JP3243486B2 - ケトン樹脂・シリカガラスハイブリッド体の前駆ゾル組成物および該ハイブリッド体の製法 - Google Patents

ケトン樹脂・シリカガラスハイブリッド体の前駆ゾル組成物および該ハイブリッド体の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケトン樹脂・シリカガ
ラスハイブリッド体の前駆ゾル組成物および該ハイブリ
ッド体の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に無機物質と有機物質との表面は互
いに親和性が乏しく両材料をハイブリッド化するには大
きな困難を伴うが、近年、触媒担体やニューガラスの製
法として注目されているテトラエトキシシランの加水分
解と重縮合とを利用したゾル−ゲル法により、有機ポリ
マーと無機ガラスとのハイブリッド体を合成する試みが
なされている。
【0003】これまでに検討されてきたポリマーとして
は、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリオキサゾリン、ポリスチレンスルホン酸ソー
ダなどの多くの水溶性のポリマーが知られている。しか
しながら、これらを用いてえられた有機・無機ハイブリ
ッド体は、耐水性がわるく、また多孔質構造となり実用
性の点ではいまだ満足しうるものではない。
【0004】また、従来有機・無機ハイブリッド体を検
討する際に、有機材料として熱硬化性樹脂がほとんど研
究対象とされていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みて、熱硬化性のオリゴマー樹脂を有機ポリマー
成分として使用し、適用しうる用途の広い有機・無機ハ
イブリッド体を提供しうる前駆体としての組成物および
該組成物からえられる有機・無機ハイブリッド体を開発
することを目的とする。すなわち、塗料、床コーティン
グ剤をはじめ、電子部品、木材、プラスチック成形品な
どの表面保護など広範囲の用途に適用でき、しかも透明
性、硬度、密着性、耐溶剤性などの諸性能にすぐれるハ
イブリッド体およびこの前駆体としてのゾル組成物を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、有機材料および無機材料の種類、それら
の使用比率などについて鋭意研究を重ねた結果、意外に
も特定の熱硬化性樹脂初期縮合物、アルコキシシラン類
および酸触媒からなる特定のゾル組成物を使用し、つい
でこれを塗布、乾燥することにより、目的とするハイブ
リッド体が形成されることをようやく見出し、本発明を
完成するにいたった。
【0007】すなわち、本発明は(A)ケトン樹脂初期
縮合物、(B)加水分解性アルコキシシランまたはその
部分加水分解重縮合物、および酸触媒からなり、かつ
(A)成分と(B)成分との固形分の重量比率が(A)
/(B)=2/1〜1/8である混合物であることを特
徴とするケトン樹脂・シリカガラスハイブリッド体の前
駆ゾル組成物、ならびに該前駆ゾル組成物を基材に塗布
または含浸し、ついで乾燥することを特徴とするケトン
樹脂・シリカガラスハイブリッド体の製法に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明に用いられる熱硬化性初期
縮合物である前記ケトン樹脂初期縮合物(以下、(A)
成分という)としては、とくに限定はないが、たとえば
ホルムアルデヒドとケトン類からえられる各種初期縮合
物があげられる。前記ケトン類としては、たとえばアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソプロペニルケト
ン、シクロヘキサノンなどがあげられ、これらは通常単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。たとえば、(A)成分のうち代表的なアセトン樹脂
初期縮合物は、一般的に、アセトンとこの1〜6倍モル
程度のホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウムなどのアルカリ触媒の存在下に、40〜70℃
程度で保温しながら水媒体中で加熱、縮合してえられ
る。すなわち、メチロールアセトン、ジメチロールアセ
トンを構成単位とする初期縮合物であり、これらは通常
二次的に重縮合してなる粘稠な水溶性樹脂状物質として
収得できる。なお、前記ケトン類の30モル%程度未満を
尿素またはメラミンに置換してなる変性ケトン樹脂初期
縮合物を(A)成分として使用してもよい。
【0009】(A)成分の性状は、ケトン類とホルムア
ルデヒドとの縮合比およびその他の反応条件によって変
動するため、一概にはその最適な性状を決定することは
できないが、通常数平均分子量が500 〜3000程度であ
り、固形分濃度が30〜60%(重量%、以下同様)程度の
低粘性の水溶液が好適に使用できる。
【0010】本発明に用いられる加水分解性アルコキシ
シラン(以下、(B)成分という)としては、たとえば
一般式:Si(OR)m (式中、Rは炭素数1〜4の飽
和炭化水素残基、mは4を示す)で表わされる低級アル
コキシシラン類などがあげられる。前記加水分解性アル
コキシシランの具体例としては、たとえばテトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシランなどのテトラアルコキシシ
ラン;トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチル
シラン、トリメトキシエチルシランなどのトリアルコキ
シアルキルシランなどがあげられ、またこれらに対応す
る1種またはそれ以上の部分加水分解重縮合物もあげら
れる。前記(B)成分は通常単独でまたは2種以上を混
合して用いられる。
【0011】本発明では、(B)成分の加水分解および
重縮合を促進するために酸触媒が必須使用される。前記
触媒としては、たとえば塩化水素、臭化水素などのハロ
ゲン化水素、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、デカンスルホン酸などの有機強酸などが好まし
く、該触媒は通常単独でまたは2種以上を混合して用い
られる。また、該触媒は一般的に、えられるゾル組成物
の安定性やハイブリッド膜の着色などに影響を及ぼすた
め、通常触媒濃度が5〜10%程度となるようメタノー
ル、エタノールなどの低級アルコールまたは水に希釈溶
解して使用することが好ましく、その使用量は、触媒純
分(低級アルコールおよび水を除く)として通常(A)
成分と(B)成分との固形分合計重量の0.1 〜20%程
度、好ましくは0.2 〜10%であることが望ましい。な
お、前記(A)成分や(B)成分に触媒を添加すると発
熱が起こるため、反応系の温度を通常約5〜60℃、好ま
しくは約10〜20℃に調節して加水分解や重縮合の速度を
調節することが好ましい。
【0012】本発明では、前記(B)成分を加水分解、
重縮合させるために水を使用することができるが、ゾル
の透明性や安定性を保持するためには水の使用量はでき
るだけ少なくすることが望ましい。なお、前記酸触媒を
添加して均一透明な前駆ゾルが形成された後は、該ゾル
を適量の水で希釈してもさしつかえない。
【0013】本発明においては、前駆ゾル組成物を均一
で透明な溶液のまま維持するために、必要に応じて共通
媒体として低級アルコールを使用することができる。か
かる低級アルコールとしては、たとえばメタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール(炭素
数1〜3のアルキル基を有するアルコール)などがあげ
られるが、これらのなかでもメタノールおよびエタノー
ルが好適である。なお、前記触媒を添加したばあいに
は、縮合反応時にアルコキシシランからメタノールやエ
タノールが副生するが、該副生アルコールによって反応
系が均一で透明な状態になるばあいが多く、このような
ばあいには、前記低級アルコールは必ずしも必要としな
い。前記低級アルコールを使用するばあいの添加量は、
前記(A)成分、(B)成分、酸触媒の種類やこれらの
使用量、さらに水の使用量などによって異なるので一概
には決定することができないが、通常(A)成分と
(B)成分の固形分合計重量の40%未満、好ましくは20
%未満であることが望ましい。
【0014】本発明の製法による有機・無機ハイブリッ
ド体の製造において、有機ポリマー成分である(A)成
分と、無機ガラス成分である(B)成分との混合割合
は、固形分換算重量比で通常は(A)成分/(B)成分
=2/1〜1/8、好ましくは1/1.5 〜1/5であ
る。(B)成分量が(A)成分量の8倍をこえるばあい
には、コーティング膜に亀裂が生じたり密着性がいちじ
るしく低下する。また、(A)成分量が(B)成分量の
2倍をこえるばあいには、均一で透明な前駆ゾルの形成
が困難となり、また自然乾燥時にえられるコーティング
膜が柔かいワックス状となり、透明性および成膜性がお
とる。
【0015】また前記(A)成分、(B)成分およびそ
の他の成分を混合するときの温度ならびに時間はとくに
限定がない。すなわち、えられる前駆ゾル組成物が均一
で透明な溶液となるように適宜決定すればよく、通常約
5〜60℃で約10分間〜2時間である。
【0016】本発明の製法によれば、生成した前駆ゾル
組成物(均一なゾル溶液)をたとえばガラス板などの各
種基材に塗布(コーティング)したのち、自然乾燥する
だけで密着性のよい硬い被膜が形成されるが、各成分の
混合比や調製条件によっては、前記(A)成分由来のメ
チロール基がえられたハイブリッド体中に残存し、耐水
性が充分でないばあいがある。このばあいには、自然乾
燥したコーティング膜をさらに約100 〜170 ℃、好まし
くは130 〜150 ℃の温度下、約3〜30分間、好ましくは
5 〜15分間加熱することにより、硬度がいちじるしく高
くなり、耐水性が改善された、より高性能のコーティン
グ膜が形成される。
【0017】なお、前記前駆ゾル組成物を基材に塗布す
るには、たとえばスプレーガン、ブラシ、ローラー、ド
クターナイフなどを用いた塗装方法や浸漬塗装などの通
常の方法を採用することができ、このようにしてえられ
るコーティング膜の厚さはとくに限定がないが、乾燥後
の膜厚が通常約5〜500 μmであることが好ましい。前
記前駆ゾル組成物は、前記塗装方法以外にも、通常の方
法で基材に含浸させてもよい。すなわち、たとえば石
膏、木材などの基材に含浸して硬化させたり、たとえば
木粉、紙などに含浸、乾燥後、加圧下で加熱硬化させて
もよい。
【0018】本発明の前駆ゾル組成物は、均一で透明な
ゾル溶液の状態を長期間保持することができ、該ゾル溶
液はコーティング後に自然乾燥するだけでアルコールの
揮散とともに急速にゲル化が進み、これにより密着性が
よく、硬度が高い透明なハイブリッド体が形成される。
【0019】前記前駆ゾル組成物は、プラスチック、ガ
ラス、木材、金属、布、紙などの各種素材に対して濡れ
性および密着性がよく、種々の用途、使用条件に幅広く
適用することができる。とくに常温乾燥による高性能ラ
ッカーなどとして好適に利用できる。また前記のよう
に、自然乾燥したハイブリッド体を加熱してさらに硬度
や耐水性を向上させることができ、該加熱処理したハイ
ブリッド体は、プラスチック成形品保護用の耐スクラッ
チ性、耐摩耗性にすぐれたコーティング組成物をはじめ
として、木材、金属表面保護用のコーティング膜として
好適に使用される。
【0020】本発明の前駆ゾル組成物が均一で透明な溶
液となる理由、ハイブリッド体の生成時の反応やえられ
たハイブリッド体が高性能となる理由などについては詳
細には解明し難い。しかしながら、前記前駆ゾル組成物
を基材にコーティングしたのち自然乾燥すると、空気中
の水分などの作用により加水分解性アルコキシシランの
アルコキシ基部位が加水分解すると同時に該部位間で重
縮合が進行してシリカ粒子を生成するとともに、該シリ
カ粒子表面のシラノール基がケトン樹脂初期縮合物のメ
チロール基と水素結合やエーテル結合を生じるため、高
硬度のハイブリッド体が形成されるものと考えられる。
生成するシリカ粒子は、電子顕微鏡で観察すると、数10
オングストローム程度の超微粒子であり、該シリカ粒子
はケトン樹脂をマトリックスとして三次元架橋構造をと
りながら均一に分散しているものと考えられる。
【0021】つぎに本発明のケトン樹脂・シリカガラス
ハイブリッド体の前駆ゾル組成物および該ハイブリッド
体の製法を製造例および実施例に基づいてさらに具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0022】製造例1 撹拌機および加熱冷却装置を備えた反応装置に、アセト
ン116.2 gおよび37%ホルムアルデヒド529.5 gを仕込
み、撹拌しながら20%水酸化ナトリウム水溶液23.2gを
約15分間かけてゆっくりと滴下した。なお滴下時の反応
系内温度は約60℃に調節した。滴下終了後、1時間同じ
温度に保ち反応を行なった。えられたアセトン樹脂初期
縮合物は、pH7.1 、不揮発分36.2%、数平均分子量1500
の無色透明の水溶液であった。
【0023】製造例2 製造例1において、アセトン116.2 gにかえてメチルエ
チルケトン144.2 gを使用したほかは製造例1と同様に
して反応を行ない、pH7.2 、不揮発分22.0%、数平均分
子量1300の無色透明の水溶液であるメチルエチルケトン
樹脂初期縮合物をえた。
【0024】製造例3 製造例1において、アセトン116.2 gにかえてシクロヘ
キサノン196.2 gを使用したほかは製造例1と同様にし
て反応を行ない、pH6.5 、不揮発分44.7%、数平均分子
量1100の無色透明の水溶液であるシクロヘキサノン樹脂
初期縮合物をえた。
【0025】製造例4 尿素変性したメチルエチルケトン−アセトン共縮合ケト
ン樹脂初期縮合物(荒川化学工業(株)製、商品名「KN
-141」)をそのまま使用した。このものの性状は、pH7.
4 、不揮発分41.0%、数平均分子量1200の無色透明の水
溶液である。
【0026】実施例1 三角フラスコに(A)成分である製造例1のアセトン樹
脂初期縮合物2g(固形分量0.81g)と(B)成分であ
るテトラエトキシシラン(以下、TEOSという)2g
を仕込み、撹拌しながら触媒として約10%の塩化水素を
含有する塩酸・メタノール試薬0.5 gを添加した。この
ときの混合液の温度は20℃であった。3分間経過後に、
懸濁状態の混合液が均一透明になり、低粘性のゾル溶液
がえられた。ついで、このゾル溶液をガラス板上に流し
塗りで約0.2 mmの厚さにコーティングし、自然乾燥する
ことにより、無色透明のコーティング膜をえた。また、
この自然乾燥によるコーティング膜を150 ℃で5分間加
熱し、無色透明のコーティング膜を調製した。
【0027】実施例2〜4 実施例1において、(A)成分の種類を表1に示すよう
に変更したほかは実施例1と同様にしてゾル溶液とし、
ついでこれらのゾル溶液を用いて各種コーティング膜を
調製した。えられたコーティング膜はいずれも無色透明
であった。また、これらの自然乾燥によるコーティング
膜をそれぞれ150 ℃で5分間加熱し、無色透明のコーテ
ィング膜を調製した。
【0028】実施例5および6 実施例1において、アセトン樹脂初期縮合物とTEOS
との混合比を表1に示すように変更したほかは実施例1
と同様にしてゾル溶液とし、ついでこれらのゾル溶液を
用いて各種コーティング膜を調製した。えられたコーテ
ィング膜はいずれも無色透明であった。また、これらの
自然乾燥によるコーティング膜をそれぞれ150 ℃で5分
間加熱し、無色透明のコーティング膜を調製した。
【0029】実施例7 実施例1において、TEOSにかえてテトラメトキシシ
ランの初期縮合物(商品名「メチルシリケート−5
1」、三菱化成(株)製)を使用したほかは実施例1と
同様にしてゾル溶液とし、ついでこのゾル溶液を用いて
コーティング膜を調製した。えられたコーティング膜は
無色透明であった。また、この自然乾燥によるコーティ
ング膜を150 ℃で5分間加熱し、無色透明のコーティン
グ膜を調製した。
【0030】実施例8 実施例1において、塩酸・メタノール試薬にかえてp−
トルエンスルホン酸10%水溶液を使用したほかは実施例
1と同様にしてゾル溶液とし、ついでこのゾル溶液を用
いてコーティング膜を調製した。えられたコーティング
膜は無色透明であった。また、この自然乾燥によるコー
ティング膜を150 ℃で5分間加熱し、ほぼ無色透明のコ
ーティング膜を調製した。
【0031】比較例1〜2 実施例1において、アセトン樹脂初期縮合物とTEOS
との混合比を表1に示すように変更したほかは実施例1
と同様にしてゾル溶液とし、ついでこれらのゾル溶液を
用いて各種コーティング膜を調製した。えられたコーテ
ィング膜はいずれも無色透明であった。また、これらの
自然乾燥によるコーティング膜をそれぞれ150 ℃で5分
間加熱してコーティング膜を調製したが、ともに成膜性
が不充分であり、若干のひび割れが生じた。
【0032】比較例3 製造例1のアセトン樹脂初期縮合物のみを用い、これを
ガラス板上に流し塗りで約0.2 mmの厚さにコーティング
し、自然乾燥することにより、無色透明のコーティング
膜をえた。また、この自然乾燥によるコーティング膜を
150 ℃で5分間加熱してコーティング膜を調製したが、
成膜性がわるかった。
【0033】
【表1】
【0034】なお、表1中、*はメチルシリケート−
51を示す。
【0035】実施例1〜8および比較例1〜3でえられ
た各種ゾル溶液、および該ゾル溶液から調製されたガラ
ス板に形成された各種コーティング膜について、以下の
方法によってそれぞれ性能を評価した。結果を表2に示
す。
【0036】(1) ゾル溶液の放置安定性 生成したゾル溶液を30日間室温で放置し、その性状変化
(透明性、粘度および色調の変化の程度)を目視にて観
察した。ほとんど変化がないものを良好とし、それ以外
を不良とした。
【0037】(2) コーティング膜の性状 (イ)光沢 JIS Z 8741準拠して20度での鏡面反射率を測定し、95%
以上を良好とし、50%以下を不良とした。
【0038】(ロ)硬度 鉛筆硬度を測定し、6H以上を良好とし、H以下を不良
とした。
【0039】(ハ)耐水性 室温で水中に12時間浸漬したのち、塗膜状態を目視にて
判定し、白化、剥れ、ブリスターおよび膨潤がないもの
を○、これらがわずかに認められるものを△、これらが
顕著に認められるものを×とした。
【0040】(ニ)耐溶剤性 室温でテトラヒドロフランに12時間浸漬したのち、塗膜
状態を目視にて判定し、白化、剥れ、ブリスターおよび
膨潤がないものを良好とし、これらが顕著に認められる
ものを不良とした。
【0041】
【表2】
【0042】なお、表2において、RTは自然乾燥した
コーティング膜、150 は150 ℃で加熱してえられたコー
ティング膜を示す。
【0043】
【発明の効果】本発明の前駆ゾル組成物は、均一で透明
な放置安定性にすぐれたゾル組成物であり、該前駆ゾル
組成物を塗布、乾燥することにより、高硬度で透明性に
すぐれ、しかも成膜性、耐水性、耐溶剤性などが良好な
ケトン樹脂・シリカガラスハイブリッド体がえられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 前田 孝泰 (56)参考文献 特開 平2−137737(JP,A) 特開 昭63−123838(JP,A) 特開 昭53−11952(JP,A) 特開 昭53−92847(JP,A) 特開 平6−136321(JP,A) 特開 平5−65418(JP,A) 特開 平3−41172(JP,A) 特開 平4−240124(JP,A) 特開 平4−236266(JP,A) 特開 昭63−82709(JP,A) 特開 平5−1391(JP,A) 特開 平5−262584(JP,A) 特開 昭63−162549(JP,A) 塗装工学,29[9](1994)p.364 −375 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/00 - 61/02 C08L 83/00 - 83/02 C09D 161/00 - 161/02 C09D 183/00 - 183/02 C08G 6/00 - 6/02 C08G 77/00 - 77/02 C01B 33/12 - 33/193 C03B 8/00 - 8/02 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL) JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケトン樹脂初期縮合物、(B)加
    水分解性アルコキシシランまたはその部分加水分解重縮
    合物、および酸触媒からなり、かつ(A)成分と(B)
    成分との固形分の重量比率が(A)/(B)=2/1〜
    1/8である混合物であることを特徴とするケトン樹脂
    ・シリカガラスハイブリッド体の前駆ゾル組成物。
  2. 【請求項2】 炭素数1〜3のアルキル基を有するアル
    コールおよび/または水を含有する請求項1記載の前駆
    ゾル組成物。
  3. 【請求項3】 前記酸触媒がハロゲン化水素または有機
    強酸である請求項1または2記載の前駆ゾル組成物。
  4. 【請求項4】 前記触媒の使用量が前記(A)成分と
    (B)成分との固形分合計重量の0.1 〜20重量%である
    請求項1、2または3記載の前駆ゾル組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の前駆ゾ
    ル組成物を基材に塗布または含浸し、ついで乾燥するこ
    とを特徴とするケトン樹脂・シリカガラスハイブリッド
    体の製法。
  6. 【請求項6】 乾燥の際に、100 〜170 ℃で加熱する請
    求項5記載のハイブリッド体の製法。
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