JP3242032B2 - ヒータコアへの配管構造 - Google Patents

ヒータコアへの配管構造

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JP3242032B2 JP17941397A JP17941397A JP3242032B2 JP 3242032 B2 JP3242032 B2 JP 3242032B2 JP 17941397 A JP17941397 A JP 17941397A JP 17941397 A JP17941397 A JP 17941397A JP 3242032 B2 JP3242032 B2 JP 3242032B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却水
を利用するヒータコアに、気泡を分離した冷却水を循環
させるためのヒータコアへの配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷却水を利用してヒータコアの熱
源とするものでは、例えば、実開昭62−183020
号公報のもののように、冷却水をヒータコアに導くヒー
タホースを、エンジンとラジエータの上部とを連通する
ラジエータインレットホースの中途部分に接続している
ものが知られている。一般的に、ウォータジャケットや
ラジエータを含む冷却系統では、冷却水を充填する際に
注水率が低い等で、ウォータジャケットに残留した空気
が気泡となって冷却水中に混在していることがある。ラ
ジエータインレットホース部分は、冷却系統全体から見
た場合、比較的気泡が集中しやすい場所であり、エンジ
ンが運転されて冷却水が循環すると、気泡の混入した冷
却水によりヒータホースに気泡が流れ込むことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、ヒータホ
ースに気泡が流れ込むと、冷却水がヒータコア中を循環
している際に、ヒータコアから水流音が生じることがあ
る。すなわち、冷却水が循環し始めると、同時に気泡も
移動するため、その気泡の移動により水流音が大きくな
る。
【0004】このような不具合を解消するために、ウォ
ータジャケットから冷却水を取り出し、ヒータコアまで
配管することが考えられる。しかしながら、このような
配管の場合、ヒータホースの管長が長くなり、その取り
まわしが難しくなることがあった。また、配管長が長く
なることにより、生産に関するコストが上昇した。本発
明は、このような不具合を解消することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るヒータコアへの配管構造
は、冷却系統におけるクロスフローラジエータの入口タ
ンクの上部にヒータコアからの配管を連通させて、入口
タンクの上部からヒータコアに冷却水が流入する構成で
ある。このような構成のものであれば、気泡の滞留しに
くい入口タンクの上部からヒータコアに冷却水が入るた
め、冷却水に気泡が混入することが稀となる。したがっ
て、ヒータコアに冷却水が循環している間、気泡の混入
がまれであるので、水流音の発生を防止することができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、シリンダヘッドを傾斜
させて搭載されるスラントエンジンを冷却する液体を、
入口タンクと出口タンクとを有してなるクロスフローラ
ジエータとヒータコアとスラントエンジンとに循環させ
るための冷却系統におけるヒータコアへの配管構造であ
って、クロスフローラジエータの入口タンクの上部とヒ
ータコアの冷却水の入口とを連通する入口管路と、スラ
ントエンジンのウォータジャケットとヒータコアの冷却
水の出口とを連通する出口管路とを備えてなることを特
徴とするヒータコアへの配管構造である。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。図1は、この実施例の原理的な構造を示すも
ので、図2は、この実施例の全体を示す斜視図である。
同図において、スラントエンジン(以下、エンジンと略
称する)1は、例えば直列3気筒の水冷エンジンであ
り、気筒直列方向の前つまり正面側が後側より高くなっ
ているとともに、ピストンのストロークの方向が水平方
向に向けて傾斜して、言い換えれば、シリンダヘッド1
4を傾斜させて搭載される。
【0008】エンジン1には、ウォータジャケット11
を循環する冷却水を冷却する冷却装置たるクロスフロー
ラジエータ(以下、ラジエータと略称する)2を含む冷
却系統3が装備してある。この冷却系統3は、入口サー
モスタット方式で、エンジン1の正面側にサーモスタッ
ト4が配置してあり、その近傍に、ウォータポンプ5が
取り付けてある。エンジン1上面部分にはスロットルボ
ディ6が取り付けてあるが、このスロットルボディ6に
対しても冷却水が循環するように、配管が施してある。
ウォータジャケット11の出口となるウォータアウトレ
ット12は、エンジン1の正面側に配設され、後述する
ラジエータ2に接続される。このウォータアウトレット
12部分には、冷却水の水温を検出する水温センサ7が
取り付けてある。また、ウォータジャケット11の入口
となるウォータインレット13は、エンジン1の正面側
の下側に位置し、ラジエータ2からのラジエータアウト
レットホース21と、ヒータコア8の出口管84からの
ヒータアウトレットホース81と、スロットルボディ6
からのアウトレットホース61が接続される。
【0009】ラジエータ2は、ウォータコア22と、ウ
ォータコア22の左右に配設される入口タンク23及び
出口タンク24とを備えている。入口タンク23の上端
近傍には、ウォータジャケット11に接続されるラジエ
ータインレットホース25を接続するインレット26が
設けてあり、出口タンク24の下端近傍には、同じくウ
ォータジャケット11の入口側に接続されるラジエータ
アウトレットホース21を接続するアウトレット27が
設けてある。また、入口タンク23の上側部分、特に
は、入口タンク23の高さ方向の上端から約1/2程度
下までの部分には、ヒータコア8に冷却水を導入するた
めの入口管路91を構成する入口ホース82が接続され
る取水口28が設けてある。この取水口28の位置は、
入口タンク23のできるだけ高い位置がよいが、インレ
ット26の近傍部分では冷却水と気泡とを確実に分離で
きない可能性もあるので、それらが混在し易い位置は避
けて設定する。また、取水口28を入口タンク23の高
さ方向の1/2以上下の位置に設定すると、冷却水の温
度が低下しているので、ヒータ性能に影響が出る可能性
があり、好ましくない。なお、RTは、リザーブタンク
である。
【0010】ヒータコア8は、入口ホース82の一端が
接続される入口たる入口管83と、出口ホース81の一
端が接続される出口たる出口管84とを備えている。こ
の入口管83と入口ホース82とで入口管路91が形成
され、また、出口管84と出口ホース81とで出口管路
92が形成される。このように配管された冷却系統3を
有するエンジン1にあって、冷却水を冷却系統3に注水
すると、気泡も同時に冷却系統3内に流入する。また、
注水前にウォータジャケット11の内部に存在していた
空気の一部も、ウォータジャケット11の形状に起因し
て気泡となって冷却水の中に混入することがある。注水
率にも関係するが、一般的に、気泡は、エンジン1が運
転されるまで、つまり冷却水が冷却系統3を循環するま
ではウォータジャケット11内に滞留していたり、ラジ
エータインレットホース25内に存在することになる。
エンジン1を運転すると、ウォータポンプ5が駆動さ
れ、冷却水が低温の場合には、サーモスタット4により
冷却水はラジエータ2に流入することなくウォータジャ
ケット11内を循環する。これにより、ウォータジャケ
ット11内の気泡は、ウォータアウトレット12近傍に
集まる。
【0011】この後、冷却水温が上昇すると、サーモス
タット4が開弁し、冷却水はウォータアウトレット12
からラジエータ2の入口タンク23へと流入する。この
時、冷却水の流入と同時に気泡も入口タンク23内に流
入するが、大半の気泡は入口タンク23の上部に移動す
る。一方、冷却水がラジエータ2内を流通すると、その
一部は取水口28から出て、入口ホース82を介してヒ
ータコア8に流入する。取水口28は、入口タンク23
の上側部分ではあるが、この位置では大半の気泡が入口
タンク23の上部に移動しているので、冷却水内に気泡
が混入していることはない。つまり、気泡と冷却水とは
分離された状態になっており、冷却水だけがヒータコア
8に流入することになる。
【0012】したがって、入口管路91、ヒータコア
8、出口管路92の順で冷却水が循環するが、その冷却
水には気泡が混入していないので、冷却水がヒータコア
8に循環していても水流音はほとんど発生しない状態に
することができる。なお、本発明は以上に説明した実施
例に限定されるものではない。その他、各部の構成は図
示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形が可能である。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、クロス
フローラジエータの入口タンクの上部とヒータコアの冷
却水の入口とを入口管路で連通し、スラントエンジンの
ウォータジャケットとヒータコアの冷却水の出口とを出
口管路で連通しているので、冷却水中の空気、気泡を分
離した状態の冷却水をヒータコアに供給することができ
る。このため、ヒータコア内を循環する冷却水に気泡な
どが混入していないので、循環した際に水流音が発生す
るのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の原理構成を示す概略構成
図。
【図2】同実施例の斜視図。
【符号の説明】
1…スラントエンジン 2…クロスフローラジエータ 3…冷却系統 8…ヒータコア 11…ウォータジャケット 14…シリンダヘッド 23…入口タンク 24…出口タンク 83…入口管 84…出口管 91…入口管路 92…出口管路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッドを傾斜させて搭載されるス
    ラントエンジンを冷却する液体を、入口タンクと出口タ
    ンクとを有してなるクロスフローラジエータとヒータコ
    アとスラントエンジンとに循環させるための冷却系統に
    おけるヒータコアへの配管構造であって、クロスフロー
    ラジエータの入口タンクの上部とヒータコアの冷却水の
    入口とを連通する入口管路と、スラントエンジンのウォ
    ータジャケットとヒータコアの冷却水の出口とを連通す
    る出口管路とを備えてなることを特徴とするヒータコア
    への配管構造。
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