JP3240390U7 - 便器装置 - Google Patents

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本考案は、便器装置に関するものである。
男性が洋式便器装置を使用するとき、立った状態で排尿すると尿が周囲に飛び散り、便器装置周辺を汚してしまうことがある。そのため、便器装置周囲を衛生的に保つように、男性が便器装置に着座して排尿することがある。
しかし、便器装置には便器周縁部と便座部との間に隙間があり、男性が便器装置に着座して排尿するとき、この隙間を介して尿が漏出され、便器装置周囲や衣類を汚してしまうことがあった。
また、便器装置の形状には様々なタイプがあり、普段と同じ姿勢で排尿しても、異なる形状をした便器装置に着座すると尿道口が隙間近傍となることもあり、意図せず尿が漏出されることがあった。
この改善策として、特許文献1のような、便器と便器本体との間に取り外し自在な便座ガードカバーが取り付けられ、便器と便器本体との間から尿の漏出を防ぐ便器装置があった。
また、特許文献2及び3のような、便座の開口された先端より少し内側に入った裏面や先端に、便器から垂れ下がった壁によって排尿を便器内に垂れ流す便器装置があった。
実用新案登録第3191931号公報 特開2011-125646号公報 特開2011-125645号公報
しかし、特許文献1乃至3の便器装置は、いずれも尿が当たるガード又は壁が便座から真下に延びており、尿が使用者に跳ね返るおそれがある。また、これらガード又は壁は、男性が便器装置を使用するに際して要する部材であり、女性の使用者にとっては、異物感を抱かせ、汚れている部位が使用者のすぐ近くに配されることから、性別によって使用感が異なるという問題があった。
そこで、本考案は、使用者への尿の跳ね返りを減少させ、性別によって使用感が異なることのない便器装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の考案にあっては、便器本体の周縁に設けられる便器周縁部と、前記便器周縁部の上方に、前記便器周縁部と隙間を介して配される便座部と、前記便座部の内側周端部に設けられ、前記便器周縁部の内側端部よりも所定の長さが内側に突出する内側突出部と、前記内側突出部の先端下面に設けられ、前記便器周縁部側に傾斜して形成され、少なくとも前記隙間の位置より下方まで伸びる壁部と、を備え、更に前記壁部の先端部は、着座した使用者から死角となり、かつ前記便器周縁部と接触する位置まで伸びることを特徴としている。
請求項2に記載の考案にあっては、請求項1に記載の便器装置であって、前記内側突出部と前記壁部との傾斜角度は、30度~76度であることを特徴としている。
請求項3に記載の考案にあっては、請求項1に記載の便器装置であって、前記内側突出部の所定の長さは5mm~10mmであり、前記便座部の前記内側突出部は前記便座部の内側周方向に沿って、前記便座の開口中心を基点とし前記便座部の後方から前方へ向かう線を中心線として左右20度ずつにわたって設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の考案にあっては、請求項1又は2に記載の便器装置であって、前記壁部は、前記内側突出部の先端下面に、係止用部材にて着脱式に設けられることを特徴としている。
本考案の便器装置は、使用者への尿の跳ね返りを減少させ、性別による使用感の差をなくすことができる。
本考案の第一実施形態に係る便座装置の斜視図である。 本考案の第一実施形態に係る壁部を示した図1のII―II断面図である。 本考案の第一実施形態に係る便座を示した平面図である。 本考案の第二実施形態に係る壁部を示した図1のII―II断面図である。 本考案の第三実施形態に係る壁部を示した図1のII―II断面図である。 本考案の第四実施形態に係る壁部を示した図1のII―II断面図である。 本考案の第五実施形態に係る壁部を示した図1のII―II断面図である。
以下、本考案の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下、便宜上、使用者が便座に着座した時の背面側を後方、正面側を前方、使用者の上側を上方、下側を下方、左側を左、右側を右とする。
(第一実施形態)
図1は、実施形態に係る便座を備えた便器装置を模式的に表す斜視図である。
図1に表すように、便器装置1は、便器本体2と、便器本体2に回動自在に取り付けられた便座3、その他便器蓋、タンクとを備える。
便器本体2は、上方に開口するボウル部4が形成され、ボウル部4の外縁を囲むように便器周縁部5が設けられている。
便座3は、前方に倒した状態において便器周縁部5の上方に配置される。使用者は、便座3に着座した状態でボウル部4に尿の排泄を行う。
図2は、図1のII―II断面図であり、便器周縁部5、便座3、壁部6の位置関係を示している。
便座3の前方端部は、便器周縁部5の上端部と上下方向に隙間aを介し、その上方に配されている。従来は、この隙間aから尿が漏出することがあった。
便座3の内側(後方)周端部には、所定の長さAを有する内側(後方)に突出する内側突出部7が設けられている。内側突出部7は、少なくとも便器周縁部5の上面内側端部より後方に突出している。
内側突出部7の後方先端部の下面11には、下方に便器周縁部5側に角度θで傾斜する壁部6が設けられている。これにより、隙間aに向かう尿を壁部6により便器内(下方)へ誘導することができる。また、傾斜角度θを設けていることにより飛沫が下方に向けて生じるため、使用者にかかることを避けることができる。
また、壁部6が内側突出部7の後方先端部に設けられているため、壁部6と内側突出部7とに段差がなく、これらを同時に清掃することもでき、清掃が容易になる。
さらに、壁部6は、内側突出部7と一体形成であってもよいし、別体であってもよい。壁部6と内側突出部7とが一体形成の場合には、着脱の手間が省かれ、着脱可能であった場合に必要とされる置き場所が不要となる。
所定の長さAは、便器周縁部5の後方端部より後方へ突出していればよいが、より好ましくは5mm~10mmである。
所定の長さAが10mmを超えると、壁部6の傾斜角度θが小さくなるため、壁部6によって排尿を便器周縁部5へ誘導する効果が小さく、さらに内側突出部7が尿道口に接近することになり飛沫を発生させるおそれが生じる。また、所定の長さAが5mmよりも小さいと、壁部6の傾斜角度θが大きくなるため、壁部6が直立に近づき、尿の飛沫低減の効果の低下することになる。よって、所定の長さAが5mm~10mmの場合、尿の跳ね返りをより減少させることができる。
傾斜角度θは、内側突出部7となす角度が90度未満であればよいが、より好ましくは30度~76度である。傾斜角度θが30度未満の場合には、壁部6によって排尿を便器周縁部5へ誘導する効果が小さく、さらに内側突出部7が尿道口に接近することになり飛沫を発生させるおそれが生じる。また、傾斜角度θが76度より大きい場合には、壁部6が直立に近づき、尿の飛沫低減の効果が低下する。
壁部6の先端部と内側突出部7との距離を示す壁部6の高さBは、壁部6の先端部が隙間aよりも下方に位置する長さであればよいが、より好ましくは20mm以下である。高さBが20mmであり、長さAが5mmのとき、傾斜角度θが76度となり、すなわち、高さBが20mmを超えると壁部6と内側突出部7のなす角度が90度近くなり、尿の飛沫低減の効果が低下する。よって、壁部6が20mm以下の場合、尿の跳ね返りをより減少させることができる。
さらに、壁部6は、着座した使用者から見たとき、使用者から死角となる位置及び長さに設けられている。このため、女性の使用者であっても、異物感を抱かせることなく、性別によって使用感が異なることがない。
また、壁部6の先端は、便器周縁部5とは隙間bを有し接触しない。これにより、便座3の上げ下げ時に、壁部6の先端によって便器周縁部5を傷つけることを回避することができる。
壁部6の先端形状は、四角形状や多角形状でもよいが、壁部6の下方に延びる方向の断面が円又は楕円であるのがより好ましい。これにより、壁部6の先端によって便器周縁部5を傷つけることをより顕著に回避することができる。
図3は、壁部6及び内側突出部7が設けられた便座3の平面図である。内側突出部7は、排尿時に尿が隙間aから漏出するのを防ぐことができる範囲に設けられていればよいが、便座3の内側周方向に沿って、便座3の開口中心を基点とし便座3の後方から前方へ向かう線を中心線として左右20度ずつにわたって設けられるのがより好ましい。これにより、より確実に尿の漏出を防止することができる。
内側突出部7の周方向両端部は、図3(a)に示すように、壁部6を備える部分だけを設ける構成でもよい。また、図3(b)に示すように、平面視において周方向両端部に角部と設けないで緩やかに接続される形状とすることで、 内側突出部7を目立させない構成としてもよい。
壁部6のボウル部4側の面は平面状とすることで、凹凸のある面よりも表面積を小さくして付着する尿量を抑え、清掃時に拭き取りやすくすることができる。また、壁部6の表面は、抗菌コートや撥水コートなどの表面処理を施すことがより好ましい。
(第二実施形態)
図4(a)(b)に示すように、壁部106の先端部は、便器周縁部105と接触している。壁部106の先端と便器周縁部105とが接触することで、壁部106に付着する尿は重力により壁部106表面をつたって下端に移動し、便器周縁部105との毛細管現象により便器103下方へ流れる。このため、壁部106に付着した尿量を減少させることができるため、壁部106を清潔に保つことができ、ふき取り清掃も容易になる。また、図4(a)は、尿が壁部106表面を伝って下端に移動している状態を示し,図4(b)は、尿が壁部106の下端に達し毛細管現象により内側突出部7に移動している状態を示している。また、壁部106は便器周縁部105と継続的に接触していることが好ましいが、断続的に接触していても良い。
(第三実施形態)
図5に示すように、壁部206は、断面形状が三角形であり、前方の壁部206の面が便器周縁部205と接触している。これにより、壁部206によって隙間aを塞いで尿漏れを防ぐのと同時に、便器周縁部205と接触させることによって便座203を固定しズレ防止を図ることができる。
(第四実施形態)
図6(a)(b)に示すように、壁部306は、内側突出部307に後付けで固着可能な固着部8を備える。固着部308の表面には、両面テープなどの粘着テープが貼り付けられている。固着手段は、粘着テープに限られず、後付けで固着可能な接着手段であればよい。図6(a)は、固着部308が内側突出部307に固着された状態を示し、図6(b)は、固着部308が内側突出部307に固着される前の状態を示している。
壁部306の素材は、樹脂のほか、シリコン、ゴムなどの弾性部材などでもよい。また、壁部306を取り付けるときには、便座303を上げた状態で、内側突出部307に貼り付ける。これにより、通常の壁部306が設けられていない便器装置に対しても、必要時に壁部306を備えることができる。
(第五実施形態)
図7に示すように、内側突出部407と壁部406の接着部分に面ファスナー又はメカニカルファスナーなどの係止用部材を備え、壁部406を内側突出部407から着脱自在にしている。これにより、壁部406の角度を変更でき、壁部406が汚れた場合には取り外して清掃や交換をすることができる。
壁部406の素材は、樹脂のほか、シリコン、ゴムなどの弾性部材などでもよい。また、壁部406を取り付けるときには、便座403を上げた状態で、内側突出部407に貼り付ける。内側突出部407と壁部406とを一体形成した場合や内側突出部407と壁部406とを固着式にした場合よりも位置決めの修正が容易であり、壁部406の変更・交換も容易に行うことができる。また、便座403の裏側に位置決めマークを施して壁部406を誘致することがより好ましい。
1 便器装置
2 便器本体
3 便座
4 ボウル部
5 便器周縁部
6 壁部
7 内側突出部
11 内側突出部の後方先端部の下面

Claims (4)

  1. 便器本体の周縁に設けられる便器周縁部と、
    前記便器周縁部の上方に、前記便器周縁部と隙間を介して配される便座部と、
    前記便座部の内側周端部に設けられ、前記便器周縁部の内側端部よりも所定の長さが内側に突出する内側突出部と、
    前記内側突出部の先端下面に設けられ、前記便器周縁部側に傾斜して形成され、少なくとも前記隙間の位置より下方まで伸びる壁部と、
    を備え、更に前記壁部の先端部は、着座した使用者から死角となり、かつ前記便器周縁部と接触する位置まで伸びる、ことを特徴とする便器装置。
  2. 前記内側突出部と前記壁部との傾斜角度は、30度~76度であることを特徴とする請求項1記載の便器装置。
  3. 前記内側突出部の所定の長さは5mm~10mmであり、前記便座部の前記内側突出部は前記便座部の内側周方向に沿って、前記便座の開口中心を基点とし前記便座部の後方から前方へ向かう線を中心線として左右20度ずつにわたって設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の便器装置。
  4. 前記壁部は、前記内側突出部の先端下面に、係止用部材にて着脱式に設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の便器装置。
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