JP3243620B2 - アルカリ蓄電池用亜鉛負極及びその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用亜鉛負極及びその製造方法

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニッケル−亜鉛蓄電池、
銀−亜鉛蓄電池、亜鉛−マンガン電池などの亜鉛を負極
とする蓄電池に関し、特にその亜鉛負極の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】亜鉛を負極とするアルカリ2次電池はエ
ネルギー密度が高く良好な出力特性を有し、且つ安価に
製造することが可能なため、ポータブル機器や電気自動
車用の電源として期待されている。しかしながら、負極
活物質である亜鉛の溶解度が高いため、放電時に溶出し
た亜鉛酸イオンが充電時にデンドライトとなって短絡し
たり、電極自体がシェープチェンジを起こして利用率が
低下したりして充分なサイクル寿命が得られていない。
【0003】これらの問題を解決するために電解液、電
池隔離板、電極などに様々な改良がなされてきた。しか
しながら、亜鉛負極を用いた蓄電池は、いまだに充分な
サイクル寿命が得られていない。
【0004】特に電池隔離板は物理的にデンドライトを
抑制する手段として重要で、ポリオレフィン不織布やそ
の他の素材により様々な研究がなされてきた。しかし溶
解した亜鉛酸イオンが電極と電池隔離板との間に存在す
る電解液層で拡散し充電時に偏析するため、デンドライ
トやシェープチェンジが発生し利用率が減少することが
知られている。
【0005】また特開平3−1457号公報にみられる
ようにポリビニルアルコールを電極に直接塗布しセパレ
ータと結着してサイクル特性を向上させることもなされ
ているが、バインダーとして用いたポリビニルアルコー
ルのデンドライト抑制力が充分とは言えないため、その
サイクル特性は満足な状態にない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みなされたもので、デンドライトとシェープチェン
ジをその初期段階から抑制することによって、サイクル
寿命を向上させた亜鉛を負極とする蓄電池とその製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に沿って鋭意研究を進めた結果、亜鉛活物質のごく近
傍に気体透過性に優れたポリマーを配置し、アルカリ蓄
電池の亜鉛活物質が実質的に該ポリマーを介して電解液
に作用するようにすると、亜鉛負極のデンドライト及び
シェープチェンジを抑制できることを見いだし本発明に
至った。
【0008】すなわち本発明は、亜鉛を活物質とする電
極と実質的に直接接し、かつ被覆するようにポリマー層
を設け、且つ該ポリマー層を構成するポリマー(以下、
「ポリマー(I)」という。)の酸素透過係数が1×1
-10 cm3 (STP)cm-1-1cmHg-1以上であ
ることを特徴とするアルカリ蓄電池用亜鉛負極に関す
る。
【0009】また本発明は、少なくともゾル状のポリマ
ー前駆体を含む塗布膜を亜鉛電極上に形成し、ゲル化す
ることにより亜鉛電極に実質的に直接接し、かつ被覆
るようにポリマー層を設ける工程を含み、かつ得られた
ポリマー層の酸素透過係数が1×10-10 cm3 (ST
P)cm-1-1cmHg-1以上であることを特徴とする
アルカリ蓄電池用亜鉛負極の製造方法に関する。
【0010】亜鉛負極を有するアルカリ蓄電池は、自己
放電時に発生する酸素および水素を電池内部で反応させ
ることにより、電池内部の圧力上昇を防止する構造を有
する。このためポリマー層は酸素もしくは水素を透過す
ることが必要であるが、一般に酸素は水素よりもポリマ
ーを透過し難いので、本発明においては酸素透過係数を
もってポリマーの性質を表すものとする。ただしここで
いう酸素透過係数(P)は、下記数式1
【数1】 (式中、Qは酸素透過量、Pは酸素透過係数、p1,p
2はそれぞれ膜に供給された気体の分圧及び膜の透過側
の気体の分圧、lは膜厚、Aは透過面積、tは時間を表
す)に従い、実験から求められた値を透過面積1c
、分圧差1cmHg、厚さ1cmに換算し、1秒間
に透過した気体の量を標準状態に換算した体積をcm
で表したものである。従って単位はcm(STP)c
−1−1cmHg−1である。
【0011】本発明に用いられるポリマー層を構成する
ポリマー(I)は、少なくとも後述するポリマー(A)
および/またはポリマー(A)の骨格の一部を官能基
(B)で置換されたポリマー(以下、「ポリマー
(A’)」という。)を含有し、必要に応じてさらにポ
リマー(C)、さらには必要に応じてポリマー(D)を
含有する。
【0012】本発明に用いられるポリマー(A)は、酸
素透過係数が1×10−10cm(STP)cm−1
−1cmHg−1以上であるポリマーであれば特に制
限されない。さらにはポリマー(A)の酸素透過係数
は、1×10−8cm(STP)cm−1−1cm
Hg以上であることが望ましい。具体的には例えば分子
量が通常1000〜200万、好ましくは10,000
〜1000,000程度であるポリジメチルシロキサ
ン、ポリオルガノシロキサン、ポリビニルトリオルガノ
シロキサン、ポリアルキルスルホン、ポリ(4−メチル
ペンテン−1)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオ
キシド)、低密度ポリエチレン、などが挙げられる。こ
のときポリマー(A)の酸素透過係数が1×10−10
cm(STP)cm−1−1cmHg−1未満であ
ると、ポリマー(I)の酸素透過係数が充分でなくなる
ため、自己放電による水素が電極内部に溜ったり、充電
時に正極で発生した酸素を負極でいわゆるノイマン効果
により消費できなくなるので好ましくない。
【0013】また、ポリマー(A)の骨格の一部に、ポ
リマー(A)のイオン伝導性を向上させる効果を有する
基(以下、「官能基(B)」という。)を導入すると、
アルカリ蓄電池の内部インピーダンスが減少し、充放電
特性が向上するために特に好ましい。ここで、ポリマー
(A)の骨格の一部に官能基(B)が導入されたポリマ
ーを、ポリマー(A’)という。
【0014】官能基(B)としては具体的には、例えば
−COOH,−CN,−CONH,−N(ただ
し、Rは水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を
表す。)などから成る群より選ばれる1種類以上の解離
基または極性基が挙げられる。またポリマー(A)に官
能基(B)を導入する方法として、ポリマー(A)に官
能基(B)をグラフトする方法、もしくはポリマー
(A)の前駆体を官能基(B)を有するモノマーと共重
合する方法等が挙げられる。
【0015】ポリマー(A)のモノマーユニット10に
対して官能基(B)を通常1〜10ユニット、好ましく
は3〜7ユニット程度導入することが望ましい。
【0016】ここで、官能基(B)が1ユニット未満あ
ると充分な効果が得られず、また10ユニットを超える
とポリマー(A’)が充分な酸素透過係数を維持できな
くなる可能性があるので好ましくない。
【0017】さらに、ポリマー(I)には、蓄電池の内
部インピーダンスを減少させる目的で、電解液(例えば
水酸化カリウム30重量%水溶液等)中で充分膨潤した
状態でのイオン導電性が比較的高いポリマー(以下、
「ポリマー(C)」という。)を必要に応じて含有させ
ることも好ましく行われる。ポリマー(C)は、充分膨
潤した状態で、イオン伝導率が通常10-3〜101S/
cm程度、好ましくは10-2〜10-1S/cm程度を有
するものであれば特に制限されない。このようなポリマ
ー(C)としては具体的には、例えばポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリロニト
リル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、
ポリパラバン酸、ポリオキサゾリン、ポリエチレンオキ
サイド等が挙げられる。ポリマー(C)の割合は特に限
定されず、目的に応じて適宜含有することができるが、
一般的にはポリマー(I)に対して、通常10〜90w
t%、好ましくは30〜70wt%程度含有添加するの
が望ましい。このとき、ポリマー(C)が10wt%未
満では効果が充分でなく、90wt%を超えると上記酸
素透過係数を維持するのが困難となるので好ましくな
い。
【0018】ポリマー(I)には上記の他に、必要に応
じて硬化性や柔軟性を付与するためのポリマー(以下、
「ポリマー(D)」という。)を含有させることもでき
る。ポリマー(D)としては例えば、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート等が挙げられる。該ポリマー(D)の含有割合
は、特に限定されず、必要に応じて適宜選択できるが、
ポリマー(I)に対して通常2〜50wt%、好ましく
は5〜20wt%程度である。この際、2wt%より少
ないとその効果が得難く、また50wt%より多いと上
記酸素透過係数を維持し且つイオン伝導性を付与するこ
とが困難となってしまうためにいずれも好ましくない。
【0019】本発明においては、かくして得られたポリ
マー(I)を亜鉛電極に被覆することにより、アルカリ
蓄電池用亜鉛電極を得ることができる。
【0020】上記亜鉛電極にポリマー(I)を被覆する
方法は、特に限定されず、例えばポリマー(I)を加熱
溶融して被覆する方法、ポリマー(I)を溶媒に溶解し
て被覆する方法、もしくは少なくともポリマー(A)の
前駆体および/またはポリマー(A’)の前駆体を含有
する塗布液を被覆した後にポリマー化する方法等が挙げ
られる。
【0021】ポリマー(I)を加熱溶融させる方法とし
ては、例えばポリマー(I)を通常120〜200℃程
度で溶融させ、塗布もしくはディップコートで亜鉛電極
上に被覆する方法が挙げられる。
【0022】ポリマー(I)を溶媒に溶解して被覆する
方法としては、ポリマー(A)に例えばポリジメチルシ
ロキサン、ポリオルガノシロキサン、ポリビニルトリオ
ルガノシロキサン、ポリアルキルスルホン、ポリ(4−
メチルペンテン−1)、ポリ(2,6−ジメチルフェニ
レンオキシド)、低密度ポリエチレン等より選ばれる少
なくとも1種類のポリマーを用い、かつ少なくともポリ
マー(I)を溶解し得る溶媒にポリマー(I)溶解し、
必要に応じてその他の成分を添加し、亜鉛電極上に塗
布、ディップコート、スピンコートもしくはスプレー等
により塗装し乾燥させる方法が挙げられる。このような
溶媒としては、例えばヘキサン、デカリン、トルエン等
が挙げられる。
【0023】少なくともポリマー(A)の前駆体および
/またはポリマー(A’)の前駆体(以下、「前駆体
(E)」という。)を含有する塗布液を被覆した後にポ
リマー化する方法としては、前駆体(E)を含有する塗
布液を亜鉛電極上に塗布もしくは、ディップコート、ス
ピンコート、スプレー等により塗布し、加熱、光照射も
しくはゲル化する方法、あるいは予め前駆体(E)を含
有する塗布液に硬化促進成分を含有させておき、塗布後
に自動的もしくは加熱等の手段により反応硬化させ、ポ
リマー(I)とする方法が挙げられる。ここでいう前駆
体(E)を含有する塗布液は、必要に応じてポリマー
(C)および/またはポリマー(D)を含有するものと
する。
【0024】前駆体(E)としては例えば−SiH、S
iCl、−SiCH=CH2 、−SiCH2 SHなどの
官能基を有する低粘度のモノマーおよびオリゴマー、あ
るいは必要に応じて官能基(B)を導入された上記モノ
マーおよびオリゴマーが挙げられる。
【0025】この際、前駆体(E)を含有する塗布液
は、ポリマー(C)を含有していることが望ましく、前
駆体(E)とポリマー(C)が相溶しない場合は、適宜
両者を溶解する溶媒を用いたり、ポリマー(C)の代わ
りにポリマー(C)の前駆体(以下、「前駆体(F)」
という。)を用いると、均一なポリマー被覆を得ること
ができ好ましい。さらに、ポリマー(D)についても必
要に応じ含有することができるが、ポリマー(D)の代
わりにポリマー(D)の前駆体(以下、「前駆体(G)
という。)を用いることもできる。また前駆体(E)に
アルコキシシランゾルを用いる方法も有用である。例え
ばジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン等の前駆体(E)を水溶液
中でゾルとし、必要に応じてポリマー(C)もしくは前
駆体(F)、さらに必要に応じてポリマー(D)もしく
は前駆体(G)やその他の成分を添加して塗布溶液と
し、亜鉛電極に塗装した後、乾燥させてゲル化すること
によってポリマー(I)で被覆された亜鉛電極を得るこ
とができる。
【0026】亜鉛電極をポリマー(I)で被覆するとき
の厚さは、ポリマー(I)の種類、目的とする被覆の酸
素透過係数、被覆の耐久性、電極間距離、セパレーター
の厚さ、機械的強度、亜鉛活物質量に応じて適宜選択で
き、乾燥状態で通常0.05〜2.00mm、好ましく
は0.1〜0.5mm程度である。この際0.05mm
よりも薄い場合には一般にデンドライトの抑制効果が充
分でなく、2.00mmより厚い場合には酸素透過率も
しくはイオン伝導率が充分でないために、共に好ましく
ない。
【0027】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1) 亜鉛電極の作製:酸化亜鉛6.0g、亜鉛粉末3.0
g、ポリテトラフルオロエチレン0.1gに、濃度5重
量%のポリビニルアルコール水溶液4ミリリットルを加
えて混練した後、20メッシュの板状の銅網(縦5cm
×横20cm)の一部(縦2cm×横20cm)に塗布
し、これをローラーで圧延乾燥し、40cmの電極面
積を有する亜鉛電極を得た。これを2cmの電極面積
を有する電極に切り分け実験に使用した。
【0028】亜鉛電極の被覆:濃度10重量%のポリビ
ニルアルコール水溶液10ミリリットルに塩酸を加えて
pH=3とし、さらにジメチルジエトキシシラン1.0
gを加え、60℃で5時間加熱攪拌してゾルとした。次
いでカルボキシメチルセルロース0.1gとテトラエト
キシシラン0.5gを加え、さらに水酸化カリウム水溶
液を加えてpH=11としこれを塗布溶液とした。該塗
布溶液に上記亜鉛電極を浸漬して引き上げ、80℃で1
時間加熱乾燥することにより、亜鉛電極表面に実質的に
直接接する厚さ約200μm程度のポリマー層を有する
アルカリ蓄電池用亜鉛電極が得られた。
【0029】上記ポリマー層に相当するポリマー膜の酸
素透過率を圧力法により測定したところ、8.8×10
−8cm(STP)cm−1−1cmHg−1であ
った。
【0030】対極を焼結式ニッケル電極(電極面積2c
2 )、電解液が濃度30重量%の水酸化カリウムの水
溶液を用い、内容量が縦1cm×横1cm×高さ5cm
の電池セルを組んで充放電試験を行った。(20℃恒
温、充電電流10mA、充電終止電位1.92V、放電
電流20mA、放電終止電位1.2V) 電池セルの構成を図1に示す。このときのサイクル特性
を図2の電池(a)に示す。初期放電容量の6割以上を
サイクル寿命とすると5倍以上であった。
【0031】(実施例2) 亜鉛電極の被覆:ポリメチルハイドロシロキサンの
【数2】 ユニット10に対して、5ユニットにビニル酢酸を、ま
た3ユニットに1−ヘプテンを、それぞれ塩化白金酸を
触媒としてグラフトし、これを塗布液とした。そして使
用直前に、上記ポリメチルハイドロシロキサンの2ユニ
ット分と反応する量の両末端にビニル基を有するポリジ
メチルシロキサン加え、直ちに、実施例1で得られた亜
鉛電極を浸漬し、引き上げた後に60℃で1時間加熱硬
化させ、亜鉛電極表面に実質的に接する厚さ500μm
程度のポリマー層を有するアルカリ蓄電池用亜鉛負極を
得た。上記ポリマー層に相当するポリマー膜の酸素透過
率を圧力法により測定したところ、1.1×10−7
(STP)cm−1−1cmHg−1であった。
【0032】上記アルカリ蓄電池用亜鉛負極を用い、実
施例1と同様に電池セルを作製し、サイクル特性を図2
の電池(b)に示した。
【0033】(比較例1)実施例1で得られた亜鉛電極
に対してポリマーの被覆を行わないこと以外は実施例1
と同様にして、電池セルを組んで充放電試験を行った。
結果を図2の電極(C)に示す。
【0034】(比較例2) 濃度15重量%のポリビニルアルコール(PVA)の水
溶液に、実施例1で作製した亜鉛電極を浸漬し、引き上
げ、80℃で1時間加熱乾燥することにより、亜鉛電極
表面に実質的に直接接する厚さ約200μm程度のPV
A層を有する電極を作製し、実施例1と同様の方法で充
放電試験を行った。結果を図2の電極(d)に示す。
【0035】このとき、上記PVA層に相当するPVA
膜の酸素透過率を、圧力法で測定したところ、約8.5
×10−13cm(STP)cm−1−1cmHg
−1であった。
【0036】本発明による電極(A)では電極を被覆し
たポリマーが充分な気体透過性とイオン伝導性を有して
いるため、容量は被覆していないときと同等で、初期充
放電特性に於ける性能の低下はみられなかった。充放電
サイクルを重ねていくと、ポリマー被覆していない電極
はデンドライトによる形状の変化が明白となり、容量の
急激な低下とついには短絡を起こすものがあった。また
ポリビニルアルコールをポリマー層に用いた電極では、
自己放電により発生した気体が電極ポリマー層との間に
溜り形状変化を起こして容量が低下した。気体透過性ポ
リマーで被覆した電極では形状変化はわずかでデンドラ
イトは発生しなかった。結果として充放電効率に優れ、
サイクル寿命が5倍以上の電池セルとなることが明かと
なった。
【0037】
【発明の効果】本発明により得られたアルカリ蓄電池用
亜鉛電極は、その表面に実質的に直接接するように配さ
れたポリマー層の作用によりデンドライトおよびシェー
プチェンジの発生が著しく少ないため、これを用いた蓄
電池は充分に長いサイクル寿命を有する。また本発明に
より得られたアルカリ蓄電池用亜鉛電極は、上記ポリマ
ー層が充分な酸素透過係数を有するために、自己放電に
よる気体発生が起きても内圧上昇を防ぐことができる。
さらにまた本発明のアルカリ蓄電池用亜鉛電極は、条件
によりアルカリ電解液中に浸漬した際に、亜鉛活物質と
それを被覆するポリマー層との間の一部もしくは大部分
に薄い電解液層を形成する場合があり、この場合におい
て特に優れた放電特性の蓄電池を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した電池セルの断面図。
【図2】実施例におけるサイクル特性を示す線図。
【符号の説明】
1 ガラスセル 5 流動パラフィン 2 負極 6 負極端子 3 正極(Ni電極) 7 正極端子 4 電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−100872(JP,A) 特開 平3−295177(JP,A) 特開 平2−87459(JP,A) 特開 昭49−100538(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/14 - 2/18 H01M 4/24 - 4/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を活物質とする電極と実質的に直接
    接し、かつ被覆するようにポリマー層を設け、且つ該ポ
    リマー層を構成するポリマーの酸素透過係数が1×10
    -10 cm3 (STP)cm-1-1cmHg-1以上である
    ことを特徴とするアルカリ蓄電池用亜鉛負極。
  2. 【請求項2】 ポリマー層が2種以上のポリマーを含有
    することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池
    用亜鉛負極。
  3. 【請求項3】 少なくともゾル状のポリマー前駆体を含
    む塗布膜を亜鉛電極上に形成し、ゲル化することにより
    亜鉛電極に実質的に直接接し、かつ被覆するようにポリ
    マー層を設ける工程を含み、かつ得られたポリマー層の
    酸素透過係数が1×10-10 cm3 (STP)cm-1
    -1cmHg-1以上であることを特徴とするアルカリ蓄電
    池用亜鉛負極の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリマー前駆体が、−SiH、−SiC
    l、−SiCH=CH 2 および−SiCH 2 SHから選
    ばれる官能基を有することを特徴とする請求項4記載の
    アルカリ蓄電池用亜鉛負極の製造方法。
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