JP3252876B2 - 衛星通信装置 - Google Patents

衛星通信装置

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JP3252876B2
JP3252876B2 JP62294A JP62294A JP3252876B2 JP 3252876 B2 JP3252876 B2 JP 3252876B2 JP 62294 A JP62294 A JP 62294A JP 62294 A JP62294 A JP 62294A JP 3252876 B2 JP3252876 B2 JP 3252876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル衛星通信に
おいて誤り率の低い通信(特に、同報通信)を行うため
の衛星通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衛星通信においては、伝搬距離が長いこ
と、衛星の重量的・電力的制限等から、衛星側において
伝搬距離に見合う十分な送信電力を確保できず、途中の
伝搬路の影響を受けやすい。また、通信衛星と地上との
距離約37,000kmによる信号減衰、降雨による信
号減衰、更に他のシステムからの干渉や送/受信機の持
つノイズなどが加わり、妨害やノイズの電力に対する信
号電力の比が下がり、復調したときの信号の誤り率が大
きくなる。従って、通信の信頼性を確保するためにはマ
ージンを十分に大きくした設計を行う必要がある。
【0003】従来、信号の受信誤り率(ビット誤り率)
を下げるための対策として、 地球局のアンテナ径を大きくする 衛星の出力パワーを上げる 受信機を高価なローノイズタイプにする 誤り訂正符号を用いた通信方式を採用する 等の方法が取られている。しかし、例えばビット誤り率
が10-10 といった高信頼性を数Mbps以上の高速伝
送において常に要求することは現実的には不可能であ
り、このような場合、スループットを犠牲にして、デー
タが誤った場合には再送を行って誤りのないデータ通信
を行う再送訂正(ARQ)方式を用いることになる。
【0004】上記再送訂正方式により誤り訂正を行う、
従来の衛星通信装置の構成を図6に示す。図6の送信地
球局においては、送信データが送信コントローラ31に
供給されると、該コントローラ31により送信データが
ブロックに分割され、そのコピーがデータバッファ32
に蓄えられる。そして、このブロックに同期情報、ブロ
ックの順番等を示すための制御ビットが付加され、更に
符号化器33において誤り検出のための冗長パリティシ
ンボルが付加される。このようにブロック符号化された
信号が、送受信機34内の変調器(モデム)により変調
され、送信される。
【0005】一方、受信地球局においては、送受信機4
1内の変調器(モデム)により受信された上記ブロック
が復調され、該ブロックに対して復号器42において誤
り(エラー)検出が行われる。そして、該ブロック中に
誤りがないと判定されると、「ブロックが正しく受信さ
れた」という確認応答信号がリピート・コントローラ4
3および送受信機41を介して送信地球局に送られると
共に、出力コントローラ44を介して図示しないデータ
端末にデータが出力される。
【0006】送信地球局は、送受信機34を介して上記
確認応答信号を受けると、リピート・コントローラ35
を介して次のブロックを同様に送信する。また、受信地
球局は、復号器42を介してブロックに誤りを検出した
場合、リピート・コントローラ43および送受信機41
を介して送信地球局に再送要求応答信号を送出する。送
信地球局は、この再送要求応答信号を受け取ると、リピ
ート・コントローラ35を介してデータバッファ32に
記憶された上記コピーされたデータを読み出し、再送信
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、衛星通信の
場合は信号の伝搬遅延が大きいため、上記のように受信
地球局から送信地球局に確認応答信号が届くまで次のデ
ータを送信しないようにすると、衛星回線の利用効率が
低下する。そこで、回線の利用効率を最大にするため
に、信号の送信を連続的に続け、再送要求のあったブロ
ックを途中に入れ込んで送信する「選択再送方式」が一
般的に用いられる。
【0008】この方式では、受信地球局において受信し
たブロックの順番を整えるため、再送されるブロックを
待つ間、受信済みのブロックを一時保持しておくための
バッファメモリが必要になる。同じく、送信地球局にお
いても、確認応答信号を得るまでデータブロックを蓄え
るためのバッファメモリが必要になる。衛星通信では、
受信地球局から送出された再送要求応答信号が送信地球
局に到着するまでの時間遅延は約0.5〜0.6秒であ
るため、この間に受信地球局に到着する分のデータブロ
ックを一時保持する必要があり、伝送速度が大きい場合
には非常に大きなメモリが必要になる。
【0009】特に回線の誤り率が大きい場合は再々送信
が必要になる場合もあるため、数Mbpsの伝送を行う
場合でも回線でのビット誤り率(Bit Error Rate:BE
R)が10-5よりも良い状態でなければ、現実的には信
号伝送が行えない。こうした制約から、例えば受信専用
局であっても地球局を小形化すること、特にアンテナ径
を小形化することは困難となっている。また、同報通信
の場合には再送要求/再送に係る動作が受信局の数に応
じて増えるので、信号のスループットが更に低下する。
【0010】これらの問題点をまとめると、以下のよう
になる。 衛星通信で高信頼のデータ伝送を行うために上記A
RQ方式を適用するにしても、回線の品質はビット誤り
率(BER)が「10-5」よりも良くならなければなら
ず、従って地球局の設備も規模の大きなものが必要にな
る。 衛星回線の遅延を吸収をするために、大きなバッファ
メモリが必要になる。 衛星通信の特徴を生かして同報通信のように同じデー
タを多数の受信局に配信するような場合には、従来の再
送訂正方式では送信局が再送するデータが増えてしま
い、再送訂正処理のための負荷が大きく、また、回線の
スループットが大きく低下する。 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、
必要最低限のコスト上昇のみにより、高信頼度のデータ
伝送を可能とする衛星通信装置を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、送信地球局が通信衛星を介して受信地球
局にディジタル信号を送信する衛星通信装置において、
前記送信地球局と地上回線を介して接続されるととも
に、前記受信地球局と地上回線を介して接続された衛星
通信補助局を設け、前記送信地球局は、前記通信衛星を
介して前記受信地球局に前記ディジタル信号を送信する
とともに、前記地上回線を介して前記衛星通信補助局に
前記ディジタル信号を送信し、前記衛星通信補助局は、
前記送信地球局から地上回線を介して送信されたディジ
タル信号に誤りが有るか否かを検出する第1の誤り検出
手段と、誤りが無いことを確認したディジタル信号を記
憶する第1の記憶手段と、前記受信地球局から地上回線
を介して送信された所定の転送要求信号に基づいて、前
記第1の記憶手段に記憶されたディジタル信号の一部を
地上回線を介して前記受信地球局に送信する制御手段と
を具備し、前記受信地球局は、受信した前記ディジタル
信号に誤りが有るか否かを検出する第2の誤り検出手段
と、誤りが無いことを確認したディジタル信号を記憶す
る第2の記憶手段と、誤りが検出された部分の転送を要
求する転送要求信号を前記衛星通信補助局に送信する転
送要求手段と、該転送要求信号に基づいて前記衛星通信
補助局から送信されたディジタル信号と前記2の記憶手
段に記憶された誤りが無いディジタル信号とを合わせて
出力する出力手段とを具備することを特徴としている。
【0012】
【作用】上記構成によれば、受信地球局が受信したディ
ジタル信号の一部に誤りを検出し、衛星通信補助局に対
して当該部分のディジタル信号の再送を要求する転送要
求信号が送信された場合(転送要求動作)、衛星通信補
助局では、該当部分が正しく受信されていれば、制御手
段により第1の記憶手段からディジタル信号が読み出さ
れ、読み出された信号が受信地球局に対して再送信され
る(転送動作)。そして、受信地球局において、上記再
送信されたディジタル信号とすでに記憶された誤りが無
いディジタル信号とが合わせて出力される。
【0013】例えば、ある受信地球局において通信衛星
を介して送信地球局からの信号の受信を開始するにあた
り、受信信号レベル、ないしは信号エネルギー/ノイズ
エネルギー(Eb/No)、ないしは復調したディジタ
ル信号の誤り率などにより受信信号の品質を確認し、所
要の受信誤り率を確保できないと判断したときに、衛星
通信補助局と受信地球局との間で上記転送要求/転送動
作を行うための地上回線の接続を行い、受信準備を整え
るようにする。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例に
ついて説明する。図1は、本実施例による衛星通信装置
の構成を示す図である。図1において、1は送信地球局
であり、送信すべきディジタル信号をnビット毎に分け
るブロック化、該各ブロックに誤り検出/誤り訂正用の
符号を付加する処理、この信号を電波にのせて通信衛星
を介して送信する処理を行う。
【0015】10は、通信衛星を介して送信地球局1か
らの電波を受信可能な複数の受信地球局である。すなわ
ち、送信地球局1は、受信地球局10に対して同報通信
を行う。また、5は、以下に詳細を説明する複数の衛星
通信補助局であり、送信地球局1と地上回線L1により
接続されている。また、1つの衛星通信補助局5と複数
の受信地球局10とが、図に示すように地上回線L2,
L2’を介して接続されている。
【0016】次に、図2を用いて、衛星通信補助局5お
よび受信地球局10の内部構成を中心に、上記衛星通信
装置の詳細な構成を説明する。図2において、送信地球
局1は、受信地球局10に送信するディジタル信号と同
じ信号を、遅延装置3に供給する。遅延装置3は、送信
地球局1から供給された信号を、送信地球局1〜通信衛
星〜受信地球局10の距離に対応する伝搬遅延(静止衛
星の場合は約0.25秒)の分だけ遅らせて上記地上回
線L1に送出する。なお、この遅延装置3はある方が望
ましいが、省くことも可能である。
【0017】受信地球局10は、通信衛星からの電波を
受けるための受信アンテナ11と、アンテナ11で受信
した電波をもとのベースバンド信号(ディジタル信号)
に戻す受信装置12と、このベースバンド信号をブロッ
ク単位に分割して誤り検出および所定の誤り訂正を行う
誤り検出/訂正回路13と、誤りのないデータおよび誤
り訂正が成功したデータを蓄えるメモリ14と、データ
の順番を整えて図示しないデータ端末に出力するデータ
組立コントローラ15とを有している。
【0018】衛星通信補助局5は、地上回線L1を介し
て受信したディジタル信号に対して誤り検出および所定
の誤り訂正を行う誤り検出/訂正回路6と、誤りがない
データおよび誤り訂正が成功したことを確認したディジ
タル信号を蓄えるメモリ7と、地上回線L2を介して供
給される所定の転送要求信号に基づいてメモリ7に記憶
されたディジタル信号の一部を地上回線L2’に送出す
る再送コントローラ8とを有している。
【0019】メモリ7の容量は、(衛星回線を通じての
データ転送レートである回線速度)×((選択再送(転
送)要求をするための回線遅延時間)+(衛星通信補助
局5が転送要求信号を受信してからメモリ7内の該当す
る信号部分を読み出すためのデータ処理時間))により
算出されるビット数が最低限確保される。
【0020】メモリ7の内容は古いものから順次書き換
えられるようになっている。本実施例のように衛星通信
補助局5と受信地球局10との間の再送(転送)要求に
地上回線を用いた場合、数十km程度の距離であれば、
上記回線遅延時間とデータ処理時間は合わせて高々10
ms程度であると考えられる。よって、例えば衛星通信
の回線速度を200Mbpsとした場合、メモリ容量は
「200Mbps×10ms」から、2Mbit(25
0Kbyte)程度でよい。
【0021】また、遅延装置3を設けずに、送信地球局
1が地上回線L1に直接ディジタル信号を送出する場
合、衛星通信補助局5においては、衛星回線の遅延によ
る0.25秒程度分に対応するデータ蓄積量を余分に見
る必要があるため、メモリ容量は約52Mbit(6.
5Mbyte)程度必要となる。
【0022】一方、受信地球局10においては、メモリ
14の容量は、(衛星回線を通じてのデータ転送レート
である回線速度)×((選択再送を要求するための回線
遅延時間)+(衛星通信補助局5が転送要求信号を受信
してからメモリ7内の該当する信号部分を読み出すため
のデータ処理時間)+(地上回線L2’を通じてデータ
転送を行うための回線遅延時間))より算出されるビッ
ト数が最低限確保される。メモリ14の内容は、同じ
く、古いものから順次書き換えられる。
【0023】この場合の回線による遅延時間とデータ処
理時間は、合わせて高々20ms程度見込めばよい。よ
って、回線速度を同じく200Mbpsとした場合、必
要なメモリ容量は4Mbit(500Kbyte)程度
となる。現状では、半導体メモリの価格はパーソナルコ
ンピュータの普及によりかなり下がっており、また、デ
ータの再送に要する制御は、モデムに対するごくわずか
な機能付加により可能となる。
【0024】次に本実施例による通信のフローを、図3
を用いて説明する。なお、図1に示す同報通信による各
回線系統においてはいずれも同様な処理が行われるの
で、図2を参照して、1つの受信地球局10と衛星通信
補助局5とを対象にした説明を行う。 手順:通信衛星を介して受信を始める際、送信地球局
1からあらかじめパイロット信号等が送出される。受信
地球局10においては、上記パイロット信号等の搬送電
波の強度の測定、あるいは復調したディジタル信号の誤
り率の測定等が行われる。
【0025】手順:仮に、所望の誤り率を得ることが
できない状態ならば、受信地球局10は衛星通信補助局
5との地上回線L2,L2’を接続状態にし、データ補
完の準備を整える。受信準備が完了したら、送信地球局
1にその旨を伝える信号を送信する。 手順:送信地球局1は、通信衛星を介して受信地球局
10への送信を開始し、衛星通信補助局5に対しては接
続状態にした地上回線L1を介して同一内容の送信を行
う。この時、衛星通信補助局5に対しては、遅延装置3
を介して衛星回線による遅延時間分を遅らせて送信す
る。
【0026】手順:受信地球局10はデータの誤りを
検出すると、衛星通信補助局5に対してデータの転送を
要求する転送要求信号を地上回線L2を介して送信す
る。衛星通信補助局5は、再送コントローラ8を介して
該転送要求信号により指示されるデータをメモリ7から
読み出し、地上回線L2’を介して受信地球局10に転
送する。受信地球局10は、データ組立コントローラ1
5により、転送されたディジタル信号とメモリに記憶1
4に記憶された誤りが無いディジタル信号とを正しい順
番に組み立てて出力する。 手順:送信地球局1からの送信が完了した時には、送
信地球局1と衛星通信補助局5、および、受信地球局1
0と衛星通信補助局5との各地上回線L1,L2および
L2’を開放する。
【0027】次に、本実施例の効果を具体的な数値によ
り説明する。簡単のため、送信地球局1は十分大きなア
ンテナと送信機を有し、回線全体の品質は受信地球局1
0側の性能で決定されるものとする。また、信号はQP
SK変調(横軸位相偏移変調)されているものとし、使
用周波数は20GHzであるとする。そして、回線の誤
り率(BER)に対する要求値が1×10-10 であり、
晴天時にはこの値を満足し、更にマージンを持っている
ものとする。
【0028】ところで、送受信局が固定である衛星通信
においては、伝送路に加わる雑音はランダム雑音と考え
ることができる。受信フィルタに、入力信号波形に整合
した整合フィルタを用いた場合に、フィルタ入力におけ
る信号1bitあたりのエネルギーEbとランダム雑音
の電力密度Noとの比「Eb/No」(dB)とビット
誤り率(BER)の関係は、理論的に図4のようになる
ことが知られている。図4より、ビット誤り率(BE
R)が「1×10-10 」である場合の所要の比「Eb/
No」は13dBである。更に、晴天時にはマージンと
して3dBを加え、比「Eb/No」として16dBが
得られているものとする。
【0029】次に、図5に、東京における使用周波数2
0GHzでの降雨減衰率(dB)と年間(全期間)確率
P(該降雨減衰率がある値以上である確率:%)との関
係を示す。これは10年以上にわたる日本の各地の統計
値から求めたものである。この図より、例えば年間確率
Pが0.3%の豪雨状態(図中矢印参照)においては
7.5dBの降雨減衰が生じるため、比「Eb/No」
は、上記16dBからこの7.5dBを引いた値である
8.5dBになってしまう。
【0030】通常では、上記所要のビット誤り率「1×
10-10 」におけるマージンを考えない場合の比「Eb
/No」=13dBとこの8.5dBとの差4.5dB
分は、受信アンテナの利得をあげることで達成すること
になる。衛星通信用の高周波・高利得アンテナの場合、
アンテナの利得と価格とはほぼ比例関係にあり、利得を
4.5dB上げる(約3倍にする)とアンテナ単体の価
格も約3倍になる。
【0031】また、衛星通信では、ほとんどの場合、パ
ラボラ鏡面などの鏡面アンテナが用いられる。このタイ
プのアンテナでは、利得の大きさに比例してアンテナの
面積が増えるので、利得に比例してアンテナ設置に必要
な面積や取付け用の構造物の耐風速度も大きくしなくて
はならないなど、その波及効果はアンテナ単体の価格差
の何倍にもなると考えられる。
【0032】また、誤り訂正によって見掛け上の利得向
上を図る場合、誤り訂正符号化の特徴として、比「Eb
/No」が8dB程度と比較的小さい値の時は誤り訂正
による利得はあまり得られない。逆に、現実のシステム
では、ローノイズアンプの雑音、局部発信機の位相雑
音、フィルタの特性等、理想の状態から外れることによ
る信号の劣化が生じ、誤り訂正符号化による利得は、こ
の劣化分を補う程度にしかならない。
【0033】これに対して、本実施例の場合、データ転
送機能を持つ受信地球局10については、比「Eb/N
o」が上記8.5dBにおけるビット誤り率「約1×1
-4」(図4参照)の状態において、地上網(地上回
線)を使った再送処理により補えばよいことになる。例
えば6Mbpsの回線で、ブロック長が「100」程度
の場合は約1/100のブロックを再送(転送)すれば
良いことになるため、「6Mbps×(1/100)=
60Kbps」となり、再送用の回線は64Kbpsの
ISDNのBチャンネル1本で十分である。すなわち、
設備コストを低くおさえることができる。
【0034】また、このような再送用の回線を使う必要
が生じる時間は上述した晴天時の回線マージン3dBを
越える降雨がある場合であり、前掲図5より、平均的な
年において1%程度の時間確率となるため、衛星回線使
用料に対する割合でいえば非常に微々たるものになる。
また、送信地球局1と衛星通信補助局5との間の地上回
線L1としてディジタル回線を用いた場合には、ビット
誤り率(BER)が「1×10-8」以下といった低い値
になるので、誤り訂正符号化により容易にBERを「1
×10-10 」以下にすることができる。よって、必要な
らば送信地球局1と衛星通信補助局5との間で再送によ
る誤り訂正処理を行っても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信地球局から地上回線を介して送信された所定の転送
要求信号に基づいて、あらかじめ送信地球局から受信し
て記憶されたディジタル信号の一部を受信地球局に送信
する衛星通信補助局が設けられるので、必要最低限のコ
スト上昇のみにより、通信衛星の伝送路のスループット
を落とすことなく高信頼度のデータ伝送が可能となる。
【0036】特に、広範な範囲に多数の地球局に対して
同報通信を行うような場合には、以下のような効果が得
られる。 再送要求/再送動作のための回線を長距離部分は各衛
星通信補助局につき一回線で済ませることが可能であ
り、多数の地球受信局に対しては衛星通信補助局との間
の短距離の伝送だけですむので、トータルで見れば通信
コストの削減につながる。 再送処理の分散が可能になるため、従来のように送信
地球局で集中処理するための高い処理能力を有する設備
を設ける場合に比べ、トータルの設備コストが安くな
る。 従来のように衛星回線を介して再送訂正を行う場合に
比較して、より誤りの多い通信回線でも十分に高信頼の
信号伝送が可能になる。これにより、地球局の規模を小
形化することが可能である。 衛星通信補助局を複数の送信地球局で共有することも
可能であり、この場合コスト面で更に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による、衛星通信装置の構
成を示す図である。
【図2】 同実施例における、衛星通信補助局5、およ
び受信地球局10の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施例における通信手順を示すフローチャ
ートである。
【図4】 同実施例における、受信フィルタ入力におけ
る信号1bitあたりのエネルギーEbとランダム雑音
の電力密度Noとの比「Eb/No」と、ビット誤り率
(BER)との関係を示す図である。
【図5】 東京における使用周波数20GHzでの降雨
減衰率と年間(全期間)確率Pとの関係を示す図であ
る。
【図6】 従来の衛星通信装置の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 送信地球局 5 衛星通信補助局 6 誤り検出/訂正回路(第1の誤り検出手段) 7 メモリ(第1の記憶手段) 8 再送コントローラ(制御手段) 10 受信地球局 13 誤り検出/訂正回路(第2の誤り検出手段、転送
要求手段) 14 メモリ(第2の記憶手段) 15 データ組立コントローラ(出力手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−167565(JP,A) 特開 平4−26234(JP,A) 特開 昭62−285532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/14 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信地球局が通信衛星を介して受信地球
    局にディジタル信号を送信する衛星通信装置において、 前記送信地球局と地上回線を介して接続されるととも
    に、前記受信地球局と地上回線を介して接続された衛星
    通信補助局を設け、 前記送信地球局は、前記通信衛星を介して前記受信地球
    局に前記ディジタル信号を送信するとともに、前記地上
    回線を介して前記衛星通信補助局に前記ディジタル信号
    を送信し、 前記衛星通信補助局は、前記送信地球局から地上回線を
    介して送信されたディジタル信号に誤りが有るか否かを
    検出する第1の誤り検出手段と、誤りが無いことを確認
    したディジタル信号を記憶する第1の記憶手段と、前記
    受信地球局から地上回線を介して送信された所定の転送
    要求信号に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶された
    ディジタル信号の一部を地上回線を介して前記受信地球
    局に送信する制御手段とを具備し、 前記受信地球局は、受信した前記ディジタル信号に誤り
    が有るか否かを検出する第2の誤り検出手段と、誤りが
    無いことを確認したディジタル信号を記憶する第2の記
    憶手段と、誤りが検出された部分の転送を要求する転送
    要求信号を前記衛星通信補助局に送信する転送要求手段
    と、該転送要求信号に基づいて前記衛星通信補助局から
    送信されたディジタル信号と前記2の記憶手段に記憶さ
    れた誤りが無いディジタル信号とを合わせて出力する出
    力手段とを具備することを特徴とする衛星通信装置。
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