JP3250138B2 - 引上げ装置用黒鉛るつぼ - Google Patents

引上げ装置用黒鉛るつぼ

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JP3250138B2
JP3250138B2 JP00440396A JP440396A JP3250138B2 JP 3250138 B2 JP3250138 B2 JP 3250138B2 JP 00440396 A JP00440396 A JP 00440396A JP 440396 A JP440396 A JP 440396A JP 3250138 B2 JP3250138 B2 JP 3250138B2
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crucible
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locking
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシリコン引
上げ装置内に設置される、周方向に複数の分割体に分割
されてなる引上げ装置用黒鉛るつぼに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の基本材料であるシリコ
ンから単結晶の製造方法の1つとして、るつぼ内の原料
融液から円柱状の単結晶を引上げるチョクラルスキー法
(CZ法)が用いられている。CZ法においては、単結
晶製造装置(シリコン引上げ装置)のチャンバー内に設
置したるつぼ軸に、石英るつぼを収容する黒鉛るつぼ
を、るつぼ受けを介して装着する。この石英るつぼ内に
充填した高純度の多結晶シリコンを、前記黒鉛るつぼの
外周を取り巻くように設けたヒーター(黒鉛ヒーター)
によって加熱溶解した後、シードチャックに取付けた種
子結晶を融液に浸漬し、前記シードチャックおよび黒鉛
るつぼを同方向または逆方向に回転しつつシードチャッ
クを引上げてシリコン単結晶を成長させる。
【0003】単結晶の引上げが完了すると、石英るつ
ぼ、黒鉛るつぼおよびヒーター等の炉内部品を取外し、
石英るつぼは新品と交換する。その他の部品は点検、清
掃の上、特に支障がなければ再度使用することとし、前
記各部品は次の単結晶引上げのためチャンバー内の所定
の位置に取付けられる。また、現在のCZ法は、バッチ
形式であるために、バッチ終了後、僅かに残ったSiの
残湯および石英るつぼを破棄しなければならず、この破
棄にあたっては、石英るつぼが嵌合された黒鉛るつぼ
毎、装置外に取り出している。そして、単結晶の大径化
に伴い黒鉛るつぼが大型化し、その重量も増大してい
る。通常、前記黒鉛るつぼは熱影響を考慮して、周方向
に2分割ないし3分割されているため、単体では不安定
な形状であり、しかも重量が重くなるとハンドリングは
容易でない。
【0004】ところで、従来の黒鉛るつぼおよびそのハ
ンドリング装置としては、例えば、次の(1)および
(2)に記述するものがある。
【0005】(1)図8は黒鉛るつぼハンドリング装置
の上面図で、2分割の黒鉛るつぼ2にハンドリング装置
を取付け、るつぼ受け5の上方に釣支した状態を示す。
同図において、吸着パッド1のリップ部には可撓性に富
む材料を用いている。図9は黒鉛るつぼハンドリング装
置の側面図で、るつぼ受け5に前記黒鉛るつぼ2を取付
けた状態を示す。吸着パッド1にはホース6の一端が接
続され、ホース6の他端は真空発生装置7に接続されて
いる。支持フレーム3の側面形状はほぼコ字形で、前記
吸着パッド1を取着した支持フレーム3aに対して上部
部材3bは、図9に示すように、2個の吸着パッド1の
中間の位置に溶着されている。前記上部部材3bの上面
には、ハンドリング装置に黒鉛るつぼ2を吸着したとき
その重心位置をとおる鉛直線上の位置にアイボルト8が
取着されている。
【0006】また、支持フレーム本体3aの側面には、
1個乃至2個の把手9が支持フレーム3の外方に向って
取着されている。符号10は吊上げワイヤで、符号11
はるつぼ軸である。黒鉛るつぼ2を単結晶製造装置のる
つぼ軸11に取付ける場合、単結晶製造装置の近傍に搬
送された2分割の黒鉛るつぼ2の外周面に黒鉛るつぼハ
ンドリング装置の吸着パッド1を当接させ、真空発生装
置7を駆動して黒鉛るつぼ2を吸着、固定する。このと
き、各吸着パッド1は図9に示すように、黒鉛るつぼ2
の上端に近づけて取付け、黒鉛るつぼ2下部の球面部分
にかからないようにすれば、確実に吸着させることがで
きる。次に、荷役・運搬機器のフックに掛止した吊上げ
ワイヤ10の下端をアイボルト8に掛止し、黒鉛るつぼ
ハンドリング装置を吊上げてるつぼ受け5の上方に移動
させる。荷役・運搬機器を操作して黒鉛るつぼハンドリ
ング装置を下降させ、黒鉛るつぼ2の底面から突出する
ボスをるつぼ受け5に嵌め込む(特開平6−32949
4号公報参照)。
【0007】(2)図10に示すように、符号14は黒
鉛るつぼを示し、この黒鉛るつぼ14はその周方向に分
割された3つの分割体14a,14bからなる(1つの
分割体は不図示)。黒鉛るつぼ14は、るつぼ軸19に
るつぼ受け20を介して搭載されており、その内部には
石英るつぼ15が収容されている。そして、黒鉛るつぼ
14の下端部の周りにはヒーター16が設けられてい
る。さらにその周りにはインナーシールド(ヒートシー
ルド)17が設けられている。これらの黒鉛るつぼ14
およびヒートシールド17等は引上げ装置のチャンバー
(不図示)内に設けられている。
【0008】るつぼ取り出し装置24の概略構成につい
ては、上面に吊り具13を有する本体部12には、3つ
の開閉爪支持ブラケット21a,21b(1つの開閉爪
支持ブラケットは不図示)が放射状に設けられている。
これら3つの開閉爪支持ブラケット21a,21bは、
ピン軸22a,22bを介して前記本体部12に回動可
能(矢印参照)に設けられている。そして、各開閉爪支
持ブラケット21a,21bには、3つの開閉爪部材2
3a,23b(1つの開閉爪部材は不図示)をそれぞれ
支持するアーム部材25a,25bがそれぞれ固定され
ている。開閉爪部材23a,23bはほぼ下方へ延びる
ように配置されている。符号26a,26bは、開閉爪
支持ブラケット21a,21bをそれぞれ回動させるた
めのリンク部材を示している。
【0009】黒鉛るつぼ14を取り出すには、各開閉爪
部材23a,23b(1つの開閉爪部材は不図示)を開
いた状態において、前記吊り具13を介して図示しない
クレーン等に吊下げられたるつぼ取り出し装置24を、
下降させ、ここで、リンク部材26a,26bにより各
開閉爪部材23a,23bを図示しない機構により閉じ
て、各開閉爪部材23a,23bの下端部を、黒鉛るつ
ぼ14の下端部の段差部18a,18bに係止させる。
そして、前記クレーンによりるつぼ取り出し装置24を
引上げると、黒鉛るつぼ14はるつぼ受け20から外
れ、チャンバー外へ取り出すことができる。このよう
に、黒鉛るつぼ14の各分割体14a,14bの下端部
を支持する形態を取ることにより、黒鉛るつぼ14を引
上げる際に、各分割体14a,14bの開きすなわち各
分割体14a,14bの下端部が外方へ広がるのを防止
している。なお、上記の例では、3つの開閉爪部材23
a,23b(1つの開閉爪部材は不図示)の全てが開閉
可能であるものを示したが、少なくとも1つの開閉爪部
材が開閉可能であればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この石英る
つぼ内に充填した高純度の多結晶シリコンを、前記黒鉛
るつぼの外周を取り巻くように設けたヒーターによって
効率よく加熱溶解するには、加熱時に黒鉛るつぼをでき
るだけヒーターの内部に位置させることが、好ましい。
なお、黒鉛るつぼの外周面とヒーターの内周面との間の
隙間は小さく、例えば通常12mm程度に設定されてい
る。また、るつぼ軸は、通常、黒鉛るつぼの取り出し
(装着)位置と引上げ装置の稼動時における加熱位置と
の間の移動ストローク分だけ、上下動される構成になっ
ている。
【0011】ところが、上記(1)のものは、黒鉛るつ
ぼには何等工夫が施されていないために、黒鉛るつぼを
取り出すためには吸着パッドや真空発生装置が必要で、
使用するハンドリング装置全体が高価である。また、黒
鉛るつぼの側面を、支持フレームに支持された吸着パッ
ドにより吸着する形態なので、前記支持フレームがヒー
ターに干渉しないようにするためには、前記移動ストロ
ークを大きく取って、黒鉛るつぼの取り出し(装着)位
置を、その大部分がヒーターから外れた位置にする必要
があるので、到底実用的とは言えない。(2)のもの
は、黒鉛るつぼの各分割体の下端部に段差部をそれぞれ
設け、ハンドリング装置としては、各段差部に開閉爪部
材をそれぞれ係止する、構造が複雑で装置コストが嵩む
ものが必要になる。さらに、黒鉛るつぼの上方でリンク
部材を駆動させる形態なので、前記駆動によるコンタミ
(異物)が発生して、黒鉛るつぼに混入するという問題
点がある。また、黒鉛るつぼを引上げる際に、各分割体
が開かないように、それらの下端部に開閉爪部材を係止
させる形態なので、開閉爪部材の占有空間やその開閉動
作を可能とするための空間を確保するには、上記と同様
に、前記移動ストロークを大きく取って、黒鉛るつぼの
取り出し(装着)位置を、その大部分がヒーターから外
れた位置にする必要があり、到底実用的とは言えない。
【0012】なお、黒鉛るつぼとヒーターとの位置関係
を変更して、黒鉛るつぼとヒーターとの間の隙間を大き
く設定したり、短いヒーターを用いることが考えられる
が、この場合、黒鉛るつぼの加熱効率が低下する上に、
黒鉛るつぼの加熱制御の変更を要し、到底実用的とはい
えない。
【0013】また、特開平5−286685号公報(あ
るいは特開平5−286688号公報)には、黒鉛るつ
ぼの上端部外周面に複数の係止溝(あるいは1つの環状
の係止溝)を形成し、この係止溝に複数のフック(ある
いはリンク部材)の下端を係止させる取り出し治具が開
示されている。しかしながら、これらに技術において
は、取り扱う黒鉛るつぼが非分割のものであるので、黒
鉛るつぼが外方へ広がるという懸念がないので、黒鉛る
つぼの上端部に係止して取り出せるのであり、本発明の
黒鉛るつぼは分割体からなるものである。
【0014】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、黒鉛るつぼをその分割体が
開かずに安定して取り出すことができるとともに、簡単
で装置コストの安い吊上げ支持手段で取り上げることが
できるとともに、コンタミの発生を低減し、かつ、黒鉛
るつぼの加熱効率の低下を阻止できる、極めて実用的な
引上げ装置用黒鉛るつぼを提供することを目的としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、引上げ装置内に設置される、周方向に複数
の分割体に分割されてなる黒鉛るつぼにおいて、前記黒
鉛るつぼの下端部に外装されかつ各分割体に固定される
リング状部材を備え、各分割体の上端部には、所定の吊
上げ支持手段に係止可能な係合部がそれぞれ形成されて
いることを特徴とするものである。また、前記リング状
部材を黒鉛により構成することが好ましい。
【0016】ここで、上記構成の本発明の作用について
説明する。黒鉛るつぼを引上げ装置外へ取り出すには、
例えばクレーン等により吊下げられた吊上げ支持手段
を、取り出し位置にある黒鉛るつぼの上端部に係止し、
前記クレーンにより吊上げ支持手段を吊上げる。この
際、黒鉛るつぼの各分割体の下部は、リング状部材で規
制されているので、各分割体の外方への広がり(開き)
を防止される。なお、各分割体の下部のみをリング状部
材で規制した理由は、黒鉛るつぼの下端部は熱影響によ
る変形の度合が少ないからであり、リング状部材で規制
しての不具合が起こらないからである。また、本発明で
は、各分割体の上端部に吊上げ支持手段を係止する構成
とし、リング状部材は薄肉のものでよいことから、黒鉛
るつぼの外周面とヒーターの外周面との間の隙間(通
常、12mm程度)を変更する必要はない。以上のよう
に、黒鉛るつぼとヒーターの位置関係(例えば黒鉛るつ
ぼの外周面とヒーターの内周面との間の隙間、るつぼ軸
の移動ストロークおよびヒーターの長さ等)を変更する
ことなく、黒鉛るつぼを安定に吊上げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態例につ
いて図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実
施形態例は、あくまでも本発明の一例であって、本発明
は、その特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において、
設計変更等の変形例を包含するものである。図1は本発
明の、引上げ装置用黒鉛るつぼの一実施形態例にハンド
リング装置を装着した状態を示す、シリコン引上げ装置
の断面図(黒鉛るつぼ等は図2のB−B断面図)、図2
は図1のA−A矢視図、図3は黒鉛るつぼの概略斜視
図、図4は黒鉛るつぼおよび係止ピンの係止状態を示
す、黒鉛るつぼの上端部の要部正面図、図5は黒鉛るつ
ぼの上端面の要部平面図(上面図)、図6は図1に示し
た吊上げ支持手段(吊上げ支持治具)の平面図(上面
図)である。
【0018】先ず、シリコン引上げ装置(単結晶引上げ
装置)の概略構成については、図1に示すように、シリ
コン融液(不図示)を保持するための石英るつぼ35が
黒鉛るつぼ34に嵌合した状態で設けられている。黒鉛
るつぼ34は、るつぼ受け(サポート)41によってる
つぼ軸40に回転駆動可能に支持されている。また、黒
鉛るつぼ34の周りにはヒーター(黒鉛ヒーター)42
が設けられている。さらにその周りにはインナーシール
ド(ヒートシールド)43が設けられている。符号44
はシリコン引上げ装置のチャンバーを示している。この
ように構成された引上げ装置によるシリコン単結晶の引
上げは、石英るつぼ35中のシリコン融液に、ワイヤで
懸吊された種結晶を浸し、種結晶と黒鉛るつぼ34とを
同方向あるいは逆方向に回転しながら引き上げることに
よって行われる。なお、黒鉛るつぼ34の外周面とヒー
ター42の内周面との間の隙間(符号K参照)は、従来
通り、12mm程度である。
【0019】図1乃至図5に示すように、黒鉛るつぼ3
4は、上述のように、熱膨張による割れを防止するため
に、周方向に分割された複数(本例では3つ)の分割体
34a,34b,34cから構成されている。各分割体
34a,34b,34cの上端部中央外周面には、正面
視L字形の係止溝(係合部)37a,37b,37cが
それぞれ形成されている。この係止溝37a,37b,
37cは同一構成なので、1つの係止溝37aを例に挙
げて詳細に説明する。図4は、1つの分割体34aの上
端部の正面図であり、係止溝37aは、分割体34aの
上端面46a(他の分割体46b,46cbフ上端面はそ
れぞれ符号46b,46cで示す)から下方へ延びる第
1の縦溝部48aと、この第1の縦溝部48aの下端部
から周方向へ延びる横溝部48bと、この横溝部48b
の図4中の右端から上方へ延びる第2の縦溝部48cと
から構成されている。この係止溝37aは分割体34a
を貫通せず、その奥行きは分割体34aの肉厚の半分程
度になっているが、これに限らない。
【0020】各分割体34a,34b,34cの下端外
周部には断面矩形状の溝部52,52b,25cがそれ
ぞれ形成され、この溝部52a,52b,52cにはリ
ング状部材50が嵌合されている。このリング状部材5
0は、ボルト51a,51b,51cにより各分割体3
4a,34b,34cに固定されている。このように、
黒鉛るつぼ34の各分割体34a,34b,34cは、
その下端部においてリング状部材50により規制され、
黒鉛るつぼ34の下端部の広がりを防止できる。また、
各分割体34a,34b,34cの下部のみをリング状
部材50で規制した理由は、黒鉛るつぼ34の下端部は
熱影響による変形の度合が少ないからであり、リング状
部材50で規制しても不具合が起こらないからである。
リング状部材45の材質およびボルト51a,51b,
51cの材質は、分割体との熱膨張の差が生じないよう
に、およびコンタミ発生を鑑みて、黒鉛により構成する
ことが好ましい。なお、各分割体34a,34b,34
cに、リング状部材50を設けるための溝部52,52
b,52cの加工を施さずに、図7に示すように、黒鉛
るつぼ54の各分割体54a,54b,54cの下端部
外周面に薄肉のリング状部材56をボルト57a,57
bにより固定してもよい。
【0021】吊上げ支持手段(吊上げ支持治具)30の
構成としては、図1、図2および図6に示すように、円
盤状の本体部31の中央部上面には、吊り具32が固定
されている。この吊り具32には、後述するクレーン等
のフック33に係止されるものである。前記本体部31
の外周部下面には、約120゜の間隔をおいて3つのピ
ン支持部材36a,36b,36cが固定されている。
各ピン支持部材36a,36b,36cには係止ピン3
8a,38b,38cがそれぞれ一体的に固定されてい
る。各係止ピン38a,38b,38cは、本体部31
に対して放射状に位置しており、黒鉛るつぼ34a,3
4b,34cの各係止溝37a,37b,37cの第1
の縦溝部48aより挿入して第2の縦溝部48cに係止
することができる。すなわち、図4中、一点鎖線の係止
ピン38aは係止溝37aに挿入する前の状態を示して
おり、二点鎖線の係止ピン38aは係止溝37aの第1
の縦溝部48aに挿入した状態を示しており、ここで、
図2中、本体部31を反時計周り方向に回転させて、係
止ピン38aを第2の縦溝部48cに移動させることが
できる。なお、本体部31の形状は円盤状に限らず、図
6中、一点鎖線で示すような、ピン支持部材36a,3
6b,36cの間の部分をほぼ三角形状に切除した形状
でもよい。
【0022】上記構成において、係止ピン38a,38
b,38cを黒鉛るつぼ34に係止した状態において、
前記クレーンにより本体部31を上昇させると、黒鉛る
つぼ34を吊上げることができる。上記説明から明らか
なように、各係止ピン38a,38b,38cおよび係
止溝37a,37b,37cにより、吊上げ支持手段3
0の係止手段が構成されている。係止ピン37a,37
b,37cの材質は、係止溝38a,38b,38cと
の擦れにより擦れかすの発生を鑑みて、黒鉛とすること
が好ましい。なお、上述の吊上げ支持手段30に代え
て、例えばドラム缶の上端部をクランプ部材によりクラ
ンプしてクレーンにより吊上げる形態を応用してもよ
い。すなわち、各分割体の上端部に複数の係止突起を等
間隔に形成し、各係止突起にクランプ部材をそれぞれ係
止し、各クランプ部材を1つのクレーンにより上昇さ
せ、黒鉛るつぼを水平に維持した状態で吊上げてもよ
い。
【0023】次に、上述した黒鉛るつぼのハンドリング
装置の使用方法について説明する。上述のように、シリ
コン引上げ装置によるシリコン単結晶の引き上げは、石
英るつぼ35中のシリコン融液に、ワイヤで吊下げた種
結晶を浸し、種結晶と黒鉛るつぼ34とを同方向あるい
は逆方向に回転しながら引き上げる。ところで、現在の
CZ法は、バッチ形式であるため、バッチ終了後、僅か
に残ったSi残湯および石英るつぼ35を破棄しなけれ
ばならず、この破棄にあたっては、石英るつぼ35が嵌
入された黒鉛るつぼ34毎、シリコン引上げ装置外へ取
り出している。この取り出しは、上述のるつぼ吊上げ支
持手段30を使用して、以下のようにして行う。なお、
黒鉛るつぼ34、石英るつぼ35の重量はそれぞれ85
kg,10kg程度である。
【0024】先ず、クレーン(あるいはホイスト等)の
フック33を、吊上げ支持手段(治具)30の本体部3
1の吊り具32に引っ掛け、クレーンを操作しつつ、吊
上げ支持手段30を黒鉛るつぼ34の上方に位置決めす
る。この際、吊上げ支持手段30の3本の係止ピン38
a,38b,38cが黒鉛るつぼ34の係止溝37a,
37b,37cの第1の縦溝部48aの上方に位置させ
る(図4中の一点鎖線で示す係止ピン38a参照)。な
お、図1中、るつぼ軸40は上昇して黒鉛るつぼ34の
取り出し(装着)位置にある。この状態で、クレーンを
操作して、吊上げ支持手段30を下方へ移動させて、3
本の係止ピン38a,38b,38cを係止溝37a,
37b,37cの第1の縦溝部48a内にそれぞれ挿入
させる(図4中の二点鎖線で示す係止ピン38a参
照)。この際、係止ピン38a,38b,38cは、ピ
ン支持部材36a,36b,36cを介して本体部31
に固定された形態なので、係止ピン38a,38b,3
8cは落下せずその取り出し作業の必要性は生じない。
【0025】本体部31を図6中反時計回り方向に回転
させて、係止ピン38a,38b,38cを、分割体3
4a,34b,34cの係止溝37a,37b,37c
の第2の縦溝部48cの下端部にそれぞれ位置させる。
ここで、クレーンを操作して、本体部31を上昇させる
ことにより、係止ピン38a,38b,38cを係止溝
37a,37b,37cの第2の縦溝部48cの上端部
の係止させ(図4中の実線で示す係止ピン38a参
照)、黒鉛るつぼ34を水平状態で吊上げてヒーター4
2外へ取り出すことができる。
【0026】この際、黒鉛るつぼ34の各分割体34
a,34b,34cの外周面は、リング状部材50で規
制されているので、各分割体34a,34b,34cの
外方への広がり(開き)は防止される。また、本発明で
は、各分割体34a,34b,34cの上端部に吊上げ
支持手段30を係止する構成としたので、黒鉛るつぼ3
4の外周面とヒーター42の内周面との間の狭い隙間
(本例では12mm程度)には治具を何等挿入する必要
がない。以上のように、黒鉛るつぼ34の外周面とヒー
ター42の内周面との間の隙間を大きくすることなく、
黒鉛るつぼ34を安定して吊上げることができる。ま
た、黒鉛るつぼ34の外周面とヒーター42の内周面と
の間の隙間(図1中符号K参照、約12mm程度)やヒ
ーター42の長さは、従来と同様で変更がないため、黒
鉛るつぼ34の加熱効率が低下しない上に、黒鉛るつぼ
34の温度条件の制御に変更はない。また、るつぼ軸4
0の移動ストロークは、黒鉛るつぼ34が図1に示す取
り出し(装着)位置において、ヒーター42から僅かに
外れるような小さなストロークでよい。
【0027】この後、さらにクレーンを操作して、吊上
げ支持手段30に吊下げられた黒鉛るつぼ34をクリー
ンブースに搬送して降す。ここで、吊上げ支持手段30
を黒鉛るつぼ34から取外す。ここで、石英るつぼ35
は新品と交換するとともに、黒鉛るつぼ34を点検、清
掃の上、特に支障がなければ再度使用することとする。
なお、黒鉛るつぼ34の点検、清掃は、リング状部材5
0を取外して行うことが好ましい。石英るつぼ35内に
材料を入れ、黒鉛るつぼ34を、以下のようにして再び
引き上げ装置内に設置する。入れる材料の重量は約10
0kgであるために、黒鉛るつぼ34および石英るつぼ
35との総重量は約200kg程度である。
【0028】すなわち、先ず、黒鉛るつぼ34の上端部
に吊上げ支持手段30を係止する。クレーンを操作し
て、黒鉛るつぼ34を吊上げ、シリコン引上げ装置の上
方へ搬送して位置決めする。ここで、クレーンを操作し
て、黒鉛るつぼ34を下降させて、るつぼ受け41に嵌
合させる。この後、本体部31を図6中時計周り方向に
回転させて、各係止ピン38a,38b,38cを係止
溝37a,37b,37cの第1の縦溝部48aに移動
させる。ここで、クレーンを操作して、本体部31を上
昇させると、各係止ピン38a,38b,38cと係止
溝37a,37b,37cとの係止が解除され、本体部
31を黒鉛るつぼ34から取外し、吊上げ支持手段30
を所定の場所に搬送させておく。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を相奏する。
構成の簡単でコストの安い吊上げ支持手段を用いること
ができて、黒鉛るつぼをそれらの各分割体が広がること
なく安定してシリコン引上げ装置から取り出したり、シ
リコン引上げ装置内に設置することができる。しかも、
従来のような黒鉛るつぼの上方においてリンク部材が回
動したりしないので、コンタミ発生も低減する。さら
に、黒鉛るつぼとヒーターとの位置関係(例えば黒鉛る
つぼの外周面とヒーターの内周面との間の隙間、るつぼ
軸の移動ストロークおよびヒーターの長さ等)を変更す
る必要がなくて、ヒーターによる黒鉛るつぼの加熱効率
が低下しないとともに、温度制御を変更する必要もな
く、極めて実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引上げ装置用黒鉛るつぼの一実施形態
例に、るつぼのハンドリング装置を装着した状態を示
す、シリコン引上げ装置の断面図(黒鉛るつぼ等は図2
のB−B断面)である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明に係わる黒鉛るつぼの概略斜視図であ
る。
【図4】本発明に係わる黒鉛るつぼおよび係止ピンの係
止状態を示す、黒鉛るつぼの正面図である。
【図5】本発明に係わる黒鉛るつぼの上端面の要部平面
図(上面図)である。
【図6】図1に示した吊上げ支持手段(治具)の平面図
(上面図)である。
【図7】本発明の黒鉛るつぼの変形例を示す断面図であ
る。
【図8】従来の黒鉛るつぼおよびるつぼ取り出し治具
(ハンドリング装置)の上面図で、2分割の黒鉛るつぼ
に前記ハンドリング装置を取付けた状態を示す。
【図9】図8の黒鉛るつぼハンドリング装置の側面図
で、るつぼ軸に2分割の黒鉛るつぼを取付けた状態を示
している。
【図10】他の従来のるつぼハンドリング装置の要部正
面図である。
【符号の説明】
30 吊上げ支持手段 31 本体部 32 吊り具 33 フック 34 黒鉛るつぼ 34a,34b,34c 分割体 35 石英るつぼ 36a,36b,36c ピン支持部材(ブラケッ
ト) 37a,37b,37c 係止溝(係合部) 38a,38b,38c 係止ピン(係止手段) 40 るつぼ軸 41 るつぼ受け 42 ヒーター(黒鉛ヒーター) 43 インナーシールド 44 チャンバー 46a,46b,46c 上端面 48a 第1の縦溝部 48b 横溝部 48c 第2の縦溝部 50 リング状部材 51a,51b,51c ボルト 52a,52b,52c 溝部 54 黒鉛るつぼ 54a,54b 分割体 56 リング状部材 57a,57b ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−165290(JP,A) 特開 平6−329494(JP,A) 特開 平5−286685(JP,A) 特開 平5−286688(JP,A) 特開 昭64−42387(JP,A) 特開 平7−25694(JP,A) 特開 平9−30888(JP,A) 特開 平6−345587(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01L 21/208

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引上げ装置内に設置される、周方向に複
    数の分割体に分割されてなる黒鉛るつぼにおいて、 前記黒鉛るつぼの下端部に外装されかつ各分割体に固定
    されるリング状部材を備え、各分割体の上端部には、所
    定の吊上げ支持手段に係止可能な係合部がそれぞれ形成
    されていることを特徴とする引上げ装置用黒鉛るつぼ。
  2. 【請求項2】 前記リング状部材が黒鉛により構成され
    ている請求項1に記載の引上げ装置用黒鉛るつぼ。
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