JP3242197U - 多層型石材構造物体の耐震構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】燈籠、多重石塔、五輪塔、宝篋印塔など主に神社・仏閣にある多層石構造物体の安価で、耐震工事も極めて簡単に済む耐震構造を提供する。【解決手段】最初に多層構造物体の基盤を成す構造物面部上に上部構造物下面が載置され、この基盤構造物面上及び上部構造物面下双方には、上下対向面の複数個所に穴が上下方向に対向して一定の深さに穿設され、その孔内に納まる長さのボルト1が上下方向に貫通される。次に、その上部構造物体Y2を下部構造体Y1として上面を同様に穿設し、さらに載置する構造体を上部構造体としてその下面を穿設し、ボルトを貫通させる。これらを連続して繰り返し載置することで、一体型構造物としての耐震構造を持つこと、を特徴とする。【選択図】図3
Description
本考案は、多層型石材構造物体の耐震性能を向上させた耐震構造に関する。
多層型石材構造物体には、下部構造物に上部構造物が連続して載置される構造物として、燈籠、多重石塔、五輪塔、歴史遺産である宝篋印塔(ほうきょういんとう)など多くの例が見られ、これまでの構造は基台からなる下部構造物上に上部構造物が載置されるのみの構造となっている。例えば燈籠の典型例としては、基礎石上に台石を連続載置し、この台石上に火袋石を経て、最上部の宝珠を載置(植立)するという構造が一般的に見られるものである。
このように下部構造物上に上部構造物が載置されるだけの構造物、特に複数段にわたる構造物では、周知のごとく耐震性能の欠如が問題であり、地震によって燈寵、多重石塔などの構造物が倒壊することはしばしば見聞するところである。
このような事態を勘案して、例えば墓の耐震性能向上のために、特許文献にて掲げる如く多くの提案がなされており、上部構造物と下部構造物との間に金属棒を渡して固定する構造、上部構造物と下部構造物との間を入れ子式にする構造、上部構造物を下部模造物の溝に嵌め込む構造、上部構造物と下部構造物との間に免震ゴムを配置する構造、等多くの耐震構造が提案されている。
ところが、わが国のように地震が頻発し巨大地震も予測される現状で、大きな震度に対しても一体型構造物として耐え得る耐震性能を持ちたい、あるいは、耐震性能を向上してもなるべく安価なものとしたい、という要求に対して、これまで提案されたものはこの耐震性能の向上と安価を両立させる要望に適うものは無い。
一体型構造物体として、特に神社・仏閣に見られる燈籠、多重石塔、五輪塔、宝篋印塔などの歴史遺産、精神的石柱構造物は、永く後世代まで残したい、という要求をかなえるものとして、連続・多層性を持つ構造物であっても地震に対して安全であることを提案する。
本考案は、上述の問題に鑑みて、多層型すなわち個々の石構造物を積み重ねた構造物を一体型として、耐震性に格段に優れ半永久的耐震化もでき、しかも安価で、現場での耐震加工工事も極めて簡単に済むという載置構造物の耐震構造を提供する。
上記目的を達成するため本考案は、最初に多層構造物体の基盤を成す構造物面部上に上部構造物下面が載置され、この基盤構造物面上及び上部構造物面下双方には、上下対向面の複数個所に穴が上下方向に対向して穿設され、その孔内に上下方向にボルトが貫通される。次に、その上部構造物体を下部構造体として上面を同様に穿設し、さらに載置する構造体を上部構造体としてその下面を穿設し、ボルトを貫通させる。これらを連続して繰り返し載置することで、多段型一体構造物としての耐震構造を持つこと、を特徴とする。
多層構造物が一体として耐震構造物となるためには、各構造物の上下面それぞれに上下対向面で複数個所に穴が上下方向に対面して穿設され、この穴の深部まで達するようにボルトが穴内に貫通配置され、このボルトと構造物体の間にはわずかな空隙をつくり密着しない構造体とする。そのことでボルト部が柔軟性を持った節点となり、地震発生力を直接構造物に伝搬させることを防ぎ、上下、横方向およびねじれ回転にも耐え、この構造物が多段に積み重ねられ、一体型多層構造物を提供できる。
また、部材間にボルトを使用した一体型多層構造物とする場合、接着面に対する接着剤ないしモルタル接着より耐久性があり、載置構造物を耐震構造とする費用も、下部構造物及び上部構造物の簡便な穴あけ作業、穴へのボルトの係止のみで済み、安価なものとなる。
更に、多層構造物間の中心を一本の鋼棒で貫通させ、その鋼棒を基礎にて固定させる方法は、各層の構造物中心軸への正確な削孔作業と、据付が容易ではなく、鋼棒の基礎への固定は鋼棒による基礎への負担も大きく、地震時の多層構造物体に亀裂ないし破損発生の恐れもあり、安定的な構造物体としても永続性が保たれなくなる。
多層構造物体の燈籠の場合、火袋部は構造体内部と頭部は空間であり、構造体内部は空間を確保するために壁厚が少なく、頭部空間部にボルトを設置するための窄孔穴をつくることができず、予めボルトを設置した平板材を火袋頭部に載置し、その上に上部構造体の下面にボルト穴を窄孔した上部構造体を載置する。
以下図面を参照して本考案の実施形態を説明する。
図1は、まず支柱材となる1鋼棒はボルト機能を持たせるため、普通鉄筋鋼棒ないしステンレス製鉄筋鋼棒とし、前者は錆防止のため油膜材を予め塗布したもの、後者は錆に強い材質を自身が持つことから、それぞれが永久材としてボルトの機能をもつ。また、鋼棒径D1と使用鋼棒長Lは、耐震機能を持つ径と長さに使用前に設定する。
図2は、このボルト材が耐震機能を持つように配置する。それは部材面に正三角形配置とすることで地震力による部材への回転、引抜き、転倒の抵抗力を、それぞれのボルト材が均等に受け持つことが出来る。その際に、正三角形ボルト配置の2-1中心軸と、ボルトを配置する部材の左右の方向となる2-2基軸線は、上下部材間で合わせておく。基盤となる下部部材と載荷される上部部材間で設けた2-3、2-5、2-6窄孔穴の位置と、次にその上部載荷部材を基盤材として新たな上部載荷材を載荷する場合の2-6、2-7、2-8窄孔穴は中心軸2-1を基点に60度回転させた配置とし、地震力に効率良く抵抗させる
図・3は、窄孔の方法としてY1下部材とY2上部材のL1下部材窄孔長とL2上部窄孔長の長さは同一とし、L3使用鋼棒長が内部に納まる長さとする。また、上部部材の自重を利用して地震時の引抜き力と曲げ抵抗力を確保するため、D1使用鋼棒径に対する窄孔径は、φ1下部材窄孔径はD1使用鋼棒径のプラス2ミリのt1空隙厚径を取り、φ2上部材窄孔径はD1使用鋼棒径のプラス1ミリのt2空隙厚径を取る。
図1は、まず支柱材となる1鋼棒はボルト機能を持たせるため、普通鉄筋鋼棒ないしステンレス製鉄筋鋼棒とし、前者は錆防止のため油膜材を予め塗布したもの、後者は錆に強い材質を自身が持つことから、それぞれが永久材としてボルトの機能をもつ。また、鋼棒径D1と使用鋼棒長Lは、耐震機能を持つ径と長さに使用前に設定する。
図2は、このボルト材が耐震機能を持つように配置する。それは部材面に正三角形配置とすることで地震力による部材への回転、引抜き、転倒の抵抗力を、それぞれのボルト材が均等に受け持つことが出来る。その際に、正三角形ボルト配置の2-1中心軸と、ボルトを配置する部材の左右の方向となる2-2基軸線は、上下部材間で合わせておく。基盤となる下部部材と載荷される上部部材間で設けた2-3、2-5、2-6窄孔穴の位置と、次にその上部載荷部材を基盤材として新たな上部載荷材を載荷する場合の2-6、2-7、2-8窄孔穴は中心軸2-1を基点に60度回転させた配置とし、地震力に効率良く抵抗させる
図・3は、窄孔の方法としてY1下部材とY2上部材のL1下部材窄孔長とL2上部窄孔長の長さは同一とし、L3使用鋼棒長が内部に納まる長さとする。また、上部部材の自重を利用して地震時の引抜き力と曲げ抵抗力を確保するため、D1使用鋼棒径に対する窄孔径は、φ1下部材窄孔径はD1使用鋼棒径のプラス2ミリのt1空隙厚径を取り、φ2上部材窄孔径はD1使用鋼棒径のプラス1ミリのt2空隙厚径を取る。
図4は、標準的な石燈籠を例示するもので、下部から4-1地輪に4-2柱が載置され、その上に4-3受が載置され、灯りを取り入れる4-4火袋が載置され、その上に4-5笠が、さらにその上に4-6宝珠が載荷される構造から成る。この独立した石構造物体を4-7ボルトから4-8~4-11ボルトまでを使用して順次結合する。これによって、図5に示すように4-1地輪で受けた地震力を、4-7~4-11ボルトが節点1から5として4-6宝珠まで順次分散・支持させることで、多層構造物体の安定を担う。
図6は多層石構造物体の多重石塔で、十三重塔の場合、最初に基壇部をボルト6-1~6-4で下部部材と上部部材をそれぞれ結合させ、その上に6-5~16ボルトで下部笠塔と上部笠塔を互いに結合させる。
図4に示す4-4火袋部のボルト設置方法を説明する。火袋部材は内部空間を必要とする外部材厚だけを確保し、底部厚は残したまま頭部まで窄孔する一体構造のため、4-5頭部笠を4-4火袋にボルトにて結合するための壁厚が不足する。また、形状は7-4a円形ないし8-4b矩形であり、それらの形状に適合したボルト配置が求められる。そこで図7で円形を、図8で矩形の場合を説明する。
図7では7-4a火袋部の頭部に載置するボルトとして、F3aステンレス鋼板にF1ステンレスねじを上向きに3本、F2ステンレスネジを下向きに4本据付ける。そのステンレス鋼板は、7-4a火袋部の頭部にコンクリートを中間部にF4鉄網を配置して打設し、側壁と剛結させる。その際にF2ステンレスネジはF3aステンレス鋼板をコンクリートに付着、安定させる。
図8は8-4b火袋頭部に頭部内径より大きいF3bステンレス鋼板と、その鋼板下部をF6ステンレスL型鋼材で火袋内部寸法以下に矩形で設置し補強したF3bステンレス鋼板を配置する。F3bステンレス鋼板の上にF1ステンレスねじを上向きに3本設置する。
実施例として図4、図6、図7、図8を示す。
1 鋼棒(ボルト)
2-1 中芯軸 2-2 基軸線 2-3~8 窄孔部
Y1~Y2 下部・上部材
L1~L2 下部・上部窄孔長
L3 使用鋼棒長
D1 使用鋼棒径 φ1~2 窄孔径
t1~t2 空隙厚
4-1~4-6 石灯篭(多層石構造物体)
6-1~6-16 ボルト(多層石塔)
F1~F2 ステンレスねじ
F3 ステンレス鋼板
F4 鉄網
F5 コンクリート
F6 ステンレスL型鋼
2-1 中芯軸 2-2 基軸線 2-3~8 窄孔部
Y1~Y2 下部・上部材
L1~L2 下部・上部窄孔長
L3 使用鋼棒長
D1 使用鋼棒径 φ1~2 窄孔径
t1~t2 空隙厚
4-1~4-6 石灯篭(多層石構造物体)
6-1~6-16 ボルト(多層石塔)
F1~F2 ステンレスねじ
F3 ステンレス鋼板
F4 鉄網
F5 コンクリート
F6 ステンレスL型鋼
Claims (2)
- 本考案は、最初に多層構造物体の基盤を成す構造物面部上に上部構造物下面が載置され、この基盤構造物面上及び上部構造物面下双方には、上下対向面の複数個所に穴が上下方向に対向して一定の深さに穿設され、その孔内に納まる長さのボルトを上下方向に貫通される。次に、その上部構造物体を下部構造体として上面を同様に穿設し、さらに載置する構造体を上部構造体としてその下面を穿設し、ボルトを貫通させる。これらを連続して繰り返し載置することで、一体型構造物としての耐震構造を持つこと、を特徴とする。ボルトに使用する鋼棒は普通鉄筋鋼棒ないしステンレス製鉄筋鋼棒とし、前者は錆防止のため油膜材を予め塗布したもの、後者は錆に強い材質を自身が持つことから、それぞれが永久材としてボルトの機能をもつ。なお、ボルトとして使用する鋼棒数は接合面当たり3本を正三角形配置とし、各層に設置される平面ボルト間の中芯軸位置は、下部部材と上部部材とも合わせる。このボルトと構造物体の間にはわずかな空隙をつくり密着しない構造体とする。そのことでボルト部が柔軟性を持った節点となり、地震発生力を直接構造物に伝搬させることを防ぎ、上下、横方向およびねじれ回転にも耐え、一体型多層構造物を提供できる。
- 多層構造物体の燈籠の場合、火袋部の平面形状は円形ないし矩形であり構造体内部と頭部は空間で、しかも壁厚は少なく、ボルト窄孔するだけの壁厚が確保されていない。火袋上部空間部にボルトを設置するために、予めボルトを設置した平板材を火袋上部に載置し、そこに上部構造体の下面にボルト穴を窄孔した上部構造体を載置する。
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JP2022003223U JP3242197U (ja) | 2022-09-07 | 2022-09-07 | 多層型石材構造物体の耐震構造 |
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