JPH0660872A - アルカリ亜鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ亜鉛蓄電池およびその製造方法

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JPH0660872A
JPH0660872A JP4253395A JP25339592A JPH0660872A JP H0660872 A JPH0660872 A JP H0660872A JP 4253395 A JP4253395 A JP 4253395A JP 25339592 A JP25339592 A JP 25339592A JP H0660872 A JPH0660872 A JP H0660872A
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polymer
electrode
zinc
polymer layer
storage battery
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JP4253395A
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English (en)
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Masanobu Suga
雅信 須賀
Seiichi Akita
成一 秋田
Nobuyuki Kuroda
信行 黒田
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Original Assignee
Nippon Oil Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 デンドライトやシェープチェンジの発生を抑
えたアルカリ蓄電池を提供する。 【構成】 亜鉛を活物質とする電極に実質的に直接接す
るポリマー層を有し、且つ該ポリマー層を構成するポリ
マーの酸素透過係数が1×10−10cm(STP)
cm−1−1cmHg−1以上であることを特徴とす
る亜鉛負極を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニッケル−亜鉛蓄電池、
銀−亜鉛蓄電池、亜鉛−マンガン電池などの亜鉛を負極
とするアルカリ蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛を負極とするアルカリ2次電池はエ
ネルギー密度が高く良好な出力特性を有し、且つ安価に
製造することが可能なため、ポータブル機器や電気自動
車用の電源として期待されている。しかしながら、負極
活物質である亜鉛の溶解度が高いため、放電時に溶出し
た亜鉛酸イオンが充電時にデンドライトとなって短絡し
たり、電極自体がシェープチェンジを起こして利用率が
低下するという問題があり、充分なサイクル寿命を有す
る亜鉛を負極としたアルカリ2次電池が得られていな
い。
【0003】これらの問題を解決するために電解液、セ
パレータ、電極などに様々な改良がなされてきた。しか
しながら、いまだに充分なサイクル寿命を有する亜鉛を
負極としたアルカリ2次電池は得られていない。
【0004】特にセパレータは物理的にデンドライトを
抑制する手段として一般的であり、ポリオレフィン不織
布やその他の素材により様々な研究がなされてきた。セ
パレータにはイオン伝導性と気体透過性を有し、且つデ
ンドライトによる短絡を防止する能力を有することが要
求される。このために例えば、セパレータに金属を保持
させたり(特開昭57−197758、特開昭59−6
3672など)、素材に共重合体を用いたり(特公昭5
5−24660、特開昭60−253152)、界面活
性剤で処理したり(特開平4−141951)といった
工夫がなされてきた。しかしながらこれらは工程が複雑
であり、より簡単な工程で充分な効果が得られる方法が
求められていた。また放電時に電解液層に溶出した亜鉛
酸イオンは充電時に電極上に偏析するため電極がシェー
プチェンジを起こし、電池の充放電容量が減少してしま
い、これはセパレータの改良によっても防ぐことはでき
なかった。
【0005】また特開平3−1457にみられるように
ポリビニルアルコールを電極に直接塗布しセパレータと
結着してサイクル特性を向上させることも試みられてい
るが、バインダーとして用いたポリビニルアルコールに
はデンドライトの成長を阻止する能力が充分とは言えな
いため、そのサイクル特性は実用上、満足のできるもの
ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みなされたもので、デンドライトとシェープチェン
ジをその初期段階から抑制することによって、サイクル
寿命を向上させた亜鉛負極を用いた蓄電池を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に沿って鋭意研究を進めた結果、亜鉛活物質のごく近
傍に気体透過性に優れたポリマーを配置し、アルカリ蓄
電池の亜鉛活物質が実質的に該ポリマーを介して電解液
に作用するようにすると、亜鉛負極のデンドライト及び
シェープチェンジを抑制でき、結果としてサイクル寿命
に優れたアルカリ亜鉛蓄電池を得ることができることを
見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、亜鉛を活
物質とする電極に実質的に直接接するポリマー層を有
し、且つ該ポリマー層を構成するポリマー(以下、「ポ
リマー(I)」という。)の酸素透過係数が1×10
−10cm(STP)cm−1−1cmHg−1
上であることを特徴とする亜鉛負極を用いたアルカリ蓄
電池に関する。
【0008】また本発明は、少なくともゾル状のポリマ
ー前駆体を含む塗布膜を亜鉛電極上に形成し、ゲル化す
ることにより電極に実質的に直接接するようにポリマー
層を設ける工程を含み、かつ得られたポリマー層の酸素
透過係数が1×10−10cm(STP)cm−1
−1cmHg−1以上であることを特徴とする亜鉛負極
を用いたアルカリ蓄電池の製造方法に関する。
【0009】亜鉛負極を有するアルカリ蓄電池は、充放
電時に電極表面より発生する酸素および水素を電池内部
で反応させることにより、電池内部の圧力上昇を防止す
る構造を有する。このためポリマー層は酸素もしくは水
素を透過することが必要であるが、一般に酸素は水素よ
りもポリマーを透過し難いので、本発明においては酸素
透過係数をもってポリマーの性質を表すものとする。た
だしここでいう酸素透過係数(P)は、下記数式 Q=(P/1)(p1−p2)At (式中、Qは酸素透過量、Pは酸素透過係数、p1,p
2はそれぞれ膜に供給された気体の分圧及び膜の透過側
の気体の分圧、1は膜厚、Aは透過面積、tは時間を表
す)に従い、実験から求められた値を透過面積1c
、分圧差1cmHg、厚さ1cmに換算し、1秒間
に透過した気体の量を標準状態に換算した体積をcm
で表したものである。従って単位はcm(STP)c
−1−1cmHg−1である。
【0010】本発明に用いられるポリマー層を構成する
ポリマー(I)は、少なくとも後述するポリマー(A)
および/またはポリマー(A)の骨格の一部を基(B)
で置換されたポリマー(以下、「ポリマー(A’)」と
いう。)を含有し、必要に応じてさらに後述のポリマー
(C)、さらには必要に応じて後述のポリマー(D)を
含有する。
【0011】本発明に用いられるポリマー(A)は、酸
素透過係数が1×10−10cm(STP)cm−1
−1cmHg−1以上であるポリマーであれば特に制
限されない。さらにはポリマー(A)の酸素透過係数
は、1×10−8cm(STP)cm−1−1cm
Hg以上であることが望ましい。具体的には例えば分子
量が通常1000〜200万、好ましくは10,000
〜1000,000程度であるポリジメチルシロキサ
ン、ポリオルガノシロキサン、ポリビニルトリオルガノ
シロキサン、ポリアルキルスルホン、ポリ(4−メチル
ペンテン−1)、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオ
キシド)、低密度ポリエチレン、などが挙げられる。こ
のときポリマー(A)の酸素透過係数が1×10−10
cm(STP)cm−1−1cmHg−1未満であ
ると、ポリマー(I)の酸素透過係数が充分でなくなる
ため、自己放電による水素が電極内部に溜ったり、充電
時に正極で発生した酸素を負極でいわゆるノイマン効果
により消費できなくなるので好ましくない。
【0012】また、ポリマー(A)の骨格の一部に、ポ
リマー(A)のイオン伝導性を向上させる効果を有する
基(以下、「基(B)」という。)を導入すると、アル
カリ蓄電池の内部インピーダンスが減少し、充放電特性
が向上するために特に好ましい。ここで、ポリマー
(A)の骨格の一部に基(B)が導入されたポリマー
を、ポリマー(A’)という。
【0013】基(B)としては具体的には、例えば−C
OOH,−CN,−CONH,−N(ただし、
Rは水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を表
す。)などから成る群より選ばれる1種類以上の解離基
または極性基が挙げられる。またポリマー(A)に基
(B)を導入する方法として、ポリマー(A)に基
(B)をグラフトする方法、もしくはポリマー(A)の
前駆体モノマーを基(B)を有するモノマーと共重合す
る方法等が挙げられる。
【0014】ポリマー(A)のモノマーユニット10に
対して基(B)を通常1〜10ユニット、好ましくは3
〜7ユニット程度導入することが望ましい。
【0015】ここで、基(B)が1ユニット未満である
と充分な効果が得られず、また10ユニットを超えると
ポリマー(A’)が充分な酸素透過係数を維持できなく
なる可能性があるので好ましくない。
【0016】さらに、ポリマー(I)には、蓄電池の内
部インピーダンスを減少させる目的で、電解液(例えば
水酸化カリウム30重量%水溶液等)中で充分膨潤した
状態でのイオン導電性が比較的高いポリマー(以下、
「ポリマー(C)」という。)を必要に応じて含有させ
ることも好ましく行われる。ポリマー(C)は、充分膨
潤した状態で、イオン伝導率が通常10−3〜10
/cm程度、好ましくは10−2〜10−1S/cm程
度を有するものであれば特に制限されない。このような
ポリマー(C)としては具体的には、例えばポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリ
ドン、ポリパラバン酸、ポリオキサゾリン、ポリエチレ
ンオキサイド等が挙げられる。ポリマー(C)の割合は
特に限定されず、目的に応じて適宜含有することができ
るが、一般的にはポリマー(I)に対して、通常10〜
90wt%、好ましくは30〜70wt%程度含有する
のが望ましい。このとき、ポリマー(C)が10wt%
未満では効果が充分でなく、90wt%を超えると上記
酸素透過係数を維持するのが困難となるので好ましくな
い。
【0017】ポリマー(I)には上記の他に、必要に応
じて硬化性や柔軟性を付与するためのポリマー(以下、
「ポリマー(D)」という。)を含有させることもでき
る。ポリマー(D)としては例えば、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート等が挙げられる。該ポリマー(D)の含有割合
は、特に限定されず、必要に応じて適宜選択できるが、
ポリマー(I)に対して通常2〜50wt%、好ましく
は5〜20wt%程度である。この際、含有割合2wt
%より少ないとその効果が得難く、また50wt%より
多いと上記酸素透過係数を維持し且つイオン伝導性を付
与することが困難となってしまうためにいずれも好まし
くない。
【0018】本発明においては、かくして得られたポリ
マー(I)を亜鉛電極に被覆することにより、ポリマー
層を有するアルカリ蓄電池用亜鉛電極を得ることができ
る。
【0019】上記亜鉛電極にポリマー(I)を被覆する
方法は、特に限定されず、例えばポリマー(I)を加熱
溶融して被覆する方法、ポリマー(I)を溶媒に溶解し
て被覆する方法、もしくは少なくともポリマー(A)の
前駆体および/またはポリマー(A’)の前駆体(以
下、「前駆体(E)」という。)を含有する塗布液を被
覆した後にポリマー化する方法等が挙げられる。
【0020】ポリマー(I)を加熱溶融させる方法とし
ては、例えばポリマー(I)を通常120〜200℃程
度で溶融させ、塗布もしくはデイップコートで亜鉛電極
上に被覆する方法が挙げられる。
【0021】ポリマー(I)を溶媒に溶解して被覆する
方法としては、ポリマー(A)に例えばポリジメチルシ
ロキサン、ポリオルガノシロキサン、ポリビニルトリオ
ルガノシロキサン、ポリアルキルスルホン、ポリ(4−
メチルペンテン−1)、ポリ(2,6−ジメチルフェニ
レンオキシド)、低密度ポリエチレン等より選ばれる少
なくとも1種類のポリマーを用い、かつ少なくともポリ
マー(I)を溶解し得る溶媒にポリマー(I)を溶解
し、必要に応じてその他の成分を添加し、亜鉛電極上に
塗布、ディップコート、スピンコートもしくはスプレー
等により塗装し乾燥させる方法が挙げられる。このよう
な溶媒としては、例えばヘキサン、デカリン、トルエ
ン、オルトジクロロベンゼン等が挙げられる。
【0022】少なくともポリマー(E)を含有する塗布
液を被覆した後にポリマー化する方法としては、前駆体
(E)を含有する塗布液を亜鉛電極上に塗布もしくは、
ディップコート、スピンコート、スプレー等により塗装
し、加熱、光照射もしくはゲル化する方法、あるいは予
め前駆体(E)を含有する塗布液に硬化促進成分を含有
させておき、塗布後に自動的もしくは加熱等の手段によ
り反応硬化させ、ポリマー(I)とする方法が挙げられ
る。ここでいう前駆体(E)を含有する塗布液は、必要
に応じてポリマー(C)および/またはポリマー(D)
を含有するものとする。
【0023】前駆体(E)としては例えば−SiH、−
SiCl、−SiCH=CH、−SiCHSHなど
の基を有する低粘度のポリマーおよびオリゴマー、ある
いは必要に応じて基(B)を導入された上記ポリマーお
よびオリゴマーが挙げられる。
【0024】この際、前駆体(E)を含有する塗布液
は、ポリマー(C)を含有していることが望ましく、前
駆体(E)とポリマー(C)が相溶しない場合は、適宜
両者を溶解する溶媒を用いたり、ポリマー(C)の代わ
りにポリマー(C)の前駆体(以下、「前駆体(F)」
という。)を用いると、均一なポリマー被覆を得ること
ができ好ましい。さらに、ポリマー(D)についても必
要に応じ含有することができるが、ポリマー(D)の代
わりにポリマー(D)の前駆体(以下、「前駆体
(G)」という。)を用いることもできる。また前駆体
(E)にアルコキシシランゾルを用いる方法も有用であ
る。例えばジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン等の前駆体(E)
を水溶液中でゾルとし、必要に応じてポリマー(C)も
しくは前駆体(F)、さらに必要に応じてポリマー
(D)もしくは前駆体(G)やその他の成分を添加して
塗布溶液とし、亜鉛電極に塗装した後、乾燥させてゲル
化することによってポリマー(I)で被覆された亜鉛電
極を得ることができる。
【0025】亜鉛電極をポリマー(I)で被覆するとき
の厚さは、ポリマー(I)の種類、目的とするポリマー
層の酸素透過係数、ポリマー層の耐久性、電極間距離、
セパレーターの厚さ、電極の機械的強度、亜鉛活物質量
に応じて適宜選択でき、乾燥状態で通常0.01〜2.
00mm、好ましくは0.05〜0.5mm程度であ
る。この際0.05mmよりも薄い場合には一般にデン
ドライトの抑制効果が充分でなく、2.00mmより厚
い場合には酸素透過性もしくはイオン伝導性が充分でな
いために、共に好ましくない。
【0026】本発明のアルカリ蓄電池は、上記のアルカ
リ蓄電池用亜鉛負極を用い、さらにセパレーター、正
極、電解液を組み合わせたものである。
【0027】本発明で用いられる正極は、通常のアルカ
リ蓄電池用の正極材料であれば特に制限されず、例えば
ニッケルを主成分とする電極、銀を主成分とする電極、
および二酸化マンガンを主成分とする電極等が挙げられ
る。
【0028】また、本発明で用いられるセパレーターに
関しても、通常の電池に用いられるセパレーターであれ
ば制限されない。特に、本発明にデンドライト抑制効果
が充分でないセパレーターを用いた場合であっても、負
極自体がデンドライト抑制作用およひシェープチェンジ
防止作用を充分に有しているため、サイクル寿命が実用
上充分なアルカリ蓄電池を得ることができる。本発明に
用いることにできるセパレーターとして、具体的には例
えば、セロハン、多孔質ガラス、ポリエチレン不織布、
ポリプロピレン不織布等が挙げられる。また、従来より
用いられている、界面活性剤で処理した不織布、Niな
どの金属を付着させた不織布等のデンドライト抑制作用
を有するセパレーターを用いることもできる。さらに
は、負極が有するポリマー層の性質によっては、セパレ
ーターを省略し、負極、正極および両極の間に設けられ
た保液層だけで電池を構成することもできる。さらにま
た、負極が有するポリマー層は電子伝導性を有していな
いので、亜鉛負極が充分な保液力を有する場合に限り、
正極と負極のみで電池を構成することもできる。
【0029】本発明で用いられる電解質は、アルカリ水
溶液を主成分とするものであって通常のアルカリ蓄電池
に用いられるものであれば特に制限されない。電解液の
主成分としては例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化
カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等が挙げられ
る。また、電解質には通常のアルカリ蓄電池に用いられ
る各種添加剤を、目的に応じて適宜添加することもでき
る。このような添加剤としては、例えば酸化亜鉛、酸化
鉛、有機界面活性剤等が挙げられる。
【0030】また本発明のアルカリ蓄電池用亜鉛負極
は、ポリマー層に電解液の成分、例えば水等で膨潤する
ようなポリマーが含有されていると、電池用亜鉛負極を
電解液中に浸漬した際に、亜鉛活物質とポリマー層との
間の一部もしくは大部分に薄い電解液層を形成する場合
があり、特に優れた放電特性を有する蓄電池を得ること
ができる。
【0031】
【発明の効果】本発明により得られたアルカリ蓄電池用
亜鉛負極は、その表面に実質的に直接接するように配さ
れた、酸素透過係数が1×10−10(STP)c
−1−1cmHg−1以上であるポリマーから構成
されるポリマー層の作用によりデンドライおよびシャー
プチェンジの発生が著しく軽減されているため、これを
用いた蓄電池は充分に長いサイクル寿命を有する。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】(実施例1) 亜鉛電極の作製 酸化亜鉛6.0g、亜鉛粉末3.0g、ポリテトラフル
オロエチレン0.1gに、濃度5重量%のポリビニルア
ルコール水溶液4ミリリットルを加えて混練した後、2
0メッシュの板状の銅網(縦5cm×横20cm)の一
部(縦2cm×横20cm)に塗布し、これをローラー
で圧延乾燥し、40cmの電極面積を有する亜鉛電極
を得た。これを2cmの電極面積を有する電極に切り
分け実験に使用した。
【0034】亜鉛電極の被覆 濃度10重量%のポリビニルアルコール水溶液10ミリ
リットルに塩酸を加えてpH=3とし、さらにジメチル
ジエトキシシラン1.0gを加え、60℃で5時間加熱
攪拌してゾルとした。次いでカルボキシメチルセルロー
ス0.1gとテトラエトキシシラン0.5gを加え、さ
らに水酸化カリウム水溶液を加えてpH=11としこれ
を塗布溶液とした。該塗布溶液に上記亜鉛電極を浸漬し
て引き上げ、80℃で1時間加熱乾燥することにより、
亜鉛電極表面に実質的に直接接する厚さ約200μm程
度のポリマー層を有するアルカリ蓄電池用亜鉛電極が得
られた。
【0035】上記ポリマー層に相当するポリマー膜の酸
素透過率を圧力法により測定したところ、8.8×10
−8cm(STP)cm−1−1cmHg−1であ
った。
【0036】対極に焼結式ニッケル電極(電極面積2c
)、電解液に濃度30重量%の水酸化カリウムの水
溶液を用い、セパレータを介さずに内容量が縦1cm×
横1cm×高さ5cmの電池セルを組んで充放電試験を
行った。(20℃恒温、充電電10mA、充電終止電位
1.92V、放電電流20mA、放電終止電位1.2
V) 電池セルの構成を図1に示す。このときのサイクル特性
を図3の電池(a)に示す。
【0037】(実施例2) 亜鉛電極の被覆 ポリメチルハイドロシロキサンの
【化1】 ユニット10に対して、5ユニットにビニル酢酸を、ま
た3ユニットに1−ヘプテンを、それぞれ塩化白金酸を
触媒としてグラフトし、これを塗布液とした。そして使
用直前に、上記ポリメチルハイドロシロキサンの2ユニ
ット分と反応する量の両末端にビニル基を有するポリジ
メチルシロキサン加え、直ちに、実施例1で得られた亜
鉛電極を浸漬し、引き上げた後に60℃で1時間加熱硬
化させ、亜鉛電極表面に実質的に接する厚さ100μm
程度のポリマー層を有するアルカリ蓄電池用亜鉛負極を
得た。上記ポリマー層に相当するポリマー膜の酸素透過
率を圧力法により測定したところ、1.1×10−7
(STP)cm−1−1cmHg−1であった。
【0038】対極に焼結式ニッケル電極(電極面積2c
)、電解液に濃度30重量%の水酸化カリウムの水
溶液を用い、ポリプロピレン不織布をセパレータとし内
容量が縦1cm×横0.4cm×高さ5cmの電池セル
を組んで充放電試験を行った。(20℃恒温、充電電1
0mA、充電終止電位1.92V、放電電流20mA、
放電終止電位1.2V) 電池セルの構成を図2に示す。このときのサイクル特性
を図3の電池(b)に示す。
【0039】(比較例1)実施例1で得られた亜鉛電極
に対してポリマーの被覆を行わないこと以外は実施例1
と同様にして、電池セルを組んで充放電試験を行った。
結果を図3の電極(c)に示す。27サイクルでデンド
ライトの発生により短絡してしまい、以後充放電が行え
なくなった。
【0040】(比較例2)濃度10重量%のPVAの水
溶液に、実施例1で作製した亜鉛電極電極を浸漬し、引
き上げ、80℃で1時間加熱乾燥することにより、亜鉛
電極表面に実質的に直接接する厚さ約30μm程度のP
VA層を有する電極を作製し、実施例2と同様の方法で
充放電試験を行った。結果を図3の電極(d)に示す。
【0041】このとき、上記PVA層に相当するPVA
膜の酸素透過率を、圧力法で測定したところ、約8.5
×10−13cm(STP)cm−1−1cmHg
−1であった。
【0042】本発明による実施例1〜2で作成された電
池は、亜鉛を活物質とする電極に実質的に直接接するポ
リマー層を有し、且つポリマー層を構成するポリマーの
酸素透過係数が1×10−10(STP)cm−1
−1cmHg−1以上であることを特徴とする亜鉛負
極を用いたアルカリ蓄電池である。これら電池の充放電
特性は、図3中(a)、(b)に示されているとおり、
ポリマー層を全く有さない比較例1による電極を用いた
電池の充放電特性(c)、酸素透過係数が1×10
−10(STP)cm−1−1cmHg−1以下
であるポリマーから構成されるポリマー層を有する比較
例2による電極を用いた電池の充放電特性(e)と比較
して、優れた性能を有する。
【0043】すなわち、ポリマー層を全く有さない比較
例1による電極を用いた電池の充放電特性(c)は、2
7サイクルでデンドライトの発生により短絡してしま
い、以後充放電が不能となった。また、酸素透過係数が
1×10−10(STP)cm−1−1cmHg
−1以下であるポリマーから構成されるポリマー層を有
する比較例2による電極を用いた電池の充放電特性
(e)も、デンドライト抑制効果が不十分であって、充
放電サイクルを重ねるにしたがってポリマー層が次第に
変形していき、ついにはポリマー層を突き抜けてデンド
ライトが成長し、中には短絡してしまう試料もみられ
た。これらに対し、本発明による電極を用いた場合に
は、図3中(a)、(b)に示されるとおり、デンドラ
イトによる短絡はみられなかった。また、放電容量が初
期放電容量の6割となった時点をサイクル寿命と定義し
た場合、実施例で得られた電極を用いた電池のサイクル
寿命は、ポリマー層を有さない電極を用いた場合の2倍
以上であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた電池セルの構成を示す断面
図。
【図2】実施例2で用いた電池セルの構成を示す断面
図。
【図3】実施例及び比較例の充放電特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ガラスセル 5 流動パラフィン 2 負極 6 負極端子 3 正極(Ni電極) 7 正極端子 4 電解液

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を活物質とする電極に実質的に直接
    接するポリマー層を有し、且つ該ポリマー層を構成する
    ポリマーの酸素透過係数が1×10−10cm(ST
    P)cm−1−1cmHg−1以上であることを特徴
    とする亜鉛負極を用いたアルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】 少なくともゾル状のポリマー前駆体を含
    む塗布膜を、亜鉛を活物質とする電極上に形成しゲル化
    することにより電極に実質的に直接接するようにポリマ
    ー層を設ける工程を含み、かつ得られたポリマー層の酸
    素透過係数が1×10−10cm(STP)cm−1
    −1cmHg−1以上であることを特徴とする亜鉛負
    極を用いたアルカリ蓄電池の製造方法。
JP4253395A 1992-07-10 1992-08-10 アルカリ亜鉛蓄電池およびその製造方法 Pending JPH0660872A (ja)

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US08/089,750 US5348820A (en) 1992-07-10 1993-07-09 Zinc electrode for alkaline storage battery
DE69318766T DE69318766T2 (de) 1992-07-10 1993-07-09 Zinkelektrode für alkalische Speicherbatterie
EP93305394A EP0578501B1 (en) 1992-07-10 1993-07-09 Zinc electrode for alkaline storage battery
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019102245A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 京セラ株式会社 二次電池およびフロー電池

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