JP3239576U - 紐靴 - Google Patents

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Abstract

【課題】靴紐の結び目を解けにくくすることができると共に隠すことができ、しかも靴紐の結び目を露出する場合においても邪魔になることのない構造の紐靴を提供する。【解決手段】紐靴1は、シュータン5における履き口端部の辺縁部5aとこの履き口端部の辺縁部5aの両端と連続する辺縁部5b、5bとが一体とされた収納片6が設けられた構成である。【効果】収納片6は、シュータン5の上側に折り返しても、シュータン5の下側に折り返しても、シュータン5に対して嵩張ることがないので、すっきりとして、結び目を隠したり収納したりする構造を有していない通常の紐靴と何ら変わりない見栄えとなる。【選択図】図1

Description

本考案は、靴紐の結び目を解けにくくすることができると共に隠すことができ、しかも靴紐の結び目を露出する場合においても邪魔になることのない構造の紐靴に関する。
従来、靴紐の結び目を隠す構造を有した紐靴として、特許文献1~6が知られている。
特許文献1(特開2012-223549号公報)には、足の甲を包むアッパーと、アッパーの開口部分を覆うベロ(シュータン)と、アッパーの開口部の左右両側に複数配置された小孔と、小孔に挿通してアッパーを足の甲に装着させる靴紐を備える靴において、シュータンは、小孔のうち足首に最も近い小孔側のシュータン表側に入り口を持つ、足首側に向かって設けられた袋状の収納室を備え、靴紐の結び部を収納室に収納する構造が示されている。
特許文献2(実用新案登録第3132794号公報)には、足の甲を包むアッパーと、アッパーに形成された開口を覆うシュータンと、アッパーにおける開口の左右両側にそれぞれ複数配列された小孔と、小孔に挿通されてアッパーを足の甲にフィットさせる靴紐とを備えた靴において、シュータンにおける着用時に外から見える表側から、あるいは、シュータンにおける側面から、シュータンにおける着用時に外から見えない裏側へ向ってシュータンを挿通可能とする手段としての挿通孔がシュータンに形成され、挿通孔を表側もしくは側面から裏側へ向って挿通した靴紐の一対の端部同士を結んだ結び目を収納可能な袋状の収納片がシュータンの後部に設けられ、靴紐の結び目を収納片に入れることを可能とすると共に結び目を収納片から取り出すことを可能とする出入口がシュータンにおける着用時に外から見えない裏側に設けられた構造が示されている。
特許文献3(実開昭63-66904号公報)には、シューズ本体の靴紐がかけ通される左右フラップのどちらか一方に一端側部を止め付けて紐隠しカバーを開閉可能に設けると共に、そのカバーの他端側部を他方のフラップに係脱操作可能に係止する係止具を設けて、そのカバーで靴紐を外側に食出さないように覆い隠す構成が示されている。
特許文献4(意匠登録第1286624号公報)には、靴紐(を通す小孔が形成された左右フラップ)の下側に沿った下部シュータン部と、上側に沿った上部シュータン部とを有して、上部シュータン部の下面と、下部シュータン部上面とに面ファスナーが設けられて両者を貼着する構成が示されている。
特許文献5(意匠登録第1399227号公報)には、バックル部品と織り布テープとゴム紐テープと靴紐で構成され、織布テープがシュータンにおけるつま先-履き口方向の途中部位に、中央部は縫製せずに中空とされてその両端が縫い固着され、バックル部品の片方部品が伸縮性のあるゴム紐テープで、シュータンのつま先から履き口方向の途中部位に縫い固着され、バックル部品のもう片方部品が織り布テープ端部でシュータンのつま先から履き口方向の該履き口端部に縫い固着され、靴紐を鳩目、靴紐通しに通し結び目を形成し、結び目が動いて靴紐が緩まないように、結び目の上からバックル部品を緊締し押えて固定する構成が示されている。
特許文献6(意匠登録第1403783号公報)には、シュータンが、つま先-履き口方向における履き口に向かって、前記方向の長さの略中央部位まで該履き口位置で折り返すことのできる程度の長さとされた構成が示されている。
以上の構成の従来のシュータン構造は、靴の結び目を隠したり、靴の結び目が容易にほどけたりしないようにされているものの、次の不具合がある。すなわち、従来のシュータン構造は、靴紐の結び目を隠す構造が、靴紐の結び目を隠しているときは機能しているので、特段不要な部材とは感じないものの、結び目を隠さないで通常使用する際には、結び目が露出していることと相俟って不要な部材と感じることがあった。
特開2012-223549号公報 実用新案登録第3132794号公報 実開昭63-66904号公報 意匠登録第1286624号公報 意匠登録第1399227号公報 意匠登録第1403783号公報
本考案が解決しようとする問題は、靴紐の結び目を隠すあるいは収納した状態の見栄えは良くても、靴紐の結び目を隠していない又は収納しないで露出した状態であると見栄えが悪い点である。
上記課題を解決するために、本考案の紐靴は、足の甲を包むアッパー部材と、このアッパー部材の甲部において履き口からつま先へ向かう方向に形成された切欠部と、この切欠部の対向するアッパー部材の各々の縁部に履き口からつま先へ向かう方向に所定間隔を存した列をなして形成された靴紐を通す小孔と、前記アッパー部材の下側面に位置して前記切欠部を覆うシュータンとを備え、前記シュータンにおける履き口端部の辺縁部とこの履き口端部の辺縁部の両端と連続する辺縁部とが該シュータンと一体とされた収納片が設けられたものである。
本考案の紐靴によれば、収納片は、シュータンの上側に折り返しても、シュータンの下側に折り返しても、シュータンに対して嵩張ることがないので、すっきりとして、靴紐の結び目を隠したり収納したりする構造を有していない通常の紐靴と何ら変わりない見栄えとなる。
本考案の紐靴の概略構成を示し、(a)は結び目を隠した使用例を、(b)は結び目を隠さずに使用した例を、(c)は結び目を隠さずに使用した他の例を、説明するための斜視図である。 (a)~(c)は本考案の紐靴のシュータンの構成を示す部分拡大図である。 (a)は本考案の紐靴のシュータンの使用状態を示す部分拡大図、(b)は(a)のA-A線断面図、である。 (a)~(d)は本考案の紐靴のシュータンの状態遷移を説明するための図である。
本考案は、靴紐の結び目を隠すあるいは収納した状態の見栄えは良くても、靴紐の結び目を隠していない又は収納しないで露出した状態であると見栄えが悪い点を、足の甲を包むアッパー部材と、このアッパー部材の甲部において履き口からつま先へ向かう方向に形成された切欠部と、この切欠部の対向するアッパー部材の各々の縁部に履き口からつま先へ向かう方向に所定間隔を存した列をなして形成された靴紐を通す小孔と、前記アッパー部材の下側面に位置して前記切欠部を覆うシュータンとを備え、前記シュータンにおける履き口端部の辺縁部とこの履き口端部の辺縁部の両端と連続する辺縁部とが該シュータンと一体とされた収納片を設けることで改善した。
本考案において、アッパー部材とは靴のアウトソール(いわゆる靴底)を除く足が挿入される部材を意味し、アッパー部材とアウトソールが一体の場合はその位置にある部位を意味する。アッパー部材における甲部とは靴に足を挿入した状態で甲が配置される位置を意味する。
履き口とはアッパー部材において足を挿入する部位を意味し、履き口からつま先へ向かう方向とは要するに靴の長さ(サイズ)方向を意味する。切欠部とはアッパーにおける靴紐を通す小孔が形成された部位の間に形成された隙間を意味する。そして、シュータンは、切欠部を埋めるように設けられている。靴紐は小孔に通され、切欠部における靴幅方向の間隔を調整する。
シュータンは、上記のとおり切欠部に設けられ、アッパー部材の下側に位置している。つまり、靴紐はこのシュータンの上側において切欠部を挟んで幅方向両側に設けられた小孔に架け渡されて、該切欠部の幅が調整される。
シュータンの履き口からつま先に向かう方向における該履き口側の開放された端部に収納片が設けられている。この収納片は、略矩形状とされ、シュータンの履き口側の端部と、シュータンにおける幅方向両側と、に対応する部位が例えば縫い合わされ、シュータンの上側面と下側面とに折り返すことができるように構成している。収納片をシュータンの上側面にした場合に、シュータンの上側面と収納片との間に靴紐の結び目を収納する
また、本考案は、上記構成において、前記収納片は伸縮性を有していてもよい。こうすることにより、収納片をシュータンの上側面と下側面とに折り返し易く、かつ結び目を収納し易くなる。
さらに、本考案は、上記構成において、前記シュータンの少なくとも履き口端部が、前記収納片と該シュータンの上側面との挟み込みにより、結び目の厚みを吸収し得る構成としてもよい。こうすることで、収納片に収納した靴紐の結び目がシュータンの厚みを薄くするように圧縮してその厚みを吸収するから、「こぶ」のように塊が突出して見栄えが悪くなることが抑制される。
また、本考案は、上記構成において、前記シュータンの履き口端部に第1図柄が形成され、前記収納片には第2図柄が形成され、前記収納片を前記シュータンの上側に折り返した際には該収納片に形成された第2図柄が、前記収納片を前記シュータンの下側に折り返した場合は該シュータンに形成された第1図柄が、露出する構成としてもよい。このようにすれば、靴紐の結び目を収納するしないに拘わらず、1足の靴で多彩な見栄えのバリエーションを楽しむことができる。
本考案の一実施例について図1~図4を参照して説明する。図おいて、1は、本考案の紐靴であり、以下の構成とされている。2は、足の甲を包むアッパー部材である。3は、アッパー部材2の甲部2Aにおいて履き口2aからつま先2bへ向かう方向(以下、長さ方向という)に形成された切欠部である。
4は、切欠部3の対向するアッパー部材2の各々の縁部に、長さ方向に所定間隔を存した列をなして形成された靴紐Pを通す小孔である。5は、アッパー部材2の下側面に位置して切欠部3を覆うシュータンである。6は、シュータン5における履き口2a端部の辺縁部5aとこの辺縁部5aの両端と連続する側部の辺縁部5b,5bと一体にされた収納片である。
また、シュータン5は、本実施例では例えばウレタン発泡樹脂を芯材とし、図3に示すように、表面を布地で被覆したおよそ5~10mm程度の厚みで構成されている。このように、シュータン5が柔軟性に富む素材が用いられ、かつこのシュータン5と収納片6とで結び目Paが挟み込まれることで、該結び目Paのこぶ状の塊がシュータン5の厚みに吸収されるから、甲部2Aに盛り上がって突出することがなく、見栄えが良くなる。
さらに、収納片6は、本実施例では、例えば伸縮性を有した素材とされ、自然状態でシュータン5における履き口端部の寸法とほぼ同じとされ、シュータン5と該収納片6との間に不要な隙間が生じないように構成されている。このようにすることで、シュータン5の上側面と下側面とに亘る収納片6の折り返しが容易となる。また、収納片6は、シュータン5の上側に折り返した際に現れる第2図柄が形成されている。
第1図柄5Aと第2図柄6Aの露出に関しては、本実施例では、図2(a)(b)に示すように、収納片6がシュータン5の下側面に折り返されているときは、シュータン5の上側面では該シュータン5に形成された第1図柄5Aが露出し、図2(c)に示すように、収納片6がシュータン5の上側面に折り返されているときは、シュータン5の上側面では収納片6に形成された第2図柄6Aが露出する構成としている。
本実施例における紐靴1の実施態様は3種類ある。図1(a)に示すように、収納片6をシュータン5の上側面に折り返すと共に第2図柄6Aを露出させ、結び目Paを隠した態様。図1(b)に示すように、収納片6をシュータン5の下側面のままとして第1図柄5Aを露出させ、かつ結び目Paを隠さない態様。図1(c)に示すように、収納片6をシュータン5の上側面に折り返すと共に第2図柄6Aを露出させ、かつ結び目Paを隠さない態様。
次に、本実施例における紐靴1、特に収納片6及び結び目Paの操作状況に関して図4を参照して説明する。図4(a)には、紐靴1において、小孔4に靴紐Pを架け渡して結び目Paを作った状態のシュータン5の下側面を示している。なお、収納片6は、シュータン5の上側面に位置させておいてもよいが、本実施例では例えばシュータン5の下側面に折り返されている状態をデフォルトとする。このとき、図示していないがシュータン5の上側面ではシュータン5の第1図柄5Aが現れている。
図4(b)はシュータン5の上側面を示している。図4(b)に示すように、収納片6をシュータン5の下側面から上側面へと折り返すと、それまで見えていたシュータン5の第1図柄5Aの位置に収納片6が折り返されて覆うことで、しだいに第1図柄5Aが収納片6により隠れて、代わりに第2図柄6Aが露出する。
図4(c)には、収納片6をシュータン5の上側面に折り返し、結び目Paを該収納面6とシュータン5の上側面との間のポケットに押し込む状況を示している。詳述すると、結び目Paを隠すと共に結び目Paが容易にほどけないようにするために、本例では、シュータン5の下側面に折り返してある収納片6を、シュータン5の上側面に折り返し、結び目Paを収納片6の下側面とシュータン5の上側面との間に収める。
このとき、本実施例では、収納片6が伸縮性を有した材料を用い、かつシュータン5に柔軟性を有した材料を有することで、収納片6はシュータン5の上側面に折り返し易く、またシュータン5は結び目Paのこぶ状の塊の厚みを吸収して突出部分を形成することを抑制する。
図4(c)には、図1(a)の状態となった紐靴1のシュータン5周辺を示している。収納片6内に結び目Paを収納し終えると、収納片6に形成された第2図柄6Aが現れることとなり、1足の靴でありながら、第1図柄5Aと第2図柄6Aのバリエーションを楽しむことができると共に、気分に応じて結び目Paを露出させたり、収納片6内に収納したり、といった変化を楽しむことができる。
このとき、本考案の紐靴1であれば、結び目Paを露出させて履く場合であっても、収納片6が見栄えが悪くなるように目立つことはなく、また、結び目Paを収納して履く場合は結び目Paのこぶや靴紐Pの塊が突出することなく収納されるから、結び目Paが解けにくくなることはもちろんのこと、見栄えもすっきりとした良好なものにできる。つまり、結び目Paを隠しても隠さなくても「収納片6」自体が履き心地や見栄えを悪化させることはなく、通常の靴と何ら変わりはなく使用することができる。
1 紐靴
2 アッパー部材
3 切欠部
4 小孔
5 シュータン
5a (履き口端部の)辺縁部
5A 第1図柄
5b,5b (履き口端部の両側)辺縁部
6 シュータン
6A 第2図柄

Claims (4)

  1. 足の甲を包むアッパー部材と、このアッパー部材の甲部において履き口からつま先へ向かう方向に形成された切欠部と、この切欠部の対向するアッパー部材の各々の縁部に履き口からつま先へ向かう方向に所定間隔を存した列をなして形成された靴紐を通す小孔と、前記アッパー部材の下側面に位置して前記切欠部を覆うシュータンとを備え、前記シュータンにおける履き口端部の辺縁部とこの履き口端部の辺縁部の両端と連続する辺縁部とが該シュータンと一体とされた収納片が設けられた紐靴。
  2. 前記収納片は伸縮性を有している請求項1記載の紐靴。
  3. 前記シュータンの少なくとも履き口端部が、前記収納片と該シュータンの上側面との挟み込みにより、結び目の厚みを吸収し得る請求項1又は2記載の紐靴。
  4. 前記シュータンの履き口端部に第1図柄が形成され、前記収納片には第2図柄が形成され、前記収納片を前記シュータンの上側に折り返した際には該収納片に形成された第2図柄が、前記収納片を前記シュータンの下側に折り返した場合は該シュータンに形成された第1図柄が、露出する請求項1~3のいずれかに記載の紐靴。
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