JP3246025B2 - レドームおよびその製造方法 - Google Patents

レドームおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】セラミックス製のレドーム、特に
高速で飛翔するミサイル等に用いられるレドームおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のレドームを示す断面図であ
る。図において、1はセラミックス製のレドームで、ア
ンテナ2の前面を覆うように、ドーム形に形成されてい
る。3a、3bはアンテナ2から出た同じ位相を持つ電
波、4a、4bはレドーム1の各部分における法線方向
に対する電波3a、3bの入射角度、5a、5bは電波
3a、3bがレドーム1と会合する入射点、6a、6b
は入射点5a、5bにおけるレドーム1の法線方向の厚
み、7a、7bはレドーム1内の電波3a、3bの通過
方向の厚み、8a、8bはレドーム1から出た電波、9
はレドーム1を出た後の位相面、15は中心軸である。
【0003】次に動作について説明する。上記レドーム
1の材料(セラミック)の比誘電率εは一定であり、電
波3a、3b、8a、8bはレドーム1の通過前後と
も、図3において左から右に進行する。一般に電波3
a、3bがレドーム材料を通過する時の位相は、レドー
ム1の厚みに比例し、かつ1/(εの平方根)に比例す
るので、位相を変えるためには、厚みか誘電率のいずれ
かをコントロールする必要がある。
【0004】図3において、アンテナ2から出た電波3
a、3bがレドーム1を通過する際、スネルの法則によ
り入射点5a、5bにおいて屈折が生じる。この時、電
波3a、3bの入射角度4a、4bが異なるため、レド
ーム1内の電波の通過方向の厚み7a、7bおよびその
角度も異なる。仮にレドーム1の法線方向の厚み6a、
6bを同じにすると、レドーム1の通過方向の厚み7
a、7bが異なることになり、誘電率は同じであるた
め、レドーム1を通過した後の電波8a、8bに位相の
ずれが生じ、所望の方向(この場合左から右)に電波が
進行しない。このため従来は図3に示すように、法線方
向の厚み6a、6bの厚みを変えて、電波の通過方向の
厚み7a、7bが同じになるように、レドーム1に機械
加工等の加工を施し、電波3a、3bと電波8a、8b
の向きが同じになる面、すなわち位相面9を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のレドームは以上
のように構成されているので、所望の方向に電波を進行
させるためには、レドームの法線方向の厚みを各部分で
変化させなければならず、部分毎に厚みを変化させる加
工には、高度な機械加工技術、高価な加工設備が必要で
あり、検査も難しくなるなどの問題点があった。この発
明は上記のような問題点を解消するためになされたもの
で、レドームの法線方向の厚みを同一にして、機械加工
等の製造を容易にすることが可能なレドームおよびその
製造方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のレドームお
よびその製造方法である。 (1)アンテナの前面を覆い、アンテナから出た電波の
法線方向に対する入射角度が各部で異なるように構成さ
れたセラミックス製のレドームにおいて、各部における
法線方向の厚みをほぼ一定にし、かつ各部における電波
の通過方向の厚みと比誘電率の平方根との積が一定とな
るように、各部の比誘電率を変化させたことを特徴とす
るレドーム。 (2)上記(1)記載のレドームの製造方法において、
セラミックス原料からなる成形体の各部における法線方
向の厚みをほぼ一定にし、かつかつ各部における電波の
通過方向の厚みと比誘電率の平方根との積が一定となる
ように、各部の焼結温度を変化させて焼結することによ
り、各部の比誘電率を変化させることを特徴とするレド
ームの製造方法。
【0007】
【作用】この発明の請求項1のレドームは、各部におけ
る電波の通過方向の厚みと比誘電率の平方根との積が一
定となっているため、各部における電気的な長さが一定
となり、所望の方向に同位相で電波が進行する。
【0008】また各部における法線方向の厚みがほぼ一
定であるため、上記に加え加工が容易になる。すなわち
この発明に係るレドームは、セラミックスを製造する
際、焼結させる温度を変化させて比誘電率の分布を変え
ることにより、レドームの法線方向の厚みが同一にな
る。
【0009】この発明の請求項のレドームの製造方法
においては、焼結温度を変化させることにより、各部の
比誘電率が変化し、簡単な操作により効率よく、目的と
するレドームが製造される。すなわちこの発明における
レドームは、セラミックスを焼結させる温度により比誘
電率が変わる特性を利用して、比誘電率の分布を与える
ことにより、見かけ上、電波がレドーム内を通る機械的
寸法が異なっても、位相の長さ(電気的な長さ(厚
み))が同じになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1は実施例のレドームを示す断面図であり、図に
おいて、図3と同符号は同一または相当部分を示す。1
0はレドーム、11a、11bは電波3a、3bの入射
点5a、5bにおける法線方向の厚み、12a、12b
は電波3a、3bの通過方向の厚み、13は厚み12a
が含まれる部分の比誘電率、14は厚み12bが含まれ
る部分の比誘電率である。
【0011】レドーム10を電波3a、3bが通過する
時の電気的な長さは、材料の比誘電率をεと電波の波長
をλとしたとき、λ/(εの平方根)に比例する。この
ためレドーム10のように法線方向の厚み11a、11
bが同じで、電波の通過方向の厚み12a、12bに違
いがある場合、比誘電率13と比誘電率14を次式
〔1〕のような関係を持つ値にすれば、電気的な長さは
同じになる。 厚み12a×比誘電率13の平方根=厚み12b×比誘
電率14の平方根………〔1〕
【0012】式〔1〕において、電波3a、3bの通過
方向の厚み12a、12bは既知であり、これにより比
誘電率13、14を導けばよい。以上のようにすれば、
電波3と電波8の向きが同じになる面、すなわち位相面
9を得ることができる。この比誘電率に分布を持たせる
には、セラミックスを焼き固める工程である焼結を行う
際、例えばフューズドシリカ(SiO2)のセラミック
スの場合、図2に示すように、焼結温度が高くなると比
誘電率が大きくなり、焼結温度が低くなると比誘電率が
小さくなる特性を利用すれば可能である。
【0013】図2はフューズドシリカのセラミックスに
ついて、焼結温度と比誘電率の関係を示すグラフの一例
であり、焼結温度が高いほど、比誘電率が高くなること
を示している。図1において(厚み12a)>(厚み1
2b)であるから、式〔1〕より(比誘電率13)<
(比誘電率14)となり、レドーム10の中心軸15に
近いほど比誘電率を高くする必要がある。
【0014】このためレドーム10の中心軸15に近い
部分ほど焼結温度を高くし、周辺部に近い部分ほど焼結
温度を低くすることにより、上記のように比誘電率を変
化させることができる。例えば図1のレドーム10に図
2のセラミックスを用いる場合、中心軸15付近の焼結
温度を1280℃、周辺部の焼結温度を1220℃、両
者の中間部における焼結温度を1250℃にすると、法
線方向の厚み11a、11bが同じ場合に、(電波通過
方向の厚み12a、12b)×(比誘電率13、14の
平方根)が等しくなり、レドーム10の各部における電
気的な長さが同じになり、位相面9が得られる。
【0015】上記のようなレドーム10は、セラミック
スの粉末原料を法線方向の厚み11a、11bが一定と
なるように成形後、前記の温度分布、すなわち中心軸1
5付近が高く、周辺部に行くほど低くなるような温度分
布に制御された焼結炉で焼結することにより製造され
る。上記のような温度分布に制御するには、中心軸15
付近の加熱源を密に配置したり、あるいは中心軸15側
から周辺部に向けて高温ガスが流れるように焼結炉を構
成することにより、焼結温度を正確に制御することが可
能である。
【0016】こうして製造されたレドーム10は、図1
のように配置して、図3の場合とほぼ同様に使用され
る。このときアンテナ2から出る電波3a、3bは、図
1の経路を通って、左から右に同じ位相で進行する。
【0017】上記のレドーム10は法線方向の厚み11
a、11bが同じであるため、機械加工が容易であり、
高度の機械加工技術、あるいは高価な加工設備は要求さ
れず、検査も容易である。そしてこのような場合でも、
簡単な操作により、各部の電気的長さが同じになり、同
位相で電波を進行させることができる。
【0018】ところでレドーム10を加工する際、各部
を完全に同じ厚みにすることは非常に困難であり、実際
には、例えば±0.5mm程度の寸法公差で加工するこ
とになる。このため図1のレドーム10のような曲面形
状の加工においては、通常加工位置によって公差にバラ
ツキが生じることがあり、例えば曲率の大小により、公
差がプラス側またはマイナス側に変化する。従ってこの
公差を事前に把握し、前記式〔1〕を用いて、その厚み
に合わせて比誘電率を変化させることができ、これによ
り上記実施例と同様の効果を奏する。
【0019】
【発明の効果】この発明の請求項1のレドームは、各部
の比誘電率に分布を与えたので、レドームの厚みを加工
しやすい形状にすることができ、その場合でも同位相で
電波を進行させることが可能なレドームを得ることがで
きる。
【0020】また各部における法線方向の厚みをほぼ一
定にしたので、特に加工が容易であり、安価な装置と簡
単な操作により、レドームを得ることができる。
【0021】この発明の請求項のレドームの製造方法
によれば、焼結温度を変化させることにより、各部の比
誘電率を変化させるようにしたので、簡単な操作によ
り、効率よく目的とするレドームを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のレドームの断面図である。
【図2】フューズドシリカの焼結温度と比誘電率の関係
を示すグラフである。
【図3】従来のレドームの断面図である。
【符号の説明】
1、10 レドーム 2 アンテナ 3a、3b、8a、8b 電波 4a、4b 入射角度 5a、5b 入射点 6a、6b、11a、11b 法線方向の厚み 7a、7b、12a、12b 電波の通過方向の厚み 9 位相面 13、14 比誘電率 15 中心軸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナの前面を覆い、アンテナから出
    た電波の法線方向に対する入射角度が各部で異なるよう
    に構成されたセラミックス製のレドームにおいて、各部
    における法線方向の厚みをほぼ一定にし、かつ各部にお
    ける電波の通過方向の厚みと比誘電率の平方根との積が
    一定となるように、各部の比誘電率を変化させたことを
    特徴とするレドーム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレドームの製造方法にお
    いて、セラミックス原料からなる成形体の各部における
    法線方向の厚みをほぼ一定にし、かつ各部における電波
    の通過方向の厚みと比誘電率の平方根との積が一定とな
    るように、各部の焼結温度を変化させて焼結することに
    より、各部の比誘電率を変化させることを特徴とするレ
    ドームの製造方法。
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