JP3247770B2 - グリシド−ルの精製方法 - Google Patents

グリシド−ルの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリシド−ルの精製方
法に関するものである。グリシド−ルは、グリシジルエ
ーテル、グリシジルエステル、グリセリンエーテル、グ
リセリンエステル、アミノプロパンジオール等、医薬
品、塗料、半導体用UV硬化剤の中間体の原料として有
用な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、アリルアルコ−ルおよび過酸化水
素を反応させて得られるグリシドールの精製は以下のよ
うに行なわれていた。すなわち、未反応のアリルアルコ
ール、水の一部およびアクロレイン等の反応によって副
生した低沸物質を除き、さらに、触媒および、副生する
グリセリンおよびグリセリンアリルエーテル等の高沸点
成分を除く。次いで、通常の、塔頂において適当な還流
比をとる蒸留が行われ、サイドカットにより製品グリシ
ドールが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知の
製造プロセス(例えば特公昭60−55512号公報)
に基づいてグリシドールの製造を行ったところ、製品中
へのアクリル酸やグリシドアルデヒド、さらには、グリ
セリンやグリシドグリセリンエーテルなどの混入率が高
く、グリシドールの熱安定性は良好であるとは言えなか
った。
【0004】すなわち、前述の実験で得られたグリシド
ールは純度99.3%程度であり、このグリシドールを
25℃付近の温度で貯蔵した場合、グリシドール含有量
の低下は月当り約2%であった。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、高純度かつ熱安定性の
優れたグリシドール、さらには、品質の優れたグリシド
ール誘導体を与えることが可能なグリシドールを得るた
めの精製方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋭意検討を重
ねた結果、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、高純度かつ熱安定性の優れたグリシドールを得るこ
とのできるグリシドールの精製方法を見出だしたことに
基づいている。
【0007】すなわち、本発明は、「触媒の存在下、ア
リルアルコ−ルおよび過酸化水素を反応させて得られる
グリシドールを含む反応粗液より脱低沸、脱高沸処理し
た粗グリシドールをサイドカットラインを有する蒸留塔
において精製する際、該サイドカットラインに少なくと
も理論段2段を有するサイドカット塔を設置することを
特徴とするグリシドールの精製方法」である。
【0008】通常グリシドールの製造は、反応工程、脱
低沸工程、脱高沸工程、製品化工程の順で行われるが、
ここでそれ以前の工程とは反応工程、脱低沸工程、脱高
沸工程の1つまたは複数を指す。このプロセスにおい
て、製品中のアクリル酸やグリシドアルデヒド、さらに
は、グリセリンやグリシドグリセリンエーテルなどの混
入率を下げるため製品塔の段数を増やすと圧力損失が大
きくなる。
【0009】すなわち、塔底の温度が高くなり、グリシ
ドールの高沸点物への変化が促進され、好ましくない。
【0010】また、製品塔の段数増と低圧力損失を満た
すことのできる規則充填物塔を用いれば、目的は達成で
きるが、規則充填物は高価であり経済的に見て好ましく
ない。 本発明のポイントは、製品中のアクリル酸やグ
リシドアルデヒド、さらには、グリセリンやグリシドグ
リセリンエーテルなどの混入率を下げるため、サイドカ
ットラインを有する蒸留塔の該サイドカットラインに少
なくとも理論段2段を有するサイドカット塔を設置した
ことにある。
【0011】理論段2段未満ではグリシドール純度が9
9.7%に到達しない。
【0012】また、理論段の上限に制限はないが、設備
経済性、圧力損失の観点から5段程度で充分である。な
お、理論段1段は通常、実段2〜3に相当する。
【0013】粗グリシドールを製品化塔へフィードする
位置はサイドカットライン抜き出し位置より上部で、か
つ、製品化塔の全段数の下から45%〜75%程度にする必
要がある。
【0014】また、サイドカットラインからの抜き出し
液は通常、サイドカット塔の全段数の下から0%〜20%
程度にする必要がある。位置がサイドカット塔の下部か
ら20%以上では低沸物の混入量が多くなり、好ましくな
い。
【0015】本発明における具体的なプロセスの1例を
ブロック図で示した添付の図1に基づいて説明する。こ
こでは製品化工程を示している。
【0016】図1において、1−1から6−6は各機器
を結ぶ導管、9/9は薄膜式蒸発器である。
【0017】7/7は製品化工程における蒸留塔、8/
8が本発明のポイントであるサイドカットラインに設置
したサイドカット塔、10−10、11−11は熱交換
器である。製品化工程の蒸留塔7/7における還流比は
2〜3程度にすることが好ましい。この還流比が3以上
ではエネルギ−の損失が多くなるので、好ましくない。
逆に、2以下にすると低沸物の混入量が多くなり、好
ましくない。
【0018】脱触媒処理された液1−1は7−7の製品
化塔へフィードされ、グリシドールおよび微量の高沸成
分を含む気化物は3−3を通り、サイドカット塔8/8
にフィードされる。製品グリシドールは11−11の熱
交換器を経て5−5より得られる。サイドカット塔8/
8における還流比は0.5〜0.8程度にすることが好まし
い。この還流比が0.8以上ではエネルギ−効率が悪いの
で好ましくない。逆に、0.5以下にすると製品中のハイ
ボイラ−量が多くなり、好ましくない。
【0019】微量の低沸成分は水とともに10−10の
熱交換器を経て2−2より系外へ抜かれる。製品化塔の
缶出液は6−6を通って系外へ抜かれる。
【0020】サイドカット塔8/8の缶出液は4−4を
通って7−7の製品化塔へ戻される。 各機器を結ぶ導
管1−1から6−6を流れる物質の組成は概略以下の通
りである。(重量%) 1−1:グリシドール 50〜65% 水 30〜45% 低沸点成分 0.2〜 0.6% 高沸点成分 0.3〜 0.7% 2−2:グリシド−ル 1〜7% 水 92〜98% その他 0.5〜1.5% 3−3:グリシド−ル 98.5〜99.3% 高沸点成分 95〜98% 4−4:グリシド−ル 95〜98% 高沸点成分 2〜5% 5−5:グリシド−ル 99.6〜99.8% 高沸点成分 0.2〜0.4% 6−6:グリシド−ル 50〜80% 高沸点成分 20〜50%ここで低沸点成分とはア
リルアルコール、グリシドアルデヒドなどを示す。
【0021】ここで高沸点成分とはグリセリン、グリセ
リンアリルエ−テル、グリセリン多量体などを示す。
【0022】この発明によるグリシド−ルの純度および
熱安定性向上に対する効果を、以下の実施例によりさら
に詳しく説明する。
【0023】
【実施例1】反応後、脱低沸処理、脱高沸処理した液6
75.9Kg/時間(グリシド−ル濃度59.6重量
%)を図1の1−1よりサイドカットライン3−3に理
論段2段(実段5段)を有するサイドカット塔8−8を
設置した製品化塔7−7へフィ−ドした。
【0024】その結果5−5より350.2g/時間
(グリシド−ル濃度99.7重量%)で製品グリシド−
ルが得られた。
【0025】一貫収率は75.5%であった。
【0026】このグリシドールを25℃で貯蔵した場
合、グリシドール含有量の低下は月当り約1.3%であ
った。
【0027】
【比較例1】サイドカットライン3−3に理論段1.2段
(実段3段)を有するサイドカット塔8−8を設置した
製品化塔7−7へフィ−ドした以外は実施例1と同様の
条件で運転した。その結果5−5より351.0g/時
間(グリシド−ル濃度99.5重量%)で製品グリシド
−ルが得られた。
【0028】このグリシドールを25℃で貯蔵した場
合、グリシドール含有量の低下は月当り約1.7%であ
った。
【0029】
【比較例2】製品化工程は図1よりサイドカット塔を取
り除き、製品化塔よりのサイドカットで製品を得る装置
により実験を行った。それ以前の工程は実施例1と同様
にして行った。すなわち、反応後、脱低沸処理、脱高沸
処理した液675.9Kg/時間(グリシド−ル濃度5
9.6重量%)%)を製品化塔へフィ−ドした。
【0030】その結果353.2Kg/時間(グリシド
−ル濃度99.3重量%)で製品グリシド−ルが得られ
た。
【0031】一貫収率は75.8%であった。このグリ
シドールを25℃で貯蔵した場合、グリシドール含有量
の低下は月当り約2%であった。
【0032】
【発明の効果】触媒の存在化、アリルアルコ−ルおよび
過酸化水素を反応させて得られるグリシドールを含む反
応粗液より脱低沸、脱高沸処理した粗グリシドールをサ
イドカットラインを有する蒸留塔において精製する際、
該サイドカットラインに少なくとも理論段2段を有する
サイドカット塔を設置することにより高純度かつ熱安定
性に優れた品質のよいグリシド−ルを製造することが可
能になった。(以下余白)
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法を実施する具体的なプロセ
スの1実施態様を示したブロック図である。
【符号の説明】
1−1〜6−6:各機器を結ぶ導管 7/7:製品化工程における蒸留塔 8/8:サイドカットラインに設置したサイドカット塔 9/9:薄膜式蒸発器 10−10:熱交換器 11−11:熱交換器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下、アリルアルコ−ルおよび
    過酸化水素を反応させて得られるグリシドールを含む反
    応粗液より脱低沸、脱高沸処理した粗グリシドールをサ
    イドカットラインを有する蒸留塔において精製する際、
    該サイドカットラインに少なくとも理論段2段を有する
    サイドカット塔を設置することを特徴とするグリシドー
    ルの精製方法。
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