JP3243337U - 過去帳及び見台 - Google Patents

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Abstract

【課題】過去帳及び見台を可能な限りシンプル、かつ低コストに構成し、モダン仏壇等の小型、かつシンプルな構成の仏壇に適したものとする。【解決手段】過去帳の表紙を木製の板で構成すると共に、見台を過去帳を支持する支持台のみにより構成し、同支持台に過去帳の下端部を直接着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝を設けて、過去帳を嵌合支持するように構成した。このような構成の場合、見台を従来の見台の支持台部分のみにより構成することができ、過去帳の表紙を構成する木製の板が従来の見台の皿としての機能を果たす。また、過去帳の下端部を支持する過去帳嵌合溝の底部が従来の見台の過去帳受けとしての機能を果たす。また、同過去帳の下端部を嵌合した過去帳嵌合溝の前面壁の全体が従来の見台の過去帳抑えとしての機能を果たす。【選択図】 図1

Description

本願考案は、仏具として用いられる過去帳及び見台の構成に関するものである。
過去帳は、一般に左右一対の表紙(表表紙と裏表紙)と、これら左右一対の表紙の間に設けられた中紙とからなっている。左右一対の表紙は、たとえば金襴、緞子などの厚手の布地、黒檀、紫檀などの所定の板厚の唐木などで構成され、中紙は、横長の和紙、洋紙が用いられ、在家用では、それらを所定の間隔で折り畳んだ折本形式のものが採用されている(たとえば特許文献1の構成を参照)。
そして、この過去帳は、次に述べる見台と呼ばれる過去帳専用の台の上に乗せ、立てた状態で仏壇に飾られ、命日(月及び祥月)に対応するページを開いた状態で供養が行われる。
一方、見台は、一般に祭壇上に置かれる基礎となる支持台と、支持台上部の後方に傾斜した溝に嵌合して固定される所定の大きさの皿と、皿の下部側所定の高さ位置に前方に突出する形で設けられた棚状の過去帳受けと、過去帳受けの前端側の左右に位置して所定の高さ上方に起立して設けられた爪状の過去帳抑えとから構成されている(たとえば特許文献2の構成を参照)。
実開平7-179号公報 特開2002-191445号公報
しかし、従来の見台は、上述のように、祭壇上に置かれる基礎となる支持台、支持台上部の後方に傾斜した溝に嵌合して固定される所定の大きさの皿、皿の下部側所定の高さ位置に前方に突出する形で設けられた棚状の過去帳受け、過去帳受けの前端側の左右に位置して所定の高さ上方に起立して設けられた爪状の過去帳抑えにより構成されており、構成部材が多いために、加工工数が多く、コストがかかる。そのため、製品コストも高くなる。また、ミニ仏壇やモダン仏壇等の小型仏壇に対応したコンパクト化にも限界がある。
さらに、布表紙を採用した過去帳は、一般に表紙部の厚さが厚く、嵩張る。中紙に1日から31日までの日付入りのものを採用した場合には余計であり、特にその厚さが厚くなる。そのため、見台の過去帳受け部分の寸法も、それに合わせた大きめの寸法のものとする必要がある。その点でも、コンパクト化、低コスト化しにくい。
この出願の考案は、このような事情に基づいてなされたもので、過去帳の表紙を木製の板で構成すると共に、見台を過去帳を支持する支持台のみにより構成し、同支持台に過去帳の下端部を着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝を設けて、直接過去帳を嵌合固定することによって、従来の皿、過去帳受け、過去帳抑えを不要にした過去帳及び見台を提供することを目的とするものである。
この出願の考案は、上述の課題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1)請求項1の考案の課題解決手段
請求項1の考案の課題解決手段は、過去帳の表紙を木製の板で構成すると共に、見台を過去帳を支持する支持台のみにより構成し、同支持台に過去帳の下端部を直接着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝を設けて、過去帳を嵌合支持するように構成したことを特徴としている。
このような構成の場合、見台を従来の見台の支持台部分のみにより構成することができ、過去帳の表紙を構成する木製の板が従来の見台の皿としての機能を果たす。また、過去帳の下端部を支持する過去帳嵌合溝の底部が従来の見台の過去帳受けとしての機能を果たす。また、同過去帳の下端部を嵌合した過去帳嵌合溝の前面壁の全体が従来の見台の過去帳抑えとしての機能を果たす。
これらの結果、請求項1の考案の課題解決手段の構成によると、従来の見台における皿や過去帳受け、過去帳抑えが不要になる。そのため、見台の構成は極めてシンプルになり、加工工数は少なく、大きくコストが低下する。そして、ミニ仏壇やモダン仏壇等の小型仏壇に適したコンパクトなものにすることができる。
さらに、過去帳の表紙が、嵩張る布表紙ではなく、木製の板により構成されているので、板厚の薄いものを採用すると、布表紙の過去帳に比べて、過去帳自体の厚さを十分に薄いものに構成することができる。また、耐久性も十分に高いものになる。
なお、上記過去帳嵌合溝は、当然ながら従来の見台の皿固定溝と同様に後方に所定の角度傾斜したものに構成され、上記過去帳嵌合溝に嵌合される木製の板よりなる過去帳の表紙は、同様に後方に所定の角度傾斜した状態に支持される。
(2)請求項2の考案の課題解決手段
請求項2の考案の課題解決手段は、上記請求項1の考案の課題解決手段において、過去帳の中紙には、横長の所定の用紙を一定の間隔で折り畳んだ折本形式の構成が採用されており、日付の記載は、左右一対の見開き状態の各ページ毎に故人の没年月日が記載されるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、月の1日から31日までの日付を入れて、該当する日に故人の戒名等を記載するようにしたものに比べて、折り畳み数が少なくなり、中紙部分の厚さを遥かに薄くすることができる。
したがって、過去帳自体の厚さを十分に薄くすることができ、過去帳嵌合溝への嵌合も容易、かつスムーズなものとなる。また、嵌合後の中紙上端側の浮き上がりも小さく、非常に見栄えの良いものとなる。
(3)請求項3の考案の課題解決手段
請求項3の考案の課題解決手段は、上記請求項1又は2の考案の課題解決手段において、過去帳の表紙を構成する木製の板の所定の個所には、透かし彫りが施されていることを特徴としている。
このような構成によると、シンプルに構成された過去帳の木製の表紙に、透かし彫りで、たとえば可憐な桜の花などを表すことができる。このようにすると、小型で、コンパクトな木製の表紙に日本的な美しさを伴った深い彩りを与えることができ、木目だけではない美しさを実現することができる。
(4)請求項4の考案の課題解決手段
請求項4の考案の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の考案の課題解決手段において、過去帳嵌合溝の中央部背面壁側には、非供養状態において、表紙を閉じた状態の過去帳を嵌合支持する後方に窪んだ過去帳嵌合部が設けられていることを特徴としている。
過去帳に記載されている故人の人数は、家庭によって様々である。また、供養の方法も家庭によって様々であり、必ずしも月の1日目から31日目まで毎日過去帳をめくるとは限らない。上記請求項2の考案の課題解決手段では、特に、そのようなケースを想定したものとなっている。
この請求項4の考案の課題解決手段の構成では、そのような場合を想定し、過去帳嵌合溝の中央部背面壁側には、非供養状態において、表紙を閉じた状態の過去帳を嵌合支持する後方に窪んだ過去帳嵌合溝が設けられている。
このような構成によると、上記のような非供養状態においては、過去帳嵌合溝中央部の後方に窪んだ過去帳嵌合溝を利用して、表紙を閉じた状態の過去帳を上下に立てた状態で支持させることができるようになる。
この結果、同構成によると、非供養状態においても、過去帳を祭壇に立てた状態で美しく飾ることが可能となる。
この場合において、上記請求項3の発明の課題解決手段の構成のように、表紙部分に所定の形状の透かし彫りがあると、上述のようなシンプル、かつ小型の過去帳に効果的な彩りを与えることができる。
(5)請求項5の考案の課題解決手段
請求項5の考案の課題解決手段は、上記請求項1,2,3又は4の考案の課題解決手段において、過去帳嵌合溝の背面壁側には、供養状態において、見開き状態の過去帳の背面側を支持する皿板が嵌合されるようになっていることを特徴としている。
このような構成によると、皿板の厚さを、中紙を含めた見開き状態の過去帳の厚さと過去帳嵌合溝の前後方向の寸法を考慮した適切な寸法のものに構成することによって、過去帳嵌合溝に嵌合された見開き状態の過去帳を過去帳嵌合溝内に隙間のない状態で確実に嵌合固定することができる。
その結果、中紙を含めた見開き状態の過去帳の厚さに対し、過去帳嵌合溝の前後方向の寸法を所定寸法大きくすることにより、過去帳嵌合溝に対する過去帳の挿入操作を容易にして、挿入操作時の中紙の損傷を回避することができる。そして、その後、過去帳嵌合溝の背面壁側、すなわち当該見開き状態の過去帳の背面側に上記適切な厚さの皿板を嵌合すれば、当該見開き状態の過去帳が過去帳嵌合溝内に所望の傾斜状態で隙間なく確実に固定支持される。そのため、中紙の折り目部の前方への浮き上がりもほとんど生じない。
この場合、上記皿板の大きさは、上記過去帳の2枚の表紙の背後を支えるに十分な大きさと形状のものである必要があるが、さらに、その嵌め込み操作や抜き取り操作の容易さをも考慮した適当な大きさ及び形状のものが選ばれる。
以上の結果、この出願の考案によると、従来の見台における皿、過去帳受け、過去帳抑えを不要にすることができ、また、過去帳の厚さを十分に薄くすることができる。
したがって、見台及び過去帳両者の構成を可及的に、小型、コンパクトで安価なものに構成することができ、ミニ仏壇、モダン仏壇などの小型、コンパクトな仏壇に適したものとして構成することができる。
この出願の考案の実施の形態1に係る過去帳及び見台の供養状態における構成を示す正面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の供養状態における構成を示す側面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の過去帳の中紙部分の構成(日付記載部の構成)を示す正面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の見台の構成を示す正面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の見台の構成を示す平面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の見台の構成を示す側面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の見台の構成を示す図4のA-A断面図である。 この出願の考案の実施の形態2に係る過去帳及び見台の表紙部分に透かし彫りを設けた過去帳の構成を示す斜視図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の過去帳の表紙に透かし彫りを形成する加工途中の表紙の構成を示す裏面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の過去帳の表紙に透かし彫りを形成する加工工程において使用される裏宛部材の構成を示す裏面図である。 この出願の考案の実施の形態3に係る過去帳及び見台の構成を示す平面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の構成を示す図11のB-B断面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の構成を示す図11のB-B断面における見台部分のみの断面図である。 この出願の考案の実施の形態4に係る過去帳及び見台の構成を示す背面図である。 同実施の形態に係る過去帳及び見台の構成を示す側面図である。
以下、本願考案の幾つかの実施の形態に係る過去帳及び見台の構成および作用について、添付の図1~図15を参照して詳細に説明する。以下に述べる各実施の形態においては、いずれも設置対象となる仏壇の一例として、たとえば最近多くなっている小型で、シンプルな構造のモダン仏壇が想定されている。
(1)実施の形態1の構成
図1~図7は、この出願の考案に係る実施の形態1に係る過去帳及び見台の構成を示している。
図1~図7中、符号1は、過去帳、符号2は、同過去帳1を支持する見台を示している
この実施の形態の過去帳1には、従来一般の在家用の過去帳と同様に、左右一対の表紙(表表紙,裏表紙)11,12と、これら左右一対の表紙11,12の間に横長の紙を一定の間隔で複数回折り畳んで構成した折本形式の中紙13とからなるものが採用されている(図8の構成を参照)。
しかし、この実施の形態の場合、上記左右一対の表紙(表裏一対の表紙)11,12は、たとえば唐木製の板により構成されており、また、中紙13部分の日付の記載は、年月に関係なく1日から31日までの日付のみを入れた日めくり式のものではなく、図1及び図3に示されるように、左右一対の見開き状態の各ページ毎に故人の没年月日を記載したものとなっている。
このような構成の場合、過去帳1の表紙11,12が、金襴や緞子などの厚さの嵩張る布製の表紙ではなく、所望の厚さに加工された木製の板により構成されているので、板厚の薄いものを採用すると、布製の表紙の過去帳に比べて、過去帳自体の厚さを十分に薄いものに構成することができる。また、耐久性も十分に高いものになる。
また、中紙13の日付記載部分の構成についても、年月に関係なく1日から31日までの日付のみを入れた日めくり式のものではなく、図1及び図3に示されるように、左右一対の見開き状態の各ページ毎に故人の没年月日を記載したものに構成しているので、中紙13部分の折り畳み数が少なくなり、中紙13部分の厚さを遥かに薄くすることができる。
したがって、過去帳自体の厚さを十分に薄くすることができ、後述する見台2の過去帳嵌合溝22への嵌合も容易、かつスムーズなものとなる。また、嵌合後の中紙13上端側の浮き上がりも小さく、見栄えの良いものとなる。
一方、この実施の形態の見台2は、従来の見台と異なり、たとえば図1及び図2に示すように、上記構成の過去帳1を見開き状態で支持する支持台(台板)21のみにより構成されており、同支持台21の上部に上記過去帳1の下端部を直接着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝21aを設けて、上記過去帳1を嵌合支持するようになっている。
支持台21は、図4~図6に示すように、左右に長い所定の幅、所定の厚さの唐木製の台板よりなり、その前部側には左右両端側付近まで延びる所定前後幅、所定深さの過去帳嵌合溝21aが設けられている。この過去帳嵌合溝21aは、図示のように、所定の角度だけ後方に傾斜する状態で設けられている。それに合わせて底面も後方に傾斜している。
そして、その左右方向の幅は、図1に示す上記過去帳1を左右に開いた見開き状態における幅、すなわち、上記表紙11,12を左右に並設した寸法幅に、また、その前後方向の幅は、最も厚さが厚い、上記過去帳1の中紙13の見開き第1頁及び第2頁が開かれた状態における左側の表紙12の板厚と左側に折り畳まれた中紙13の厚さを加えた厚さに対応し、同状態における上記過去帳1の全体(表紙11,12及び中紙13)が適度な(緩くない)係合状態で、図1及び図2のように、着脱可能な状態(挿脱可能な状態)で嵌合支持される寸法幅に設定されている。
また、その深さ及び傾斜角も、同状態において、上記過去帳1の全体(表紙11,12及び中紙13)が、上記係合状態で適度に後方に傾斜し、折り畳まれた中紙13の折り目部13a,13a,13aの浮き上がりを有効に抑える寸法のものに形成されている。
このような状態で、上記支持台21の過去帳嵌合溝21aに嵌合支持された過去帳1の見開き頁を変更するに際しては、同状態における過去帳1の全体(表紙11,12及び中紙13)をいったん支持台21の過去帳嵌合溝21aから抜き出し、ページをめくって供養しようとする故人の没年月日が記載された頁を開き、改めて支持台21の過去帳嵌合溝21aに同様の見開き状態で嵌合支持する。
以上のように、この出願の考案の実施の形態では、過去帳1の表紙11,12を唐木製(木製)の板で構成すると共に、見台2を過去帳1を支持する支持台(台板)21のみにより構成し、同支持台21に見開き状態の過去帳1の下端部(左右の表紙11,12及び中紙13の下端部)を直接着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝21aを設けて、過去帳1を嵌合支持するように構成したことを特徴としている。
このような構成の場合、見台2を従来の見台の支持台部分(台板部分)のみにより構成することができ、過去帳1の表紙11,12を構成する唐木製(木製)の板が従来の見台の皿としての機能を果たす。また、過去帳1の下端部を支持する過去帳嵌合溝21aの手前側に高く傾斜した底面部が従来の見台の過去帳受けとしての機能を果たす。また、同過去帳1の下端部を嵌合した過去帳嵌合溝21aの前面壁の全体が従来の見台の過去帳抑えとしての機能を果たす。
これらの結果、同構成の過去帳及び見台によると、従来の見台における皿や過去帳受け、過去帳抑えが不要になる。そのため、見台の構成は極めてシンプルになり、加工工数は少なく、大きくコストが低下する。そして、ミニ仏壇やモダン仏壇等の小型仏壇に適したコンパクトなものにすることができる。
さらに、過去帳1の表紙11,12が、金襴や緞子などの厚さの嵩張る布製の表紙ではなく、唐木製(木製)の板により構成されているので、板厚の薄いものを採用すると、布製の表紙の過去帳に比べて、過去帳1自体の厚さを十分に薄いものに構成することができる。また、耐久性も十分に高いものになる。
そして、上記過去帳嵌合溝21aは、従来の見台の皿固定溝と同様に後方に所定の角度傾斜したものに形成されており、上記過去帳嵌合溝21aに嵌合される唐木製(木製)の板よりなる過去帳1の表紙11,12及び中紙13は、同様に後方に所定の角度傾斜した状態に支持されるので、非常に見やすい。
また、以上の構成の場合、過去帳1の中紙13には、従来と同様に、横長の所定の用紙を一定の間隔で折り畳んだ折本形式の構成が採用されているが、その日付の記載は、月の1日から31日までの日付を入れて、該当する日に故人の戒名等を記載するようにしたものではなく、左右一対の見開き状態の各ページ毎に故人の没年月日を記載するように構成されている。
このような構成によると、月の1日から31日までの日付を入れて、該当する日に故人の戒名等を記載するようにしたものに比べて、折り畳み数が非常に少なくなり、中紙13部分の厚さを遥かに薄くすることができる。
したがって、過去帳1自体の厚さを十分に薄くすることができ支持台21の過去帳嵌合溝21aへの嵌合も容易、かつスムーズなものとなる。また、嵌合後の中紙13上端側の浮き上がりも小さく、見栄えの良いものとなる。
(2)実施の形態2の構成
図8及び図9は、この出願の考案に係る実施の形態2の構成を示している。
この出願の考案の実施の形態2の構成では、たとえば図8及び図9に示すように、上記実施の形態1の構成における過去帳1の表側の表紙11を構成する唐木製の板の所定の個所(たとえば正面方向に見た時の左下部分)に、所定の形状の透かし彫り(図示の例では、桜の花の形状の透かし彫り)14を施すように構成している。
このような構成によると、落ち着いた模様の木目(又は無垢)を中心として比較的シンプルに構成された過去帳1の唐木製の表側の表紙11に、透かし彫りで、可憐な桜の花などを表すことができる。このようにすると、小型で、コンパクトな木製の表紙に日本的な美しさを伴った深い彩りを与えることができ、木目(又は無垢)だけではない可憐な美しさを実現することができる。
この透かし彫り14は、次のようにして形成する。たとえば図9に示すように、まず上記透かし彫り14を形成する板の裏側に所定の形状、所定の深さ(一定)の溝15を彫り、透かし彫り形成部の板厚を適度な厚さに薄くした上で、透かし彫り14を施す。
その後、同溝15部分に上記表紙11を形成する板とは材質及び色彩(木目を含む)の異なる木製の裏宛ピース16を嵌め込み、同一面状態に固定することにより、表面側から見た時に透かし彫り14部分の深さが適度なものになり、かつ、その底面側裏宛ピース16の材質及び色の相違が透かし彫り14部分を明確に際立たせるようなコントラスト、立体感を実現する。
この場合、底面側裏宛ピース16の材質や色は、施される透かし彫り14の種類や形状に応じた所定のものが選ばれる(予め複数の種類のものを準備して置く)。たとえば裏宛ピース16に花梨材を採用した場合、過去帳の表紙11の唐木材の色によっては、コントラストが低くて花梨材の桜色が分かりにくいケースがある。そこで、そのような場合には、たとえば桜色の色彩を顕著に出すために、桜色のコート紙(桜色の紙の表面に所定のコート剤をコーティングし、普通紙よりも滑らかさと光沢感を高くしたもの)を花梨材の表面に貼ったものを使用する。
このような構成にすると、より効果的な透かし彫り14を実現することができる。
(3)実施の形態3の構成
図11~図13は、この出願の考案に係る実施の形態3の構成を示している。
この出願の考案の実施の形態3の構成では、たとえば図11~図13に示すように、上記実施の形態1又は2の構成における見台2(支持台21)の過去帳嵌合溝21aの中央部背面壁側に、非供養状態において、唐木製の表紙11,12を閉じた状態の過去帳1を嵌合支持する、所定幅、所定深さ後方に窪んだ過去帳収納用の嵌合溝21bを設けて構成している。その他の部分の構成は、すべて上記実施の形態1又は2の過去帳1及び見台2の構成と同様である。
この所定幅、所定深さ後方に窪んだ過去帳収納用の嵌合溝21bの幅は、仮想線で示す上記過去帳1の表紙11,12単独の左右の幅に対応し、少なくとも上記過去帳1の裏面側の表紙12が左右両位置で比較的緩やかに嵌合され、かつ、その厚さ分十分に収納できる深さのものに形成されている(図11及び図12を参照)。
過去帳1に記載されている故人の人数は、家庭によって様々である。また、供養の方法も家庭によって様々であり、必ずしも月の1日目から31日目まで毎日過去帳をめくるとは限らない。図3に示した上記実施の形態1又は2における過去帳1の中紙13の日付記載様式(没年月日のみの記載様式)は、特に、そのようなケースを想定したものとなっている。
この実施の形態3の構成では、そのような場合を想定し、過去帳嵌合溝21aの中央部背面壁側には、非供養状態において、表紙11,12を閉じた状態の過去帳1を嵌合支持する所定幅、所定深さ後方に窪んだ過去帳収納用の嵌合溝21bが設けられている。
このような構成によると、上記のような非供養状態においては、過去帳嵌合溝21a中央部の所定幅、所定深さ後方に窪んだ過去帳収納用の嵌合溝21bを利用して、図8のような、表紙11,12を閉じた状態の過去帳1を、図11及び図12のように、上下方向に立てた状態で支持することができるようになる。
この結果、同構成によると、非供養状態においても、過去帳1を祭壇に上下に立てた状態で美しく飾って置くことが可能となる。この場合において、上記実施の形態2の構成のように、表側の表紙11部分に桜の花などの透かし彫り14があると、上述のようなシンプル、かつ小型の過去帳1に効果的な彩りを与えることができる。
上記のように、過去帳嵌合溝21aの中央部背面壁側に非供養状態における過去帳1を嵌合支持する過去帳収納用の嵌合溝21bを設けた場合にも、寸法的に見て、供養状態における過去帳1の表紙11,12は、それぞれ少なくとも1/2は本来の過去帳嵌合溝21a部分に有効に支持されており、しかも、中央部側で両者は相互に接しているので、図1のような供養状態、すなわち見開き状態でも、上記実施の形態1の場合と同様の十分に安定した支持が可能である。
(4)実施の形態4の構成
図14及び図15は、この出願の考案に係る実施の形態4の構成を示している。
この出願の考案の実施の形態4の構成では、たとえば図14及び図15に示すように、上記実施の形態1の構成における見台2(支持台21)部分の構成において、さらに上記過去帳嵌合溝21aの背面壁側には、供養状態において見開き状態の過去帳1の背面側(2枚の表紙11,12の表面側)を支持する皿板17が嵌合されるようになっている。
このような構成によると、皿板17の厚さを、中紙13を含めた見開き状態の過去帳1の厚さと過去帳嵌合溝21aの前後方向の寸法を考慮した適切な寸法のものに構成することによって、過去帳嵌合溝21aに嵌合された見開き状態の過去帳1を過去帳嵌合溝21a内に隙間のない状態で確実に嵌合固定することができる。
その結果、中紙13を含めた見開き状態の過去帳1の厚さに対し、過去帳嵌合溝21aの前後方向の寸法を所定寸法大きくすることにより、過去帳嵌合溝21aに対する過去帳1の挿入操作を容易にして、挿入操作時の中紙13の損傷を回避することができる。
そして、その後、過去帳嵌合溝21aの背面壁側、すなわち当該見開き状態の過去帳1の背面側に上記適切な厚さの皿板17を嵌合すれば、当該見開き状態の過去帳1が過去帳嵌合溝21a内に所望の傾斜状態(過去帳嵌合溝21aの傾斜角に沿った適切な傾斜状態)で隙間なく確実に固定支持される。
そのため、過去帳嵌合溝21aの前面壁による中紙の抑え機能も向上し、中紙13の折り目部13aの前方への浮き上がりが殆ど生じない。
この場合、上記皿板17の大きさは、上記過去帳1の2枚の表紙11,12の背後を支えるに十分な大きさと形状のものである必要があるが、さらに、その嵌め込み操作や抜き取り操作の容易さをも考慮した適当な大きさ及び形状のものが選ばれる。図示の例では、過去帳1の2枚の表紙11,12を合わせた形状よりも小さい方形状で、左右上端側を円弧状としたものが採用されている。
また、上記皿板17の材質や色彩、模様などは自由であるが、一例として、表紙11,12との違和感のない唐木製の板材が採用される。
なお、この実施の形態の構成は、上記実施の形態1の構成との組み合わせのみに限らず、上記実施の形態2,3の見台2(支持台21)の構成においても全く同様に実現することができる。
<実施の形態1~4の構成における共通する特徴と作用効果>
以上の結果、この出願の考案の各実施の形態の構成によると、従来の見台における皿、過去帳受け、過去帳抑えを不要にすることができ、また、過去帳の厚さを十分に薄くすることができる。
したがって、見台及び過去帳両者の構成を可及的に、小型、コンパクトで安価なものに構成することができ、ミニ仏壇、モダン仏壇などの小型、コンパクトな仏壇に適したものとして構成することができる。
1:過去帳
2:見台
11:木製板の表紙(表)
12:木製板の表紙(裏)
13:折本形式の中紙
13a:折本形式の中紙の折り目
14:表紙11における透かし彫り
17:皿板
21:見台2の支持台
21a:支持台21における過去帳嵌合溝
21b:支持台21における過去帳収納用の嵌合溝
(4)請求項4の考案の課題解決手段
請求項4の考案の課題解決手段は、上記請求項1又は2の考案の課題解決手段において、過去帳嵌合溝の中央部背面壁側には、非供養状態において、表紙を閉じた状態の過去帳を嵌合支持する後方に窪んだ過去帳嵌合部が設けられていることを特徴としている。
この場合において、たとえば過去帳の表紙部分に所定の形状の透かし彫りがあると、上述のようなシンプル、かつ小型の過去帳に効果的な彩りを与えることができる。
(5)請求項5の考案の課題解決手段
請求項5の考案の課題解決手段は、上記請求項1又は2の考案の課題解決手段において、過去帳嵌合溝の背面壁側には、供養状態において、見開き状態の過去帳の背面側を支持する皿板が嵌合されるようになっていることを特徴としている。

Claims (5)

  1. 過去帳の表紙を木製の板で構成すると共に、見台を過去帳を支持する支持台のみにより構成し、同支持台に過去帳の下端部を直接着脱可能に嵌合する過去帳嵌合溝を設けて、過去帳を嵌合支持するように構成したことを特徴とする過去帳及び見台。
  2. 過去帳の中紙には、横長の所定の用紙を一定の間隔で折り畳んだ折本形式の構成が採用されており、日付の記載は、左右一対の見開き状態の各ページ毎に故人の没年月日が記載されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の過去帳及び見台。
  3. 過去帳の表紙を構成する木製の板の所定の個所には、透かし彫りが施されていることを特徴とする請求項1又は2の記載の過去帳及び見台。
  4. 過去帳嵌合溝の中央部背面壁側には、非供養状態において、表紙を閉じた状態の過去帳を嵌合支持する、所定幅、所定深さ後方に窪んだ過去帳収納用の嵌合溝が設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の過去帳及び見台。
  5. 過去帳嵌合溝の背面壁側には、供養状態において、見開き状態の過去帳の背面側を支持する皿板が嵌合されるようになっていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の過去帳及び見台。
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