JP3245200B2 - 強化膜葉をもった渦巻形ろ過モジュール及びそれの構成方法 - Google Patents

強化膜葉をもった渦巻形ろ過モジュール及びそれの構成方法

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JP3245200B2 JP29750891A JP29750891A JP3245200B2 JP 3245200 B2 JP3245200 B2 JP 3245200B2 JP 29750891 A JP29750891 A JP 29750891A JP 29750891 A JP29750891 A JP 29750891A JP 3245200 B2 JP3245200 B2 JP 3245200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】これは1990年11月14日に
出願した米国特許第612,802号の一部継続であ
る。本発明は、一般的にいえば、限外ろ過技術に関し、
さらに詳しくいえば、直交流ろ過に用いるための渦巻き
ろ過モジュール及び該モジュールの構成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】本明細書において用いられる「限外ろ
過」という用語は、マイクロろ過、ナノろ過、限外ろ過
と逆浸透及びガス分離を含むつもりである。代表的限外
ろ過装置がろ過される流体の通過する複数の渦巻形ろ過
モジュールを備えている。このようなモジュールは浸透
管の周りに1枚以上の膜葉及び浸透エンベロップを巻く
ことによって作られる。各膜葉は、流体流れに適応する
ように比較的大きなメッシ寸法のものである供給スペー
サふるいによって分離されている。浸透液は、膜葉の膜
表面を通過して、浸透物キヤリヤシートによって浸透管
へ導かれる。ある形式の外部拘束手段、たとえば、硬質
シエル、ストラップ若しくはバイパスふるい又はそれら
の組合せ、を浸透管の周りに渦巻状に巻かれた膜葉をぴ
ったりした形に保持するのに用いることができる。次
に、渦巻形モジュールを、ろ過されている流体が貫流す
るとき、モジュールを横切る圧力降下がわずかで作動さ
れるハウジング又は圧力容器の中へ装着する。濃縮液が
モジュールの一端から除去され、浸透液が浸透管から除
去される。
【0003】限外ろ過技術の多くの用途は、衛生状態を
常に維持する必要がある場合の食品処理を含んでいる。
これは、たとえば(ほんの一例としてだけ)塩素含有化
合物、その他の酸化剤、酸、アルカリ及び表面活性剤な
どの比較的はげしい薬品で定期的にきれいにすることを
必要とする。これらの薬品は、膜材料を、特に応力を受
ける領域において、劣化させる傾向がある。らせんろ過
モジュールを構成する代表的手順には、浸透管に接近す
ることになっている領域で膜シートを折りたたむことが
ある。この折りたたみ領域は、折り目及び隣接浸透液キ
ヤリヤシートとの接点の両方で膜シート内に機械的応力
を生ずる。渦巻形膜内の他の応力領域には2枚の膜葉の
間の重なり合い場所及び下にある縫いとじ装置又は機械
的固定装置と膜の重なり合い部分がある。
【0004】機械的応力を小さくし、膜の寿命を延ばす
ために折り目領域内に何らかの形式の強化手段を用いる
のが普通である。二つの主な技術が当業者に周知であ
る。第1のものは、折り目につけられ、膜の折りたたみ
領域と普通いわれているものを越えて短距離にわたって
折り目から外方に伸びている強化テープを利用すること
である。膜強化の第2の方法は、テープをはる領域と大
体同じ領域に同じ効果をうるために接着材を塗ることで
ある。この第2の方法の1例がブレイ(Bray)ほか
の米国特許第4,842,736号にある。この特許は
さらに、流動性接着材の代りに、ソフトメルト形熱可塑
性材料を膜の裏打ち側から用いて裏打ち材料の隙間を満
たし、裏打ちの厚さ全部を浸透して実際の膜材料に達す
るという第2の方法の改変形を開示している。
【0005】渦巻き膜の折りたたみ領域を強くするこれ
らの従来の技術に伴う問題点は、テープが終いには接着
力を失ってはがれること、及び膜が折りたたみ領域で強
くされるが、のりが特に端末縁に沿って新しい応力点を
作る傾向をもつような厚さにつけられることである。従
来の両技術は、強化膜と非強化膜の間の遷移線で膜葉の
厚さを増しており、これもまた新しい応力点を導入する
要因である。また、テープ又はのりのいずれかが膜表面
(膜の裏打ちに対向している)につけられるとき、どち
らの材料の破損も膜表面と破損したのり又はテープとの
間に「死領域」を露出させ、死領域にろ過されている流
体が集って衛生問題及び結果として生ずる漏れ問題を生
ずる可能性がある。ブレイほかの前記特許において意図
されているように、強化が膜の裏打ちに適用されれば、
折り目のところの膜の中で小さな裂け目を作る表面のひ
びを防ぐ保護がなく、裂け目には流体が集って、ある条
件のもとで衛生問題を生ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、膜材料が浸透管に隣接した折り目領域内で強め
られ、この強化が折り目付近の領域において劣化や破損
をもたらす可能性のある応力点を導入することなく達成
されるようになっている改良限外ろ過モジュールとその
構成方法を提供することである。
【0007】本発明のもう一つの目的は、折り目領域に
のり又はテープの使用とこれらの材料に関連した固有の
問題を生じない改良限外ろ過装置とその構成方法を提供
することである。
【0008】本発明のまたもう一つの目的は、膜材料の
物理的性質を膜表面の膜構造を破壊するが膜を緻密化
し、構造的強化を行うことによって変えるために融合処
理を通じて膜シートを緻密化した改良限外ろ過モジュー
ル及びそれの構成方法を提供することである。
【0009】本発明の目的の一つはまた、ろ過膜が最終
的には膜の漏れをもたらす可能性のある物理的不連続を
膜に導入することなく強化されている改良限外ろ過装置
及びそれの構成方法を提供することである。
【0010】本発明のなおもう一つの目的は、一つの実
施例において、膜裏打ちに折り目領域で融合される膜強
化部材を利用する改良限外ろ過装置及びそれの構成方法
を提供することである。
【0011】本発明の重要な一つの目的は、膜折り目領
域が膜表面を緻密にして密封しながら膜及ぴ強化材料に
膜裏打ちを融合することによって緻密化されて密封さ
れ、したがって液体が膜表面の又は近くある小さな
裂け目に捕らえれる機会を非常に少なくしている改良
限外ろ過装置及ぴそれの構成方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は裏打ち材料に
一体に結合された膜材料からなり、各部分が少なくとも
一端が他方の部分の端と平面的に位置の揃った第1及び
第2のシ一ト部分を与える膜シートを備え、前記膜材料
の表面が前記位置の揃った端の領域において緻密化され
ており、前記二つのシート部分がさらに前記領域におい
てその断面全体を通じて緻密化され、かつ膜と裏打ちと
の界面の領域において融合されていることを特徴とする
渦巻形ろ過モジュールを形成るのに有用な膜葉束を提供
すそことによって解決される。
【0013】
【実施例】最初に図1を参照すると、限外ろ過膜シート
が総括的に数字10によって表わされ限外ろ過膜12と
裏打ち材料14とを備えている。膜と裏打ちは膜シート
を形成する当該技術において周知の技術によって一体に
結合されている。受入できる膜材料には多孔構造とろ過
能力を有するシートの形に製作できる広い範囲の熱可塑
性樹脂がある。周知の熱可塑性膜材料にはポリスルホ
ン、ポリビニルデンフッ化物、ポリエーテルスルホン、
ポリアリールスルホン、ポリビニール塩化物、ポリアミ
ド、セルローズアセテート、ポリカーボネイト、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフエニレン流化物、ポリフ
チレン、ポリエチレンエーテルフタレート、ポリアミド
イミド及びポリプロピレンがある。好ましい材料は、ポ
リエーテルスルフオンである。受入れ可能な裏打ち材料
は膜を強化するのに必要な強さと浸透液の膜を通る通路
を妨げずに膜に一体となって結合される能力を有する織
又は不織合成材料である。適当な裏打ち材料には、ポリ
エテスル、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び一般的
に「ナイロン」といわれているポリアミドポリマの族が
ある。
【0014】渦巻形限外ろ過モジュールを構成する受入
れられたやり方の結果、総括的に数字16(図2)によ
って表わされた膜葉束が次のようにして作られる。膜シ
ート10は、第1と第2のシート部分10−X及ぴ10
−Yを与えるように分けられる。これは、膜シート10
を横切るか又は図面に示されたようにシートの巾を横切
って折りたたむことによって達成されてもよい。二つの
シート部分は、次にそれらの端を平面的に位置を揃え、
裏打ち14を外に向け、かつ二つの膜表面12を互いに
向かい合わせて配置される。比較釣大きなメッシュのふ
るい材料がシート部分10−Xと10−Yとの間に挿入
される供給チヤネルスペーサ17となっている。大てい
の場合に、この供給スペーサは用いられるが、この構成
要素のないモジュールを構成することが可能である。
【0015】膜葉束16を形成するように膜シートl0
を折る前に、膜シートは強さと耐久性を高めるために、
やはり、位置の揃った端の領域である折り目領域におい
て緻密化される。繊密化が膜シート10と共存性があ
り、膜シート10にそしてなるべく裏打ち14に融合す
る帯板18のような熱可塑性又は熱硬化性強化材料を用
いることによって行われるのが好ましい.適当な強化材
料には、ポリプロピレン、ポリエチレン、及ぴポリビニ
ールプチラール並ぴにイオノマ樹脂がある。好ましい材
料がアメリカ合衆国デラウエア州ウイルミングトンにあ
るイー・アイ・デュポン・ド・ネムール・アンド・カン
パニー( E.I. Dupon deNemours
and Company)によって商標サーリンの名
で売られているイオノマ樹脂である。強化帯板18は裏
打ち材料14の上に置かれ、次にシート10の膜側から
熱と圧力を加えることによってシート10に融合され
る。融合に先立って膜又は裏打ちに洗浄又は他の表面処
理を加るのが望ましいことがある。表面処理は、溶
剤、界面活性材又は他の薬品を単純又は組合わせて含
んでいてもよい。前述の既知の膜ポリマ及ぴ裏打ち材料
の始どの場合、14.06kg/cm (2000p.
s.i)までのわずかなものであってもよい圧力(膜に
載っている熱源の重量から生ずるようなもの)と共に1
ないし6秒の間加えられる121℃(250°F)と2
60℃(500°F)の間の温度が強化帯板と膜シート
の一体融合を達成するであろう。204°ないし260
℃(400°ないし500°F)の温度範囲及ぴ1.4
ないし7.03kg/cm(20ないしl00p.
s.i.)の圧力が好ましい動作施囲である。上述の好
ましい材料(サーリン)の場合は、約60秒の間加えら
れる約204℃(400°F)の温度が5.27kg/
cm(75p.s.i)の圧力と共に加えられ、続い
て追加の約60秒の間同じ圧力のもとで徐冷することに
よって発明の目的に適う製品を与える。
【0016】一般的にいえば、比較的高い融点材料又は
比較的高いガラス遷移温度《例えば204℃(400°
F)以上》を有する材料を膜材料として利用すること
が、熱と圧力を膜側に加えるので、非常に望ましい。好
ましい膜材料、ポリエーテルスルフオン、のガラス遷移
温度は、膜シートの形になっているとき、約210℃
(410°F)である。
【0017】裏打ち14を膜材料12に融合するのを達
成するために、裏打ちは通常膜を通過したのちに膜側か
らくる熱が裏打ちのガラス遷移温度に少なくとも等しい
か又はわずかに上のものである温度を与えるように、い
くらか低めのガラス遷移温度を持っている。これは裏打
ちを膜に融合されるのを確実にする。好ましい裏打ち材
料、ポリエステル、は約77℃(170°F)のガラス
遷移温度を持っている。 強化帯板18のガラス遷移温
度はまた膜側からの温度が強化材料を裏打ち材料に融合
するのに十分であるように膜材料の温度より十分下でな
ければならない。好ましい強化材料、イノマ樹脂、のガ
ラス遷移温度は、約−40℃(−40°F)であり、こ
の材料の融点は85℃(185°F)である。膜シート
10の膜側に加えられる熱源は、裏打ち材料及び強化材
料の界面の温度が強化材料として用いられているイノマ
の融点に近付くように十分である必要がある。
【0018】テフロン(アメリカ合衆国デラウエア州ウ
イルミングトンのイー・アイ・デュポン・ド・ネムール
及びカンパニーの登録商標)で覆われた平らな棒の内側
にシールドされたニクロム線を用いて当該技術に熟練し
た技術者によって操作される熱インパルスシーラがこの
融合を達成するのに受け入れでき効率的な手段である。
加えられる圧力の大きさは加えられる温度より臨界的で
なく、用いられる特定の材料に従って圧力の広い変動が
可能であることが認められる。幾つかの例においては材
料に載っている加熱源の重量で十分なことがある。
【0019】膜材料の所望の緻密化を膜裏打ち材料と膜
強化材料の融合と共に達成するために、熱及び圧力を加
えられることがシート18の膜側12から行われること
が重要である。緻密化ということは、膜表面の気孔が膜
表面を不浸透性にするように十分につぶされることを意
味する。膜材料のこの緻密化は、膜材料を強化すると共
に膜を不浸透性にすることによってろ過される物質が集
まって衛生問題を生ずる可能性のある構造的隙間にろ過
される物質が入ることを防ぐ。緻密化の所望のレベルが
好ましいポリエーテルスルフオン膜に対して達成された
ときの信頼できる指示は、膜の外観が乳白色から非常に
半透明に変化するときで在る。緻密化段階はまた緻密化
された合成物の最終厚さが強化されていない膜シート1
0の厚さのほぼ同じであるような程度に裏打ち材料及び
強化材料の密度を増かさせることを含んでいる。
【0020】用語「融合」は、別々の独立の材料を材料
のガラス遷移温度に近づくかそれを超えるように熱と少
なくとも最小限の圧力を加えることによって結合し、異
なる材料の界面において事実上一様である最終合成物が
結合された材料の少なくとも部分的破壊なしに分離され
ないようにすることを含むことになっている。
【0021】もちろん、「融合」を超音波溶接、輻射及
び他の既知の技術又は任意の熱の組合わせを含む様々な
熱源及び上に定めた物理的変化をもたらす圧力源を用い
て達成できることを理解すべきである。融合と膜の緻密
化は一般に事実上に同時に起こる。
【0022】次に図面に戻ると、強化ストリップ18が
パケット16を与えるようにシート10を折りたたんだ
のちに見える外観を図2に示されている。強化ストリッ
プ18の厚さ及び強化ストリップと裏打ち14との間の
境界が図2では例示の目的のために誇張されているが、
実際の場合には、強化ストリップ18をシート10へシ
ートの緻密化と同時に融合することは強化シートの全体
的厚さがシート10の元の厚さを超えて事実上増加しな
いようにして、事実上一体に融合される膜、膜裏打ち及
び強化ストリップをもたらすであろう。
【0023】次に図3に移ると、浸透管20が浸透管の
周りに円周方向に間隔をおいている四つの膜葉パケット
16と共に示されている。浸透液キヤリアシ一ト24は
各二つの膜葉束16の間にかれて浸透液を孔26を通
して浸透管20の内部に導く。図4を参照すると、膜葉
束16と浸透液キヤリアシート24が一たん浸透管20
の所定の場所にくると、完成した渦巻モジユールの膜葉
が次のようにして形成される。一つの膜葉パケットから
の膜シート10Aが平らな支持表面に置かれ、次に浸透
液キヤリアシート24Aをかぶせられる。若干の接着剤
28が図4に例示した方法でふちに沿ってキヤリアシー
ト24Aの巾を横切って付けられる。次の隣接膜葉束1
6から膜シート10Bが次に浸透液キヤリアシート24
Aによって分離された二つの膜シート10A及ぴ10B
から成る完成した膜葉を形成するように接着28と接
触させられる。各膜葉は、前に組立てられた膜葉パケッ
トからの供給チヤネルスペーサ17こよって隣接膜葉か
ら分離されている。この構成は図6の分解図に最も明瞭
は示されている。最終渦巻組立体は膜葉を所定の位置に
保持するために拘束バンド30(図5)を用い、外側包
み32をモジュールを完成するのに用いることができ、
完成したモジュールを数字34によって表わしている。
【0024】図7に示された発明の別の実施例におい
て、膜112と裏打ち14から成る膜シート110が二
つの破線の間の領域(二つのシート部分110−Xと1
10−Yの折りたたみ領域と両方の端の平面で並んだ領
域)を膜側面112に熱と圧力を加えることによって融
合し、緻密化するように処理された。前述の実施例にお
けると同じ程度の緻密化を達成しないが、幾つかの用途
の場合シート110が適当であるとわかるであろう。膜
葉束が膜葉束16に対して前述したのと同じ方法でシー
ト110から作られる。同様に、膜葉を形成するように
シート110を用いて完成したモジュールを形成するの
は、図1〜6の実施例に対して説明した手順と同一であ
る。
【0025】したがって本発明は、平面的に位置の揃っ
た端(大きなシートを巾に沿って折りたたみ二つの同じ
寸法のシート部分を与えることによるなどで作る)を有
する二つの膜シート部分を与えること、強化材料を前記
位置の揃った端の領域で膜シートと融合させること、膜
シートを強化材料と共に同時に緻密化すること、同時に
チヤネルスペーサ(望む場合)を設けてそれを二つのシ
ート部分の間に置き、そのあとで膜葉パケットを与える
ために二つのシート部分を(二つの部分をステープル止
めで結合するなどで)結合することを含み、渦巻ろ過モ
ジュールを形成するのに有用な膜葉パケットを作る方法
を含んでいる。緻密化処理には、熱と少なくともわずか
な圧力の両方を加えることを含み、膜材料のガラス遷移
温度に膜表面で近付き、熱がこの材料に達して裏打ち材
料と膜材料を折りたたみ領域で(又は二つの別々のシー
トの場合に等価なもの)で融合するとき裏打ちのガラス
遷移温度に少なくとも近付づくレベルにある熱を含み、
また膜の裏打ちに強化材料を融合することを含んでいて
もよい。膜に、裏打ち14及び強化材料(使用する場
合)が本明細書で定義した通りの「融合」されるような
程度に融合を実行すると共に膜表面の緻密化を達成する
ことが望ましい。
【0026】膜表面12を作るのに用いられる任意の気
孔材料には若干の空隙が仕上げた製品の中に存在するこ
とが避けられない。膜が破れた場合には、これらの空隙
は、用途によっては重大な衛生問題を生ずる可能性のあ
る供給流れ液を蓄積する領域を与える。この方法と品物
は膜表面が流体の通過に対して密封され、したがって膜
の空隙領域のとこにおいても蓄積する液体によって汚染
される可能性を大いに減らす程度に膜を緻密化する。こ
の緻密化はまた汚染の危険をさらに小さくするようにそ
の他の空隙を完全になくしながら表面下の若干の空隙の
寸法を小さくする。本発明が膜シートの融合と緻密化の
組合わせを与えるということは、膜を強めることによる
だけでなく、膜表面を液体の通過に対して密封すること
によっても膜の破損の機会を非常に少なくする。本発明
によって含まれた融合段階が所望の強化効果を特に融合
部の先端で持っていることは、熱をポリマ材料に加える
と、熱を一たん取除くとポリマを弱める応力を生ずるこ
とがあるということがよく知られているので、特に驚く
べきことである。
【0027】前述のことから、本発明は明白であり、そ
の構造に固有である他の利点と共に前述したすべての目
的を達成するのによく適合するものであることがわかる
であろう。
【0028】幾つかの特徴と副組合わせが有用なもので
あり、その他の特徴と副組合わせに関係なく用いること
ができることがわかるであろう。これは請求の範囲によ
って考えられ、その範囲内にある。
【0029】多くの可能な実施例を本発明の範囲からそ
れることなく本発明から作ることができるので、ここに
述べ、添付図面に示されたすべてのことは例示として考
えるべきであって、制限的意味はないと理解されるべき
である。
【図面の簡単な説明】 添付図面は、明細書の一部分を形成し、明細書と共に読
まれるべきであり、かつ種々の図において類似の部品を
指示するのに類似の参照数字が用いられている。
【図1】 強化材料が適用されるべき限外ろ過シートの
部分分解斜視図である。
【図2】 本発明によって作られた膜葉束を示すもう一
つの斜視図である。
【図3】 複数の膜葉束と供給チヤネルスペーサが周り
に置かれている浸透管の部分斜視図である。
【図4】 限外ろ過モジュールを構成する個々の葉状部
材の構成のさらに詳細を示す図3と同様の斜視図であ
る。
【図5】 完成したモジュールの部分斜視図である。
【図6】 二つのチヤネルスペーサ間に挟まれた膜葉の
分解部分斜視図である。
【図7】発明の別の形の斜視図である。
【符号の説明】
10 限外ろ過膜シート 12 限外ろ過膜 14 裏打ち 16 膜葉束 17 供給チヤネルスペーサ 18 強化帯板 20 浸透管 24 浸透液キヤリアシート
フロントページの続き (72)発明者 ダニエル・エフ・スケルトン アメリカ合衆国マサチュセッツ州01865、 ビレリカ、マーシャル・ストリート67 (56)参考文献 特開 昭54−24280(JP,A) 特開 平2−2843(JP,A) 特開 昭63−36807(JP,A) 実開 昭48−44945(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/22 B01D 61/00 - 65/10 C02F 1/44

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏打ち材料に一体に結合された膜材料か
    らなり、第1及び第2のシート部分を有し、前記第1と
    第2のシート部分が裏打ち材料を外側に向け、前記第1
    と第2のシート部分の面を互いに向かい合わせにして、
    一端を平面的に位置を揃えて配置されている膜シートを
    備え、 前記膜材料の表面が前記位置の揃った端の領域において
    緻密化されており、 前記二つのシート部分がさらに前記領域においてその断
    面全体を通じて緻密化され、かつ膜と裏打ちとの界面の
    領域において融合されていることを特徴とする渦巻形ろ
    過モジュールを形成するのに用いる膜葉束。
  2. 【請求項2】 前記シートが熱を加えることによって融
    合されたものである請求項1の発明。
  3. 【請求項3】 前記シートが熱と圧力を加えることによ
    って融合されたものである請求項1の発明。
  4. 【請求項4】 前記シートの裏打ち材料に前記位置の揃
    った端の領域で融合された強化材料を含んでいる請求項
    3に記載の発明。
  5. 【請求項5】 前記強化材料が前記裏打ち材料に融合さ
    れている請求項4に記載の発明。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のシート部分に挟まれ
    た供給チヤネルスペーサを含んでいる請求項1に記載の
    発明。
  7. 【請求項7】 前記膜材料が前記裏打ち材料のガラス遷
    移温度より高いガラス遷移温度を有する請求項1に記載
    の発明。
  8. 【請求項8】 流体をろ過液部分と浸透液部分に分離す
    る渦巻形ろ過モジュールにおいて、 複数の孔を壁に有し前記浸透液部分を受ける浸透液キヤ
    リア管と、 前記浸透液キヤリア管の周りに渦巻状に巻かれた少なく
    とも一つの膜葉束を備え、 前記膜葉束が裏打ち材料に一体に接合された膜材料を含
    み、各部分が少なくとも一端を他方の部分の端と平面的
    に位置の揃った第1及び第2のシート部分を与える膜シ
    ートを備え、 前記膜材料の表面が前記位置の揃った端の領域において
    緻密化された表面を有することを特徴とし、 前記第1と第2のシート部分がさらに前記位置の揃った
    領域においてそれらの断面全体にわたって緻密化され、
    膜と裏打ちの界面の領域において融合されており、 また前記膜葉束の各々の間で前記浸透液キヤリア管の周
    りに渦巻状に巻かれ、かつ各隣接ろ過シートに側面に沿
    ってかつ巾を横切って結合されている浸透液キヤリア手
    段を備えている渦巻形ろ過モジユール。
  9. 【請求項9】 前記膜シートが熱を加えることによって
    融合されたものである請求項8に記載の発明。
  10. 【請求項10】 前記膜シートが熱と圧力を加えること
    によって融合されたものである請求項8に記載の発明。
  11. 【請求項11】 前記膜シートの裏打ち材料に前記位置
    の揃った端の領域で融合されている強化材料を含んでい
    る請求項8に記載の発明。
  12. 【請求項12】 渦巻形ろ過モジュールを形成するのに
    用いる膜葉束を作製する方法であり、 裏打ち材料に一体に結合された膜材料からなり、第1及
    び第2のシート部分を有し、前記第1と第2のシート部
    分が裏打ち材料を外側に向け、前記第1と第2のシート
    部分の面を互いに向かい合わせにして、一端を平面的に
    位置を揃えて配置されている膜シートを用意する段階
    と、 前記膜材料の表面を前記位置の合った端の領域において
    緻密化する段階と、 前記裏打ち材料と前記膜材料を前記位置の合った端の領
    域において融合し、さらに前記シートを前記領域におけ
    るその断面全体を通じて緻密化する段階と、 前記二つの部分を前記膜葉束を与えるように結合する段
    階とを含む膜葉束の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記融合する段階が熱を加えることか
    ら成っている請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記融合する段階が前記シートの膜側
    に熱と圧力を加えることから成る請求項13に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 前記融合する段階が前記シートの温度
    を前記膜材料のガラス遷移温度近くに上げることから成
    っている請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記融合段階が強化材料を前記裏打ち
    材料に融合することから成っている請求項12に記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 前記融合する段階が熱と圧力を加える
    ことから成っている請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記シートが限外ろ過膜と膜裏打ちと
    を備え、前記融合する段階が熱と圧力を前記シートに加
    えることから成っている請求項12に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記緻密化する段階と前記融合する段
    階が同時に起る請求項12に記載の方法。
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