験的に定めた条件に従って酸
化膜の除去が行なわれており、除去過程中の酸化膜状態
の変化に応じた最適な酸化膜除去方法がいまだ提供され
ていない。
【0014】本発明の目的は、保護酸化膜の除去過程を
in-situ で観察しうる手段を講ずることにより、除去過
程中の酸化膜状態の変化に応じた最適な酸化膜除去を行
なうための半導体装置の製造方法及びその製造装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造装置は、半導体基板上に半導体結晶層をエピタキシャ
ル成長させる前に半導体基板上に形成された酸化膜を除
去する際に用いられる半導体装置の製造装置であって、
半導体基板を収納するための真空容器と、上記真空容器
に付設され真空容器内で半導体基板を加熱するための基
板加熱装置と、上記真空容器に上記酸化膜と反応して揮
発性の物質を生ぜしめる機能を有するガスを供給するた
めのガス供給装置と、上記半導体基板上における酸化膜
の除去状態を偏光された測定光のp偏光とs偏光との
相差である信号Δを検出するための偏光解析装置と、上
記偏光解析装置によって検出された信号Δに応じて、上
記半導体基板上の酸化膜を除去する際の条件を制御する
ための制御装置とを備えている。
【0016】これにより、高い感度で酸化膜の除去状態
を検知しうる偏光解析の信号Δに応じて、酸化膜除去の
ための条件を適宜制御することが可能となる。たとえ
ば、ガスを流して酸化膜の表面に生成される揮発性物質
を酸化膜の表面から揮発させることによる酸化膜の除去
と、ガスを流さずに酸化膜と半導体基板との界面におい
て生成された揮発性物質を酸化膜中を拡散させてから揮
発させることによる酸化膜の除去との組み合わせを、酸
化膜除去過程の進行に応じて適宜制御することが可能に
なる。その結果、酸化膜の除去に要する時間、つまり加
熱の短縮による半導体装置の特性の劣化を抑制し、高性
能の半導体装置の製造に供することができる。
【0017】上記半導体装置の製造装置において、上記
制御装置は、上記真空容器に上記ガスを供給しながら上
記酸化膜の除去を行なう過程から、上記ガスの供給を停
止して上記実質的に上記ガスが存在しない雰囲気での加
熱により上記酸化膜の除去を行なう過程とに切り替える
タイミングを判断する機能を備えていることが好まし
い。
【0018】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に形成された酸化膜を真空容器内で除去す
る工程を含む半導体装置の製造方法であって、上記酸化
膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程の開始か
ら酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基板の一部が露
出するまでをphase 1とし、下地が部分的に露出してか
ら酸化膜の除去が完了するまでをphase 2とした場合、
phase 1からphase 2に切り替わるタイミングと上記ガ
スの供給を停止させる所定時間との関係を調整する方法
である。
【0019】この方法により、酸化膜除去過程における
前半の酸化膜が全面的に半導体基板を覆っているphase
1の期間と、後半の酸化膜が部分的に除去されて半導体
基板の表面が部分的に露出してから酸化膜の除去が終了
するまでのphase 2の期間とでは、酸化膜の除去の機構
が異なることを考慮して、前半の期間においてはおおむ
ねガスを流して迅速に酸化膜の除去を行なう一方、後半
の期間においてはおおむねガスを流さずに露出している
半導体基板上へのガスによる物質の堆積を抑制すること
が可能になる。すなわち、酸化膜の除去に要する時間、
つまり加熱の短縮による半導体装置の特性の劣化を抑制
しつつ、半導体基板の表面を清浄に保つことが可能にな
り、高性能の半導体装置の製造を図ることができる。
【0020】そして、製造される半導体装置の種類など
に応じた許容されるガスによる物質の堆積度合いに応じ
て、最も効率的な酸化膜の除去が可能になる。
【0021】上記第1の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光のp偏
光とs偏光との位相差である信号Δを検出するための偏
光解析によりモニターし、上記信号Δの増大率が変化し
たときに上記phase 1からphase 2に切り替わったと判
断して、上記ガスの供給を停止させることにより、phas
e 1からphase 2に切り替わるタイミングとガスの供給
を停止させるタイミングとを効果的に調整することが可
能になる。
【0022】上記第1の半導体装置の製造方法におい
て、予め、上記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光
のp偏光とs偏光との位相差である信号Δを検出するた
めの偏光解析によりモニターし、上記phase 1からphas
e 2に切り替わる時点の信号Δの値を決定しておき、上
記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光のp偏光とs
偏光との位相差である信号Δを検出するための偏光解析
によりモニターし、検出した信号Δと上記決定された信
号Δの値とを比較することにより、上記phase 1の開始
時からの経過時間が上記phase 1の開始から上記phase
2に切り替わるまでに要する時間の所定の割合に達した
時点を検知して、これに基づいて上記ガスの供給を停止
させる所定時間を決定することにより、比較的簡素な制
御により、迅速にガスの供給を停止するタイミングを判
断することが可能となる。
【0023】上記第1の半導体装置の製造方法におい
て、上記所定の割合は、5割以上9.5割以下であるこ
とが好ましい。
【0024】上記第1の半導体装置の製造方法におい
て、上記偏光解析のデータに基づいて、上記ガスを流す
過程におけるガスの流量,圧力及び基板温度のうち少な
くともいずれか1つを変化させる制御を行なうことによ
り、酸化膜除去の進行状態に応じた適切な制御が可能に
なる。
【0025】上記第1の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜を除去する工程は、半導体基板上への半
導体結晶層のエピタキシャル成長前の保護用の酸化膜を
除去する工程であることが好ましい。
【0026】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に形成された酸化膜を真空容器内で除去す
る工程を含む半導体装置の製造方法であって、上記酸化
膜を除去する工程において、上記半導体基板上における
酸化膜の除去状態を、偏光された測定光のp偏光とs偏
光との位相差である信号Δを検出するための偏光解析に
よりモニターし、偏光解析のデータに基づいて、酸化膜
除去の条件を制御する方法である。
【0027】この方法により、いわゆるin-situ の偏光
解析により、製造工程中に高い感度で時々刻々変化する
酸化膜の厚みなどに関する情報を得て、これに基づいて
酸化膜の除去条件を常に適正に保つことが可能になり、
高性能の半導体装置の製造を図ることができる。
【0028】上記第2の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜を除去する工程は、上記基板を加熱しな
がら上記真空容器内に上記酸化膜と反応して揮発性の物
質を生ぜしめるガスを流す過程を含み、上記条件の制御
は、上記ガスを流す過程におけるガスの供給量,圧力及
び基板温度のうち少なくともいずれか1つであることが
好ましい。
【0029】上記第2の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜を除去する工程は、半導体基板上への半
導体結晶層のエピタキシャル成長前の保護用の酸化膜を
除去する工程であることが好ましい。
【0030】本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に形成された酸化膜を真空容器内で除去す
る工程を含む半導体装置の製造方法であって、上記酸化
膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程の開始か
ら所定時間が経過するまでの間は、上記半導体基板を加
熱しながら真空容器内に上記酸化膜と反応して揮発性の
物質を生ぜしめるガスを流す一方、上記所定時間経過後
は上記真空容器へのガスの供給を停止させて実質的に上
記ガスが存在しない雰囲気で半導体基板を加熱すること
により酸化膜を除去することを前提とし、上記酸化膜の
除去の進行状態と上記ガスの流量,圧力及び基板温度の
うち少なくとも1つのパラメータを含む条件との相関関
係を、予め偏光された測定光のp偏光とs偏光との位相
である信号Δを検出するin-situ の偏光解析によって
求めておき、上記酸化膜を除去する工程では、上記相関
関係に基づいて決定された上記所定時間に上記ガスの供
給を停止させる方法である。
【0031】この方法により、予めin-situ の偏光解析
を行なっておけば、酸化膜の除去の進行状態と酸化膜除
去の条件との相関関係を利用して、実際の製造工程で
は、in-situ の偏光解析を行なわなくても、加熱及びガ
スの供給による酸化膜の除去と、ガスの供給を行なわず
に加熱のみによる酸化膜の除去との切り替えを適切に行
なうことが可能になる。つまり、制御及び製造装置の簡
素化を図りつつ、構成の半導体装置の製造を図ることが
できる。
【0032】上記第3の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去
過程の開始から酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基
板の一部が露出するまでをphase 1とし、下地が部分的
に露出してから酸化膜の除去が完了するまでをphase 2
とした場合、上記酸化膜除去の進行状態と上記条件との
相関関係を、phase 1とphase 2に要する時間と上記条
件との相関関係とすることにより、phase 1と phase
2との酸化膜除去機構の相違を考慮して、適切なガスの
供給を停止するタイミングなどを設定することができ
る。
【0033】上記第1,第2または第3の半導体装置の
製造方法において、上記ガスは、Si及びGeのうち少
なくともいずれか1つを含むことができる。
【0034】その場合、上記ガスは、ジシラン及びシラ
ンのうち少なくともいずれか一方を含むものであっても
よいし、ゲルマンを含むものであってもよい。
【0035】本発明の第4の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に形成された酸化膜を真空容器内で除去す
る工程を含む半導体装置の製造方法であって、上記酸化
膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程の開始か
ら酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基板の一部が露
出するまでをphase 1とし、下地が部分的に露出してか
ら酸化膜の除去が完了するまでをphase 2とした場合、
phase 1における基板温度の最高値とphase 2における
基板温度の最高値とを互いに異ならせる方法である。
【0036】この方法により、酸化膜除去に要する時間
つまり加熱時間の短縮と、半導体基板の露出した表面に
おける異物の付着防止との利益・不利益を考慮して、製
造される半導体デバイスの種類に応じたより有利な基板
温度条件を選択することが可能になる。つまり、半導体
装置の種類に適合した所望の性能を有する半導体装置の
製造を図ることができる。
【0037】上記第4の半導体装置の製造方法におい
て、上記phase1における基板温度の最高値をphase2に
おける基板温度の最高値よりも高くすることにより、酸
化膜除去に要する時間を短縮することができる。
【0038】上記第4の半導体装置の製造方法におい
て、上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去
過程の開始から所定時間が経過するまでの間は、上記半
導体基板を加熱しながら真空容器内に上記酸化膜と反応
して揮発性の物質を生ぜしめるガスを流す一方、上記所
定時間経過後は上記真空容器へのガスの供給を停止させ
て実質的に上記ガスが存在しない雰囲気で半導体基板を
加熱することにより酸化膜を除去することが好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、本発明が適用される半導体デバイス,用いた装置,
観察データ,条件制御などに分けて説明する。
【0040】(適用される半導体デバイス及び測定装
置) −エリプソメトリ法の測定原理− 図13は、被測定物である基板上のエピタキシャル領域
のケミカルオキサイド形成領域を測定するための分光エ
リプソメータ(分光エリプソメトリ測定装置)の構成を
概略的に示す側面図である。Xe光源から出力されるX
e光を偏光子により直線偏光に変えて、基板面に垂直な
方向に対して角度θ0 で基板に入射させ、楕円偏光とし
て反射される光を検光子を経た後分光器に入射させて、
分光しながら、ディテクターにより各波長における複素
屈折率N=n−ikを測定するように構成されている。
ただし、入射光の直線偏光の軸は、p方向(光軸に垂直
な面と入射光及び反射光を含む面との交線の方向)と、
s方向(光軸に垂直な面内でp方向に垂直な方向)に対
して傾いている。
【0041】次に、本実施形態で使用したエリプソメト
リ測定の原理について説明する。上記図13に示す基板
へのXe光の入射光とシリコン基板の法線とのなす角を
θ0とすると、各波長における試料の複素屈折率N=n
−ikは、下記式(1),(2)で表される。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、Ψ(Psi)はp成分とs成分と
の間の振幅反射率比を、Δ(Delta)は上記p成分
とs成分との間の位相差をそれぞれ示す。そして、反射
光のΨ(又はtan Ψ),Δ(又はcos Δ)を測定するこ
とにより、式(1),(2)から各波長における試料の
物性を表す複素屈折率Nが求められる。
【0044】ここで、本発明者等は、試料の複素屈折率
Nそのものを求めなくても、この反射光のΔやΨを測定
することで、後述するように、ケミカルオキサイドの除
去に関する重要な情報が得られることを見出した。
【0045】−半導体デバイス及び製造工程の例− 図14は、本発明の実施形態に係るヘテロ電界効果トラ
ンジスタの1種であるHCMOSデバイスの断面図であ
る。同図に示すように、Si基板101の上には、Si
Ge緩和バッファ層102と、SiGeバッファ層10
3と、n型高濃度ドープ層104と、スペーサー層10
5と、nチャネル層106と、pチャネル層107と、
Siキャップ層108と、ゲート絶縁膜109とが順次
形成されている。また、基板上には、nチャネル型電界
効果トランジスタ(以下、n−HMOSと呼ぶ),pチ
ャネル型電界効果トランジスタ(以下、p−HMOSと
呼ぶ)のゲート電極113,118がそれぞれ設けられ
ている。また、ゲート電極113の両側方に位置するS
iGeバッファ層103,n型高濃度ドープ層104,
スペーサー層105,nチャネル層106,pチャネル
層107及びSiキャップ層108の各一部にはn型不
純物が導入されて、n−HMOSのソース領域110及
びドレイン領域111が形成されている。さらに、ゲー
ト電極118の両側方に位置するSiGeバッファ層1
03,n型高濃度ドープ層104,スペーサー層10
5,nチャネル層106,pチャネル層107及びSi
キャップ層108の各一部にはp型不純物が導入され
て、p−HMOSのソース領域115及びドレイン領域
116が形成されている。ここで、SiGe緩和バッフ
ァ層102内においては、Si基板101内の単結晶S
iの格子定数よりも格子定数の大きい結晶面を得るため
にGe組成率が0から10%まで段階的に増大してい
る。また、SiGeバッファ層103は、チャネル層1
06,107にSiGe緩和バッファ層102で発生し
た結晶欠陥が影響を与えるのを防ぐ目的で設けられたも
のである。n型高濃度ドープ層104は、nチャネル層
106にキャリアを供給するための層であり、スペーサ
ー層105はn型高濃度ドープ層104内のイオン化し
た不純物がnチャネル層106に侵入してキャリアが散
乱を受けるのを防ぐ目的で、両者を空間的に分離すべく
設けられたものである。上記SiGeバッファ層103
及びスペーサー層105は、いずれもGe組成率が10
%のSiGeにより構成されている。一方、上記n型高
濃度ドープ層104はGe組成率が20%のSiGeに
より構成されている。
【0046】また、nチャネル層106は、n−HMO
Sにおいて電子が走行する層であり、pチャネル層10
7はp−HMOSにおいて正孔が走行する層である。S
iキャップ層108は、SiGe層の上端にもヘテロ界
面を利用したpチャネル層107を形成すべく設けられ
たものである。
【0047】図15a〜図15cは、本実施形態におけ
るHCMOSデバイスの製造工程の一部を示す断面図で
ある。
【0048】図15aに示す工程で、nウエルとpウエ
ル(いずれも図示せず)が形成されたSi基板101に
RCA法等の洗浄処理を施して表面の不純物を除去した
後、結晶成長装置に導入する。このとき、Si基板10
1の主面上には、厚みが15Å程度のケミカルオキサイ
ド120が形成されている。
【0049】次に、図15bに示す工程で、基板をロー
ドロックを介して真空容器内に導入した後、真空容器内
でケミカルオキサイド120を除去する。これは、後に
説明する図1に示す真空容器内で、基板を加熱しながら
Si26 などを用いて行なわれる。その詳細について
は後述する。
【0050】次に、図15cに示す工程で、Si基板1
01の上にSiGe層やSi層をエピタキシャル成長さ
せる。
【0051】このとき、結晶成長装置にソースガスを導
入する場合、Siのソースガスとしてはシラン(SiH
4 )やジシラン(Si26 )などの水素化シリコン類
を用い、Geのソースガスとしてはゲルマン(GeH
4 )を用いることができる。
【0052】まず、Si基板101の上にSiGe緩和
バッファ層102を成長させる。これは格子緩和したS
iGe層を得るためであり、Ge組成を段階的に(例え
ば5%ずつ)増やした混晶層を成長させる。SiGe緩
和バッファ層102のトータルの膜厚は1μm程度であ
る。次に、SiGe緩和バッファ層102の上にGe組
成率が10%である単一組成のSiGeバッファ層10
3を成長させる。このSiGeバッファ層103の厚み
は30〜50nm程度でよい。次に、SiGeバッファ
層103の上に、Ge組成率が20%のn型高濃度ドー
プ層104を成長させる。その際のドーピングはSiソ
ースとGeソースとともに、不純物を含んだドーパント
ガスを結晶成長装置に導入することにより行なわれる。
次に、n型高濃度ドープ層104の成長後、スペーサー
層105の成長開始までにPH3の供給を停止し、Ge
組成率が10%で厚みが1〜2nm程度のスペーサー層
を成長させる。スペーサー層105の組成はSi0.7
0.3 であり、そのGe組成率はn型高濃度ドープ層1
04のGe組成率よりも小さくなっている。
【0053】次に、スペーサー層105の上にSiから
なるnチャネル層106を成長させ、さらにその上にS
iGeからなるpチャネル層107を成長させる。次
に、pチャネル層107の上にSiキャップ層108を
成長させ、エピタキシャル成長プロセスは完了する。最
後に成長させるSiキャップ層108は、その下のSi
Geからなるpチャネル層107とヘテロ界面を形成す
るためのものであるが、同時にゲート絶縁膜となるSi
酸化膜を熱酸化により形成するためにも用いられる。こ
のSiキャップ層108の厚みは、ゲート酸化後に1n
mの厚みが残る程度であればよい。
【0054】以上のエピタキシャル成長プロセスが終了
した後は、通常のSiCMOSプロセスとほぼ同様の手
順を行なうことで、HCMOSを作成することができ
る。つまり、エピタキシャル成長が完了した基板の表面
(Siキャップ層108の表面)を酸化してゲート絶縁
膜109を形成し、基板上にポリシリコン膜を堆積した
後、パターニングしてゲート電極113,118を形成
する。その後、p−HMOS形成領域を覆うレジスト膜
及びゲート電極113をマスクとしてn型不純物(リ
ン)イオンを基板内に注入することにより、n−HMO
Sのソース領域110及びドレイン領域111を形成す
る。さらに、n−HMOS形成領域を覆うレジスト膜及
びゲート電極118をマスクとしてp型不純物(ボロ
ン)イオンを基板内に注入することにより、p−HMO
Sのソース領域115及びドレイン領域116を形成す
る。
【0055】以上の工程により、図14に示すHCMO
Sデバイスの構造を容易に得ることができる。
【0056】−装置− 次に、エピタキシャル成長を行うための結晶成長装置
に、偏光解析を行うためのin-situ 観察用分光エリプソ
メトリ測定装置を付設して、Si基板上の保護酸化膜の
除去過程を動的に観察する方法について説明する。
【0057】図1は、本実施形態において実験に使用し
た分光エリプソメトリ測定装置を付設したUHV−CV
Dによる結晶成長装置の構成を部分的に断面図で示す図
である。上述のように、本実施形態においては、この結
晶成長装置は、図15bに示す工程において用いられる
装置である。
【0058】図1に示すように、結晶成長装置は、Si
基板上にケミカルオキサイド(酸化膜)が形成されてい
る基板10を収納して酸化膜の除去やエピタキシャル結
晶成長を行なうための真空容器10と、基板11を加熱
する加熱ランプ12と、加熱ランプ12を制御し基板温
度を調整するためのランプコントローラー13と、真空
容器10にガスを導入するためのガス導入口14と、ガ
スの流量を調整するための流量調整器15と、真空ポン
プ16と、基板温度を測定するためのパイロメーター1
9とを備えている。上記流量調整器15は、真空容器1
0と真空容器10にSi26 などのガスを供給するた
めのガス供給ユニット30とを接続する配管中に介設さ
れている。
【0059】一方、分光エリプソメトリ測定装置は、光
源20と、入射光の偏光状態を調整するための偏光器2
1と、入射光に変調を加えるための変調器22と、被測
定物である基板11の酸化膜が形成された面からの反射
光を受け取るためのアナライザ24と、反射光の分光を
行い信号強度を測定するための分光器/ディテクタユニ
ット25と、ディテクタユニット15で測定した信号か
らエリプソメトリ測定の基本的な測定量であるΨ,Δを
計算して条件を判断してから各装置に制御信号を送り出
すための分析制御装置26とを備えている。
【0060】また、真空容器10内のサンプルを観察す
るために、真空容器内に入射光30を導入するための真
空窓17と、真空容器10から反射光31を取り出すた
めの真空窓18とを備えている。真空窓17,18は、
エリプソメトリ法による測定用に市販されている低歪み
真空窓を用いることが好ましい。
【0061】本実施形態の場合、複数の波長で測定を行
うことが可能な分光エリプソ測定装置を用いているため
に、光源20として波長スペクトルの広い光を生成する
もの(例えばXeランプ)を用い、分光器/ディテクタ
ユニット26も分光機能を有するものを用いている。た
だし、本発明は単一の波長のみを扱うエリプソメトリ測
定装置を用いることも可能であり、その場合は光源20
および分光器/ディテクタユニット26は、単一波長対
応のものを用いることが可能となり、装置の構造を簡素
化することができる。
【0062】(分光)エリプソメトリ測定装置は、すで
に説明したように、被測定物に直線偏光した光を照射
し、被測定物によって反射された光の偏光状態の変化か
ら、薄膜の膜厚・組成、表面および界面の平坦性等の種
々の情報を得る評価装置である。その特徴としては、サ
ンプルを破壊することなく測定が行える点や、反応性ガ
ス雰囲気の下でも光がほとんど吸収されないので精度よ
く測定できる点などがあげられる。
【0063】本発明では、このエリプソメトリ測定装置
を酸化膜除去工程の制御のために用いるが、エリプソメ
トリ測定装置は、酸化膜の除去を行った後成長させる結
晶薄膜の膜厚・組成等の評価にも用いることが可能であ
るために、半導体装置の製造工程における利用価値が高
い。
【0064】(酸化膜除去反応の解析のための観察) 図2は、真空雰囲気中で800℃に加熱することにより
酸化膜の除去を行った際にin-situ エリプソメトリ観察
を行なった結果得られるΔ(Delta),Ψ(Ps
i)の信号変化を示す図である。同図の横軸は時間(s
ec)を表し、縦軸はΔまたはΨ(degree)を表してい
る。ここで、測定に使用した酸化膜(ケミカルオキサイ
ド)は、Si基板を硫酸・過酸化水素、アンモニア・過
酸化水素により洗浄した後、フッ酸処理により表面の酸
化膜を一旦除去した後、70℃のアンモニア・過酸化水
素の水溶液(アンモニア:過酸化水素:水=1:6:2
0)により1分間処理することにより形成した。そし
て、結晶成長装置内に導入した直後において、分光エリ
プソメトリ法により測定した酸化膜の膜厚は16Å程度
であった。
【0065】この実験においては、最初の4分間程度で
基板を800℃まで急激に加熱し、30分の間基板温度
を800℃に保持し、その後基板を冷却して基板温度を
室温まで降下させた。昇温開始から約4分間(240s
ec)が経過するまで、および昇温開始から約34分間
(約2000sec)経過したとき以降の信号変化は基
板温度の変化に伴うものであって、酸化膜の除去とは関
係がない信号変化である。
【0066】ここで、基板温度を800℃に一定に保っ
た30分間(1800sec)のうち、最初の7分間
(420sec)程度の間だけ酸化膜の除去反応の進行
に伴いΔ(Delta),Ψ(Psi)が共に増大して
いき、酸化膜の除去が完了したと思われる11分(66
0sec)が経過したとき以降からはΔ,Ψ共に一定の
値になっている。
【0067】図3は、図2中の酸化膜の除去反応が進行
している時間におけるΔ(Delta)の変化を拡大し
て示す図である。この図から明らかなように、酸化膜の
除去反応進行中において、Δは最初緩やかにしか増大し
ないが、ある時点T1以降急激に増大する。ここで、最
初緩やかに増大している部分をphase 1、後半の急激に
増大する部分をphase 2と呼ぶことにする。
【0068】−phase 1およびphase 2の物理的意味− 図4及び図5は、図3に示すphase 1,2の各点A,B
で酸化膜の除去を中断し、結晶成長装置から基板11を
取り出して、基板11の表面の電子顕微鏡撮影を行った
結果得られた顕微鏡写真の複写図である。図4に示す顕
微鏡写真は、観察対象が非常に薄い酸化膜であることか
ら、観察を容易にするために、酸化膜が失われて下地の
シリコン清浄表面が露出した部分にのみSiGe結晶を
成長させた結果得られたものである。
【0069】図4に示すように、phase 1中で酸化膜除
去工程を中断した基板11においては、酸化膜がまだ下
地のシリコン基板全面を被覆していることがわかる。そ
れに対し、図5に示すように、phase 2中で酸化膜除去
工程を中断した基板11においては、酸化膜が残存して
いる領域Re1と、酸化膜が部分的に失われて清浄なS
i基板の表面が露出した部分にSiGe結晶層が成長し
ている領域Re2とが存在している。つまり、このSi
Ge層が形成されている領域Re2は、実際の製造工程
においては、酸化膜が部分的に除去された孔となってい
ることがわかる。
【0070】このように、結晶成長装置内での加熱によ
り、保護酸化膜はその膜厚を均一に減らしながら失われ
ていくのではなく、部分的に孔が発生し下地のシリコン
清浄表面が露出し、その孔が拡大していくことにより失
われていることが明らかになった。
【0071】上記従来のRHEED等による観察方法の
場合、このような酸化膜の除去過程におけるphase 1と
phese 2との切り替わりを検知することは困難である。
しかし、本発明のように、in-situ でエリプソメトリ観
察を行なうことにより、図3に示すようなΔの上昇率の
変化から、phase 1からphase 2への移行を検知するこ
とが可能になる。
【0072】−Si26 による反応の低温化− 次に、上述の実験に用いた基板11と同様の酸化膜(ケ
ミカルオキサイド)を設けた基板について、Si26
雰囲気下において酸化膜を除去する実験を行った。
【0073】図6は、酸化膜除去過程中にSi26
流量1sccmで15分間結晶成長装置内に導入した場合の
Ψ及びΔの変化を示す図である。同図において、横軸は
時間(sec)を表し、縦軸はΨまたはΔ(degree)を
表している。同図からわかるように、Si26 を流し
て酸化膜を除去した場合においても、図2に示す真空中
における酸化膜除去の場合と同様に、酸化膜の除去反応
の間はΨ,Δ共に増大していき、酸化膜の除去が終了す
るとΨ,Δ共にほぼ一定の値になっている。また、Δは
除去反応の途中でその増大率を2段階に変化させている
ことがわかる。さらに、酸化膜の除去の完了に要する時
間が真空中における酸化膜の除去の完了に要する時間に
比べて、明らかに短縮されている。
【0074】−酸化膜除去反応の温度依存性− そこで、真空雰囲気及びSi26 雰囲気の双方におい
て、酸化膜を除去する際の加熱温度を変化させて、酸化
膜除去のphase 1,phase 2に要する時間を測定した。
【0075】図7は、酸化膜除去のphase 1における反
応速度の時間依存性を示す図である。図8は、酸化膜除
去のphase 2における反応速度の時間依存性のデータを
示す図である。図7,図8において、横軸は基板温度の
逆数を表し、縦軸は反応速度をphase 1およびphase 2
に要した時間の逆数によって表している。これらの図で
明らかなように、この反応は、反応に要する時間の逆数
の対数が基板の絶対温度の逆数に比例する、いわゆる熱
励起過程であることがわかる。
【0076】この図7から求められるphase 1における
活性化エネルギーは、真空雰囲気中で4.6eVであ
り、Si26 雰囲気中で3.7eVである。図8から
求められるphase 2おける活性化エネルギーは、真空雰
囲気中で3.9eVであり、Si26 雰囲気中で2.
8eVである。すなわち、phase 1及びもphase 2のい
ずれにおいても、Si26 を用いることにより、真空
雰囲気中よりも酸化膜の除去反応における活性化エネル
ギーが低減されているのがわかる。
【0077】このように、Si26 等のシリコンを含
むガスを酸化膜の除去過程中に導入すると、酸化膜がま
だ基板全面を被覆しているphase 1と、部分的に酸化膜
が失われ下地の清浄シリコン表面が露出しているphase
2との双方において、酸化膜除去反応が加速されること
が明らかになった。
【0078】また、今回、各phase における活性化エネ
ルギーを個別に測定した結果、これを利用して保護酸化
膜の除去過程においてシリコン清浄表面が露出し出す時
間および酸化膜が完全に失われる時間を正確に予測する
ことが可能になった。
【0079】図9は、このようにして求めた真空雰囲気
及びSi26 雰囲気における酸化膜除去に必要な時間
の基板温度依存性を示す図である。また、図10は真空
雰囲気における酸化膜除去に必要な時間をphase 1とph
ase 2とに分けて示す図であり、図11は、Si26
雰囲気における酸化膜除去に必要な時間をphase 1とph
ase 2とに分けて示す図である。図9〜図11におい
て、横軸は処理温度を縦軸は除去に必要な時間(mi
n)を表している。
【0080】−phase 1とphase 2とにおける酸化膜除
去反応のモデル− 以上の実験によって得られたデータ及び事実をまとめる
と、phase 1とphase2とにおける酸化膜除去反応は、
以下のような機構により進行しているものと推測され
る。図12は、真空雰囲気中とSi26 (ジシラン)
雰囲気中におけるphase 1とphase 2とにおける酸化膜
除去反応モデルを示す図である。
【0081】真空雰囲気中においては、Si基板と酸化
膜(SiO2 )との界面でSiとSiO2 とが反応して
揮発性の高いSiOが生じ、このSiOが揮発すること
によって酸化膜が除去される。このとき、phase 1にお
いては、Si基板の全面が酸化膜によって覆われている
ので、SiOが揮発するためには、SiOが酸化膜中を
拡散して酸化膜の表面に達する必要がある。すなわち、
このSiOの拡散速度に律速されるので、酸化膜除去に
要する時間が大きいものと考えられる。ところが、酸化
膜の厚みが薄くなった部分ほどSiOが酸化膜の表面に
達するのに要する時間が短くなるので、いちど薄くなっ
た部分は他の部分よりも優先的に除去される確率が高く
なる。そのため、phase 1においては酸化膜が局部的に
除去されて図5に示すような孔が生じやすい。そして、
いったん孔が生じると、Si基板が露出している孔の底
部においてSi基板が酸化膜と接していない部分ではも
はやSiOが発生することはないが、孔の底部の縁にお
いてはSi基板と酸化膜とが接している。そして、この
部分でSiOが生成されると、このSiOは酸化膜中を
拡散しなくても直接真空中に揮発することができる。つ
まり、Si基板とSiOとの反応によって生じたSiO
が酸化膜中を拡散するよりも、孔の底部で生成されたS
iOがそのまま揮発する方がはるかに速く進行すること
になる。その結果、酸化膜の厚みが減小するよりも孔が
拡大していく過程が優勢になって、酸化膜が除去される
ものと思われる。
【0082】本発明者等は、図3に示すphase 1と ph
ase 2とにおける酸化膜の除去反応の速度が異なる理由
が、以上のような酸化膜除去反応の機構の相違によるも
のと推察し、SiOが酸化膜中を拡散して酸化膜の表面
に達してから揮発する過程のみで酸化膜の除去反応が進
行する期間をphase 1とし、この過程に加えて孔の底部
の縁で生成されたSiOが直接真空中に揮発する過程が
加わる期間をphase 2とする反応モデルを提唱してい
る。
【0083】一方、Si26 を真空容器内に導入する
と、Si基板と酸化膜との界面だけでなく、酸化膜の表
面においてもSi26 とSiO2 とが反応してSiO
が生成される。図12においては、Si基板と酸化膜と
の界面において生成されたSiOと酸化膜の表面におい
て生成されたSiOとのハッチングの向きを変えること
により、両者を識別できるように表示している。酸化膜
の表面において生成されたSiOは直接雰囲気中に揮発
するので、この機構はSi基板と酸化膜との界面で生成
されたSiOが酸化膜を拡散した後揮発する機構よりも
優勢となり、Si26 中においては比較的均一に酸化
膜の厚みが減小していくものと思われる。しかし、この
場合にも、Si基板と酸化膜との界面で生成されたSi
Oの揮発による酸化膜の除去反応が同時に進行している
こともあって、部分的な酸化膜の除去により孔が形成さ
れる。そして、孔が形成されると、孔の底部におけるS
iとSiO2 の反応によるSiOの雰囲気中への直接的
な揮発による酸化膜除去反応が始まる。つまり、孔の拡
大が始まる。
【0084】すなわち、Si26 を用いた場合、phas
e 1においては、Si基板−酸化膜の界面におけるSi
Oの生成による酸化膜除去反応と、酸化膜の表面におけ
るSiOの生成による酸化膜除去反応とが進行し、phas
e 2においては、Si基板−酸化膜の界面におけるSi
Oの生成による酸化膜除去反応と、酸化膜の表面におけ
るSiOの生成による酸化膜除去反応と、孔の底部の縁
におけるSiOの生成による酸化膜除去反応とが混在し
て進行するものと考えられる。その結果、真空中におけ
るよりもはるかに短い時間で酸化膜除去反応が完了す
る。また、phase1,phase 2のいずれにおいても、真
空中におけるよりもSi26 を用いることにより、酸
化膜除去反応の速度が高くなることがこのモデルによっ
て合理的に説明される。
【0085】ただし、Si26 はSi結晶膜をエピタ
キシャル成長させるために用いられるガスともなりうる
ので、Si26 を用いた場合、酸化膜の除去が完了し
た後はSi基板の上にSi結晶膜が部分的に形成される
ものと思われる。このSi結晶膜は、phase 2において
孔が形成されるとその孔の底部に露出しているSi基板
上に成長するものである。
【0086】なお、Si26 (ジシラン)以外のガス
であってもSiO2 と反応してSiOを発生させるもの
あれば、そのガスを用いることにより、Si26 を用
いた場合と同じ酸化膜除去反応の機構を得ることができ
る。
【0087】−酸化膜除去反応のまとめ− 以上の酸化膜除去反応についての要点をまとめると、以
下のようになる。 1) 酸化膜の分解過程は、膜厚が単調に減少しながら
進行するのではなく、酸化膜が基板全体を被覆している
状態でSiOが酸化膜中を拡散してから揮発する過程で
あるphase 1を経た後、酸化膜に部分的に孔が発生し、
この孔が拡大していく過程であるphase 2に切り替わっ
て進行する。 2) in-situ エリプソメトリ測定によって得られる信
号であるΨおよびΔは酸化膜の分解反応の進行中にとも
に増大し、酸化膜除去が完了した時点で一定になる。ま
た、Δの増大率がphase 1では小さく、phase 2では大
きくなる。 3) 酸化膜の分解過程は、phase 1,phase 2のいず
れにおいても熱励起過程であり、基板温度を上昇させれ
ば、反応は早く進行する。そのとき、活性化エネルギー
は、phase 1よりもphase 2におけるほうが小さい。そ
して、酸化膜除去工程中にSi26 を導入すれば、反
応の活性化エネルギーを低下させることができる。
【0088】(製造工程における条件制御) 以上の知見に基づいて、以下のような酸化膜除去過程の
条件制御を行なうことができる。
【0089】−phase 1とphase 2とにおける酸化膜除
去のための条件の変更− a.ガス流量制御 Si26 は、phase 1、phase 2の双方で酸化膜除去
反応における活性化エネルギーを低下させるので、酸化
膜除去のための工程中、Si26 を常に流せばもっと
も酸化膜除去の際の加熱温度を低温化し、あるいは酸化
膜除去時間を短縮させることができる。
【0090】しかしながら、Si26 はSi結晶の成
長のソースガスとして用いられるガスでもあるため、酸
化膜に孔が形成されてphase 2に入り清浄な基板結晶表
面が部分的に露出すると、この部分でSi結晶の成長が
始まってしまう。これは、図14に示すデバイスにおい
ては、Si基板101とSi緩和バッファ層102との
間に部分的に島状のシリコン層が存在することになり、
基板の平坦度が悪化することになる。特に、コレクタと
するn型基板上に、p型にドープしたSiGeベース層
を成長させるSi/SiGeヘテロバイポーラトランジ
スタの製造工程等においては、コレクタ層とベース層の
間にアンドープのSi層が挟まれることになり、バイポ
ーラトランジスタの特性が大幅に劣化する。また、Si
基板−SiGeエピタキシャル成長層の界面にキャリア
を走行させるデバイスなどでは、部分的に島状にシリコ
ンが成長していた場合、チャネルを走行するキャリアの
散乱が増大するために走行速度が低下するなどデバイス
の特性が劣化する。
【0091】従って、このような意図しない結晶成長を
防止もしくは抑制するためには、phase 2ではSi2
6 の供給を停止するか、その供給量をphase 1に比べて
減らすことが好ましい。このSi26 の供給停止を、
phase 1の期間内におこなえば、意図しない結晶成長を
防ぐことができる。しかしながら、早い段階でSi26
の供給を停止すればするほど、酸化膜除去過程を完了
するまでに要する時間は延びることになる。
【0092】そこで、本実施形態においては、以下の考
え方に基づいて酸化膜の除去条件の制御を行なう。phas
e 1においては、まだ酸化膜がシリコン基板全面を被覆
しているので、この期間にいくらSi26 等のガスを
供給しても、Si結晶が成長するおそれはない。従っ
て、理想的には、phase 1の期間全体にわたりSi2
6 等のガスを供給し、phase 2に切り替わった時点で供
給を停止すれば、意図しない結晶成長を抑制しうる条件
下における酸化膜除去時間が最短になると考えられる。
図2及び図3のデータから、このときの基板温度条件
(800℃)では酸化膜除去に要する全期間は、前半の
過程において、真空雰囲気中で行なっていたのをSi2
6 などのガスに切り替えることによる時間の短縮の分
だけ、酸化膜の除去に要するトータルの時間を短縮する
ことができる。
【0093】なお、後述するように、ガスの供給停止後
に、ほぼ真空雰囲気ではあるが基板面への不純物の再付
着を防止する目的で微量の水素等を流す場合がある。そ
の場合にも、水素等のガスは揮発性物質の精製には寄与
しないので、酸化膜の除去に関しては実質的に真空雰囲
気とみなすことができる。
【0094】ただし、in-situ エリプソメトリ観察を行
ないながら、phase 1と phase 2との切り替わり時に
制御の時間遅れを生じることなく条件を変更する制御を
行なうことは、現実には困難である。そこで、本発明に
おいては、後述するような制御の切り替わりのタイミン
グを設定する手段を講じている。 b.基板温度制御 従来、基板温度は酸化膜除去過程の開始から完了まで一
定に保たれていたが、除去反応進行状態に応じ基板温度
を変化させることにより、以下のような利点が得られ
る。
【0095】まず、phase 1における加熱温度を高温化
することにより、以下のような利点が得られる。
【0096】活性化エネルギーが大きいほど、反応速度
の温度依存性は大きくなるので、基板温度を高くするこ
とにより、酸化膜除去に要する時間を短縮する効果をよ
り大きくすることができる。一方、酸化膜除去工程の総
時間を一定とすると、全ての期間に亘って基板温度を高
くすることは、形成される半導体デバイスの特性を劣化
させるおそれがある。そこで、phase 1またはphase 2
のいずれか一方の期間においてのみ基板温度を高くする
ことが好ましい。
【0097】その場合、図7および図8に示すように、
phase 2における反応の活性化エネルギーは、phase 1
における活性化エネルギーよりも小さい。そこで、基板
温度を最高に保つ時間をできる限り短くしようとすれ
ば、活性化エネルギーの大きいphase 1における基板温
度を高温化するほうが酸化膜除去反応を促進する効果が
大きくなる。高温保持により特に特性変化を受けやすい
構造を有する基板上に結晶成長をおこなう場合などは、
このようにphase 1に高温部分を設け、phase 2で基板
温度を引き下げると、トータルの加熱量を引き下げるこ
とができるため特に有効である。
【0098】ただし、phase 2における反応の活性化エ
ネルギーはphase 1よりも小さいが、それでも基板温度
を引き上げることにより除去反応を加速することはでき
る。また、phase 2では部分的に孔が形成されてシリコ
ン清浄表面が露出し、露出部分が拡大していくのである
が、最初に露出した部分は長時間露出したままになる。
そして、この最初に露出した部分においては結晶成長装
置内に存在する微量の不純物が付着する確率が高くな
る。すなわち、phase 2において基板温度を低温化すれ
ばするほど、孔の最初に露出した部分のシリコン清浄表
面が長時間、露出したままになるので、基板への微量の
残留不純物が問題になる場合には、phase2における加
熱温度高くして、部分的にSi基板の清浄な表面が露出
している時間を短縮することが好ましい。
【0099】上記のように、phase 1における加熱温度
を高温にするべきか、phase 2における加熱温度を高温
にするべきかは、その作成するデバイスの構造、結晶成
長装置の状態等を考慮して、選択することができる。
【0100】−切り替えのタイミングと方法− 本発明の特徴は、酸化膜除去反応が、phase 1とphase
2の2段階で進行するという知見をもとに、各phase で
上記のようにガス流量(雰囲気の切り替え)や基板温度
を最適化することにある。従って、除去反応に影響を与
える装置の設定条件(ガス流量、基板温度等)をどの時
点で変更するのかが、発明の実施上重要なポイントとな
る。そこで、以下にphase 1とphase 2との切り替えタ
イミングを検知する各方法について記述する。 a.in-situ エリプソメトリ測定の信号の増大率の変化
を利用する方法 phase 1とphase 2の切り替わる時点は、in-situ エリ
プソメトリ測定の信号変化、特にΔ(Delta )の増大率
が緩やかであったものが増大率が高くなることを利用し
て、検知することができる。例えば、図3に示す点Cを
検知して、点Cの時点を制御の切り替え時と判断する方
法である。
【0101】このように、in-situ エリプソメトリ測定
により検知したphase 1・phase2の切り替わりをトリ
ガーとして、基板毎にSi26 などのガスの流量制御
や基板温度の制御等を行わせた場合、基板によって酸化
膜の膜厚等に揺らぎ(ばらつき)が生じ、基板毎に酸化
膜除去反応の進行に変動が生じた場合でも、phase 1・
phase 2の切り替わり時点を確実に把握して、適切な流
量制御や基板温度制御を行なうことができるという利点
がある。また、in-situ エリプソメトリ測定の信号
(Δ)の絶対値は、基板の取り付け時における基板面と
測定光との間の角度が多少基板毎に変動したり、基板温
度が基板毎に微妙に変動することにより多少揺らぐが、
信号(Δ)の増大率の変化自体はこれらの変動の影響を
受けないために制御の再現性は高い。
【0102】ただし、phase 1の終了時期を正確に検知
できたとしても、信号の検知時から実際にガス流量や基
板温度などの条件が変更されるまでの間には、ある程度
の時間を要する。また、Si26 などの供給を停止し
ても、結晶成長装置内にはしばらくの間Si26 など
が残存している可能性もある。
【0103】さらに、信号Δの値には、図3に示すよう
に、すべての物理測定と同様に、若干のノイズが重畳さ
れている。したがって、ごく短時間の信号の変化では、
その変化が酸化膜除去過程のphase の切り替わりによる
ものか、ノイズによるものかを区別することが困難とな
る場合がある。そこで、ノイズの影響を確実に排除して
phase の切り替わりが行われたことを確認するために
は、実際に切り替わりが行われてから、ノイズの影響が
無視できる程度の時間が経過する必要があるが、そうす
ると、制御にさらに遅れを生じるおそれがある。つま
り、エリプソメトリ測定により、phase 2に入ったこと
を検知してからSi26 の供給を停止した場合、phas
e 2の初期に若干Si26 を流してしまうことにな
る。
【0104】一般的には、ある程度の制御遅れによっ
て、phase 2の初期にSi26 が流れても問題になら
ない。しかし、成長させるデバイス種類によっては、デ
バイスの特性上、どうしてもこのような制御遅れを避け
たい場合がある。このような場合には、以下のようなエ
リプソメトリ測定の信号(Δ)の絶対値を利用する方法
を利用することが好ましい。 b.エリプソメトリ測定の信号の絶対値を利用する方法 上記a.の欄で説明した制御遅れの問題は、エリプソメ
トリ測定の信号(Δ)の絶対値を利用することで容易に
解決することができる。図3に示すように、phase 1に
おいてΔの変化は緩やかであるが、ほぼ単調に増大して
いる。したがって、現在検知されているΔの値から、今
後どの程度の時間が経過すればphase 2に切り替わるの
か予測することが可能である。ただし、図3は真空雰囲
気中で加熱した場合のエリプソメトリ信号Δであるが、
図6に示すように、Si26 などを供給した場合にも
Δの増大率が異なるだけで基本的には同じパターンの変
化を示す。そこで、以下の説明では、図3のΔ変化のパ
ターンを代用して、Si26 などのガスを流しなが
ら、ガスの供給を停止させるタイミングを制御する方法
について説明する。
【0105】例えば、図3に示すphase 1の開始タイミ
ングT0 からphase 2への切り替わりタイミングT1 ま
でに要する時間の70%に相当する時間が経過したタイ
ミングT0.7 をΔの信号から検知して、その後の切り替
わりタイミングT1 を計算から割り出す方法である。こ
のタイミングT0.7 は、例えばphase 1の開始タイミン
グT0 における信号値Δ0 と、phase 1の終了時におけ
る信号値Δ1 との差を1としたときに、信号値Δ0 との
差が0.7になるような信号値Δ0.7 を検知したタイミ
ングである。その場合、信号Δにノイズが重畳している
場合にも、各信号値Δ0 ,Δ0.7 ,Δ1 として、ノイズ
による変動のピーク値を採用することで、平均値を計算
する手間を省くことができる。なお、phase 1とphase
2との切り替わり時とは異なり、phase 1の途中の段階
では、比較的単調に信号Δの値が増大しているので、ノ
イズによる変動のピーク値を信号値として採用しても、
検知精度を大きく劣化させるおそれはない。
【0106】また、このようにphase 1・phase 2の切
り替わり時点を予測したときに、phase 2への切り替わ
り時ではなく、phase 1において酸化膜除去反応がphas
e 1の所定の割合に達した時点でSi26 などの供給
を停止させるようにしてもよい。すなわち、確実にphas
e 2に切り替わった時点でSi26 などのガス供給を
停止させるのではなく、それ以前にガスの供給を停止さ
せれば、phase 2に入ってからもSi26 を流してし
まうことを確実に抑制することができる。また、ガスの
供給を停止してからもある程度の時間真空容器内にガス
が残留していることを考慮して、実際の切り替わりのタ
イミングよりも早めにガスの供給を停止させることによ
り、phase 2が開始して時点では真空容器内からガスが
確実に排除されているように制御することができる。た
し、phase 2に入ってからある程度の時間Si26
などのガスを供給し続けても開口されて露出しているS
i基板上におけるSi結晶の成長がほとんどない場合
や、Si結晶の成長が多少あっても問題とならない場合
には、製造するデバイスの特性上不具合を生じない範囲
内で、phase 2に入った後ある程度の時間が経過する時
点まで意識的にガスの供給を続行するように制御するこ
とも可能である。
【0107】このように、実際にエリプソメトリ測定に
よる観察を行いながら、酸化膜除去反応の進展度合いを
確認した状態でSi26 などのガスの供給を停止する
ことにより、必要以上に早くSi26 などのガスの供
給を停止して酸化膜除去反応促進効果を十分得られなか
ったり、あやまってphase 2にはいってからもSi26
などを供給してしまうことによる不具合の発生を確実
に防止することができ、適切な時間、適切な量だけSi
26 などのガスを流すことが可能になる。
【0108】また、このように信号Δの絶対値を検出し
ておき、酸化膜除去反応の進行状況が判断できれば、酸
化膜の初期厚みの揺らぎ等に応じて最終的な酸化膜除去
の状態のばらつきを抑制することができる。例えば、酸
化膜除去反応が通常よりも遅い場合、基板温度を上昇さ
せる、Si26 流量を増大させる等の手段により、酸
化膜除去反応を促進させることにより、最終的な酸化膜
除去の状態のばらつきを抑えることができる。 c.両制御の併用 上記b.欄における測定の絶対値を用いて切り替わりの
タイミングを予測する方法と、上記a.の欄で説明した
phase 1とphase 2の切り替わりを検知する方法とは併
用することができる。例えば、最初、Si26 の流量
を十分大きくとっておき、絶対値を用いる方法により、
phase 1の例えば9割が経過したと思われる段階でSi
26 の流量を引き下げ、上記b.の欄で記載した方法
でphase2に突入した段階でSi26 の供給を停止す
れば、phase 2に突入してから流してしまうSi26
の流量を低く抑えることで意図しないSi結晶の成長を
上記a.の欄の方法よりも抑制できる。しかも、ぎりぎ
りまでSi26 を流すことにより、phase 1の9割で
完全にSi26 の供給を停止する方法よりも酸化膜除
去を短時間化することができる。
【0109】その場合、信号値としてノイズによる変動
のピーク値を採用することで、ノイズの影響を除外する
ための時間を省くことも可能である。 d.固定条件による制御 上記のようなreal-time 測定によるフィードバック制御
は、再現性という点では好ましいが、毎回必ずエリプソ
メトリ測定によりモニタリングしなければならないとい
う不利な点もある。そこで、予めエリプソメトリ測定に
よる実験を行なってほぼ再現性が確保できる場合には、
以下の方法を採用することもできる。
【0110】一般的には、酸化膜除去反応は、その条件
(酸化膜厚、基板温度、ガス雰囲気等)を理想的に同一
とすれば、その進行も基本的に同一となるはずである。
つまり、実際に製造時に採用する条件(酸化膜形成条
件、基板温度、ガス雰囲気)において、in-situ エリプ
ソメトリ測定により酸化膜除去反応を観察し、phase 1
およびphase 2に要する時間を測定しておけば、以後、
同じ条件を再現させて酸化膜を除去する場合、この時間
を目安として制御を行うことができる。言い換えると、
実際に製造に用いる条件とphase 1・phase 2の切り替
わりタイミングとの相関関係を予め把握し、この相関関
係に基づいて実際に用いる条件下における切り替わりタ
イミングを決定することができる。このとき、製造時の
条件としてガスの流量や基板温度などを種々に変化させ
て、それらの各条件毎に条件と切り替わりタイミングと
の相関関係を求めておけば、実際に製造で採用する可能
性のある各条件下において、常に適切なガス流量や基板
温度等の条件の制御を行なうことができる。
【0111】また、実際に使用するすべての温度におい
て実験を行わなくても、他の条件が同じで、基板温度が
異なる最低2種類の条件での実験データさえ得られれ
ば、phase 1およびphase 2がそれぞれ異なる活性化エ
ネルギーを持つ熱励起過程である(図7及び図8参照)
ということから、図10及び図11に示すような異なっ
た温度でのphase 1およびphase 2の時間をそれぞれ予
測することができる。
【0112】以上のように、phase 1の時間が予想でき
れば、Si26 などのガスの導入による酸化膜除去効
果と、phase 2に突入した後もSi26 を流すことに
よる意図しない結晶成長の不具合を回避しつつ、条件を
設定することが可能になる。つまり、最大限Si26
などのガスを導入して、酸化膜除去に要する時間を短縮
することを望む場合には、例えば実験で求めたphase 1
の時間の間中Si26 を流せばよいし、不具合をでき
る限り回避したいのであれば、例えば、phase1の時間
の最初の5割の時間だけSi26 などのガスを流せば
よい。phase 1の期間のどの割合までSi26 などを
流すかは、上述した効果と不具合とを比較して選択する
ことができる。
【0113】ただし、あまり早くSi26 などのガス
の供給を停止すると、酸化膜除去の短時間化の効果が薄
れることから、phase 1の期間の5割以上に相当する期
間はSi26 などのガスを流すことが好ましい。ま
た、制御遅れやガスの供給停止後にもガスが残存するこ
とを考慮すれば、Si26 などのガスを流す期間はph
ase 1の期間の9.5割以下に相当する期間に限定する
ことが好ましい。
【0114】なお、統計的に求めた揺らぎにより、phas
e 1のうちSi26 などのガスを供給する期間の割合
を決定すればより大きな効果を発揮することができる。
すなわち、条件決定のために行ったphase 1およびphas
e 2の時間の測定結果にばらつきが小さければ、実際の
デバイス製造時にもphase 1からphase 2への切り替わ
りタイミングのばらつきが小さいことが予想されるた
め、phase 1のかなりの期間Si26 を流しても、ph
ase 2に誤ってSi26 を流してしまうおそれは小さ
い。逆に、条件決定のための時間の測定結果のばらつき
が大きければ、実際のデバイス製造時にもphase 1・ph
ase 2の切り替わりタイミングのばらつきが大きいこと
が予想されるため、早めにSi26 の供給を停止しな
ければ、phase 2においてSi26 を流してしまうお
それが大きい。そこで、十分多く測定実験を行い、切り
替わりタイミングのばらつきに関する統計を取っておけ
ば、例えば99%の確率でphase 2に突入しない時間と
いった条件を設定することが可能になる。
【0115】このような固定条件を用いる方法は、商業
的量産を行う際に、複数の結晶成長装置を用いて酸化膜
除去による基板清浄化を行う際に、すべての装置にin-s
ituエリプソメトリ測定装置を装着する必要が無くなる
ために、製造コストを引き下げることが可能となる。
【0116】−その他の制御− 上記phase 1・phase 2の切り替わりタイミングの検知
と制御の切り替えのタイミングとに関しては、主として
Si26 などのガスの流量制御について説明したが、
この切り替わりタイミングの検知と製造条件の制御と
は、基板温度の制御についても同様に適用できる。
【0117】その場合、Si26 等のガスの流量制御
のタイミングの決定方法と、基板温度制御のタイミング
の決定方法とは、互いに独立に選択することができる。
また、同じ方法例えば固定条件を用いる方法を選択した
場合でも、Si26 などのガスの停止をphase 1に要
する期間の5割に相当する時間が経過した時点に設定
し、基板温度の変更をphase 1に要する期間の9割に相
当する時間が経過した時点に設定するというように、両
者の割合値のみを互いに異ならせることも可能である。
【0118】また、上記実施形態においては、結晶成長
装置に導入するガスの例としてSi26 をとりあげた
が、本発明は、SiH4 等の水素化シリコン類その他S
iを含むガスもしくはGeH4 等のGeを含むガスな
ど、酸化膜と反応して揮発性の高い物質を生成する機能
を有するガスすべてについて適用することができる。揮
発性の高い物質はSiOに限定されるものではない。
【0119】また、本発明の結晶成長装置または製造方
法は、例えばSiGe層上にSi層を形成する前に、R
CA洗浄などの基板の清浄化を行なう必要が生じる場合
にも、適用することができる。
【0120】なお、上記実施形態では、Si26 など
の揮発性物質を精製する機能を有するガスの供給を停止
した後(後半の過程)では、主として真空雰囲気中で酸
化膜の除去を行なうようにしているが、場合によって
は、不純物の再付着を防止する目的で、微量の水素など
を流しながら酸化膜の除去を行なうことがある。このよ
うな場合にも、水素は揮発性物質の生成には寄与しない
ので、酸化膜の除去という点に関しては実質的に真空雰
囲気とみなすことができる。すなわち、本発明は、後半
の過程において微量の水素などを流す場合にも適用する
ことができる。
【0121】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造装置によれ
ば、エピタキシャル成長の前に半導体基板上の酸化膜を
除去する際に用いられる半導体装置の製造装置として、
真空容器と、基板加熱装置と、酸化膜と反応して揮発性
の物質を生ぜしめる機能を有するガスを供給するための
ガス供給装置と、酸化膜の除去状態を偏光された測定光
のp偏光とs偏光との位相差である信号Δを検出するた
めの偏光解析装置と、信号Δに応じて酸化膜を除去する
際の条件を制御するための制御装置とを備える構成とし
たので、高い感度で酸化膜の除去状態を検知しうる偏光
解析の信号Δに応じて酸化膜除去のための条件を適宜制
御することにより、高い性能を有する半導体装置の製造
に供することができる。
【0122】本発明の第1の半導体装置の製造方法によ
れば、半導体基板上の酸化膜を真空容器内で除去する工
程において、当初は半導体基板の加熱と揮発性の物質を
生ぜしめるガスの供給により、所定時間経過後は加熱の
みにより酸化膜を除去するようにしたので、酸化膜が半
導体基板の全面を覆っているphase 1である前半の期間
においては迅速に酸化膜の除去を行なう一方、半導体基
板の一部が露出したphase 2である後半の期間において
は半導体基板上へのガスによる物質の堆積を抑制するこ
とが可能になり、加熱時間の短縮と半導体基板面の清浄
化とにより高性能の半導体装置の製造を図ることができ
る。
【0123】本発明の第2の半導体装置の製造方法によ
れば、半導体基板上の酸化膜を真空容器内で除去する工
程において、酸化膜の除去状態を、測定光のp偏光とs
偏光との位相差である信号Δを検出するための偏光解析
によりモニターし、偏光解析のデータに基づいて、酸化
膜除去の条件を制御するようにしたので、いわゆるin-s
itu の偏光解析を行ないながら時々刻々変化する酸化膜
の厚みなどに関する精度の高い情報を利用して酸化膜の
除去条件を常に適正に保つことにより、高性能の半導体
装置の製造を図ることができる。
【0124】本発明の第3の半導体装置の製造方法によ
れば、半導体基板上の酸化膜を真空容器内で除去する工
程において、当初は半導体基板の加熱と揮発性の物質を
生ぜしめるガスの供給により、所定時間経過後は加熱の
みにより酸化膜を除去する場合、酸化膜の除去の進行状
態と上記ガスの流量などの条件との相関関係を予めin-s
itu の偏光解析によって求めておき、実際に酸化膜を除
去する工程では、この相関関係に基づいて決定された所
定時間にガスの供給を停止させるようにしたので、制御
及び製造装置の簡素化を図りつつ、高性能の半導体装置
の製造を図ることができる。
【0125】本発明の第4の半導体装置の製造方法によ
れば、半導体基板上の酸化膜を真空容器内で除去する工
程において、酸化膜の一部が開口されて半導体基板の一
部が露出するまでをphase 1とし、その後酸化膜の除去
が完了するまでをphase 2とした場合、phase 1におけ
る基板温度の最高値とphase 2における基板温度の最高
値とを互いに異ならせるようにしたので、加熱時間の短
縮と半導体基板上への付着物の防止との利益・不利益を
考慮して、製造される半導体デバイスの種類に応じたよ
り有利な基板温度条件を選択することにより、半導体装
置の種類に適合した所望の性能を有する半導体装置の製
造を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態において実験に使用した分光
エリプソメトリ装置を付設した結晶成長装置の構成を部
分的に断面図で示す図である。
【図2】真空雰囲気中で800℃に加熱することにより
酸化膜の除去を行った際にin-situ エリプソメトリ観察
を行なった結果得られるΔ,Ψの信号変化を示す図であ
る。
【図3】図2中の酸化膜の除去反応が進行している時間
におけるΔ(Delta)の変化を拡大して示す図であ
る。
【図4】図3に示すphase 1の点Aにおける基板の表面
の電子顕微鏡写真の複写図である。
【図5】図3に示すphase 2の点Bにおける基板の表面
の電子顕微鏡写真の複写図である。
【図6】酸化膜除去過程中にSi26 を流量1sccmで
15分間結晶成長装置内に導入した場合のΨ及びΔの変
化を示す図である。
【図7】実験により求められた酸化膜除去のphase 1に
おける反応速度の時間依存性を示す図である。
【図8】実験により求められた酸化膜除去のphase 2に
おける反応速度の時間依存性を示す図である。
【図9】実験により求められた真空雰囲気及びSi2
6 雰囲気における酸化膜除去に必要な時間の基板温度依
存性を示す図である。
【図10】実験により求められた真空雰囲気における酸
化膜除去に必要な時間をphase 1とphase 2とに分けて
示す図である。
【図11】実験により求められたSi26 雰囲気にお
ける酸化膜除去に必要な時間をphase 1とphase 2とに
分けて示す図である。
【図12】真空雰囲気中とSi26 (ジシラン)雰囲
気中におけるphase 1とphase 2とにおける酸化膜除去
反応モデルを示す図である。
【図13】被測定物である基板上のエピタキシャル領域
のケミカルオキサイド形成領域を測定するための分光エ
リプソメータの構成を概略的に示す側面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るヘテロ電界効果トラ
ンジスタの1種であるHCMOSデバイスの断面図であ
る。
【図15】本発明の実施形態におけるHCMOSデバイ
スの製造工程の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 加熱ランプ 13 ランプコントローラー 14 ガス導入口 15 流量調整器 16 真空ポンプ 17 真空窓 18 真空窓 19 パイロメーター 20 光源 21 偏光器 22 変調器 24 アナライザ 25 分光器/ディテクタユニット 26 分析制御装置 30 入射光 31 反射光 32 加熱用赤外線 33 輻射赤外線 34 ガス供給ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−132679(JP,A) 特開 平7−335604(JP,A) 特開 平6−77301(JP,A) 特開 平5−190499(JP,A) 特開 平9−64016(JP,A) 特開 平9−7909(JP,A) 特開 平7−183348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/66 H01L 21/3065

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に半導体結晶層をエピタキ
    シャル成長させる前に半導体基板上に形成された酸化膜
    を除去する際に用いられる半導体装置の製造装置であっ
    て、 半導体基板を収納するための真空容器と、 上記真空容器に付設され真空容器内で半導体基板を加熱
    するための基板加熱装置と、 上記真空容器に上記酸化膜と反応して揮発性の物質を生
    ぜしめる機能を有するガスを供給するためのガス供給装
    置と、 上記半導体基板上における酸化膜の除去状態を偏光され
    た測定光のp偏光とs偏光との位相差である信号Δを検
    出するための偏光解析装置と、 上記偏光解析装置によって検出された信号Δに応じて、
    上記半導体基板上の酸化膜を除去する際の条件を制御す
    るための制御装置とを備えていることを特徴とする半導
    体装置の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造装置に
    おいて、 上記制御装置は、上記真空容器に上記ガスを供給しなが
    ら上記酸化膜の除去を行なう過程から、上記ガスの供給
    を停止して上記実質的に上記ガスが存在しない雰囲気で
    の加熱により上記酸化膜の除去を行なう過程とに切り替
    えるタイミングを判断する機能を備えていることを特徴
    とする半導体装置の製造装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に形成された酸化膜を真空
    容器内で除去する工程を含む半導体装置の製造方法であ
    って、 上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程
    の開始から酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基板の
    一部が露出するまでをphase 1とし、下地が部分的に露
    出してから酸化膜の除去が完了するまでをphase 2とし
    た場合、phase1からphase 2に切り替わるタイミング
    と上記ガスの供給を停止させる所定時間との関係を調整
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光のp偏光と
    s偏光との位相差である信号Δを検出するための偏光解
    析によりモニターし、上記信号Δの増大率が変化したと
    きに上記phase 1からphase 2に切り替わったと判断し
    て、上記ガスの供給を停止させることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、予め、上記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光のp
    偏光とs偏光との位相差である信号Δを検出するための
    偏光解析によりモニターし、上記phase 1からphase 2
    に切り替わる時点の信号Δの値を決定しておき、 上記酸化膜の除去過程を、偏光された測定光のp偏光と
    s偏光との位相差である信号Δを検出するための偏光解
    析によりモニターし、検出した信号Δと上記決定された
    信号Δの値とを比較することにより、 上記phase 1の開
    始時からの経過時間が上記phase 1の開始から上記phas
    e 2に切り替わるまでに要する時間の所定の割合に達し
    た時点を検知して、これに基づいて上記ガスの供給を停
    止させる所定時間を決定することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記所定の割合は、5割以上9.5割以下であることを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置の製造方法において、 上記偏光解析のデータに基づいて、上記ガスを流す過程
    におけるガスの流量,圧力及び基板温度のうち少なくと
    もいずれか1つを変化させる制御を行なうことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置の製造方法において、 上記酸化膜を除去する工程は、半導体基板上への半導体
    結晶層のエピタキシャル成長前の保護用の酸化膜を除去
    する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 半導体基板上に形成された酸化膜を真空
    容器内で除去する工程を含む半導体装置の製造方法であ
    って、 上記酸化膜を除去する工程において、上記半導体基板上
    における酸化膜の除去状態を、偏光された測定光のp偏
    光とs偏光との位相差である信号Δを検出するための偏
    光解析によりモニターし、偏光解析のデータに基づい
    て、酸化膜除去の条件を制御することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記酸化膜を除去する工程は、上記基板を加熱しながら
    上記真空容器内に上記酸化膜と反応して揮発性の物質を
    生ぜしめるガスを流す過程を含み、 上記条件の制御は、上記ガスを流す過程におけるガスの
    供給量,圧力及び基板温度のうち少なくともいずれか1
    つであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の半導体装置
    の製造方法において、 上記酸化膜を除去する工程は、半導体基板上への半導体
    結晶層のエピタキシャル成長前の保護用の酸化膜を除去
    する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に形成された酸化膜を真
    空容器内で除去する工程を含む半導体装置の製造方法で
    あって、 上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程
    の開始から所定時間が経過するまでの間は、上記半導体
    基板を加熱しながら真空容器内に上記酸化膜と反応して
    揮発性の物質を生ぜしめるガスを流す一方、上記所定時
    間経過後は上記真空容器へのガスの供給を停止させて実
    質的に上記ガスが存在しない雰囲気で半導体基板を加熱
    することにより酸化膜を除去することを前提とし、 上記酸化膜の除去の進行状態と上記ガスの流量,圧力及
    び基板温度のうち少なくとも1つのパラメータを含む条
    件との相関関係を、予め偏光された測定光のp偏光とs
    偏光との位相差である信号Δを検出する偏光解析によっ
    て求めておき、 上記酸化膜を除去する工程では、上記相関関係に基づい
    て決定された上記所定時間に上記ガスの供給を停止させ
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程
    の開始から酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基板の
    一部が露出するまでをphase 1とし、下地が部分的に露
    出してから酸化膜の除去が完了するまでをphase 2とし
    た場合、 上記酸化膜除去の進行状態と上記条件との相関関係は、
    phase 1とphase 2に要する時間と上記条件との相関関
    係であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項3〜12のうちいずれか1つに
    記載の半導体装置の製造方法において、 上記ガスは、Si及びGeのうち少なくともいずれか1
    つを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記ガスは、ジシラン及びシランのうち少なくともいず
    れか一方を含むことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記ガスは、ゲルマンを含むことを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  17. 【請求項17】 半導体基板上に形成された酸化膜を真
    空容器内で除去する工程を含む半導体装置の製造方法で
    あって、 上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程
    の開始から酸化膜が部分的に失われ下地の半導体基板の
    一部が露出するまでをphase 1とし、下地が部分的に露
    出してから酸化膜の除去が完了するまでをphase 2とし
    た場合、phase1における基板温度の最高値とphase 2
    における基板温度の最高値とを互いに異ならせることを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記phase1における基板温度の最高値がphase2におけ
    る基板温度の最高値よりも高いことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項17または18記載の半導体装
    置の製造方法において、 上記酸化膜を除去する工程において、酸化膜の除去過程
    の開始から所定時間が経過するまでの間は、上記半導体
    基板を加熱しながら真空容器内に上記酸化膜と反応して
    揮発性の物質を生ぜしめるガスを流す一方、上記所定時
    間経過後は上記真空容器へのガスの供給を停止させて実
    質的に上記ガスが存在しない雰囲気で半導体基板を加熱
    することにより酸化膜を除去することを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
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