JP3239533U - 仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】仕切りフェンスにおける出入口扉の簡便で且つ低コストな配設構造を提供する。【解決手段】仕切りフェンス10の隣接する2本の支柱14間に、金網16の張設されていないフェンス開口部24を出入口部として設け、フェンス開口部24の側部胴縁26にフックボルト34を設けると共に、出入口扉の側枠にスリットを設けて、出入口扉の支柱14に沿った下方への移動操作によって、フックボルト34をスリットに係合せしめて、出入口扉をフェンス開口部24に取り付けて、フェンス開口部24を閉塞せしめる一方、出入口扉の支柱14に沿った上方への移動操作によって、フックボルト34のスリットに対する係合を解除して、出入口扉がフェンス開口部24から取り外され、フェンス開口部24が解放されるように構成した。【選択図】図2
Description
本考案は、仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造に係り、特に、仕切りフェンスにおいて、関係者が出入りするための出入口扉の開閉の容易な且つ簡略化された配設構造に関するものである。
従来から、地面に立設されてなる形態において、所定距離を隔てて連設された複数の支柱と、それら複数の支柱間に位置するように張設された、金網等のネット部材とを含んでなる構成のフェンスが、地面の所定の領域を他の領域から仕切るための手段として用いられてきており、例えば、高速道路等の敷地内に、関係者以外の人間や動物等が立ち入るのを防止して、交通の安全を確保することや、道路敷地等が不法に占拠されることを未然に防止すること等を目的とした、立ち入り防止柵(立ち入り防止用フェンス)の他、耕作地の敷地境界上に設置されて、境界を明確化したり、野生動物が侵入するのを防止するためのフェンス、更には落石、雪崩、崩落土砂等を対象とした防護柵や、住宅、工場、運動場等の外柵等が、知られている。そして、それらの一例が、特開2016-199849号公報、実開昭60-184955号公報、特許第4629806号公報等においても、明らかにされている。
ところで、そのようなフェンスにて仕切られた領域内において、草刈りや各種の作業を行うには、かかる仕切りフェンス内に立ち入る必要があるところ、そこに出入口が設けられていない場合にあっては、作業者等の関係者がフェンスを乗り越えて中に入るときに、フェンスを変形させたり、関係者が転落する等の事故も生じる場合がある。このため、関係者以外の人や動物の自由な立ち入りを防止しつつ、仕切りフェンスの内外に安全に出入りするために、各種の構造の開閉扉乃至は出入口扉が、提案されてきている。
例えば、実開昭60-68196号公報や特開2022-45480号公報等においては、フェンスの支柱に対して扉の一方の側部を蝶番にて回動自在に連結して、フェンスの支柱間に設けた開口部(出入口部)を開閉し得るようにした、片開き構造又は両開き構造(観音開き構造)の門扉が、明らかにされている。また、先の特開2016-199849号公報には、フェンスの隣接する支柱間に張設された金網の一部を除去して、侵入用開口部を形成し、この侵入用開口部を開閉する扉体を、蝶番等にて回動可能に取り付けてなる構造のフェンス用扉が、提案されている。さらに、特許第5795831号公報には、略矩形状の扉フレームに金網材が張設されてなる扉本体を用い、その扉フレームの上部フレームを立ち入り防止用金網柵の上胴縁に吊り下げるようにして、扉本体が揺動自在となるようにした構造の金網柵用吊設扉が、明らかにされている。
しかしながら、それら従来から提案されている開閉扉乃至は出入口扉において、蝶番構造を用いて回動自在に構成されてなる片開き式や両開き式の扉構造を採用すると、その取付構造や設置構造が複雑となり、それによって設置コストが増大するようになることに加えて、そのような扉の内外に位置するように、植物が茂ったり、積雪塊が存在したりすると、それらが扉の開閉の邪魔となって、扉の開閉が出来なくなってしまうという問題を内在するものであった。また、立ち入り防止用金網柵の上胴縁に、扉本体を揺動自在に吊り下げる構造の金網柵用吊設扉にあっては、それを上方に回動させることによって出入口部(フェンス開口部)を開放せしめることとなるのであるが、その場合にあっても、植物の高さや繁植位置、積雪塊の高さ等によって、扉の上方への回動が出来なくなることがあることに加えて、その開口状態を維持するには、上方に回動せしめた扉本体を保持する必要があるところから、その保持のための機構を設けなければならず、そのために、扉本体の回動機構の構造が複雑となる問題を内在している。
ここにおいて、本考案は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、仕切りフェンスにおける出入口扉の簡便で且つ低コストな配設構造を提供することにあり、また他の課題とするところは、扉の両側に植物や積雪塊等の障害物があっても、扉の開閉が左右されることのない、出入口扉の改良された配設構造を提供することにある。
そして、本考案は、上述した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて、採用可能である。なお、本考案の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そこで、本考案は、先ず、前記した課題を解決するために、地面に立設されてなる形態にて、所定距離を隔てて連設された複数の支柱と、それら複数の支柱間に張設されたネット部材とを含み、地面の所定の領域を他の領域から仕切るようにした仕切りフェンスにおいて、所定の隣接する2本の支柱間に、前記ネット部材の張設されていないフェンス開口部を、前記所定の領域への出入りのための出入口部として設けて、該フェンス開口部に、前記支柱に沿った上下方向への移動によって該フェンス開口部を開閉する、取外し可能な出入口扉を配設する構造にして、かかる出入口扉の両側部と該両側部にそれぞれ対応する前記フェンス開口部の両側の側部との何れか一方に、扉取付け用の係合部材を設けると共に、それらの何れか他方に、該係合部材が係合されて、それを保持し得る保持手段を設けて、該出入口扉の前記支柱に沿った下方への移動操作によって、前記係合部材の前記保持手段への係合を実現して、該出入口扉が前記フェンス開口部に取り付けられて、該フェンス開口部を閉塞せしめる一方、該出入口扉の前記支柱に沿った上方への移動操作によって、前記係合部材の前記保持手段に対する係合が解除されて、該出入口扉が前記フェンス開口部から取り外されて、該フェンス開口部を解放し得るように構成したことを特徴とする仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造を、その要旨とするものである。
なお、かくの如き本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の好ましい態様によれば、前記出入口扉が、その外周縁部を構成する矩形の外側枠体と、該外側枠体にて囲まれた内側空間を閉塞するように張設されたネット部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の好ましい態様の他の一つによれば、前記仕切りフェンスが、前記フェンス開口部の設けられた支柱間を除く他の支柱間をつなぐ上側胴縁及び下側胴縁と、前記フェンス開口部の両側に位置する、それら上側胴縁及び下側胴縁の端部をつなぐ側部胴縁とを有し、該フェンス開口部の両側において、それら上側胴縁、下側胴縁及び側部胴縁に亘って、前記ネット部材が、それぞれ張設されている構成が、採用されることとなる。
さらに、本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の好ましい態様の別の一つによれば、前記フェンス開口部の設けられた支柱間には、前記出入口扉を除き、それら支柱を連結する如何なる部材も配設されていないことを特徴としている。
更にまた、本考案にあっては、前記側部胴縁が、前記フェンス開口部を与える支柱に対して、一体的に構成されている形態も、有利に採用されることとなる。
加えて、本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の好ましい態様の更に別の一つによれば、前記係合部材及び前記保持手段のうちの何れか一方が、前記出入口扉の両側部の上部及び下部の2ヶ所にそれぞれ位置するように、配設されている一方、それら係合部材及び保持手段のうちの何れか他方が、前記フェンス開口部の両側の側部の上部及び下部の2ヶ所にそれぞれ位置するように配設されていることを特徴とする。
そして、本考案にあっては、望ましくは、前記係合部材が、一方の端部側を頭部部位とし、他方の端部側を脚部部位としてなる所定長さの棒状体にて構成されて、該棒状体が、その脚部部位において、前記フェンス開口部の側部に固定されている一方、前記保持手段が、前記出入口扉の側部に設けられた、上下方向に延び、その下側の端部において側方に開口するスリットにて構成され、該スリットに対して、その側方の開口から、前記棒状体の頭部部位が装入されて、係合せしめられるようになっている。
或いは、本考案にあっては、望ましくは、前記係合部材が、一方の端部側を頭部部位とし、他方の端部側を脚部部位としてなる所定長さの棒状体にて構成されて、該棒状体が、その脚部部位において、前記出入口扉の側部に固定されている一方、前記保持手段が、前記フェンス開口部の側部に設けられた、上下方向に延び、その上側の端部において側方に開口するスリットにて構成され、該スリットに対して、その側方の開口から、前記棒状体の頭部部位が装入されて、係合せしめられるようになっている。
さらに、本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の望ましい態様の一つによれば、前記係合部材が、その一方の端部側の頭部部位に、他の部位よりも外径の大なる大径部を有し、前記スリットに対する係合状態下において、該スリットからの該係合部材の抜け出しが阻止されるようになっていることを特徴としている。
更にまた、本考案にあっては、有利には、前記出入口扉の側部と前記フェンス開口部の側部との間に、それらを連結する錠前手段を設け、該錠前手段による施錠にて、該出入口扉の該フェンス開口部に対する離脱が不能となるように構成されている。
このような本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造によれば、仕切りフェンス内への立ち入りに際して開閉される出入口扉の配設構造が、簡単な構造にて且つ低コストにて、有利に実現され得ることとなるのである。また、本考案においては、支柱に沿った上下方向への移動によって、出入口扉を取り外したり、或いは取り付けたりすることが出来るところから、フェンス開口部に対する出入口扉の開閉作業が簡単且つ容易となることに加えて、従来の片開き式や両開き式の扉の如く、支柱周りに回動させるものではないところから、傾斜面や植物、積雪塊等の障害物が出入口扉の一方或いは両方に存在する等の周辺の状況によって、かかる出入口扉の開閉が左右されることもなく、フェンス開口部を有効に開放せしめ得て、フェンス内への関係者の出入りに制約を受けることもなくなったのである。
以下、本考案の構成を更に具体的に明らかにするために、本考案の代表的な実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本考案に従う仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造の一例について、かかる出入口扉が配設されてなる仕切りフェンス部位が、正面視の形態において示されている。そこにおいて、仕切りフェンス10は、高速道路等の特定領域に関係者以外の人間や動物等が立ち入るのを防止し、交通の安全を確保することに加えて、道路敷地等が不法に占拠されることを未然に防止することを目的とする立ち入り防止柵として用いられるものであって、所定距離を隔てて地面に配設された複数の基礎12と、それぞれの基礎12上に立設された複数の支柱14と、それら支柱14間に張設されたネット部材である金網16とを含んで、構成されている。
具体的には、かかる仕切りフェンス10において、基礎12は、よく知られているように、コンクリート製のブロック形状乃至は柱状体形状を呈するものであって、その上に一体的に立設される支柱14を確実に支持すべく、地中に所定深さに亘って埋設されてなる形態において、仕切るべき領域の境界に沿って、所定距離を隔てて、配設されている。また、支柱14は、一般に、金属製、特に鉄乃至は鋼材質の長尺物であって、例えば、円筒形状や三角筒形状等の断面形状を呈するパイプ乃至は形材、若しくは折曲材が、用いられることとなる。更に、それら複数の支柱14の上部間や下部間を連結するように、金属製の長尺のL字状ブラケット等からなる、従来と同様な上側胴縁18a及び下側胴縁18bが、それぞれ固設されていると共に、それら支柱14の上側胴縁18aと下側胴縁18bとの間に位置する部分を3等分する位置に、2本の金属製ワイヤー(ロープ材)20が、横骨線として横架されてなる状態において、従来と同様な金属製の金網16が張設されて、仕切りフェンス10が、構成されるようになっている。
そして、このような仕切りフェンス10には、それによって仕切られた領域内において草刈りや各種の作業を行うべく、かかる仕切りフェンス10内に立ち入るための出入口として、図示の如く、出入口扉22が、所定の隣接する2本の支柱14,14間に位置するように配設されているのである。
すなわち、仕切りフェンス10における所定の隣接する2本の支柱14,14間に、図2に示される如く、上側胴縁18a及び下側胴縁18bにて連結されていない、且つ金網16の張設されていないフェンス開口部24が、仕切りフェンス10にて仕切られてなる領域内への出入りのための出入口部として、設けられている。また、かかるフェンス開口部24の両側において、上側胴縁18aの端部と下側胴縁18bの端部とを繋ぐ側部胴縁26,26が、それぞれ配設されている。そして、フェンス開口部24の両側において、上側胴縁18a、下側胴縁18b及び側部胴縁26に亘って、金網16がそれぞれ張設されて、フェンス開口部24の設けられた支柱間を除く他の支柱間において、仕切りフェンス10が構成されている。
そして、そのような仕切りフェンス10に設けられたフェンス開口部24には、図3に示される如く、出入口扉22が、本考案に従って、配設されているのである。そこで、出入口扉22は、鉄等の金属製の長手のL字断面形状を呈する形材にて構成された、上枠28a、下枠28b及び両側の側枠28cからなる、扉の外周縁部を構成する矩形の外側枠体28と、この外側枠体28にて囲まれた内側空間を閉塞するように張設された、ネット部材としての金網30とを含んで構成されており、また、両側の側枠28c,28cを連結するように、2本の金属製ワイヤー32,32が、横骨線として、仕切りフェンス10の他の支柱間と同様に配設されている。
また、かくの如き構成の出入口扉22は、フェンス開口部24に対して取り外し可能に配設されて、その両側部に位置する支柱14,14に沿った上下方向への移動によって、かかるフェンス開口部24を開閉し得るようになっているのである。即ち、図3(b)におけるX部拡大図や、その部分の断面を示す図4(a)及び(b)から明らかなように、フェンス開口部24の両側に位置する側部胴縁26,26の上下2ヶ所に、それぞれ、扉取付け用の係合部材となるフックボルト34が、その脚部を貫通した形態において、ナット36の螺合によって固定せしめられている一方、かかるフックボルト34に対応する出入口扉22の側枠28c,28cの部位には、かかるフックボルト34が係合されて、それを保持し得る保持手段となるスリット38が、上下方向に延び、その端部において側方に開口する形態において配設されている。
具体的には、フックボルト34は、図4(b)から明らかな如く、一方の端部側を頭部部位とし、他方の端部側を脚部部位としてなる、所定長さの棒状体にて構成されてなるものであって、ここでは、その頭部部位に、大径部38が形成されている一方、その脚部部位に、段付きの形状において、ネジ部34bが形成されており、このネジ部34bが、側部胴縁26に設けられた貫通孔40に挿入されてなる形態において、ナット36の螺合により、フックボルト34が側部胴縁26に対して固定せしめられることによって、係合部材として機能するようになっている。
一方、かかるフックボルト34の保持手段としてのスリット38が、図4(a)から明らかなように、出入口扉22における外側枠体28の側枠28cに対して、その上下方向に延びるように設けられ、そしてここでは、下側の端部に設けられた側方開口部38aにて、側枠28cの側方に開口する形態において、構成されている。なお、スリット38は、その上下方向に延びる上側の端部部分の幅が、フックボルト34の大径部34aの直径よりも小さくされて、スリット38内に入り込んで、係合保持されるフックボルト34が、スリット38から抜け出し得ないようになっている一方、スリット38の下側の端部に設けた側方開口部38aの幅は、フックボルト34の大径部34aの直径よりも大きくされて、かかるフックボルト34が、図4(a)において、側方開口部38aの開口端からのみならず、紙面に対して直角な方向からも挿入され得るようにして、スリット38に対する挿入・係合が、容易に行われ得るようになっている。
従って、図2に示される仕切りフェンス10のフェンス開口部24に対して、出入口扉22を取り付けて、図1及び図3に示される如く配設するに際しては、フェンス開口部24において、先ず、出入口扉22を持ち上げて、その外側枠体28の両側の側枠28c,28cに設けられた、それぞれ上下2つのスリット38,38に対して、それぞれの側方開口部38aから、図5(a)及び(b)に示される如く、フェンス開口部24を規定する側部胴縁26,26の上下所定位置に固定的に設けられているフックボルト34,34を、その長手方向の中間部位を入り込ませた後、出入口扉22を下方に移動せしめるようにする。これにより、それぞれのフックボルト34を、それらの対応するスリット38の上部に移動させて、図5(c)の如く、係合保持せしめることによって、かかる出入口扉22の配設を完了させて、フェンス開口部24の閉塞が実現されることとなるのである。
また、そのようなフェンス開口部24を出入口扉22にて閉塞してなる状態から、かかる出入口扉22を取り外す際には、出入口扉22を持ち上げて、上方に平行移動させることにより、各スリット38の下側の端部に位置する側方開口部38aに、その対応するフックボルト34を移動させて、スリット38に対する係合を解除するようにすることによって、出入口扉22は、フェンス開口部24から取り外され、かかるフェンス開口部24が、図2の如く開放され得ることとなる。
このように、上述の如き出入口扉22の配設構造によれば、仕切りフェンス10内での作業のために、関係者が出入りするべく、出入口扉22の支柱14に沿った上下方向への単純な移動操作によって、かかる出入口扉22を取り外したり、或いは取り付けたりすることが、容易に出来るところから、フェンス開口部24に対する出入口扉22の開閉作業が、簡単且つ容易となることに加えて、従来の片開き式や両開き式の扉の如く、支柱14周りに回動させるようにしたものではないところから、傾斜面や植物、積雪塊等の障害物が出入口扉22の一方或いは両方に存在する等の周辺の状況によって、かかる出入口扉22の開閉が左右されることも全くなく、フェンス開口部24を有効に開放せしめ得て、フェンス内への関係者の出入りに制約を受けることも、有利に回避され得ることとなるのである。そして、これによって、仕切りフェンス10内への立ち入りに際して、開閉される出入口扉22の配設構造が、簡単な構造において、且つ低コストで、有利に実現され得ることとなったのである。
なお、出入口扉22は、上述の如く、その上下方向への平行移動によって、フックボルト34とスリット38との係合及びその解除が、簡単且つ容易に行われ得るものであるところから、ここでは、目的外の出入口扉22の上下移動によって、例えば関係者以外の者の上下動操作や、物体の衝突等による上下方向への衝撃作用等によって、出入口扉22がフェンス開口部24から簡単に取り外され得ないように、ここでは、出入口扉22の側部(28c)とフェンス開口部の側部(26)との間に、それらを連結する錠前手段である南京錠42が、取り付けられている。そして、この南京錠42の施錠によって、出入口扉22とフェンス開口部24のそれぞれの側部が連結されることによって、かかる出入口扉22のフェンス開口部24に対する離脱が不能となるようになっている。
以上、本考案の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも、例示に過ぎないものであって、本考案は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
例えば、例示の実施形態に係る出入口扉22の配設構造においては、扉取付け用の係合部材としてのフックボルト34が、フェンス開口部24の両側に位置する側部胴縁26,26の上下の部位にそれぞれ固設されている一方、そのようなフックボルト34が係合されて、それを保持し得る保持手段としてのスリット38が、出入口扉22の外側枠体28における両側部の側枠28c,28cの対応する上下の部位に、それぞれ設けられているが、それとは逆に、図6の(a)~(c)に示される如く、フックボルト34を出入口扉22側(側枠28c)に固設する一方、フェンス開口部24の両側に位置する側部胴縁26,26には、上側の端部において側方に開口するスリット38’を設けてなる構成を採用することも、可能である。なお、そのような側部胴縁26に設けられるスリット38’は、図示の如く、上下方向に設けられていると共に、その上側の端部において、側方に開口する側方開口部38a’が、先のスリット38と同様な形態において設けられているのである。
また、フックボルト34とスリット38の組合せからなる係止機構は、出入口扉22の両側部に、それぞれ、少なくとも1組以上の割合にて設けられ、通常、一方の側部において、複数組の割合において設けられることが望ましい。尤も、各側部において、1組の係止機構を設ける場合にあっては、図3(a)に示される如く、南京錠42の如き錠前手段と併用することが望ましく、それによって、1組の係止機構(34,38)と南京錠42による2ヶ所にて、出入口扉22の側部が安定的に保持され得ることとなる。
さらに、係合部材であるフックボルト34の固設構造においても、公知の各種の固定形態を採用することが可能であり、例示の如き段付き構造においてナット36の螺入にて固定せしめる構造に代えて、例えば、図7(a)や(b)に示される如き形態において、固定せしめることも可能である。そこでは、(a)に示される如く、2つのナット36a,36bをそれぞれ螺入して、それらナット36a,36bの間において、側部胴縁26を挟持するようにした構造が採用されており、また(b)においては、充分な長さを有するカラー44が、フックボルト34’の脚部から外挿されて、大径部34’aに当接するように配置された状態において、ナット36を螺入せしめて、カラー44の端部とナット36との間において、側部胴縁26を挟持するようにした構造が採用されている。なお、そこにおいて、フックボルト34’は、その頭部側の大径部34’aを除き、その全長に亘ってネジ部34’bが設けられている。勿論、これら(a)や(b)に示される如き構造の他にも、単に、フックボルト(34)の脚部側の端部を、溶接等の固着手法に従って、側部胴縁26に固定せしめるようにすることも可能であることは言うまでもなく、またナット36を側部胴縁26の貫通穴40の周縁部に溶着固定して、それにフックボルト34を螺入せしめるようにすることも可能である。
加えて、出入口扉22をフェンス開口部24に対して取り付けるための、係合部材(34)とその保持手段(38)からなる係止機構にあっても、公知の各種の係止構造が採用され得、例えば、図8に示される如く、出入口扉22の肩部に固設された係合部材としてのL字金具46の、筒状の支柱14の上端開口部に対する出入りを、出入口扉22の上下方向の動きによって行うことにより、かかる出入口扉22の取り付け及び取り外しが可能となるようにした構造も採用可能である。なお、ここでは、支柱14の上端開口部に対してL字金具46が係合せしめられるようになっているが、これに代えて、側部胴縁26の上端開口部、又は支柱14や側部胴縁26の上部に位置固定に取り付けられた、それらとは別体の筒状体の上端開口部に、L字金具46が係合せしめられ得るようにした構造も採用可能である。
更にまた、例示の代表的な実施形態では、フェンス開口部24の両側において、上側胴縁18aの端部と下側胴縁18bの端部とを連結する側部胴縁26,26が、支柱14とは別個に、それぞれ設けられているが、そのような側部胴縁26を、フェンス開口部24を形成する両側の支柱14,14と一体化して、一つの部材にて構成することが可能である。特に、上記した図8に示される形態の如く、支柱14の上端開口部を保持手段として利用する場合においては、そのような支柱14と側部胴縁26との一体的な構成が、有利に採用されることとなる。
なお、例示の実施形態においては、ネット部材として、金網16が用いられており、本考案においては、そのような金網16の使用が一般的ではあるが、隣接する支柱14,14間に張設乃至は架設される公知のものが、何れも、フェンスの使用目的に応じて適宜に採用可能であることは言うまでもないところである。
また、本考案の対象とする仕切りフェンスについて、例示の実施形態では、立ち入り防止柵について説明してきたが、これに限定されるものではなく、落石、雪崩、崩落土砂等を対象とした防護柵や、住宅、工場、運動場等の外柵等の他のフェンスも、その対象とすることが可能である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本考案の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
10 仕切りフェンス 12 基礎
14 支柱 16 金網
18a 上側胴縁 18b 下側胴縁
20 ワイヤー 22 出入口扉
24 フェンス開口部 26 側部胴縁
28 外側枠体 28a 上枠
28b 下枠 28c 側枠
30 金網 32 ワイヤー
34 フックボルト 34a 大径部
34b ネジ部 36 ナット
38 スリット 38a 側方開口部
40 貫通孔 42 南京錠
44 カラー 46 L字金具
14 支柱 16 金網
18a 上側胴縁 18b 下側胴縁
20 ワイヤー 22 出入口扉
24 フェンス開口部 26 側部胴縁
28 外側枠体 28a 上枠
28b 下枠 28c 側枠
30 金網 32 ワイヤー
34 フックボルト 34a 大径部
34b ネジ部 36 ナット
38 スリット 38a 側方開口部
40 貫通孔 42 南京錠
44 カラー 46 L字金具
Claims (11)
- 地面に立設されてなる形態にて、所定距離を隔てて連設された複数の支柱と、それら複数の支柱間に張設されたネット部材とを含み、地面の所定の領域を他の領域から仕切るようにした仕切りフェンスにおいて、所定の隣接する2本の支柱間に、前記ネット部材の張設されていないフェンス開口部を、前記所定の領域への出入りのための出入口部として設けて、該フェンス開口部に、前記支柱に沿った上下方向への移動によって該フェンス開口部を開閉する、取外し可能な出入口扉を配設する構造にして、
かかる出入口扉の両側部と該両側部にそれぞれ対応する前記フェンス開口部の両側の側部との何れか一方に、扉取付け用の係合部材を設けると共に、それらの何れか他方に、該係合部材が係合されて、それを保持し得る保持手段を設けて、該出入口扉の前記支柱に沿った下方への移動操作によって、前記係合部材の前記保持手段への係合を実現して、該出入口扉が前記フェンス開口部に取り付けられて、該フェンス開口部を閉塞せしめる一方、該出入口扉の前記支柱に沿った上方への移動操作によって、前記係合部材の前記保持手段に対する係合が解除されて、該出入口扉が前記フェンス開口部から取り外されて、該フェンス開口部を解放し得るように構成したことを特徴とする仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。 - 前記出入口扉が、その外周縁部を構成する矩形の外側枠体と、該外側枠体にて囲まれた内側空間を閉塞するように張設されたネット部材とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記仕切りフェンスが、前記フェンス開口部の設けられた支柱間を除く他の支柱間をつなぐ上側胴縁及び下側胴縁と、前記フェンス開口部の両側に位置する、それら上側胴縁及び下側胴縁の端部をつなぐ側部胴縁とを有し、該フェンス開口部の両側において、それら上側胴縁、下側胴縁及び側部胴縁に亘って、前記ネット部材が、それぞれ張設されていることを特徴とする請求項1に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記フェンス開口部の設けられた支柱間には、前記出入口扉を除き、それら支柱を連結する如何なる部材も配設されていないことを特徴とする請求項3に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記側部胴縁が、前記フェンス開口部を与える支柱に対して、一体的に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記係合部材及び前記保持手段のうちの何れか一方が、前記出入口扉の両側部の上部及び下部の2ヶ所にそれぞれ位置するように、配設されている一方、それら係合部材及び保持手段のうちの何れか他方が、前記フェンス開口部の両側の側部の上部及び下部の2ヶ所にそれぞれ位置するように配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記係合部材が、一方の端部側を頭部部位とし、他方の端部側を脚部部位としてなる所定長さの棒状体にて構成されて、該棒状体が、その脚部部位において、前記フェンス開口部の側部に固定されている一方、前記保持手段が、前記出入口扉の側部に設けられた、上下方向に延び、その下側の端部において側方に開口するスリットにて構成され、該スリットに対して、その側方の開口から、前記棒状体の頭部部位が装入されて、係合せしめられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記係合部材が、その一方の端部側の頭部部位に、他の部位よりも外径の大なる大径部を有し、前記スリットに対する係合状態下において、該スリットからの該係合部材の抜け出しが阻止されるようになっていることを特徴とする請求項7に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記係合部材が、一方の端部側を頭部部位とし、他方の端部側を脚部部位としてなる所定長さの棒状体にて構成されて、該棒状体が、その脚部部位において、前記出入口扉の側部に固定されている一方、前記保持手段が、前記フェンス開口部の側部に設けられた、上下方向に延び、その上側の端部において側方に開口するスリットにて構成され、該スリットに対して、その側方の開口から、前記棒状体の頭部部位が装入されて、係合せしめられるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記係合部材が、その一方の端部側の頭部部位に、他の部位よりも外径の大なる大径部を有し、前記スリットに対する係合状態下において、該スリットからの該係合部材の抜け出しが阻止されるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
- 前記出入口扉の側部と前記フェンス開口部の側部との間に、それらを連結する錠前手段を設け、該錠前手段による施錠にて、該出入口扉の該フェンス開口部に対する離脱が不能となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の仕切りフェンスにおける出入口扉の配設構造。
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