JP3240028B2 - 植物栽培用培養土 - Google Patents

植物栽培用培養土

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JP3240028B2 JP06672094A JP6672094A JP3240028B2 JP 3240028 B2 JP3240028 B2 JP 3240028B2 JP 06672094 A JP06672094 A JP 06672094A JP 6672094 A JP6672094 A JP 6672094A JP 3240028 B2 JP3240028 B2 JP 3240028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畑地(果樹栽培用を含
む。)、水田、ハウス土壌、育苗用培土、鉢土又はベッ
ド栽培用培土等に好適に用いられる植物栽培用培養土に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物等の植物を栽培するための
培養土としては、腐葉土或いはこの腐葉土に天然の土壌
を混合したものが主として用いられているが、保水性が
悪く、植物の育成に際し、頻繁に水を与えなければなら
ず、大変煩わしいものであった。
【0003】そこで、最近では以下のものが提案されて
いる。 粉末粘土と吸水性合成樹脂との混合体より成る顆粒
状培養土が提案されている(特開昭63ー279724
号公報)。
【0004】又、 完熟堆肥又はビートモス腐植酸質
資材の微粉末と、永久陰電荷を有するアルミノ硅酸塩鉱
物の微粉末とを主成分とし、これらに粘土質資材の微粉
末、及びモンモリロナイト、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、リグニンのいずれかからな
るバインダーとを加え、混練、造粒してなる作物栽培用
用土が提案されている(特開昭62ー79714号公
報)。
【0005】更に、 スギ及び/又はヒノキの皮層の
細切物に界面活性剤を添加した人工培土が提案されてい
る(特開平3ー139215号公報)。そして、この場
合、この人工培土に、更に多孔体粒子、バーミキュライ
ト又は保水材を加えることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のものは、粉末粘土を主成分とし、これに吸水性合成樹
脂を混合したものであるが、これでは植物の成長に必要
な養分が不足し、施肥が必要になる。
【0007】この場合、窒素、りん、カリウム、カルシ
ウム又はマグネシウム等の多量養分元素、又は塩素、ホ
ウ素、鉄、マンガン、亜鉛又は銅等の微量養分元素のバ
ランスを配慮するだけでなく、養分過剰に伴う濃度過剰
症にも配慮する必要があった。
【0008】又、このように粉末粘土と吸水性合成樹脂
からなる培養土の場合、植物の成育に際し、施水と自然
乾燥が繰り返されることによって、培養土が硬化し、こ
の結果、根の成長を妨げたり、水の浸透を悪くし、必ず
しも、植物の栽培に適しているとはいえないのである。
【0009】特に、最近では、大都市において、粉末粘
土の入手が困難となり、粉末粘土の価格が高騰し、至極
不経済である。
【0010】上記のものは、完熟堆肥を用いるもので
あるが、この完熟堆肥についての具体的な記載はない
が、その全体の記載より、敷料又は糞尿に、オガ屑やモ
ミ殻などを加えた通常の資材を完熟堆肥したものと解さ
れる。
【0011】このような完熟堆肥は植物の成育に好まし
いものであるが、このような通常の資材の完熟には長時
間を要し、至極不経済である上、大量に製造すると、周
囲に悪臭を放散し、都市圏での製造が困難であった。
【0012】又、ビートモス腐植酸質資材の微粉末は水
ごけ泥炭を乾燥、粉砕したものであるが、そのままでは
強酸性なので、使用に際し、石灰を加えて中和する必要
があり、石灰を加え過ぎてアルカリ性が強くなると植物
の成長に悪影響を与えるので、この中和には相当の注意
を要するのである。
【0013】上記のものはスギ及び/又はヒノキの皮
層の細切物を主成分とするものであり、このスギ及び/
又はヒノキの皮層の細切物は繊維が絡み合っているの
で、植物の根の成長を妨げるのである。
【0014】又、スギ及び/又はヒノキの皮層の細切物
を主成分とするものは植物の成長に必要な養分が不足
し、施肥が必要になるので、上記の場合と同様の課題
がある。
【0015】最近、日増しに伝えられる、合成医薬品に
よる薬害や副作用によって、薬用の植物、動物又は鉱物
などの自然物から得られる漢方薬や民間薬が、いわゆる
薬害や副作用の無い薬として、漢方薬や民間薬が見直さ
れ、その関心が高まっている。
【0016】生薬とは、薬用に供する目的をもって、植
物、動物、鉱物などの自然物の一部を乾燥し、又は、簡
単な加工をしたもの(全形生薬)、これを粗切、中切又
は細切したもの(切断生薬)、全形生薬又は切断生薬を
粗末、中末、細末又は微末としたもの(粉末生薬)及び
細胞内容物、分泌物又はそれらの抽出物などがある。生
薬には、大きく分けると西洋生薬と和漢生薬に分類され
る。
【0017】ところで、薬用に供する目的をもって、植
物、動物又は鉱物などの天然物の全部或いは一部、或い
は動植物の成長したもの、更にこれらの乾燥物や細片物
を、水又は温水或いはエチルアルコール、アセトン、エ
ーテル、アセトン変性エチルアルコール又は酢酸エチル
等の有機溶剤に浸し、更に、この有機溶剤に酸又はアル
カリを加えたものに浸して薬効成分を抽出し、この薬効
成分を抽出した後に多量の残滓が発生する。
【0018】又、 薬用に供する目的をもって、植
物、動物又は鉱物などの天然物の全部或いは一部、或い
は動植物の成長したもの、更にこれらの乾燥物や細片物
から薬効成分を搾り出した残滓、或いは植物、動物又は
鉱物などの天然物の全部或いは一部、或いは動植物の成
長したもの、更にこれらの乾燥物や細片物を抽出剤に浸
し、これから薬効成分を搾り出した残滓が多量に発生す
る。
【0019】ところが、これらの残滓は産業廃棄物とし
て処理されているが、この残滓には植物の成長に必要な
多量の有効成分が残留しているほか、通常植物を堆肥す
るのに比較して、堆肥時間が短いだけでなく、植物の成
長に必要な多量養分元素及び微量養分元素のバランスが
良く、且つ保水性が良好で、植物の成長を促進すること
に着目して長年にわたって植物栽培用培養土について検
討を重ねてきた。
【0020】本発明者は、その結果、農産物等の収穫量
が大幅に増大する上、品質の優れた農産物が得られるだ
けでなく、従来、産業廃棄物として処分していた薬用の
植物、動物又は鉱物などの自然物から生薬を抽出及び/
又は搾り出した残滓を有効に利用できる上、堆肥の製造
の際、周囲に殆ど悪臭が発生することがないので都市圏
でも堆肥の製造が可能であり、しかも安価に植物栽培用
培養土を製造できるとの知見を得、平成5年2月18日
付けで特許出願(出願番号 特願平5ー54859号、名
称 植物栽培用培養土)を行った。
【0021】本発明者は、更に、薬用植物を用いた植物
栽培用培養土について鋭意、検討を重ねた結果、薬用の
植物、動物又は鉱物などの自然物から生薬を抽出及び/
又は搾り出した残滓に代えて、植物栽培用の培養基材に
薬用植物を少量配合したものを用いても優れた植物栽培
用培養土が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至ったものである。
【0022】即ち、本発明は、上記技術的課題を解決す
るために完成されたものであって、植物栽培用の培養基
材に薬用植物を配合することにより、薬用植物が含有し
ている成分を植物に吸収させたり、植物の成長を促進し
て、収穫量の増大、及び品質の優れた農産物が得られる
植物栽培用培養土を提供することを目的とする。
【0023】又、本発明は、植物栽培用の培養基材に発
熱性物質を混合することにより、培養土の温度を上昇さ
せて、当該培養土を畑地、ハウス土壌又は育苗用培土と
して施し易くしたり、培養土を鉢やプランタンに充填、
投与し易くしたり、園芸用培土、ベッド栽培用培土又は
花壇用培土等として好適に用いられる植物栽培用培養土
を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の植物栽培用培養
土は、上記目的を達成するために、植物栽培用の培養基
材と薬用植物からなる植物栽培用培養土であって、前記
植物栽培用培養土には更に空気又は水との接触により発
熱する発熱性物質から選ばれた少なくとも1種が配合さ
れてなることを特徴とするものである。
【0025】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の植物栽培用培養土は、植物栽培用の培養基材と薬用
植物の混合培土からなるものであるが、この植物栽培用
の培養基材(A)と薬用植物(B)の混合割合は、用いられ
る培養基材と薬用植物によっても異なるが、一般に、混
合培土(A+B)全体に対し、(B)が0.15〜10重量
%の範囲とするのが望ましい。
【0026】本発明の植物栽培用培養土において、混合
培土(A+B)全体に対し、(B)が0.15重量%未満と
少なすぎると植物栽培用培養土の温度上昇が不充分にな
る虞れがあり、つまり(B)を混合する意味がないのであ
り、一方、10重量%を超えると植物に与える影響が強
すぎて枯らす等、植物に悪影響を与える虞れが発生する
うえ、コスト高になるから望ましくなく、従って、これ
らの観点より、特に0.5〜5重量%の範囲とするのが
望ましい。
【0027】本発明において、植物栽培用の培養基材と
しては植物を栽培するための母材となるものであれば特
に限定されるものではない。
【0028】この植物栽培用の培養基材の好ましい具体
例としては土壌、腐植、堆肥資材又はコンポストから選
ばれた少なくとも1種からなるものが挙げられる。
【0029】つまり、本発明で用いられる植物栽培用の
培養基材としては、培養基材が(1)土壌のみからなる
もの、(2)腐植のみからなるもの、(3)堆肥資材か
らなるもの又は(4)コンポストのみからなるもの、或
いはこの(1)〜(4)の任意の組み合わせからなるも
のの他、更に(5)これらに、後述する成分を配合させ
たものが挙げられるが、これらのうち、土壌を20〜6
0重量%、特に30〜50重量%を含む培養基材が、製
造コスト、栄養のバランス、栄養素の固定化及び培養基
材の安定性等の観点から有益である。
【0030】しかしながら、植物栽培用の培養基材とし
ては植物を栽培するための母材となるものであれば、特
に厳格な条件が要求されるものではない。
【0031】上記土壌としては天然土壌及び/又は人工
土壌が挙げられる。この天然土壌としては自然界に存在
する土壌であれば特に限定されるものではないが、具体
的には、例えば砂丘未熟土、黒ボク土、多湿黒ボク土、
褐色森林土、褐色台地土、グライ台地土、赤色土、黄色
土、褐色低地土、灰色低地土、グライ土、黒泥土又は泥
炭土等の農耕地土壌、或いは鹿沼土、まつち又はあらだ
き等の特殊土壌、粘土の粉粒体、埴土、植壌土、砂壌土
或いは腐植土等が挙げられるのであり、これらは単独或
いは2以上を混合したものが挙げられる。
【0032】又、人工土壌としては天然資材を人工的に
加工して形成した培土、或いは人工資材で形成した培土
であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例
えば公知のものが挙げられる。
【0033】本発明で用いられる腐植としては、粗腐植
やムルなどの陸成腐植、泥炭や黒泥などの半陸成腐植
は腐泥等の水成腐植が挙げられる。
【0034】本発明において、堆肥資材としては普通堆
肥(水積み堆肥)、速成堆肥又は特殊堆肥が挙げられる。
【0035】堆肥は稲わら、麦わら、落葉、野草などの
有機物を堆積腐熟させたものの総称であるが、この堆肥
において、普通堆肥(水積み堆肥)は窒素成分を添加せず
に堆積したものであり、速成堆肥は堆積物の発酵を早め
るために、硫安、石灰窒素、下肥などを添加したもので
あり、特殊堆肥は養分以外に特殊な微生物を堆積物に添
加して発酵させたものである。
【0036】本発明で用いられるコンポストとしては汚
泥コンポスト、都市ごみコンポスト又は製紙スラッジコ
ンポストが挙げられる。
【0037】本発明の植物栽培用培養土においては、バ
ーク堆肥及び/又はピートモスなどの資材(C)を配合し
てなるものも有益である。
【0038】このバーク堆肥とは、広葉樹或いは針葉樹
の樹皮の細片物に、鶏ふんや尿素などの窒素源を加え、
長期間発酵腐熟させたものであり、樹種や添加物の種類
や量、堆積期間などによって種々のものが挙げられる。
【0039】又、ピートモスとは水ごけ泥炭(草炭)を
水洗いし乾燥、粉砕したものであるが、そのままでは、
強酸性なので、本発明においては、消石灰を用いて中和
されたものが配合される。
【0040】これらの資材(C)の配合割合は特に限定さ
れるものではないが、一般に、植物栽培用の培養基材全
体に対し、(C)が3〜35重量%、特に5〜15重量%
の範囲とするのが望ましく、(C)の配合割合が3重量%
未満では効果が乏しく加える意味がなく、一方、35重
量%を超えると他の成分とのバランスが悪くなるので好
ましくない。
【0041】本発明の植物栽培用培養土においては、所
望により、粘土粉末、遠赤外線放射性資材、イナわら、
ムギわら、籾殻、米糠、保水材、キレート化合物、魚カ
ス、油カス、製造カス、おが屑、籾殻、樹皮細片物、鶏
糞、馬糞又は骨粉から選ばれた少なくとも1種の資材
(D)が配合されてもよいのである。
【0042】この場合、これらの資材(D)は、一般に、
堆肥資材に配合されるが、この場合、堆肥資材を製造す
る際、その原料にそのまま配合して堆肥を製造しても良
く、或いは堆肥資材にそのまま配合しても良く、更に、
資材(D)を堆積、腐熟させた後、堆肥資材に配合しても
良く、これは、用いる用途、成育する植物、更に使用さ
れる時期によって適宜、選択決定すれば良いのである。
【0043】そして、これらの資材(D)の配合割合は、
堆肥資材に対し、(D)が0.5〜30重量%、特に2〜
20重量%の範囲とするのが望ましく、(D)の配合割合
が0.5重量%未満では効果が乏しく加える意味がな
く、一方、30重量%を超えると植物の成育に必要な栄
養のバランスが悪くなるだけでなく、保水性が低下する
場合があるなどの理由より、好ましくない。
【0044】ところで、この資材(D)は常に堆肥資材と
共に用いられるものではなく、培養基材に、植物の成育
に必要な栄養のバランスを配慮しつつ配合しても良いの
である。
【0045】上記遠赤外線放射性セラミックとしては、
金属の酸化物や炭化物或は窒化物、更に炭酸塩等が挙げ
られるが、これらは単体として用いても良く、或いは複
合体として用いてもよいのである。上記金属としては、
Na、Mg、Al、Be、Fe、Y、Co、Cu、N
i、Si、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、T
a、Nb等が挙げられる。
【0046】この遠赤外線放射性セラミックの形状とし
ては特に限定されるものではないが、一般に、粉粒状、
塊状、球状又は楕円状等のものが挙げられる。
【0047】又、本発明で用いられる樹皮細片物として
は、広葉樹或いは針葉樹の樹皮の細片物が挙げられる。
【0048】更に、保水材としては有機質保水材及び/
又は無機質保水材が挙げられる。上記有機質保水材とし
ては、例えばデンプン・アクリル酸グラフト重合体、ポ
リアクリル酸塩系樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸塩共重
合体、アクリル酸メチル・酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリル酸架橋樹脂、ポリビニルアルコール・アクリルエ
ステル樹脂、アクリル酸ビニルアルコール系樹脂、イソ
ブチレン・無水マレイン酸共重合体、PVA・無水マレ
イン酸共重合体、デンプン・アクリロニトリルグラフト
重合体、ポリエチレンオキサイド系樹脂、デンプン・ア
クリル酸グラフト重合体、ポリアクリロニトリル加水分
解物、カルボキシメチルセルロース架橋物等が挙げられ
る。
【0049】上記無機質吸水剤としては特に限定される
ものではないが、例えばバーミキュライト、シリカ粉、
クレー、タルク、ベントナイト、パーライト又はゼオラ
イト等が挙げられる。
【0050】本発明で用いられるキレート化合物として
はキレート結合を発現するものであれば特に限定される
ものではないが、特にポリアミノカルボン酸類が無機質
栄養素を固定し、その流亡を防ぐので望ましい。
【0051】このポリアミノカルボン酸類の具体的な代
表例としては、エチレンジアミン四酢酸やそのカルシウ
ム塩、鉄塩、マグネシウム塩又はカリウム塩等の金属
塩、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二
酢酸、3,6−ジオキサ−1,6−オクタンジアミン四
酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン
三酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、
トリエチレンテトラミン六酢酸或いはそれらのカルシウ
ム塩、鉄塩、マグネシウム塩又はカリウム塩等の金属塩
が挙げられるのである。
【0052】本発明で用いられる油カスとしては植物の
種子から採油した残滓であり、具体的には、例えばヤシ
油カス、ツバキ油カス、大豆油カス又はナタネ油カス等
が挙げられる。
【0053】又、本発明で用いられる製造カスとして
は、食品の製造或いは醸造更に加工で生じる残滓が挙げ
られる。
【0054】本発明の植物栽培用培養土においては、上
述の培養基材に、更に繊維資材、パルプ又は陽イオン界
面活性剤、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面界面な
どの界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の資材
(E)を配合しても良いのである。
【0055】この場合、これらの資材(E)は、培養基材
を製造後、そのまま配合しても良く、或いは、培養基材
を製造する際、その原料と混合し、堆肥にしても良く、
これは、用いる用途、成育する植物、更に使用される季
節等によって適宜、選択決定すれば良いのであるが、通
常、堆肥にしたものが望ましい。
【0056】そして、これらの資材(E)の配合割合は、
培養基材に対し、(E)が0.5〜10重量%、特に1〜
5重量%の範囲とするのが望ましく、(E)の配合割合が
0.5重量%未満では効果が乏しく加える意味がなく、
一方、10重量%を超えると植物の成育に必要な栄養の
バランスが悪くなるだけでなく、保水性が低下する場合
があるなどの理由より、好ましくない。
【0057】本発明で用いられる繊維資材としては、天
然繊維又は人造繊維が挙げられるのであり、又、この天
然繊維には植物繊維、動物繊維又はロックウール又は石
綿等の鉱物繊維が挙げられる。
【0058】上記植物繊維や動物繊維の具体例として
は、例えば木綿、カポック、マニラ麻、サイザル麻、
絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又はカシミヤなど
が挙げられる。
【0059】又、人造繊維としては再生繊維、半合成繊
維又は合成繊維が挙げられるが、このうち、再生繊維と
しては、例えばビスコースレーヨン又は銅アンモニアレ
ーヨン等が挙げられるのであり、又、半合成繊維として
は、例えばアセテートが挙げられるのであり、更に、合
成繊維としては、例えばポリアミド系合成繊維、ポリエ
ステル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、
ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリ塩化ビニリデン系合成
繊維、アクリル系合成繊維、モダクリル系合成繊維、ポ
リオレフィン系合成繊維、フルオロカーボン系合成繊維
又はポリウレタン系合成繊維等が挙げられる。
【0060】本発明で用いられるパルプとしては特に限
定されるものではなく、具体的には、例えば古紙、紙
屑、パルプ残滓又はパルプ屑等が挙げられる。
【0061】ところで、上記界面活性剤は堆肥資材に親
水性を付与し、保水性を改善させるためのものである。
【0062】本発明の植物栽培用培養土においては、植
物の成長に必要な栄養素を含む肥効物質などの資材(F)
を配合してなるものも有益である。
【0063】本発明で用いられる肥効物質としては、肥
料取締法で定められている普通肥料や特殊肥料が挙げら
れる。
【0064】これらの資材(F)の配合割合は、培養基材
に対し、(F)が0.1〜10重量%、特に0.25〜7重
量%の範囲とするのが望ましく、(F)の配合割合が0.
1重量%未満では効果が乏しく加える意味がなく、一
方、10重量%を超えると他の成分とのバランスが悪く
なる上、植物の栽培にとって悪影響を与える虞れがある
から好ましくない。
【0065】本発明の植物栽培用培養土においては、土
壌改良資材(G)を、培養基材に対し、0.5〜15重量
%、特に1〜10重量%の範囲で配合しても良く、(G)
の配合割合が0.5重量%未満では効果が乏しく加える
意味がなく、一方、15重量%を超えると他の成分との
バランスが悪くなるので好ましくない。
【0066】この土壌改良資材(G)としては、泥炭、
草炭、亜炭或いは化石類等の植物物質、培養微生物、天
然鉱物、鉱滓、微粉炭燃焼灰、焼成岩石又は石膏などの
鉱物物質、合成化合物、りん鉱石又は石灰岩等が挙げら
れる。
【0067】本発明においては、上述の培養基材には薬
用植物(H)が配合されていることを特徴とする。この薬
用植物(H)は1種類でも良いが、多数の成分を栽培して
いる植物に吸収させるために2種以上とするのが望まし
い。
【0068】上記薬用植物(H)としては漢方薬或いは民
間薬を問わず薬用に供されるものであれば特に限定され
るものではなく、具体的には、以下のものが挙げられ
る。
【0069】薬用植物(H)をその利用状況より分類する
と以下のとおりである。即ち、(1)全草又は茎葉を用い
るものであり、具体的には、例えばドクダミ、ゲンノシ
ョウコ、クコ、ヨモギ、スイカズラ又はカキ等が挙げら
れる。
【0070】(2)花や蕾を用いるものであり、具体的
には、例えばスイカズラの花、ベニバナの花弁、リョウ
リギク、コブシの花蕾、オグルマの花又はチョウジの花
蕾等が挙げられる。
【0071】(3)種子、果実、果皮を用いるものであ
り、具体的には、例えばコショウの果実、ダイダイの果
実、キササゲの果実、オオバコの果実、オウゴン、ゴシ
ュユの果実、ミョウガの種子、タイソウ、アサクラザン
ショウの果実、ゴカヒ、チンピ、ショウキュウ、ジコッ
ピ、シソの種子、中国産ビンロウの果皮、ミカンの果
皮、ウイキョウの果実、サンショウの果実、クチナシの
果実、ウメ、トウガの種子又はキカラスウリの種子等が
挙げられる。
【0072】(4)根又は根茎を用いるものであり、具体
的には、例えばテッセン、テンダイ鳥薬の根、コガネバ
ナ、キキョウ、オウゴン、ダイオウ、カッコン、オウレ
ン、イトヒメハギ、クズ、キカラスウリ、ショウガ、カ
ンゾウ、シシウド、クララ、コマノハグサ、ミシマサイ
コ、ウスバサイシン、シオン、アカヤジオウ、シャクヤ
ク、オケラ、サラシナショウマ、ヤマイモ、センキュ
ウ、サルトリイバラ、チョウセンニンジン、オミナエ
シ、オキナグサ、ヨロイグサ、トリカブト、オオツヅラ
フシ、ボウフウ、タンポポ、ボタン、インド産キク科植
物、メハジキ、リンドウ、中国産コウリョウキョウ、ノ
ダケ、トチバニンジン、ハナスゲ、テンナンショウ、オ
ニノヤガラ、クサスギカズラ又はトウキ等が挙げられ
る。
【0073】(5)木部、樹皮を用いるものであり、具体
的には、例えばキハダ、オオバク、サクラ、ホウノキ、
インド産のマメ科植物シタン、東インド産の沈丁科植
物、熱帯産スオウ、トチュウ、クヌギ、ナラ、カシワ又
はアケビ等が挙げられる。
【0074】ところで、このように薬用植物は多種にわ
たており、しかも薬用植物の利用箇所が異なり、従っ
て、種々のものが得られるが、これらを混合して堆肥の
原料が得られる。
【0075】又、本発明者の実験結果によると、薬用植
物に偏りがあっても、これを堆肥にすると、植物の成育
には何等問題がないことが認められた。
【0076】本発明においては、薬用植物はそのままの
状態で培養基材に配合されても良いが、特に薬用植物が
粉砕して製造されたものが、培養基材に対する分散性が
良好になるので好ましく、又、薬用植物は必ずしも堆積
腐熟させる必要はないが、薬用植物が堆積腐熟させたも
のが植物の成長に即効性があるので望ましい。
【0077】本発明の植物栽培用培養土においては、上
記薬用植物(H)に、薬用の動物及び/又は鉱物(I)の粉
末を含有させたものも至極有益である。
【0078】このように構成することによって、多量養
分元素や微量養分元素が一層豊富になるだけでなく、植
物の成育に必要な他の栄養素も豊富になり、しかも植物
の成育に、即効性を発現するものと遅効性を発現するも
のの混合状態のものが一層得易いので有益である。
【0079】この場合、上記の(H)と(I)の配合割合
は、この(H)と(I)の全体に対し、(I)が1〜25重量
%、特に5〜15重量%の範囲とするのが望ましく、
(I)の配合割合が1重量%未満では効果が乏しく加える
意味がなく、一方、25重量%を超えると植物の成育に
必要な栄養のバランスが悪くなるだけでなく、保水性が
低下するなどの理由より、好ましくない。
【0080】本発明の植物栽培用培養土においては、上
述の植物栽培用培養土に、更に空気又は水との接触によ
り発熱する発熱性物質から選ばれた少なくとも1種が配
合されているので、以下に述べる理由より、至極有益で
ある。
【0081】即ち、上述の植物栽培用培養土は、所定量
毎に袋詰めされ、流通に供されており、人が開封し、畑
地、ハウス土壌又は育苗用培土として施されたり、適量
の培養土を採取して鉢、プランタン又は花壇等に充填、
投与される。
【0082】これらの作業は、手作業で行われるが、冬
期においては、培養土が冷えて手で触れるのが至極苦痛
になり、特に培養土が5℃以下になる地域では手でふれ
る事が敬遠される。
【0083】このために、冬期においては培養土の消費
が著しく低下するのであり、更に、培養土が凍って固ま
ると、培養土の取扱性が至極悪くなる上、植物の成長に
悪影響を与える結果、一層培養土の消費が低下する。
【0084】又、植物栽培用培養土においては、含水状
態のものも用いられているが、この培養土は、冬期にお
いて、乾燥した培養土に比較して一層手に冷たく感じ易
く、手に至極苦痛を与えるため、上述の作業が著しく行
い難くなる。この場合、培養土が凍みると、培養土の取
扱性が、乾燥したものに比較して、一層悪くなる。
【0085】ところが、このように植物栽培用培養土に
発熱性物質を配合することによって当該培養土を昇温
し、冬期でも取り扱い易くなるのである。
【0086】ところで、上述の植物栽培用培養土(J)
と発熱性物質(K)の混合割合は、用いられる植物栽培
用培養土と発熱性物質によっても異なるが、一般に、混
合培土(J+K)全体に対し、(K)が3〜85重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0087】本発明の植物栽培用培養土において、混合
培土(J+K)全体に対し、(K)が3重量%未満と少
なすぎると植物栽培用培養土の温度上昇が不充分になる
虞れがあり、つまり(J)を混合する意味がないのであ
り、一方、85重量%を超えると植物栽培用培養土全体
のバランスが崩れ、植物の栽培に悪影響を与える虞れが
あるから望ましくなく、従って、これらの観点より、特
に5〜45重量%の範囲とするのが望ましい。
【0088】上記発熱性物質としては空気との接触によ
り発熱する物質が挙げられる。具体的には、例えば鉄や
アルミニュウム等の金属粉末、塩化カリウムや塩化ナト
リウム等の電解質、水及び保水材からなるもの、更に、
これに活性炭や酸化助剤を加えたもの等が挙げられる。
【0089】即ち、この発熱性物質は金属粉末と空気中
の酸素との酸化反応によって発熱するものであり、従っ
て、植物栽培用培養土の製造後は非通気性の袋や容器に
入れ、空気を遮断した状態で、保存や流通に供されるの
であり、使用に際し、開封等を行い、空気と接触させて
から手で触れるようにすれば良いのである。
【0090】この種、発熱性物質はその配合割合が使用
の際に上昇する温度を配慮して決定されるのであり、配
合割合は培養基材や金属粉末の種類によって異なるが、
一般に、金属粉末5〜50重量%、電解質1〜10重量
%、水10〜40重量%及び保水材1〜30重量%から
なるもの、更に、これらの組成物100重量部に対し、
活性炭1〜10重量部及び/又は酸化助剤1〜10重量
部を加えたもの等が挙げられる。
【0091】この場合、保水材としては上述のものが挙
げられる。又、金属粉末が植物に悪影響を与える虞れが
ある場合には、有機質保水材をアルコールやアセトンに
溶解ないし分散させた溶液ないし分散液の中に、当該金
属粉末を投入した後、真空乾燥等の乾燥によって金属粉
末の表面に有機質保水材をコーティングするのが望まし
い。
【0092】上記発熱性物質としては水との接触により
発熱する物質が挙げられる。この発熱性物質としては、
上記発熱性物質から水のみを除去したものが挙げられ
る。この場合、使用に際し、水を添加して植物栽培用培
養土を昇温させた後、手で触れるようにすれば良いので
ある。
【0093】更に、生石灰等の発熱性物質のように、水
を加えることによって水和熱等の熱が発生する物質が挙
げられる。この場合、空気が存在するか否かは問うもの
ではなく、水を添加することによって発熱するものであ
れば良いのである。
【0094】
【0095】特に、本発明の植物栽培用培養土において
は、更に微生物とその栄養物質を含み、この栄養物質の
中で微生物が増殖することによって発生する増殖熱によ
り発熱するものも挙げられる。
【0096】即ち、上記微生物としては栄養物質のなか
で増殖することによって増殖熱を発生するものであれば
特に限定されるものではなく、空気(酸素)の存在下でよ
く増殖する好気性の微生物、空気(酸素)の乏しい条件下
でも増殖する嫌気性の微生物、そのどちらの条件でも増
殖する半好気性の微生物が挙げられる。
【0097】この微生物の具体例としては、リゾープス
・ヤポニクス、リゾープス・デレマー、アスペルギルス
・オリゼー、アスペルギルス・ソーヤー、アスペルギル
ス・タマリ、アスペルギルス・グローカス、アスペルギ
ルス・メリウス、チマーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プ
ロテアーゼ、ポリフェノールオキシターゼ、チロシナー
ゼ、アスペルギルス・フラーバス、シゾサッカロミセ
ス、サッカロミセス、サッカロミセス・セレビシエ、サ
ッカロミセス・エリプソイデス、チゴサッカロミセス
属、ピキア属、アルテルネリア属、トルラ属、アセトバ
クター・アセティー、アセトバクター・シュッツェンバ
ッキー又はラクトバチルス・ブルガリクス等があげられ
るが、特にアルテルネリア・アルタナータが熱に強い微
生物の一種であるので好ましい。
【0098】上記栄養物質としては微生物が増殖する為
に必要な栄養源であれば特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば米糠、醸造粕やおからなどの食
品粕、牛糞、鶏糞又は馬糞から選ばれた少なくとも1種
が挙げられる。
【0099】上記食品粕としては食品の製造や加工の際
に発生する粕更に油粕、或いは発酵等に伴い発生する粕
であり、米糠、味噌や酒更に醤油等の製造の際に発生す
る醸造粕やおからなどが挙げられる。
【0100】そして、米糠を主成分とし、各種肥効物質
や堆肥資材などを配合した栄養物質にアルテルネリア・
アルタナータを配合したものが望ましい。
【0101】ところで、本発明においては、上述の植物
栽培用培養土を造粒し、取扱性を向上させたり、等級が
直ちに判別できるようにするのが望ましい。
【0102】この場合、粒径が0.1〜25mm、特に
1〜15mmの範囲に調整されているものが、取扱性、
或いは他の成分との配合等が至極容易になし得るので望
ましい。
【0103】本発明においては、所望により、例えば塩
化カルシウム、酸化アルミニウム、塩化第二鉄、酸化ケ
イ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカゲル、活
性炭、塩化マグネシウム又は塩化亜鉛などの配合剤を配
合しても良いのである。
【0104】ところで、本発明の植物栽培用培養土にお
いては、上記目的を達成するために、上述の植物栽培用
培養土と空気又は水との接触により発熱する発熱性物質
の組み合わせからなることを特徴とする。
【0105】即ち、上記本発明の植物栽培用培養土は植
物栽培用培養土と空気又は水との接触により発熱する
熱性物質の混合培土からなるものであるが、本発明はこ
れに代えて、植物栽培用培養土と空気又は水との接触に
より発熱する発熱性物質の組み合わせからなり、使用に
際し、両者を所望の比率で混合して用いるのも有益であ
る。
【0106】この場合、植物栽培用培養土と発熱性物質
の比率は、上述の植物栽培用培養土の場合と同様になる
ように設定すれば良いのである。
【0107】ところで、本発明においては、配合される
植物栽培用培養土が造粒されていても良く、この場合、
この植物栽培用培養土の粒径が0.1〜25mmの範囲
に調整されているものが有益である。
【0108】本発明は、このように使用に際し、植物栽
培用培養土と発熱性物質を所望の比率で混合して用いる
ものであり、従って、この植物栽培用培養土及び発熱性
物質は上述のものと同様なので重複説明を避けるために
省略する。
【0109】
【作用】本発明の植物栽培用培養土は、上記構成を有
し、植物栽培用の培養基材と薬用植物からなる。
【0110】そして、この植物栽培用培養土を用いる
と、農作物等の植物の生育に優れた効果を発現する理由
は明確ではないが、薬用植物には、通常の植物に比較し
て、窒素、りん、カリウム、カルシウム又はマグネシウ
ム等の多量養分元素が含まれており、又、塩素、ホウ
素、鉄、マンガン、亜鉛又は銅等の微量養分元素がバラ
ンス良く含まれており、しかもこの薬用植物には、生薬
の成分や他の栄養素を豊富に含んでおり、これらの栄養
素が植物に効果的に吸収されてると共にこれらの栄養素
が相乗的に作用し合って植物の成長を著しく促進するも
のと解される。
【0111】又、本発明の植物栽培用培養土において、
植物栽培用の培養基材と発熱性物質の混合培土からなる
ものは、使用に際し、発熱性物質が当該培養土の温度を
10〜20℃程度に上昇させるので、人が、冬期におい
ても、容易に手で触れることができる作用を有するので
ある。
【0112】この観点より、植物栽培用の培養基材と発
熱性物質の組み合わせからなるものも、使用に際し、両
者を所望の比率で混合して用いるので、同様に、人が、
冬期においても、容易に手で触れることができる作用を
有するのである。
【0113】又、本発明の植物栽培用培養土は、薬用植
物が配合されているので、その薬効作用によって、当該
培養を取り扱いによっても、膚荒れが生じなかったり、
或いは膚荒れが極めて少なくなる作用を有するのであ
る。
【0114】更に、本発明の植物栽培用培養土は、薬用
植物が配合されているので、その薬用植物の殺虫・殺菌
作用によって、農薬の散布を行わなくても害虫がつきに
くい作用を有するのである。
【0115】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 以下に述べる方法で植物栽培用の培養基材(A)と薬用植
物(B)からなる混合培土を得た。
【0116】植物栽培用の培養基材(A)として畑地用土
壌55重量%、腐葉土25重量%、稲わら、野草及び鷄
ふんなどの有機物を堆積し、更に硫安を加えて形成した
堆肥資材15重量%、肥効物質として窒素、リン酸及び
カリからなる複合肥料5重量%からなるものを用いた。
【0117】一方、薬用植物(B)として、乾燥した、ド
クダミ5重量%、スイカズラの花5重量%、コブシの花
蕾5重量%、キササゲの果実5重量%、中国産ビンロウ
の果皮5重量%、キカラスウリ5重量%、カンゾウ10
重量%、ウスバサイシン5重量%、ヨロイグサ5重量
%、インド産キク科植物10重量%、熱帯産スオウ10
重量%、東インド産の沈丁科植物10重量%及びトチバ
ニンジン20重量%を混合しつつ粉砕したものを用い
た。
【0118】そして、上記培養基材(A)10000重量
部に対し薬用植物(B)200重量部を混合し、本発明の
植物栽培用培養土を得た。
【0119】実施例2 実施例1で用いた薬用植物(B)100重量部に以下に述
べる完熟堆肥(L)15重量部を加えた資材(B+L)を用
い、実施例1で用いた培養基材(A)10000重量部に
対し、この資材(B+L)200重量部を混合し、本発明
の植物栽培用培養土を得た。
【0120】上記完熟堆肥(L)は以下の方法で得たもの
を用いた。イナわら、落葉及び野菜などの通常の資材1
00重量部に消石灰5重量部を混合し、水をかけて仮積
みすると、10日間で資材が軟化した。
【0121】次いで、この軟化した資材を10日後に切
りくづして硫酸アンモニウム0.3重量部を加え、2.5
2程度の枠内に本積みした。
【0122】1カ月後に硫酸アンモニウム0.1重量部
を加えながら切返しを行う。次いで、1カ月後に切返
し、更に1カ月して完熟堆肥を得た。
【0123】得られた完熟堆肥55重量部に、アルミノ
硅酸塩鉱物の微粉末35重量部及び粘土質資材の微粉末
10重量部を加え、これらを混練し、造粒、乾燥させ
て、仕上がり水分率を10重量%程度にした。得られた
製品の粒の大きさは1〜5mm程度とした。
【0124】かくして得られたものを完熟堆肥(L)とし
た。
【0125】実施例3 実施例1で用いた薬用植物(B)100重量部に以下に述
べる薬用の動物及び鉱物(M)15重量部を加えた資材
(B+M)を用い、実施例1で用いた培養基材(A)100
00重量部に対し、この資材(B+L)200重量部を混
合し、本発明の植物栽培用培養土を得た。
【0126】薬用の動物及び鉱物(M)は以下の方法で得
たものを用いた。滑石、津蟹、石決明及びぼれいをそれ
ぞれ粉砕し、滑石粉末50重量部、津蟹粉末15重量
部、石決明粉末15重量部及びぼれい粉末20重量部を
充分に混合した。
【0127】実施例4〜6 実施例1〜3で得られた各々の植物栽培用培養土100
重量部に対し、それぞれ以下に述べる発熱性物質を20
重量部を加えて充分に混合して、本発明の植物栽培用培
養土を得た。この場合、実施例1に対応するものを実施
例4に、又、実施例2に対応するものを実施例5に、更
に実施例3に対応するものを実施例6に、それぞれし
た。
【0128】上記発熱性物質として、鉄粉35重量部、
塩化カリウム5重量部、塩化ナトリウム3重量部、塩化
カルシウム2重量部、デンプン・アクリル酸グラフト重
合体5重量部、活性炭5重量部及びバーミキュライト5
重量部からなるものを用いた。
【0129】このようにして得られた実施例4〜6の各
々の植物栽培用培養土を2℃に冷却し、手で触れたとこ
ろ冷たく苦痛であった。
【0130】次いで、この2℃に冷却した実施例4〜6
の植物栽培用培養土100重量部に水20重量部を散布
したところ、この培養土の温度が10分程度で15℃に
上昇し、手で触れても苦痛は感じられなかった。
【0131】比較例1 イナわら、落葉及び野菜などの通常の資材100重量部
に消石灰5重量部を混合し、水をかけて仮積みすると、
10日間で資材が軟化した。
【0132】次いで、この軟化した資材を10日後に切
りくづして硫酸アンモニウム0.3重量部を加え、2.5
2程度の枠内に本積みした。
【0133】1カ月後に硫酸アンモニウム0.1重量部
を加えながら切返しを行う。次いで、1カ月後に切返
し、更に1カ月して完熟堆肥を得た。
【0134】得られた完熟堆肥55重量部に、アルミノ
硅酸塩鉱物の微粉末35重量部及び粘土質資材の微粉末
10重量部を加え、これらを混練し、造粒、乾燥させ
て、仕上がり水分率を10重量%程度にした。得られた
製品の粒の大きさは1〜5mm程度とした。
【0135】比較例2 実施例1に代えて、培養基材(A)10000重量部に対
し薬用植物(B)10重量部を混合したものを用いた。
【0136】ところで、実施例1〜3及び比較例1・2
の各々の植物栽培用培養土を2℃に冷却し、手で触れた
ところ冷たく苦痛に感じられた。
【0137】農作物の栽培試験 上記各実施例及び比較例を用い、畑地とし、ジャガ芋及
びトマトを栽培し、その収穫量を調査した。
【0138】この1株(平均値)当たりの収穫量を、実
施例1を100として、比較すると、実施例2は98.
5、実施例3は96.5、実施例4は95.5、実施例5
は94.5、実施例6は92.0、比較例1は85.8、
比較例2は86.0であった。
【0139】又、得られたジャガ芋及びトマトの大きさ
は、実施例1〜6のものは同程度であり、又、これらの
ものに比べて、比較例1のものは稍小さく、しかもバラ
ツキが大であり、更に、比較例2のものは、比較例1の
ものに比べて、稍良好であった。
【0140】ところで、各実施例及び各比較例につい
て、無農薬でキャベツの栽培試験を行ったところ、各実
施例のものは害虫による被害が全く無いか、或いは殆ど
認められなかったが、各比較例のものは青虫が繁殖し、
虫食いが認められた。
【0141】ところで、実施例1〜6のものと、比較例
1・2のものを手が荒れ易い女性(年令が20〜45才)
10名に使用させたところ、各実施例のものは全く異常
が認められなかったが、比較例1のものは10名中8名
に異常が認められ、比較例2のものは10名中7名のも
のが異常が認められた。
【0142】
【発明の効果】本発明の植物栽培用培養土は、植物栽培
用の培養基材に薬用植物を配合しているので、植物の成
長を促進して、収穫量の増大、及び品質の優れた農産物
が得られる効果を有するのである。
【0143】又、本発明の植物栽培用培養土は、薬用植
物が配合されているので、その取り扱いによっても、膚
荒れが生じなかったり、或いは膚荒れが極めて少なくな
る効果を有するのである。
【0144】本発明の植物栽培用培養土において、発熱
性物質を用いると、培養土の温度を上昇させて、当該培
養土を畑地、ハウス土壌又は育苗用培土として施し易く
したり、培養土を鉢やプランタンに充填、投与したり、
園芸用培土、ベッド栽培用培土又は花壇用培土等として
好適に用いられる効果を有するのである。
【0145】又、これらの作業は、手作業で行われる
が、冬期でも、植物栽培用培養土の温度を上昇させて快
適に取り扱うことができる効果を有するのである。
【0146】更に、本発明の植物栽培用培養土において
は、含水状態のものも用いられているが、この含水状態
の培養土でも、温度を上昇させて快適に取り扱うことが
できる効果を有するのである。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物栽培用の培養基材と薬用植物からな
    植物栽培用培養土であって、前記植物栽培用培養土に
    は更に空気又は水との接触により発熱する発熱性物質か
    ら選ばれた少なくとも1種が配合されてなることを特徴
    とする植物栽培用培養土。
  2. 【請求項2】 植物栽培用の培養基材と薬用植物からな
    る植物栽培用培養土と、空気又は水との接触により発熱
    する発熱性物質から選ばれた少なくとも1種との組み合
    わせからなることを特徴とする植物栽培用培養土。
  3. 【請求項3】 培養基材が土壌、腐植、堆肥資材又はコ
    ンポストから選ばれた少なくとも1種からなる請求項1
    又は2に記載の植物栽培用培養土。
  4. 【請求項4】 土壌が天然土壌及び/又は人土壌であ
    る請求項に記載の植物栽培用培養土。
  5. 【請求項5】 腐植が陸成腐植、半陸成腐植又は水成
    である請求項に記載の植物栽培用培養土。
  6. 【請求項6】 堆肥資材が普通堆肥、速成堆肥又は特殊
    堆肥である請求項に記載の植物栽培用培養土。
  7. 【請求項7】 バーク堆肥及び/又はピートモスが配合
    されている請求項1ないしのいずれかに記載の植物栽
    培用培養土。
  8. 【請求項8】 コンポストが汚泥コンポスト、都市ごみ
    コンポスト又は製紙スラッジコンポストである請求項
    に記載の植物栽培用培養土。
  9. 【請求項9】 粘土粉末、イナわら、ムギわら、籾殻、
    米糠、樹皮細片物、保水材、キレート化合物、魚カス、
    油カス、製造カス、おが屑、鶏糞、馬糞又は骨粉から選
    ばれた少なくとも1種が配合されている請求項1ないし
    のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  10. 【請求項10】 保水材が有機質保水材及び/又は無機
    質保水材である請求項に記載の植物栽培用培養土。
  11. 【請求項11】 繊維資材、パルプ又は界面活性剤から
    選ばれた少なくとも1種が配合されている請求項1ない
    10のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  12. 【請求項12】 繊維資材が天然繊維又は人造繊維で形
    成されている請求項11に記載の植物栽培用培養土。
  13. 【請求項13】 天然繊維が植物繊維、動物繊維又は鉱
    物繊維である請求項12に記載の植物栽培用培養土。
  14. 【請求項14】 人造繊維が再生繊維、半合性繊維又は
    合成繊維である請求項12に記載の植物栽培用培養土。
  15. 【請求項15】 肥効物質を配合してなる請求項1ない
    14のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  16. 【請求項16】 土壌改良資材を配合してなる請求項1
    ないし15のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  17. 【請求項17】 土壌改良資材が泥炭、草炭、亜炭或い
    は化石類等の植物物質、培養微生物、鉱物物質、合成化
    合物、鉱滓、りん鉱石又は石灰岩である請求項16に記
    載の植物栽培用培養土。
  18. 【請求項18】 薬用植物が粉砕して製造されたもので
    ある請求項1ないし17のいずれかに記載の植物栽培用
    培養土。
  19. 【請求項19】 薬用植物が堆積腐熟させたものである
    請求項1ないし18のいずれかに記載の植物栽培用培養
    土。
  20. 【請求項20】 薬用植物が1種以上である請求項1な
    いし19のいずれかに記載の植物栽培用培養土。
  21. 【請求項21】 薬用の動物及び/又は鉱物の粉末を配
    合してなる請求項1ないし20のいずれかに記載の植物
    栽培用培養土。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし21のいずれかに記載
    の植物栽培用培養土において、更に微生物とその栄養物
    質を含み、この栄養物質の中で微生物が増殖することに
    よって発生する増殖熱により発熱することを特徴とする
    植物栽培用培養土。
  23. 【請求項23】 栄養物質が米糠、醸造粕やおからなど
    の食品粕、牛糞、鶏糞又は馬糞から選ばれた少なくとも
    1種である請求項22に記載の植物栽培用培養土。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし23のいずれかに記載
    の植物栽培用培養土を造粒してなる植物栽培用培養土。
  25. 【請求項25】 粒径が0.1〜25mmの範囲に調整
    されている請求項24に記載の植物栽培用培養土。
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