JP3245940B2 - 半導体光集積素子 - Google Patents
半導体光集積素子Info
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Description
り、特に光通信用モジュール、光通信システムに用いる
好適な半導体光集積素子に関する。
光検出器、光増幅器等の半導体光機能素子を同一半導体
基板上に集積化する方法として、図1に示すように、有
機金属気相成長による選択成長を用いて異なる井戸幅の
多重量子井戸構造1、2を一括形成することにより基板
面内でのバンドギャップエネルギ−を位置的に制御する
方法が提案されている。この集積法によれば素子結合部
3がテ−パ−状であるため光散乱が全く起こらず、集積
素子間の高い光結合効率が期待できる。しかしこの場
合、マスク形状を最適化した場合においても最終的に素
子間には成長材料の基板上拡散長(30〜50μm)程
度のバンドギャップエネルギ−の遷移領域が残留する。
遷移領域での光吸収は無視できない程大きく、このため
光集積素子の光出力低下等素子性能が大きく劣化する。
図2は1.55μm帯のMQW構造電界吸収型変調器と
DFBレ−ザの集積化光源におけるバンドギャップエネ
ルギ−遷移領域における光吸収による実効的な光結合効
率の計算結果である。図から分かるように、遷移領域長
の増大により光吸収による実効的な光結合効率が大きく
低下することが分かる。遷移領域長が40μmの場合に
は光結合効率は90%以下に低下する。なお、この種の
半導体光集積素子として関連するものに、例えば、光・
量子エレクトロニクス(OQE91−176)、199
2年2月18日が挙げられる。
導体光集積素子内でのバンドギャップエネルギ−遷移領
域における光吸収による実効的な光結合効率の低下が大
きな問題であった。これは、光出力の低下や光吸収に伴
う光電流による高速応答性の劣化を引き起こす。また、
これは集積素子数が増えた場合特に問題となる。本発明
は、異種光素子間のバンドギャップエネルギ−遷移領域
における良好な光結合を極めて容易に実現する半導体光
集積素子を提供することを目的とする。さらに本発明
は、特に量子井戸構造を集積化した複合素子に適用して
好適な構造及び製法を提供することにある。
に、本発明者らは、バンドギャップエネルギ−遷移領域
上部に電極を形成し、遷移領域に電流注入を行うことに
より光吸収を打ち消し導波損失を大きく低減することに
より集積素子間の実効的な光結合効率を大きく向上する
方法を考案した。
に電極を形成し、遷移領域に電流注入を行うことにより
光吸収を打ち消し導波損失を大きく低減する方法につい
て説明する。図3Aに示した半導体基板4上に絶縁膜パ
ターニングマスク5を形成する。ここで図に示すよう
に、目開き長が光軸方向で変化するように絶縁膜マスク
5をパターニングしている。このような絶縁膜パターニ
ングマスク5を有する半導体基板4上に混晶半導体を気
相成長すると、混晶半導体結晶を構成する原子の絶縁膜
パターニングマスク5上での、ガス組成や移動距離が元
素間で異なるために、パターニング幅に応じて成長層
厚、組成の異なった混晶半導体層6、7が自動的に形成
される。図で混晶半導体層6のバンドギャップエネルギ
−は混晶半導体層7よりも小さくなるように設計されて
いる。図3Bは本構造の光軸方向の断面図である。混晶
半導体層6、7は同一の結晶成長で形成されているため
2領域の結合は滑らかであり、従来の再成長集積素子に
比べ結合部での光散乱が損失が著しく低減される。しか
し、混晶半導体層6、7の間にはバンドギャップエネル
ギ−が漸次的に変化する遷移領域8が同時に形成され
る。図4Aは低バンドギャップエネルギ−である混晶半
導体層6を発光素子、高バンドギャップエネルギ−であ
る混晶半導体層7を受動素子とした場合である。前述し
たようにこの場合、遷移領域8での光吸収が大きく光出
力の低下等、素子特性が大きく劣化する。そこで、遷移
領域8の上部に電極9を新たに形成してこの部分に電流
注入することにより光利得を発生しこの光吸収を補償す
ることができる。遷移領域上の電極9は図4Bに示すよ
うに混晶半導体層6上の電極10と一体化することも可
能である。この場合、電極構造は従来の光集積素子と全
く同様であり、単に電極を遷移領域8に迫り出して形成
することにより光出力を大きく向上することができる。
また、図5A、Bに示したように、上記構造に量子井
戸構造11を導入した場合においても上記と全く同様の
効果が得られることは言うまでもない。
て説明する。
出した領域(目開き領域)が光導波路方向に、回折格子
13が形成されている領域と形成されていない領域とで
異なっているようなSiO2、SiNX等の絶縁物からな
るパターニングマスク14を形成する。次に、このパタ
ーニング基板上にIn0.85Ga0.15As0.4P0.6四元導
波路層15、In0.65Ga0.35As0.76P0.24四元活性
層16、およびp−InPクラッド層17を順次、有機
金属気相成長法で結晶成長する。この際、目開き領域に
成長される四元結晶の組成はパターニングマスクの目開
き領域長によって変化する。図4から2領域の目開き長
を制御する公知の方法から利得ピーク波長をそれぞれ
1.55μm、1.42μmに設定する。本構造を、そ
れぞれ分布帰還型レーザ、光変調器として用いる。この
ようにして各半導体層を形成した後、更に埋込構造、電
流狭窄構造を公知の方法により形成し、さらにレ−ザ電
極18、変調器電極19、下部電極20を通常の蒸着法
等により設ける。この際、レ−ザ電極18はレ−ザ、変
調器間の遷移領域21にまで延長して形成することによ
りレ−ザ駆動時に遷移領域にも電流を注入し光学利得を
発生することにより光吸収を補償することが出来る。こ
れにより極めて容易に高出力化が図れるだけでなく、発
振モ−ドの安定化や光電流発生による高速応答特性の劣
化を低減することが出来る。
aAs、InGaAsPからなる量子井戸構造22で置
き換えた構造である。この場合も、同様に分布帰還型レ
ーザ、光変調器領域の利得ピーク波長をそれぞれ1.5
5μm、1.48μmに設定することができる。この場
合も、レ−ザ電極18はレ−ザ、変調器間の遷移領域2
3にまで延長して形成することによりレ−ザ駆動時に遷
移領域にも電流を注入し光学利得を発生することにより
光吸収を補償することが出来る。これにより極めて容易
に高出力化が図れるだけでなく、発振モ−ドの安定化や
光電流発生による高速応答特性の劣化を低減することが
出来る。
ターニングマスクが形成されたn−InP基板12上
に、InGaAsP導波路層15、In0.53Ga0.47A
s、In0.85Ga0.15As0.4P0.6からなる量子井戸構
造24およびp−InPクラッド層17を順次、有機金
属気相成長法で結晶成長する。同様に公知の方法により
利得ピーク波長をそれぞれ1.55μm、1.25μm
に設定することができる。本構造を、それぞれ活性領
域、位相調整領域、受動分布反射領域として用いること
により、極めて容易に狭線幅、広波長掃引、高信頼の波
長可変分布反射型レーザを実現することができる。この
場合も、レ−ザ電極18遷移領域にまで延長して形成す
ることによりレ−ザ駆動時に遷移領域25にも電流を注
入し光学利得を発生することにより光吸収を補償するこ
とが出来る。これにより極めて容易に高出力化が図れる
だけでなく、発振モ−ドの安定化やスペクトル線幅の低
減を図ることが出来る。
電流注入による光損失の補償効果を変調器/DFBレ−
ザ集積化光源、分布反射型レーザについて示したが、こ
れは光スイッチ、光増幅器、光フィルタ等バンドギャッ
プエネルギ−の異なる結晶層を含み且つ素子間にバンド
ギャップエネルギ−の遷移領域を持つ全ての光集積素子
に適用可能であることは言うまでもない。
の分布帰還型レーザ及び光変調器集積光源27とその光
軸上に球レンズ28を介し先球ファイバ29を固定し、
さらに変調駆動回路30を内蔵した光通信用送信モジュ
ール31である。本モジュールを用いれば高ファイバ光
出力、低チャーピングの高速送信光信号を容易に作り出
せる。
系光通信システムである。送信装置32は送信モジュー
ル31とこのモジュール31を駆動するための駆動系3
3とを有する。モジュール31からの光信号がファイバ
34を通って受信装置35内の受光部36で検出され
る。本実施例に係る光通信システムによれば100km
以上の無中継光伝送が容易に実現できる。これはチャー
ピングが著しく低減される結果、ファイバ34の分散に
よる信号劣化がやはり著しく低減されることに基づく。
集積化した光素子間の実効的な光結合効率を100%に
限り無く近づけることが可能となる。これにより極めて
容易に光集積素子の高出力化、引いては低消費電力化が
図れるだけでなく、動作光のスペクトルの安定化や高速
性の向上を図ることが出来る。
子結合部再成長導波路層、4…半導体基板、5…絶縁物
パターニングマスク、6…混晶半導体層、7…混晶半導
体層、8…バンドギャップエネルギ−遷移領域、9…上
部電極、10…上部電極、11…量子井戸構造、12…
n−InP基板、13…回折格子、14…パタ−ニング
マスク、15…InGaAsP導波路層、16…InG
aAsP活性層、17…p−InPクラッド層、18レ
−ザ電極、19…変調器電極、20…下部電極、21…
レ−ザ、変調器間遷移領域、22…InGaAsP系量
子井戸構造、23…レ−ザ、変調器間量子井戸構造遷移
領域、24…InGaAsP系量子井戸構造、25…活
性層、受動分布反射器間量子井戸構造遷移領域、26…
サブマウント、27…光変調器集積光源、28…球レン
ズ、29…先球ファイバ、30…変調駆動回路、31…
光通信用送信モジュール、32…送信装置、33…モジ
ュール駆動系、34…光ファイバ、35…受信装置、3
6…受光部。
Claims (6)
- 【請求項1】化合物半導体からなる第1の光導波層を有
する第1の光機能部と、化合物半導体からなる第2の光
導波層を有する第2の光機能部と、これらの光導波層を
光学的に結合するための結合光導波路3とを有し、この
結合光導波路3の層厚若しくは元素組成が単調に変化し
て上記第1及び第2の光導波層にそれぞれ接続する半導
体光集積素子において、結合光導波路3に電流注入を行
うための電極を有する半導体光集積素子。 - 【請求項2】化合物半導体からなる第1の光導波層を有
する第1の光機能部と、化合物半導体からなる第2の光
導波層を有する第2の光機能部と、これらの光導波層を
光学的に結合するための結合光導波路3とを有し、この
結合光導波路3の層厚若しくは元素組成が単調に変化し
て上記第1及び第2の光導波層にそれぞれ接続する半導
体光集積素子において、結合光導波路3が光学利得を有
する半導体光集積素子。 - 【請求項3】請求項1〜2に記載のいずれかの半導体光
集積素子において、前記第1、第2及び第3の光導波層
は多重量子井戸構造により構成されている半導体光集積
素子。 - 【請求項4】請求項1〜3に記載のいずれかの半導体光
集積素子において、前記第1及び第2の光機能部はそれ
ぞれ半導体レーザ及び光変調器である半導体光集積素
子。 - 【請求項5】光を放出するための化合物半導体からなる
第1の光導波層を有する第1の光機能部と放出された光
を変調するための化合物半導体からなる第2の光導波層
を有する第2の光機能部とこれらの光導波層を光学的に
結合するための結合光導波路3と該結合光導波路3に電
流注入を行うための電極とを有し、この結合光導波路の
層厚若しくは元素組成が単調に変化して上記第1及び第
2の光導波層にそれぞれ接続する半導体光集積素子と、
この半導体光集積素子からの出力光を外部に導波するた
めの導波手段と、この導波手段に上記半導体光集積素子
からの出力光を集光するための集光手段と、上記半導体
光集積素子を駆動するための駆動手段とを有する光通信
用モジュール。 - 【請求項6】光を放出するための化合物半導体からなる
第1の光導波層を有する第1の光機能部と放出された光
を変調するための化合物半導体からなる第2の光導波層
を有する第2の光機能部とこれらの光導波層を光学的に
結合するための結合光導波路3と該結合光導波路3に電
流注入を行うための電極とを有し、この結合光導波路の
層厚若しくは元素組成が単調に変化して上記第1及び第
2の光導波層にそれぞれ接続する半導体光集積素子を有
する送信手段と、この送信手段からの出力光を外部に導
波するための導波手段と、この導波手段からの出力光を
受信するための受信手段とを有する光通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8531692A JP3245940B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 半導体光集積素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP8531692A JP3245940B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 半導体光集積素子 |
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JPH05291695A JPH05291695A (ja) | 1993-11-05 |
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ID=13855209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8531692A Expired - Lifetime JP3245940B2 (ja) | 1992-04-07 | 1992-04-07 | 半導体光集積素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3245940B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
JPH02121562A (ja) * | 1988-10-31 | 1990-05-09 | Nec Corp | 密着型イメージセンサ |
JPH10154841A (ja) * | 1996-09-26 | 1998-06-09 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 偏波制御半導体レーザ形光増幅素子 |
JPH11307862A (ja) | 1998-04-21 | 1999-11-05 | Nec Corp | 半導体レーザ |
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US20210203126A1 (en) * | 2019-12-27 | 2021-07-01 | John Parker | Electro-absorption modulator with improved photocurrent uniformity |
-
1992
- 1992-04-07 JP JP8531692A patent/JP3245940B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH05291695A (ja) | 1993-11-05 |
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