JP3240406B2 - 粉体加圧成形装置の組立方法 - Google Patents

粉体加圧成形装置の組立方法

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JP3240406B2
JP3240406B2 JP20448397A JP20448397A JP3240406B2 JP 3240406 B2 JP3240406 B2 JP 3240406B2 JP 20448397 A JP20448397 A JP 20448397A JP 20448397 A JP20448397 A JP 20448397A JP 3240406 B2 JP3240406 B2 JP 3240406B2
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pressurized liquid
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/001Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a flexible element, e.g. diaphragm, urged by fluid pressure; Isostatic presses
    • B30B11/002Isostatic press chambers; Press stands therefor

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体を乾式法で静
水圧成形するときに用いるものであつて、粉体中の空気
を成形品に悪影響を及ぼさない箇所へ絞り寄せる粉体加
圧成形装置の組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体中の空気を絞り寄せる粉体加圧成形
装置としては、特公平7−80067号公報に記載され
たものがある。この粉体加圧成形装置1は、図7(A)
(B)に示す如く、軸長の長い粉体充填空間2を内側に
形成した弾性で且つ可撓性の加圧筒体3と、加圧筒体3
を外嵌する保持ケース4とを備えている。加圧筒体3
は、その外周面3aが、相互間に加圧筒体3の軸方向に
適宜間隔を置いて凹設された複数個の環状凹溝5により
複数の加圧領域3a−1〜3a−7に区画され、これら
加圧領域のうちから選択された一つの加圧領域3a−1
が初期加圧領域とされる。環状凹溝5の夫々には、弾性
シールリング6が締まりばめ状態で嵌着されている。保
持ケース4には、弾性シールリング6のすべてに密着当
接する1個の加圧液体案内面4aが形成され、加圧筒体
3の初期加圧領域3a−1に対向する部位に、適数個の
加圧液体供給口7が開設されている。
【0003】粉体加圧成形装置1は、図7(A)に示す
如く、粉体充填空間2に充填された粉体を加圧成形する
ときには、保持ケース4の加圧液体供給口7から加圧液
体Lが、加圧筒体3の初期加圧領域3a−1と保持ケー
ス4の加圧液体案内面4aとの間に供給される。加圧液
体Lは、初期加圧領域3a−1と隣接する加圧領域3a
−2,3a−3とが弾性シールリング6,6で区画され
ているため、最初に初期加圧領域3a−1のみを押圧
し、加圧筒体3の初期加圧領域3a−1を内方に膨張変
形させる。これにより、粉体充填空間2内の粉体Pは、
加圧筒体3の初期加圧領域3a−1と対向する領域のみ
が加圧される。加圧された粉体P中の空気は、その空気
圧力が上昇するため、加圧されていない粉体P中の粒子
間隙で形成された空気通路内へ急激に流出し、加圧され
た粉体P中に圧縮された状態で残留することはない。
【0004】加圧液体Lの供給総量が増大するのに伴い
加圧筒体3の撓み量が大きくなると、加圧筒体3は、初
期加圧領域3a−1の両側の環状凹溝5,5の部分が内
方へ変形し、環状凹溝外径が減少する。環状凹溝5,5
に締まりばめ状態で嵌着されている弾性シールリング
6,6は、同図(B)に示す如く、環状凹溝外径の減少
に伴いリング外径を減少させ、保持ケース4の加圧液体
案内面4aとの間に間隙を形成してシール機能を喪失す
る。このシール機能の喪失に伴い、加圧液体Lは、加圧
筒体3の初期加圧領域3a−1に隣接する加圧領域3a
−2,3a−3に流出し、この加圧領域3a−2,3a
−3を押圧する。粉体充填空間2内の粉体Pは、加圧筒
体3の加圧領域3a−2,3a−3と対向する領域が更
に加圧される。加圧された粉体P中の空気は、空気圧力
が上昇するため、加圧されていない粉体P中の空気通路
内へ急激に流出し、加圧された粉体P中に圧縮された状
態で残留することはない。
【0005】加圧液体Lの供給総量が更に増大すると、
加圧液体Lは、加圧領域3a−4,3a−5及び加圧領
域3a−6,3a−7を前記同様に順次加圧する。この
順次加圧に伴い、粉体充填空間2内の粉体Pは、初期加
圧領域3a−1と対向する粉体充填空間2内の領域から
空間端部に向かつて順次加圧され、粉体P中の空気は、
空間端部に向かつて絞り寄せられて外部に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粉体加圧成
形装置1は、加圧筒体3の外周面3aに複数個の環状凹
溝5を凹設すると共に、環状凹溝5の夫々に弾性シール
リング6を締まりばめ状態で嵌着してある。しかし、複
数個の環状凹溝5を凹設して弾性シールリング6を締ま
りばめ状態で嵌着するためには、高度の熟練と多くの手
間を必要とする。そのため、粉体加圧成形装置1は、製
造コストが高くなる欠点があつた。
【0007】更に、粉体加圧成形装置1は、初期加圧に
おいて、保持ケース4の加圧液体案内面4aから弾性シ
ールリング6が離れてシール機能を喪失するとき、加圧
液体Lが脈動することがある。このため、加圧された粉
体P中の空気は、粉体P中の空気通路内を脈動しながら
移動することになる。しかし、このように加圧液体L及
び粉体P中の空気が脈動することは、成形品の外周面が
波状となり、肉厚みが不均一な成形品しから得られこと
がある。このため、従来は、得られた成形品を後工程で
切削加工する必要があり、加工によるコストアップと、
歩留りの低下を招く問題がある。殊に、成形品の肉厚み
が薄い場合に、この問題は顕著である。
【0008】そこで、本発明は、上記問題を解決するた
めに、加圧筒体に凹溝及び弾性シールリングを不要とす
る粉体加圧成形装置の組立方法の提供を目的とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】 凹溝及び弾性シールリン
グを不要とする粉体加圧成形装置の組立を容易にするめ
たに請求項記載の本発明が採用した手段は、軸長の長
い粉体充填空間を内側に形成した弾性で且つ可撓性の加
圧筒体と、加圧筒体を締まりばめ状態で外嵌すると共に
外嵌する内面を加圧液体案内面とする保持ケースと、加
圧筒体の初期加圧領域と対向する加圧液体案内面の部位
に開設した加圧液体供給口とを備えた粉体加圧成形装置
の組立方法において、前記加圧筒体の両開口端部を気密
に閉じつつ加圧筒体の内側を減圧することにより加圧筒
体を縮径させ、この状態で加圧筒体を保持ケースで外嵌
し、その後に加圧筒体の減圧を解除して前記加圧液体案
内面に加圧筒体の外周面を圧着させることである。本発
明にあつては、加圧筒体を保持ケースで外嵌する作業
を、加圧筒体を縮径させて行うと共に、加圧液体案内面
に加圧筒体の外周面を圧着させる作業を、加圧筒体の減
圧を解除して行うので、両作業が簡易迅速にできる。
【0012】保持ケースに対する加圧筒体の両端のシー
ル作業を容易にするために請求項記載の本発明が採用
した手段は、請求項記載の粉体加圧成形装置の組立方
法において、前記加圧筒体は、その開口両端部の夫々か
ら可撓性の薄肉筒状のシール板を延設したものを用い、
前記加圧液体案内面に加圧筒体の外周面を圧着させ後
に、該シール板を折り返することにより、前記保持ケー
スの環状のシール部にシール板を嵌着させることであ
る。本発明にあつては、シール板を筒状にしたまま加圧
筒体を保持ケースで外嵌できると共に、圧着させた後に
シール板を折り返して保持ケースの環状のシール部にシ
ール板を嵌着させるので、シール作業が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る粉体加圧成形
装置組立方法を図1乃至図4に示す実施の形態に基づ
いて説明する。
【0014】粉体加圧成形装置11は、加圧具12と被
加圧具13とを備えている。被加圧具13は、上下方向
に長い粉体充填空間14を内部に形成した可撓性で円筒
状のモールド15と、粉体充填空間14の上下の開口端
14a,14aを覆蓋する蓋体16,16と、上下の蓋
体16,16の間に張架された芯金18と、芯金18の
ボルト部18a,18aに螺着したナツト19,19と
を備えている。芯金18は、その横断面形状が円形,楕
円又は多角形等の適宜形状に形成され、1本又は複数本
が張架される。なお、中実の成型品を得る場合には、芯
金18は省略される。
【0015】粉体加圧成形装置11において改良した点
は、加圧具12である。加圧具12は、円筒状の加圧筒
体21を保持ケース22で締まりばめ状態に外嵌し、保
持ケース22の内面に形成した加圧液体案内面22aに
加圧筒体21の外周面21aを圧着させたものである。
保持ケース22は、剛体の外筒23と、加圧筒体21を
バツクアツプする剛体の内筒24と、外筒23の上下端
に螺着され、加圧筒体21を挟持する上下の蓋体25,
25とを備え、外筒23と内筒24の間に環状の圧力室
27を形成してある。加圧筒体21は、弾性で且つ可撓
性の素材(例えば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂等)
より成形されたものであつて、その硬度がJISゴム硬
度40〜90度の範囲で適宜選択される。加圧筒体21
は、任意箇所(一般的には、上下の中央部)を初期加圧
領域21bに選択してある。
【0016】加圧筒体21は、その両開口端部から弾性
で且つ可撓性(例えば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂
等)の筒状シール板28,28を延設し、内筒24の上
下の開口周縁部に形成した保持ケース22の環状シール
部22e,22eに各シール板28を嵌着させ、保持ケ
ース22との間にシール部を形成してある。このシール
部の構造としては、このシール板28を用いる以外に、
図示省略したが、加圧筒体21の外周面の両端寄りの夫
々に環状凹溝を設けると共に、各環状凹溝にOリング等
のシールリングを嵌着することにより、加圧筒体21と
保持ケース22との間をシールリングでシールすること
も可能である。
【0017】上記保持ケース22は、加圧液体案内面2
2aに、加圧筒体21の初期加圧領域21bと対向する
環状凹溝22bが凹設されていると共に、環状凹溝24
bと前記圧力室27とに連通する適数個の加圧液体供給
口22cが穿設されている。加圧液体案内面22aの上
下寄りの夫々には、加圧筒体21を介して被加圧具13
の蓋体16と対向する位置に、圧力室27と連通するよ
うに適数個の加圧液体給排口22dが開設されている。
【0018】この上下の加圧液体給排口22d,22d
は、保持ケース22の加圧液体案内面22aと加圧筒体
21との間に介在する空気を排出するために、必要に応
じて設けられたものであつて、加圧筒体21の外周面2
1aで通常は閉塞されている。各加圧液体給排口22d
を閉塞する加圧筒体21の部分は、被加圧具13の蓋体
16でバツクアツプされているので、この部分が撓み変
形するまでは閉塞状態を維持する。保持ケース22の外
筒23は、上下寄りの夫々に、圧力室27に連通する液
体給排口23aが開設されている。各液体給排口23a
には、加圧液体給排装置(図示略)の液体給排用の配管
が接続される。
【0019】前記保持ケース22は、前記外筒23と内
筒24とに分離することなく、図示は省略したが、両筒
を一体に形成すると共に、一体に形成した筒に中央の加
圧液体供給口22c及び上下の加圧液体給排口22d,
22dを設け、加圧液体給排装置(図示略)に加圧液体
供給口22c及び上下の加圧液体給排口22d,22d
を接続することもある。
【0020】粉体加圧成形装置11は、加圧筒体21を
保持ケース22で締まりばめ状態に外嵌するように、次
の手順で組立られる。先ず、図2に示す如く、加圧筒体
21は、その両開口端部から薄肉筒状のシール板28,
28を延設したものが準備される。シール板28は、加
圧筒体21に接着する等して加圧筒体21と一体化する
か、加圧筒体21と一体形成してある。
【0021】次に、組立作業者は、加圧筒体21の内側
貫通部に隙間ばめ嵌合状態となる外径(後述する吸引状
態を維持できる外径)の吸引棒29を挿通した後に、加
圧筒体21の上下端寄りを縮径具30,30で絞つて、
吸引棒29に加圧筒体21の内周面の上下端寄りを密着
させる。この密着の作業は、縮径具30,30で絞るの
に代わり、吸引棒29に薄肉筒状のシール板28,28
を巻き付けて、締めつけバンド(図示略)等で気密に緊
締して行うことも可能である。この状態で、作業者は、
吸引棒29の内部29aの空気を、カツプリング31を
介して吸引装置(図示略)で排気し、真空に近い状態ま
で内圧を下げることにより、吸引棒29に加圧筒体21
の内周面21cを吸着させ、加圧筒体21の外径を縮径
させる。吸引棒29は、加圧筒体21が外嵌する部分の
みに吸引孔30a,30a…及び吸引用凹溝30b,3
0b…を設ける等して、加圧筒体21を一旦吸着する
と、縮径具30,30を取り外してもその吸着状態を維
持するようにしてある。
【0022】続け、作業者は、吸引棒29の内圧を低下
させた状態のまま縮径具30,30を取り外し、縮径状
態の加圧筒体21を内筒24の内側に挿入する。その後
に、作業者は、吸引棒29の内部29aへ空気を入れて
吸着を解除することにより、図3に示すように、加圧筒
体21に貯えられている弾性力で加圧筒体21を拡径膨
張させ、内筒24の内周面の加圧液体案内面22aに加
圧筒体21の外周面21aを圧着さる。これにより、内
筒24は、加圧筒体21を締まりばめ状態で外嵌する。
【0023】更に続けて、作業者は、吸引棒29を除去
すると共に、上下の薄肉筒状のシール板28,28を外
側へ折り返することにより、内筒24の上下の開口周縁
部で形成した各環状シール部22eに各シール板28を
嵌着させる。
【0024】最後に、作業者は、加圧筒体21と一体化
した内筒24を、図1に示すように、外筒23の内側に
挿入すると共に、外筒23の上下端に蓋体25,25を
螺着し、各蓋体25と内筒24の端面とでシール板28
を液密状態に挟圧し、加圧具12の組立を完了する。
【0025】次に、粉体加圧成形装置11の使用手順及
び動作を説明する。先ず、図1に示す如く、粉体加圧成
形を行う作業者は、粉体充填空間14内に粉体Pを充填
した被加圧具13を準備する。被加圧具13は、加圧具
12内に挿入され、加圧具12に螺着された上下の緊締
具33,33により所定位置に保持される。次に、作業
者は、粉体Pを初期加圧して、粉体P中の空気を抜く。
すなわち、初期加圧は、加圧液体供給装置(図示略)か
ら供給された低圧(例えば、ゲージ圧で1Kg/cm2
未満)の加圧液体L(例えば、油,グリセリン,ほう酸
水等)を、外筒23の液体給排口23a,23aを介し
て圧力室27に流入させて行う。圧力室27内の加圧液
体Lは、保持ケース22の加圧液体案内面22aに圧着
している加圧筒体21の外周面21aの圧着力に抗し
て、保持ケース22の加圧液体供給口22cから流出
し、加圧筒体21の初期加圧領域21bと保持ケース2
2の加圧液体案内面22aとの境界部に入る。なお、内
筒24の上下寄りに形成された液体給排口22d,22
dは、加圧筒体21の部分で強固に閉塞されているた
め、加圧液体Lを加圧筒体21に向かつて流出さること
はない。
【0026】初期加圧領域21bに向かつて流出した加
圧液体Lは、図4に示す如く、初期加圧領域21bを内
側に膨張変形させて加圧筒体21及び被加圧具13のモ
ールド15を縮径させる。縮径する領域は、加圧液体L
の供給総量の増大に伴い、初期加圧領域21bから加圧
筒体21と保持ケース22との境界の両端部へ向かつて
連続的に拡大していく。この縮径の連続的な拡大に伴
い、粉体充填空間14内の粉体Pは、初期加圧領域21
bと対向する粉体充填空間14内の領域から空間両端部
に向かつて連続的に加圧され(同図中に加圧途中を示す
二点鎖線D参照)、粉体P中の空気が空間両端部に向か
つて絞り寄せられ、芯金18と各ナツト19との螺合隙
間から外部へ排出される。その結果、初期加圧された粉
体Pは、成形品を破損に至らしめる圧縮空気が残留する
ことはなく、粉体充填空間14の長手方向の全域に亘つ
て肉厚みが均一となるように加圧される。
【0027】続けて、作業者は、初期加圧された粉体P
に対して高圧加圧を行い成形品を得る。すなわち、高圧
加圧は、加圧筒体21の外周面21aの加圧域全面と保
持ケース22の加圧液体案内面22aとの間に供給され
た加圧液体Lを、更に所定の最終圧力(例えば、50〜
5,000Kg/cm2 )まで昇圧させ、粉体充填空間
14の長手方向の全域に亘つて粉体Pを同時に加圧する
ことで行う(同図中に二点鎖線Eで示す状態)。圧力室
27内の加圧液体Lは、所定時間の高圧加圧成形が経過
したならば減圧される。
【0028】最後に、作業者は、加圧液体Lを減圧する
等して脱型を行う。弾性で且つ可撓性のモールド15及
び加圧筒体21は、加圧液体Lの減圧に伴い、自己の弾
性力により元のモールド内径の状態に拡径して自然復帰
する。この加圧筒体21の自然復帰は、従来の粉体加圧
成形装置1に比べて1/4と大幅に短縮され、例えば、
従来180秒を必要としたものが45秒となる。被加圧
具13は、保持ケース22に螺着した一方の緊締具33
を取り外した後、保持ケース22から抜き出される。被
加圧具13は、上下のナツト19,19及び蓋体16,
16が取り外され、成形品(図示略)と芯金18とモー
ルド15とに分離される。
【0029】粉体加圧成形装置11は、連続的に行われ
る初期加圧により、粉体充填空間14の長手方向の全域
に亘つて肉厚みが均一となるように粉体Pを加圧するた
め、肉厚みの均一な成形品を得ることができる。更に、
粉体加圧成形装置11は、低圧の加圧液体Lで初期加圧
を達成できるため、空気を多量に含む流動性のよい微粒
子粉体を粉体充填空間14に充填することが可能とな
る。これに対して、従来の粉体加圧成形装置1では、初
期加圧が高圧であるため、微粒子粉体を用いることがで
きず、粉体として粒状に加工した高価なものを用いる必
要があつた。
【0030】図5は、別態様の粉体加圧成形装置41を
示す縦断面図であり、上半分が最終加圧の状態を示し、
下半分が加圧していない状態を示している。粉体加圧成
形装置41が前記粉体加圧成形装置11と大きく異なる
所は、保持ケース22を一重構造で構成し、保持ケース
22の外周面に加圧液体供給口22cを開口すると共
に、保持ケース22の両端寄りに開設した加圧液体給排
口22d,22dに通じるように、各蓋体25に液体給
排口25aを開設した点である。
【0031】なお、粉体加圧成形装置41は、前記粉体
加圧成形装置11と同様に、保持ケース22の両端に形
成した環状シール部22e,22eに、加圧筒体21の
開口両端部の夫々から延設した可撓性の薄肉筒状のシー
ル板28を折り返すようにして嵌着し、保持ケース22
に嵌着した蓋体25とシール部22eとでシール板28
を液密に挟圧してある。
【0032】各液体給排口25aには、各制御弁43に
作動圧力をP1 (例えば、P1 はゲージ圧で1Kg/c
2 未満)、P2 (例えば、P2 は10〜50Kg/c
2)又はP3 (例えば、P3 は50〜250Kg/c
2 )に設定できる流量調節弁44を備えた加圧液体リ
リーフ用制御具42を接続してある。各制御弁43は、
開弁状態と閉弁状態とに切り換えられるようになつてい
る。
【0033】粉体加圧成形装置41は、粉体充填空間1
4に粉体Pを充填した後に、初期加圧と最終加圧との間
に中間加圧を設定できる。初期加圧は、作動圧力をP1
の制御弁43,43を開弁状態にし、加圧流体Lが該制
御弁43,43を通過している状態を5秒程度保持す
る。中間加圧の第1段階は、作動圧力をP1 の制御弁4
3,43を閉弁状態にすると同時に作動圧力をP2 の制
御弁43,43を開弁状態にし、加圧流体Lが該制御弁
43,43を通過している状態を5秒程度保持する。中
間加圧の第2段階は、作動圧力をP2 の制御弁43,4
3を閉弁状態にすると同時に作動圧力をP3 の制御弁4
3,43を開弁状態にし、加圧流体Lが該制御弁43,
43を通過している状態を5秒程度保持する。
【0034】粉体加圧成形装置41は、初期加圧及び段
階的な中間加圧が終了したならば、作動圧力をP3 の制
御弁43,43を閉弁状態にし、加圧液体供給口22c
に供給する加圧液体Lを、更に所定の最終圧力(例え
ば、500〜5,000Kg/cm2 )まで昇圧し、粉
体充填空間14の長手方向の全域に亘つて粉体Pを同時
に加圧して成形する。最終加圧が終了したならば、前記
同様に脱型して成形品を得る。
【0035】
【0036】
【発明の効果】 請求項記載の本発明は、加圧筒体を保
持ケースで外嵌するときの作業が、加圧筒体の減圧及び
減圧解除で容易に行うことができるため、粉体加圧成形
装置の組立を低コストにできる優れた効果を有する。請
求項記載の本発明は、保持ケースに対する加圧筒体の
両端のシール作業を容易にするため、粉体加圧成形装置
の組立を低コストにできる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉体加圧成形装置の組立方法で得
られた粉体加圧成形装置の実施の形態を示すものであ
り、(A)は縦断面、(B)は横断面図である。
【図2】本発明に係る粉体加圧成形装置の組立方法の実
施の形態を示すものであり、保持ケースの内筒へ加圧筒
体を挿入している途中の状態を示す縦断面である。
【図3】同実施の形態を示すものであり、吸引棒を引き
抜いている途中を示す縦断面である。
【図4】粉体加圧成形装置の加圧成形の途中を示す縦断
面である。
【図5】粉体加圧成形装置の実施の形態の別態様を示す
縦断面であり、上半分が最終加圧の状態を示し、下半分
が加圧していない状態を示している。
【図6】従来の粉体加圧成形装置を示すものであり、
(A)は縦断面、(B)は横断面図である。
【図7】(A)(B)は従来の粉体加圧成形装置を用い
た加圧成形の途中の要部を拡大した断面図である。
【符号の説明】
14…粉体充填空間、21…加圧筒体、21a…外周
面、21b…初期加圧領域、22…保持ケース、22a
…加圧液体案内面、22c…加圧液体供給口、22e…
環状シール部、25…蓋体、28…シール板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−157799(JP,A) 特公 平8−316(JP,B2) 特公 平7−80068(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B03B 11/00 B03B 5/02 B22F 3/04 B28B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸長の長い粉体充填空間を内側に形成し
    た弾性で且つ可撓性の加圧筒体と、加圧筒体を締まりば
    め状態で外嵌すると共に外嵌する内面を加圧液体案内面
    とする保持ケースと、加圧筒体の初期加圧領域と対向す
    る加圧液体案内面の部位に開設した加圧液体供給口とを
    備えた粉体加圧成形装置の組立方法において、前記加圧
    筒体の両開口端部を気密に閉じつつ加圧筒体の内側を減
    圧することにより加圧筒体を縮径させ、この状態で加圧
    筒体を保持ケースで外嵌し、その後に加圧筒体の減圧を
    解除して前記加圧液体案内面に加圧筒体の外周面を圧着
    させることを特徴とする粉体加圧成形装置の組立方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧筒体は、その開口両端部の夫々
    から可撓性の薄肉筒状のシール板を延設したものを用
    い、前記加圧液体案内面に加圧筒体の外周面を圧着させ
    後に、該シール板を折り返することにより、前記保持ケ
    ースの環状のシール部にシール板を嵌着させる請求項
    記載の粉体加圧成形装置の組立方法。
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