JP3241590B2 - 医療用バッグ及びその製造方法並びに口部金型 - Google Patents
医療用バッグ及びその製造方法並びに口部金型Info
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Description
納する医療用バッグと該医療用バッグの製造方法の改良
に関する。
されている医療用バッグは、袋状本体132の上部に輸
液口133を装填したプロテクター134を溶着するこ
とにより構成されている。このため製造は次の各工程に
より行われていた。
より帽子状のプロテクター134に成形し、さらにプロ
テクター134の中に治具137に装着した輸液口13
3を装填する工程(図13)、(2)(1)のプロテク
ター134を2枚の合成樹脂製シート136の間に置い
て、プロテクター134及び輸液口133の基部135
とこれらに接するシート136の上端部を上下の口部金
型138により押圧して溶着する工程(図14)、
(3)前記(2)のシート136を上下の金型(図示せ
ず)により押圧して袋状本体132を成形する工程(図
15)、
する際には次の問題点があった。 (2)の工程でプロテクター134をシート136に
溶着する際にウェルダーピン137に装着したプロテク
ター134はシート136の下側から入れなければなら
ない。またウェルダーピン137はターンテーブルに装
着され、ウェルダーピン137に装着したプロテクター
134と共にシート136の内側を摩擦するので好まし
くない。これらの障害を除くにはシート136の上側か
らウェルダーピン137に装着したプロテクター134
を入れれば良いが、輸液口133の内側には隔膜が形成
されているためウェルダーピン137を深く入れること
ができない。 (2)の工程でプロテクター134とシート136を
溶着する際に溶着強度の調整が難しかった。また出願人
は平成6年特許願第287100号に次の各工程よりな
る医療用バッグの製造方法を提案した。 (1)2枚の合成樹脂製シートの間にプロテクターを被
冠した輸液口を上部方向から置いて、輸液口の基部とこ
れに接するシートを、輸液口の長さ方向に対する押圧溝
を形成した電極と、該電極の間に前記押圧溝の横方向に
溝部を形成した絶縁体を配置することにより構成される
上下の口部金型により押圧して溶着する工程、(2)前
記(1)のシートを上下の枠金型により押圧して袋状本
体を形成する工程、しかしながら前記発明では、プロテ
クター4を被冠した輸液口3と接続部材13(管状部
材)を二枚の合成樹脂シート6の間にはさんで高周波を
印加して溶着する際に、チューブ(接続部材13)の片
面にシート一枚(シート6)とチューブ(輸液口3)の
片面にシート二枚(シート6とプロテクター4)を同時
に溶着することになるが、高周波の伝わり方はシート
6から接続部材13、シート6からプロテクター4を
経て輸液口3の二通り発生するので、接続部材13とシ
ート6、輸液口3とシート6及びプロテクター4の溶着
条件を均一にすることが困難であった。そこで本発明者
は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果次
の発明に到達した。
の長さ方向に押圧溝15を形成した電極8aと、該電極
8aの間に前記押圧溝15の横方向に溝部9を形成した
絶縁体8bを配置することにより構成される上下の口部
金型8、8により押圧して溶着し、前記輸液口3基部の
横方向に複数の土手状の突部12aを形成するともに該
突部12aの間に溶着部14aを形成する工程、 (2)2枚の合成樹脂製シート6、6の間に前記(1)
のプロテクター4を被冠した輸液口3と管状部材を上部
方向から置いて、輸液口3と管状部材の基部とこれに接
するシート6を、輸液口3と管状部材の長さ方向に押圧
溝15を形成した電極8aと、該電極8aの間に前記押
圧溝15の横方向に溝部9を形成した絶縁体8bを配置
することにより構成される上下の口部金型8、8により
押圧して溶着し、前記輸液口3基部の横方向に複数の土
手状の突部12を形成するともに該突部12の間に溶着
部14を形成する工程、 (3)前記(2)のシート6を上下の枠金型により押圧
して袋状本体2を形成する工程、以上の工程よりなる医
療用バッグの製造方法を提供する。 [2]本発明は、袋状本体2の上部にプロテクター4を
被冠した輸液口3の基部を溶着固定した医療用バッグに
おいて、 前記輸液口3基部の横方向に、複数の土手状の
突部を12形成し、該突部12の間に溶着部14を形成
し、 前記突部12は、高さHを0.05から1mm、幅
Wを0.2から10mmに形成した、医療用バッグを提
供する。 [3]本発明は、輸液口3と管状部材の長さ方向に押圧
溝15を形成した電極8aと、該電極8aの間に前記押
圧溝15の横方向に溝部9を形成した絶縁体8bを配置
することにより構成され、 前記電極8aの底部B1と前
記絶縁体8bの底部B2の段差DSを0.05mmから
1.0mmに形成し、 前記電極8aと前記絶縁体8b間
の距離DLを0.2mmから10mmに形成し、 前記電
極8aの厚さtを0.3mmから1.0mmに形成した
口部金型8を提供する。
概略図で、医療用バッグ1は可とう性合成樹脂からなる
袋状本体2と袋状本体2の上部にプロテクター4を被冠
した輸液口3の基部5を溶着固定することにより構成さ
れ、輸液口3の基部5の表面には突部12が形成されて
いる。突部12は輸液口3の横方向に土手状に形成され
る。突部12は太いものを1本のみ形成しても良いし細
いものを2本ないし3本形成しても良い。
明する。図2に示すように、プロテクター4を被冠した
輸液口3を輸液口3の長さ方向に対する押圧溝15を形
成した電極8aと、該電極8aの間に前記押圧溝15の
横方向に半円状の溝部9を形成した絶縁体8bを配置す
ることにより構成される上下の口部金型8、8により押
圧して高周波を印加することにより、輸液口3とプロテ
クター4を溶着する。
給するが、口部金型8は上下の口部金型8の対向する電
極8a同士が同極(例えばアース極(E)とアース極
(E)または給電極(S)と給電極(S))となり、絶
縁体8bを介して輸液口3の長さ方向に配列した電極8
aが交互に異極(例えばアース極(E)、給電極
(S)、アース極(E)・・・・または給電極(S)、
アース極(E)、給電極(S)・・・・)となるように
配線する。以上のように配置し、電源16を作動させて
各電極8aの間に高周波を印加するとアース極(E)と
給電極(S)の間にある絶縁体8bの溝部内で誘電発熱
現象が発生し、これにさらされたプロテクター4を構成
するシート表面は軟化が始り、さらにこのシートの下
層、輸液口3の軟化を誘発する。また金型8に挟持され
たシートの表面では上下の口部金型8で加圧挟持した時
点で蓄えた反発力がシートの軟化で順次放出されてゆく
が、反対側のシートの深層部は反発力が輸液口3等のチ
ューブ外径方向へ作用しているので、軟化したシート及
びチューブは順次溝部9の中に追いこまれて行き突部1
2aとなる。
上下間の挟持で強い圧力が働いており、さらに両サイド
の溝部9で発生する熱が伝わるので、圧力と誘電発熱を
コントロールすることにより適切な溶着部を形成するこ
とができる。以上のように両サイドからの発熱の伝達と
上下間の挟持による強い圧力を利用するので、図3に示
すように突部12a(土手状の溶着痕)の間が完全にシ
ールされ強固な溶着部14aが形成される。図3におい
て矩形の枠の中が溶着される(溶着部10a)。図3の
ように溶着部14aを2箇所形成するためには図2のよ
うに4つの電極8aの間に溝部9を形成した絶縁体8b
を3個配置する必要がある。この場合の溶着部10aの
断面を示したのが図4である。
ロテクター4を被冠しかつプロテクター4に溶着した輸
液口3と血液移送チューブ20の基部13(管状部材)
を治具7(パーツフィーダー)に装着し、これらを2枚
の合成樹脂シート6の間に上部方向から置く。図7に示
すように前記シート6を輸液口3の長さ方向に対する押
圧溝15を形成した電極8aと、該電極8aの間に前記
押圧溝15の横方向に半円状の溝部9を形成した絶縁体
8bを配置することにより構成される上下の口部金型
8、8により押圧して高周波を印加することにより、輸
液口3(血液移送チューブ20)の基部5(基部13)
とこれに接するプロテクター4及びシート6を図8(図
9は図8の一部拡大図、図10は図9のB−B断面図)
のように溶着する。電源を作動させて各電極8aの間に
高周波を印加するとアース極(E)と給電極(S)の間
にある絶縁体8bの溝部内に電界が発生し、これにさら
されたシート6表面は誘電加熱により軟化が始り、さら
にシート6の下層、輸液口3の軟化を誘発する。また金
型8に挟持されたシート6の表面では上下の口部金型8
で加圧挟持した時点で蓄えた反発力がシート6の軟化で
順次放出されてゆくが、反対側のシート6の深層部は反
発力が輸液口3等のチューブ外径方向へ作用しているの
で、軟化したシート6及びチューブは順次溝部9の中に
追いこまれて行き突部12となる。
は上下間の挟持で強い圧力が働いており、さらに両サイ
ドの溝部9で発生する熱が伝わるので、圧力と発熱をコ
ントロールすることにより適切な溶着部を形成すること
ができる。以上の様に両サイドからの発熱の伝達と上下
間の挟持による強い圧力を利用するので、図9に示すよ
うに突部12(土手状の溶着痕)の間が完全にシールさ
れ強固な溶着部14が形成される。図9において矩形の
枠の中が溶着される(一次溶着部10)。図9のように
溶着部14を2箇所形成するためには図7のように4つ
の電極8aの間に溝部9を形成した絶縁体8bを3個配
置する必要がある。この場合の一次溶着部10の断面を
示したのが図10である。
と輸液口3を溶着し、第二の工程でプロテクター4を溶
着した輸液口3と管状部材(血液移送チューブ20の基
部13)を二枚の合成樹脂シート6の間にはさんで高周
波を印加して溶着するものであるから、チューブ(血液
移送チューブ20の基部13)の片面にシート一枚(シ
ート6)とチューブ(輸液口3、厳密にいえば輸液口3
とプロテクター4の溶着部10a)の片面にシート一枚
(シート6)を同時に溶着することと実質的に同じとな
る。これにより高周波はシート6から管状部材(血液移
送チューブ20の基部13)と輸液口3(厳密にいえば
輸液口3とプロテクター4の溶着部10a)へ画一的に
伝わることになり、管状部材(血液移送チューブ20の
基部13)とシート6、輸液口3(厳密にいえば輸液口
3とプロテクター4の溶着部10a)とシート6の溶着
条件を均一にすることができる。
下の枠金型(図示せず)により押圧して二次溶着部11
を形成し、袋状本体2を形成する。最後に二次溶着部1
1の輪郭をプレスカットし、医療用バッグ1をシートか
ら切り離す。
とプロテクター4、輸液口3の基部とシート6を溶着し
て医療用バッグ1を製造する方法について説明したが、
突部12(12a)の高さHと幅Wはチューブ(輸液口
3、血液移送チューブ20の基部13)とシート(シー
ト6、プロテクター4を構成するシート)の厚さTによ
り自由に設定することができる。種々検討した結果、チ
ューブ(輸液口3、血液移送チューブ20の基部13)
の外径Rが4mmから10mm、シート(シート6、プ
ロテクター4を構成するシート)の厚さTが0.2mm
から0.5mmの組み合わせが好ましく、その際に突部
12(12a)の高さHは好ましくは0.05mmから
1.0mm、より好ましくは0.1mmから0.3mm
に形成するのが良く、突部12(12a)の幅Wは0.
2mmから10mm、好ましくは1mmから3mmに形
成するのが良い。
0の基部13)の外径Rは4mmから10mmに設定す
るのが良いのは、4mm未満では過溶着となり、10m
mを越えると溶着不足となるので好ましくないからであ
る。Tを0.2mmから0.5mmに設定するのが良い
のは0.2mm未満では薄すぎてチューブとの溶着が困
難であり、0.5mmを越えると溶着に時間がかかりす
ぎて好ましくないからである。
0.05mmから1.0mmに形成するのが良いのは、
Hは電極8aの底部B1と絶縁体8bの底部B2の段差
DSと同じ値になるからであり、DSを0.05mmか
ら1.0mmに形成するのが良いのは、次の理由によ
る。プロテクター4を被冠した輸液口3(シート6、6
の間に置いた輸液口3)を上下の口部金型8、8により
押圧して高周波を印加する際にシート(シート6、プロ
テクター4を構成するシート)は図12と図2(図7)
に示すように電極8aの端部P1とP2間に生じる直線
状の電界と弓状の電界に接触し、直線状の電界(電界が
密)に接するシートは短時間で溶解するが、弓状の電界
(電界が疎)に接するシートは溶解しにくい。これらの
電界の性質を利用して溶着時間をコントロールすること
ができる。電極8aの底部B1と絶縁体8bの底部B2
の段差DSを大きくすれば電界は直線状となるので溶着
時間は短くなり、DSを小さくすれば電界はほとんど弓
状となるので溶着時間は長くなる。チューブとシートを
強固に溶着するには2から3秒の適度の溶着時間が良
く、そのためにはDSを0.05mmから1.0mmに
設定するのが良いからである。
0.2mmから10mm、好ましくは1mmから3mm
に形成するのが良いのは、幅Wは電極8a、8a間の距
離DLと同じ値になるためである。電極8aと8a間の
距離DLは0.2mmから10mm、好ましくは1mm
から3mmに形成するのが良いのは次の理由による。D
Lが0.2mm未満ではスパークが発生しやすくなり、
DLが10mmを越えると、シートとチューブの構成材
料が溶解するまでの時間が長くなるので好ましくない。
特にシートとチューブの構成材料がポリ塩化ビニル樹脂
の場合、DLが0.2mmから10mmで約150℃で
溶解可能であるが約2秒間で150℃付近に昇温させる
のが良く、これらの条件を試験により反復して検討した
結果、1mmから3mmに設定するのが好適であった。
極8aの厚さtは好ましくは0.3mmから1.0mm
に形成するのが良いのは次の理由による。電極8a自体
は発熱しないので電極直下のシートとチューブを溶着す
るには電極8a間で余剰発熱させてから電極直下におく
る必要がある。電極の厚さtが1.0mmを越えると電
極8a直下の面積が大きくなるので余剰発熱が必要とな
るが、余剰発熱が一定量を越えると溶着面が歪になった
り変形したりするので好ましくない。他方、電極の厚さ
tが0.3mm未満では沿面放電や電極間放電が生じ正
常な運転ができなくなるので好ましくない。また絶縁体
8bの両側に配置された電極8a、8aの溶着面の面積
(被溶着体への電極直下の面積)が小さいほど(tが小
さいほど)余剰熱で溶着する面積が減少するので、その
分だけ確実に溶着することができる。
で従来のようにシート6の内側が摩擦されることがなく
なる。 輸液口3の基部5に土手状の突部12を形成し、また
突部12を複数形成した場合は、これらの突部12の間
に強固な溶着部14を形成することができるので従来の
方法よりも溶着強度の調整が容易で医療用バッグの強度
を向上させることができる。 袋状本体2の上部に、チューブの接続部材に代えて血
液移送チューブ20の基部13を直接溶着固定すること
により、血液移送チューブと接続部材を溶剤を用いて接
続していた従来のものと比較して、チューブと袋状本体
2内が溶剤に接触する心配がないので衛生的である。ま
た部品点数も少ないのでコスト的にも有利である。 高周波はシート6から管状部材(血液移送チューブ2
0の基部13)と輸液口3(厳密にいえば輸液口3とプ
ロテクター4の溶着部10a)へ画一的に伝わることに
なり、管状部材(血液移送チューブ20の基部13)と
シート6、輸液口3(厳密にいえば輸液口3とプロテク
ター4の溶着部10a)とシート6の溶着条件を均一に
することができる。
拡大図
示す概略図
Claims (3)
- 【請求項1】(1)プロテクター4を被冠した輸液口3
を、輸液口3の長さ方向に押圧溝15を形成した電極8
aと、該電極8aの間に前記押圧溝15の横方向に溝部
9を形成した絶縁体8bを配置することにより構成され
る上下の口部金型8、8により押圧して溶着し、前記輸
液口3基部の横方向に複数の土手状の突部12aを形成
するともに該突部12aの間に溶着部14aを形成する
工程、 (2)2枚の合成樹脂製シート6、6の間に前記(1)
のプロテクター4を被冠した輸液口3と管状部材を上部
方向から置いて、輸液口3と管状部材の基部とこれに接
するシート6を、輸液口3と管状部材の長さ方向に押圧
溝15を形成した電極8aと、該電極8aの間に前記押
圧溝15の横方向に溝部9を形成した絶縁体8bを配置
することにより構成される上下の口部金型8、8により
押圧して溶着し、前記輸液口3基部の横方向に複数の土
手状の突部12を形成するともに該突部12の間に溶着
部14を形成する工程、 (3)前記(2)のシート6を上下の枠金型により押圧
して袋状本体2を形成する工程、以上の工程よりなることを特徴とする医療用バッグの製
造方法。 - 【請求項2】袋状本体2の上部にプロテクター4を被冠
した輸液口3の基部を溶着固定した医療用バッグにおい
て、 前記 輸液口3基部の横方向に、複数の土手状の突部を1
2形成し、該突部12の間に溶着部14を形成し、 前記突部12は、 高さHを0.05から1mm、幅Wを
0.2から10mmに形成した、ことを特徴とする医療
用バッグ。 - 【請求項3】輸液口3と管状部材の長さ方向に押圧溝1
5を形成した電極8aと、該電極8aの間に前記押圧溝
15の横方向に溝部9を形成した絶縁体8bを配置する
ことにより構成され、 前記電極8aの底部B1と前記絶縁体8bの底部B2の
段差DSを0.05mmから1.0mmに形成し、 前記電極8aと前記絶縁体8b間の距離DLを0.2m
mから10mmに形成し、 前記電極8aの厚さtを0.3mmから1.0mmに形
成した、ことを特徴とする口部金型8。
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- 1996-03-13 JP JP08475996A patent/JP3241590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09248327A (ja) | 1997-09-22 |
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