JP3246724U - 防虫繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯、使用等を繰り返しても虫忌避剤が早期に失われず長期間防虫効果を発揮し、且つ風合いにも優れる防虫繊維を提供する。【解決手段】防虫繊維は、虫忌避剤を含有する熱可塑性樹脂を含み、異形度が0.05~0.80の範囲である。【選択図】図1

Description

本考案は防虫繊維および該防虫繊維を含む繊維製品に関する。より詳細には、本考案は、洗濯や外部からの物理的な応力の繰り返しによっても、繊維から虫忌避剤が脱落しにくく、長期にわたって良好な防虫効果を持続することのできる防虫繊維に関する。
近年、熱帯や亜熱帯で発生していたマラリヤ、デング熱、ジカ熱などの感染症が、地球温暖化とともに比較的高緯度の地域にも広がっており、日本においてもその危険性が指摘されるようになってきている。
これらの感染症は、蚊が媒介する病気であり、これを防ぐために、防虫スプレー、防虫衣料、防虫網戸、防虫蚊帳などが利用されており、特に、防虫衣料は、人肌を直接防御するものであるため、防虫機能を有する種々の生地が提案されてきた。
例えば、特許文献1では、防虫剤を担持した無機微粒子を含有する熱可塑性重合体成分と防虫剤非含有の熱可塑性重合体成分との防虫複合繊維が提案されており、さらにこの防虫複合繊維を用いた蚊帳や網戸などの繊維製品が提案されている。
特開2003-201626号公報
しかしながら、虫忌避剤(防虫剤)を繊維表面に付着させた防虫繊維は、洗濯などを繰り返したり、着用時に加わる外力などによって、繊維から虫忌避剤が脱落し易く、防虫効果を長期にわたって維持することは困難であった。しかも、接着樹脂を用いて虫忌避剤を繊維表面に付着させているため、風合が硬くなるという問題があった。また、虫忌避剤を繊維全体に直接含有させた防虫繊維では、虫忌避剤は一般に熱可塑性重合体の溶融紡糸温度よりも低い温度で揮発したり分解したりすることが多いため、溶融紡糸時に虫忌避剤が揮発や分解などによって失われ易く、虫忌避剤の配合量に見合った防虫効果を発揮することが困難であった。
本考案の目的は、洗濯、使用、着用などを繰り返しても、虫忌避剤が繊維から早期に失われず長期にわたって優れた防虫効果を維持することのできる防虫繊維を提供することである。また、最初から優れた防虫効果を有し、その優れた防虫効果が長期間持続する防虫繊維を提供することである。さらに、虫忌避剤を使用しても繊維が硬くならず、良好な風合を有する防虫繊維を提供することである。
本考案者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本考案を完成させるに至った。すなわち、本考案は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]虫忌避剤を含有する熱可塑性樹脂を含み、異形度が0.05~0.80の範囲である、防虫繊維。
[2]異形断面が三角断面又は葉状断面である、前記[1]に記載の防虫繊維。
[3]前記葉状断面において、葉数が3~10である、前記[2]に記載の防虫繊維。
[4]前記虫忌避剤がイカリジン、およびp-メンタン-3,8-ジオールから選ばれる少なくとも1種である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の防虫繊維。
[5]単糸繊度が0.1~10dtexである、前記[1]~[4]に記載の防虫繊維。
[6]前記[1]~[5]のいずれかに記載の防虫繊維を含む、繊維製品。
本考案の防虫繊維およびそれを含む繊維製品は、洗濯、使用、着用などを繰り返しても、虫忌避剤が繊維から早期に失われず長期にわたって優れた防虫効果を維持することができる。また、本考案の防虫繊維は、最初から優れた防虫効果を有し、その優れた防虫効果が長期間持続し、且つ繊維断面の異形度によるしなやかな風合いを有する。
異形断面の種類の例を示す、繊維断面の模式図である。
以下に本考案について詳細に説明する。なお、本考案は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本考案において防虫とは、吸血性の虫などを忌避することで、人や動物から吸血することを防ぐことを指し、ここで吸血性の虫とは、蚊、アブ、ブヨ、マダニ、ヤマビルなど、人や動物から吸血する虫を意味する。
繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、繊維形成能を有すれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン-ビニルアルコール系共重合体などの熱可塑性樹脂を挙げることができ、その中でもポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。
また、繊維の形態としては特に制限はなく、マルチフィラメント、モノフィラメントなどを挙げることができる。好ましくはマルチフィラメントであり、構成するフィラメント数は2~200本が好ましく、2~100本がより好ましい。また長繊維であっても、またはそれをカットしてなる短繊維のいずれでもよく、用途などに応じて選択することができる。
本考案の繊維の単糸繊度は、0.1~10dtexであることが好ましい。1~8dtexがより好ましく、2~7dtexがさらに好ましい。上記上限値より大きいと、生地の軽量性を得ることが難しい場合があり、上記下限値より小さいと、高コストとなる場合がある。
本考案を構成する繊維は、通常の溶融紡糸方法で製造することができる。なお、原料の熱可塑性樹脂には、例えば特許第3963941号に記載の方法を用いて、予め虫忌避剤を練り込んでおくことができる。また、無機微粒子に虫忌避剤を担持させ、練り込んでおいてもよい。
本考案の防虫繊維を製造する際の紡糸速度などは特に制限されず、従来と同様にして行うことができ、好ましくは500~5000m/分で引き取ることができ、引き取り速度1000~3000m/分であることがより好ましい。引き取り速度が上記下限値未満の場合は生産性が低下し、また加熱帯域において繊維の延伸が十分に行われなくなり、得られる繊維の機械的物性が低下する場合がある。引き取り速度が上記上限値を超えた場合は安定な高速紡糸性が得られにくく、また加熱帯域において繊維の延伸が十分に行われなくなり、得られる防虫繊維の機械的物性が低下する場合がある。
本考案の繊維は虫忌避剤を含んでおり、蚊などの吸血性の虫などを忌避することができる。この虫忌避剤の種類は特に限定されないが、人や動物の体の素肌に着用することを考慮して、皮膚に対する刺激性の低い、イカリジンやDEET、p-メンタン-3,8-ジオール、またピレスロイド系の虫忌避剤を用いることができる。このうち、皮膚に対する低刺激性を有し、防虫スプレー用途で厚生労働省の認可を受けている安全性の高いイカリジンやp-メンタン-3,8-ジオールが好ましく、DEETよりも蒸気圧が低く、蒸散速度が低いイカリジンが、より長期間の防虫効果が期待できることから特に好ましい。なお、これらの虫忌避剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本考案の繊維における上記虫忌避剤の含有量は、虫忌避剤の種類、防虫繊維の用途などに応じて調整し得るが、防虫性能の長期持続性、加工性などの点から、本考案の繊維の質量に基づいて、1.0質量%以上が好ましく、3.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上がさらに好ましい。また、含有量の上限値は30質量%以下であってもよい。
なお、虫忌避剤は、繊維表面に付着させてもよく、繊維を構成する樹脂中に練り込んでいてもよい。原料の繊維中に練り込まれている場合には、より長期間にわたって徐々に蒸散するため、防虫効果が発揮される期間が長くなり、好ましい。また、繊維中に虫忌避剤が練り込まれている方が、虫忌避剤によるべたつきの影響が小さいため、好ましい。
本考案の防虫繊維は複合繊維であってもよい。熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の割合は、繊維を構成する熱可塑性樹脂の種類、繊維の用途、熱可塑性樹脂(A)における虫忌避剤を担持した無機微粒子の含有量などに応じて異なり得るが、熱可塑性樹脂(A)/熱可塑性樹脂(B)=10/90~90/10の質量比であることが、防虫性能、防虫複合繊維を製造する際の溶融紡糸性、防虫複合繊維の力学的特性などの点から好ましく、30/70~70/30の質量比であることがより好ましい。
本考案の繊維は、本考案の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。添加剤の例としては、成形加工時の流動性を向上させるためのパラフィン系オイルおよびナフテン系オイル等の鉱物油軟化剤;耐熱性および耐候性等の向上、または増量等を目的とする炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウムおよび炭酸マグネシウム等の無機充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着剤、粘着付与剤、可塑剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤、顔料、表面処理剤等を挙げることができる。これらを含む場合、その含有量は本考案の繊維の質量に基づいて、好ましくは0.001~3.0質量%、より好ましくは0.01~2.0質量%である。
また、本考案の防虫繊維の横断面形状の異形度は0.05~0.80の範囲である。異形度とは、後述する式で表される値である。異形度が上記下限値未満の場合、繊維断面形状の凹凸変化が小さくなり、繊維の比表面積が小さくなり、防虫効果が発揮されにくくなる場合がある。一方、異形度が上記上限値を越えると、繊維断面形状の凹凸変化が大きくなり、防虫効果を長期にわたって維持することが困難になり、繊維の製造工程で損傷を受けやすく、フィブリル化の問題が生ずる場合がある。異形度を上記範囲に調整することで、初期蒸散量のアップによる初期性能の確保と、優れた防虫効果を長期間持続できるバランスの良い比表面積に調整することができる。上記異形度を満たす断面形状としては、例えば、三角断面又は葉状(3~10葉)断面、多角形断面であってもよい。好ましくは図1に示されるような三角断面や、3~8葉断面のものが挙げられる。
本考案の防虫繊維は、屋内および屋外の防虫が求められる環境下において、さまざまな製品形態にして用いることができ、したがって本考案の繊維製品は、本考案の防虫繊維を用いて製造した各種繊維製品、例えば、糸、布帛、紙、その他一般的に公知である繊維構造体、それらを用いてなる各種製品を包含する。生地は、織物の場合、通常の織機で製造することができる。経糸、緯糸ともに虫忌避剤を含有する繊維を用いてもよいし、経糸または緯糸のどちらか一方に、虫忌避剤を含有する繊維を用いて製造することもできる。編物の場合、虫忌避剤を含有する繊維を用いて、経編、丸編、緯編などの方法で製造することができる。不織布の場合、虫忌避剤を含有する樹脂を用いて、例えば、スパンボンド法などにより不織布を製造することができる。無機微粒子に担持させた虫忌避剤が防(殺)蚊剤である本考案の防虫繊維(防蚊用繊維)の場合は、例えば、メッシュ状の織物ヤラッシェル編みなどの編物の形態にして蚊帳、網戸、カーテンなどとして、通常の織編物や不織布の形態にして帽子、手袋、靴下、上着、ズボン、シャツ、浴衣、作業着(森林作用着、農業用作用着、ガーデニング作用着など)、テントなどのアウトドア製品などに利用することができる。また、無機微粒子に担持させた虫忌避剤が防(殺)ダニ剤である本考案の防虫繊維の場合は、寝具類、カーペット類、クッションシート類、ベッド関連商品などに利用することができる。前記した種々の製品は、本考案の防虫繊維のみを使用して製造しても、または他の繊維との混用で製造してもよい。
以下に、本考案を実施例に基づいて説明する。なお、本考案は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本考案の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本考案の範囲から除外するものではない。
<繊維の異形度>
繊維の異形度は、繊維断面の光学顕微鏡写真を撮影し、下記式により測定、算出した。
異形度=R/L
(ただし、繊維断面においてLは隣り合う先端部A、Bを結ぶ線の長さABであり、Rは該隣り合う先端部の中間に位置する窪みDとDから線ABへの垂線の交点をCとした時の長さCDを示す。)
<防虫性>
防虫性は、対象を蚊として、その飛来を阻止できた割合を、下記式により測定、算出した。
蚊の飛来阻止率(%)={(対照の累積飛来数-検体の累積飛来数)/対照の累積飛来数}×100
実施例および比較例で得られた繊維を用いて作製した筒編地の初期の飛来阻止率を測定した。試験方法は被験者の手に厚手の木綿製軍手を填めた上に検体を巻き付け、できるだけ皺にならないように輪ゴムでとめる。対照は厚手の木綿製軍手と木綿製内履き手袋を重ねて填めた状態とする。供試虫(ヒトスジシマカ成虫:羽化後10日前後経過)100固体を放った28×28×28cmの全面ナイロンゴース貼りのケージに手首から先を5分間挿入し、1分毎に5回、検体の上に止まった供試虫の数を数え累積飛来数とした。なお、試験の繰り返し回数は1回とした。また、試験室の温湿度は26.4℃、72%Rhであった。以上の結果を表1に示す。
<防虫性の持続性評価>
上述の蚊の飛来阻止率において、封包装から出して、温度25~30℃、相対湿度50~70%RHの環境下に暴露し、一か月経過後に同様に測定し、以下の基準により、防虫性の持続性を評価した。以上の結果を表1に示す。
1か月経過後の蚊の飛来阻止率が95%以上…◎
1か月経過後の蚊の飛来阻止率が95%未満90%以上…〇
1か月経過後の蚊の飛来阻止率が90%未満75%以上…△
1か月経過後の蚊の飛来阻止率が75%未満…×
(実施例1)
まず、ポリプロピレン(PP)(株式会社プライムポリマー製、商品名:J-700GP)とセプトン2014(株式会社クラレ製、商品名:SEPS2104)とイカリジン(ランクセス社製、商品名:サルチジン)とを、70/15/15の質量比率にて2軸混錬機を用いて練り込み、イカリジンを15質量%含有するポリプロピレンを得た。
次に、このイカリジン含有ポリプロピレンとポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製、商品名:S119)とを、1/2の質量比率で混合し、口数24個の5葉型スリットの口金を用いて、紡糸温度200℃で単孔吐出量0.83g/分で紡出し、温度20℃、湿度60%の冷却風を0.5m/秒の速度で紡出糸条に吹付けた。次いで、ローラーを介して、捲取速度2000m/分で100dtex/24フィラメント(単糸繊度4.2dtex)の繊維を製造した。
次に、作製したマルチフィラメントを用いて、18ゲージの丸編装置を使用して、平編み組織にて直径約10cmの筒編地を作製し、これにより得られた編地の防虫性とその持続性を評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(実施例2~5)
口金を表1に記載の断面に変更した以外は、上述の実施例1と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
セプトン2014(株式会社クラレ製、商品名:SEPS2104)、イカリジン(ランクセス社製、商品名:サルチジン)と70/15/15の質量比率にて2軸混錬機する樹脂をポリエチレン(PE)樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックHD-HJ490)に変更し、イカリジン含有ポリエチレンとポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックHD-HJ490)とを、1/2の質量比率で混合した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
セプトン2014(株式会社クラレ製、商品名:SEPS2104)、イカリジン(ランクセス社製、商品名:サルチジン)と70/15/15の質量比率にて2軸混錬機する樹脂をポリ乳酸(PLA)樹脂(トタルコービオン社製:L130)に変更し、イカリジン含有ポリエチレンとポリ乳酸樹脂(トタルコービオン社製:L130)とを、1/2の質量比率で混合した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
芯にポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックHD-HJ490)鞘に実施例1のイカリジン含有ポリプロピレン樹脂を50/50の質量比で複合紡糸ノズルを用いて、紡糸温度200℃で溶融複合紡糸した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製、商品名:J-700GP)とセプトン2014(株式会社クラレ製、商品名:SEPS2104)とイカリジン(ランクセス社製、商品名:サルチジン)とを、55/15/30の質量比率にて2軸混錬機を用いて練り込み、イカリジンを30質量%含有するポリプロピレンを得たこと以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
ポリプロピレン(株式会社プライムポリマー製、商品名:J-700GP)とセプトン2014(株式会社クラレ製、商品名:SEPS2104)とイカリジン(ランクセス社製、商品名:サルチジン)とを、79/15/6の質量比率にて2軸混錬機を用いて練り込み、イカリジンを6質量%含有するポリプロピレンを得たこと以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
単糸繊度を2.0dtexに変更した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
単糸繊度を7.0dtexに変更した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
虫忌避剤をp-メンタン-3,8-ジオール(PMD)(Alfa Chemical社製)に変更した以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
口金を表1に記載の断面に変更した以外は、上述の実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
虫忌避剤を含有しなかったこと以外は、実施例2と同様にして繊維、および筒編地を作製し、防虫性とその持続性の評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1~13の筒編地においては、虫忌避剤が繊維を構成する樹脂中に練り込まれており、異形度を適正範囲に調整することで、優れた防虫効果を有しつつ、バランスの良い比表面積に調整することができるため、蚊の飛来阻止率において、90%以上の性能を発揮することができるとともに、その持続性にも優れていることが分かる。
比較例1の筒編地においては、丸断面であるため、蚊の飛来阻止率とその持続性に劣ることが分かる。
また、比較例2の筒編地においては、虫忌避剤が含有されておらず、蚊の飛来阻止率とその持続性に劣ることが分かる。
以上に説明したように、本考案は、蚊等の吸血性の虫による吸血を防ぐための防虫カバーなどに好適に利用できる。また、本考案は蚊帳、網戸、カーテン、森林作業や農作業、ガーデニング作業などの屋外作業に用いる衣類、手袋、帽子、靴下、前掛け、キャンプや登山、ハイキングなどのような樹木の多い屋外でのスポーツに用いられる衣類、手袋、帽子、靴下、テント、その他衣類や産業資材等の幅広い用途に使用することができる。
以上のとおり、本考案の好適な実施形態を説明したが、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本考案の範囲内に含まれる。
(イ)実施例3で使用した3枝型複合紡糸ノズルの断面図。
(ロ)実施例2で使用した4枝型複合紡糸ノズルの断面図。
(ハ)実施例1で使用した5枝型複合紡糸ノズルの断面図。
(ニ)実施例4で使用した三角型複合紡糸ノズルの断面図。
(ホ)実施例5で使用した8枝型複合紡糸ノズルの断面図。

Claims (6)

  1. 虫忌避剤を含有する熱可塑性樹脂を含み、異形度が0.05~0.80の範囲である、防虫繊維。
  2. 異形断面が三角断面又は葉状断面である、請求項1に記載の防虫繊維。
  3. 前記葉状断面において、葉数が3~10である、請求項2に記載の防虫繊維。
  4. 前記虫忌避剤がイカリジン、およびp-メンタン-3,8-ジオールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の防虫繊維。
  5. 単糸繊度が0.1~10dtexである、請求項1または2に記載の防虫繊維。
  6. 請求項1または2に記載の防虫繊維を含む、繊維製品。
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