JP3253775B2 - 検査系列生成方法 - Google Patents

検査系列生成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル回路の故障検
査に用いる検査系列を生成する検査系列生成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル回路はLSI化が大き
く進み、あらゆる分野で利用されるようになっている。
LSIは直接内部の信号を観測できないことから、LS
Iの大規模化につれて、検査段階における故障検査に関
する技術が重要になってきている。
【0003】ディジタル回路の故障検査に関して、故障
を検出するための検査系列を予め自動的に生成する方法
が種々提案されている。一般に故障の有無は、被検査回
路の入力端子に適当な入力系列を加えて出力端子から得
られる結果と、予想される結果とを比べることによって
判定される。これに用いられる入力系列が検査系列であ
る。この検査系列は、予め仮定しておいた故障のそれぞ
れに対して、それを検査することができるように生成さ
れる。
【0004】従来の検査系列生成方法は、PRENTI
CE−HALL,Englewood Cliff,N
ew Jersey発行の「FAULT TOLERAN
T COMPUTING Theory and Tech
niques VolumeI」のChapter1の
1.4.2「Stuck at Fault Testi
ng」、1991年のヨーロピアン デザイン オート
メーション コンファレンスの資料[T.Nierma
nn and J.H.Patel,”HITEC:A
TEST GENERATION PACKAGE F
OR SEQUENTIAL CIRCUITS,”1
991]、などの参考文献に記載されている。また従来
の検査が可能かどうかを表す尺度である可検査性尺度の
計算方法は、工学図書発行の「ディジタル回路の故障診
断(上)」に記載されている。
【0005】以下に従来技術における検査系列生成方法
を図面を用いて説明する。その前提として検査の対象と
なる故障は、被検査回路に基づいて仮定された故障であ
り、モデル化されたものである。具体的には縮退故障、
即ち回路の信号線が論理0又は1に固定した値となる故
障であり、0縮退故障と1縮退故障とがある。これらの
縮退故障は、被検査回路となるLSIのネットリストに
基づいて各信号線毎に予めリストアップされて故障表に
登録されている。この故障表の一例を図38に示す。同
図において、「信号線」は被検査回路に存在する各信号
線を、「故障」は0縮退故障(s-a-0)か1縮退故障(s
-a-1)かを、「検出」は”1”で検出済み、即ち当該故
障に対する検査系列の生成に成功したこと又は他の故障
を検出する検査系列により当該故障の検出が可能なこと
を、「処理」は”1”で処理済み即ち検査系列の生成処
理の対象として選択されて生成処理(処理が成功したか
失敗したかは関係ない)が実行されたことを、「冗長故
障」は”1”でその故障が冗長故障、即ち検出不能な故
障であることをそれぞれ示す。
【0006】図37は従来の順序回路の検査系列生成方
法の処理を示す流れ図である。同図においてステップ1
901は、順序回路の検査系列生成処理の開始を示す。
ステップ1902は、順序回路中の組合せ回路部分につ
いて検査が可能かどうかの難易度を表す尺度である可検
査性尺度を計算する。ここでいう組合わせ回路部分と
は、順序回路中の順序素子(フリップフロップ等の状態
を保持する要素)を除いた部分であり、その部分に対す
る順序素子からの出力を外部入力ピンとみなし(以下、
擬似外部入力と呼ぶ)、その部分から順序素子への入力
を外部出力ピンとみなした(以下、擬似外部出力と呼
ぶ)回路部分をいう。
【0007】ステップ1903は、各信号線について順
序入力距離と順序出力距離を計算する。ここでいう順序
入力距離とは順序回路においてある入力から当該信号線
に至るまでの論理的な距離を示し、また順序出力距離と
は順序回路において当該信号線から出力に至るまでの論
理的な距離を示す。ステップ1904では、故障表を参
照して冗長故障以外で検査系列が生成されていない故障
(「検出」欄が0、以下未検出故障と呼ぶ。)で、か
つ、まだ検査系列生成の対象として処理されていない故
障(「処理」欄が0、以下未処理故障と呼ぶ。)が存在
するか否かをー判断し、未検出故障でかつ未処理故障が
存在すればステップ1905に進み、存在しなければス
テップ1911に進む。
【0008】ステップ1905は、未検出故障でかつ未
処理故障の中から検査系列生成の対象となる故障(以
下、目標故障と呼ぶ。)をランダムに1つ選択する。ス
テップ1906は、順序回路の外部入力ピンと疑似外部
入力(順序素子の出力)を入力とし、順序回路の外部出
力ピンと疑似外部出力(順序素子の入力)を出力とした
組合せ回路部分のみを対象とし、ステップ1902で求
めた可検査性尺度を用いて目標故障に対する検査入力生
成を行ない、その目標故障が冗長故障であるか否かを判
断する。
【0009】ステップ1907は、ステップ1906で
行った検査入力生成の結果、冗長故障であるか検査入力
生成に失敗した場合はステップ1904へ進み次の目標
故障の処理を行ない、成功した場合はステップ1908
へ進む。ステップ1908は、ステップ1905で選択
した目標故障について、故障箇所から任意の外部出力ピ
ンへ目標故障の影響を伝搬する系列をステップ190
2、1903で求めた可検査性尺度、順序出力距離、順
序入力距離を用いて生成する故障伝搬処理を行なう。こ
の故障伝搬処理では、順序回路を組み合わせ回路部分と
フリップフロップ回路(以下、FF回路)部分とに論理
的に分けて、組み合わせ回路部分の時間的なくり返しと
して展開された回路として取り扱う。こうして展開され
た回路において故障伝搬処理は、目標故障の最終的な伝
搬先となるべき外部出力から故障箇所までの経路を発見
的に遡って設定し、その経路を故障信号が伝搬するため
の入力系列を求める。故障伝搬処理後、その系列の生成
に成功したか否かを判断し、故障伝搬処理に成功すれば
ステップ1909に進み、失敗すればステップ1904
へ進み次の目標故障の処理を行なう。
【0010】ステップ1909は、回路の初期状態から
目標故障箇所を活性化した時点の回路の状態へ遷移させ
る系列をステップ1902、1903で計算した可検査
性尺度、順序入力距離を用いて生成する状態初期化処理
を行なう。ここでいう初期状態は、所望の回路状態でか
まわないが、実際上は故障検査の実行時における1つ前
の故障検査が終了した時点における回路の状態とすれ
ば、連続して故障検査を実行する場合の検査時間の短縮
につながる。また一般的には、被検査回路の全ての順序
素子がdon't care又はunknowmである状態とすれば、順
序回路がどのような状態であっても故障検査を実行する
ことが可能な検査系列を得ることができる。状態初期化
後、その系列の生成に成功すればステップ1910に進
み、失敗すればステップ1904へ進み次の故障の処理
を行なう。
【0011】ステップ1910は、ステップ1908、
1909での生成結果を検査系列とし、ステップ190
5で選択した目標故障に対して、その検査系列で故障シ
ミュレーションを実行し、その結果任意の外部出力ピン
で検出された全ての故障を未検出故障群の中から削除す
る。この故障シミュレーションでは、目標故障に対する
検査系列によって目標故障以外にも付随的に検出される
故障がどれであるかが判別される。
【0012】ステップ1911は、検査系列生成の終了
を表す。以上の示した構成を持つ従来の検査系列生成方
法について、その動作を説明する。まず、検査系列生成
の対象となる順序回路に関して、組み合わせ回路部分の
可検査性尺度が計算される(ステップ1902)。従来
の可検査性尺度は、組み合わせ回路部分において、ある
信号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する困難さを
表す可観測性や、各信号線の状態を論理値0又は1に制
御する困難さを表す可制御性などにより表される。これ
らの具体的な計算方法は工学図書発行の「ディジタル回
路の故障診断(上)」(p76-p79)に詳しい記述がある
ので、ここでは説明を省略する。その後、順序回路の順
序入力距離、順序出力処理が計算される(ステップ19
03)。
【0013】図38に示した故障表において、未検出か
つ未処理の故障郡の中から、検査系列生成の対象となる
目標故障が1つ選択される(ステップ1904、190
5)。この目標故障は、まず組合わせ回路部分について
検査入力生成を生成することによって冗長故障であるか
どうか、また、その検査系列生成に長時間かかる故障で
あるかがチェックされる(ステップ1906、190
7)。この検査入力生成に際して、ステップ1902に
より得た可検査性尺度が用いられる。すなわち、可検査
性尺度のうち可観測性はある信号線の状態を任意の外部
出力ピンで観測する困難さを表し、可制御性は各信号線
の状態を論理値0又は1に制御する困難さを表ことか
ら、検査入力生成における入力信号を選択する有効な基
準として用いられる。
【0014】この後、検査入力生成に成功すると、当該
目標故障に対して検査系列を生成するため、故障伝搬処
理を行う(ステップ1908)。この故障伝搬処理は、
目標故障を伝搬する経路を活性化するための検査系列を
発見的に求める処理である。この故障伝搬処理の動作説
明図を図39に示す。同図は順序回路の組合わせ回路部
分とFF(順序素子)部分とを、FFの状態遷移に応じ
て時間単位に展開したタイムフレームを表す図である。
同図において、701、702、703はそれぞれ1番
目、2番目、3番目に処理すべき順序回路のタイムフレ
ームである。説明の便宜上3つのタイムフレームしか示
さないが、実際のLSIにおいては、通常かなり多くの
タイムフレームを故障伝搬させる必要がある。704は
順序回路の外部出力ピンである。705はタイムフレー
ム701における故障信号の伝搬経路、706はタイム
フレーム702における故障伝搬経路である。707〜
709はタイムフレーム701の処理で用いるフリップ
フロップである。710〜712はタイムフレーム70
2の処理で用いるフリップフロップである。713は目
標故障aの故障箇所とする。
【0015】順序回路の実際の動作は703から701
の順に動作するが、故障伝搬処理においては701から
703へ向かって時間を遡ってタイムフレーム毎に故障
信号を伝搬する経路を発見的に求める処理を行う。この
処理に際して、ステップ1902で計算した可検査性尺
度、順序出力距離、順序入力距離が用いられる。すなわ
ち、可検査性尺度のうち可観測性はある信号線の状態を
任意の外部出力ピンで観測する困難さを表し、可制御性
は各信号線の状態を論理値0又は1に制御する困難さを
表ことから、故障伝搬処理における経路選択の有効な基
準として用いられる。
【0016】各タイムフレームで外部入力ピンに割り当
てられた状態値が、生成すべき検査系列の一部となる。
この時点で、各FFの状態は故障伝搬処理が終了した時
点での回路の状態(以下、故障励起状態)、上の例では
タイムフレーム703において割り当てに成功した状態
値になっているので、故障伝搬処理によって生成された
検査系列は、伝搬処理終了時の状態においてのみ有効な
検査系列である。そこで、所望の初期状態において故障
検査を実行しうるように、回路の状態を初期状態から故
障励起状態に変更するための系列を求める状態初期化処
理を行う(ステップ1909)。この状態初期化の動作
説明用の状態遷移図を図40に示す。
【0017】同図において、801〜804は回路の状
態、特に状態801は故障伝搬処理が終了した時点での
回路の状態、すなわち故障励起状態、また状態804は
初期状態とする。805は状態802から状態801へ
遷移可能であることを示す枝、806は状態803から
状態802へ遷移可能であることを示す枝、807は状
態801から状態803へ遷移可能であることを示す
枝、808は状態804から状態803へ遷移可能であ
ることを示す枝である。
【0018】故障伝搬処理終了時において、現在状態は
状態801(S1)であり、初期状態と一致しないの
で、現在状態を正当化する、すなわち、現在状態に状態
遷移させるように外部入力およびFFの状態を割り当て
る。ここでは、FFに状態802(S2)の状態を割り
当てたところ正当化できたものとする。正当化した状態
を新たに現在状態(S2)として、上記と同様に、現在
状態を正当化して、新たに現在状態をS3とする。こう
して、最終的に正当化した状態がS4であれば、状態初
期化に成功することになる。この場合、先の故障伝搬処
理で得られた入力系列と、状態初期化処理で得られた入
力系列とを合わせて、故障検査系列が得られる(ステッ
プ1909)。
【0019】状態初期化処理の後、得られた検査系列を
用いて、目標故障に対して故障シミュレーションを実行
し、外部出力ピンで検出されることを確認して、故障表
における対応する「検出」欄を”1”にし(図12のス
テップ407)、ステップ402に進む。更に上記の動
作をくり返し、目標故障毎に検査系列生成処理が行われ
ていく。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来技術の検査系列生成方法によれば、以下の問題点を
有していた。 (1)可検査性尺度の計算対象が組合せ回路だけであ
り、また順序回路的なコスト計算は順序出力距離や順序
入力距離のみであるため、制御不能な順序素子や観測不
能な順序素子を識別することができずに順序回路的な冗
長故障を判定するのに時間がかかるという問題があっ
た。また順序素子の制御のしやすさや観測のしやすさが
正確にわからないために検査系列生成に失敗する確率が
高く、高い故障検出率を得ることができないという問題
があった。
【0021】(2)可検査性尺度の計算はすべて正常な
回路でのみ行われ、故障の影響で制御不可能になる順序
素子が存在したとき、ある故障の検査系列を生成して
も、その故障が検出できないことがあるという問題があ
った。そのため高速化、検査系列長を短縮することがで
きないという問題があった。 (3)目標故障をランダムに選択するため、すでに処理
された故障の検査系列で故障シミュレーションを実行し
た時点での、回路の状態で検出困難な故障を目標故障と
して選択している可能性があり、高故障検出率、高速化
を得ることができないという問題があった。
【0022】上記課題に鑑み本発明は、高い故障検出率
が得られ高速に検査系列を生成する検査系列生成方法を
提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の検査系列生成方法は、 (1)被検査回路である順序回路中の仮定された故障に
ついて、当該故障を検査する入力系列を生成する方法に
おいて、順序回路中の順序素子について、順序回路の構
造と当該順序素子の動作に基づいて、当該順序素子に繋
がっている信号線の状態を論理値0に制御する困難さを
表す0可制御費、及び、その信号線の状態を論理値1に
制御する困難さを表す1可制御費を計算していき、全信
号線の可制御費を計算する第1のステップと、第1のス
テップで求めた順序素子の可制御費と順序素子の動作に
基づいて、順序回路中の順序素子の入力信号線につい
て、当該順序素子に繋がっている信号線の状態を任意の
外部出力ピンで観測する困難さを表す可観測費を計算し
ていき、全信号線の可観測費を計算する第2のステップ
と、順序回路の組合せ回路部分について、第1のステッ
プで求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、
第2のステップで求めた可観測費を用いて当該故障を伝
搬をする検査入力の生成を試み、その成否によって当該
故障が冗長であるかどうかを判定する第3のステップ
と、第3のステップで冗長でないと判定された故障につ
いて、第1のステップと第2のステップで求めた可制御
費と可観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所から任
意の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第
4のステップと、第1のステップで求めた可制御費を用
いて、前記順序回路の初期状態から第4のステップで前
記故障箇所を活性化した状態まで遷移させる検査系列を
生成する第5のステップとからなる。
【0024】(2) 被検査回路である順序回路中の仮
定された故障について、当該故障を検査する入力系列を
生成する方法において、順序回路中の順序素子につい
て、順序回路の構造と当該順序素子の動作に基づいて、
当該順序素子に繋がっている信号線の状態を論理値0に
制御する困難さを表す0可制御費、及び、その信号線の
状態を論理値1に制御する困難さを表す1可制御費を計
算していき、全信号線の可制御費を計算する第1のステ
ップと、第1のステップで求めた順序素子の可制御費と
順序素子の動作に基づいて、順序回路中の順序素子の入
力信号線について、当該順序素子に繋がっている信号線
の状態を任意の外部出力ピンで観測する困難さを表す可
観測費を計算していき、全信号線の可観測費を計算する
第2のステップと、順序回路の組合せ回路部分につい
て、第1のステップで求めた可制御費を用いて各信号線
に値を割り当て、第2のステップで求めた可観測費を用
いて当該故障を伝搬をする検査入力を生成する第3のス
テップと、順序回路中に前記故障が存在する故障回路に
ついて、前記故障の種類が0縮退故障ならば前記故障箇
所をグランドとし、1縮退故障ならば前記故障箇所を電
源として、前記順序回路中の順序素子について、前記故
障回路の構造と前記順序素子の動作に基づいてその信号
線の可制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計
算する第4のステップと、前記故障回路の組合せ回路部
分について、第4のステップで求めた可制御費を用いて
各信号線に値を割り当て、第2のステップで求めた可観
測費を用いて前記故障を伝搬する検査入力の生成を試
み、その成否によって当該故障が検査不能であるかどう
かを判定する第5のステップと、第5のステップで検査
不能でないと判定された故障について、第4のステップ
で求めた可制御費と第2のステップで求めた可観測費を
用いて前記故障の影響を故障箇所から任意の外部出力ピ
ンまで伝搬させる検査系列を生成する第6のステップ
と、第4のステップで求めた可制御費を用いて、順序回
路の初期状態から第6のステップで前記故障箇所を活性
化した状態まで遷移させる検査系列を生成する第7のス
テップとからなる。
【0025】(3) 被検査回路である順序回路中の仮
定された故障について、当該故障を検査する入力系列を
生成する方法において、前記順序回路中の順序素子につ
いて前記順序回路の構造と前記順序素子の動作に基づい
て、その信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表
す0可制御費、及び、その信号線の状態を論理値1に制
御する困難さを表す1可制御費を計算していき、全信号
線の可制御費を計算する第1のステップと、第1のステ
ップで求めた順序素子の可制御費と順序素子の動作に基
づいて、前記順序回路中の順序素子の入力信号線につい
て、その信号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する
困難さを表す可観測費を計算していき、全信号線の可観
測費を計算する第2のステップと、前記順序回路の組合
せ回路部分について、第1のステップで求めた可制御費
を用いて各信号線に値を割り当て、第2のステップで求
めた可観測費を用いて前記故障を伝搬する検査入力の生
成を試み、その成否によって当該故障が冗長であるかど
うかを判定する第3のステップと、第3のステップで冗
長でないと判定された故障に対して、前記順序回路中に
前記故障が存在する故障回路について、前記故障の種類
が0縮退故障ならば前記故障箇所をグランドとし、1縮
退故障ならば前記故障箇所を電源として前記順序回路中
の順序素子について、前記故障回路の構造と前記順序素
子の動作に基づいてその信号線の可制御費を計算してい
き、全信号線の可制御費を計算する第4のステップと、
第4のステップで求めた0可制御費と1可制御費がとも
に無限大である順序素子を求める第5のステップと、前
記順序回路の組合せ回路部分について、第5のステップ
で求めた順序素子の入力を疑似外部出力から取り除き、
第4のステップで求めた可制御費を用いて各信号線に値
を割り当て、第2のステップで求めた可観測費を用いて
前記故障を伝搬する検査入力の生成を試み、その成否に
よって検査不能な故障かどうかを判定する第6のステッ
プと、第6のステップで検査不能でないと判定された故
障に対して、第4のステップで求めた可制御費と第2の
ステップで求めた可観測費を用いて前記故障の影響を故
障箇所から任意の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列
を生成する第7のステップと、第4のステップで求めた
可制御費を用いて、前記順序回路の初期状態から第7の
ステップで前記故障箇所を活性化した状態まで遷移させ
る検査系列を生成する第8のステップとからなる。
【0026】(4) 被検査回路である順序回路中の仮
定された故障について、当該故障を検査する入力系列を
生成する方法において、前記順序回路中の任意の信号線
の状態をある状態値に固定するように指定する第1のス
テップと、第1のステップにおいてある信号線の状態を
ある状態値に固定するように指定した場合、第1のステ
ップで指定された信号線を、指定された状態値が論理値
0ならばグランドとし、指定された状態値が論理値1な
らば電源として、前記順序回路中の順序素子について、
前記順序回路の構造と前記順序素子の動作に基づきその
信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表す0可制
御費と、その信号線の状態を論理値1に制御する困難さ
を表す1可制御費を計算していき、全信号線の可制御費
を計算する第2のステップと、第2のステップで求めた
順序素子の可制御費と順序素子の動作に基づき、前記順
序回路中の順序素子の入力信号線の状態を任意の外部出
力ピンで観測する困難さを表す可観測費を計算してい
き、全信号線の可観測費を計算する第3のステップと、
第1のステップにおいてある信号線の状態を固定しない
場合、前記順序回路中の順序素子について、その信号線
の可制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算
する第4のステップと、第4のステップで求めた順序素
子の可制御費と順序素子の動作に基づき、前記順序回路
中の順序素子の入力信号線について、その信号線の状態
を任意の外部出力ピンで観測する困難さを表す可観測費
を計算していき、全信号線の可観測費を計算する第5の
ステップと、前記順序回路の組合せ回路部分について、
第2のステップまたは第4のステップで求めた可制御費
を用いて各信号線に値を割り当て、第3のステップまた
は第5のステップで求めた可観測費を用いて故障を伝搬
する検査入力の生成を試み、その成否によって当該故障
が冗長であるかどうかを判定する第6のステップと、第
5のステップで冗長でないと判定された故障について、
第2のステップまたは第4のステップで求めた可制御費
と第3のステップまたは第5のステップで求めた可観測
費を用いて前記故障の影響を故障箇所から任意の外部出
力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第7のステッ
プと、第2のステップまたは第4のステップで求めた可
制御費を用いて、前記順序回路の初期状態から第7のス
テップで前記故障箇所を活性化した状態まで遷移させる
検査系列を生成する第8のステップとからなる。
【0027】(5) 被検査回路である順序回路中の仮
定された故障について、当該故障を検査する入力系列を
生成する方法において、前記順序回路中の順序素子につ
いて前記順序回路の構造と前記順序素子の動作に基づい
て、その信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表
す0可制御費、及びその信号線の状態を論理値1に制御
する困難さを表す1可制御費を計算していき、全信号線
の可制御費を計算する第1のステップと、第1のステッ
プで求めた順序素子の可制御費と順序素子の動作に基づ
いて、前記順序回路中の順序素子の入力信号線につい
て、その信号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する
困難さを表す可観測費を計算していき、全信号線の可観
測費を計算する第2のステップと、前記順序回路中の各
順序素子についてある順序素子に論理値0を割り当てた
ときの全順序素子の入力の可制御費の関係を調べるため
に、前記順序回路の構造と前記順序素子の動作に基い
て、前記順序素子をグランドとして前記順序回路中の順
序素子について可制御費を計算していき、全信号線の可
制御費を計算して全順序素子の入力の可制御費を記憶
し、また、前記順序回路中の各順序素子についてある順
序素子に論理値1を割り当てたときの全順序素子の入力
の可制御費の関係を調べるために、前記順序回路の構造
と前記順序素子の動作に基づいて、前記順序素子を電源
として前記順序回路中の順序素子について可制御費を計
算していき、全信号線の可制御費を計算して全順序素子
の可制御費を記憶する第3のステップと、前記回路の組
合せ回路部分について、第1のステップで求めた可制御
費を用いて各信号線に値を割り当て、第2のステップで
求めた可観測費を用いて当該故障を伝搬する検査入力の
生成を試み、その成否によって当該故障が冗長であるか
どうかを判定する第4のステップと、第4のステップで
冗長でないと判定された故障について、第1のステップ
と第2のステップで求めた可制御費と可観測費と第3の
ステップで求めた各順序素子に論理値0を割り当てた時
の全順序素子の入力の可制御費の関係と各順序素子に論
理値1を割り当てた時の全順序素子の入力の可制御費の
関係を用いて前記故障の影響を故障箇所から任意の外部
出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第5のステ
ップと、第1のステップで求めた可制御費と第3のステ
ップで求めた各順序素子に論理値0を割り当てた時の全
順序素子の入力の可制御費の関係と各順序素子に論理値
1を割り当てた時の全順序素子の入力の可制御費の関係
を用いて、前記順序回路の初期状態から第5のステップ
で前記故障箇所を活性化した状態まで遷移させる検査系
列を生成する第6のステップとからなる。
【0028】(6) 被検査回路である順序回路中の仮
定された故障について、当該故障を検査する入力系列を
生成する方法において、前記順序回路中の順序素子につ
いて前記順序回路の構造と前記順序素子の動作に基づい
て、その信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表
す0可制御費、及びその信号線の状態を論理値1に制御
する困難さを表す1可制御費を計算していき、全信号線
の可制御費を計算する第1のステップと、第1のステッ
プで求めた順序素子の可制御費と順序素子の動作に基づ
き、前記前記順序回路中の順序素子の入力信号線につい
て、その信号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する
困難さを表す可観測費を計算していき、全信号線の可観
測費を計算する第2のステップと、すでに検査系列が得
られている故障に対する検査系列を用いて故障シミュレ
ーションを実行した時点での前記順序回路の順序素子の
状態を参照し、ある順序素子の状態値が論理値0ならば
グランドとし、論理値1ならば電源として、前記順序回
路中の順序素子について、前記順序回路の構造と前記順
序回路の動作に基づいて可制御費を計算していき、全信
号線の可制御費を計算する第3のステップと、第3のス
テップで求めた可制御費と順序素子の動作に基づき、前
記順序回路中の順序素子の入力信号線について、その信
号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する困難さを表
す可観測費を計算していき、全信号線の可観測費を計算
する第4のステップと、検査系列生成の対象として処理
されていない故障でかつ未検出故障の中から第4のステ
ップで求めた可観測費が最小である信号線の故障を目標
故障として選択する第5のステップと、前記順序回路の
組合せ回路部分について、第1のステップで求めた可制
御費を用いて各信号線に値を割り当て、第2のステップ
で求めた可観測費を用いて当該故障を伝搬する検査入力
の生成を試み、その成否によって当該故障が冗長である
かどうかを判定する第6のステップと、第6のステップ
で冗長でないと判定された故障について、第1のステッ
プと第2のステップで求めた可制御費と可観測費を用い
て前記故障の影響を故障箇所から任意の外部出力ピンま
で伝搬させる検査系列を生成する第7のステップと、第
1のステップで求めた可制御費を用いて、前記順序回路
の初期状態から第7のステップで前記故障箇所を活性化
した状態まで遷移させる検査系列を生成する第8のステ
ップとからなる。
【0029】
【作用】上記の手段により、本発明の検査系列生成方法
は、 (1)ある目標故障の検査系列を生成するとき、第1、
第2のステップで順序素子の動作を考慮にいれて順序回
路全体の可検査性尺度を計算し、その結果を用いて第3
のステップで組合わせ回路部分の検査入力生成を行うこ
とにより順序回路的な冗長判定を行う。この後第4、第
5のステップで検査系列を生成する。
【0030】(2)ある目標故障の検査系列を生成する
とき、第1、第2のステップで順序素子の動作を考慮に
いれて順序回路全体の可検査性尺度を計算し、その結果
を用いて第3のステップで検査入力生成を行うことによ
り順序回路的な冗長判定を行う。さらに、第4のステッ
プで、目標故障が0縮退故障ならば故障箇所をグランド
として扱い、1縮退故障ならば電源として扱って、順序
素子の動作を考慮にいれて可観測費の計算を行い、その
結果を用いて第5のステップで組合わせ回路部分の検査
入力生成を行うことにより順序回路的な検査不能判定を
行う。この後第6、第7のステップで検査系列を生成す
る。
【0031】(3)ある目標故障の検査系列を生成する
とき、第1、第2のステップで順序素子の動作を考慮に
いれて順序回路全体の可検査性尺度を計算し、その結果
を用いて第3のステップで検査入力生成を行うことによ
り順序回路的な冗長判定を行う。さらに、第4のステッ
プで、目標故障が0縮退故障ならば故障箇所をグランド
として扱い、1縮退故障ならば電源として扱った故障回
路について、順序素子の動作を考慮にいれて可観測費の
計算を行い、第5のステップで故障回路において制御不
可能な順序素子を認識し、制御不可能な順序素子の入力
を観測不可能として、その結果を用いて第6のステップ
で組合わせ回路部分の検査入力生成を行うことにより順
序回路的な検査不能判定を行う。この後第7、第8のス
テップで検査系列を生成する。
【0032】(4)ある目標故障の検査系列を生成する
とき、第1のステップにおいてある信号線を固定値にす
ると指定した場合に、第2、第3のステップでその指定
された信号線が論理値0に固定されるならばその信号線
をグランドとして扱い、論理値1に固定されるならばそ
の信号線を電源として扱った順序回路について、順序素
子の動作を考慮に入れて可検査性尺度の計算を行う。そ
の結果を用いて第6のステップで組合わせ回路部分の検
査入力生成を行うことにより順序回路的な冗長判定を行
う。その後検査系列生成を行う (5)ある目標故障の検査系列を生成するとき、第1、
第2のステップで順序素子の動作を考慮にいれて順序回
路全体の可検査性尺度を計算する。第3のステップで各
疑似外部入力に論理値1を割り当てたときの全疑似外部
出力の可制御費を、その疑似外部入力を電源として扱っ
て、順序回路全体の可制御費を計算することによって得
て、また同様に各疑似外部入力に論理値0を割り当てた
ときの全疑似外部出力の可制御費を、その疑似外部入力
をグランドとして扱って、順序回路全体の可制御費を計
算することによって得る。その結果を利用することによ
り後のステップで検査系列生成に効率よく行うことがで
きる。
【0033】(6)ある目標故障の検査系列を生成する
とき、第1、第2のステップで順序素子の動作を考慮に
いれて順序回路全体の可検査性尺度を計算する。第3、
第4のステップで現在の順序素子の状態を調べて、順序
素子の状態が論理値0ならばその順序素子をグランドと
して扱い、論理値1ならばその順序素子を電源として扱
った順序回路について、順序素子の動作を考慮にいれて
可検査性尺度の計算を行い、第5のステップで未検出故
障でかつ未処理故障の中から現在状態を考慮にいれた可
観測費が1番安い故障を目標故障として選択することに
より、目標故障の検査系列生成が成功する確率が高くな
り、また高速に冗長故障や検査不能な故障を判定できる
ようになり、高速に高い故障検出率を得ることのできる
検査系列を生成することができる。
【0034】
【実施例】
(第1実施例)検査系列生成の前提として、検査系列に
よる検査の対象となる故障は、従来技術で説明したのと
同じく縮退故障であり、予め被検査回路となるLSIの
ネットリストに基づいて各信号線毎にリストアップされ
て図38と同様の故障表に登録されているものとする。
【0035】図1は本発明の第1の実施例における検査
系列生成方法の処理を示す流れ図である。同図において
ステップ101は順序回路の検査系列生成処理の開始を
示す。ステップ102は、順序素子の動作を考慮にいれ
た順序回路全体の可検査性尺度を計算する。
【0036】ステップ103は、未検出故障でかつまだ
検査系列生成の対象として処理されていない故障が存在
するか否かを判断し、未検出故障でかつまだ検査系列生
成の対象として処理されていない故障が存在すればステ
ップ104に進み、存在しなければステップ110に進
んで検査系列生成処理を終了させる。。ステップ104
は、未検出故障でかつまだ検査系列生成の対象として処
理されていない故障群の中から、目標故障として故障を
1つ選択する。
【0037】ステップ105は、ステップ104で選択
した目標故障に対して、順序素子からの出力(擬似外部
入力)と外部力ピンを入力とし、順序素子の入力
(擬似外部出力)と外部出力ピンを出力とした組合せ回
路部分について、ステップ102で計算した可検査性尺
度のうち、可制御費を用いて各信号線に状態値を割り当
て、可観測費を用いて目標故障の影響を任意の外部出力
ピンまたは任意の疑似外部出力へ伝搬させて検査入力生
成を行い、ステップ104で選択した目標故障が冗長で
あるか否かを判定する。ここで、組合わせ回路部分と
は、順序回路中の順序素子(フリップフロップ等の状態
を保持する要素)を除いた部分であり、その部分に対す
る順序素子からの出力を外部入力ピンとみなして擬似外
部入力と呼び、その部分から順序素子への入力を外部出
力ピンとみなして擬似外部出力と呼んでいる。
【0038】ステップ106は、検査入力が生成された
か否かを判断し、生成されたならば検査可能としステッ
プ107へ進み、生成されなければ冗長故障または打ち
切り故障と判断してステップ103へ進み次の目標故障
の処理を行う。ステップ107は、ステップ102で計
算した可検査性尺度のうち、可観測費と可制御費の両方
を用いて故障箇所から任意の外部出力ピンへ目標故障を
伝搬する系列を生成する故障伝搬処理を行ない、その系
列の生成に成功したか否かを判断し、故障伝搬処理に成
功すればステップ108に進み、失敗すればステップ1
03へ進み、次の目標故障の処理を行なう。
【0039】ステップ108は、ステップ102で計算
した可検査性尺度のうち、可制御費のみを用いて回路の
初期状態からステップ107で行った故障伝搬処理にお
いて故障箇所が活性化されたときの回路の状態へ遷移さ
せる系列を生成する状態初期化処理を行ない、その系列
の生成に成功すればステップ109に進み、失敗すれば
ステップ103へ進み次の目標故障の処理を行う。
【0040】ステップ109は、ステップ104で選択
した目標故障の検査系列で故障シミュレーションを実行
し、その結果、当該目標故障以外の故障で任意の外部出
力ピンで検出された故障を未検出故障群の中から削除す
る。ステップ110は、検査系列生成処理の終了を示
す。図2は、上記のステップ102における順序回路の
可検査性尺度計算処理を詳細に示す流れ図である。
【0041】同図においてステップ201は、順序回路
の可検査性尺度計算処理の開始を示す。ステップ202
は、各信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表す
0可制御費と論理値1に制御する困難さを表す1可制御
費を回路構造と順序素子の動作を考慮にいれて、順序回
路全体について計算する。0(又は1)可制御費は、そ
の値が大きいほど制御が困難であることを示し、例え
ば、初期値を1として、その値が0ならば論理0(又は
1)に固定されており、その値が無限大ならば論理0
(又は1)に制御することが不能であること意味する。
【0042】ステップ203は、ステップ202で求め
た可制御費と回路構造を基にある信号線の状態を任意の
外部出力ピンで観測する困難さを表す可観測費を順序素
子の動作を考慮に入れて、順序回路全体について計算す
る。可観測費は、その値が大きいほど観測することが困
難であることを示し、例えばその値が0ならば直接観測
可能(外部出力ピンなど)であり、その値が無限大なら
ば観測することが不能であること意味する。
【0043】ステップ204は順序回路の可検査性尺度
の計算処理の終了を示す。図3は、図2のステップ20
2における可制御費の計算処理を詳細に示す流れ図であ
る。ステップ301は順序回路の可制御費計算処理の開
始を示す。ステップ302は、可制御費を計算すべき信
号線を登録すべき可制御費計算可能集合(図外)を空集
合に初期化する。
【0044】ステップ303は、各信号線の0可制御費
及び1可制御費を記憶する可制御費テーブル(図外)に
おいて、全信号線の0可制御費と1可制御費を無限大に
初期化する。ステップ304は、可制御費テーブルにお
いて全外部入力ピンの0可制御費と1可制御費を1に
し、それに回路的に接続される出力信号線を可制御費計
算可能集合に加える。
【0045】ステップ305は、可制御費テーブルにお
いて全電源の1可制御費を0とし、そこから回路的に論
理が伝わる出力信号線を可制御費計算可能集合に加え
る。ステップ306は、可制御費テーブルにおいて全グ
ランドの0可制御費を0とし、そこから回路的に論理が
伝わる出力信号線を可制御費計算可能集合に加える。
【0046】ステップ307は、可制御費計算可能集合
が空集合であるか否かを判断し、空集合であればステッ
プ315に進み順序回路の可制御費の計算を終了する。
また空集合でなければステップ308へ進む。ステップ
308は、可制御費計算可能集合から1つの信号線を取
り出すとともにそれを削除する。
【0047】ステップ309は、取り出された信号線の
プリミティブタイプが順序素子であるか否かを判断す
る。プリミティブタイプが順序素子ならば、ステップ3
10に進み、プリミティブタイプが順序素子以外ならば
ステップ311に進む。ステップ310は、順序素子の
タイプ別に順序素子の動作を考慮にいれて、順序素子の
入力の可制御費に基づいてステップ308で可制御費計
算可能集合から取り出した信号線の可制御費を計算す
る。具体的な順序素子の回路例とそれに対する可制御費
の計算式の例を図4〜図7に示す。図中、大文字の記号
D,C,S,R,Q,G,T,J,K等は回路の入出力端子を、小文字の
記号d,c,s,r,q,g,t,j,k等は対応する入出力端子につな
がる信号線を示す。また計算式中、C0(l)は信号線lの0
可制御費、C1(l)は信号線lの1可制御費を示す。またmi
n[a,b]は、aとbのどちらか小さい方を表す。
【0048】図4において、Dフリップフロップの出力
Qを0にするためには、プリセット入力Sをノンアクティ
ブの0にしておき、さらに、リセット入力Rをアクティ
ブの1にすること、又は、データ入力Dが0でリセット
入力Rがノンアクティブでクロック入力Cに1クロックを
入力することが必要であることから、Dフリップフロッ
プの0可制御費は次式で表すことができる。 C0(q)=min[{C0(d)+C0(c)+C1(c)+C0(r)},C1(r)]+C0(s) また1可制御費は次式で表すことができる。 C1(q)=min[{C1(d)+C0(c)+C1(c)+C0(s)},C1(s)]+C0(r) 同様に、図5においてDラッチの0可制御費、1可制御
費は、 C0(q)=min[{C0(d)+C1(g)+C0(r)},C1(r)]+C0(s) C1(q)=min[{C1(d)+C1(g)+C0(s)},C1(s)]+C0(r) 図6においてTフリップフロップの0可制御費、1可制
御費は、 C0(q)=min[C1(r),{C0(c)+C1(c)+C1(q)+C0(r)}]+C0(s) C1(q)=min[C1(s),{C0(c)+C1(c)+C0(q)+C0(s)}]+C0(r) 図7においてJKフリップフロップの0可制御費、1可
制御費は、 C0(q)=min[{C0(s)+C1(r)},{min[{C0(j)+C1(k)},{C1(j)+
C1(k)+C1(q)}]+C0(c)+C1(c)+C0(s)+C0(r)}] C1(q)=min[{C1(s)+C0(r)},{min[{C1(j)+C0(k)},{C1(j)+
C1(k)+C0(q)}]+C0(c)+C1(c)+C0(s)+C0(r)}] によりそれぞれ表すことができる。
【0049】ステップ311は、組合せ素子のタイプ別
に、組合せ回路の動作を考慮にいれて、組合せ素子の入
力の可制御費からステップ308で可制御費計算可能集
合から取り出した信号線の可制御費を計算する。ステッ
プ312は、ステップ308で可制御費計算可能集合か
ら取り出した信号線についてステップ310または31
1で求められた可制御費が、可制御費テーブル中のその
信号線の元々の可制御費より小さいか否かを判断し、小
さければステップ313へ進み、等しいかそれ以上であ
ればステップ307へ進む。
【0050】ステップ313は、可制御費テーブルにお
いてステップ308で可制御費計算可能集合から取り出
した信号線の可制御費をステップ310または311で
計算した可制御費に変更する。ステップ314は、ステ
ップ308で可制御費計算可能集合から取り出した信号
線の出力信号線を可制御費計算可能集合に加え、ステッ
プ307に進む。
【0051】ステップ315は順序回路の可制御費計算
処理の終了を表す。図8は、図2のステップ203の可
観測費の計算処理を詳細に説明する流れ図である。ステ
ップ501は順序回路の可観測費計算処理の開始を示
す。ステップ502は、可観測費を計算すべき信号線を
登録すべき可観測費計算可能集合(図外)を空集合に初
期化する。
【0052】ステップ503は、各信号線の可観測費を
記憶する可観測費テーブル(図外)において、全信号線
の可観測費を無限大に初期化する。ステップ504は、
可観測費テーブルにおいて、全外部出力ピンの可観測費
を0にし、これらの外部出力ピンに回路的に論理が伝わ
る入力信号線を可観測費計算可能集合に加える。
【0053】ステップ505は、可制御費計算可能集合
が空集合であるか否かを判断し、空集合ならばステップ
513に進み、順序回路の可観測費の計算を終了する。
また空集合でなければステップ506へ進む。ステップ
506は、可観測費計算可能集合から1つの信号線を取
り出すとともにそれを削除する。
【0054】ステップ507は、ステップ506で取り
出した信号線が順序素子の入力であるか否かを判断し、
順序素子の入力ならばステップ508に進み、順序素子
入力でなければステップ509に進む。ステップ508
は、順序素子のタイプ別に、順序素子の動作を考慮にい
れて、順序素子の入力の可制御費と順序素子の可観測費
からステップ506で可観測費計算可能集合から取り出
した信号線の可観測費を計算する。具体的な順序素子の
回路例とそれに対する可観測費の計算式の例を図9〜図
12に示す。図中、大文字の記号D,C,S,R,Q,G,T,J,K等
は回路の入出力端子を、小文字の記号d,c,s,r,q,g,t,j,
k等は対応する入出力端子につながる信号線を示す。ま
た計算式中、O(l)は信号線lの可観測費を示す。図9に
おいてDフリップフロップの各入力信号の可観測費は、 O(d)=O(q)+C0(s)+C0(r)+C0(c)+C1(c) O(c)=O(q)+C0(s)+C0(r)+C0(c)+C1(c)+min[{C1(q)+C0
(d)},{C0(q)+C1(d)}] O(s)=O(q)+C0(r)+C0(q) O(r)=O(q)+C0(s)+C1(q) 図10においてDラッチの各入力信号の可観測費は、 O(d)=O(q)+C1(g)+C0(s)+C0(r) O(g)=O(q)+C1(g)+C0(s)+C0(r)+min[{C1(q)+C0(d)},{C0
(q)+C1(d)}] 図11においてTフリップフロップの各入力信号の可観
測費は、 O(t)=O(q)+min[C0(q),C1(q)]+C0(s)+C0(r)+C0(c)+C1(c) O(s)=O(q)+C0(r)+C0(q) O(r)=O(q)+C0(s)+C1(q) 図12においてJKフリップフロップの各入力信号の可
観測費は、 O(j)=O(q)+C0(q)+C0(c)+C1(c)+C0(s)+C0(r) O(k)=O(q)+C1(q)+C0(c)+C1(c)+C0(s)+C0(r) O(c)=O(q)+C0(s)+C0(c)+C1(c)+min[{C0(q)+C1(j)},{C1
(q)+C1(k)}] O(s)=O(q)+C0(r)+C0(q) O(r)=O(q)+C0(s)+C1(q)によりそれぞれ求められる。
【0055】ステップ509は、組合せ素子のタイプ別
に、組合せ回路の動作を考慮にいれて、組合せ素子の入
力の可制御費と組合せ素子の可観測費からステップ50
6で可観測費計算可能集合から取り出した信号線の可観
測費を計算する。ステップ510は、ステップ508ま
たは509で求めた、ステップ506で可観測費計算可
能集合から取り出した信号線の可観測費が、元々のその
信号線の可観測費より小さいか否かを判断し、小さけれ
ばステップ511へ進み、等しいかそれ以上であればス
テップ505へ進む。
【0056】ステップ511は、可観測費テーブルにお
いてステップ506で可観測費計算可能集合から取り出
した信号線の可観測費をステップ508または509で
計算した可観測費に変更する。ステップ512は、ステ
ップ506で可観測費計算可能集合から取り出した信号
線の入力信号線を可観測費計算可能集合に加え、ステッ
プ505に進む。
【0057】ステップ513は順序回路の可観測費計算
処理の終了を表す。以上のように構成された本発明の第
1の実施例における順序回路の検査系列生成方法につい
て、その動作を説明する。図13に、本実施例における
検査系列生成方法の動作を説明するために用いる回路例
として、検査系列生成の対象となる順序回路を示す。同
図において701〜702は外部入力ピンである。70
3は外部出力ピンである。704は2入力ANDゲート
である。705はDフリップフロップである。706〜
707はグランドである。708は分岐点である。70
9〜716は信号線である。717は信号線714の0
縮退故障で、目標故障である。718は擬似外部入力で
ある。719、720は擬似外部出力である。
【0058】図13に示した順序回路に対して、可検査
性尺度のうち、まず可制御費が次の手順によって計算さ
れる(図1のステップ102、図2のステップ20
2)。可制御費計算可能集合が空集合に初期化され(図
3ステップ302)、可制御費テーブルにおいて全信号
線709〜716の0可制御費、1可制御費が無限大に
設定される(ステップ303)。次に外部入力ピン70
1、702を接続する信号線709、710の0可制御
費と1可制御費を1にし、信号線709、710から回
路的に論理が伝わる出力信号線である信号線711、7
14を可制御費計算可能集合に登録する(ステップ30
4)。次にグランド706、707の信号線712、7
13の0可制御費を0にする。信号線712、713か
ら回路的に論理が伝わる出力信号線である信号線714
は、すでに可制御費計算可能集合に登録されているの
で、登録は行わない(ステップ305、306)。
【0059】次に、可制御費計算可能集合から信号線7
11を取り出すとともに削除し(ステップ307、30
8)、ANDゲートの動作に基づいて信号線711の0
可制御費と1可制御費を計算する(ステップ309、3
11)。その結果、0可制御費は2で、1可制御費は無
限大となり、可制御費テーブル中の信号線711の0可
制御費のみ2に更新される(ステップ312、31
3)。信号線711から回路的に論理が伝わる出力信号
線714はすでに可制御費計算可能集合に登録されてい
るので、登録は行わない(ステップ314)。
【0060】さらに、可制御費計算可能集合から信号線
714を取り出すとともに削除し(ステップ307、3
08)、図4に示したDフリップフロップの可制御費の
計算式に基づいて0可制御費と1可制御費を計算する。
すなわち、 C0(q)=min[{C0(d)+C0(c)+C1(c)+C0(r)},C1(r)]+C0(s) =min[{ 2 + 1 + 1 + 0 }, ∞ ]+ 0 = 4 C1(q)=min[{C1(d)+C0(c)+C1(c)+C0(s)},C1(s)]+C0(r)で
求められる。
【0061】 =min[{ ∞ + 1 + 1 + 0 }, ∞ ]+ 0 = ∞ こうして信号線714の0可制御費は4、1可制御費は
無限大と計算され(ステップ309、310)、可制御
費テーブル中の信号線714の0可制御費のみ4に更新
される(ステップ313)。そして信号線714から回
路的に論理が伝わる出力信号線である715、716を
可制御費計算可能集合に登録する(ステップ314)。
【0062】次に、可制御費計算可能集合から信号線7
15を取り出すとともに削除し(ステップ307、30
8)、0可制御費と1可制御費を計算する(ステップ3
09、311)。その結果、信号線715の0可制御費
は4、1可制御費は無限大となり、可制御テーブル中の
0可制御費のみ4に更新される(ステップ313)。そ
して信号線715から回路的に論理が伝わる出力信号線
である711を可制御費計算可能集合に登録する(ステ
ップ314)。
【0063】さらに、可制御費計算可能集合から信号線
716を取り出すとともに削除し(ステップ307、3
08)、0可制御費と1可制御費を計算する(ステップ
309、311)。その結果、信号線715の0可制御
費は4、1可制御費は無限大となり、可制御費テーブル
中の0可制御費のみ4に更新される(ステップ31
3)。そして信号線715から回路的に論理が伝わる出
力信号線である711は可制御費計算可能集合にすでに
登録されているので、登録しない(ステップ314)。
【0064】次に信号線711の0可制御費と1可制御
費を上記と同様に計算する。その結果、信号線711の
0可制御費は2、1可制御費は無限大となり、もともと
の値と同じなので可制御費テーブルを更新しない。この
時点で、可制御費計算可能集合が空集合となるので(ス
テップ307)、可制御費の計算が終了する(ステップ
315)。上記信号線709〜716の可制御費の計算
結果を図14に示す。同図が示すように信号線711〜
716は、1に制御することが不能であることがわか
る。また、図14には、次に説明する信号線709〜7
16の可観測費の計算結果も併せて記載してある。
【0065】可制御費の計算が終了すると、各信号線の
可観測費が次の手順により計算される(図2のステップ
203)。まず、可観測費計算可能集合を空集合に初期
化し(図8のステップ502)、可観測費テーブルにお
いて図13の信号線709〜716の可観測費を無限大
とする(ステップ502、503)。次に外部出力ピン
703の可観測費を0にし、外部出力ピン703へ回路
的に論理が伝わる入力信号線である信号線716を可観
測費計算可能集合に登録する(ステップ504)。
【0066】続いて、可観測費計算可能集合から信号線
716を取り出すとともに削除し(ステップ505、5
06)、信号線716の可観測費を計算する(ステップ
507、509)。その結果、可観測費は0となり、可
観測費テーブル中の信号線716の可観測費が0に更新
される(ステップ510、511)。信号線716へ回
路的に論理が伝わる入力信号線714を可観測費計算可
能集合に登録する(ステップ512)。
【0067】さらに、可観測費計算可能集合から信号線
714を取り出すとともに削除し(ステップ506)、
分岐点の動作に基づいて可観測費を計算する(ステップ
507、509)。その結果、信号線714の可観測費
は0となり、可観測費テーブルが更新される(ステップ
510、511)。そして信号線714へ回路的に論理
が伝わる入力信号線である710、711、712、7
13を可観測費計算可能信号線に登録する(ステップ5
12)。
【0068】次いで、可観測費計算可能集合から信号線
710を取り出すとともに削除し(ステップ506)、
図9に示したDフリップフロップの可観測費の計算式に
基づいて可観測費を計算する。すなわち、 O(c)=O(q)+C0(s)+C0(r)+C0(c)+C1(c)+min[{C1(q)+C0(d)},{C0(q)+C1(d)}] =0 + 0 + 0 + 1 + 1 +min[{ ∞ + 2 },{ 4 + ∞ }] =∞ こうして信号線710の可観測費は無限大と計算される
(ステップ508)。この可観測費は、可観測費テーブ
ルにおいて更新されない(ステップ510)。
【0069】さらに、可観測費計算可能集合から信号線
711について上記と同様に、図9に示した計算式に基
づいて可観測費を計算する。すなわち、 O(d)=O(q)+C0(s)+C0(r)+C0(c)+C1(c) =0 + 1 + 1 + 0 + 0 =2 その結果可観測費は2となり可観測費テーブルの更新を
おこなう(ステップ510、511)。そして信号線7
11へ回路的に論理が伝わる入力信号線である信号線7
09、715を可観測費計算可能集合に登録する(ステ
ップ512)。
【0070】次に、信号線712の可観測費も同様に計
算される。すなわち、 O(s)=O(q)+C0(r)+C0(q) =0 + 0 + 4 =4 その結果可観測費は4となり可観測費テーブルの更新を
おこなう。
【0071】さらに、可観測費計算可能集合から信号線
713を取り出し、図9〜図12に示した計算式に基づ
いて可観測費を計算する。その結果可観測費は無限大と
なり更新をおこなわない。次に、可観測費計算可能集合
から信号線709を取り出し、ANDゲートの動作に基
づいて可観測費を計算する。その結果可観測費は無限大
となり更新をおこなわない。
【0072】さらに、可観測費計算可能集合から信号線
715を取り出し、ANDゲートの動作に基づいて可観
測費を計算する。その結果可観測費は4となり更新され
る。信号線715の入力信号線714を可観測費計算可
能集合に登録する。次に可観測費計算可能集合から信号
線714を取り出し、分岐点の動作に基づいて可観測費
を計算する。その結果、信号線714の可観測費は0と
なり、元々の値と同じなので更新を行わない。この時点
で、可観測費計算可能集合が空集合となるので、可観測
費の計算が終了する。
【0073】上記のようにして、図14に示した、信号
線709〜716の0可制御費、1可制御費、可観測費
がそれぞれ求められる。この後、目標故障として717
を選択し(ステップ103、104)、組合わせ回路部
分に対して検査入力を生成し、冗長故障であるかどうか
を判断する(ステップ105)。この検査入力生成を具
体的に説明するため、図13に示した順序回路を順序素
子の状態遷移に応じて時間的に展開したときの組合わせ
回路部分を、図15に示す。同図において718は擬似
外部入力(順序素子の出力)、719、720は擬似外
部出力(順序素子の入力)である。
【0074】図15に示した組合わせ回路部分の検査入
力生成に際して、まず、目標故障717が存在する信号
線716に故障信号1/0を割り当てる。この故障信号
は正常値/故障値を表す。次に、検査入力として信号線
714に論理値1を割り当てようとするが、図14の可
検査性尺度の表を参照すると、信号線714の1可制御
費は無限大であるため、信号線714に論理値1を割当
てることを中止する。なぜなら、信号線714の1可制
御費が無限大であるということは、信号線714は論理
値1に制御することができないことを示しているからで
ある。
【0075】その結果、故障箇所の信号線716の故障
信号を正当化することができないので、検査入力生成が
できず、目標故障717は冗長故障と判断する(ステッ
プ106)。この後になされる処理(ステップ107〜
109)は、本実施例では従来技術の(ステップ190
8〜1910)と同じなので、その説明を省略する。
【0076】以上のように、本実施例によれば、ある目
標故障の検査入力生成を行った結果、順序回路全体の可
検査性尺度を計算することによって、組合せ回路部分の
検査入力生成、すなわち組合せ回路的な冗長判定処理に
おいて、順序回路的な可検査性尺度を参照することによ
って、順序回路的な冗長判定を高速に行うことができる
ので、検査系列を高速に生成することになる。 (第2実施例)図16は本発明の第2の実施例における
検査系列生成方法の処理を示す流れ図である。
【0077】同図においてステップ801〜806は、
第1の実施例における図1のステップ101〜106と
同様であるので説明を省略する。ステップ807は、ス
テップ804で選択された順序回路中の故障箇所を、0
縮退故障ならばグランド、1縮退故障ならば電源として
扱うことにより、故障回路について順序素子の動作を考
慮にいれた順序回路全体の可制御費を計算する。
【0078】ステップ808は、ステップ804で選択
された目標故障に対して順序素子からの出力(擬似外部
入力)と外部力ピンを入力とし、順序素子の入力
(擬似外部出力)と外部出力ピンを出力とした組合せ回
路部分について、ステップ807で計算された故障回路
の可制御費を用いて各信号線に状態値を割り当て、ステ
ップ802で計算された正常回路の可観測費を用いて目
標故障の影響を任意の外部出力ピンまたは任意の疑似外
部出力へ伝搬させて検査入力生成を行う。その結果によ
りステップ804で選択された目標故障が検査可能であ
るか否かを判定する。
【0079】ステップ809は、検査入力が生成された
か否かを判断し、生成されたならば検査可能としステッ
プ810へ進み、生成されなければ検査不能故障と判断
してステップ803へ進み次の目標故障の処理を行う。
ステップ810、811は、図1に示したステップ10
7の故障伝搬処理、108の状態初期化処理と同様であ
るので説明を省略する。ただし、これらの処理では、ス
テップ802で計算された可制御費ではなく、ステップ
807で計算された可制御費を用いる点のみ異なる。
【0080】ステップ812は、ステップ804で選択
された目標故障の検査系列で故障シミュレーションを実
行し、その結果、当該目標故障以外の故障で任意の外部
出力ピンで検出された故障を未検出故障群の中から削除
する。ステップ813は検査系列生成処理の終了を示
す。上記ステップ802の詳細は、第1の実施例で示し
た図2〜図12と同じであるので説明を省略する。
【0081】以上のように構成された本発明の第2の実
施例における順序回路の検査系列生成方法について、そ
の動作を説明する。図17に、本実施例における検査系
列生成方法の動作を説明するために用いる回路例とし
て、検査系列生成の対象となる順序回路を示す。同図に
おいて901〜903は外部入力ピンである。904は
外部出力ピンである。905はセレクタである。906
はDフリップフロップである。907は分岐点である。
908〜909はグランドである。910〜918は信
号線である。919は信号線911の1縮退故障で、目
標故障である。920は疑似外部入力である。921〜
922は疑似外部出力である。
【0082】図17に示した順序回路に対して、可検査
性尺度のうち可制御費が次の手順によって計算される。
(図16のステップ802、図2のステップ202)。
可制御費計算可能集合が初期化され(図3のステップ3
02)、可制御費テーブルにおいて信号線910〜91
8の0可制御費、1可制御費が無限大とされる(ステッ
プ303)。次に外部入力ピン901、902、903
を接続する信号線910、911、912の0可制御費
と1可制御費を1にし、信号線910、911、912
から回路的に論理が伝わる出力信号線である信号線91
3、916を可制御費計算可能集合に登録する(ステッ
プ304)。次にグランド908、909の信号線91
4、915の0可制御費を0にする。信号線914、9
15から回路的に論理が伝わる出力信号線である信号線
916は、すでに可制御費計算可能集合に登録されてい
るので、登録を行わない(ステップ305、306)。
【0083】次に可制御費計算可能集合から信号線91
3を取り出すとともに削除し(ステップ307、30
8)、セレクタの動作に基づいて信号線913の0可制
御費と1可制御費を計算する(ステップ309、31
1)。その結果、0可制御費は3で、1可制御費は3と
なり、可制御費テーブル中の信号線913の0可制御
費、1可制御費の両方が2に更新される(ステップ31
2、313)。信号線913の出力信号線916はすで
に可制御費計算可能集合に登録されているので、登録は
行わない(ステップ314)。
【0084】次に、可制御費計算可能集合の信号線91
6について、上記と同様にして信号線916の0可制御
費は5、1可制御費は5となり、可制御費テーブルにお
いて0可制御費と1可制御費の両方とも5に更新され
る。そして信号線916の出力信号線である917、9
18を可制御費計算可能集合に登録する。さらに、可制
御費計算可能集合の信号線917について、上記と同様
にして計算した結果、信号線917の0可制御費は5、
1可制御費は5となり、可制御費テーブルにおいて0可
制御費と1可制御費の両方とも5に更新される。そして
信号線917の出力信号線である913を可制御費計算
可能集合に登録する。
【0085】次に、可制御費計算可能集合の信号線91
8について、上記と同様にして計算した結果、信号線9
18の0可制御費は5、1可制御費は5となり、0可制
御費と1可制御費の両方とも5に更新される。次に、可
制御費計算可能集合の信号線913について、上記と同
様にして計算した結果、信号線913の0可制御費は
3、1可制御費は3となり、もともとの値と同じなので
更新しない。ここで可制御費計算可能集合が空集合とな
るので、可制御費の計算が終了する。
【0086】上記故障919が存在する故障回路におけ
る信号線910〜918の可制御費の計算結果を図18
に示す。同図が示すように信号線913〜918は1に
制御することが不能、信号線911、913、916〜
918は0に制御することが不能であることがわかる。
また、図18には、次に説明する、故障919が存在す
る故障回路における信号線910〜918の可観測費の
計算結果も併せて記載してある。
【0087】可制御費の計算が終了すると、各信号線の
可観測費が次の手順により計算される(ステップ20
3)。まず、可観測費計算可能集合を空集合に初期化し
(図8のステップ502)、可観測費テーブルにおいて
信号線910〜918の可観測費を無限大とする(ステ
ップ502、503)。次に外部出力ピン904の可観
測費を0にし、外部出力ピン904へ回路的に論理が伝
わる入力信号線である信号線918を可観測費計算可能
集合に登録する(ステップ504)。
【0088】続いて、可観測費計算可能集合から信号線
918を取り出すとともに削除し(ステップ505、5
06)、この信号線の可観測費を計算する(ステップ5
07、509)。その結果可観測費は0となり、可観測
費テーブル中の信号線918の観測費が0に更新される
(ステップ510、511)。信号線918へ回路的に
論理が伝わる入力信号線916を可観測費計算可能集合
に登録する(ステップ512)。
【0089】次に、可観測費計算可能集合の信号線91
6取り出すとともに削除し(ステップ506)、分岐点
の動作に基づいて可観測費を計算する(ステップ50
7、509)。その結果、信号線916の可観測費は0
となり、可観測費テーブルが更新される(ステップ51
0、511)。そして信号線916へ回路的に論理が伝
わる入力信号線である912、913、14、915を
可観測費計算可能集合に登録する(ステップ512)。
【0090】さらに、可観測費計算可能集合からの信号
線912について、上記と同様に図9に示した計算式に
基づいて可観測費の計算結果から、可観測費テーブルに
おける当該可観測費を10に更新する。次に、可観測費
計算可能集合からの信号線913について、同様に可観
測費テーブルの当該可観測費を2に更新し、信号線91
3の入力信号線である信号線910、911、917を
可観測費計算可能集合に登録する。
【0091】さらに、上記と同様にステップ505〜5
12のループ処理により、信号線914の可観測費を5
に、信号線915の可観測費を5に、信号線910の可
観測費を4に、信号線911の可観測費を9に、信号線
917の可観測費を4に更新する。信号線917につい
ては、これに対する入力信号線916を可観測費計算可
能集合に登録する。次に、信号線916の可観測費の計
算する。その結果、可観測費は0となり、元々の値と同
じなので更新しない。ここで可観測費計算可能集合が空
集合となるので、可観測費の計算が終了する。
【0092】この後、目標故障として919を選択し
(ステップ803、804)、組合わせ回路部分に対し
て検査系列生成し、冗長故障であるかどうかを判断する
(ステップ805)。この検査入力生成を具体的に説明
するため、図17に示した順序回路を順序素子の状態遷
移に応じて時間的に展開したときの組合わせ回路部分
を、図19に示す。同図において920は擬似外部入力
(順序素子の出力)、921、922は擬似外部出力
(順序素子の入力)である。
【0093】次に、信号線911を電源とした故障回路
について可制御費を計算する(ステップ807)。具体
的には、信号線910〜918の0可制御費、1可制御
費を無限大とする。次に外部入力ピン901、902、
903の信号線910、911、912の0可制御費と
1可制御費を1にし、信号線910、911、912の
出力信号線である信号線913、916を可制御費計算
可能集合に登録する。次にグランド908、909の信
号線914、915の0可制御費を0にする。信号線9
14、915の出力信号線である信号線916はすでに
可制御費計算可能集合に登録されているので、登録を行
わない。次に故障箇所の信号線911の1可制御費を0
にし、0可制御費を無限大にする。次に可制御費計算可
能集合から信号線913を取り出し、セレクタの動作に
基づいて信号線913の0可制御費と1可制御費を計算
する。その結果、0可制御費は無限大で、1可制御費は
無限大となり、両方が元々の値と同じなので更新されな
い。次に可制御費計算可能集合から信号線916を取り
出し、図4〜図7に示した式に基づいて0可制御費と1
可制御費を計算する。その結果、信号線916の0可制
御費は無限大、1可制御費は無限大となり、0可制御費
と1可制御費の両方とも元々の値と同じなので更新され
ない。ここで可制御費計算可能集合が空集合となるの
で、目標故障919が存在する故障回路の可制御費の計
算が終了する。
【0094】次に、図19に示した組合せ回路の部分の
検査入力生成を再度行い(ステップ808)、目標故障
919の冗長判定を行う(ステップ809)。ただし、
参照する可制御費は、ステップ807において目標故障
が存在する故障回路について計算したものである。具体
的には、故障箇所の信号線911に故障信号0/1を割
り当てる。次に、信号線910に論理値1、信号線91
6に論理値0を割り当てようとするが、信号線916の
0可制御費が無限大であるため、信号線916は目標故
障919が存在する回路で論理値0に制御できないの
で、信号線916に論理値0、信号線910に論理値1
を割り当てることを中止する。次に信号線910に論理
値0、信号線916に論理値1を割り当てようとする
が、同様に信号線916の1可制御費が無限大であるた
め、目標故障919が存在する故障回路で信号線916
を論理値1に制御できないので、信号線916に論理値
1、信号線910に論理値0を割り当てることを中止す
る。故障信号を外部出力904または疑似外部出力92
1、922に伝搬することることが出来ないので、この
目標故障919は検査不可能であると判断される(ステ
ップ809)。
【0095】この後になされる処理(ステップ810〜
812)は、第1の実施例の(ステップ107〜10
9)と同様なので、その説明を省略する。以上のよう
に、本実施例によれば、ある目標故障の検査入力生成を
行った結果、目標故障が存在する故障回路について順序
回路全体の可検査性尺度を計算することによって、組合
せ回路部分の検査入力生成で故障回路の可制御費、正常
回路の可観測費を参照して、検査不可能な故障の判定を
行うことができるので、高速にまた短い検査系列長で検
査系列を生成できる。 (第3実施例)図20は本発明の第3の実施例における
順序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【0096】ステップ1001〜1006は、図1に示
した第1の実施例のステップ101〜106と同じなの
で、説明を省略する。ステップ1007は、順序回路中
の故障箇所を、0縮退故障ならばグランド、1縮退故障
ならば電源として扱うことにより、故障回路について順
序素子の動作を考慮にいれた順序回路全体の可制御費を
計算する。このステップは、第2の実施例のステップ8
07と同じである。
【0097】ステップ1008は、全ての疑似外部入力
について、目標故障が存在する故障回路の可制御費を調
べ、1可制御費と0可制御費の両方が無限大となってい
る疑似外部入力の入力信号線を疑似外部出力とみなさな
いようにする。ステップ1009は、ステップ1004
で選択した目標故障に対して、順序素子からの出力(擬
似外部入力)と外部力ピンを入力とし、順序素子
入力(擬似外部出力)と外部出力ピンを出力とした組合
せ回路部分について、ステップ1007で計算した故障
回路の可制御費を用いて各信号線に状態値を割り当て、
ステップ1002で計算した正常回路の可観測費を用い
て目標故障の影響を任意の外部出力ピンまたは任意の疑
似外部出力へ伝搬させて検査入力生成を行い、ステップ
1004で選択した目標故障が検査可能であるか否かを
判定する。
【0098】次にステップ1010は、検査入力が生成
されたか否かを判断し、生成されたならば検査可能とし
ステップ1011へ進み、生成されなければ検査不能故
障と判断してステップ1003へ進み次の目標故障の処
理を行う。ステップ1011〜ステップ1013は、第
1の実施例におけるステップ107〜109と同じなの
で説明を省略する。ただし、これらの処理では、ステッ
プ1002で計算された可制御費ではなく、ステップ1
007で計算された可制御費を用いる点のみ異なる。
【0099】ステップ1014は検査系列生成処理の終
了を示す。上記ステップ1002の詳細は、第1の実施
例で示した図2〜図12と同じであるので説明を省略す
る。以上のように構成された本発明の第3の実施例にお
ける順序回路の検査系列生成方法について、その動作を
説明する。
【0100】図21は、本実施例の順序回路の検査系列
生成の動作を説明するための、検査系列生成の対象とな
る回路例を示す。同図において、1101、1102は
外部入力ピンである。1103は外部出力ピンである。
1104はDフリップフロップである。1105、11
06はグランドである。1107〜1111は信号線で
ある。1112は目標故障で、信号線1108の0縮退
故障である。1113は疑似外部入力である。1114
〜1115は疑似外部出力である。
【0101】図22は、信号線1107〜1111の故
障1112が存在する故障回路における0可制御費、1
可制御費、また正常回路における可観測費を示した表で
ある。図23は図21で示した順序回路の組合せ回路部
分を示した図である。図24は図23で示した組合せ回
路から故障回路の0可制御費、1可制御費の両方が無限
大である疑似外部入力の入力信号線を疑似外部出力から
削除し、開放状態としたものである。
【0102】図21に示す順序回路に対して、可検査性
尺度のうち可制御費が次に様にして計算される(図20
のステップ1002、図2のステップ202)。可制御
費計算可能集合が初期化され(図3のステップ30
2)、可制御費テーブルにおいて、信号線1107〜1
111の0可制御費、1可制御費が無限大とされる(ス
テップ303)。次に外部入力ピン1001、1002
の信号線1107、1108の0可制御費と1可制御費
を1にし、信号線1107、1108の出力信号線であ
る信号線1111を可制御費計算可能集合に登録する
(ステップ304)。次にグランド1105、1106
の信号線1109、1110の0可制御費を0にする。
信号線1109、1110の出力信号線である信号線1
111はすでに可制御費計算可能集合に登録されている
ので、登録を行わない。次に可御費計算可能集合から信
号線1111を取り出し、図4に示した式に基づいて0
可制御費と1可制御費を計算する。その結果、信号線1
111の0可制御費は3、1可制御費は3となり、0可
制御費と1可制御費の両方とも3に更新される。ここで
可制御費計算可能集合が空集合となるので、可制御費の
計算が終了する。
【0103】次に可観測費の計算を行う。信号線110
7〜1111の可観測費を無限大とする。次に外部出力
ピン1103の可観測費を0にし、外部出力ピン110
3の入力信号線である信号線1111を可観測費計算可
能集合に登録する。次に可観測費計算可能集合から信号
線1111を取り出し、可観測費を計算する。その結
果、可観測費は0となり、更新される。信号線1111
の入力信号線1107、1108、1109、1110
を可観測費計算可能集合に登録する。次に可観測費計算
可能集合から信号線1107を取り出し、図9に示した
計算式に基づいて可観測費を計算する。その結果2とな
り更新を行う。次に可観測費計算可能集合から信号線1
108を取り出し、図9に示した計算式に基づいて可観
測費を計算する。その結果可観測費は6となり更新をお
こなう。次に可観測費計算可能集合から信号線1109
を取り出し、図9に示した計算式に基づいて可観測費を
計算する。その結果、可観測費は3となり更新をおこな
う。次に可観測費計算可能集合から信号線1110を取
り出し、図9に示した計算式に基づいて可観測費を計算
する。その結果可観測費は3となり更新を行う。ここで
可観測費計算可能集合が空集合となるので、可観測費の
計算が終了する。
【0104】次に目標故障として1112を選択し、検
査系列生成を行う。まず図23に示されているように組
合せ回路の部分の検査入力生成を行い、目標故障111
2の冗長判定を行う。故障箇所の信号線1108に故障
信号0/1を割り当てる。信号線1108は疑似外部出
力1115に接続している。すなわち、疑似外部出力1
115に故障信号が伝搬されるので、この目標故障11
12は冗長故障とは判定されない。次に、信号線110
8をグランドとした故障回路について可制御費を計算す
る。信号線1107〜1111の0可制御費、1可制御
費を無限大とする。次に外部入力ピン1101、110
2の信号線1107、1108の0可制御費と1可制御
費を1にし、信号線1107、1108の出力信号線で
ある信号線1111を可制御費計算可能集合に登録す
る。次にグランド1105、1106の信号線110
9、1110の0可制御費を0にする。信号線110
9、1110の出力信号線である信号線1111はすで
に可制御費計算可能集合に登録されているので、登録を
行わない。次に故障箇所の信号線1108の0可制御費
を0にし、1可制御費を無限大にする。次に可制御費計
算可能集合から信号線1111を取り出し、図4に示し
た式に基づいて0可制御費と1可制御費を計算する。そ
の結果、信号線1111の0可制御費は無限大、1可制
御費は無限大となり、0可制御費と1可制御費の両方と
も元々の値と同じなので更新されない。ここで可制御費
計算可能集合が空集合となるので、目標故障1112が
存在する故障回路の可制御費の計算が終了する。
【0105】次に、図22より、疑似外部入力1113
に接続している信号線1111の目標故障1112が存
在する故障回路の0可制御費と1可制御費がともに無限
大であるから信号線1111の入力信号線1107、1
108、1109、1110を疑似外部出力と接続せず
に、開放状態にする。すなわち、図24の組合せ回路に
対して検査入力生成を行い、目標故障1112の検査可
能判定を行う。ただし、参照する可制御費は目標故障1
112が存在する故障回路について計算したものであ
る。故障箇所の信号線1108に故障信号1/0を割り
当てる。しかし、信号線1108は開放しているため、
決して外部出力ピン1103に故障信号を伝搬すること
はできない。よってこの目標故障1112は検査不可能
であると判断される。
【0106】以上のように、本実施例によれば、ある目
標故障の検査入力生成を行った結果、目標故障が存在す
る故障回路について順序回路全体の可検査性尺度を計算
し、故障回路の0可制御費と1可制御費の両方が無限大
である疑似外部入力の入力信号線を疑似外部出力から削
除することによって、組合せ回路部分の検査入力生成で
故障回路の可制御費、正常回路の可観測費を参照して、
セット、リセット機能がないフリップフロップのクロッ
クの故障などの検査不可能な故障の判定を行うことがで
きるので、高速に検査系列を生成できる。 (第4実施例)図25は本発明の第4の実施例における
順序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【0107】ステップ1201は順序回路の検査系列生
成処理の開始を示す。まずステップ1202で値を固定
したい信号線と固定したい信号値を指定する。ステップ
1203でステップ1202で指定された信号線が存在
するか否かを判断し、存在するならばステップ1204
に進み、存在しないならばステップ1205に進む。
【0108】ステップ1203で値固定信号線が指定さ
れたと判断したとき、ステップ1204で値固定信号線
が論理値1固定と指定されたならば、固定された信号線
を電源として扱い、論理値0固定と指定されたならば、
固定された信号線をグランドとして扱って、順序素子の
動作を考慮にいれた順序回路全体の可検査性尺度を計算
する。
【0109】ステップ1203で値固定信号線が指定さ
れていないと判断したとき、ステップ1205は、順序
素子の動作を考慮にいれた順序回路全体の可検査性尺度
を計算する。ステップ1206で未検出故障でかつまだ
検査系列生成の対象として処理されていない故障が存在
するか否かを判断し、未検出故障でかつまだ検査系列生
成の対象として処理されていない故障が存在すればステ
ップ1207に進み、存在しなければステップ1213
に進んで検査系列生成処理を終了させる。。
【0110】ステップ1207で未検出故障でかつまだ
検査系列生成の対象として処理されていない故障群の中
から、目標故障として故障を1つ選択する。ステップ1
208でステップ1207で選択した目標故障に対し
て、順序素子からの出力(擬似外部入力)と外部力ピ
ンを入力とし、順序素子の入力(擬似外部出力)と外
部出力ピンを出力とした組合せ回路部分について、ステ
ップ1204または1205で計算した可検査性尺度の
うち、可制御費を用いて各信号線に状態値を割り当て、
可観測費を用いて目標故障の影響を任意の外部出力ピン
または任意の疑似外部出力へ伝搬させて検査入力生成を
行い、ステップ1207で選択した目標故障が冗長であ
るか否かを判定する。
【0111】ステップ1209は、検査入力が生成され
たか否かを判断し、生成されたならば検査可能としステ
ップ1210へ進み、生成されなければ冗長故障または
打ち切り故障と判断してステップ1206へ進み次の目
標故障の処理を行う。ステップ1210は、ステップ1
204または1205で計算した可検査性尺度のうち、
可観測費と可制御費の両方を用いて故障箇所から任意の
外部出力ピンへ目標故障を伝搬する系列を生成する故障
伝搬処理を行ない、その系列の生成に成功したか否かを
判断し、故障伝搬処理に成功すればステップ1211に
進み、失敗すればステップ1206へ進み、次の目標故
障の処理を行なう。
【0112】ステップ1211は、ステップ1204ま
たは1205で計算した可検査性尺度のうち、可制御費
のみを用いて回路の初期状態からステップ1210で行
った故障伝搬処理において故障箇所が活性化されたとき
の回路の状態へ遷移させる系列を生成する状態初期化処
理を行ない、その系列の生成に成功すればステップ12
12に進み、失敗すればステップ1206へ進み次の目
標故障の処理を行う。
【0113】ステップ1212でステップ1207で選
択した目標故障の検査系列で故障シミュレーションを実
行し、任意の外部出力ピンで検出された故障を未検出故
障群の中から削除する。ステップ1213は検査系列生
成処理の終了を示す。図26は本実施例の順序回路の検
査系列生成の動作を説明するために用いる図である。図
26は検査系列生成の対象となる順序回路を示した図で
ある。1301〜1303は外部入力ピンである。13
04〜1305は外部出力ピンである。1306〜13
08はフリップフロップである。1309は組合せ回路
である。図27は、外部入力ピン1301を論理値1に
固定したときのフリップフロップ1306〜1308の
0可制御費を示した表である。図28は組合せ回路部分
の検査入力生成、または故障伝搬処理、または状態初期
化処理において、フリップフロップ1306または13
07のどちらかにに論理値0を割り当てる要求がくる処
理を示した概念図である。
【0114】図26に示す順序回路の外部入力ピン13
01を論理値1に固定する指定する。そして、外部入力
ピン1301を電源として、図26の順序回路の可検査
性尺度を計算した結果、フリップフロップ1306を0
に制御出来なくなる。フリップフロップ1306〜13
08の0可制御費は図27に示すように無限大、5、1
0である。図28に示すように、組合せ回路の検査入力
生成による冗長判定、または故障伝版処理、または状態
初期化処理のあるタイムフレームの処理で、フリップフ
ロップ1306または1307のどちらかに論理値0を
割り当てる要求が来ている。ここで、図27のフリップ
フロップ1306と1307の0可制御費を参照して、
フリップフロップ307方が論理値0に制御し安いの
で、フリップフロップ1307に論理値0を割り当て
る。
【0115】以上のように、本実施例によれば、ある目
標故障の検査入力生成を行った結果、前処理である信号
線に値固定が指定されている場合、その信号線の固定値
が論理値0ならばグランド、論理値1ならば電源として
扱って、順序回路全体の可検査性尺度を計算することに
よって、組合せ回路部分の検査入力生成または故障伝搬
処理または状態初期化処理で値固定の順序回路の可検査
性尺度を参照して、効率よく検査系列を生成を行うこと
ができるので、高速に高い故障検出率を得る検査系列を
生成できる。 (第5実施例)図29は本発明の第5の実施例における
順序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【0116】ステップ1401は順序回路の検査系列生
成処理の開始を示す。ステップ1402で順序素子の動
作を考慮にいれた順序回路全体の可検査性尺度を計算す
る。ステップ1403で各疑似外部入力(以後PPI)
について、論理値0、または論理値1に固定したときの
を疑似外部出力(以後PPO)の可制御費を計算して、
PPI−PPO関係テーブルという形で記憶しておく。
ここで疑似外部入力とは順序素子を意味し、疑似外部出
力は順序素子の入力を意味する。
【0117】ステップ1404で未検出故障でかつまだ
検査系列生成の対象として処理されていない故障が存在
するか否かを判断し、未検出故障でかつまだ検査系列生
成の対象として処理されていない故障が存在すればステ
ップ1405に進み、存在しなければステップ1411
に進んで検査系列生成処理を終了させる。。ステップ1
405で未検出故障でかつまだ検査系列生成の対象とし
て処理されていない故障群の中から、目標故障として故
障を1つ選択する。
【0118】ステップ1406でステップ1405で選
択した目標故障に対して、順序素子からの出力(擬似外
部入力)と外部力ピンを入力とし、順序素子の入力
(擬似外部出力)と外部出力ピンを出力とした組合せ回
路部分について、ステップ1402で計算した可検査性
尺度のうち、可制御費を用いて各信号線に状態値を割り
当て、可観測費を用いて目標故障の影響を任意の外部出
力ピンまたは任意の疑似外部出力へ伝搬させて検査入力
生成を行い、ステップ1405で選択した目標故障が冗
長であるか否かを判定する。
【0119】ステップ1407で、検査入力が生成され
たか否かを判断し、生成されたならば検査可能としステ
ップ1408へ進み、生成されなければ冗長故障または
打ち切り故障と判断してステップ1404へ進み次の目
標故障の処理を行う。ステップ1408で、ステップ1
402で計算した可検査性尺度のうち、可観測費と可制
御費の両方を用いて、またステップ1403で作成した
PPI−PPO関係表を用いて故障箇所から任意の外部
出力ピンへ目標故障を伝搬する系列を生成する故障伝搬
処理を行ない、その系列の生成に成功したか否かを判断
し、故障伝搬処理に成功すればステップ1409に進
み、失敗すればステップ1404へ進み、次の目標故障
の処理を行なう。
【0120】ステップ1409で、ステップ1402で
計算した可検査性尺度のうち、可制御費のみを用いて、
またステップ1403で作成したPPI−PPO関係表
を用いて回路の初期状態からステップ1408で行った
故障伝搬処理において故障箇所が活性化されたときの回
路の状態へ遷移させる系列を生成する状態初期化処理を
行ない、その系列の生成に成功すればステップ1410
に進み、失敗すればステップ1404へ進み次の目標故
障の処理を行う。
【0121】ステップ1410でステップ1405で選
択した目標故障の検査系列で故障シミュレーションを実
行し、任意の外部出力ピンで検出された故障を未検出故
障群の中から削除する。ステップ1411は検査系列生
成処理の終了を示す。図30は図29のステップ140
3を詳細に説明する流れ図である。
【0122】ステップ1501はPPI−PPO関係表
計算処理の開始を示す。ステップ1502で、ループの
実行回数を0に設定して初期化をおこなう。ステップ1
503でループの回数が順序素子の数よりも小さいか否
かを判定し、小さければステップ1504に進み、等し
いか大きければステップ1511へ進み、PPI−PP
O関係表の処理を終了する。
【0123】ステップ1504でまだPPI−PPO関
係表を作成していない順序素子を選択し、その順序素子
を論理値0に固定したと仮定して、すなわちその順序素
子をグランドとして扱って、順序回路全体の可制御費を
計算する。ステップ1505で、すべてのPPOについ
てステップ1504で計算した可制御費を記憶すること
によって0PPI−PPO関係表を作成する。
【0124】ステップ1506でステップ1504で選
択した順序素子を論理値1に固定したと仮定して、すな
わちその順序素子を電源として扱って、順序回路全体の
可制御費を計算する。ステップ1507で、すべてのP
POについてステップ1506で計算した可制御費を記
憶することによって0PPI−PPO関係表を作成す
る。
【0125】ステップ1508でループの回数を1つカ
ウントアップする。ステップ1509はPPI−PPO
関係表計算処理の終了を示す。図16は本実施例におけ
る順序回路の検査系列生成の動作を説明するために用い
る図である。図31は検査系列生成の対象となる順序回
路を示した図である。1601は外部入力ピン群であ
る。1602は外部出力ピン群である。1603は組合
せ回路である。1604は順序素子群である。1605
〜1606は疑似外部入力(PPI)である。1607
〜1608は疑似外部出力(PPO)である。図32
は、PPI1605の0PPI−PPO関係表、1PP
I−PPO関係表とPPI1606の0PPI−PPO
関係表、1PPI−PPO関係表である。図33は故障
伝搬処理、または状態初期化処理のタイムフレーム内の
処理において、PPO1607を論理値0、PPO16
08を論理値1に必ず設定しなければならない条件の下
で、PPI1605または1606のどちらかにに論理
値1を割り当てる要求がくる処理を示した概念図であ
る。
【0126】図31に示す順序回路のPPI1605を
論理値0に固定、すなわちグランドとして、図31の順
序回路の可検査性尺度を計算した結果、PPO1607
の0可制御費が無限大、1可制御費が0またPPO16
08の0可制御費が10、1可制御費が40となる。同
様に図31に示す順序回路のPPI1605を論理値1
に固定、すなわち電源として、図31の順序回路の可検
査性尺度を計算した結果、PPO1607の0可制御費
が50、1可制御費が10またPPO1608の0可制
御費が0、1可制御費が無限大となる。さらに同様に図
31に示す順序回路のPPI1606を論理値0に固
定、すなわちグランドとして、図31の順序回路の可検
査性尺度を計算した結果、PPO1607の0可制御費
が10、1可制御費が20またPPO1608の0可制
御費が5、1可制御費が20となる。さらに同様に図3
1に示す順序回路のPPI1606を論理値1に固定、
すなわち電源として、図31の順序回路の可検査性尺度
を計算した結果、PPO1607の0可制御費が0、1
可制御費が無限大またPPO1608の0可制御費が無
限大、1可制御費が0となる。上記の結果を図32に示
すようなPPI−PPO関係表という形で記憶する。図
33に示すように、故障伝版処理、または状態初期化処
理のあるタイムフレームの処理で、PPO1607を論
理値0、PPO1608を論理値1に必ず設定しなけれ
ばならない条件下で、PPI1605または1606の
どちらかに論理値1を割り当てる要求が来ている。ここ
で、図32のPPI1605の1PPI−PPO関係表
とPPI1606の1PPI−PPO関係表のPPO1
607、1608の可制御費を参照して、PPI160
5に論理値1を割り当てるとPPO1608を論理値1
に設定することが不可能になり、PPI1606に論理
値1を割り当てるとPPO1607を論理値0に設定す
るコストが0、PPO1608を論理値1に設定するコ
ストが0になるので、PPI1606に論理値1を割り
当てる。
【0127】以上のように、本実施例によれば、ある目
標故障の検査系列生成を行った結果、前処理で各疑似外
部入力に論理値1を割り当てたときの全疑似外部出力の
可制御費を、その疑似外部入力を電源として扱って、順
序回路全体の可制御費を計算することによって得て(1
PPI−PPO関係表)、また同様に前処理で各疑似外
部入力に論理値0を割り当てたときの全疑似外部出力の
可制御費を(0PPI−PPO)、その疑似外部入力を
グランドとして扱って、順序回路全体の可制御費を計算
することによって得て、故障伝搬処理または状態初期化
処理で各PPI−PPO関係表を参照して、効率よく検
査系列を生成を行うことができるので、高速に高い故障
検出率を得る検査系列を生成できる。 (第6実施例)図34は本発明の第6の実施例における
順序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【0128】ステップ1701は順序回路の検査系列生
成処理の開始を示す。ステップ1702で順序素子の動
作を考慮にいれた順序回路全体の可検査性尺度を計算す
る。ステップ1703で未検出故障でかつまだ検査系列
生成の対象として処理されていない故障が存在するか否
かを判断し、未検出故障でかつまだ検査系列生成の対象
として処理されていない故障が存在すればステップ17
04に進み、存在しなければステップ1711に進んで
検査系列生成処理を終了させる。
【0129】ステップ1704で現在の回路の状態を調
べて、ある順序素子の状態値が論理値1ならば順序素子
を電源に、論理値0ならばグランドとして扱って順序回
路全体の可検査性尺度を計算する。ステップ1705で
未検出故障でかつまだ検査系列生成の対象として処理さ
れていない故障群の中から、目標故障としてステップ1
704で計算した可検査性尺度のうち1番可観測費が安
い箇所の故障を1つ選択する。
【0130】ステップ1706でステップ1705で選
択した目標故障に対して、順序素子からの出力(擬似外
部入力)と外部力ピンを入力とし、順序素子の入力
(擬似外部出力)と外部出力ピンを出力とした組合せ回
路部分について、ステップ1702で計算した可検査性
尺度のうち、可制御費を用いて各信号線に状態値を割り
当て、可観測費を用いて目標故障の影響を任意の外部出
力ピンまたは任意の疑似外部出力へ伝搬させて検査入力
生成を行い、ステップ1705で選択した目標故障が冗
長であるか否かを判定する。
【0131】ステップ1707で、検査入力が生成され
たか否かを判断し、生成されたならば検査可能としステ
ップ1708へ進み、生成されなければ冗長故障または
打ち切り故障と判断してステップ1703へ進み次の目
標故障の処理を行う。ステップ1708で、ステップ1
702で計算した可検査性尺度のうち、可観測費と可制
御費の両方を用いて故障箇所から任意の外部出力ピンへ
目標故障を伝搬する系列を生成する故障伝搬処理を行な
い、その系列の生成に成功したか否かを判断し、故障伝
搬処理に成功すればステップ1709に進み、失敗すれ
ばステップ1703へ進み、次の目標故障の処理を行な
う。
【0132】ステップ1709で、ステップ1702で
計算した可検査性尺度のうち、可制御費のみを用いて回
路の初期状態からステップ1708で行った故障伝搬処
理において故障箇所が活性化されたときの回路の状態へ
遷移させる系列を生成する状態初期化処理を行ない、そ
の系列の生成に成功すればステップ1710に進み、失
敗すればステップ1703へ進み次の目標故障の処理を
行う。
【0133】ステップ1710でステップ1705で選
択した目標故障の検査系列で故障シミュレーションを実
行し、任意の外部出力ピンで検出された故障を未検出故
障群の中から削除する。ステップ1711は検査系列生
成処理の終了を示す。図18は本実施例における順序回
路の検査系列生成の動作を説明するために用いる図であ
る。図35は検査系列生成の対象となる順序回路と未検
出故障と現在の回路状態を示した図である。1801は
外部入力ピン群である。1802は外部出力ピン群であ
る。1803は組合せ回路である。1804〜1806
は順序素子である。1807、1809は未検出故障で
未処理で0縮退故障である。1808は未検出故障で未
処理で1縮退故障である。図36は現在の状態を考慮に
いれて計算した、未検出故障箇所1807〜1809の
可観測費である。
【0134】まず回路状態を調べて、順序素子1804
の現在状態は論理値1なので電源、順序素子1805の
現在状態は論理値0なのでグランド、順序素子1806
の現在状態は論理値0なのでグランドとして扱って、順
序回路の可観測費を計算する。次に目標故障を未検出で
かつ未処理故障1807〜1809の3個の中から選択
する。1807の現在状態での可観測費は50、180
8の現在状態での可観測費は5、1809の現在状態で
の可観測費は100であるので、現在状態で1番故障が
観測し安いとして、目標故障として1809(0縮退故
障)を選択する。
【0135】以上のように、本実施例によれば、ある目
標故障の検査系列生成を行った結果、目標故障の選択時
の回路状態調べて、各順序素子の状態値が論理値0なら
ばグランド、論理値1ならば電源として扱って、順序回
路全体の可検査性尺度を計算して、未検出でかつ未処理
故障のなかから、現在状態を考慮した可観測費が最も安
い故障箇所を目標故障として選択することによって、効
率よく検査系列を生成を行うことができるので、高速に
高い故障検出率を得る検査系列を生成できる。
【0136】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の検査系
列方法によれば以下の効果がある。 (1)可検査性尺度の計算対象が組合せ回路部分だけで
なく順序回路全体であるので、制御不能な順序素子や観
測不能な順序素子を識別することができ、順序回路的な
冗長性を判定することができるので、検査系列生成に成
功する確率が高くなり、高故障検出率を得ることができ
るという効果がある。
【0137】具体的には、検査入力生成を行う際に、順
序回路全体の可検査性尺度を計算することによって、組
合せ回路部分の検査入力生成、すなわち組合せ回路的な
冗長判定処理において、順序回路的な可検査性尺度を参
照することによって、順序回路的な冗長判定を高速に行
うことができる。また、目標故障が存在する故障回路に
ついて順序回路全体の可検査性尺度を計算することによ
って、組合せ回路部分の検査入力生成で故障回路の可制
御費、正常回路の可観測費を参照して、検査不可能な故
障の判定を行うことができる。これにより高い故障検出
率が得られる。 (2)可検査性尺度の計算を正常な回路だけでなく、故
障の影響で制御不可能になる順序素子が存在することを
考慮してある故障の検査系列を生成するので、検査系列
生成の高速化、検査系列長を短縮することができる。
【0138】具体的には、目標故障の検査入力生成を行
った結果、目標故障が存在する故障回路について順序回
路全体の可検査性尺度を計算し、故障回路の0可制御費
と1可制御費の両方が無限大である疑似外部入力の入力
信号線を疑似外部出力から削除することによって、組合
せ回路部分の検査入力生成で故障回路の可制御費、正常
回路の可観測費を参照して、セット、リセット機能がな
いフリップフロップのクロックの故障などの検査不可能
な故障の判定を行うことができるので、高速に検査系列
を生成できる。また、目標故障の検査系列生成を行う
際、前処理で各疑似外部入力に論理値1を割り当てたと
きの全疑似外部出力の可制御費を、その疑似外部入力を
電源として扱って、順序回路全体の可制御費を計算する
ことによって得て(1PPI−PPO関係表)、また同
様に前処理で各疑似外部入力に論理値0を割り当てたと
きの全疑似外部出力の可制御費を(0PPI−PP
O)、その疑似外部入力をグランドとして扱って、順序
回路全体の可制御費を計算することによって得て、故障
伝搬処理または状態初期化処理で各PPI−PPO関係
表を参照して、効率よく検査系列を生成を行うことがで
きるので、高速に高い故障検出率を得る検査系列を生成
できる。 (3)また、目標故障の選択を、すでに処理された故障
についての検査系列で故障シミュレーションを実行した
時点で、回路の状態を考慮して検出困難な故障を除外し
て目標故障として選択するので、高故障検出率、高速化
を得ることができる。
【0139】具体的には、目標故障の検査系列生成を行
う際、目標故障の選択時の回路状態調べて、各順序素子
の状態値が論理値0ならばグランド、論理値1ならば電
源として扱って、順序回路全体の可検査性尺度を計算し
て、未検出でかつ未処理故障のなかから、現在状態を考
慮した可観測費が最も安い故障箇所を目標故障として選
択することによって、効率よく検査系列を生成を行うこ
とができるので、高速に高い故障検出率を得る検査系列
を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すために用いる順序
回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図2】図1のステップ102を詳細に説明する流れ図
である。
【図3】図3は図2のステップ202を詳細に説明する
流れ図である。
【図4】順序素子の可制御費の計算式の一例である。
(1)はDフリップフロップの0可制御費と1可制御費
の計算式を示し、
【図5】(2)はDラッチの0可制御費と1可制御費の
計算式を示し、
【図6】(3)はTフリップフロップの0可制御費と1
可制御費の計算式を示し、
【図7】(4)はJKフリップフロップの0可制御費と
1可制御費の計算式を示す。
【図8】図2のステップ203を詳細に説明する流れ図
である。
【図9】順序素子の入力の可観測費の計算式の一例であ
る。(1)はDフリップフロップの各入力の可観測費の
計算式を示し、
【図10】(2)はDラッチの各入力の可観測費の計算
式を示し、
【図11】(3)はTフリップフロップの各入力の可観
測費の計算式を示し、
【図12】(4)はJKフリップフロップの各入力の可
観測費の計算式を示す。
【図13】本発明の第1の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路と目標故障を示した図であ
る。
【図14】(2)は、信号線709〜716の可検査性
尺度、すなわち0可制御費、1可制御費、可観測費を示
した表である。
【図15】(3)は図13で示した順序回路の組合せ回
路部分を示した図である。
【図16】本発明の第2の実施例を示すために用いる順
序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図17】本発明の第2の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路と目標故障を示した図であ
る。
【図18】(2)は、信号線910〜918の故障91
9が存在する故障回路における0可制御費、1可制御
費、また正常回路における可観測費を示した表である。
【図19】(3)は図17で示した順序回路の組合せ回
路部分を示した図である。
【図20】本発明の第3の実施例を示すために用いる順
序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図21】本発明の第3の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路と目標故障を示した図であ
る。
【図22】(2)は、信号線1107〜1111の故障
1112が存在する故障回路における0可制御費、1可
制御費、また正常回路における可観測費を示した表であ
る。
【図23】(3)は図21で示した順序回路の組合せ回
路部分を示した図である。
【図24】(4)は図23で示した組合せ回路から故障
回路の0可制御費、1可制御費の両方が無限大である疑
似外部入力の入力信号線を疑似外部出力から削除し、開
放状態としたものである。
【図25】本発明の第4の実施例を示すために用いる順
序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図26】本発明の第4の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路を示した図である。
【図27】(2)は、外部入力ピン1301を論理値1
に固定したときのフリップフロップ1306〜1308
の0可制御費を示した表である。
【図28】(3)は組合せ回路部分の検査入力生成、ま
たは故障伝搬処理、または状態初期化処理において、フ
リップフロップ1306または1307のどちらかにに
論理値0を割り当てる要求がくる処理を示した概念図で
ある。
【図29】本発明の第5の実施例を示すために用いる順
序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図30】図29のステップ1403を詳細に説明する
流れ図である。
【図31】本発明の第5の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路を示した図である。
【図32】(2)は、PPI1605の0PPI−PP
O関係表、1PPI−PPO関係表とPPI1606の
0PPI−PPO関係表、1PPI−PPO関係表であ
る。
【図33】(3)は故障伝搬処理、または状態初期化処
理のタイムフレーム内の処理において、PPO1607
を論理値0、PPO1608を論理値1に必ず設定しな
ければならない条件の下で、PPI1605または16
06のどちらかにに論理値1を割り当てる要求がくる処
理を示した概念図である。
【図34】本発明の第6の実施例を示すために用いる順
序回路の検査系列生成方法の流れ図である。
【図35】本発明の第6の順序回路の検査系列生成の動
作を説明するために用いる図である。(1)は検査系列
生成の対象となる順序回路と未検出故障と現在の回路状
態を示した図である。
【図36】(2)は現在の状態を考慮にいれて計算し
た、未検出故障箇所1807〜1809の可観測費であ
る。
【図37】従来の順序回路の検査系列生成方法の流れ図
である。
【図38】従来の順序回路の検査系列生成方法における
故障表の一例を示す図である。
【図39】従来の順序回路の検査系列生成方法における
故障伝搬処理の説明図である。
【図40】 状態初期化の動作説明用の状態遷移図であ
る。
【符号の説明】
102 可検査性尺度を計算するステップ 105 検査入力を生成するステップ 106 目標故障の冗長性を判定するステップ 107 故障伝搬処理を行なうステップ 108 状態初期化処理を行うステップ 202 0可制御費と1可制御費を計算するステップ 203 可観測費を計算するステップ 802 可検査性尺度を計算するステップ 805 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 807 可制御費を計算するステップ 808 検査入力を生成するステップ 809 目標故障が検査不可能であるか否かを判定する
ステップ 810 故障伝搬処理を行なうステップ 811 状態初期化処理を行うステップ 1002 可検査性尺度を計算するステップ 1005 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 1007 可制御費を計算するステップ 1008 可制御費が無限大の疑似外部出力を取り除く
ステップ 1009 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 1010 目標故障が検査不可能であるか否かを判定す
るステップ 1011 故障伝搬処理を行なうステップ 1012 状態初期化処理を行うステップ 1202 値を固定したい信号線を指定するステップ 1203 信号線が存在するか否かを判断するステップ 1204 値固定指定時の順序回路全体の可検査性尺度
を計算するステップ 1205 順序回路全体の可検査性尺度を計算するステ
ップ 1208 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 1210 故障伝搬処理を行なうステップ 1211 状態初期化処理を行うステップ 1402 順序回路全体の可検査性尺度を計算するステ
ップ 1403 PPI−PPO関係テーブルという形で記憶
しておくステップ 1406 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 1408 故障伝搬処理を行なうステップ 1409 状態初期化処理を行うステップ 1702 順序回路全体の可検査性尺度を計算するステ
ップ 1704 現在の回路の状態を調べて、可検査性尺度を
計算するステップ 1705 可観測費が1番安い箇所の故障を1つ選択す
るステップ 1706 組合わせ回路の検査入力を生成するステップ 1708 故障伝搬処理を行なうステップ 1709 状態初期化処理を行うステップ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/3183 G06F 11/22 310 G06F 17/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、 順序回路中の順序素子について、順序回路の構造と当該
    順序素子の動作に基づいて、当該順序素子に繋がってい
    る信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表す0可
    制御費、及び、その信号線の状態を論理値1に制御する
    困難さを表す1可制御費を計算していき、全信号線の可
    制御費を計算する第1のステップと、 第1のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づいて、順序回路中の順序素子の入力信号線
    について、当該順序素子に繋がっている信号線の状態を
    任意の外部出力ピンで観測する困難さを表す可観測費を
    計算していき、全信号線の可観測費を計算する第2のス
    テップと、 順序回路の組合せ回路部分について、第1のステップで
    求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、第2
    のステップで求めた可観測費を用いて当該故障を伝搬を
    する検査入力の生成を試み、その成否によって当該故障
    が冗長であるかどうかを判定する第3のステップと、 第3のステップで冗長でないと判定された故障につい
    て、第1のステップと第2のステップで求めた可制御費
    と可観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所から任意
    の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第4
    のステップと、 第1のステップで求めた可制御費を用いて、前記順序回
    路の初期状態から第4のステップで前記故障箇所を活性
    化した状態まで遷移させる検査系列を生成する第5のス
    テップとからなることを特徴とする検査系列生成方法。
  2. 【請求項2】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、 順序回路中の順序素子について、順序回路の構造と当該
    順序素子の動作に基づいて、当該順序素子に繋がってい
    る信号線の状態を論理値0に制御する困難さを表す0可
    制御費、及び、その信号線の状態を論理値1に制御する
    困難さを表す1可制御費を計算していき、全信号線の可
    制御費を計算する第1のステップと、 第1のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づいて、順序回路中の順序素子の入力信号線
    について、当該順序素子に繋がっている信号線の状態を
    任意の外部出力ピンで観測する困難さを表す可観測費を
    計算していき、全信号線の可観測費を計算する第2のス
    テップと、 順序回路の組合せ回路部分について、第1のステップで
    求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、第2
    のステップで求めた可観測費を用いて当該故障を伝搬を
    する検査入力を生成する第3のステップと、 順序回路中に前記故障が存在する故障回路について、前
    記故障の種類が0縮退故障ならば前記故障箇所をグラン
    ドとし、1縮退故障ならば前記故障箇所を電源として、
    前記順序回路中の順序素子について、前記故障回路の構
    造と前記順序素子の動作に基づいてその信号線の可制御
    費を計算していき、全信号線の可制御費を計算する第4
    のステップと、 前記故障回路の組合せ回路部分について、第4のステッ
    プで求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、
    第2のステップで求めた可観測費を用いて前記故障を伝
    搬する検査入力の生成を試み、その成否によって当該故
    障が検査不能であるかどうかを判定する第5のステップ
    と、 第5のステップで検査不能でないと判定された故障につ
    いて、第4のステップで求めた可制御費と第2のステッ
    プで求めた可観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所
    から任意の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成
    する第6のステップと、 第4のステップで求めた可制御費を用いて、順序回路の
    初期状態から第6のステップで前記故障箇所を活性化し
    た状態まで遷移させる検査系列を生成する第7のステッ
    プとからなることを特徴とする検査系列生成方法。
  3. 【請求項3】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、 前記順序回路中の順序素子について前記順序回路の構造
    と前記順序素子の動作に基づいて、その信号線の状態を
    論理値0に制御する困難さを表す0可制御費、及び、そ
    の信号線の状態を論理値1に制御する困難さを表す1可
    制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算する
    第1のステップと、 第1のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づいて、前記順序回路中の順序素子の入力信
    号線について、その信号線の状態を任意の外部出力ピン
    で観測する困難さを表す可観測費を計算していき、全信
    号線の可観測費を計算する第2のステップと、 前記順序回路の組合せ回路部分について、第1のステッ
    プで求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、
    第2のステップで求めた可観測費を用いて前記故障を伝
    搬する検査入力の生成を試み、その成否によって当該故
    障が冗長であるかどうかを判定する第3のステップと、 第3のステップで冗長でないと判定された故障に対し
    て、前記順序回路中に前記故障が存在する故障回路につ
    いて、前記故障の種類が0縮退故障ならば前記故障箇所
    をグランドとし、1縮退故障ならば前記故障箇所を電源
    として前記順序回路中の順序素子について、前記故障回
    路の構造と前記順序素子の動作に基づいてその信号線の
    可制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算す
    る第4のステップと、 第4のステップで求めた0可制御費と1可制御費がとも
    に無限大である順序素子を求める第5のステップと、 前記順序回路の組合せ回路部分について、第5のステッ
    プで求めた順序素子の入力を疑似外部出力から取り除
    き、第4のステップで求めた可制御費を用いて各信号線
    に値を割り当て、第2のステップで求めた可観測費を用
    いて前記故障を伝搬する検査入力の生成を試み、その成
    否によって検査不能な故障かどうかを判定する第6のス
    テップと、 第6のステップで検査不能でないと判定された故障に対
    して、第4のステップで求めた可制御費と第2のステッ
    プで求めた可観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所
    から任意の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成
    する第7のステップと、 第4のステップで求めた可制御費を用いて、前記順序回
    路の初期状態から第7のステップで前記故障箇所を活性
    化した状態まで遷移させる検査系列を生成する第8のス
    テップとからなることを特徴とする検査系列生成方法。
  4. 【請求項4】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、前記順序回路中の任意の信号線の状態
    をある状態値に固定するように指定する第1のステップ
    と、 第1のステップにおいてある信号線の状態をある状態値
    に固定するように指定した場合、第1のステップで指定
    された信号線を、指定された状態値が論理値0ならばグ
    ランドとし、指定された状態値が論理値1ならば電源と
    して、前記順序回路中の順序素子について、前記順序回
    路の構造と前記順序素子の動作に基づきその信号線の状
    態を論理値0に制御する困難さを表す0可制御費と、そ
    の信号線の状態を論理値1に制御する困難さを表す1可
    制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算する
    第2のステップと、 第2のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づき、前記順序回路中の順序素子の入力信号
    線の状態を任意の外部出力ピンで観測する困難さを表す
    可観測費を計算していき、全信号線の可観測費を計算す
    る第3のステップと、 第1のステップにおいてある信号線の状態を固定しない
    場合、前記順序回路中の順序素子について、その信号線
    の可制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算
    する第4のステップと、 第4のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づき、前記順序回路中の順序素子の入力信号
    線について、その信号線の状態を任意の外部出力ピンで
    観測する困難さを表す可観測費を計算していき、全信号
    線の可観測費を計算する第5のステップと、 前記順序回路の組合せ回路部分について、第2のステッ
    プまたは第4のステップで求めた可制御費を用いて各信
    号線に値を割り当て、第3のステップまたは第5のステ
    ップで求めた可観測費を用いて故障を伝搬する検査入力
    の生成を試み、その成否によって当該故障が冗長である
    かどうかを判定する第6のステップと、 第5のステップで冗長でないと判定された故障につい
    て、第2のステップまたは第4のステップで求めた可制
    御費と第3のステップまたは第5のステップで求めた可
    観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所から任意の外
    部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第7のス
    テップと、 第2のステップまたは第4のステップで求めた可制御費
    を用いて、前記順序回路の初期状態から第7のステップ
    で前記故障箇所を活性化した状態まで遷移させる検査系
    列を生成する第8のステップとからなることを特徴とす
    る検査系列生成方法。
  5. 【請求項5】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、 前記順序回路中の順序素子について前記順序回路の構造
    と前記順序素子の動作に基づいて、その信号線の状態を
    論理値0に制御する困難さを表す0可制御費、及びその
    信号線の状態を論理値1に制御する困難さを表す1可制
    御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算する第
    1のステップと、 第1のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づいて、前記順序回路中の順序素子の入力信
    号線について、その信号線の状態を任意の外部出力ピン
    で観測する困難さを表す可観測費を計算していき、全信
    号線の可観測費を計算する第2のステップと、 前記順序回路中の各順序素子についてある順序素子に論
    理値0を割り当てたときの全順序素子の入力の可制御費
    の関係を調べるために、前記順序回路の構造と前記順序
    素子の動作に基いて、前記順序素子をグランドとして前
    記順序回路中の順序素子について可制御費を計算してい
    き、全信号線の可制御費を計算して全順序素子の入力の
    可制御費を記憶し、また、前記順序回路中の各順序素子
    についてある順序素子に論理値1を割り当てたときの全
    順序素子の入力の可制御費の関係を調べるために、前記
    順序回路の構造と前記順序素子の動作に基づいて、前記
    順序素子を電源として前記順序回路中の順序素子につい
    て可制御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算
    して全順序素子の可制御費を記憶する第3のステップ
    と、 前記回路の組合せ回路部分について、第1のステップで
    求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、第2
    のステップで求めた可観測費を用いて当該故障を伝搬す
    る検査入力の生成を試み、その成否によって当該故障が
    冗長であるかどうかを判定する第4のステップと、 第4のステップで冗長でないと判定された故障につい
    て、第1のステップと第2のステップで求めた可制御費
    と可観測費と第3のステップで求めた各順序素子に論理
    値0を割り当てた時の全順序素子の入力の可制御費の関
    係と各順序素子に論理値1を割り当てた時の全順序素子
    の入力の可制御費の関係を用いて前記故障の影響を故障
    箇所から任意の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を
    生成する第5のステップと、 第1のステップで求めた可制御費と第3のステップで求
    めた各順序素子に論理値0を割り当てた時の全順序素子
    の入力の可制御費の関係と各順序素子に論理値1を割り
    当てた時の全順序素子の入力の可制御費の関係を用い
    て、前記順序回路の初期状態から第5のステップで前記
    故障箇所を活性化した状態まで遷移させる検査系列を生
    成する第6のステップとからなることを特徴とする検査
    系列生成方法。
  6. 【請求項6】 被検査回路である順序回路中の仮定され
    た故障について、当該故障を検査する入力系列を生成す
    る方法において、 前記順序回路中の順序素子について前記順序回路の構造
    と前記順序素子の動作に基づいて、その信号線の状態を
    論理値0に制御する困難さを表す0可制御費、及びその
    信号線の状態を論理値1に制御する困難さを表す1可制
    御費を計算していき、全信号線の可制御費を計算する第
    1のステップと、 第1のステップで求めた順序素子の可制御費と順序素子
    の動作に基づき、前記前記順序回路中の順序素子の入力
    信号線について、その信号線の状態を任意の外部出力ピ
    ンで観測する困難さを表す可観測費を計算していき、全
    信号線の可観測費を計算する第2のステップと、 すでに検査系列が得られている故障に対する検査系列を
    用いて故障シミュレーションを実行した時点での前記順
    序回路の順序素子の状態を参照し、ある順序素子の状態
    値が論理値0ならばグランドとし、論理値1ならば電源
    として、前記順序回路中の順序素子について、前記順序
    回路の構造と前記順序回路の動作に基づいて可制御費を
    計算していき、全信号線の可制御費を計算する第3のス
    テップと、 第3のステップで求めた可制御費と順序素子の動作に基
    づき、前記順序回路中の順序素子の入力信号線につい
    て、その信号線の状態を任意の外部出力ピンで観測する
    困難さを表す可観測費を計算していき、全信号線の可観
    測費を計算する第4のステップと、 検査系列生成の対象として処理されていない故障でかつ
    未検出故障の中から第4のステップで求めた可観測費が
    最小である信号線の故障を目標故障として選択する第5
    のステップと、 前記順序回路の組合せ回路部分について、第1のステッ
    プで求めた可制御費を用いて各信号線に値を割り当て、
    第2のステップで求めた可観測費を用いて当該故障を伝
    搬する検査入力の生成を試み、その成否によって当該故
    障が冗長であるかどうかを判定する第6のステップと、 第6のステップで冗長でないと判定された故障につい
    て、第1のステップと第2のステップで求めた可制御費
    と可観測費を用いて前記故障の影響を故障箇所から任意
    の外部出力ピンまで伝搬させる検査系列を生成する第7
    のステップと、 第1のステップで求めた可制御費を用いて、前記順序回
    路の初期状態から第7のステップで前記故障箇所を活性
    化した状態まで遷移させる検査系列を生成する第8のス
    テップとからなることを特徴とする検査系列生成方法。
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