JP3244316U - 傘式の簡易サウナ構築用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】覆い用生地を交換可能としつつ、それ以外の部品は再使用できるようにした傘式の簡易サウナ構築用器具を提供する。【解決手段】傘式の簡易サウナ構築用器具Sは、覆い用生地10と、中棒20と、中棒の先端部に設けられた固定ロクロ30と、中棒にスライド可能に保持された可動ロクロ40と、可動ロクロ40に揺動可能に保持された複数本の親骨50と、親骨と固定ロクロとを連結する複数本の受け骨60と、を有する。可動ロクロ40の本体部材41に対して覆い用生地10の中央部が嵌合された状態で、本体部材41に対してストッパ部材48を螺合することにより、覆い用生地10の中央部が可動ロクロ40に対して取付けられる。ストッパ部材48を螺合解除して本体部材41から取外すことにより、覆い用生地10の中央部が可動ロクロ40から取外し可能とされる。覆い用生地10の周縁部に設けた取付用筒部13に対して、親骨の先端部が着脱自在に嵌合される。【選択図】図1

Description

実用新案法第11条において準用する特許法第30条第2項適用申請有り (1)パンフレットの頒布による公開 頒布開始日:2023年2月15日 頒布者:株式会社ギークルジャパン 住所:東京都渋谷区東2-25-4 頒布場所:東京ビッグサイト東展示棟 公開内容:2023年2月15日~17日に開催された「第95回東京インターナショナルギフト・ショー春2023」において、本考案による「傘式の簡易サウナ構築用器具」を表示した販売促進用のパンフレットを配布した。
本考案は、傘式の簡易サウナ構築用器具に関するものである。
家庭で手軽にサウナ風呂を構築するために、例えば特許文献1に示すように、傘式とされて、開状態でドーム型となる簡易サウナ構築用器具がある。このものは、覆い用生地と、中棒と、中棒の先端部に固定された固定ロクロと、中棒にスライド可能に保持された可動ロクロと、それぞれ複数本の親骨および受け骨を有している。親骨の基端部が可動ロクロに揺動可能に保持される。また、受け骨は、その一端部が親骨の中間部に揺動可能に連結されると共に、その他端部が固定ロクロに揺動可能に保持される。そして、覆い用生地の中央部が可動ロクロに固定されると共に、その周縁部が親骨の先端部に固定される。
可動ロクロを固定ロクロから大きく離間させた状態では、覆い用生地、親骨、受け骨が中棒に沿うように収納された閉状態(折り畳み状態)とされる。そして、可動ロクロを固定ロクロに接近させた状態では、親骨が放射状に開いて、覆い用生地がドーム状に広がった開状態とされる。開状態の簡易サウナ構築用器具は、浴槽内のお湯に浸かっている入浴者を上方から覆うようにして浴槽に設置される。これにより、浴槽からの湯気がドーム状の覆い用生地内に滞留して、サウナ風呂を使用している状態とされる。
特開2016-49419号公報
前述した特許文献1に記載のような傘式の簡易サウナ構築用器具にあっては、ドーム状に開いた覆い用生地の内面が湯気に長時間晒されることになる。このため、覆い用生地の内面には、水垢が多量に付着することになる。この水垢は覆い用生地にこびりついて、除去することは実質的に不可能である。このため、覆い用生地は,比較的短期間のうちに、こびりついた水垢で汚れが状態になってしまう。また、覆い用生地を外部の視界確保のために透明あるいは半透明のものを使用しても、水垢によって透明度が大きく低下して、覆い用生地を通しての視界確保が困難になる。
上述のように、使用によって覆い用生地が水垢でかなり汚れてしまった場合は、傘式の簡易サウナ構築用器具全体を廃棄して、新品のものに交換している、というのが実情である。しかしながら、覆い用生地が相当に汚れていても、中棒や親骨、受け骨は十分に使用できる状態であるのが実情であり、このため、まだ使用可能な中棒、親骨、受け骨を含めて全体を廃棄して新品に交換することは、コストがかかるだけでなく、資源の無駄遣いともなる。
本考案は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、覆い用生地を交換可能としつつ、それ以外の部品は再使用できるようにした傘式の簡易サウナ構築用器具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本考案にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、
中棒と、
前記中棒の先端部に設けられた固定ロクロと、
前記中棒にスライド可能に保持された可動ロクロと、
基端部が前記可動ロクロに揺動可能に保持された複数本の親骨と、
前記複数本の親骨のそれぞれに設けられ、一端部が該親骨の中間部に対して揺動可能に連結されると共に、他端部が前記固定ロクロに揺動可能に保持された複数本の受け骨と、
中央部が前記可動ロクロに取付けられると共に、周縁部が前記複数本の親骨の先端部に対して取付けられた覆い用生地と、
を備え、
前記可動ロクロを前記固定ロクロに接近させたときに、前記複数本の親骨が放射状に広がって前記覆い用生地がドーム状に開いた開状態とされ、
前記覆い用生地の中央部が前記可動ロクロに対して前記中棒の前記基端部側から着脱自在に取付けられると共に、該覆い用生地の周縁部が前記複数本の親骨の先端部に対して着脱自在に取付けられている、
ようにしてある。上記解決手法によれば、覆い用生地が水垢で汚れたときは、覆い用生地のみを新品に交換することができるので、交換に要するコスト低減や資源の無駄遣い防止の上で好ましいものとなる。
本考案にあっては、次のような解決手法を採択することができる。
前記覆い用生地の中央部に、前記中棒の前記基端部側が挿通可能な嵌合孔が形成され、
前記可動ロクロが、本体部材と該本体部材に対して前記中棒の基端部側から螺合されるストッパ部材と、を有し、
前記覆い用生地の前記嵌合孔を前記中棒の基端部側から挿通させて該嵌合孔の周縁部を前記可動ロクロの前記本体部材に対して着座させた状態で、前記ストッパ部材を該本体部材に螺合することにより、前記覆い用生地の該本体部材に対する取付状態が維持され、
前記覆い用生地の周縁部に、取付用筒部が複数形成され、
前記取付用筒部が、前記親骨の先端部に嵌合されることにより、該覆い用生地が該親骨から着脱自在とされている、
ようにすることができる。この場合、覆い用生地のみを交換するためのより具体的な構成を提供することができる。
本考案にあっては、次のような解決手法を採択することができる。
前記本体部材が、リング状の拡径部と該拡径部よりも小径とされて前記中棒の基端部側に延びる筒状延設部とを有し、
前記拡径部に、前記中棒の基端部側の面および該拡径部の外周面にそれぞれ開口された嵌合部が形成され、
前記筒状延設部にネジ部が形成され、
前記親骨の基端部が、前記拡径部の前記嵌合部に対して前記中棒の前記基端部側から嵌合されることにより、該拡径部の外周面方向への抜けが規制された状態で該拡径部に揺動可能に保持され、
前記可動ロクロが係止部材をさらに有して、該係止部材を前記筒状延設部の前記ネジ部に螺合させることによって、前記親骨の基端部が前記拡径部から嵌合外れすることが規制され、
前記係止部材よりも前記中棒の前記基端部側において前記覆い用生地の前記嵌合孔が前記筒状延設部に挿通された状態で、前記ストッパ部材が前記筒状延設部の前記ネジ部に対して螺合されている、
ようにすることができる。この場合、覆い用生地を交換する際に、可動ロクロに対して親骨の基端部を確実に保持させておくことができるので、親骨の可動ロクロからの嵌合外れということを何ら気にすることなく覆い用生地の交換作業を行うことができる。
本考案にあっては、次のような解決手法を採択することができる。
前記固定ロクロが、固定側本体部材と、該固定側本体部材に対して前記中棒の先端側から着脱自在に固定される固定側ストッパ部材と、を有し、
前記固定側本体部材に、前記中棒の前記先端部側の面に開口されると共に、該固定側本体部材の外周面側に開口された嵌合部が形成され、
前記受け骨の他端部が、前記固定側本体部材の前記嵌合部に対して前記中棒の前記先端部側から嵌合させることにより、該固定側本体部材の外周面方向への抜けが規制された状態で該固定側本体部材に揺動可能に保持され、
前記受け骨の他端部を前記固定側本体部材に嵌合させた状態で、前記固定側ストッパ部材を前記固定側本体部材に対して着脱自在に固定することにより、該受け骨が前記固定側本体部材の前記嵌合部からの嵌合外れが規制されている、
ようにすることができる。この場合、受け骨の固定ロクロに対する好ましい連結構成を提供することができる。
本考案にあっては、次のような解決手法を採択することができる。
前記固定ロクロが固定側係止部材をさらに有して、該固定側係止部材を前記固定側本体部材に対して周方向に回転操作されることによって、前記受け骨の他端部が前記中棒の先端部側から嵌合外れすることが規制され、
前記固定側係止部材よりも前記中棒の先端部側において、前記固定側ストッパ部材が前記固定側本体部材に対して螺合されている、
ようにすることができる。この場合、受け骨の固定ロクロに対する強固な取付構造を提供することができる。
本考案にあっては、次のような解決手法を採択することができる。
前記中棒、前記固定ロクロ、前記可動ロクロ、前記親骨、前記受け骨、前記覆い用生地を含む全ての部材が、合成樹脂によって形成されている、ようにすることができる。この場合、軽量化の上で好ましいばかりでなく、多量の湯気を長期間に渡ってうけても錆が発生することがなくて耐久性向上の上で好ましいものとなる。また、廃棄する際には、燃えないゴミとしてではなくプラスチックごみとして廃棄することができるので、資源を有効に利用する上でも好ましいものとなる。
前記覆い用生地がドーム状に開いた前記開状態において、前記覆い用生地の周縁部によって形成される形状が方形とされ、
前記覆い用生地が、透明または半透明とされている、
ようにすることができる。この場合、長方形状とされているのが一般的な家庭用の浴槽に対応したサウナ傘として使用する上で好ましいものとなり、またサウナ傘として使用している際の視界確保の点で好ましいものとなる。
本考案によれば、覆い用生地のみを交換することができ、その他の部品は再利用することができる。
開状態とされた本考案によるサウナ傘を示す斜視図。 図1に示す開状態のサウナ傘を浴槽に設置した状態を示す斜視図。 覆い用生地と親骨と受け骨とを示す図。 中棒と固定ロクロと可動ロクロと引っかけ部材とを示す分解図。 サウナ傘から覆い用生地を取外した状態を示す図。 親骨と受け骨との連結部位を示す図。 親骨と受け骨との連結部位を示す要部断面図。 可動ロクロを構成する本体部材を示す側面図。 図8に示す本体部材をその周方向に45度回転させた状態の側面図。 図8の左側面図。 図8の右側面図。 図11の状態から、親骨の基端部を嵌合させた状態を示す図。 係止部材の側面図。 図13に示す係止部材の断面図。 ストッパ部材の側面図。 図15に示すストッパ部材の左側面図。 可動ロクロ部分の詳細を示す図。 固定ロクロを構成する固定側本体部材を示す側面図。 図18に示す固定側本体部材をその周方向に45度回転させた状態の側面図。 図18の左側面図。 固定側係止部材を示す正面図。 図21に示す固定側係止部材の側面図。 図21に示す固定側係止部材を固定側本体部材に嵌合させた直後の状態を示す要部説明図。 図23の状態から、固定側係止部材を周方向に若干回転させた状態を示す要部説明図。 固定側ストッパ部材の側面図。 図25の下面図。 固定ロクロ部分の詳細を示す図。 覆い用生地の中央部を示す要部平面図。 覆い用生地の周縁部を親骨の先端部との取付部位を示す要部断面図。 開状態のときの覆い用生地と固定ロクロと可動ロクロと親骨と受け骨との位置関係を示す図。
図1は、開状態にある本考案による傘式の簡易サウナ構築用器具を示す。なお、以下の説明では、「傘式の簡易サウナ構築用器具」を簡易的に「サウナ傘」と称することとする。
本考案によるサウナ傘Sは、大別して、覆い用生地10と、中棒20と、固定ロクロ30と、可動ロクロ40と、親骨50と、受け骨60と、を有する。固定ロクロ30は、中棒10の先端部に固定されている。また、可動ロクロ40は、中棒20に対してスライド可能とされている。中棒20の基端部には、手元あるいはハンドルとも呼ばれる引っかけ部材70が螺合によって着脱自在に取付けられている。
親骨50は、その基端部が可動ロクロ40に対して揺動可能に保持されている。この親骨50の中間部に受け骨60の一端部が揺動可能に連結されている。受け骨60の他端部は、固定ロクロ30に揺動可能に保持されている。
覆い用生地10の中央部が、可動ロクロ40に対して、後述するように着脱自在に固定されている。また、覆い用生地1の周縁部が、親骨50の先端部(露先)に対して、後述するように着脱自在に固定されている。
可動ロクロ40を固定ロクロ30に接近させたときに、図1の開状態とされ、親骨50が中棒20に対して放射状に広がって、覆い用生地10がドーム状に広がった状態とされる。この開状態では、覆い用生地10の周縁部が閉じようとする弾性力が受け骨60に対して図中矢印で示す方向に作用する。この弾性力は開状態を維持させる方向の力となることから、そのまま放置した状態では開状態が維持されることになる。サウナ傘Sを閉状態とするには、上記弾性力に抗して、可動ロクロ40を固定ロクロ30から離間させる方向へと力を加えればよく、この過程において、受け骨60が中棒20に対して直角になった以後は、弾性力は閉じ方向への力として作用することになる。
開状態とされたサウナ傘Sは、例えば家庭用の浴槽Yに対して、図2に示すように設置される。すなわち、浴槽Yに浸かっている入浴者Hの上半身を上方から覆うように設置される。この状態で、浴槽Y内のお湯からの湯気がドーム状に広がっている覆い用生地10の内面に供給される共に滞留されて、サウナ風呂に入ったのと同様の作用効果を得ることができる。
実施形態では、親骨50は4本設けられて、中棒20の周方向等90度間隔で配置されている。そして、開状態では、ドーム状に広がった覆い用生地10の周縁部がなす形状は方形、より具体的記には正方形とされている。この正方形状の1辺の長さは、65cm~75cm程度とされている。このような長さ設定とすることにより、家庭用の浴槽やホテルでの個室用浴槽に対して左右方向から跨ぐようにして、ドーム状に広がった覆い用生地10の左右の2辺を浴槽Yの左右の縁部上に安定して載置しておくことができる。
覆い用生地10を、透明または半透明としておくことにより、入浴者Hは、覆い用生地10を通して外部の状況を視認することができる。なお、サウナ傘Sで覆われていない湯面を風呂蓋で覆っておくことにより、お湯の温度低下防止と、サウナ傘S内へのより十分な湯気導入とを図る上で好ましいものとなる。
図1に示す開状態から、可動ロクロ40を固定ロクロ30から大きく離間させると、中棒20に対して親骨50,受け骨60が沿うように折り畳まれると共に、覆い用生地10も畳まれた収納状態とされる。収納状態では、中棒20の基端部に着脱自在に取付けられたフック状の引っかけ部材70を利用して、例えば浴槽Yの壁面等に吊り下げておくことができる。なお、収納状態では、覆い用生地10を取り巻いてその広がりを規制する係止バンドを設けておくこともできる。なお、引っかけ部材70は、中棒20に対して螺合によって結合されて、中棒20に対して容易に着脱することが可能となっているが、引っかけ部材70を有しないものであってもよい。また、引っかけ部材70は,例えばリング形状にする等、適宜の形状を採択することができる。
図3,図4は、本考案によるサウナ傘Sの構成部材を分解状態で示すものである。また、図5は、覆い用生地10を、中棒20、固定ロクロ30,可動ロクロ40、親骨50、受け骨60のセット体から取外した状態が示される。なお、覆い用生地10の取外しの点に関しては、後に詳述する。
次に、各部材の構成について、順次説明する。まず、覆い用生地10は、可撓性を有する合成樹脂によってシート状に形成されている。覆い用生地10の中央部には、図28に示すように嵌合孔11が形成され、嵌合孔11の周縁部が補強シート12によって補強されている。
覆い用生地10の周縁部には、図29に示すように、合成樹脂からなる4つの取付用筒部13が接着や溶着等によって固定されている。そして、親骨50の先端部が、取付用筒部13内にきつく挿入されることにより、覆い用生地10の周縁部と親骨50の先端部との固定が行われる。親骨50を取付用筒部13から引き抜くことにより、覆い用生地10と親骨50との固定状態が解除される。
中棒20は、合成樹脂によって長尺の筒状に形成されている。中棒20の基端部には、図17に示すように、ネジ構成部材21がピン部材22によって一体化されている。ネジ構成部材21とピン部材22とはそれぞれ合成樹脂によって形成されている。
ネジ構成部材21の外面にはネジ部21aが形成されている。このネジ部21aに対して引っかけ部材70が螺合によって着脱自在に取付けられている。なお、ネジ構成部材21を別途設けることなく、中棒20の基端部外周に、引っかけ部材70を螺合させるためのネジ部を形成するようにしてもよい。ネジ構成部材21を別途設けることにより、中棒20の肉厚を極力薄く形成する上で好ましいものとなる。また、ネジ構成部材21によって、可動ロクロ40が中棒20の基端部側から抜け出るのが規制される。
親骨50と受け骨60とは、それぞれ合成樹脂によって形成されている。図6,図7は、親骨50と受け骨60との連結部位を示す。親骨50には、その中間部付近に、連結部51が構成されている。この連結部51は、相対向する左右一対のフランジ部52を有し、このフランジ部52には、連結孔53が形成されている。なお、実施形態では、連結部51は親骨50と一体成形されているが、連結部51を合成樹脂によって親骨50と別体に形成して、親骨50に対して溶着や接着によって一体化することもできる。
一方、受け骨60の一端部には、左右一対の軸部61が一体成形されている。受け骨60の一端部を、親骨50の左右一対のフランジ部51の間に位置させて状態で、上記軸部61が連結孔53内に回動可能に嵌合されている。これにより、受け骨60の一端部が、親骨50に対して揺動可能に連結された状態とされる。
親骨50の基端部が、可動ロクロ40に対して揺動可能に保持されている。可動ロクロ40の全体構成の詳細が図17に示され、その構成部品が図8~図16に示される。可動ロクロ40は、全体として合成樹脂によって筒状に形成されて、中棒20に対してスライド可能に嵌合されている。
可動ロクロ40は、大別して、本体部材41と(図8~図11参照)、リング状の係止部材46と(図13,図14参照)、細長筒状のストッパ部材48と(図15、図16参照)、を有する。本体部材41は、リング状の拡径部42と、拡径部42から中棒20の基端部側へ延びる筒状延設部43とを有する。
上記拡径部42には、周方向90度間隔で、嵌合部44が形成されている。嵌合部44は、拡径部42のうち、中棒20の基端部側と当該拡径部42の外周面側とに開口されている。そして、各嵌合部44には、中棒20の基端部側に臨むようにして、軸受部となる一対の凹部44aが形成されている。
親骨50の基端部には、左右一対の突起状の軸部54が形成されている(図12参照)。親骨50の基端部を、可動ロクロ40における拡径部42の嵌合部44に対して中棒20の基端部側から嵌合させたとき、上記軸部54が凹部44aに対して嵌合される。これにより、親骨50は、拡径部42に対して揺動可能とされると共に、親骨50が拡径部42の外周面側から抜け出ることが規制される(図12参照)。
前記筒状延設部43のうち、拡径部42の付近には、ネジ部43aが形成されている。拡径部42に親骨50の基端部を揺動可能に保持させた状態で、前記係止部材46をネジ部43aに螺合させることにより、親骨50(の基端部)が、拡径部42から嵌合外れすることが規制される。
筒状延設部43のネジ部43aに係止部材46が螺合された状態で、覆い用生地10の嵌合孔11が、中棒20の基端部側から可動ロクロ40に向けて挿通される(引っかけ部材70はあらかじめ中棒20から取外されている)。なお、覆い用生地10の嵌合孔11の内径の大きさは、中棒20の基端部に固定されたネジ部材21の外径よりも若干大きくされている。そして、覆い用生地10の嵌合孔11の周縁部が係止部材46に着座された状態で、ネジ部42aに対して、ストッパ部材48が螺合される。これにより、覆い用生地10の中央部が、可動ロクロ40に対してしっかりと固定されることになる。
ストッパ部材48を筒状延設部43から取外すことにより、覆い用生地10の中央部を中棒20の基端部側から引き抜くことが可能となる(この場合、引っかけ部材70はあらかじめ中棒20から取外されている)。
図29に示すように、覆い用生地10の周縁部には、親骨50に対応して、合成樹脂からなる4つの取付用筒部13が接着や溶着等によって固定されている。そして、親骨50の先端部が、取付用筒部13内にきつく挿入されることにより、覆い用生地10の周縁部と親骨50の先端部との固定が行われる。親骨50を取付用筒部13から引き抜くことにより、覆い用生地10と親骨50との固定状態が解除される。
次に,図18~図27を参照しつつ、固定ロクロ30の部分について説明する。固定ロクロ30は、図18~図20に示す固定側本体部材31と、図21~図24に示す固定側係止部材36と、図25,図26に示す固定側ストッパ部材38と、を有する。各部材31、36、38は、それぞれ合成樹脂によって形成されている。
固定側本体部材31は、拡径部32と、拡径部32から中棒20の先端部側へ短く延びる筒状延設部33を有する。筒状延設部33の外周面のうち拡径部32付近には、周方向等間隔に複数の係止凸部33aが形成されると共に、この係止凸部33aよりも中棒20の先端部寄りの位置にネジ部33bが形成されている。
固定ロクロ30の拡径部32には、周方向90度間隔で、嵌合部34が形成されている。嵌合部34は、拡径部32のうち、中棒20の先端部側と当該拡径部32の外周面側とに開口されている。そして、各嵌合部34には、中棒20の先端部側に臨むようにして、軸受部となる一対の凹部34aが形成されている。
受け骨60の他端部には、左右一対の突起状の軸部(図示略で、親骨50の軸部54に対応)が形成されている。受け骨60の基端部を、固定ロクロ30における拡径部32の嵌合部34に対して中棒20の先端部側から嵌合させたとき、上記受け骨60の軸部が凹部34aに対して嵌合される(図12に対応した状態)。これにより、受け骨60は、拡径部32に対して揺動可能とされると共に、受け骨60が拡径部32の外周面側から抜け出ることが規制される。
固定側係止部材36を固定側本体部材の筒状延設部33に係止させることにより、受け骨60が拡径部32から嵌合外れしてしまうことが規制される。固定側係止部材36を筒状延設部33に係止させる点について以下に説明する。まず、固定側係止部材36は、リング状とされて、その内周面に、前記係止凸部33aが挿入可能な切欠部36aと、切欠部36aに対して周方向に隣り合うカム面36bと、カム面36bに周方向に連なる係止面36cとを有する。カム面36bは、切欠部36aから周方向に離間するにつれて徐々に肉厚とされている。
固定側係止部材36を、筒状延設部33に嵌合させる。この嵌合の際に、固定側係止部材36の切欠部36aを、筒状延設部33の係止凸部33aに整合させつつ行うことにより、切欠部36a部分に係止凸部33aが位置された状態とされる(図23参照)。この状態から、固定側係止部材36を、係止凸部33aが固定側係止部材36のカム面36bに向かうように回転操作する。これにより、係止凸部33aがカム面36bを乗り越えて、やがて固定側係止部材36の係止面36cへ位置される(図24参照)。係止凸部33aが係止面36cに位置された状態では、固定側係止部材36は、係止凸部33aによる係止作用によって、拡径部32のうち中棒20の先端部側の面に強く押し当てられた係止状態とされる。
拡径部32の嵌合部34に対してに受け骨60の他端部を嵌合させた状態で、固定側係止部材36を固定側本体部材31に対して上述のように係止させることにより、受け骨60の他端部が拡径部32から嵌合外れしてしまうことが規制される。
拡径部32に対して固定側係止部材36を係止させた(固定した)状態から、筒状延設部33のネジ部33aに対して、固定側ストッパ部材38が螺合される(図27参照)。これにより、受け骨60の他端部が固定ロクロ30から嵌合外れてしまうことが強固に規制される。なお、係止部材36を、筒状延設部33に対して螺合させることによって固定側本体部材31に固定することもできる。なお、固定側ストッパ部材38は、サウナ傘Sとして使用される際に入浴者Hに臨む部材になることから、中棒20の先端部側に向かう面が比較的大きな面積でかつ平坦な面となるように形成されている。
サウナ傘Sとして継続使用すると、覆い用生地10の内面に水垢が多量に付着して、見栄えが悪くなるばかりでなく、視界の妨げともなる。このため、覆い用生地10の汚れがある程度進行したときには、覆い用生地10を適宜交換すればよい。
覆い用生地10の交換作業は、例えば次のような手順で行えばよい。まず、引っかけ部材70を中棒20から取外しておく。次いで、覆い用生地10の周縁部にある各取付用筒部13から、親骨50の先端部を引き抜いておく。その後、ストッパ部材48を、本体部材41に対する螺合を解除した後、中棒20の基端部側から引き抜いた状態とする。この後、覆い用生地10の中央部を中棒20の基端部側に向けて移動させて、中棒20に対する嵌合状態を解除すればよい(嵌合孔11と中棒20との挿通状態の解除で、図5の状態)。覆い用生地10の交換のためにストッパ部材48を取外しても、係止部材46によって親骨50の可動ロクロ40に対する取付状態が確実に維持されているので、覆い用生地10の可動ロクロ40からの取外し作業を極めて容易に行うことができる。
新しい覆い用生地10の取付は、上述した取外し作業の場合とは逆の手順でもって行えばよい。
中棒20、固定ロクロ30,可動ロクロ40、親骨50,受け骨60はそれぞれ合成樹脂によって形成されていることから、大量の湯気に長期間晒されても、さび等が発生することがなく、耐久性に優れたものとなる。ちなみに、例えば中棒20、親骨50、受け骨60を金属で形成した場合は、早期にさび付いて、耐久性の悪いものになる。
可動ロクロ40からストッパ部材48と係止部材46を取外すことにより、親骨50の1本毎に、可動ロクロ40から取外すことが可能である。また、固定ロクロ30から固定側ストッパ部材38と固定側係止部材36とを取外すことにより、受け骨60の1本毎に固定ロクロ30から取外すことが可能である。つまり、ある親骨50(あるいは受け骨60)が折損等した際には、折損した骨のみを交換することが可能である(親骨50と受け骨60との1セット体毎の交換とすることもできる)。
ここで、本考案によるサウナ傘Sを構成する部品は全て合成樹脂(繊維強化プラスチックを含む)で形成されており、金属製の部品の使用はされていないものである。各構成部品の材質は以下に記載のとおりであるが、これに限定されるものではない。
覆い用生地10はPOE(ポリオレフィンエラストマー)で形成されている。取付用筒部13はABS樹脂で形成されている。中棒20はFRP(ガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂)で形成されている。固定ロクロ30を構成する固定側本体部材31はPC(ポリカーボネート)で形成されている。固定側係止部材36はABS樹脂で形成されている。固定側ストッパ部材38はABS樹脂で形成されている。可動ロクロ40を構成する本体部材41はPC(ポリカーボネート)で形成されている。係止部材46はABS樹脂で形成されている。ストッパ部材48はABS樹脂で形成されている。親骨50はFRP(ガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂)で形成されている。受け骨60はFRP(ガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂)で形成されている。引っ掛け部材70はABS樹脂で形成されている。なお、上記に記載されていない部品については、上記に記載された合成樹脂のいずれか(特にPCあるいはABS樹脂)で形成されているものである。
以上実施形態について説明したが、本考案はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。固定ロクロ30あるいは可動ロクロ40に、照明機能をもたせるようにしてもよい。例えば、固定ロクロ30における固定側ストッパ部材38を、電池を含むLED照明器具として構成することができる。また、固定ロクロ30あるいは可動ロクロ40に、オーディオ機能をもたせるようにしてもよい。例えば、固定ロクロ30における固定側ストッパ部材38を、スピーカの他に電池や近距離無線機能を有するオーディオ器具として構成することができ、例えばスマートフォン等から送信される音楽データを受信してスピーカで再生するように構成することができる。
中棒20、固定ロクロ30、可動ロクロ40,親骨50、受け骨60のうち任意の1種類あるいは任意の2種類以上を金属製としてもよい。覆い用生地10は、透明あるいは半透明としておくのが好ましいが、これに限らず、非透明とすることもできる(サウナ傘Sとして使用している際に周囲状況に邪魔されない没入感を得る)。サウナ傘Sの開状態において、覆い用生地10の周縁部が形成する形状は、方形に限らず、例えば6角形状や円形形状等、適宜の形状を採択することができる。本考案は、覆い用生地10が適宜交換されることを考慮して、中棒20と固定ロクロ30と可動ロクロ40と親骨50と受け骨60とを含む1つの構造体に対して、複数種の覆い用生地10を組み合わせたセット体として販売することもできる。勿論、本考案の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本考案は、例えば家庭用浴槽を有効に利用して簡易にサウナを楽しむ上で好ましいものとなる。
S:サウナ傘
Y:浴槽
H:入浴者
10:覆い用生地
11:嵌合孔
20:中棒
30:固定ロクロ
31:固定側本体部材
32:拡径部
33:筒状延設部
33a:係止凸部
33b:ネジ部
34:嵌合部
34a:凹部
40:可動ロクロ
41:本体部材
42:拡径部
43:筒状延設部
43a:ネジ部
44:嵌合部
44a:凹部
50:親骨
60:受け骨
70:引っかけ部材

Claims (10)

  1. 中棒と、
    前記中棒の先端部に設けられた固定ロクロと、
    前記中棒にスライド可能に保持された可動ロクロと、
    基端部が前記可動ロクロに揺動可能に保持された複数本の親骨と、
    前記複数本の親骨のそれぞれに設けられ、一端部が該親骨の中間部に対して揺動可能に連結されると共に、他端部が前記固定ロクロに揺動可能に保持された複数本の受け骨と、
    中央部が前記可動ロクロに取付けられると共に、周縁部が前記複数本の親骨の先端部に対して取付けられた覆い用生地と、
    を備え、
    前記可動ロクロを前記固定ロクロに接近させたときに、前記複数本の親骨が放射状に広がって前記覆い用生地がドーム状に開いた開状態とされ、
    前記覆い用生地の中央部が前記可動ロクロに対して前記中棒の前記基端部側から着脱自在に取付けられると共に、該覆い用生地の周縁部が前記複数本の親骨の先端部に対して着脱自在に取付けられている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  2. 請求項1において、
    前記覆い用生地の中央部に、前記中棒の前記基端部側が挿通可能な嵌合孔が形成され、
    前記可動ロクロが、本体部材と該本体部材に対して前記中棒の基端部側から螺合されるストッパ部材と、を有し、
    前記覆い用生地の前記嵌合孔を前記中棒の基端部側から挿通させて該嵌合孔の周縁部を前記可動ロクロの前記本体部材に対して着座させた状態で、前記ストッパ部材を該本体部材に螺合することにより、前記覆い用生地の該本体部材に対する取付状態が維持され、
    前記覆い用生地の周縁部に、取付用筒部が複数形成され、
    前記取付用筒部が、前記親骨の先端部に嵌合されることにより、該覆い用生地が該親骨から着脱自在とされている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  3. 請求項2において、
    前記本体部材が、リング状の拡径部と該拡径部よりも小径とされて前記中棒の基端部側に延びる筒状延設部とを有し、
    前記拡径部に、前記中棒の基端部側の面および該拡径部の外周面にそれぞれ開口された嵌合部が形成され、
    前記筒状延設部にネジ部が形成され、
    前記親骨の基端部が、前記拡径部の前記嵌合部に対して前記中棒の前記基端部側から嵌合されることにより、該拡径部の外周面方向への抜けが規制された状態で該拡径部に揺動可能に保持され、
    前記可動ロクロが係止部材をさらに有して、該係止部材を前記筒状延設部の前記ネジ部に螺合させることによって、前記親骨の基端部が前記拡径部から嵌合外れすることが規制され、
    前記係止部材よりも前記中棒の前記基端部側において前記覆い用生地の前記嵌合孔が前記筒状延設部に挿通された状態で、前記ストッパ部材が前記筒状延設部の前記ネジ部に対して螺合されている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  4. 請求項2において、
    前記固定ロクロが、固定側本体部材と、該固定側本体部材に対して前記中棒の先端側から着脱自在に固定される固定側ストッパ部材と、を有し、
    前記固定側本体部材に、前記中棒の前記先端部側の面に開口されると共に、該固定側本体部材の外周面側に開口された嵌合部が形成され、
    前記受け骨の他端部が、前記固定側本体部材の前記嵌合部に対して前記中棒の前記先端部側から嵌合させることにより、該固定側本体部材の外周面方向への抜けが規制された状態で該固定側本体部材に揺動可能に保持され、
    前記受け骨の他端部を前記固定側本体部材に嵌合させた状態で、前記固定側ストッパ部材を前記固定側本体部材に対して着脱自在に固定することにより、該受け骨が前記固定側本体部材の前記嵌合部からの嵌合外れが規制されている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  5. 請求項3において、
    前記固定ロクロが、固定側本体部材と、該固定側本体部材に対して前記中棒の先端側から着脱自在に固定される固定側ストッパ部材と、を有し、
    前記固定側本体部材に、前記中棒の前記先端部側の面に開口されると共に、該固定側本体部材の外周面側に開口された嵌合部が形成され、
    前記受け骨の他端部が、前記固定側本体部材の前記嵌合部に対して前記中棒の前記先端部側から嵌合させることにより、該固定側本体部材の外周面方向への抜けが規制された状態で該固定側本体部材に揺動可能に保持され、
    前記受け骨の他端部を前記固定側本体部材に嵌合させた状態で、前記固定側ストッパ部材を前記固定側本体部材に対して着脱自在に固定することにより、該受け骨が前記固定側本体部材の前記嵌合部からの嵌合外れが規制されている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  6. 請求項4において、
    前記固定ロクロが固定側係止部材をさらに有して、該固定側係止部材を前記固定側本体部材に対して周方向に回転操作されることによって、前記受け骨の他端部が前記中棒の先端部側から嵌合外れすることが規制され、
    前記固定側係止部材よりも前記中棒の先端部側において、前記固定側ストッパ部材が前記固定側本体部材に対して螺合されている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  7. 請求項5において、
    前記固定ロクロが固定側係止部材をさらに有して、該固定側係止部材を前記固定側本体部材に対して周方向に回転操作されることによって、前記受け骨の他端部が前記中棒の先端部側から嵌合外れすることが規制され、
    前記固定側係止部材よりも前記中棒の先端部側において、前記固定側ストッパ部材が前記固定側本体部材に対して螺合されている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記中棒、前記固定ロクロ、前記可動ロクロ、前記親骨、前記受け骨、前記覆い用生地を含む全ての部材が、合成樹脂によって形成されている、ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記覆い用生地がドーム状に開いた前記開状態において、前記覆い用生地の周縁部によって形成される形状が方形とされ、
    前記覆い用生地が、透明または半透明とされている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
  10. 請求項8において、
    前記覆い用生地がドーム状に開いた前記開状態において、前記覆い用生地の周縁部によって形成される形状が方形とされ、
    前記覆い用生地が、透明または半透明とされている、
    ことを特徴とする傘式の簡易サウナ構築用器具。
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