JP3252158B2 - 汚水処理用生物固定担体、汚水浄化方法及び汚水浄化装置 - Google Patents
汚水処理用生物固定担体、汚水浄化方法及び汚水浄化装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、工業廃水、生活廃水等
の汚水又はこれら各種廃水により汚染された河川等にお
ける汚水を、生物的処理により浄化するための汚水処理
用生物固定担体、該生物固定担体を使用した汚水浄化方
法及び汚水浄化装置に関する。
の汚水又はこれら各種廃水により汚染された河川等にお
ける汚水を、生物的処理により浄化するための汚水処理
用生物固定担体、該生物固定担体を使用した汚水浄化方
法及び汚水浄化装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】各種廃水又は河川等における汚水の浄化
方法として、従来から微生物により処理する生物的処理
方法が知られている。このような生物的処理方法として
は、活性汚泥又は生物固定担体に微生物を保持させ、汚
水を接触処理し、フロック状等にして沈澱又は分離除去
する方法が提案され実施されている。このような生物固
定担体としては、例えば表面積の大きい繊維状物で形成
された生物膜、不織布成形物又はロープ；活性炭、ゼオ
ライト、モスピート等の多孔性物質；棒状のプラスチッ
ク物に表面積の大きい特殊合成繊維を螺旋状に絡ませた
形態物；２以上の採石を集合接合し、細孔を形成した砕
石集合体等が提案されている他、礫間接触酸化法を行な
うために、河川等の底床に直接礫を敷設した礫床、複数
の汚水流入出口を設けたコンクリート箱体内に砕石を複
数個充填したもの等も提案されている。
方法として、従来から微生物により処理する生物的処理
方法が知られている。このような生物的処理方法として
は、活性汚泥又は生物固定担体に微生物を保持させ、汚
水を接触処理し、フロック状等にして沈澱又は分離除去
する方法が提案され実施されている。このような生物固
定担体としては、例えば表面積の大きい繊維状物で形成
された生物膜、不織布成形物又はロープ；活性炭、ゼオ
ライト、モスピート等の多孔性物質；棒状のプラスチッ
ク物に表面積の大きい特殊合成繊維を螺旋状に絡ませた
形態物；２以上の採石を集合接合し、細孔を形成した砕
石集合体等が提案されている他、礫間接触酸化法を行な
うために、河川等の底床に直接礫を敷設した礫床、複数
の汚水流入出口を設けたコンクリート箱体内に砕石を複
数個充填したもの等も提案されている。
【０００３】しかしながら、前記多孔性物質若しくは砕
石等を利用する方法では、微生物の固定が未だ十分でな
かったり、十分であっても汚水処理後のフロック状物の
沈澱、除去が煩雑であったりする等の問題がある。一方
前記繊維を利用した生物固定担体の場合には、十分な微
生物の固定ができ、しかも汚水処理後のフロック状物の
剥離若しくは沈澱も容易に行なうことができるが、汚水
流に浮遊させたり、特殊な装置に固定しなければならな
かったりするため、設置箇所が限定され、しかも設置方
法が煩雑化する等の問題がある。
石等を利用する方法では、微生物の固定が未だ十分でな
かったり、十分であっても汚水処理後のフロック状物の
沈澱、除去が煩雑であったりする等の問題がある。一方
前記繊維を利用した生物固定担体の場合には、十分な微
生物の固定ができ、しかも汚水処理後のフロック状物の
剥離若しくは沈澱も容易に行なうことができるが、汚水
流に浮遊させたり、特殊な装置に固定しなければならな
かったりするため、設置箇所が限定され、しかも設置方
法が煩雑化する等の問題がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、微生物の付着率及び増殖率が極めて高く、また好気
性及び嫌気性微生物をバランス良く付着させることがで
き、効率良く汚水を浄化することが可能な汚水浄化用生
物固定担体、汚水浄化方法又は汚水浄化装置を提供する
ことにある。
は、微生物の付着率及び増殖率が極めて高く、また好気
性及び嫌気性微生物をバランス良く付着させることがで
き、効率良く汚水を浄化することが可能な汚水浄化用生
物固定担体、汚水浄化方法又は汚水浄化装置を提供する
ことにある。
【０００５】本発明の別の目的は、汚水処理により発生
するフロック状物の除去が容易な汚水浄化用生物固定担
体、汚水浄化方法又は汚水浄化装置を提供することにあ
る。
するフロック状物の除去が容易な汚水浄化用生物固定担
体、汚水浄化方法又は汚水浄化装置を提供することにあ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、汚水を
生物的処理により浄化する生物固定担体であって、該担
体は、複数の担体原料固形物を接合し、各担体原料固形
物の間隙によって、少なくとも内外部を連通する連通気
孔を形成した集合体からなり、且つ前記担体原料固形物
の集合体の少なくとも汚水と接触する表面が植毛処理さ
れてなることを特徴とする汚水処理用生物固定担体が提
供される。
生物的処理により浄化する生物固定担体であって、該担
体は、複数の担体原料固形物を接合し、各担体原料固形
物の間隙によって、少なくとも内外部を連通する連通気
孔を形成した集合体からなり、且つ前記担体原料固形物
の集合体の少なくとも汚水と接触する表面が植毛処理さ
れてなることを特徴とする汚水処理用生物固定担体が提
供される。
【０００７】また本発明によれば、前記汚水処理用生物
固定担体に、汚水を流通接触させて生物的浄化処理する
ことを特徴とする汚水浄化方法が提供される。
固定担体に、汚水を流通接触させて生物的浄化処理する
ことを特徴とする汚水浄化方法が提供される。
【０００８】更に本発明によれば、前記汚水処理用生物
固定担体を、汚水の流入出口を設けた枠体内に、汚水と
接触するよう配置したことを特徴とする汚水浄化装置が
提供される。
固定担体を、汚水の流入出口を設けた枠体内に、汚水と
接触するよう配置したことを特徴とする汚水浄化装置が
提供される。
【０００９】以下本発明を更に詳細に説明する。
【００１０】本発明の汚水浄化用生物固定担体は、例え
ば、砕石、セラミック、高炉滓、陶磁片、粉砕コンクリ
ートブロック、プラスチック等の担体原料固形物の少な
くとも汚水と接触する表面に、植毛を施したものであ
る。
ば、砕石、セラミック、高炉滓、陶磁片、粉砕コンクリ
ートブロック、プラスチック等の担体原料固形物の少な
くとも汚水と接触する表面に、植毛を施したものであ
る。
【００１１】前記担体原料固形物の材質、大きさ、形状
等は水中に浮上しない比重を有しておれば特に限定され
るものではないが、通常大きさは、平均径１〜３０ｃｍ
であるのが好ましい。また担体原料固形物は、複数の担
体原料固形物の単体を、セメント、接着剤等により接合
し、各担体原料固形物単体の間隙によって、内外部を連
通する連通気孔を形成した集合体等である。即ち該集合
体とは、担体原料固形物の単体表面部分の全てが密着せ
ず、接合部分以外の各担体原料固形物の単体面により形
成される間隙が、集合体の内外部を連通する連通気孔と
なった集合体である。
等は水中に浮上しない比重を有しておれば特に限定され
るものではないが、通常大きさは、平均径１〜３０ｃｍ
であるのが好ましい。また担体原料固形物は、複数の担
体原料固形物の単体を、セメント、接着剤等により接合
し、各担体原料固形物単体の間隙によって、内外部を連
通する連通気孔を形成した集合体等である。即ち該集合
体とは、担体原料固形物の単体表面部分の全てが密着せ
ず、接合部分以外の各担体原料固形物の単体面により形
成される間隙が、集合体の内外部を連通する連通気孔と
なった集合体である。
【００１２】前記担体原料固形物の単体を接合する接着
剤としては、材質に応じて公知の接着剤を用いることが
できるが、特に陶磁片等の産業廃棄物を接着するには、
エポキシ系のポリマーモルタル接着剤等を好ましく用い
ることができる。この際各担体原料固形物の間隙によっ
て形成される気孔は、必ずしもその全てが連通気孔であ
る必要はなく、内部で閉塞状態となっている気孔を備え
ていても良い。また気孔径は、１ｍｍ以上、特に１〜５
ｍｍが好ましく、更に気孔率は７０％以上、特に７０〜
９０％であるのが好ましい。
剤としては、材質に応じて公知の接着剤を用いることが
できるが、特に陶磁片等の産業廃棄物を接着するには、
エポキシ系のポリマーモルタル接着剤等を好ましく用い
ることができる。この際各担体原料固形物の間隙によっ
て形成される気孔は、必ずしもその全てが連通気孔であ
る必要はなく、内部で閉塞状態となっている気孔を備え
ていても良い。また気孔径は、１ｍｍ以上、特に１〜５
ｍｍが好ましく、更に気孔率は７０％以上、特に７０〜
９０％であるのが好ましい。
【００１３】前記担体原料固形物の集合体の少なくとも
汚水と接触する表面に施す植毛は、例えばナイロン、レ
ーヨン、綿、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル
等の繊維物、特に好ましくは、繊維内部が多孔質であ
り、通気性を有し、毛細管現象の作用を示し、水を吸収
する機能を有する、例えば商品名「アクワロン」（カネ
ボウ株式会社製）等の多孔質の繊維物等を接着させるこ
とにより行なうことができる。前記繊維物の繊維径は３
〜１５デニルが好ましく、繊維長は３〜１０ｍｍが望ま
しい。繊維長が３ｍｍ未満の場合には微生物の付着量が
十分でなく、１０ｍｍを超える場合には微生物のフロッ
クが剥がれやすくなるので好ましくない。また繊維物の
植毛量は、５０〜２００ｇ／ｃｍ2であるのが望まし
い。この際少なくとも汚水と接触する表面に施す植毛と
は、集合体の表面に植毛されておれば十分であり、必ず
しも汚水が通水する内部の気孔内表面まで植毛されてい
なくても良い。
汚水と接触する表面に施す植毛は、例えばナイロン、レ
ーヨン、綿、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル
等の繊維物、特に好ましくは、繊維内部が多孔質であ
り、通気性を有し、毛細管現象の作用を示し、水を吸収
する機能を有する、例えば商品名「アクワロン」（カネ
ボウ株式会社製）等の多孔質の繊維物等を接着させるこ
とにより行なうことができる。前記繊維物の繊維径は３
〜１５デニルが好ましく、繊維長は３〜１０ｍｍが望ま
しい。繊維長が３ｍｍ未満の場合には微生物の付着量が
十分でなく、１０ｍｍを超える場合には微生物のフロッ
クが剥がれやすくなるので好ましくない。また繊維物の
植毛量は、５０〜２００ｇ／ｃｍ2であるのが望まし
い。この際少なくとも汚水と接触する表面に施す植毛と
は、集合体の表面に植毛されておれば十分であり、必ず
しも汚水が通水する内部の気孔内表面まで植毛されてい
なくても良い。
【００１４】前記植毛処理を行なうには、例えば担体原
料固形物の植毛する部分に、公知のエマルジョン型又は
ソルベント型接着剤、具体的にはビニル系、エチレン
系、アクリル系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ
系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、ポリアミド系、ゴ
ム系、シリコン系等の接着剤を塗布し、次いで例えば静
電植毛等により必要量の繊維物を植毛する方法等により
行なうことができる。この際、担体原料固形物の集合体
に植毛するには、集合体とした後に植毛する他、各担体
原料固形物の単体に植毛した後、該植毛された単体を接
合して集合体としても良い。
料固形物の植毛する部分に、公知のエマルジョン型又は
ソルベント型接着剤、具体的にはビニル系、エチレン
系、アクリル系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ
系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、ポリアミド系、ゴ
ム系、シリコン系等の接着剤を塗布し、次いで例えば静
電植毛等により必要量の繊維物を植毛する方法等により
行なうことができる。この際、担体原料固形物の集合体
に植毛するには、集合体とした後に植毛する他、各担体
原料固形物の単体に植毛した後、該植毛された単体を接
合して集合体としても良い。
【００１５】本発明の汚水処理用生物固定担体は、前記
植毛された担体原料固形物の集合体を、汚水と接触させ
る箇所に配置することにより使用することができるが、
汚水処理を更に効率良く行なうために、予め生物処理を
行なう微生物及び／又は該微生物の栄養源、具体的には
アンモニウム塩、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸塩等を植毛
部分に保持させた後使用に供することもできる。微生物
及び／又は該微生物の栄養源を汚水処理用生物固定担体
に保持させるには、例えば微生物及び／又は該微生物の
栄養源を含む溶液に浸漬させるか、若しくは該溶液を散
布する方法等により行なうことができる。
植毛された担体原料固形物の集合体を、汚水と接触させ
る箇所に配置することにより使用することができるが、
汚水処理を更に効率良く行なうために、予め生物処理を
行なう微生物及び／又は該微生物の栄養源、具体的には
アンモニウム塩、亜硝酸塩、硝酸塩、リン酸塩等を植毛
部分に保持させた後使用に供することもできる。微生物
及び／又は該微生物の栄養源を汚水処理用生物固定担体
に保持させるには、例えば微生物及び／又は該微生物の
栄養源を含む溶液に浸漬させるか、若しくは該溶液を散
布する方法等により行なうことができる。
【００１６】本発明の汚水浄化方法は、前記汚水処理用
生物固定担体に、汚水を流通接触させることができれ
ば、公知の方法等により適当な箇所に配置して行なうこ
とができる。具体的には例えば、汚水処理生物固定担体
を、従来の礫間接触酸化処理における砂利、砕石等の礫
の代わりに配設する方法、河川の底床に直接敷設させる
方法、汚水の流入出口を設けた、箱体、導管、カラム等
の枠体内に前記汚水処理用生物固定担体を充填若しくは
汚水と接触する箇所に配置した汚水浄化装置を、汚水が
流通する河川又は工業用廃水、生活廃水等の廃水流通管
内、若しくは河川の流水を分岐させて汚水処理する公知
の方法における砕石等の代わりに配設する方法等によ
り、汚水を前記生物固定担体に接触させることができ
る。
生物固定担体に、汚水を流通接触させることができれ
ば、公知の方法等により適当な箇所に配置して行なうこ
とができる。具体的には例えば、汚水処理生物固定担体
を、従来の礫間接触酸化処理における砂利、砕石等の礫
の代わりに配設する方法、河川の底床に直接敷設させる
方法、汚水の流入出口を設けた、箱体、導管、カラム等
の枠体内に前記汚水処理用生物固定担体を充填若しくは
汚水と接触する箇所に配置した汚水浄化装置を、汚水が
流通する河川又は工業用廃水、生活廃水等の廃水流通管
内、若しくは河川の流水を分岐させて汚水処理する公知
の方法における砕石等の代わりに配設する方法等によ
り、汚水を前記生物固定担体に接触させることができ
る。
【００１７】この際前記生物固定担体は、水に浮遊しな
いのでその設置方法は従来の砕石等と同様に行なうこと
ができる。また前記生物固定担体は、植毛を有するので
効率良く微生物を付着させ、汚水を生物的処理する。生
物的処理された汚水物は、フロック状となって植毛され
た繊維物に付着するが、該フロック状物がある程度（汚
水の流速、フロック状物の重量等に左右されるが）増量
成長すると植毛された部分から自然に剥離して沈澱若し
くは流れるので、生物固定担体からフロック状物を剥離
する作業を行なう必要がない。従って設置方法によって
は、半永久的に使用することもできる。
いのでその設置方法は従来の砕石等と同様に行なうこと
ができる。また前記生物固定担体は、植毛を有するので
効率良く微生物を付着させ、汚水を生物的処理する。生
物的処理された汚水物は、フロック状となって植毛され
た繊維物に付着するが、該フロック状物がある程度（汚
水の流速、フロック状物の重量等に左右されるが）増量
成長すると植毛された部分から自然に剥離して沈澱若し
くは流れるので、生物固定担体からフロック状物を剥離
する作業を行なう必要がない。従って設置方法によって
は、半永久的に使用することもできる。
【００１８】本発明の汚水浄化装置は、前述のとおり、
汚水の流入出口を設けた、箱体、導管、カラム等の枠体
内に前記汚水処理用生物固定担体を充填若しくは汚水と
接触する箇所に配置したものであり、またこのような汚
水処理用生物固定担体を有する枠体を複数組み合わせた
物であっても良い。
汚水の流入出口を設けた、箱体、導管、カラム等の枠体
内に前記汚水処理用生物固定担体を充填若しくは汚水と
接触する箇所に配置したものであり、またこのような汚
水処理用生物固定担体を有する枠体を複数組み合わせた
物であっても良い。
【００１９】前記枠体に設けた汚水の流入出口は、各々
１箇所づつでも良いが、枠体内の汚水の流れをなるべく
一定方向とせずに、好ましくは生物的処理をより効率的
に行なうように汚水の流れを変化させ曝気状態を作り出
すため、複数設けるのが好ましく、特に流入出口の形状
を変えたり、また同じ形状であっても例えば楕円形状の
口を縦、横、斜め等の種々の方向に配置することにより
曝気状態を作り出すことができる。更にこのような曝気
状態を、公知の機械的方法により作り出す装置を付加し
ても良く、また枠体内の生物固定担体を、段差を設けて
配置する方法等によっても曝気状態を作り出すことがで
きる。
１箇所づつでも良いが、枠体内の汚水の流れをなるべく
一定方向とせずに、好ましくは生物的処理をより効率的
に行なうように汚水の流れを変化させ曝気状態を作り出
すため、複数設けるのが好ましく、特に流入出口の形状
を変えたり、また同じ形状であっても例えば楕円形状の
口を縦、横、斜め等の種々の方向に配置することにより
曝気状態を作り出すことができる。更にこのような曝気
状態を、公知の機械的方法により作り出す装置を付加し
ても良く、また枠体内の生物固定担体を、段差を設けて
配置する方法等によっても曝気状態を作り出すことがで
きる。
【００２０】本発明の汚水浄化装置において、枠体内に
配置する前記汚水処理用生物固定担体の量は、特に限定
されるものではなく、汚水の流速等により異なるが、好
ましくは接触時間が１０〜１５分となる量配置するのが
望ましい。
配置する前記汚水処理用生物固定担体の量は、特に限定
されるものではなく、汚水の流速等により異なるが、好
ましくは接触時間が１０〜１５分となる量配置するのが
望ましい。
【００２１】
【発明の効果】本発明の汚水処理用生物固定担体は、少
なくとも汚水と接触する表面に植毛が施されているの
で、微生物の付着率及び増殖率に優れる。また汚水処理
用生物固定担体が、複数の担体原料固形物を接合した集
合体であるので、各単体の間隙により形成される異なる
気孔径の気孔を流通する汚水の流速が相違するので、好
気性及び嫌気性微生物をバランス良く付着させることが
でき、より効率的に汚水を浄化させることができる。し
かも浄化された後のフロック状物は、植毛部分から自然
剥離するのでメンテナンスフリーで使用することもでき
る。一方本発明の汚水浄化方法及び汚水浄化装置では、
前記汚水処理用生物固定担体を使用するので、従来の生
物固定担体を使用した方法又は装置に比して効率良く汚
水の浄化を行なうことができる。
なくとも汚水と接触する表面に植毛が施されているの
で、微生物の付着率及び増殖率に優れる。また汚水処理
用生物固定担体が、複数の担体原料固形物を接合した集
合体であるので、各単体の間隙により形成される異なる
気孔径の気孔を流通する汚水の流速が相違するので、好
気性及び嫌気性微生物をバランス良く付着させることが
でき、より効率的に汚水を浄化させることができる。し
かも浄化された後のフロック状物は、植毛部分から自然
剥離するのでメンテナンスフリーで使用することもでき
る。一方本発明の汚水浄化方法及び汚水浄化装置では、
前記汚水処理用生物固定担体を使用するので、従来の生
物固定担体を使用した方法又は装置に比して効率良く汚
水の浄化を行なうことができる。
【００２２】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【００２３】
【参考例】２０×３５×４０ｍｍの表面に凹凸を有する
産業廃棄物である陶磁片表面に、商品名「ＴＳＫモルタ
ルボンド」（大晴産業株式会社製）の接着剤を塗布し
た。次いで繊維長３ｍｍ、繊維径２０デニルの吸水性ア
クリル繊維（商品名「アクワロン」、カネボウ株式会社
製）を、５０ｇ／ｃｍ2の割合で、静電植毛機（メサッ
ク社製）を用いて静電植毛し、生物固定担体を調製し
た。次いで得られた生物固定担体４５個を、図１に示す
汚水流入口２及び汚水流出口３を備えた４００×６５０
×４５０ｃｍの箱体１に、ランダムに充填した。次に、
流速２５０ｍｍ／ｓで、汚水を３日間流した後、汚水流
入口２及び汚水流出口３における汚水のＢＯＤ（生物化
学的酸素消費量）、ＳＳ（浮遊物質）及びＣＯＤ（化学
的酸素消費量）を測定した。その結果を表１に示す。ま
た前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担体を観察
したところ植毛部分に１０ｍｍ幅のフロック状物が付着
しており、更に１５日間汚水を流通させたところ、フロ
ック状物が自然剥離した。
産業廃棄物である陶磁片表面に、商品名「ＴＳＫモルタ
ルボンド」（大晴産業株式会社製）の接着剤を塗布し
た。次いで繊維長３ｍｍ、繊維径２０デニルの吸水性ア
クリル繊維（商品名「アクワロン」、カネボウ株式会社
製）を、５０ｇ／ｃｍ2の割合で、静電植毛機（メサッ
ク社製）を用いて静電植毛し、生物固定担体を調製し
た。次いで得られた生物固定担体４５個を、図１に示す
汚水流入口２及び汚水流出口３を備えた４００×６５０
×４５０ｃｍの箱体１に、ランダムに充填した。次に、
流速２５０ｍｍ／ｓで、汚水を３日間流した後、汚水流
入口２及び汚水流出口３における汚水のＢＯＤ（生物化
学的酸素消費量）、ＳＳ（浮遊物質）及びＣＯＤ（化学
的酸素消費量）を測定した。その結果を表１に示す。ま
た前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担体を観察
したところ植毛部分に１０ｍｍ幅のフロック状物が付着
しており、更に１５日間汚水を流通させたところ、フロ
ック状物が自然剥離した。
【００２４】
【実施例１】平均４０×３０×２０ｍｍの表面に凹凸を
有する産業廃棄物である複数の陶磁片表面に、商品名
「ＴＳＫモルタルボンド」（大晴産業株式会社製）のエ
ポキシ系ポリマーモルタル接着剤を塗布した後、各々の
面が完全接合しないように貼着し、直径約２０ｃｍ程度
の陶磁片集合体を調製した。得られた集合体は、各陶磁
片の間隙により１〜５ｍｍの多数の気孔が形成されてお
り、そのいくつかは集合体の内外を連通する気孔であっ
た。次いでこの集合体表面に、参考例と同様に植毛を行
なって生物固定担体を作製後、参考例と同様な箱体１に
ランダムに充填し各測定を行なった。その結果を表１に
示す。また前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担
体を観察したところ植毛部分に１０ｍｍ幅のフロック状
物が付着しており、更に１５日間汚水を流通させたとこ
ろ、フロック状物が自然剥離した。
有する産業廃棄物である複数の陶磁片表面に、商品名
「ＴＳＫモルタルボンド」（大晴産業株式会社製）のエ
ポキシ系ポリマーモルタル接着剤を塗布した後、各々の
面が完全接合しないように貼着し、直径約２０ｃｍ程度
の陶磁片集合体を調製した。得られた集合体は、各陶磁
片の間隙により１〜５ｍｍの多数の気孔が形成されてお
り、そのいくつかは集合体の内外を連通する気孔であっ
た。次いでこの集合体表面に、参考例と同様に植毛を行
なって生物固定担体を作製後、参考例と同様な箱体１に
ランダムに充填し各測定を行なった。その結果を表１に
示す。また前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担
体を観察したところ植毛部分に１０ｍｍ幅のフロック状
物が付着しており、更に１５日間汚水を流通させたとこ
ろ、フロック状物が自然剥離した。
【００２５】
【実施例２】実施例１で作製した生物固定担体に、微生
物栄養源アンモニウム塩を散布した以外は、実施例１と
同様に行なって各測定を行なった。その結果を表１に示
す。また前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担体
を観察したところ植毛部分に３０ｍｍ幅のフロック状物
が付着しており、更に１５日間汚水を流通させたとこ
ろ、フロック状物が自然剥離した。
物栄養源アンモニウム塩を散布した以外は、実施例１と
同様に行なって各測定を行なった。その結果を表１に示
す。また前記汚水を１０日間流通した後、生物固定担体
を観察したところ植毛部分に３０ｍｍ幅のフロック状物
が付着しており、更に１５日間汚水を流通させたとこ
ろ、フロック状物が自然剥離した。
【００２６】
【比較例１】実施例１で作製した集合体に植毛を施さな
かった以外は、実施例１と同様に行なって各測定を行な
った。その結果を表１に示す。また前記汚水を１０日間
流通した後、生物固定担体を観察したところ、集合体表
面全体ではなく、まばらにフロック状物が付着してお
り、更に１５日間汚水を流通させたがフロック状物は自
然剥離せず、エアーガンによりフロック状物の除去を試
みたが、全てを剥離することはできなかった。
かった以外は、実施例１と同様に行なって各測定を行な
った。その結果を表１に示す。また前記汚水を１０日間
流通した後、生物固定担体を観察したところ、集合体表
面全体ではなく、まばらにフロック状物が付着してお
り、更に１５日間汚水を流通させたがフロック状物は自
然剥離せず、エアーガンによりフロック状物の除去を試
みたが、全てを剥離することはできなかった。
【００２７】
【表１】
【図１】図１は、参考例、実施例及び比較例に使用した
生物固定担体を充填する箱体を示す斜視図である。
生物固定担体を充填する箱体を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C02F 3/02 - 3/10 C12N 11/00 - 13/00
Claims (4)
- 【請求項１】 汚水を生物的処理により浄化する生物固
定担体であって、該担体は、複数の担体原料固形物を接
合し、各担体原料固形物の間隙によって、少なくとも内
外部を連通する連通気孔を形成した集合体からなり、且
つ前記担体原料固形物の集合体の少なくとも汚水と接触
する表面が植毛処理されてなることを特徴とする汚水処
理用生物固定担体。 - 【請求項２】 前記生物固定担体が、汚水処理を行なう
微生物及び／又は該微生物の栄養源を保持してなること
を特徴とする請求項１記載の汚水処理用生物固定担体。 - 【請求項３】 請求項１又は２記載の汚水処理用生物固
定担体に、汚水を流通接触させて生物的浄化処理するこ
とを特徴とする汚水浄化方法。 - 【請求項４】 請求項１又は２記載の汚水処理用生物固
定担体を、汚水の流入出口を設けた枠体内に、汚水と接
触するよう配置したことを特徴とする汚水浄化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16158593A JP3252158B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 汚水処理用生物固定担体、汚水浄化方法及び汚水浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16158593A JP3252158B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 汚水処理用生物固定担体、汚水浄化方法及び汚水浄化装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0716586A JPH0716586A (ja) | 1995-01-20 |
| JP3252158B2 true JP3252158B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=15737928
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16158593A Expired - Lifetime JP3252158B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 汚水処理用生物固定担体、汚水浄化方法及び汚水浄化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3252158B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100431542B1 (ko) * | 2001-03-08 | 2004-05-14 | 한국테라필 주식회사 | 오염처리용 담체 제조장치 및 그 제조방법과 이에 의해제조된 담체 |
| CN107098481A (zh) * | 2017-04-26 | 2017-08-29 | 中林山水（北京）生态科技股份有限公司 | 用于处理黑臭水体的特异性微生物活化填充料 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16158593A patent/JP3252158B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0716586A (ja) | 1995-01-20 |
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