JP3247159B2 - 電子線加熱蒸着装置 - Google Patents

電子線加熱蒸着装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギーで電子線
を高融点金属に照射して蒸発させ、その蒸気を試料や基
板等の被蒸着物表面に入射させて、高融点金属を蒸着す
る電子線加熱蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄い高分子薄膜上に形成される半導体装
置の電極を形成する場合、或は、電子顕微鏡等の試料の
作製に於て微細構造の観察にしばしば金属の蒸着が利用
される。例えば、電子顕微鏡で観察するためには微粒子
であることが要求されるため、白金やカーボン、あるい
はモリブデン、タンタル、タングステン等の高融点金属
が使われる。このような高融点金属の蒸着にはもっぱら
電子線加熱法が利用される。
【0003】図2に従来の電子線加熱蒸着装置の構成を
示しており、左側に電子銃の電極構成を、右にその電源
部の回路を示す。1は、蒸発させる金属mを先端に取り
付けた棒状のアノードで、通常はアース電位に置かれ
る。2は、前記アノード1の先端に設けた金属mを囲む
ように設けられた電子を発生するフィラメントで、電流
を流して熱電子を発生させると同時に、負の高電圧を印
加して発生した電子を加速する。3は、フィラメント2
で発生した電子をアノード1の先端に収束させるための
収束電極であり、フィラメント2と同一電位に接続され
る。従来、この収束電極3は、形状が単なる2枚の平板
電極からなり、これでリング型フィラメント2を挟み、
これにアノード1を通す孔と、蒸発した金属粒子が通過
する孔をそれぞれ上下に設けている。4、5は、金属m
の蒸気の被蒸着物sへの照射経路vで対向し、そこを通
過する熱電子や2次電子、イオン等の荷電粒子を偏向
し、それらによる被蒸着物sの損傷を防止するための偏
向電極である。この偏向電極は、負の偏向電極4と正の
偏向電極5とからなる。この電子銃を動作させる電源部
は、直流高電圧発生器6と可変電圧調節器7、及びフィ
ラメント加熱電流発生器8と可変電流調節器9よりな
り、図2の如く結線される。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】前記従来の電子線
加熱蒸着装置では、フィラメント2を挟んで相対して設
置された収束電極3の収束効率が不十分で、アノード1
先端への電子の収束力が弱く、集束電極3の間隙から、
アース電位とされた図示されてない真空チェンバーの壁
面に向かって一部の電子が逸散する。この損失を補うた
め、フィラメント2での電子加速電圧を高めて、電子の
速度を増大させ、放出電子流を増やすためにフィラメン
ト電流を増加させている。このように電子加速電圧を高
め、電子電流を増やすと、同時に荷電粒子も増加し、そ
のエネルギも大きくなって偏向電極4、5による偏向効
率が低下する。
【0005】例えば、従来の電子線加熱蒸着装置で、白
金の場合のフィラメント2に印加する電子加速電圧は、
2.5kV以上であり、モリブデンやタングステンに至
っては、4〜5kVで、それぞれ70〜100mAの衝
撃電流を必要とする。このような高い電力によって溶融
蒸発された金属粒子は、高いエネルギで被蒸着物sを衝
撃する。加えて、フィラメントからの輻射熱、発生した
電子やイオンなどの荷電粒子もエネルギが過大のため、
フィラメントと同電位にある偏向電極のみでは完全に排
除できず、被蒸着物sに衝突し、その表面の微細構造を
損傷する。
【0006】近時生物研究のみならず新素材開発研究に
は電子顕微鏡による原子オーダーの観察が行われるが、
高融点金属の蒸着の際に生ずる構造変化が問題となり、
改善が要求されるようになった。そこで、本発明は、集
束電極での集束効率を高めることで、比較的低い電力で
高融点金属を溶融蒸発させることが出来、限られた空間
の真空チェンバー内で被蒸着物に熱損傷等の損害を与え
ることなく金属の真空蒸着を可能にすることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明では、
前記の目的を達成するため、蒸発させる金属mを取り付
けたアノード1と、該アノード1に取り付けた前記金属
mを囲むように形成された電子発生用のフィラメント2
と、該フィラメント2で発生した電子を前記アノード1
に取り付けた金属mに集束させる集束電極3と、被蒸着
物sへ向けて金属粒子が照射される金属粒子の通過経路
v上に配置され、金属m側から被蒸着物sに向けて飛来
する荷電粒子を偏向する偏向電極4、5とを備える電子
線加熱蒸着装置において、前記集束電極3を、アノード
1の挿入部分及び金属粒子の通過経路vを除いてフィラ
メント2を全方向から囲む形状とすると共に、同集束電
極3をフィラメント2よりさらに負の電位とし、偏向電
極が、前記集束電極3から金属粒子の通過経路v側に延
設した負の偏向電極4と、金属粒子の通過経路vを挟ん
で該負の偏向電極6に対向させた正の偏向電極5とから
なることを特徴とする電子線加熱蒸着装置。を提供す
る。
【0008】
【作用】被蒸着物に熱損傷等の損害を与えるのを防止す
るためには、第一に、電子加速電圧を下げ、且つ電子電
流を少なくして、蒸発した金属粒子のエネルギを低下さ
せることが必要である。第二に、フィラメントからの輻
射熱を少なくするためフィラメント電流を少なくして、
絶対温度を下げ、輻射熱による被蒸着物sの熱的損傷を
少なくし、併せて荷電粒子を偏向する偏向電極の効果を
強化し、電子銃内で発生するイオンや二次電子を完全に
取り除き、純粋に金属粒子のみが被蒸着物sに到達する
ようにすることである。本発明では、フィラメント2を
包むような形状の収束電極3を用い、この収束電極3を
フィラメント2より更に負の電位に置いているため、そ
の中から散逸する電子を少なくすることができる。これ
により、収束電極内で発生した荷電粒子の中の負電荷の
粒子は、収束電極3内に閉じ込められ、正電荷の粒子は
収束電極3に吸収される。また、一部金属粒子と共に被
蒸着物sの方向に放出される荷電粒子は、収束電極の一
部を負の偏向電極4とし、これに対向して正のアース電
位の偏向電極5を配置することにより、完全に取り除く
ことができる。
【0006】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図1を参照
しながら、詳細に説明する。なお、図1において、先に
説明した従来例と同じ部分は、共通の符号で示した。こ
こで、電子銃におけるアノード1とフィラメント2は、
前記従来例と同一形状とし、さらにアノード1はアース
電位におき、フィラメント2に電子加速電圧を印加する
ことも同様である。
【0007】他方、収束電極3の形状は、単なる並行平
板とせず、周囲のチェンバー壁等のアース電位にある部
位に対してフィラメント2を完全に覆うように、同フィ
ラメント2を包囲する形状としている。すなわち、収束
電極3は、アノード1を挿入する孔と蒸発した金属粒子
の通過経路vとなる孔とが対向して設けられ、ている
が、これらの孔を除いて、集束電極3がフィラメント2
を全方向から囲む形状としている。さらに、金属粒子の
通過経路vの部分を下方に延長し、荷電粒子を偏向する
ための負の偏向電極4を形成し、これに対向してアース
電位の正の偏向電極5を配置している。
【0008】このような構成の電子銃に接続される電源
部は、直流高電圧発生器6の入力側を可変電圧調整器7
で出力電圧を調節し、フィラメント加熱電流発生器8も
その入力側を電圧調整器9でフィラメントに希望の電流
を供給することは従来の装置と同じである。このような
構成において、直流高電圧発生器6のマイナス側は収束
電極3に接続し、収束電極3とフィラメント2との間は
抑制抵抗12を通して接続する。この抑制抵抗12は、
可変電圧電源に変えることができる。電子加速電圧のプ
ラス側は電流計10を経てアースに接続する。電子加速
電圧の監視はフィラメント端子とアース間に電圧計11
を接続する。
【0009】次に、前記実施例による電子線加熱蒸着装
置の金属蒸着動作について述べる。図1の左側の電子銃
を所望の真空チェンバー内に配置し、真空チェンバー内
を真空排気する。真空度が10-3〜10-4Paに到達し
たらアノード1とフィラメント2の間に高電圧を印加す
る。印加する電圧V1 は蒸発源となる金属mによって異
なるが、例えば、白金は2kV、カーボンは2.5k
V、タングステン等は3kVが適当である。電圧が印加
されたら次にフィランメント2に電流を流す。電流値I
は後述のようにして決定するが、抵抗値Rの抑制抵抗1
2の中で降下する電圧をI×R=V2 とした場合、その
降下電圧V2 が印加電圧の5〜10%になるような電流
値Iが適当である。例えば、白金の場合、2kVの5%
は100V、従って電流Iは接続した抵抗Rが2kΩの
場合は50mAとなる。この時100Vが収束電極3で
の抑制電圧となる。これにより、フィラメントから放出
された電子を収束電極3外に散逸することを抑制し、効
率よくアノード1の先端の金属mに電子を集中し、加熱
する。このとき、アノード先端を加熱するエネルギは
(V1−V2)×Iである。
【0010】電流値Iは求める蒸発速度に応じて決め
る。即ち薄い蒸着膜を希望する時は電流を少なくし、逆
に短時間に厚い蒸着膜を希望する時は電流を多くするこ
とは従来の装置と同じである。しかし、本発明の装置に
おいては、電流を増すほど収束電極3の抑制力と収束力
が増大してアノード1の先端に効率よく電子が収束さ
れ、金属の蒸発速度が加速される。金属を蒸発させるエ
ネルギは、(V1−V2)×Iであるから抑制電圧V2
大きくするため抵抗Rを大きくし、電流Iを少なくする
ことには限界が有ることは勿論である。
【0011】蒸発した金属粒子は、アノード1に対して
設けられた収束電極3の孔を通り抜けて被蒸着物sの方
向に放出されるが、金属粒子の通過経路vに負の偏向電
極4が形成され、その電圧は、集束電極3と同電位であ
り、フィラメントより更に負側にあるので、これと対向
して設置された正の偏向電極5との間に生じる偏向力に
よって、集束電極3内で発生した荷電粒子は効率良く取
り除かれ、被蒸着物sの損傷が回避される。具体的に
は、従来の装置での電流効率は70%以下であるが、本
発明による装置では、ほぼ90%の効率に改善される。
特に加速電圧と電流の積の値で比較すると、金属の蒸着
速度は3倍以上に改善され、被蒸着物sの荷電粒子損傷
は全く認められない。
【0012】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、集
束電極での抑制効果により、高い電流効率で高融点金属
を溶融蒸発させることが出来、限られた空間の真空チェ
ンバー内で被蒸着物に熱損傷等の損害を与えることなく
金属の真空蒸着を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による電子線加熱蒸着装置を示
す概略構成図である。
【図2】従来の電子線加熱蒸着装置の例を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1 アノード 2 フィラメント 3 収束電極 4 負の偏向電極 5 正の偏向電極 6 直流高電圧発生器 7 可変電圧調節器 8 フィラメント加熱電流発生器 9 可変電圧調節器 10 電流計 11 電圧計 12 抑制抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01J 27/00 - 27/26 H01J 37/04 H01J 37/06 - 37/08 H01J 37/248

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発させる金属mを取り付けたアノード
    1と、該アノード1に取り付けた前記金属mを囲むよう
    に形成された電子発生用のフィラメント2と、該フィラ
    メント2で発生した電子を前記アノード1に取り付けた
    金属mに集束させる集束電極3と、被蒸着物sへ向けて
    金属粒子が照射される金属粒子の通過経路v上に配置さ
    れ、金属m側から被蒸着物sに向けて飛来する荷電粒子
    を偏向する偏向電極4、5とを備える電子線加熱蒸着装
    置において、前記集束電極3を、アノード1の挿入部分
    及び金属粒子の通過経路vを除いてフィラメント2を全
    方向から囲む形状とすると共に、同集束電極3をフィラ
    メント2よりさらに負の電位とし、偏向電極4、5が、
    前記集束電極3から金属粒子の通過経路v側に延設した
    負の偏向電極4と、金属粒子の通過経路vを挟んで該負
    の偏向電極6に対向させた正の偏向電極5とからなるこ
    とを特徴とする電子線加熱蒸着装置。
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