JP3252125B2 - 光強度の強い、長い光の柱を形成する多面鏡装置またはそれを使用する方法 - Google Patents

光強度の強い、長い光の柱を形成する多面鏡装置またはそれを使用する方法

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JP3252125B2 JP31905998A JP31905998A JP3252125B2 JP 3252125 B2 JP3252125 B2 JP 3252125B2 JP 31905998 A JP31905998 A JP 31905998A JP 31905998 A JP31905998 A JP 31905998A JP 3252125 B2 JP3252125 B2 JP 3252125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ある特定の波長
をもつレーザー光と原子や分子のガス、あるいは液体や
固体などの媒質とを相互作用させ、光反応(光励起、光
電離、光解離、光分解、光分析、光分離、光生成、光合
成など)を用する産業分野において、その相互作用の時
間的期間、空間的領域を拡大し、その反応効率を高める
方法に関する。また、本願発明は、加速器による粒子ビ
ームを応用する医療、科学技術、産業分野において、そ
の粒子ビームの速度を利用して、光強度の増大や波長変
換をはかり、光反応を効果的にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス、液体、固体、粒子ビームなどはそ
れらを構成する原子、分子に対応した、ある特定のレー
ザー波長と極めて強い光反応を起こす。このための従来
の技術は、2枚の曲面鏡を向かい合わせた光共振器を使
用して光反応を行うのが一般的である。この場合、光強
度の強い所は、中心部分の一点に集中する。その部分は
極めて狭く短く、そこを通過する原子や分子との光反応
できる時間も短い。しかも、光を蓄える能力を確保する
ために、曲面鏡にあける穴は極力小さくして損失を減ら
す為、逆に、その反応領域に入れるべき光や原子や分子
の入射を困難にしている。また、最近はレーザー自身の
開発も、その強度を高めるために、超短パルス化をねら
う傾向にあり、そのため、時間的、空間的にも極小化し
ており、反応領域は時間的にも、空間的にも短く狭い領
域に制限される。
【0003】しかし、光反応をさせるために入射するガ
ス流や粒子ビームは、入射、出射孔として軸上に広い孔
(アパーチャーと呼ぶ)を必要とし、しかも密度が低
く、反応度が低いものが多い。このようなガス流や粒子
ビームが十分にレーザー光との光反応を起こさせるに
は、時間的、あるいは空間的長さの十分大きな反応領域
を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、こ
のような問題点を解決し、レーザー光を効率よく利用す
る、新しい光反応器を産業用として提供することにあ
る。そのためには、原子や分子ガス、液体、固体がレー
ザー光と反応する長い時間と広い空間を確保するばかり
でなく、大出力レーザーにも耐えられるように各曲面鏡
は固定されて冷却能力をあげたものでなくてはならな
い。このため、使用するレーザー光に応じた曲面鏡の配
置、曲率などを適宜選択して設計し、光の集中する光柱
部分の十分な長さ、光の十分な強度、パルス幅を得るよ
うにしなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、この目的
達成のため鋭意研究の結果、光反応を想定する空間部分
の軸と小角度で光を交叉させるように鏡面をある面上に
多数配置し、しかも光の反射する鏡面の向きを順次変え
つつ往復させることによって、その光路の重なりからな
る光の密度の高い部分が細長い柱状(光柱と呼ぶ)とな
ること、しかも、その往復の際の鏡面の反射の際に生ず
る損失を減らすことによって、光共振器と同じ蓄光作用
があること、また、レーザー光のパルス構造によって
は、長パルス化、定常波化する作用があることなどを知
見し、この知見に基づいて、本願発明を達成した。すな
わち、本願発明は、次の構造からなる多面鏡装置、およ
びその装置を使用する方法である。
【0006】(1) 多数の凹、凸および平面鏡から選
択された少なくとも1種類の鏡をある面上に固定配置
し、それを2枚向かい合わせて多面鏡システムを構成
し、2枚の多面鏡間を往復するレーザー光が、その往復
毎に多面鏡を代えるように光路をずらし、光を多面鏡間
を結ぶ軸と小角度で交叉させつつ往復させ、その往復す
る光束によりその軸上に光強度の強い、長い光の柱(光
柱)を形成する多面鏡装置。
【0007】(2) 多数の凹、凸および平面鏡から選
択された少なくとも1種類の鏡をある面上に固定配置
し、それを2枚向かい合わせて多面鏡システムを構成
し、2枚の多面鏡間を往復するレーザー光が、その往復
毎に多面鏡を代えるように光路をずらし、光を多面鏡間
を結ぶ軸と小角度で交叉させつつ往復させ、その往復す
る光束によりその軸上に光強度の強い、長い光柱を作
り、その光柱の延長線上には、このシステムのための多
面鏡を置かず、外部からの光や粒子が通過できる孔(ア
パーチャー)を設けた多面鏡装置。
【0008】(3) 多数の凹、凸および平面鏡から選
択された少なくとも1種類の鏡をある面上に固定配置
し、それを2枚向かい合わせて多面鏡システムを構成
し、2枚の多面鏡間を往復するレーザー光が、その往復
毎に多面鏡を代えるように光路をずらし、光を多面鏡間
を結ぶ軸と小角度で交叉させつつ往復させ、その往復す
る光束によりその軸上に光強度の強い、長い光柱を作
り、その面上に固定した多数の多面鏡に光を反射させる
ことにより、一つの多面鏡あたりのレーザー光の熱によ
る歪みを減らして全体としての冷却を容易にする多面鏡
装置。
【0009】(4) 前記1、2または3に記載の多面
鏡装置において、光柱中の媒質に対して光の往復時間を
利用して、短パルスレーザー光の場合には、短パルスレ
ーザー光の多周期化もしくは長パルス化を行い、または
長パルスレーザー光の場合には、長パルスレーザー光の
定常波化もしくは重ねあわせによる強度の増幅化を行う
ために前記多面鏡装置をレーザー光の蓄光器として使用
する方法。
【0010】(5) 前記1、2または3に記載の多面
鏡装置において、レーザー光を適宜選択し、光柱中でレ
ーザー光と原子や分子のガス、液体、固体とを相互作用
させ、光柱中でレーザー光の光反応(光励起、光電離、
光解離、光分解、光分離、光合成、光生成、光分析な
ど)を行うために前記多面鏡装置を利用する方法。
【0011】(6) 前記1、2または3に記載の多面
鏡装置において、(a)レーザー光と粒子ビームとを光
柱中で相互作用させ、粒子ビームのもつ速度を利用して
レーザー光の強度を増大し、相対論的効果、すなわちロ
ーレンツ収縮に基づいて光のエネルギー密度を上昇させ
ることにより、または(b)レーザー光の軸と粒子ビー
ムとの交叉角を調整し、ドップラー効果に基づいてレー
ザー光の波長を変換することにより、粒子ビームに対す
るレーザー光の作用を効率的に使用し、またはレーザー
光の波長を容易に選択してレーザーの選択範囲を広げ
て、光柱中でレーザー光との光反応(光励起、光電離、
光解離、光分解、光分離、光合成、光生成、光分析な
ど)を行う方法。
【0012】(7) 前記1、2または3に記載の多面
鏡装置において、(a)レーザー光を粒子ビームと光柱
中で相互作用させ、粒子ビームのもつ速度を利用してレ
ーザー光の強度を増大させ、または(b)レーザー光の
軸と粒子ビームとの交叉角を調整してレーザー光の波長
を変換することにより、レーザー光の作用を効果的に使
用し、またはその波長を選択して光柱中でレーザー光と
の光反応(光励起、光電離、光解離、光分解、光分離、
光合成、光生成、光分析など)を行う方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本願発明を光の断面(半径)ω0
mm、長さLmの光柱を作ることを想定して多面鏡シス
テムによる原理を説明する。まず、多面鏡システムの概
要は図1のようになる。
【0014】中心点oにたいして対称にA,B多面鏡を
配置する(必ずしも対称である必要はない)。図1
(a)のA,B両多面鏡はそれぞれ曲率半径zmの球面
鏡をベースとし、2zm離れて設置される。A,B両多
面鏡は、図1(c)に示されるように、それぞれは径方
向にはR±rにカットされ、半径R−r内はアパーチャ
ーとなり、また、それぞれ角度方向にn等分され、それ
ぞれの場所には、図1(b)、(c)にしめされるよう
に、半径rの鏡面群A1,A2・・・An;B1,B2・・
・Bnがそれぞれo点をはさんで相対する位置に設けら
れる。
【0015】光の導入法としてスイッチング方式とホー
ルカップリング方式があり、スイッチング方式の場合に
は、まず外部から直接A1に入れ、順次、鏡面群A1,A
2・・・An;B1,B2・・・Bn間を往復の後、Bn
ら外に出し、そこで偏向面を90度回転させて反射し逆
にもどし、もう一度一巡させる方法である。この場合に
は光は2n回粒子ビームと相互作用させることができ
る。2巡した後は捨てられるから、次の光パルスを導入
しなければならず、レーザー光の周期や出力には鏡の数
が大きな意味を持つ。
【0016】ホールカップリングの場合には、光はBn
に設けられた穴から入射され、A1,B1,A2,B2・・
・An,Bnと順次鏡面を移動しながらA,B面の間を往
復する。
【0017】このように光軸を回転させるために、それ
ぞれの鏡面はφ方向に傾斜をつけなければならない。A
面からB面へ進む光線を往路、その逆を復路と名付け、
その往路をo点に向けて、往路の光束を光柱に利用する
方法を、まず説明する。すなわち、A面の適当な曲率を
持つ鏡面群は光束が常に中心点oに向くように光軸を少
しずつ回転させる。この場合、鏡面Ai(i=1、2、
・・・n)の法線は、Bi-1の中心とAiの中心を結ぶ線
とAiの中心とo点を結ぶ線の中間になければならな
い。またBiの法線は、Biの中心とAiの中心およびA
i+1の中心を結ぶ線の中間になければならない。
【0018】上記の鏡面の配置は往路の光のみを光柱と
して用いる方法である。往復路の光の両者を光柱として
用いる場合には、AiとBiの相対的位置を2π/nラジ
アンφ方向に回転させ、Aiの法線はBi-1とBiと中間
に順次向け、Biの法線はAiのAi+1の中間に順次向け
ればよい。
【0019】鏡面の曲率について考えると、まず、ここ
では、一般的な方法として、対称共焦点の曲率を持った
球面鏡をもつ一対の光共振器を考え、その間を光を往復
させ光束を形成することとする。それによって鏡面の曲
率を決めた後に、それぞれの鏡面に上記の傾斜をもたせ
ればよい。
【0020】それを図2で説明する。ここでは、o点に
半径ω0の光束を作り、鏡面の中心位置の半径をR、鏡
面の半径をrとし、往路の光軸を1とし、光束を3とす
る。o点からA面、あるいはB面までの距離をzとす
る。また、A面上の鏡面の数をn、Z軸と鏡面の中心を
結ぶ線の角度をθとする。そして、これらの光束の包絡
面の作る光柱の実効的な長さをLとする。対称共焦点の
条件から鏡面の曲率半径は2zであり、θ《1とする幾
何学的な条件から、 R≧nr/π、tanθ=R/z、2ω0=L・tan
θ、r〜ω(z) となる。
【0021】光学の手法により、距離zの地点の鏡面上
の光束の半径ω(z)は
【数1】 である。この鏡面を用いて、それぞれの鏡面が上記の傾
斜をもたせれば多面鏡システムが構成される。
【0022】なお、一般的には、対称共焦点のシステム
は安定性の境界線上にあり、光共振器のモード安定性を
確保するため、その曲率半径を若干長めにする。また、
多面鏡の鏡面は大出力レーザーからの熱により歪むの
で、レーザー光の強度は10kw/cm2が限界である
が、鏡面が少しでも歪むとその働きが失われることにな
る。そこで、レーザー光の1ケ所へのへの集中を避け、
その受ける面積を広げること、あるいは冷却することが
必要とされる。そのために、本願発明においては、多面
鏡構造とすることにより熱の逃げ場を大きくするととも
に、それを固定することによりそれの冷却をしやするす
ることができる。
【0023】
【実施例1】具体的な例として、図3のようにL=5
m,ω0=5mmの光柱を作る場合には、上記の幾何学
的条件から計算するとn=12、z=15m、r=7m
mとし、R=30mmが得られる。軸上の両多面鏡のア
パーチャーはR−r=23mmを半径とする孔となる。
【0024】さらに、光の波長λとして、YAG(イッ
トリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーの第2
高調波532nmを考え、ω0=5mm,zとして15
mとする。鏡面上の光束の半径ω(z)は7mmとな
り、光束は殆ど円柱状と考えてよい。なお、レーザー光
の入射孔は半径1.4mmとし、B12(図1)に作られ
るとする。小さな入射孔4から光を細めて入れ、鏡面間
を一巡した後に、B12面の光の径がr=7mm内に広が
るように鏡面の曲率を補正する。
【0025】この多面鏡システムにおける光の損失は、
光の導入法によって異なる。スイッチング方式では鏡面
間を2巡した後に捨てられるが、ホールカップリング方
式の場合には次のようになる。中間の媒質による損失を
無視すれば、不完全な反射率η(全鏡面共通とする。)
による損失(反射損失)と光が波であるための損失(回
析損失)が考えられる。回析損失については、フレネル
数Nによって決まり、N=r2/2λzで考えられる。
本願発明の場合N=3となり、1より大きく、基本モー
ドのみ考えれば0.001%程度になる。つまり、n回
の往復を考えてもこの損失は省略できる。前者の(反射
損失)については、一往復(200ナノ秒)あたりの損
失は−2・1n(η)であり、n回の往復では−2n・
1n(η)となる。したがって、η=0.995、n=
12、とし、入射孔(半径1.4mmと想定)からの損
失を0.08とすれば、n回の往復による全損失Wは、
W=0.08−2n・1n(η)=0.2となる。光の
減衰時間tcはtc=4nz/CW=12マイクロ秒(C
は光速)となる。多面鏡システム全体を往復するのに要
する時間はT=4nz/C=2.4マイクロ秒である。
【0026】もし、レーザー光のパルス幅が1往復の時
間T1(この場合200ナノ秒)より短い(短パルス
の)場合、例えば、パルス幅1ナノ秒の場合には、光柱
には200ナノ秒ごとに光が来ることになり、5MHz
の繰り返しに相当するものになる。パルス幅200ナノ
秒以上であれば、減衰時間tc(12マイクロ秒)で減
衰はするけれども、光柱の部分には光は継続的に存在
し、長パルス化するとみなせる。さらに、多面鏡システ
ム全体を一巡する時間Tより長い連続波あるいは長パル
スの場合には、蓄光作用が発揮され、蓄光作用の無い場
合のntc/T倍、つまり、この場合、光柱部分では6
0倍の光エネルギー密度となる。
【0027】光柱に入ってくるのが速度vを持っている
粒子ビームの場合には、相対性理論によって、粒子ビー
ムに乗った系では、ローレンツ収縮により光エネルギー
密度は、γ(1−β・cosθ)倍になり、また、ドッ
プラー効果により、光の波長γは(1−β・cosθ)
分の1となる。ここでβはv/C、γは(1−β2-
1/2、θは、光束と粒子ビームとの交叉角である。した
がって、この粒子ビームの速度、交叉角の選択により、
適正なレーザーの実効的な出力をあげ、あるいは適正な
光の波長の選択および調整ができる。
【0028】
【実施例2】(原子や分子のガスの光反応を起こす場
合)図4に示されるように、本願発明の多面鏡システム
による光柱中にガスを通過させるとレーザー光と合った
光反応(光励起その他)を起こさせることができる。す
なわち、本願発明の多面鏡システムABにレーザー光P
を導入することにより光柱LCをダクトD中に発生させ
る。
【0029】例えば、適正なレーザー波長を選択して光
柱を発生させ、その光柱にダイオキシンガス、NoXガ
スなどGをあてると効率よくこれらを光分解することが
できる。あるいは、適正なレーザー波長を選択して光柱
を発生させ、その光柱に酸素ガスに当てればオゾンを光
合成することができる。すなわち、原子や分子のガスを
光柱中のレーザー光と選択的に光反応を起こさせること
により、光分解、光処理、光合成あるいは光分析が行わ
れる。
【0030】
【実施例3】(液体あるいは固体の波長変換素子を利用
して波長変換されたレーザー光を発生させる場合)図5
に示されるように、光柱に液体或いは固体の波長変換素
子を配置し、適正なレーザー光により励起させ、軸上に
別途配置した光共振器により、特定の波長のレーザー光
を発振させる。
【0031】すなわち、本願発明の多面鏡システムAB
にレーザー光を導入することにより光柱LCを発生させ
る。この光柱に液体(又は固体)流入口より液体(又は
固体)を流入させて励起し、液体(又は固体)の波長変
換素子を発生させる。この波長変換素子に光共振器から
特定の波長のレーザー光を導入することにより波長変換
された光レーザー光を発生させる。
【0032】
【実施例4】(粒子ビームを荷電変換させる場合)図6
に示されるように、光柱に高エネルギーの水素ビームを
入れると、効率よく励起し、励起された水素ビームは磁
場によって、効率よく荷電変換される。加速器装置の荷
電変換部などに利用される。
【0033】すなわち、本願発明の多面鏡システムAB
にレーザー発生器LAからレーザー光を導入することに
より光柱LCを発生させる。この光柱に高エネルギーの
中性水素ビームH0を導入し、このビームを光柱中で励
起し、更に光柱を囲んで配置された荷電変換用磁石Uに
よって生じる磁場によって電離させる。電離された水素
イオン(H+)をリング加速器M、Mを経て光柱に循環
させることにより、荷電変換装置の一部として利用され
る。
【0034】
【実施例5】(粒子ビーム:多価イオン源として利用す
る場合)図7に示されるように、イオン源からのイオン
を光柱に入射すると、光電離により電子を多くはぎ取
り、荷電数の大きな多価イオンとすることができる(多
価イオン源)。
【0035】すなわち、本願発明の多面鏡システムAB
にレーザー発生器LAからレーザー光を導入することに
より光柱LCを発生させる。この光柱にイオン源からイ
オンビームを導入し、このビームを光柱中で励起して荷
電数を増やし、多価イオンビームを発生させ、これを加
速部で加速性能を上げる。具体的には、イオン源から一
価の酸素イオンを光柱に導入して8価の多価イオンにす
ることにより、加速部の能力は8倍のエネルギーまで加
速できる。
【0036】
【発明の効果】本願発明は、多数の曲面鏡をある円周上
に固定配置し、その2枚を向かい合わせてレーザー光を
往復させ、その光路の軸上に光の強い領域を構成する光
柱を形成し、その光柱中において、強められた光とガス
流、粒子ビームあるいは液体・固体物質との相互作用を
行うことにより、光励起、光電離、光解離、光分解、光
分析、光分離、光生成、光合成などの光反応の反応効率
を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の多面鏡システム、およびA,B両
多面鏡の正面図を示す図である(n=12の場合:往復
する光線はA1からA6の分しか図示していない)。
【図2】 本願発明の多面鏡システムにおける鏡面の曲
率を決めるための図である(最小ビームスポットω0
光束を座標軸Zと確度θで交叉させ、交叉する光束の光
密度の高い所を光柱と定義し、その長さをLとする)。
【図3】 本願発明の多面鏡システムにおける具体例を
示す図である(L=5m,ω0=5mm,z=15mの
場合、R=30mm,r=7mm、n=12として、鏡
面の曲率半径は30mである。
【図4】 本願発明の多面鏡システムにより光反応を起
こす方法を示す図である。
【図5】 本願発明の多面鏡システムにより液体、ある
いは固体の波長変換素子を利用して波長変換されたレー
ザー光を得る方法を示す図である。
【図6】 本願発明の多面鏡システムを荷電変換装置の
一部として利用する方法を示す図である。
【図7】 本願発明の多面鏡システムを多価イオン源と
して利用する方法を示す図である。
【符号の説明】
A A多面鏡 B B多面鏡 Ai(i=1、2・・・n) A多面鏡上の鏡面群 Bi(i=1、2・・・n) B多面鏡上の鏡面群 1 往路の光軸 2 復路の光軸 3 光束(断面を円として表現
している) 4 レーザー光の入射孔 5 アパーチャー o 多面鏡システムの中心 R 鏡面群中心のある位置の半
径 r 鏡面の半径 LC 光柱 L 光柱の長さ φ 鏡面を分割する方向の角度 ω0 光束の最小スポットサイズ
(半径) ω(z) 位置zにおける光束の波面
の曲率半径 θ 光軸と座標軸Z(あるいは
粒子ビーム)との角度 G ガス LA レーザー P レーザー光 D ダクト M リング加速器用電磁石 U 荷電変換用磁石
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−244481(JP,A) 特開 平2−49483(JP,A) 特開 平4−271187(JP,A) 特開 平5−251798(JP,A) 特開 平7−249499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/081

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹面鏡、凸面鏡及び平面鏡から選択され
    た少なくとも1種の鏡を多数固定配置し、それを2つ向
    合わせて設けることにより多面鏡システムを構成し、 両多面鏡がそれぞれ曲率半径zの球面上に距離2z離し
    て設置され、各多面鏡がそれぞれ径方向にR±rカット
    されて半径R−r内は孔(アパ−チャ−)となり、角方
    向にn等分されて半径rの鏡面群A、Bを構成し、両鏡
    面群がそれぞれ0点を挟んで相対する位置に設けられ、 鏡面群Aの鏡Ai(i=1、2、−−−−、n)の法線
    を鏡面群Bの鏡Bi−1(i=1、2。−−−−、n)
    と鏡Biとの中間に順次向け、鏡面群Bの鏡Bi(i=
    1、2、−−−−、n)の法線を鏡面群Aの鏡Ai(i
    =1、2。−−−−、n)と鏡Ai+1との中間に順次
    向けて傾けることにより、この多面鏡システムの鏡面間
    を往復するレーザー光が、その往復毎に鏡面を代えるよ
    うに光路をずらして光を多面鏡システムの鏡面間を結ぶ
    軸と小角度で交叉させつつ往復させ、その往復する光束
    によりその軸上に光強度の強い、長い光の柱(光柱)を
    形成し、且つ分割された多数の鏡に光を反射させること
    により、一つの鏡当りのレーザー光の熱による歪みを減
    らし、全体としての冷却を容易にすることを特徴とする
    多面鏡装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多面鏡装置において、光
    柱中の媒質に対して光の往復時間を利用して、短パルス
    レーザー光の場合には、そのレーザー光の多周期化或い
    は長パルス化を行い、又長パルスレーザー光の場合に
    は、そのレーザー光の定常波化或いは重ね合せによる強
    度の増幅化を行うために、前記多面鏡装置をレーザー光
    の蓄光器として使用する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多面鏡装置において、レ
    ーザー光を適宜選択し、光柱中でレーザー光と原子や分
    子のガス、液体及び/又は個体とを反応させ、光柱中で
    レーザー光の光反応(光励起、光電離、光解離、光分
    解、光合成、光生成、光分析)を行うために、前記多面
    鏡装置を使用する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の多面鏡装置において、
    レーザー光と粒子ビームとを光柱中で相互作用させ、粒
    子ビームの持つ速度を利用してレーザー光の強度を増大
    させ、且つ相対論的効果としてのちローレンツ収縮に基
    づいて光のエネルギー密度を上昇させることにより、光
    柱中で光反応(光励起、光電離、光解離、光分解、光合
    成、光生成、光分析)を効果的に行うために、前記多面
    鏡装置を使用する法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の多面鏡装置において、
    レーザー光と粒子ビームとを光柱中で相互作用させ、粒
    子ビームの待つ速度を利用してレーザー光の波長を変換
    させる際に、レーザー光の軸と粒子ビームの交叉角によ
    ってレーザー光の波長を調整変換してレーザー光の波長
    の選択をすることにより、光柱中での光反応(光励起、
    光電離、光解離、光分解、光合成、光生成、光分析)を
    効果的に行うために、前記多面鏡装置を使用する方法。
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