JP3242740B2 - 製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料 - Google Patents

製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料

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JP3242740B2 JP08508493A JP8508493A JP3242740B2 JP 3242740 B2 JP3242740 B2 JP 3242740B2 JP 08508493 A JP08508493 A JP 08508493A JP 8508493 A JP8508493 A JP 8508493A JP 3242740 B2 JP3242740 B2 JP 3242740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として含クロム溶銑
を溶製する電気製錬炉,ステンレス鋼を含む高合金鉄鋼
を製鋼する電気炉や上底吹き転炉,これらの炉間にあっ
て溶湯を運搬及び/又は精錬運搬する取鍋等の溶融金属
容器(炉)において、この容器内(炉内)の側壁や器底部
(炉底部)への吹付け材料とか投込み材料(他に落し込み
材料,焼付け付着材料と言うこともある)として使用さ
れる塩基性耐火材料に関連するものであり、取り分けか
かる材料として使用するために当該ステンレス鋼を含む
高合金鉄鋼の製鋼工程で発生するスラグを骨材として配
合して成る耐火材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、クロム鉱石を製錬して含クロム溶
銑を溶製する電気製錬炉,主としてステンレス鋼を含む
高合金鉄鋼の諸製造工程から発生しクロム成分等を含み
有価金属成分を含有する副生物を原料として電気製錬に
より含クロム溶銑を溶製する電気製錬炉,ステンレス鋼
を含む高合金鉄鋼を製鋼する電気炉や上底吹き転炉,こ
れらの炉間にあって溶製又は製鋼された各種溶湯を単に
運搬したり或いは精錬と運搬とに兼用されたりする取鍋
等の溶融金属容器(炉)において、これらの容器内(炉内)
の側壁や器底部(炉底部)を構成する耐火物として、かか
る側壁や器底部の新規築炉用や補修用に諸々の耐火煉瓦
と共に多量の不定形な耐火物(以下、単に耐火材料、使
用用途に応じて塩基性耐火材料と言うことがある)が使
用されている。この不定形耐火物、即ち耐火材料は、比
較的高価であり主として補修用に多量使用されており、
具体的に前記側壁のライニング箇所への熱間吹付け材料
とか、前記器底部に配列されている耐火煉瓦の保護やそ
の損耗部分への投込み材料(落し込み材料,熱間補修時
における焼付け付着材料等)として使用されている。
【0003】しかも最近は、前述した如く溶製又は製鋼
される各種溶湯(前記溶融金属,溶銑や溶鋼を含む)
を、良好な品質に高能率且つ高生産性のもとで経済的に
(低コストで)量産するために、大容量の容器内に大量
の諸原料や溶湯を装入且つ貯湯させて、この容器内の諸
原料や溶湯に対して容器に適宜設置されている上吹きラ
ンスや底吹き羽口から各種ガスを吹き込むことによって
その溶湯を強制的に撹拌して、諸原料の溶融や溶解を促
進したり或いは諸々の反応を促進し精錬効果をより向上
させたりしている。しかし、このようにガス吹込みを行
いながら前述の溶融や溶解とか精錬が進行するに従っ
て、容器内面を構成する耐火物など、特に前記器底部に
配置された底吹き羽口やその周囲に配列されている耐火
煉瓦等が、溶湯やスラグの強制撹拌作用によってより激
しく損耗される。また、容器内に貯湯されている溶湯上
に層状を成して浮遊し半凝固状態にあるスラグ最上部位
の位置にほぼ該当する容器内の側壁耐火物の部位(スラ
グライン)もより激しく損耗されるのである。そこで、
高価な新品の底吹き羽口,同じく耐火煉瓦や耐火材料な
どの耐火物を使用して新規に築炉された溶融金属容器が
繰り返し操業されながら使用されていき、その寿命に至
るのを極力延長するために、その途中で幾回か操業を中
断してはかかる底吹き羽口や耐火物の交換とかこれらの
保護や諸々の損耗部分の補修とかを従来より一層手厚く
且つ高頻度に実施せねばならなくなってきたのである。
従って、この容器内面を構成する耐火物としての耐火材
料も、従来に増して過酷な条件下で多量に使用されるよ
うになってきているのである。
【0004】このように使用される耐火材料は、従来、
例えば高価な海水マグネシアなどの塩基性耐火原料を骨
材として、これに適量のバインダを添加し配合されたも
のが一般に用いられていた。更に、電気炉,転炉,取鍋
等から発生する製鋼炉スラグを、従来から骨材として用
いられていた塩基性耐火原料の一部代替骨材として配合
して成る耐火材料(単に耐火材とか耐火組成物と呼称す
る場合もある)の各例が、以下の各公報により紹介され
ている。 (1)電気炉、平炉などから発生する珪酸二石灰(2C
aO・SiO2)を主成分とする塩基性スラグ40部以
下と、マグネシアクリンカ60部以上との混合物から成
り、その混合物が水分を実質的に含まない粘結剤で結合
され消化現象を防止した塩基性耐火剤(特開昭51−1
23208号公報)。 (2)遊離CaOが1%以下、P25として燐成分が
1.5〜3.0%を含んでなる製鋼炉スラグを含有する耐
火組成物(特開昭54−156020号公報)。 (3)転炉スラグの一部または大部分を塩基性耐火材と
することができることを開示しており、転炉スラグの1
00重量部に残留炭素含有量が30〜70%であるピッ
チまたは/および合成樹脂の1種または2種以上を5〜
50重量部の量となるように被覆するかまたは粒状で添
加して成る塩基性熱間吹付補修材(特開昭55−846
4号公報)。 (4)マグネシア系耐火材10〜88重量%と、遊離C
aOが1%以下で、かつ2CaO・SiO2が常温にお
いて高温型または中温型の結晶型で存在する製鋼炉スラ
グ10〜88重量%と、炭素材1〜20重量%と、粉消
化防止剤1〜7重量%とからなり崩壊現象の防止を主眼
においた製鋼炉スラグ含有耐火組成物(特開昭57−3
4083号公報)。
【0005】以上の各公報に詳述されている耐火材料
は、いずれも製鋼炉スラグを使用する点で共通するが、
いずれも実際に容器内面の各部を構成する耐火物として
用いる場合にその耐火材料の崩壊現象の防止を主眼とし
ており、その耐火材料の水分による消化現象や比較的高
温における各種結晶型の化合物の生成や変態等に伴って
生ずる粉化現象の欠点を少なくとも何らかの非水系のバ
インダを合せ使用することによって解決する技術思想を
開示するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、前記(1)〜(4)に示す各公報中には、製鋼炉ス
ラグを使用するがための、またこれを使用した耐火材料
であるがための、更にこのような耐火材料を用いたがた
めの、それぞれ或いは共通する諸々の問題点が詳述され
ているので、本発明においてはこれらの問題点を重ねて
説明することはしないが、これらの各公報中で明確にさ
れていない諸問題点を以下に説明する。 イ)一口に多量に発生する製鋼炉スラグといっても、後
記説明するように少なくともその化学組成や性状面の特
性だけから見ても千差万別であり、実際に使用すること
のできない製鋼炉スラグは多い。 ロ)かかる特性に合致するように諸々の製鋼炉スラグを
調合し調製するのは困難であり、調整された製鋼炉スラ
グを使用して成る耐火材料はそれに至る労苦,投資金
額,製造コストなどを考慮してみても経済性をなかなか
伴わない。 ハ)このような製鋼炉スラグ、即ち前述した各公報中に
説明されている製鋼炉スラグを使用して成る耐火材料
は、どこでも使用できるものではなく、汎用性を有しな
い。逆に要求される耐火材料の特性面からも、その使用
目的,使用用途,使用箇所や範囲,適用範囲等からの大
きな制約を受ける。 ニ)例えば具体的に、前述した各公報中に説明のないス
テンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工程から発生するス
ラグは、次のようなものであり、以下に説明するような
諸理由によってその取扱いが困難であり、製鋼工程から
多量に発生し重大なる産業廃棄物であるにも拘らずほと
んど利用されずに埋立などに廃棄処分されており、その
対策が重大な問題として採り上げられているが、なかな
か適当な利用法が見当らず確立されていない。
【0007】・このスラグは、実質的に酸化されず化学
的に安定なニッケル成分は含まれていないが、Cr23
成分を主体とする重金属の酸化物をかなり多量に含有し
ている。・Cr23,FeO,MnO,MgO,Ca
O,SiO2といった多量の各主要成分を含有している
ので、これらの成分間における2成分系や3成分系にお
いて生成する各種結晶型の化合物も多い。これら以外の
特定金属成分等を添加する場合も多いが、そうすれば更
に他の諸々の化合物も生成し含有される。・ホタル石
(CaF2を含有する)を添加しスラグの融点を低下し
て軟らかくなったスラグと溶湯とを充分に撹拌且つ接触
させて精錬効果を無駄なくより向上させる場合がある
が、このような融点の低下したスラグは耐火材料に使用
し難い。・弗化カルシウム(CaF2)を含み低融点で
あり、しかも水分(湿気)に極めて不安定な珪酸二石灰
(2CaO・SiO2)を含んでいるために取扱いが困
難である。・重金属の酸化物や有害物質とされている6
価クロム物質,弗化カルシウムも含まれる危険もあるの
で、その取扱いが困難であると共にこれらの埋立利用,
保管や堆積処分もますます難しくなる状勢にある。・多
量に発生するので、この埋立,保管,堆積に広大な場所
を必要とする。・このスラグの利用法として、真砂など
と混合して道路に使用したり、セメント混合材に使用し
たり、土壌の中和改良材に使用したりすることが考えら
れるが、公害防止の面、経済性の面から、適当で充分な
利用法が確立されていないのである。
【0008】そこで本発明は、以上に詳述した諸問題点
を総合的に極力解決しながら、取り分け前記ニ)項に説
明するステンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工程から発
生するスラグの利用法に関し、産業廃棄物の処理対策の
点だけでなく省エネルギ且つ省資源の面からも有効に、
このスラグをできるだけ廃棄せずに二次公害のおそれの
ない製品として再利用するために、このスラグの有する
諸問題点の解消に注力して、スラグを骨材に使用し配合
して成る不定形耐火物、即ち耐火材料を提供することを
課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上に詳
述した諸問題点に鑑み、前記課題を達成するために種々
の実験を行い調査し検討した結果、(a)前述の如く製
鋼炉スラグ、特にステンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼
工程から発生するスラグを使用して成る耐火材料は、そ
の使用目的や適用範囲等から多大な制約を受け汎用性が
ないが、このスラグの化学組成や性状面の特性から考察
してみて、基本的にこのスラグの発生部署(発生工程)
か又はその周辺に存在する関連工程で再利用するのが無
難であり経済性を伴うこと、(b)従って、ステンレス
鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工程から発生するスラグを使
用して成る耐火材料は、前記〔従来の技術〕の冒頭部分
で説明した如き同じか又は同様な製鋼工程の主として溶
融金属容器(炉)及びこの製鋼工程を取り巻いて周辺に存
在している関連工程における各電気製錬炉などの主とし
て溶融金属容器(炉)に用いるのが良策であること、
(c)他の塩基性耐火原料骨材を極力配合せずに、でき
る限りこのスラグを使用する骨材だけで所望とする耐火
材料にすること、(d)従来の如く、製鋼炉スラグ、こ
れを使用して成る耐火材料の崩壊現象に伴う粉化の防止
用としての非水系等のバインダを使用しないようにする
こと、(e)前記〔従来の技術〕において説明したよう
に、最近のかかる溶融金属容器(炉)内面を構成する諸々
の耐火物の過酷な使用条件に対してより生産性良好で経
済的に耐用し得るようにさせるために、高耐食性を有
し、低融点物質を極力含有しておらず前記(a),
(b)の適用範囲を考慮し汎用性を持たせるためにこの
スラグの骨材の耐火度がSK39以上であるように高融
点化すること、(f)かかる溶融金属容器(炉)内面を構
成する耐火物としてこのスラグを使用して成る耐火材料
を用いることによって、肝心な溶湯に悪影響を及ぼさな
いこと、つまり溶湯を汚染したりその清浄度を落したり
して、品質低下させないこと、などが必要であり重要で
あることを究明したのである。
【0010】つまり、このような究明内容を踏えて、前
述した如き本発明の課題を達成するための製鋼スラグ骨
材の配合された耐火材料としては、ステンレス鋼を含む
高合金鉄鋼の製鋼工程で発生するスラグを骨材として配
合して成る塩基性耐火材料であって、Cr23,Fe
O,MnO,MgO,CaO,SiO2の各主要成分と
これらの成分間における2成分系や3成分系において生
成する各種結晶型の化合物を含有しており、且つ該Cr
23成分を主体とするクロムの酸化物が該スラグ全体の
35〜60重量%を占有する化学組成のスラグを骨材と
する5〜100重量%と、塩基性耐火原料骨材の残部と
を配合して成る耐火材料とすればよい知見を得て、本発
明を完成させたのである。
【0011】
【作用】以下、本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合され
た耐火材料とその作用とについて、種々の実験を行い測
定且つ調査し検討した結果、及び実施例に基づいて詳細
に説明する。先ず、本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合
された耐火材料の骨材として使用されるスラグ、即ちス
テンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工程における電気
炉,転炉,取鍋等の溶融金属容器(炉)から発生するスラ
グの一般的な化学組成及びその性状等について説明す
る。このスラグは、この製鋼工程全体が一般に塩基性操
業を実施しており、この工程別に即ち容器(炉)別に投入
又は添加される造滓材も塩基性に配合され、各容器(炉)
内を内張りし構成する耐火物としても例えはドロマイト
煉瓦で代表される少なくとも主成分としてCaOやMg
Oを含有する塩基性のCaO含有耐火煉瓦などが用いら
れ、この塩基性操業における耐火物の耐久性が図られる
ようにしているので、必然的に塩基性のスラグとなって
発生してくる。
【0012】このようにして工程別に或いは各容器(炉)
別に発生するスラグは、この工程別或いは容器(炉)別の
果たすべき役割(目的,機能)等の相違,製鋼工程で製
鋼される溶湯の鋼種の相違,このために初期及び工程間
で投入又は添加される金属材料並びにその配合の相違,
同様に投入又は添加される造滓材並びにその配合の相
違,逆に工程中又は工程間における発生したスラグの除
滓のされ方やその程度の相違,これらの相違に付随する
工程別或いは容器(炉)別の精錬等を含めた製鋼(操業)
条件の相違,製鋼工程全体の諸操業条件の相違などによ
って、その化学的組成及びその性状面において種々の相
違が生じるのである。実際に前述の如くホタル石(Ca
2を含有する)を添加しスラグの融点を低下して発生
したスラグが本発明に係る耐火材料に使用し難いだけで
なく、使用できないスラグが発生する場合もある。
【0013】また、このステンレス鋼を含む高合金鉄鋼
の製鋼工程から発生するスラグは、前記各公報中に紹介
されている製鋼炉スラグの化学組成等と違って、高塩基
度操業を実施しているため安定なCr23(3価のクロ
ム)成分を主体としたかなり多量のクロムの酸化物を含
有する塩基性スラグであることを特徴としており、この
クロムの酸化物と少なからずFeO,MnO,MgO,
CaO,SiO2とを主要成分として含有しており、更
にこれらの成分間における2成分系や3成分系において
生成する各種結晶型の化合物を含有している。このよう
に生成する各種結晶型の化合物としては、前記各公報中
に記載され紹介されていると共に図2のSiO2−Ca
O系状態図に示されている各種結晶型の化合物(CaO
・SiO2,3CaO・2SiO2,2CaO・Si
2,3CaO・SiO2,…)や、図3及び図4のCa
O−SiO2−Cr23の3成分系における平衡状態図
に示される各種結晶型の化合物(CaO・Cr23,3
CaO・Cr23・3SiO2,…)などが、Fe−C
r合金の共存条件,スラグ温度条件,スラグ中のFe
(FeO)含有量並びにその塩基度条件,クロム酸化物
のスラグへの溶解度等によって種類や量的にも様々に変
化しながら含有されるのである。
【0014】更に、この製鋼工程では、ステンレス鋼を
含む高合金鉄鋼を溶製するために特殊な成分として例え
ばMo,Cu,Al,Ti,Nbなどを添加したり、A
l,Tiなどの強脱酸剤を添加したりするので、これら
が酸化されて生成した少量の酸化物も含有されている。
一方で、製鋼工程の初期段階及び工程間で投入又は添加
される金属材料,溶湯温度調整材,造滓材,還元材,単
独又は複合の脱酸剤,脱硫材等に付随して、例えば前記
CaF2,P25,S分(硫化物)、後記説明する低融
点物質などといった不可避的に混入してくる少量の有害
物質や溶製される溶湯の品質へ悪影響を及ぼす諸々の酸
化物をはじめとする不純物も含有するのである。
【0015】次に、以上に詳述したような化学組成を有
するスラグを骨材として成る耐火材料が実際に用いられ
る製鋼工程のあらましの操業条件と、これから逆に耐火
材料に求められ具備すべき特性や条件について説明す
る。前記(e)項でも触れたように、非常に高温のアー
クで諸々の原材料を溶融又は溶解する電気炉,O2吹錬
により通常1700℃以上の高温状態になる酸化精錬を行い
場合によっては還元精錬をも行う転炉,このような高温
溶湯を運搬及び/又は精錬・運搬する取鍋等の溶融金属
容器(炉)を備える製鋼工程であるから、この容器(炉)内
面を構成する耐火物として用いられる耐火材料は更に強
制撹拌作用をも伴う苛酷な条件下で用いられるので、高
温耐食性を有し且つその耐火度がSK39以上(1880℃
以上)〔耐火物手帳(1981年版),昭和57年10
月31日第2刷発行,発行所耐火物技術協会〕にあるこ
とが好ましい。そして、以上の如き製鋼工程における各
容器(炉)からは、前述の如く塩基性操業により塩基性の
スラグが発生し、そのスラグ塩基度{(%CaO+%M
gO)/(%SiO2)}〔重量%〕が1.2〜3.0の範囲
にあり、Cr23成分を主体とするクロムの酸化物が凡
そスラグ全体の1〜60重量%の範囲にバラツいて含有
されている調査結果を得ている。
【0016】そこで、このようなスラグに関する粗い調
査結果を踏まえて、何はさて置き格別にホタル石を添加
しないで溶湯を精錬した転炉から発生した多数の塩基性
のスラグを、以下のように処理操作して塩基性の骨材、
即ち塩基性耐火材料を試作したので、その代表的な試作
事例を表1に示し以下に説明する。この転炉から発生し
た塩基性のスラグを不定形耐火物、即ち耐火材料の骨材
として試作するに際して、発生時のスラグ形状状態は大
塊状物に固化しているので、ブレーカ及びジョークラッ
シャ等で粗砕した後に、ロッドミル等によって25〜2
0mm以下の用途等に応じた所定粒度に破砕し粒度調整を
実施した。また、このスラグには諸々の酸化物や硫化物
だけでなくてFe,Cr,Niなどの有価金属成分が混
入されている場合があるので、必要に応じて比重選鉱や
磁力選鉱処理を実施した。これらの前処理工程を通じ
て、水(湿気)によりスラグの消化による粉化(劣化)
が生じないように注意して実施したのである。
【0017】
【表1】
【0018】表1において、ステンレス鋼を含む高合金
鉄鋼の製鋼工程における転炉から発生したスラグの中
で、代表的な化学組成を有する2種類について、5mm以
下の破砕粒度調整品をA−1,3.36mm以下の破砕粒
度調整品をA−2,20mm以下の破砕粒度調整品をBと
して、この各々に関する粒度構成(重量%),代表化学
成分(重量%),塩基度{(%CaO+%MgO)/(%
SiO2)},1000℃以下の低融点物質の含有率(重量
%),低融点物質を除いた残部の耐火度[SK(ゼーゲ
ルケーゲル),前記「耐火物手帳」参照],オートクレ
ープ処理(3気圧×2時間保持)による粉化率(重量
%)〔学振法7.ドロマイトクリンカーの消化性試験方
法、(II)オートクレープによる方法による〕の各測定
値を示す。この各測定値の中で、1000℃以下の低融点物
質の含有率(重量%)の測定は、各調整品を更に0.2
97mm以下に粉砕した後に直径50mm×厚さ10mmの円
板形試験体に作成し直し、図1に概略図示するシリコン
発熱体を備えた電気炉3内における電融マグネシア基盤
2上に前記円板形試験体1を置いて、通電加熱しながら
1000℃×5時間保持すると、この加熱により円板形試験
体1から低融点物質が溶出して電融マグネシア基盤2中
に浸透されるので、このような1000℃加熱前後の重量差
から次式によって低融点物質の含有量を測定した。 1:1000℃加熱前の重量(gr) W2:1000℃加熱後の重量(gr) 各円板形試験体1から1000℃以下の低融点物質が溶出し
た残部の供試体について、再粉砕後に耐火度測定用のテ
ストピース「ゼーゲルコーン」を製作して、各耐火度を
測定した。一方、電融マグネシア基盤2中に浸透された
低融点物質を同定した結果、一般に低温で溶融するガラ
ス質,ガラス質を構成し易い物質などのK2O,Na
2O,Pb25,B23,SnOなどが検出された。
【0019】本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合された
耐火材料としては、以上に説明するように処理操作し表
1の各測定値に示すようなスラグであれば、各スラグを
骨材として使用することは問題ないのであるが、海水マ
グネシアなど他の塩基性耐火原料を残部骨材として配合
して成る耐火材料であるので、配合する他の塩基性耐火
原料の粉化率(重量%)についても前述と同様に測定し
調査した。表2に、通常この原料として使用される海水
マグネシア,天然マグネシア,マグネシアドロマイト系
(合成マグドロ等),焼成ドロマイト系(焼成ドロマイ
ト等)の粉化率(重量%)の測定結果を示す。この測定
調査において、本発明者等は、消化性状が表2に示す天
然マグネシアの粉化率2.0重量%以下であれば、破砕
選鉱処理中においてもその消化による粉化(劣化)が生
じない知見を得ている。
【0020】
【表2】
【0021】この表1及び表2に示す測定調査結果並び
に以上に説明した知見等に基づき、以下の条件範囲を満
足するところの前述の如き転炉から次々に発生するスラ
グのみならず製鋼工程から発生する各スラグの中から適
宜サンプリングし準備して、この各供試スラグから耐火
度測定用のテストピース「ゼーゲルコーン」を製作して
から、各ゼーゲルコーンを炉中で高温に加熱していきな
がらそれぞれの溶融開始温度(℃)を測定して、この各
供試スラグ(骨材)の溶融開始温度(℃)に与えるCr
23成分を主体とするクロムの酸化物の含有量(重量
%)の影響について調査した。 各供試スラグ条件範囲 ・スラグの塩基度:1.2〜3.0の範囲、 ・スラグ中に含有されるCr23成分を主体とするクロ
ムの酸化物の含有量:1〜60重量%の範囲、 ・スラグ中の1000℃以下の低融点物質の含有率が表1に
示す測定結果から10重量%未満であること。
【0022】図5に示す調査結果から、製鋼工程から発
生するスラグ(骨材)中にCr23成分を主体とするク
ロムの酸化物の含有量(重量%)が増加していくに従っ
て、その溶融開始温度(℃)が高位に推移する傾向にあ
ることと、このクロム酸化物の含有量が50〜60重量
%になるとその溶融開始温度(℃)が約1900℃の定位状
態に近付く傾向にある知見を得た。そして、前述の如く
前記(e)項で触れると共に通常1700℃以上の高温状態
で用いられる転炉等の容器(炉)内面を構成する耐火物と
しての耐火材料としては、少なくともこのクロムの酸化
物の含有量が35重量%以上であることが必要であり、
その耐火度としてSK39以上(1880℃以上)にするた
めには40重量%以上の含有量が所望される知見を得た
のである。
【0023】しかしながら、転炉から次々に発生するス
ラグのみならず製鋼工程から多量に発生するスラグ発生
量の中で大半のものは、前記表1,表2及び図5等に示
す測定調査結果と以上に説明した諸条件範囲や知見に従
い、例えば消化による粉化率が2重量%以下でありクロ
ムの酸化物の含有量が少なくとも35重量%以上で高耐
火度条件を満たす耐火材料として使用できるのである
が、どうしても使用できない残部が発生するのである。
そこで、この使用できない残部を極力有効に利用し減少
するためや、2重量%以下の粉化率で一層高度の耐食性
や耐火度条件を満たす耐火材料として使用できるように
するために、それぞれ該当するスラグを使用して成る骨
材に、従来から骨材として用いられている海水マグネシ
アや天然マグネシア等の塩基性耐火原料の骨材を加え配
合して成る耐火材料を用いることを着想し、実際使用し
てみることにしたのである。
【0024】使用目的や用途等に応じて耐火材料として
所望される多様な条件を満足させるべく両骨材の配合割
合を変化させながら試用し検討した結果、経験的にCr
23成分を主体とするクロムの酸化物がスラグ全体の3
5〜65重量%を占有する化学組成を有する製鋼工程か
ら発生するスラグを骨材とする5〜100重量%と、前
記塩基性耐火原料の骨材の残部とを配合して成る本発明
に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料を得たので
ある。前記(a)〜(c)項でも説明したように、本発
明に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料は、この
製鋼工程から発生したスラグを使用する骨材のみで成る
ことが好ましいが、このスラグを使用する骨材の配合割
合が少なくとも5重量%以上であることが必要である。
5重量%未満の場合は、このスラグを破砕粒度調整品と
したり化学組成等を同定し使用可否をチエックし配合し
たりする前処理工程に要する処理コストを充分に吸収す
ることができないのみならず、このスラグを骨材として
製鋼工程を中心に還元利用できる有益性が消失するため
である。
【0025】ところが、このような本発明に係る製鋼ス
ラグ骨材の配合された耐火材料を長期に亘って試用した
結果、前記(f)項で説明したように、特に製鋼工程で
品質低下の許されない肝心な溶湯がP成分やS成分で汚
染されてしまい、これらの除去に不要な物質や工数を要
しコストアップを生じる場合が出現した。この対策とし
て、経験的に製鋼工程に不可避的に混入される少量の各
成分の中のP25成分がスラグ全体の0.5重量%以下
であることが好ましいことが判った。また、S純分もス
ラグ全体の少なくとも0.2重量%以下であることが好
ましいことが判った。
【0026】更に以上に詳述したように配合して成る本
発明に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料を、製
鋼工程を中心とする種々の溶融金属容器(炉)内面を構成
する耐火物の一部として実際に用いる場合に、従来の製
鋼炉スラグを用いるときにはこのスラグを使用する骨材
の粉化防止のために非水系等のバインダを合せ使用する
ことによって解決したのとは違って、所望の割合で配合
された骨材同士を良好に結合させるためと、容器(炉)内
面を構成する耐火物としての耐火煉瓦と良好に付着させ
るためには、このスラグを骨材とする5〜100重量%
と塩基性耐火原料骨材の残部とを配合して成る両骨材の
100重量%に対して結合性バインダ及び/又は付着性
バインダの合量0〜10重量%を添加し配合して成る耐
火材料を適宜用いるのが好ましいのである。かかるバイ
ンダとして、具体的に珪酸ソーダや粘土はいずれの作用
をも果たすが、結合性バインダとしては後者を、付着性
バインダとしては前者を添加し配合して用いるのが好ま
しい。
【0027】
【実施例】以下に各種用途(適用部)別の具体的な実施
例によって、本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合された
耐火材料及びその用いられ方について詳細に説明する。
表3に本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材
料の用途(適用部)別の実施例及びその比較例を示す。
この表3に示す用途別に従って以下に詳述していく。 (A)電気炉用熱間吹付耐火材料としての実施例 ステンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工程における電気
炉において、前記表1に示し前述した転炉スラグA−1
を骨材としての20重量%配合して成る耐火材料(実施
例1)と50重量%配合して成る耐火材料(実施例2)
とを、この電気炉内の側壁部を構成する耐火煉瓦表面へ
の吹付耐火材料としてそれぞれ1ヵ月間に亘って試用し
た。 吹付条件……吐出(噴射)空気圧力 2.0kg/cm2 平均吐出量 70 kg/min この吹付時の初期付着性,作業性共に従来品である配合
吹付耐火材料(比較例)と比べて遜色が無かった。1
ヶ月間の試用結果、実施例1及び実施例2の経済性も併
せてこの表3に示す。この表3中における吹付耐火材料
の経済性評価の基準は、使用原単位(kg/溶湯to
n)×吹付耐火材料製品コスト(比)=使用原単価
(比)と計算され、この使用原単位(比)で判断される
ので、この通り示した。実施例1は、その使用原単位が
比較例とほぼ同等であり、原単価比において約7%の
低減メリットが生じる。実施例2は、耐食性の低下によ
る使用原単位のピックアップが認められるが、製品コス
ト比が低いので使用原単価比が比較例より低減する。
つまり、本発明品である実施例1及び実施例2は、転炉
スラグを骨材として配合して成る耐火材料がその使用目
的を達し再生利用効果を有することを示している。
【0028】
【表3】
【0029】(B)取鍋用熱間吹付耐火材料としての実
施例 製鋼工程の各容器(炉)間にあって種々の溶湯を運搬又は
精錬・運搬する取鍋において、この取鍋内面の側壁部や
炉底部を構成する耐火煉瓦表面への吹付耐火材料とし
て、前記表1に示し前述した転炉スラグA−2を骨材と
して30重量%配合して成る耐火材料(実施例3)を、
数基の取鍋の寿命1代の期間(平均耐用寿命回数:16
2回)に亘って試用した。 吹付条件……吐出(噴射)空気圧力 1.7kg/cm2 平均吐出量 30kg/min この吹付時の初期付着性,作業性共に従来品である配合
吹付耐火材料(比較例)と比べて遜色無く良好であっ
た。この側壁部のスラグライン部分における侵食状況等
は比較例によるものに比べてやや大きいのであるが、
炉底部のガス底吹き羽口及びその周囲の炉床耐火煉瓦の
損耗部位やコーナ部の損耗部位とか炉内全体における耐
火煉瓦同士間の目地損傷部位とかへの焼付性,その残存
効率は比較例によるものより若干良好であった。実施
例3は、有効に再生利用することができるし、比較例
よりも経済性を有しているのである。
【0030】(C)電気炉用熱間落し込み耐火材料とし
ての実施例 電気炉内の炉底部において、炉床損耗(床堀れ)箇所と
か複数基備えるガス底吹き羽口及びその周囲の炉床耐火
煉瓦の局部的な大損耗部位とかへ、溶湯出湯後に炉頂開
口部から、前記表1に示し前述した転炉スラグBを骨材
として85重量%配合して成る耐火材料(実施例4)と
95重量%配合して成る耐火材料(実施例5)とをそれ
ぞれ落し込み補修しながら約1ヶ月に亘って試用した。
この試用結果、従来品であるドロマイトマグネシア質の
落し込み耐火材料(比較例)と比べて、焼付性及び耐
用性共に同程度の使用効果を示し経済性を有するもので
あった。
【0031】(D)電気製錬炉用熱間落し込み耐火材料
としての実施例 電気製錬炉内の炉底部において、炉床損耗(床堀れ)箇
所への熱間落し込み耐火材料として、前記表1に示し前
述した転炉スラグBの骨材だけから成る耐火材料(実施
例6)を、溶湯出湯後に炉頂又は炉側壁開口部から落し
込み補修しながら約1ヶ月間に亘って試用した。この試
用結果、従来品である耐火材料(比較例)と比べて格
別問題なく用いることができて、その焼付性及び耐用性
共に同程度の使用効果を示し経済性を有するものであっ
た。
【0032】さて、以上に詳述した(A)〜(D)の各
実施例においては、いずれも本発明に係る製鋼スラグ骨
材の配合された耐火材料の骨材として、前記表1に示し
前述した製鋼工程における転炉スラグA(A−1,A−
2)及び転炉スラグBのみを使用している。しかしなが
ら、本発明に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料
としては、前述の如くこの製鋼工程から発生するスラグ
をできる限り多量に再生利用するために、以上に詳述し
たスラグの化学組成及び性状上などの制約条件を満足さ
せるスラグであればよいのである。このような化学組成
上の制約条件を備えたスラグとしては、次のように換言
することができるものが骨材に使用できるのである。C
aO,SiO2,Cr23成分を各主要成分とするスラ
グであり、図4に示すCaO−SiO2−Cr233成
分系の平衡状態図におけるa−b−c−dに囲まれる領
域で示され、図上でCaO成分値が0〜39重量%,S
iO2成分値が0〜45重量%,Cr23成分値が18
〜100重量%の範囲内にある化学組成を有するスラグ
であればよいのである。当該化学組成の領域は液相温度
が凡そ1900℃以上であり、前述の如き所望耐火度:SK
39(1880℃)を越える性状を有するものである。前記
表1に示し前述した転炉スラグA(A−1,A−2)の
化学組成は図4に示すCaO−SiO2−Cr233成
分系の平衡状態図における当該化学組成領域のA点に相
当し、同じく転炉スラグBの化学組成はB点に相当して
いるのである。
【0033】
【発明の効果】以上に詳述したように構成される本発明
に係る製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料は、前記
イ)〜ニ)項に説明する諸項目を踏まえた本発明の課題
を達成するものであり、工業上非常に有効である。そし
て従来品である天然マグネシアや海水マグネシア等の塩
基性耐火原料骨材の配合割合を、使用目的や使用用途
(適用部)に応じてできる限り低下させるようにすれ
ば、更に経済性を奏し多大な再生利用ができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】低融点物質の含有量を測定するための発熱体を
備えた試験用電気炉の構造を示す説明図である。
【図2】SiO2−CaO系の状態図である。
【図3】CaO−SiO2−Cr233成分系の平衡状
態図の高温域における局部切断面図である。
【図4】CaO−SiO2−Cr233成分系の平衡状
態図である。
【図5】スラグ(骨材)の溶融開始温度(℃)(耐火
度)に与えるCr23成分を主体とするクロムの酸化物
の含有量(重量%)の影響を示す関係図である。
【符号の説明】
1 試験体(供試片) 2 粒体基盤 3 試験用電気炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 敦 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 周南製鋼所内 (72)発明者 吉田 毅 岡山県備前市穂浪3904の7番地 興亜耐 火工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−148010(JP,A) 特開 昭50−133208(JP,A) 特開 昭51−123208(JP,A) 特開 昭54−156020(JP,A) 特開 昭55−8464(JP,A) 特開 昭57−34083(JP,A) 特公 昭41−18348(JP,B1) 特公 昭47−15688(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00,35/66

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼を含む高合金鉄鋼の製鋼工
    程で発生するスラグを骨材として配合して成る塩基性耐
    火材料であって、Cr23,FeO,MnO,MgO,
    CaO,SiO2の各主要成分とこれらの成分間におけ
    る2成分系や3成分系において生成する各種結晶型の化
    合物を含有しており、且つ該Cr23成分を主体とする
    クロムの酸化物が該スラグ全体の35〜60重量%を占
    有する化学組成のスラグを骨材とする5〜100重量%
    と、塩基性耐火原料骨材の残部とを配合して成る製鋼ス
    ラグ骨材の配合された耐火材料。
  2. 【請求項2】 Cr23,FeO,MnO,MgO,C
    aO,SiO2の各主要成分とこれらの成分間における
    2成分系や3成分系において生成する各種結晶型の化合
    物以外に、製鋼工程で添加し生成される少量の各成分及
    び/又は製鋼工程で不可避的に混入される少量の各成分
    とを含有しており、尚且つ該Cr23成分を主体とする
    クロムの酸化物が該スラグ全体の35〜60重量%を占
    有する化学組成のスラグを骨材とする5〜100重量%
    と、塩基性耐火原料骨材の残部とを配合して成る請求項
    1に記載の製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料。
  3. 【請求項3】 スラグの塩基度{(%CaO+%MgO)
    /(%SiO2)}〔重量%〕が1.2〜3.0の範囲にあ
    る請求項1又は2に記載の製鋼スラグ骨材の配合された
    耐火材料。
  4. 【請求項4】 製鋼工程で不可避的に混入される少量の
    各成分の中のP25成分がスラグ全体の0.5重量%以
    下である請求項1から3までのいずれか1項に記載の製
    鋼スラグ骨材の配合された耐火材料。
  5. 【請求項5】 製鋼工程で不可避的に混入される少量の
    各成分の中のS純分がスラグ全体の0.2重量%以下で
    ある請求項1から4までのいずれか1項に記載の製鋼ス
    ラグ骨材の配合された耐火材料。
  6. 【請求項6】 製鋼工程で発生するスラグを骨材として
    配合して成る塩基性耐火材料であって、該スラグが下記
    の化学組成及び性状上の下記の3条件 (1)化学組成上で1000℃以下の低融点物質の含有率が
    10重量%未満であること、(2)前記(1)項の条件
    を満足するスラグを骨材としたときに、その骨材の耐火
    度がSK39以上であること、(3)前記(1)項の条
    件を満足するスラグを骨材としたときに、その骨材のオ
    ートクレープ処理{(3気圧×2時間)保持}による消化
    性試験における粉化率が2重量%以下であること、を満
    足する請求項1から5までのいずれか1項に記載の製鋼
    スラグ骨材の配合された耐火材料。
  7. 【請求項7】 製鋼工程で発生するスラグを骨材とする
    5〜100重量%と塩基性耐火原料骨材の残部とを配合
    して成る両骨材の100重量%に対して、結合性バイン
    ダ及び/又は付着性バインダの合量0〜5重量%を添加
    し配合して成る請求項1から6までのいずれか1項に記
    載の製鋼スラグ骨材の配合された耐火材料。
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