JP3243798B2 - 非吸湿性アイシングの製造方法 - Google Patents
非吸湿性アイシングの製造方法Info
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Description
ンケーキ、ドーナツ、パン類、クッキー、ビスケット、
クラッカー等のベーカリー製品に塗布するアイシングに
関する。
一般名称であり、ベーカリー製品に外観の魅力を与える
もの、つまり、きめ、光沢等の美しさを与え、かつ、の
び、耐湿性、口当たり等の様々な物性が要求されている
ものである。アイシングには多くの種類があるが、その
代表的なものはフラット・アイシングと呼ばれ、クリー
ミングもホイッピングもしないものをいい、グラース、
フォンダン、チョコレートアイシング等、その用途等に
応じて呼ばれている。典型的な用途としては、パン類や
ドーナツ等の表面にかけるのに用いられる。他にも、生
クリーム、マーガリン、ショートニング、バター等を含
有し、更に含気させたものがあり、バタークリーム、ホ
イップクリーム、ガナッシュ、メレンゲ、マシュマロ、
ヌガー、マジパン等がある。
その代表的なものはショ糖に少量の水あめ、水を加え1
06〜107℃に加熱後冷却した過飽和溶液を急激に摺
り合わせてショ糖の微細な結晶を生じさせたもので微小
なショ糖結晶がシロップで包まれたものである。フォン
ダンと呼ばれるものは一般にこのタイプのものである。
しかし、上述したような従来のアイシングをパン、ケー
キ等の表面に塗布し袋詰めすると時間の経過とともにア
イシングの吸湿によって白色のアイシングが溶解して透
明となる「泣き」という状態を生じてべとつき、製品の
外観、取り扱いを著しく損ね、製品の商品価値を低下さ
せる。
め、例えばアイシングに油脂及び乳化剤を加えたものが
あるが、泣き、べたつきは改良されていない。一方、チ
ョコレートアイシング等において、ショ糖が泣かないよ
うにショ糖結晶を油脂で被覆する方法がある。具体的に
はショ糖と油脂、乳化剤を混合し、三本ロールでショ糖
結晶を微粉砕し粒径20μm程度とするが、糖含量が6
0%以上、油脂量が40%以下になると70℃に加温し
ても流動性がなくなり、操作上問題となる。油脂量を多
くすれば流動性は得られるが油脂味が強く、甘味の感じ
方がおそくなる欠点がある。
く、かつ加温した際、流動性のあるアイシングが要求さ
れていた。アイシングの吸湿性改善の試みとしては、安
定化剤としてマルトデキストリンを添加する方法(US
P3,669,688)、デキストロースパウダーでシ
ョ糖の一部を置換して原料とする方法(USP3,67
6,155)、植物性油脂とパウダー状ホエーを高融点
の油脂に混ぜて添加する方法(USP4,415,60
1)などがある。
流動性が適切であり、かつ泣き、べたつきを生じないア
イシングを提供しようとするものである。
は、糖、油脂及び乳化剤を主な構成成分としてなるアイ
シングの製造方法であって、80重量%以上が63μm
篩下で32μm篩上から63μm篩下を40重量%以上
含む糖60〜80重量%と、油脂20〜40重量%と、
ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸
エステルから選ばれる親油性の乳化剤とを混合して、含
水量が1重量%以下で非吸湿性のアイシングを得ること
を特徴とするアイシングの製造方法に存する。
用いる糖は、特に制限はなく、ショ糖、ぶどう糖、エリ
スリトール、乳糖、パラチノース、ジフルクトース1,
2’:2,3’シアンヒドリン(DFAIII)、マルト
ース等が挙げられる。中でも、ショ糖、ぶどう糖及びエ
リスリトールが好ましい。これらは、単独又は混合し
て、本発明のアイシング中60〜80重量%、好ましく
は70〜75重量%用いる。
0重量%以上、更に好ましくは99重量%以上が63μ
m篩下の大きさのものを用いる。更に糖のうち32μm
篩上から63μm篩下の範囲に入る粒の割合は40重量
%以上、好ましくは50重量%以上、更に好ましくは4
5μm篩上から63μm篩下の範囲に入る粒を50重量
%以上とする。ここで、粒の大きさは、JIS Z 8
801(1987)規格の標準篩で得られるものを目安
とした。粒径は小さすぎると加熱してもアイシングの流
動性に劣り、塗布しにくくなる。また63μm篩上のも
のが混っていても、本発明の目的は達成されるが、粒が
大きすぎると滑らかな食感が減少し、ザラザラした感触
が増す。
て適宜選択して使用すればよい。具体的には、天然又は
合成による油脂原料からカカオ脂の特徴的成分である
1,3−ジ飽和脂肪酸−2−不飽和脂肪酸トリグリセラ
イドを採取したもの、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を
含む油脂原料を調整された条件で水素添加処理して得ら
れる不飽和脂肪酸のトランス型異性体を含むトリグリセ
ライド、ヤシ油、パーム核油等の脂肪酸成分がラウリン
酸を主体とする油脂をそのまま、あるいは水素添加した
もの(ラウリン酸型ハードバター)等が知られている。
一般には、クッキー等のサンドクリーム用として市販さ
れている油脂が適している。また、アイシングをパン等
に塗布した後の固化速度を促進させるために、油脂の一
部に硬化油、極度硬化油を用いることが出来る。
t index)の異なる2種類以上の油脂を組み合わ
せることにより、くちどけ、食感を変化させることが出
来る。例えば、融点が23.6℃の油脂と、融点が40
℃の油脂とを適宜混合することができる。混合の割合に
より、季節による温度変化に対応した組み合わせが考え
られ、夏季において流通時融点の高い油脂を主体にした
アイシングを調整することが可能である。又、油脂の混
合においてSFIの異なるものを用い、SFIを調整す
る結果、目的とする質感のものが得られる。
重量%、好ましくは20〜30重量%とする。硬化油を
用いる場合は上記油脂の一部を硬化油に置換し、アイシ
ング中0.1〜3重量%、更には0.3〜1.5重量%
とすることができる。乳化剤としては、親油性のショ糖
脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを単独あるいは組み合わせて使用する。親油性ショ糖
脂肪酸エステルとしては、構成脂肪酸の炭素数が16〜
24の飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸であって、平
均置換度が4〜7であるショ糖脂肪酸エステルが好まし
く、更に好ましくは構成脂肪酸が不飽和脂肪酸であるも
のが用いられる。具体的には、ショ糖ステアリン酸エス
テル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エス
テルなどが挙げられる。
ては、構成脂肪酸の炭素数が12〜24の飽和脂肪酸及
び/又は不飽和脂肪酸であって、グリセリンの縮合度
(ポリグリセリンの重合度)が4〜10であり、平均エ
ステル化率が50〜90%であるポリグリセリン脂肪酸
エステルが特に好ましく、具体的には、ヘキサグリセリ
ンペンタステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンペン
タオレイン酸エステルなどが挙げられる。また、これら
の乳化剤の親油性の度合いはHLB値で表すと通常2〜
7の範囲であり、HLB2の親油性の高い乳化剤が好ま
しい。
1〜2重量%、特に0.1〜1.5重量%とするのが好
ましい。又、必要に応じて、脱脂粉乳、香料、エキス等
を加えることができる。本発明のアイシングは、各構成
成分を常法により、混合、均一化すれば良いが、糖につ
いては予め粉砕等の手段により、所望の粒度分布にした
後に混合する。
して固化させるので、糖が分離しない温度内で塗布しや
すいことが必要である。そのため、アイシングの粘度は
より低いほうが好ましい。粘度は60〜90℃の範囲で
100P(ポイズ)以下となるようにするのが、例えば
ケーキやパン等への塗布の際、流動性があり好ましい。
60〜90℃の範囲というのは、90℃以上で長時間加
熱すると糖の褐変、油脂の酸化等が起こりやすいからで
ある。アイシング中の含水量が1重量%を超えると、ア
イシングの粘度は上昇する傾向にある。なお、乳化剤の
使用量を増加することにより粘度調整をすることが出来
る。
るが、本発明がこれら実施例によって限定されるもので
はない。なお、以下篩分けは三田村理研工業社製の振動
篩器MRKによりダイヤル98で10分間で行った。実
施例中「%」は重量%を示す。 実施例1 後記表1に示したショ糖70.0%、油脂(商品名メラ
ノSTS、不二製油(株)製)29.5%及びショ糖脂
肪酸エステル(平均置換度が4.5のショ糖エルカ酸エ
ステルHLB2、リョート−シュガーエステルER−2
90〔商標〕、三菱化成(株)製)0.5%を混合し、
アイシングを製造した。70℃における粘度をEHD型
粘度計(東京計器社製)により0.5RPMにして測定
した。結果を後記表1に示す。 実施例2 ショ糖脂肪酸エステルのかわりにポリグリセリン脂肪酸
エステル(エステル化率63%、商品名Hexagly
n 5−0 NIKKOL、日光ケミカルズ(株)製)
を使用した以外は実施例1と同様にしてアイシングを製
造し、同様に粘度を測定した。結果を後記表3に示す。 実施例3 後記表5の粒度分布のショ糖を用い、ショ糖と油脂の重
量比及び含水量を後記表4に示したものとする以外、実
施例1と同様に行った。結果を後記表4に示す。
糖、油脂およびショ糖脂肪酸エステルの3成分を混合
し、更に三本ロールを用いて混練処理をした場合を示
す。この場合、ショ糖の粒径は20μm程度の微粒とな
り粘度が急激に上昇し、アイシングとしては不適当であ
った。 実施例4 後記表5の粒度分布のショ糖を用い、後記表6の配合に
従い、各成分を70℃で良く混合した後、パン表面に塗
布し泣きの状態を調べた結果を後記表6に示す。SFI
の異なる油脂を混合することにより、室温でのアイシン
グの質感を調整している。メラノSTSのSFIは20
℃で72、BSTは11であるので、この両者を組合わ
せることで、硬い〜やわらかいアイシングを調整でき
る。
である。ショ糖80重量%、水あめ10重量%、水10
重量%を混合、106〜107℃に加熱溶解後冷却し、
得られた過飽和溶液を撹はんしてショ糖の微細結晶を生
じさせ、アイシングを得た。表6から明らかなように、
本発明品は対照品アイシングに比し吸湿性が少なく、4
0℃、RH100%(袋づめしたベーカリー製品の湿度
環境と同じ)の雰囲気で3日間保存しても泣くことな
く、しかも粘度が低く取扱い易い。 実施例5 後記表7の配合に従い本発明品の各種原料を70℃で良
く混合した後、パン表面に塗布し泣きの状態を調べた結
果を後記表7に示す。
品アイシングに比し吸湿性が少なく、しかも粘度が低く
取扱い易い。
は、非吸湿性であるから、パン、ケーキ等の表面に塗布
し袋詰めしても吸湿による泣き、べとつきがなく製品の
外観、取り扱い性がきわめてよい。
Claims (2)
- 【請求項1】 糖、油脂及び乳化剤を主な構成成分とし
てなるアイシングの製造方法であって、80重量%以上
が63μm篩下で32μm篩上から63μm篩下を40
重量%以上含む糖60〜80重量%と、油脂20〜40
重量%と、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はポリグリセ
リン脂肪酸エステルから選ばれる親油性の乳化剤とを混
合して、含水量が1重量%以下で非吸湿性のアイシング
を得ることを特徴とするアイシングの製造方法。 - 【請求項2】 アイシング中の糖が、ショ糖、エリスリ
トール及びぶどう糖のうちの1種又は2種以上であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のアイシングの製造方
法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14631591A JP3243798B2 (ja) | 1990-06-29 | 1991-06-18 | 非吸湿性アイシングの製造方法 |
US07/985,956 US5304389A (en) | 1991-06-18 | 1992-12-04 | Non-hygroscopic icing composition |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17219290 | 1990-06-29 | ||
JP2-172192 | 1990-06-29 | ||
JP14631591A JP3243798B2 (ja) | 1990-06-29 | 1991-06-18 | 非吸湿性アイシングの製造方法 |
US07/985,956 US5304389A (en) | 1991-06-18 | 1992-12-04 | Non-hygroscopic icing composition |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04252142A JPH04252142A (ja) | 1992-09-08 |
JP3243798B2 true JP3243798B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=27319149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243798B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6902752B1 (en) | 1999-06-10 | 2005-06-07 | Fuji Oil Company, Limited | Coatings for bakery/confectionery use and process for producing the same |
JP6621993B2 (ja) * | 2015-02-02 | 2019-12-18 | ミヨシ油脂株式会社 | 製菓製パン用粉末油脂 |
-
1991
- 1991-06-18 JP JP14631591A patent/JP3243798B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04252142A (ja) | 1992-09-08 |
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