JP3246009B2 - 集束イオンビーム蒸着装置 - Google Patents
集束イオンビーム蒸着装置Info
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- Japan
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- ions
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子デバイスの
作成や修正等に使用される集束イオンビーム蒸着装置に
関し、更に詳しくは、ターゲット表面に、適宜のエネル
ギに減速したイオンビームを照射することにより、その
ターゲット表面に金属薄膜による微細パターンを直接描
画することのできる集束イオンビーム蒸着装置に関す
る。
作成や修正等に使用される集束イオンビーム蒸着装置に
関し、更に詳しくは、ターゲット表面に、適宜のエネル
ギに減速したイオンビームを照射することにより、その
ターゲット表面に金属薄膜による微細パターンを直接描
画することのできる集束イオンビーム蒸着装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】集束イオンビームを利用した蒸着法とし
ては、従来、集束イオンビームアシストCVD法が一般
に知られている。この方法は、ターゲット直前の真空中
に有機金属ガスを導入し、この有機金属ガスに集束イオ
ンビームを照射することによってガス中の金属原子を分
離させ、その金属原子をターゲット上に蒸着する方法で
ある。
ては、従来、集束イオンビームアシストCVD法が一般
に知られている。この方法は、ターゲット直前の真空中
に有機金属ガスを導入し、この有機金属ガスに集束イオ
ンビームを照射することによってガス中の金属原子を分
離させ、その金属原子をターゲット上に蒸着する方法で
ある。
【0003】この方法では、ターゲットに対するビーム
の位置出しのためのビーム、すなわち、ビームをターゲ
ット上にスキャンし、放出された2次電子を検出するこ
とによりターゲットを観察する、いわゆるSIM(Scan
ning Ion Microprologue)のためのビームと、アシスト
CVDのためのビームとに、同じビームを用いることが
できるため、位置出しのための作業が極めて簡単である
という利点がある。
の位置出しのためのビーム、すなわち、ビームをターゲ
ット上にスキャンし、放出された2次電子を検出するこ
とによりターゲットを観察する、いわゆるSIM(Scan
ning Ion Microprologue)のためのビームと、アシスト
CVDのためのビームとに、同じビームを用いることが
できるため、位置出しのための作業が極めて簡単である
という利点がある。
【0004】しかし、この集束イオンビームアシストC
VD法で成膜された金属薄膜には、有機ガスが分解した
原子等が多数不純物として入り込み、良質な膜を得るこ
とができないという欠点がある。
VD法で成膜された金属薄膜には、有機ガスが分解した
原子等が多数不純物として入り込み、良質な膜を得るこ
とができないという欠点がある。
【0005】一方、イオン源から引き出されたイオンビ
ームを単一種のイオンからなるイオンビームとするとと
もに、このイオンビームを走査しつつ、適当に減速して
ターゲットに導くことにより、ターゲット表面に高純度
の金属パターンを直接描画し得ることが本発明者らによ
って確認され、このような用途に適した集束イオンビー
ム装置についても既に提案されている(例えば特願平4
−182050号)。
ームを単一種のイオンからなるイオンビームとするとと
もに、このイオンビームを走査しつつ、適当に減速して
ターゲットに導くことにより、ターゲット表面に高純度
の金属パターンを直接描画し得ることが本発明者らによ
って確認され、このような用途に適した集束イオンビー
ム装置についても既に提案されている(例えば特願平4
−182050号)。
【0006】このような集束イオンビーム装置では、イ
オン源から引き出されたイオンビームを集束レンズ系で
集束するとともに、質量分離して所望の単一種のイオン
ビームを生成し、このイオンビームを偏向電極によって
偏向させながら試料支持台上のターゲットに導くと同時
に、試料支持台の直前に減速電場を形成して、ターゲッ
トに到達するイオンビームのエネルギを数十ないしは数
百eV程度に減速することによってターゲット表面に蒸
着させ、所望の原子からなる薄膜を直接パターニングす
ることを可能としている。このようにして得られる薄膜
は、不純物が殆ど入り込むことがなく、極めて純度の高
い良質な膜となる。
オン源から引き出されたイオンビームを集束レンズ系で
集束するとともに、質量分離して所望の単一種のイオン
ビームを生成し、このイオンビームを偏向電極によって
偏向させながら試料支持台上のターゲットに導くと同時
に、試料支持台の直前に減速電場を形成して、ターゲッ
トに到達するイオンビームのエネルギを数十ないしは数
百eV程度に減速することによってターゲット表面に蒸
着させ、所望の原子からなる薄膜を直接パターニングす
ることを可能としている。このようにして得られる薄膜
は、不純物が殆ど入り込むことがなく、極めて純度の高
い良質な膜となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、集束イオン
ビームによる直接蒸着法においては、集束イオンビーム
をターゲットの直前で減速するための減速電場が存在す
るため、蒸着用のビームの照射によりターゲットから放
出される2次電子は減速電場の影響を受けて検出するこ
とはできず、従来の集束イオンビームアシストCVD法
のように、描画用のビームをそのまま用いたSIMによ
る位置出しを行うことができない。
ビームによる直接蒸着法においては、集束イオンビーム
をターゲットの直前で減速するための減速電場が存在す
るため、蒸着用のビームの照射によりターゲットから放
出される2次電子は減速電場の影響を受けて検出するこ
とはできず、従来の集束イオンビームアシストCVD法
のように、描画用のビームをそのまま用いたSIMによ
る位置出しを行うことができない。
【0008】そのため、集束イオンビームによる直接蒸
着法では、減速電場を形成しない状態で集束イオンビー
ムをターゲットに照射して2次電子像を得ながら、ター
ゲットとビームとの相対的な位置出しを行い、その後に
減速電場を形成して蒸着用のビームを照射している。
着法では、減速電場を形成しない状態で集束イオンビー
ムをターゲットに照射して2次電子像を得ながら、ター
ゲットとビームとの相対的な位置出しを行い、その後に
減速電場を形成して蒸着用のビームを照射している。
【0009】しかし、この作業は煩雑であるのみなら
ず、減速時には減速電場によるレンズ作用によりビーム
の軌道が非減速時と比べて変化し、描画像の拡大や位置
ずれとなって現れるため、これらの補正を行う必要があ
るとい問題があった。
ず、減速時には減速電場によるレンズ作用によりビーム
の軌道が非減速時と比べて変化し、描画像の拡大や位置
ずれとなって現れるため、これらの補正を行う必要があ
るとい問題があった。
【0010】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、高純度の良質な薄膜パターンを直接描画するこ
とのできる減速機能付きの集束イオンビーム装置におい
て、蒸着用のビームをそのまま用いて、ターゲットとビ
ームとの相対的位置出しを行うことのできる集束イオン
ビーム蒸着装置の提供を目的としている。
もので、高純度の良質な薄膜パターンを直接描画するこ
とのできる減速機能付きの集束イオンビーム装置におい
て、蒸着用のビームをそのまま用いて、ターゲットとビ
ームとの相対的位置出しを行うことのできる集束イオン
ビーム蒸着装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の集束イオンビーム蒸着装置は、実施例図面
である図1に示すように、イオン源1と、このイオン源
1からイオンをビーム状に引き出す引き出し電極2と、
引き出されたイオンビームを集束させる集束レンズ系
(コンデンサレンズ3および対物レンズ6)と、イオン
源1から引き出されたイオンのうち所定のイオンをのみ
を取り出す質量分離器4と、ターゲットWを支持する試
料支持台7と、質量分離器4により取り出されたイオン
ビームを偏向させつつ試料支持台7に導くビーム走査手
段(偏向電極5および偏向制御回路21)と、試料支持
台7の直前に減速電場を形成する手段(減速電源15)
を有し、この減速電場でイオンビームを減速してターゲ
ットWに到達させることにより、当該ビーム中のイオン
をターゲットWに蒸着させる装置において、試料支持台
7の近傍に置かれ、入射した中性原子をイオン化するイ
オン化機構31と、このイオン化機構31によりイオン
化された原子を質量分離して特定のイオンを検出する質
量分離器32と、この質量分離器の出力とビーム走査手
段のビーム走査信号に基づき、ターゲットWから放出さ
れた特定の中性原子による像を得る画像化手段(画像化
回路33および表示器34)を備えたことによって特徴
づけられる。
め、本発明の集束イオンビーム蒸着装置は、実施例図面
である図1に示すように、イオン源1と、このイオン源
1からイオンをビーム状に引き出す引き出し電極2と、
引き出されたイオンビームを集束させる集束レンズ系
(コンデンサレンズ3および対物レンズ6)と、イオン
源1から引き出されたイオンのうち所定のイオンをのみ
を取り出す質量分離器4と、ターゲットWを支持する試
料支持台7と、質量分離器4により取り出されたイオン
ビームを偏向させつつ試料支持台7に導くビーム走査手
段(偏向電極5および偏向制御回路21)と、試料支持
台7の直前に減速電場を形成する手段(減速電源15)
を有し、この減速電場でイオンビームを減速してターゲ
ットWに到達させることにより、当該ビーム中のイオン
をターゲットWに蒸着させる装置において、試料支持台
7の近傍に置かれ、入射した中性原子をイオン化するイ
オン化機構31と、このイオン化機構31によりイオン
化された原子を質量分離して特定のイオンを検出する質
量分離器32と、この質量分離器の出力とビーム走査手
段のビーム走査信号に基づき、ターゲットWから放出さ
れた特定の中性原子による像を得る画像化手段(画像化
回路33および表示器34)を備えたことによって特徴
づけられる。
【0012】
【作用】集束イオンビームをターゲットWに照射する
と、2次電子、2次イオンおよび2次中性原子等が放出
されるが、集束イオンビームを形成するイオンがターゲ
ットWに直接蒸着するように減速電場を形成した状態で
は、このビームの照射により放出される2次電子は直ち
にターゲットW側に押し戻され、2次イオンは光軸に束
縛されるように加速される。一方、放出された2次中性
原子についてはこのような電場の影響を受けず、試料ス
テージ1の近傍に置かれたイオン化機構31に到達して
イオン化された後、質量分離器32で特定イオンのみが
検出される。この質量分離器32の出力と、刻々のビー
ム走査信号を用いると、従来のSIMと同様にして特定
の中性原子からなる像を得ることが可能となる。
と、2次電子、2次イオンおよび2次中性原子等が放出
されるが、集束イオンビームを形成するイオンがターゲ
ットWに直接蒸着するように減速電場を形成した状態で
は、このビームの照射により放出される2次電子は直ち
にターゲットW側に押し戻され、2次イオンは光軸に束
縛されるように加速される。一方、放出された2次中性
原子についてはこのような電場の影響を受けず、試料ス
テージ1の近傍に置かれたイオン化機構31に到達して
イオン化された後、質量分離器32で特定イオンのみが
検出される。この質量分離器32の出力と、刻々のビー
ム走査信号を用いると、従来のSIMと同様にして特定
の中性原子からなる像を得ることが可能となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明実施例の構成図である。加速電
源11によって正の電位が与えられるイオン源1に近接
して、引き出し電極2が配設されており、この引き出し
電極2とイオン源1との間には引き出し電源12が接続
され、両者間にイオン源1よりイオンを引き出すに十分
な電位差が与えられる。
源11によって正の電位が与えられるイオン源1に近接
して、引き出し電極2が配設されており、この引き出し
電極2とイオン源1との間には引き出し電源12が接続
され、両者間にイオン源1よりイオンを引き出すに十分
な電位差が与えられる。
【0014】引き出し電極2の後段には、コンデンサレ
ンズ3が設けられており、更にその後段には、マスフィ
ルタ4aとビームアパーチャ4bからなる質量分離器4
が配設されている。マスフィルタ4aは、例えばE×B
フィルタであって、所望イオンのみを直進させてビーム
アパーチャ4bを通過させ、他のイオンはビームアパー
チャ4bによって遮られる。
ンズ3が設けられており、更にその後段には、マスフィ
ルタ4aとビームアパーチャ4bからなる質量分離器4
が配設されている。マスフィルタ4aは、例えばE×B
フィルタであって、所望イオンのみを直進させてビーム
アパーチャ4bを通過させ、他のイオンはビームアパー
チャ4bによって遮られる。
【0015】ビームアパーチャ4bの後段には偏向電極
5が配設されている。この偏向電極5は偏向制御回路2
1に接続されており、偏向制御回路21では、刻々のビ
ーム走査信号の大きさ、すなわちビームの走査量に応じ
た電圧を出力して偏向電極5に印加するように構成され
ている。
5が配設されている。この偏向電極5は偏向制御回路2
1に接続されており、偏向制御回路21では、刻々のビ
ーム走査信号の大きさ、すなわちビームの走査量に応じ
た電圧を出力して偏向電極5に印加するように構成され
ている。
【0016】偏向電極5の後段には対物レンズ6が設け
られている。この対物レンズ6および前述のコンデンサ
レンズ3は、それぞれ3枚電極構造を持つ静電型レンズ
であって、それぞれの内部電極はレンズ電源13ないし
は14に接続され、内部電極の両側に位置する各外部電
極はそれぞれ接地される。
られている。この対物レンズ6および前述のコンデンサ
レンズ3は、それぞれ3枚電極構造を持つ静電型レンズ
であって、それぞれの内部電極はレンズ電源13ないし
は14に接続され、内部電極の両側に位置する各外部電
極はそれぞれ接地される。
【0017】対物レンズ6の直後に、ターゲットWを支
持するための試料支持台7が配置されている。試料支持
台7は、ターゲットWを直接保持するホルダ7aと、こ
のホルダ7aを碍子Gを介して支持するステージ7bに
よって構成されており、ホルダ7aには減速電源15が
接続され、このホルダ7aと対物レンズ6の後段側の外
部電極の間に減速電場が形成されるようになっている。
また、ステージ7bは、ステージ駆動部22からの駆動
信号によって水平面上に変位が与えられる。
持するための試料支持台7が配置されている。試料支持
台7は、ターゲットWを直接保持するホルダ7aと、こ
のホルダ7aを碍子Gを介して支持するステージ7bに
よって構成されており、ホルダ7aには減速電源15が
接続され、このホルダ7aと対物レンズ6の後段側の外
部電極の間に減速電場が形成されるようになっている。
また、ステージ7bは、ステージ駆動部22からの駆動
信号によって水平面上に変位が与えられる。
【0018】ホルダ7aの近傍には、イオン化機構31
が配設されており、このイオン化機構31は、例えばレ
ーザを用いるか、あるいは電子線を用いる等の公知の方
法によって、入射した中性原子をイオン化することがで
きる。
が配設されており、このイオン化機構31は、例えばレ
ーザを用いるか、あるいは電子線を用いる等の公知の方
法によって、入射した中性原子をイオン化することがで
きる。
【0019】イオン化機構31に隣接して質量分離器3
2が設けられており、この質量分離器32は、前述した
質量分離器4と同様にE×Bフィルタを用いるか、ある
いは四重極型、セクターマグネット型等の公知のマスフ
ィルタおよびビームアパーチャ等によって構成され、所
望のイオンのみを検出することができるようになってい
る。
2が設けられており、この質量分離器32は、前述した
質量分離器4と同様にE×Bフィルタを用いるか、ある
いは四重極型、セクターマグネット型等の公知のマスフ
ィルタおよびビームアパーチャ等によって構成され、所
望のイオンのみを検出することができるようになってい
る。
【0020】この質量分離器32による検出出力は、偏
向制御回路21のビーム走査信号とともに画像化回路3
3に入力されている。画像化回路33では、これらの両
入力信号を用いて画像データを作成し、表示器34に供
給するようになっている。
向制御回路21のビーム走査信号とともに画像化回路3
3に入力されている。画像化回路33では、これらの両
入力信号を用いて画像データを作成し、表示器34に供
給するようになっている。
【0021】以上の本発明実施例によると、イオン源1
から引き出されたイオンビームは、コンデンサレンズ3
で集束された後に質量分離器4によって目的イオンのみ
からなるイオンビームBとなり、偏向電極5aによって
偏向され、対物レンズ6により集束されてターゲットW
に導かれる。対物レンズ6とターゲットWの間で、イオ
ンビームBは減速電源15による減速電場により減速さ
れ、ターゲットWに到達するときには、イオンビームB
は加速電源11によるイオン源1の電位と、減速電源1
5によるターゲットWの電位の差分のエネルギを持つこ
とになり、この両者間の電位差を適宜に選定することに
より、イオンビームB内のイオンはターゲットWの表面
に直接蒸着する。
から引き出されたイオンビームは、コンデンサレンズ3
で集束された後に質量分離器4によって目的イオンのみ
からなるイオンビームBとなり、偏向電極5aによって
偏向され、対物レンズ6により集束されてターゲットW
に導かれる。対物レンズ6とターゲットWの間で、イオ
ンビームBは減速電源15による減速電場により減速さ
れ、ターゲットWに到達するときには、イオンビームB
は加速電源11によるイオン源1の電位と、減速電源1
5によるターゲットWの電位の差分のエネルギを持つこ
とになり、この両者間の電位差を適宜に選定することに
より、イオンビームB内のイオンはターゲットWの表面
に直接蒸着する。
【0022】イオンビームBがターゲットWの表面に入
射すると、2次電子、2次イオンおよび2次中性原子等
が放出される。このうち2次電子は減速電場によってタ
ーゲットWに押し戻され、2次イオンは光軸に束縛され
るよう加速される。中性原子のみは、この減速電場の影
響を受けず、光軸から横方向に飛びだしてくるためにイ
オン化機構31に入射する。イオン化機構31に入射し
た中性原子はここでイオン化された後、次段の質量分離
器32によって所望イオンのみが検出される。
射すると、2次電子、2次イオンおよび2次中性原子等
が放出される。このうち2次電子は減速電場によってタ
ーゲットWに押し戻され、2次イオンは光軸に束縛され
るよう加速される。中性原子のみは、この減速電場の影
響を受けず、光軸から横方向に飛びだしてくるためにイ
オン化機構31に入射する。イオン化機構31に入射し
た中性原子はここでイオン化された後、次段の質量分離
器32によって所望イオンのみが検出される。
【0023】画像化回路33では、質量分離器32の検
出出力を画素濃度情報とし、ビーム走査信号を位置情報
とした画像データを作る。従って、表示器34には、減
速電場を形成した状態においても、ターゲットWに入射
するイオンビームBによって放出された2次中性原子に
よる像、すなわち2次中性原子像が表示されることにな
る。
出出力を画素濃度情報とし、ビーム走査信号を位置情報
とした画像データを作る。従って、表示器34には、減
速電場を形成した状態においても、ターゲットWに入射
するイオンビームBによって放出された2次中性原子に
よる像、すなわち2次中性原子像が表示されることにな
る。
【0024】以上の本発明実施例を用いて、基板上の所
望位置に集束イオンビームにより直接金属薄膜パターン
を描画する際、例えば図2(A)に示すように、ターゲ
ットとなる基板Sの表面にAu のパターンPがあらかじ
め形成されている場合、基板Sをホルダ7aに装着して
減速電場を形成した状態で、集束イオンビームをパター
ンPの近傍を走査し、質量分離器32によりAu イオン
を検出する。これにより、表示器34には、図2(B)
に例示するようにAu の中性原子像Nが得られる。この
像により、集束イオンビームBと基板Sとの相対的な位
置出しを行うことができる。なお、このとき、画像化回
路33における位置情報として、ビーム走査信号に加え
て、ステージ駆動部22からのステージ7bの位置情報
を採用することで、表示器34にはより広範囲の像を得
ることができる。
望位置に集束イオンビームにより直接金属薄膜パターン
を描画する際、例えば図2(A)に示すように、ターゲ
ットとなる基板Sの表面にAu のパターンPがあらかじ
め形成されている場合、基板Sをホルダ7aに装着して
減速電場を形成した状態で、集束イオンビームをパター
ンPの近傍を走査し、質量分離器32によりAu イオン
を検出する。これにより、表示器34には、図2(B)
に例示するようにAu の中性原子像Nが得られる。この
像により、集束イオンビームBと基板Sとの相対的な位
置出しを行うことができる。なお、このとき、画像化回
路33における位置情報として、ビーム走査信号に加え
て、ステージ駆動部22からのステージ7bの位置情報
を採用することで、表示器34にはより広範囲の像を得
ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料支持台の近傍にイオン化機構を設けるとともに、こ
れによってイオン化された原子を質量分離して特定のイ
オンのみを検出し、その検出信号と集束イオンビームの
走査信号とから、イオン化機構に入射した特定の中性原
子の像を得ることができるから、減速電場を形成するこ
とにより得られる減速ビームを用いて、中性原子による
SIM像を撮ることが可能となった。これにより、集束
イオンビームを減速することにより高純度の薄膜を直接
蒸着する装置において、その減速ビームをそのまま用い
て位置出しやビーム調整を行うことが可能となり、従来
のように描画像の拡大やずれ等の補正を行うことなく、
簡単な作業により高精度の位置出しを行えるようになっ
た。
試料支持台の近傍にイオン化機構を設けるとともに、こ
れによってイオン化された原子を質量分離して特定のイ
オンのみを検出し、その検出信号と集束イオンビームの
走査信号とから、イオン化機構に入射した特定の中性原
子の像を得ることができるから、減速電場を形成するこ
とにより得られる減速ビームを用いて、中性原子による
SIM像を撮ることが可能となった。これにより、集束
イオンビームを減速することにより高純度の薄膜を直接
蒸着する装置において、その減速ビームをそのまま用い
て位置出しやビーム調整を行うことが可能となり、従来
のように描画像の拡大やずれ等の補正を行うことなく、
簡単な作業により高精度の位置出しを行えるようになっ
た。
【図1】本発明実施例の構成図
【図2】本発明実施例の作用説明図
1 イオン源 2 引き出し電極 3 コンデンサレンズ 4 質量分離器 5 偏向電極 6 対物レンズ 7 試料支持台 11 加速電源 12 引き出し電源 13,14 レンズ電源 15 減速電源 21 偏向制御回路 22 ステージ駆動部 31 イオン化機構 32 質量分離器 33 画像化回路 34 表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/203 H01L 21/265 603
Claims (1)
- 【請求項1】 イオン源と、このイオン源からイオンを
ビーム状に引き出す引き出し電極と、引き出されたイオ
ンビームを集束させる集束レンズ系と、上記イオン源か
ら引き出されたイオンのうち所定のイオンのみを取り出
す質量分離器と、ターゲットを支持する試料支持台と、
上記質量分離器により取り出されたイオンビームを偏向
させつつ上記試料支持台に導くビーム走査手段と、上記
試料支持台の直前に減速電場を形成する手段を有し、こ
の減速電場でイオンビームを減速してターゲットに到達
させることにより、当該ビーム中のイオンをターゲット
に蒸着させる装置において、上記試料支持台の近傍に置
かれ、入射した中性原子をイオン化するイオン化機構
と、このイオン化機構によりイオン化された原子を質量
分離して特定のイオンを検出する質量分離器と、この質
量分離器の出力と上記ビーム走査手段のビーム走査信号
に基づき、ターゲットから放出された特定の中性原子に
よる像を得る画像化手段を備えたことを特徴とする集束
イオンビーム蒸着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31732292A JP3246009B2 (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 集束イオンビーム蒸着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31732292A JP3246009B2 (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 集束イオンビーム蒸着装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158290A JPH06158290A (ja) | 1994-06-07 |
JP3246009B2 true JP3246009B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18086922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31732292A Expired - Fee Related JP3246009B2 (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 集束イオンビーム蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3246009B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102310477B (zh) * | 2011-08-31 | 2014-07-23 | 霍镰泉 | 一种瓷质微粉砖布料工艺及其设备 |
-
1992
- 1992-11-26 JP JP31732292A patent/JP3246009B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102310477B (zh) * | 2011-08-31 | 2014-07-23 | 霍镰泉 | 一种瓷质微粉砖布料工艺及其设备 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06158290A (ja) | 1994-06-07 |
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