JP3241842U - ピッチャー - Google Patents
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Abstract
【課題】注出口から液体を幅広な状態で注出させて、液体の撥ね上がりを抑制するピッチャーを提供する。【解決手段】本考案は、開口部20の幅方向に沿って形成される注出口21を有する容器状の本体部10と、本体部10に取り付けられる蓋部30と、を備えるピッチャー100であって、蓋部30は、蓋本体31と、蓋本体31から下側に向かって延出され、開口部20の内側面から離れて位置する離間壁35aと、を有する。離間壁35aは、底面視において、注出口21から反対側に向かって凸状に湾曲して形成されている。【選択図】図1
Description
本考案は、ピッチャーに関する。
従来から、コップ等の容器に液体を注ぐためのピッチャーが知られている。
特許文献1には、内側容器と外側容器とを備えた本体と、本体の上方の開口を閉塞する合成樹脂製の蓋体とを備えた保冷容器が開示されている。内側容器の上壁部は、前方斜め上方に突出するように形成された注ぎ口を備えている。特許文献1の保冷容器は、取っ手を掴んで前方へ傾けることによって、注ぎ口により案内される飲料を外部へ流出させてコップやジョッキ等の他の容器に移すことができる。
特許文献1には、内側容器と外側容器とを備えた本体と、本体の上方の開口を閉塞する合成樹脂製の蓋体とを備えた保冷容器が開示されている。内側容器の上壁部は、前方斜め上方に突出するように形成された注ぎ口を備えている。特許文献1の保冷容器は、取っ手を掴んで前方へ傾けることによって、注ぎ口により案内される飲料を外部へ流出させてコップやジョッキ等の他の容器に移すことができる。
しかしながら、特許文献1の保冷容器は、上壁部の注ぎ口が先端に向かうにしたがって先細りになっているために注ぎ口から飲料を外部へ流出させるときに、幅の狭い状態で飲料が注がれることから、コップ等の容器に着水したときに飲料が撥ね上がったり、着水時の衝撃で泡立ちが生じたりしてしまう。
本考案は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、注出口から液体を幅広な状態で注出させて、液体の撥ね上がりを抑制することを目的とする。
本考案は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、注出口から液体を幅広な状態で注出させて、液体の撥ね上がりを抑制することを目的とする。
本考案は、開口部の幅方向に沿って形成される注出口を有する容器状の本体部と、前記本体部に取り付けられる蓋部と、を備えるピッチャーであって、前記蓋部は、蓋本体と、前記蓋本体から下側に向かって延出されており前記開口部の内側面から離れて位置する離間壁と、を有し、前記離間壁は、底面視において、前記注出口から反対側に向かって凸の円弧状に形成されていることを特徴とする。
本考案によれば、注出口から液体を幅広な状態で注出させることにより液体の撥ね上がりを抑制することができる。
以下、本考案の実施形態に係るピッチャーについて図面を参照して説明する。
図1はピッチャー100の構成の一例を示す斜視図である。図2はピッチャー100の構成の一例を示す図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は前側から見た側面図であり、図2(c)は正面図である。図3は、図2のI-I線断面図であり、図4(a)は図2のII-II線断面図であり、図4(b)は拡大断面図であり、図5は図2のIII-III線断面図である。なお、各図では後述する注出口21側を前とし、反対側を後として図示している。前後に沿った方向を前後方向という。また、各図では前後方向に直交する水平方向のうち一方側を右とし、他方側を左として図示している。左右に沿った方向を幅方向または左右方向という。
図1はピッチャー100の構成の一例を示す斜視図である。図2はピッチャー100の構成の一例を示す図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は前側から見た側面図であり、図2(c)は正面図である。図3は、図2のI-I線断面図であり、図4(a)は図2のII-II線断面図であり、図4(b)は拡大断面図であり、図5は図2のIII-III線断面図である。なお、各図では後述する注出口21側を前とし、反対側を後として図示している。前後に沿った方向を前後方向という。また、各図では前後方向に直交する水平方向のうち一方側を右とし、他方側を左として図示している。左右に沿った方向を幅方向または左右方向という。
ピッチャー100は、本体部10と、蓋部30とを備える。
まず、本体部10について説明する。図6は、本体部10の平面図である。
本体部10は、上部に開口部20を有する容器状である。本体部10は、使用者が内部の液体の存在を確認できるように、透明な合成樹脂や透明なガラス等の材質が用いられる。
本体部10は、外形が角部に丸みが形成された略直方体形状である。具体的に、本体部10は、平面視において幅方向(左右方向)よりも前後方向に長い略矩形状である。本体部10の幅方向の長さは、使用者が片手で保持することができる長さである。また、本体部10は、略左右対称な形状である。
まず、本体部10について説明する。図6は、本体部10の平面図である。
本体部10は、上部に開口部20を有する容器状である。本体部10は、使用者が内部の液体の存在を確認できるように、透明な合成樹脂や透明なガラス等の材質が用いられる。
本体部10は、外形が角部に丸みが形成された略直方体形状である。具体的に、本体部10は、平面視において幅方向(左右方向)よりも前後方向に長い略矩形状である。本体部10の幅方向の長さは、使用者が片手で保持することができる長さである。また、本体部10は、略左右対称な形状である。
また、本体部10は、正面視において前後方向よりも上下方向に長い略矩形状である(図2(c)参照)。本体部10は、後述する開口部20が形成される範囲を除いて略前後対称な形状である。また、本体部10は、側面視において幅方向よりも上下方向に長い略矩形状である(図2(b)参照)。
本体部10は、側板部11a~11dと、底板部14とを有する。側板部11a~11dと底板部14とは一体で成形される。
側板部11a、11bは、本体部10内の空間を挟んで前後に対向して位置する。図2(c)に示すように、側板部11a、11bは開口部20から底板部14に向かうにしたがって互いに近づくように緩やかに傾斜する。側板部11c、11dは、本体部10内の空間を挟んで左右に対向して位置する。図2(b)に示すように、側板部11c、11dは開口部20から底板部14に向かうにしたがって互いに近づくように緩やかに傾斜する。また、側板部11a~11dのうち隣り合う側板部同士が接続される角部は湾曲して形成される。このように側板部同士が湾曲して接続されている場合、隣り合う側板部のうち一方の側板部が湾曲を開始する位置と、他方の側板部が湾曲を開始する位置との中間位置を隣り合う側板部の境界とすることができる。
側板部11a、11bは、本体部10内の空間を挟んで前後に対向して位置する。図2(c)に示すように、側板部11a、11bは開口部20から底板部14に向かうにしたがって互いに近づくように緩やかに傾斜する。側板部11c、11dは、本体部10内の空間を挟んで左右に対向して位置する。図2(b)に示すように、側板部11c、11dは開口部20から底板部14に向かうにしたがって互いに近づくように緩やかに傾斜する。また、側板部11a~11dのうち隣り合う側板部同士が接続される角部は湾曲して形成される。このように側板部同士が湾曲して接続されている場合、隣り合う側板部のうち一方の側板部が湾曲を開始する位置と、他方の側板部が湾曲を開始する位置との中間位置を隣り合う側板部の境界とすることができる。
また、側板部11c、11dは、それぞれ外側面であって前後方向の中央近辺において凹部12を有する(図5参照)。凹部12は、側板部11c、11dの外側面の上下方向における中央から下端に亘って、本体部10内の空間側に向かって緩やかに窪むように形成される。使用者がピッチャー100を持ち上げたりピッチャー100を傾けて液体を注出したりするときに、人差し指から小指が側板部11cの凹部12に接するように、かつ親指が側板部11dの凹部12に接するように持つことにより本体部10の把持性を向上させることができる。
また、側板部11c、11dは、それぞれ外側面の上部に手掛部13a、13bを有する(図5参照)。手掛部13a、13bは、側板部11c、11dのうち前後方向の中央の一定の範囲に亘って形成される。手掛部13a、13bは、側板部11c、11dそれぞれの外側面を上端にむかうにしたがって互いに離れるように湾曲させることにより形成される。使用者がピッチャー100を持ち上げるときに、例えば、人差し指から小指が右側の側板部11cの手掛部13aに引っ掛かるように、かつ親指が左側の側板部11dの手掛部13bに引っ掛かるように持つことで本体部10の把持性を向上させることができる。
なお、手掛部13a、13bの内側面、すなわち右側の側板部11cの内側面および左側の側板部11dの内側面も上端にむかうにしたがって互いに離れるように湾曲させて形成される。このように、手掛部13a、13bの内側面を互いに離れるように湾曲させることにより、蓋部30を本体部10に取り付けるときに、蓋部30の後述する嵌合壁34a、34bを開口部20内にガイドさせることができる。
底板部14は、本体部10の下端に位置する。底板部14は、図示を省略するが底面視において略矩形状である。側板部11a~11dの下端と底板部14の外周縁とが接続される角部は湾曲して形成される。
本体部10は、側板部11a~11dの上部に開口部20を有する。開口部20には蓋部30が取り付けられる。ここでの開口部20とは、側板部11a~11dの上端(本体部10の上端)のみに限られず、側板部11a~11dの上端から蓋部30が嵌合する位置までの上下方向に沿った一定の範囲をいうものとする。
図6に示すように、開口部20は、本体部10と同様に、平面視において幅方向よりも前後方向に長い略矩形の形状である。開口部20の略矩形の形状は、前後に対向する側板部11a、11bと、左右に対向する側板部11c、11dとにより形成される。
図6に示すように、開口部20は、本体部10と同様に、平面視において幅方向よりも前後方向に長い略矩形の形状である。開口部20の略矩形の形状は、前後に対向する側板部11a、11bと、左右に対向する側板部11c、11dとにより形成される。
開口部20は前側に注出口21が形成される。すなわち、本体部10は前側かつ上部に注出口21を有する。注出口21は、本体部10内の液体を外に注出させる。注出口21は、前側の側板部11aの内側面を上端にむかうにしたがって前側に湾曲させることにより形成される。また、注出口21は、幅方向に沿った幅広な形状である。具体的に、注出口21は前側の側板部11aの上部のうち略全範囲に形成される。ここで、平面視において、開口部20の略矩形の形状を構成する前側の側板部11aを一辺と称すると、注出口21は開口部20の一辺に沿って形成される。
なお、注出口21は前側の側板部11aの上部のうち略全範囲に形成される場合に限られず、側板部11aの上部の全範囲のうち1/2以上、あるいは2/3以上に形成してもよい。
なお、注出口21は前側の側板部11aの上部のうち略全範囲に形成される場合に限られず、側板部11aの上部の全範囲のうち1/2以上、あるいは2/3以上に形成してもよい。
また、図6に示すように、側板部11aの内側面から前側に向かって突出する注出口21の突出量をPとすると、突出量Pは本体部10の幅方向の中心(中心線C1)の位置で最も長く、中心から幅方向に離れるにしたがって短くなる。具体的に、平面視において、注出口21の前端は前側に向かって凸の円弧状に形成される。なお、本実施形態の開口部20は、前側のみに注出口21が形成され、後側に注出口が形成されていないことから、開口部20に注目した場合には前後非対称である。
また、図4(a)、(b)の断面図に示すように、注出口21の内側面は本体部10内の液体を円滑に注出させることができるように円弧状に湾曲して形成されている。また、注出口21の外側面も同様に円弧状に湾曲して形成されている。ここで、注出口21の外側面の円弧の曲率半径Roとし、注出口21の内側面の円弧の曲率半径Riとすると、曲率半径Ro>曲率半径Riの関係に設定されている。このように注出口21の外側面を緩やかに湾曲させることにより本体部10のデザイン性を向上させることができる。
次に、蓋部30について説明する。
図7は、蓋部30の構成の一例を示す図であり、図7(a)は側面図であり、図7(b)は正面図であり、図7(c)は底面図である。
蓋部30は、本体部10の開口部20に取り付けられる。蓋部30は、開口部20に取り付けたときに開口部20と密着するように変形可能な部材であって、例えば、ゴムや軟質性の合成樹脂等の材質が用いられる。
蓋部30は、外形が扁平形状である。蓋部30は、略前後対称な形状であり、略左右対称な形状である。
図7は、蓋部30の構成の一例を示す図であり、図7(a)は側面図であり、図7(b)は正面図であり、図7(c)は底面図である。
蓋部30は、本体部10の開口部20に取り付けられる。蓋部30は、開口部20に取り付けたときに開口部20と密着するように変形可能な部材であって、例えば、ゴムや軟質性の合成樹脂等の材質が用いられる。
蓋部30は、外形が扁平形状である。蓋部30は、略前後対称な形状であり、略左右対称な形状である。
蓋部30は、蓋本体31と、側壁部33とを有する。蓋本体31と側壁部33とは一体で成形される。
蓋本体31は、本体部10を上側から覆う。蓋本体31は、略水平方向に沿って広い面が形成される略板形状である。蓋本体31は、底面視(あるいは平面視)において幅方向よりも前後方向に長く、角部に丸みが形成された略矩形状である。なお、蓋部30は、本体部10に取り付けたときに、開口部20のうち上述した注出口21以外を上側からほぼ覆うことができる形状である。また、蓋本体31は上面および下面が平坦な面であり、上面と下面とは平行である。
蓋本体31は、本体部10を上側から覆う。蓋本体31は、略水平方向に沿って広い面が形成される略板形状である。蓋本体31は、底面視(あるいは平面視)において幅方向よりも前後方向に長く、角部に丸みが形成された略矩形状である。なお、蓋部30は、本体部10に取り付けたときに、開口部20のうち上述した注出口21以外を上側からほぼ覆うことができる形状である。また、蓋本体31は上面および下面が平坦な面であり、上面と下面とは平行である。
蓋本体31の側面32は、垂直面に対して傾斜した傾斜面である。具体的に、蓋本体31の側面32は、上端から下端に向かうにしたがって蓋本体31の内側、すなわち中心Oに向かうように傾斜する。このように蓋本体31の側面32を傾斜させることによって、本体部10の上端と蓋本体31との間に僅かな隙間が生じ、隙間に指を掛けて蓋本体31を取り外すことができる。本実施形態の蓋本体31の側面32は、全周に亘って傾斜させているが全周のうち断続的に傾斜させてもよい。
側壁部33は、蓋本体31から下側に向かって延出する部位である。側壁部33は、底面視において、蓋本体31の下面のうち、外周縁(あるいは側面32)から中心O側に離れた位置から下側に向かって延出して形成される。側壁部33の長さ、すなわち蓋本体31の下面から側壁部33の下端までの長さLwは、蓋本体31の厚みTcよりも大きい(図7(b)参照)。ここで、側壁部33は、底面視において中心Oを囲むように環状に形成される。側壁部33により囲まれた空間は下側に向かって開口する。
ここで、側壁部33は、嵌合壁34a、34bと、離間壁35a、35bと有する。
ここで、側壁部33は、嵌合壁34a、34bと、離間壁35a、35bと有する。
嵌合壁34a、34bは、蓋部30を本体部10の開口部20に嵌合させるための壁である。嵌合壁34aと嵌合壁34bとは底面視において中心Oを挟んで左右に対向して位置しており、略左右対称の形状である。
嵌合壁34a、34bは、底面視において、蓋本体31の外周縁(あるいは側面32)から中心O側に略一定の間隔で離れた位置に形成される。すなわち、嵌合壁34a、34bは、蓋本体31の外周縁の形状を縮小させた略相似形である。具体的に、嵌合壁34a、34bは、底面視において、前後方向の中央近辺が前後方向に沿って略直線上に延びており、前端および後端に近づくにしたがって中心線C1に向かうように湾曲している。このような底面視における嵌合壁34a、34bの形状は、本体部10の開口部20に対して嵌まり込む部分の形状と略合致する。したがって、蓋部30を本体部10の開口部20に取り付けたときに、嵌合壁34a、34bと開口部20の内側面とを密着させることができる。具体的には、嵌合壁34aが本体部10の側板部11cの内側面と密着し、嵌合壁34bが本体部10の側板部11dの内側面と密着する。
また、嵌合壁34a、34bの前端はそれぞれ離間壁35aに連結され、後端はそれぞれ離間壁35bに連結される。
嵌合壁34a、34bは、底面視において、蓋本体31の外周縁(あるいは側面32)から中心O側に略一定の間隔で離れた位置に形成される。すなわち、嵌合壁34a、34bは、蓋本体31の外周縁の形状を縮小させた略相似形である。具体的に、嵌合壁34a、34bは、底面視において、前後方向の中央近辺が前後方向に沿って略直線上に延びており、前端および後端に近づくにしたがって中心線C1に向かうように湾曲している。このような底面視における嵌合壁34a、34bの形状は、本体部10の開口部20に対して嵌まり込む部分の形状と略合致する。したがって、蓋部30を本体部10の開口部20に取り付けたときに、嵌合壁34a、34bと開口部20の内側面とを密着させることができる。具体的には、嵌合壁34aが本体部10の側板部11cの内側面と密着し、嵌合壁34bが本体部10の側板部11dの内側面と密着する。
また、嵌合壁34a、34bの前端はそれぞれ離間壁35aに連結され、後端はそれぞれ離間壁35bに連結される。
離間壁35a、35bのうち前側に位置する離間壁35aは、後述する貯水空間Sを形成するための壁である。離間壁35aと離間壁35bとは底面視において中心Oを挟んで前後に対向して位置しており、略前後対称な形状である。離間壁35aは嵌合壁34aと嵌合壁34bとの前端の端部同士を左右に連結するように形成され、離間壁35bは嵌合壁34aと嵌合壁34bとの後端の端部同士を左右に連結するように形成される。離間壁35a、35bのうち前側に位置する離間壁35aは、蓋部30を本体部10に取り付けたときに注出口21の側に位置する。
ここで、離間壁35a、35bは、嵌合壁34aと異なり、底面視において、蓋本体31の外周縁(あるいは側面32)の形状とは相似形ではなく、嵌合壁34a、34bからそれぞれ離れるにしたがって蓋本体31の外周縁からも離れる位置に形成される。具体的には、離間壁35a、35bは、底面視において、蓋本体31の外周縁から離れる方向に向かって凸状に湾曲して形成される。このような底面視における離間壁35a、35bの形状は、本体部10の開口部20に対して嵌まり込む部分の形状と合致しておらず、蓋部30を本体部10の開口部20に取り付けたときに開口部20の内側面から離れている(離間している)。具体的には、離間壁35aが本体部10の側板部11aの内側面から離れ、離間壁35bが本体部10の側板部11bの内側面から離れている。
上述したように構成される蓋部30を本体部10に取り付ける場合には、使用者は蓋部30を本体部10の開口部20の上方に位置させた状態から蓋部30を本体部10に向かって下方に押し込むことにより取り付ける。このとき、蓋部30のうち一対の嵌合壁34a、34bは、本体部10の上述した手掛部13a、13bの内側面、すなわち側板部11c、11dの内側面の湾曲した部分によりガイドされることにより開口部20内に挿入される。使用者は蓋部30を蓋本体31の下面が本体部10の上端に接するまで押し込むことにより、蓋部30の取り付けが完了する。
蓋部30が本体部10に取り付けられた状態では、上述したように嵌合壁34a、34bが本体部10の側板部11c、11dの内側面と密着することから、嵌合壁34a、34bと側板部11c、11dとの間から液体が漏れないようにシールされる。一方、前側の離間壁35aは本体部10の側板部11aの内側面から離れていることから、離間壁35aの外側面と、側板部11aの内側面(開口部20の内側面)と、蓋部30の蓋本体31の下面とによって囲まれる貯水空間Sが構成される。貯水空間Sは、注出口21と連通しており、注出口21から注出される液体を一時的に貯水させることができる。なお、後側の離間壁35であっても同様に空間が構成されるが、注出口21と連通しておらず貯水空間の機能はない。
ここで、貯水空間Sについて図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4には貯水空間Sをグレーで着色して示している。
図3に示すように、貯水空間Sは平面視(あるいは底面視)において、ピッチャー100の前部かつ幅方向の中央に位置する。貯水空間Sは、幅方向の長さWsが前後方向の長さLsよりも長い空間である。本実施形態の貯水空間Sの幅方向の長さWsは、本体部10の幅方向の長さWの略3/5である。貯水空間Sの幅方向の長さWsは、注出口21から幅広な液体を注出させるために本体部10の幅方向の長さWの1/2以上であることが好ましい。一方、貯水空間Sの幅方向の長さWsが大きいと、側壁部33に占める離間壁35aの割合が大きく、嵌合壁34a、34bの割合が小さくなってしまい、蓋部30が外れやすくなる。したがって、貯水空間Sの幅方向の長さWsは、本体部10の幅方向の長さWよりも小さいことが好ましい。また、貯水空間Sは、平面視(あるいは底面視)において、右端および左端に向かうにしたがって先細り状の略楕円形であり、いわゆるラグビーボール状の形状である。
図3に示すように、貯水空間Sは平面視(あるいは底面視)において、ピッチャー100の前部かつ幅方向の中央に位置する。貯水空間Sは、幅方向の長さWsが前後方向の長さLsよりも長い空間である。本実施形態の貯水空間Sの幅方向の長さWsは、本体部10の幅方向の長さWの略3/5である。貯水空間Sの幅方向の長さWsは、注出口21から幅広な液体を注出させるために本体部10の幅方向の長さWの1/2以上であることが好ましい。一方、貯水空間Sの幅方向の長さWsが大きいと、側壁部33に占める離間壁35aの割合が大きく、嵌合壁34a、34bの割合が小さくなってしまい、蓋部30が外れやすくなる。したがって、貯水空間Sの幅方向の長さWsは、本体部10の幅方向の長さWよりも小さいことが好ましい。また、貯水空間Sは、平面視(あるいは底面視)において、右端および左端に向かうにしたがって先細り状の略楕円形であり、いわゆるラグビーボール状の形状である。
図4(a)、(b)に示すように、貯水空間Sは側面視において、ピッチャー100の前部かつ上部であって、注出口21と前後に対向して位置する。図4(b)に示すように、貯水空間Sの下端の位置は、貯水空間Sに一時的に液体を貯めることができるように、注出口21の内側面が前側に向かって湾曲を開始する湾曲開始位置P1よりも低いことが好ましい。一方、貯水空間Sの下端の位置が低すぎると、本体部10内の液体が貯水空間Sに流入し難くなるために、貯水空間Sの下端の位置は、位置P2よりも高いことが好ましい。位置P2は、注出口21の上端から位置P1までの距離Lrを2倍にした位置である。
なお、図2(b)に示すように、ピッチャー100を前側(注出口21の側であって、かつ水平方向)から見たときに、透明な本体部10を通して、一対の嵌合壁34a、34bの間に離間壁35aが位置するように視認される。このとき、一対の嵌合壁34a、34bの下端の位置と離間壁35aの下端の位置とが同じである。すなわち、一対の嵌合壁34a、34bの下端と離間壁35aの下端とが水平方向に直線上に連続していることから、透明な本体部10を通して見える蓋部30の見栄え(デザイン性)を向上させることができる。
次に、上述したように構成されるピッチャー100において、本体部10内の液体を注出させる場合について説明する。
使用者は、人差し指から小指を側板部11cの凹部12に接するように、かつ親指を側板部11dの凹部12に接するように持った上で、注出口21をコップ等に近づけるようにピッチャー100全体を傾ける。
ここではまず、使用者がピッチャー100を急に傾けた場合を想定する。
このとき、本体部10内の液体は一度に注出口21に向かって流動するものの、一部の液体は注出口21の側に位置する離間壁35aの内側面に突き当たる。図3には、離間壁35aの内側面に向かって流動する液体を矢印で示している。離間壁35aの内側面のうち幅方向の中央近辺に突き当たった液体の一部(矢印A1)は、離間壁35aの下端を潜り抜けて注出口21に向かって流動するものの離間壁35aに突き当たったことにより減速される。また、離間壁35aの内側面の中央近辺に突き当たった残りの液体(矢印A2)は、減速した状態のまま離間壁35aの円弧の内側面に沿って左右に広がりながら離間壁35aの下端を潜り抜けて注出口21に向かって流動する。したがって、使用者がピッチャー100を急に傾けた場合であっても、注出口21からは十分に減速され、かつ左右に広がった幅広な状態で液体を注出させることができる。
使用者は、人差し指から小指を側板部11cの凹部12に接するように、かつ親指を側板部11dの凹部12に接するように持った上で、注出口21をコップ等に近づけるようにピッチャー100全体を傾ける。
ここではまず、使用者がピッチャー100を急に傾けた場合を想定する。
このとき、本体部10内の液体は一度に注出口21に向かって流動するものの、一部の液体は注出口21の側に位置する離間壁35aの内側面に突き当たる。図3には、離間壁35aの内側面に向かって流動する液体を矢印で示している。離間壁35aの内側面のうち幅方向の中央近辺に突き当たった液体の一部(矢印A1)は、離間壁35aの下端を潜り抜けて注出口21に向かって流動するものの離間壁35aに突き当たったことにより減速される。また、離間壁35aの内側面の中央近辺に突き当たった残りの液体(矢印A2)は、減速した状態のまま離間壁35aの円弧の内側面に沿って左右に広がりながら離間壁35aの下端を潜り抜けて注出口21に向かって流動する。したがって、使用者がピッチャー100を急に傾けた場合であっても、注出口21からは十分に減速され、かつ左右に広がった幅広な状態で液体を注出させることができる。
次に、通常の注出方法について図8(a)および図8(b)を参照して説明する。
図8(a)は、注出口21から液体を注出させている状態を示す断面図である。
図8(a)に示すように、使用者は、注出口21から液体を注出させる場合には、常に液体が貯水空間S内に貯水されるように、すなわち貯水空間S内に満遍なく充満する角度にピッチャー100を傾ける。このとき、貯水空間Sに充満された液体は連通する注出口21を通して注出されるが、貯水空間Sの上方を覆う蓋本体31により注出口21に向かう流量が規制される。したがって、貯水空間Sからは、常に貯水空間Sの幅方向の長さで一定の流量の液体が注出口21に向かって流動する。換言すると、貯水空間S内の液体のうち注出口21に向かって流動できなかった液体は一時的に貯水空間Sに貯水される。
図8(a)は、注出口21から液体を注出させている状態を示す断面図である。
図8(a)に示すように、使用者は、注出口21から液体を注出させる場合には、常に液体が貯水空間S内に貯水されるように、すなわち貯水空間S内に満遍なく充満する角度にピッチャー100を傾ける。このとき、貯水空間Sに充満された液体は連通する注出口21を通して注出されるが、貯水空間Sの上方を覆う蓋本体31により注出口21に向かう流量が規制される。したがって、貯水空間Sからは、常に貯水空間Sの幅方向の長さで一定の流量の液体が注出口21に向かって流動する。換言すると、貯水空間S内の液体のうち注出口21に向かって流動できなかった液体は一時的に貯水空間Sに貯水される。
図8(b)は、図8(a)に示すように注出口21から液体を注出させている状態を矢印B方向から見た図である。図8(b)に示すように、貯水空間Sの幅方向の長さWsで注出口21に向かって流動した液体は、そのまま注出口21から外部に注出される。したがって、使用者がピッチャー100を傾けて注出口21から液体を注出させる場合には、注出口21から左右に広がった幅広な状態で液体を注出させることができる。使用者は、常に液体が貯水空間S内に貯水されるように傾けながら、注出口21から液体を外部に注出させることにより、幅広な状態の液体を注出させることができることから美感に優れた流水形状を実現することができる。
なお、上述した蓋部30の離間壁35aと離間壁35bとは底面視において略前後対称な形状である。したがって、蓋部30の前後方向を入れ替えても本体部10に取り付けることができ、蓋部30の前後方向を入れ替えた場合には、離間壁35bが上述した離間壁35aと同様に機能する。したがって、使用者は、蓋部30の前後を意識せずに本体部10に取り付けることができる。
以上のように本実施形態によれば、蓋部30は、蓋本体31と、蓋本体31から下側に向かって延出され、開口部20の内側面から離れて位置する離間壁35aと、を有し、離間壁35aは、底面視において、注出口21から反対側に向かって凸の円弧状に形成される。このような蓋部30によれば、使用者がピッチャー100を傾けた場合に、離間壁35aの内側面のうち幅方向の中央近辺に突き当たった液体が減速した状態のまま離間壁35aの円弧の内側面に沿って左右に広がりながら離間壁35aの下端を潜り抜けて注出口21に向かって流動する。したがって、注出口21から液体を幅広な状態で注出させることができるので、液体の撥ね上がりや泡立ちを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、離間壁35aの外側面と、開口部20の内側面と、蓋本体31の下面とによって囲まれる貯水空間Sが構成され、使用者がピッチャー100を傾けた場合に、貯水空間Sで一時的に貯水された液体が注出口21から流出される。したがって、注出口21から液体を幅広な状態で注出させることができるので、液体の撥ね上がりや泡立ちを抑制することができる。
以上、本考案を上述した実施形態により説明したが、本考案は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本考案の範囲内で変更等が可能である。
上述した実施形態のピッチャー100の本体部10に貯める液体は、水である場合に限られず、飲料等の液体であってもよい。
上述した実施形態のピッチャー100の本体部10に貯める液体は、水である場合に限られず、飲料等の液体であってもよい。
上述した実施形態では、蓋部30の離間壁35aと離間壁35bとが底面視において略前後対称な形状である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、蓋部30は、離間壁35a、35bのうち離間壁35bを省略して、離間壁35aのみを有していてもよい。
100:ピッチャー 10:本体部 11a~11d:側板部 13a、13b:手掛部 14:底板部 20:開口部 21:注出口 30:蓋部 31:蓋本体 33:側壁部 34a、34b:嵌合壁 35a、35b:離間壁
Claims (7)
- 開口部の幅方向に沿って形成される注出口を有する容器状の本体部と、
前記本体部に取り付けられる蓋部と、を備えるピッチャーであって、
前記蓋部は、蓋本体と、前記蓋本体から下側に向かって延出され、前記開口部の内側面から離れて位置する離間壁と、を有し、
前記離間壁は、底面視において、前記注出口から反対側に向かって凸状に湾曲して形成されていることを特徴とするピッチャー。 - 前記離間壁の外側面と、前記開口部の内側面と、前記蓋本体の下面とによって囲まれる貯水空間が構成され、
該ピッチャーを傾けたときに前記貯水空間で一時的に貯水された液体が前記注出口から注出されることを特徴とする請求項1に記載のピッチャー。 - 前記貯水空間は、底面視において、前記幅方向に沿って長く、前記幅方向の端部に向かうにしたがって先細り状の略楕円形の空間であることを特徴とする請求項2に記載のピッチャー。
- 前記幅方向に対して直交する水平な方向を前後方向とすると、
前記蓋部は、前記前後方向に離れて一対の前記離間壁を有し、
前記一対の離間壁は、略前後対称な形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のピッチャー。 - 前記幅方向に対して直交する水平な方向を前後方向とすると、
前記蓋部は、前記前後方向に離れて一対の前記離間壁を有し、前記蓋部の前記前後方向を入れ替えて前記本体部に取り付けた場合であっても前記貯水空間が構成されることを特徴とする請求項2または3に記載のピッチャー。 - 前記蓋部は、前記蓋本体から下側に向かって延出されているとともに前記開口部のうち対向する一対の内側面に嵌まり込む一対の嵌合壁を有し、
前記離間壁は、前記一対の嵌合壁の端部同士を連結するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のピッチャー。 - 前記本体部は、透明な材質であって、
該ピッチャーを前記注出口の側であって、かつ水平方向から見たときに前記本体部を通して、前記一対の嵌合壁の間に前記離間壁が位置するように視認されることを特徴とする請求項6に記載のピッチャー。
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JP2023000698U JP3241842U (ja) | 2023-03-08 | 2023-03-08 | ピッチャー |
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- 2023-03-08 JP JP2023000698U patent/JP3241842U/ja active Active
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