JP3239326U - 機能性素材用超微粒子化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒を使用せず、食品添加物の乳化剤の使用を大幅に削減し、生体吸収率を高める機能性成分を製造できる超微粒子化装置を提供する。【解決手段】乳化均質化装置110と超音波均質化装置120とを備える機能性素材用超微粒子化装置であって、乳化均質化装置と超音波均質化装置とは、搬送管Lで接続される。乳化均質化装置110は、乳化槽、及び乳化槽の一端に接続された真空排気装置を含む。乳化槽の上方に、昇降油圧装置によって規制される乳化攪拌翼が設けられ、乳化槽の上方にはさらに供給装置が設けられる。超音波均質化装置120は、混合槽に複数の超音波発生器が配置するように構成される。機能性素材用超微粒子化装置により、不溶性の機能性成分を乳化剤でカプセル化し、ヘルスケア製品やスキンケア製品に最適なプロセスで生体吸収性と生体利用性とを向上させる。【選択図】図1
Description
本考案は、乳化均質化装置、超音波均質化装置を含む機能性素材用超微粒子化装置に関し、特に個体の生体吸収率及び生体利用率を向上させることができるヘルスケア製品またはメンテナンス製品を調製できる機能性素材用超微粒子化装置に関する。
機能性成分としては、カロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類などがあり、ウコンのクルクミン(Curcumin)などのポリフェノール、カロテノイドの中のルテイン(Lutein)、アスタキサンチン(Astaxanthin)、コエンザイムQ10(Q10)やビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンは、健康に良いことが分かっている。しかし、これらの機能性成分は水への溶解度が低く、吸収率も低いため、その利用には限界があった。そこで、乳化技術が脂溶性化合物の水への溶解度を効果的に高めることができることが多くの研究で明らかにされている。
乳化系は、水、油相、及び水相と油相との界面活性剤親和性によって形成された安定な均一溶液の混合物を含む。その中、ポリソルベート(Polysorbate)、スクロース脂肪酸エステル(Sucrose Fatty Acid Ester)、エステル交換リシノール酸のポリグリセリンエステル(Polyglycerol Esters of Interesterified Ricinoleic Acids,PGPR)などの非イオン性界面活性剤は、当技術分野で最もよく使用される合法的な食品添加物である。しかし、近年、徐々に自然食品、無添加食品への関心が高まり、自然食品、無添加食品を追求する流れの中で、食品添加物の代わりに天然素材を使用することが、ヘルスケア製品業界にとって重要な課題となってきている。
従って、有機溶媒を使用せず、食品添加物の乳化剤の使用を大幅に削減し、かつ有効成分が人体に吸収利用されるように成分の生体吸収率を高める機能性成分を製造できる超微粒子化装置を見出すことが必要である。
そこで、本考案の目的は、乳化均質化装置及び超音波均質化装置を備える機能性素材用超微粒子化装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、いくつかの実施形態において、機能性素材用超微粒子化装置は、乳化均質化装置を超音波均質化装置に接続する搬送管をさらに備える。
いくつかの実施形態では、乳化均質化装置は、乳化槽、乳化攪拌翼及び真空排気装置を含み、乳化槽内で天然乳化剤を乳化攪拌翼で混合し均質化することにより、機能性原料乳濁液を形成する。
いくつかの実施態様では、混合槽と超音波発生器とを含む超音波均質化装置は、混合槽内の機能性原料乳濁液に直接作用する特定の周波数の超音波を発生させて、「マイクロエマルション」状態を与え、すなわちミクロンサイズとナノサイズとの間のマイクロエマルジョン液滴(droplet)に機能性材料を組み込んでカプセル化させる。
本考案の他の目的は、個体の生体吸収性及び生体利用性を向上させるために、ヘルスケア製品に使用するための上記のような機能性を有する機能性成分スーパーミクロン液を提供することである。
前記機能性成分スーパーミクロン液によれば、乳化剤は、アラビアガム(Arabic gum)、グアーガム(Guar gum)、キサンタン(Xanthan)、ペクチン(Pectin)、レシチン(Lecithin)、タンパク質(Protein)、キトサン(Chitosan)、サポニン(Saponin)、及びこれらの少なくとも任意の組み合わせからなる群から選択される。
本考案の内容のより詳細かつ完全な説明を提供するために、ウコンを本考案の例として使用する。
本考案に係る特定の実施形態において、機能性成分スーパーミクロン液が超微粒子化ウコン液(水溶液)であり、主成分として、クルクミンが90%~95%となるウコンエキス末の含有量は0.05重量%~10重量%であり、レシチンの含有量は1重量%~15重量%である。
本考案に係る特定の実施形態において、ウコンミクロエマルジョンに含まれるウコンエキス末の平均粒度は0.1μm~2μmである。
本考案に係る特定の実施形態において、乳化処理の実行時間は5分~30分であり、処理の温度は15℃~30℃である。
本考案に係る特定の実施形態において、超音波処理の実行時間は5分~40分であり、処理の温度は20℃~50℃である。
以上をまとめると、本考案の実施形態で製造された超微粒子化ウコン(製品)は、有効成分として含まれるウコンエキス末の平均粒度が、従来のウコン製品よりも小さく、従来のウコンと比較して乳化安定性が良好であり、個体の生体吸収性及び生体利用性を向上させることができるという効果がある。
本考案の上記及びその他の目的、特徴、利点及び実施形態をより明白かつ理解しやすくするために、添付図面を以下のように説明する。
本考案のより詳細かつ完全な説明を提供するために、本考案の実施形態及び具体例の例示的な説明を以下に提供するが、これは、本考案の特定の実施形態が実施または使用され得る唯一の形態であるわけではない。以下に開示される実施形態は、有益な場合には、互いに組み合わせたり、置換したりすることができ、あるいは、他の実施形態は、さらなる表記または説明なしに、ある実施形態に付加することができる。
本考案に従って調製された製品は、分散性粉末(dispersible powder)、溶液、懸濁液(suspension)、ゼリー等として調製することができる。
本明細書において、「生体吸収性(bioabsorbability)」という用語は、生物が物質を取り込み、消化吸収する能力を意味するものとして用いられる。
本書で使用する「生体利用率(bioavailability)」という用語は、製品中の有効成分(active ingredient)が生体内で吸収・再利用される割合と量を意味する。
本考案の機能性素材用超微粒子化装置100の好ましい実施形態については図1を参照されたい、しかし、これらの実施形態は説明のためのものであり、実用新案登録出願の目的上この構造によって限定されることはない。
機能性素材用超微粒子化装置100は、乳化均質化装置110、超音波均質化装置120を含む。
いくつかの実施形態では、機能性素材用超微粒子化装置100は、搬送管Lをさらに備える。
いくつかの実施形態では、機能性素材用超微粒子化装置100はまた、搬送管Lを含まなくてもよい。あるいは、原料の特性により、乳化均質化装置110と超音波均質化装置120との操作順序を切り替えることを可能にしてもよい。
図2を参照されたい。図2は、本考案に係る機能性素材用超微粒子化装置の乳化均質化装置を示す模式図である。乳化均質化装置110は、乳化槽111、及び乳化槽の一端に接続された真空排気装置113を含む。乳化槽の上方に、昇降油圧装置115によって規制される乳化攪拌翼114が設けられ、乳化槽の上方にはさらに供給装置112が設けられ、クルクミン、ルテイン、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、またはビタミンA、D、E、Kなどの水に不溶の脂溶性ビタミンといった不溶性の機能性成分が90%~95%となるエキス末を、少なくとも一種が供給装置112から投入され、機能性乳化液を調製するようになっている。
図3を参照されたい。図3は、本考案に係る機能性素材用超微粒子化装置の超音波均質化装置を示す模式図である。超音波均質化装置120は、混合槽121に複数の超音波発生器122が配置するように構成される。超音波発生器122が生成した超音波は、混合槽121内の乳化物質に直接作用することによって、多数の気泡が形成される。気泡は超音波振動により徐々に増加し、その後急激に破裂して分裂し、高温高圧を発生させるため、乳化物質の粒度が小さくなり、単一の均質相に混合される。
以上の構造構成と技術的特徴とにより、本装置の動作を説明すると、まず、昇降油圧装置115により乳化攪拌翼114を乳化槽111内に深く入れ、供給装置112に機能性素材と乳化剤とを入れ、適量かつ適時的に乳化槽111内に供給し、機能性材料と安定剤とを乳化状態まで完全に混合・乳化し、さらに真空排気装置113により乳化液内の気泡を除去し、機能性乳化液を仕上げる。
機能性乳化液が十分に混合されると、搬送管Lを用いて超音波装置120の混合槽121に送られ、混合槽に機能性乳化液が流入すると、混合槽の壁面の周囲に超音波発生装置122で発生した密で一貫性のある超音波が、機能性乳化液に対して超微小乳化現象を持たせ、機能性成分スーパーミクロン液を得る。
本考案の理解を深めるために、以下の実施例では、機能性成分スーパーミクロン液の調製方法と、その粒度分析と、異なるpHレベルにおける放出と、を示すが、これらの実施例は、本考案の詳細及び内容を説明するための例に過ぎず、本実施例の実用新案登録出願範囲を制限する必要はない。
実施例1:超微粒子化ウコン液の調製法
まず、1重量%~15重量%(製造される超微粒子化ウコン液全量を100重量%とする)のレシチンを調製し、400rpm~800rpmで10分~30分間、40℃~60℃で混合攪拌し、レシチン水溶液を形成させた。それを室温(25℃)まで冷却後、水溶液と、0.05重量%~10重量%(製造される超微粒子化ウコン液全量を100重量%とする)の、クルクミンが90%~95%となるウコンエキス末(固形分として存在する)と、を供給装置112を介して乳化槽111に供給し、15℃~30℃に制御しながら乳化攪拌翼114を1,000rpm~10,000rpmで5分~30分混合攪拌し、ウコン乳化液を得る。そして、真空排気装置113により溶液中の気泡を除去した後、ウコン乳化液を搬送管Lを介して超音波均質化装置120の混合槽121に送り、20℃~50℃の温度制御下で26Hzでマイクロエマルションし、本考案の超微粒子化ウコン液を得た。
実施例2:超微粒子化ウコン液の粒度分析
実験グループとして、超音波装置を用いて26Hzでウコン乳化液を微乳化した超微粒子化ウコン製品(超微粒子化ウコン液)である。対照グループとして、未処理の従来のウコンエキス末を含むウコン製品を使用した。次に、医療及び製薬産業技術開発センター(Medical and Pharmaceutical Industry Technology and Development Center)を頼んで、実験グループと対照グループとにおけるウコンエキス末の粒度をCoulter LS230アナライザーを使って調べた。Coulter LS230は、直径0.04μmから2000μmまでのあらゆる種類のナノ粒子の粒度分布分析を高速かつ自動的に行い、光学顕微鏡を用いた顕微鏡比較を行うことができる装置である。この実験の結果を図4から図6に示す。
図4は、超微粒子化処理後の本考案のウコン製品の粒度分布(ウコンエキス末の粒度分布)の結果(すなわち、実験グループ)を示す。図8を参照する。図8は、超微粒子化処理後の本考案のウコン製品(すなわち実験グループ)と超微粒子化処理をしていない状態のウコン製品(すなわち対照グループ)との光学顕微鏡写真を示す。また、図5は、超微粒子化処理後の本考案のウコン製品(すなわち実験グループ)と超微粒子化処理をしていない状態のウコン製品(すなわち対照グループ)との粒度分析結果を示す図である。実験グループの平均粒度は0.32μmであったのに対し、対照グループの平均粒度は14.78μmであった。この実験の結果、本考案におけるウコン製品の平均粒度を小さくするには、超微粒子化が鍵となり、ウコン製品のウコンエキス末の平均粒度を14.78μmから0.32μmにすることができ、約50分の1にまで大幅に小さくすることができた。従って、本考案の超微粒子化ウコン製品は、より優れた生体吸収性、生体利用性を有すると考えられる。
実施例3:体外で超微粒子化ウコン製品の体内放出状況の模擬
900mlの37℃のpH2.0模擬胃液(simulated gastric fluid with or without pepsin,SGF)及び900mlのpH6.8模擬腸液(simulated colonic fluid with or without pectinase,SCF)のそれぞれに超微粒子化ウコン製品5mlを浸漬し、100rpmの一定速度で撹拌し、一定時間ごとに定量液を取り、HPLCで濃度分析しプロットした。放出率は、以下の式で算出した。
放出率(%)=(放出クルクミン量/超微粒子化ウコン製品の量)×100%
図6は、模擬胃液環境下でのクルクミンの放出状況を示した。菱形のデータポイントの曲線は、pH2.0の酸性環境下で超微粒子化したウコン製品を、四角形のデータポイントの曲線は未処理のウコン製品を表している。上記の異なるウコンの処理方法は、弱酸性環境での放出挙動が異なる。pH2.0の模擬酸性環境である胃液中では、未処理のウコン製品のクルクミンの放出率は初期から120分までほぼ0%であったが、超微粒子化ウコン製品のクルクミンの放出率は30分からは10%以上に至り、2時間も継続した。
図7は、模擬腸液環境でのクルクミンの放出状況を示した。菱形のデータポイントの曲線は、pH6.8の弱アルカリ性環境下での超微粒子化したウコン製品を、四角形のデータポイントの曲線は未処理のウコン製品を表している。上記の異なるウコンの処理方法は、弱アルカリ性環境での放出挙動が異なる。pH6.8の弱アルカリ性環境の模擬腸液において、未処理のウコン製品の放出率は開始から120分までで約1%であったが、超微粒子化ウコン製品のクルクミンの放出率は10分後に16%以上に達し、2時間も継続した。
この実験の結果、ウコンエキス末の超微粒子化がクルクミンの腸管内での放出率を高める鍵であることが分かった。クルクミンの腸液中での放出率は1%から16%に上昇し、クルクミンの吸収率が20倍近くまで大幅に向上した。そのため、超微粒子化ウコン製品は生体吸収性、生体利用性がより優れている。
本考案の上記実施形態によって開示されたスーパーミクロン液は、以下の利点を有する。
1、脂溶性の機能性成分の吸収を向上させる。
本開発の超微粒子化ウコン液は、インビトロ溶出試験において、ウコンの放出速度を高める効果が確認されており、水溶性ウコンを用いた経口製剤や栄養補助食品の開発に利用できることから、本開発はより実用的でユーザーのニーズに即したものとなっている。
本開発の超微粒子化ウコン液は、インビトロ溶出試験において、ウコンの放出速度を高める効果が確認されており、水溶性ウコンを用いた経口製剤や栄養補助食品の開発に利用できることから、本開発はより実用的でユーザーのニーズに即したものとなっている。
2、原材料とプロセスとの簡素化を可能にする。
本考案によって開発された製品は、有機溶剤の使用を排除し、食品添加物である乳化剤の使用量を大幅に削減するなど、現在の食品トレンドに合致したものとなっている。
本考案によって開発された製品は、有機溶剤の使用を排除し、食品添加物である乳化剤の使用量を大幅に削減するなど、現在の食品トレンドに合致したものとなっている。
以上に開示された内容は本考案の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本考案の実用新案登録請求の範囲を制限するものではない。そのため、本考案の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本考案の実用新案登録請求の範囲に含まれるものとする。
100:機能性素材用超微粒子化装置
110:乳化均質化装置
111:乳化槽
112:供給装置
113:真空排気装置
114:乳化攪拌翼
115:昇降油圧装置
120:超音波均質化装置
121:混合槽
122:超音波発生装置
L:搬送管
110:乳化均質化装置
111:乳化槽
112:供給装置
113:真空排気装置
114:乳化攪拌翼
115:昇降油圧装置
120:超音波均質化装置
121:混合槽
122:超音波発生装置
L:搬送管
Claims (5)
- 乳化均質化装置と、前記乳化均質化装置に接続される超音波均質化装置と、を備える、ことを特徴とする、
機能性素材用超微粒子化装置。 - 前記乳化均質化装置と前記超音波均質化装置とを接続するための搬送管をさらに含む、請求項1に記載の機能性素材用超微粒子化装置。
- 前記乳化均質化装置は、乳化槽と、前記乳化槽に配置された乳化攪拌翼と、前記乳化槽の上方に配置された真空排気装置と、を含む、請求項1に記載の機能性素材用超微粒子化装置。
- 前記超音波均質化装置は、混合槽と、前記混合槽に配置された超音波発生器と、を含む、請求項1に記載の機能性素材用超微粒子化装置。
- 前記機能性素材用超微粒子化装置は、機能性成分を含む機能性素材を超微粒子化するために用いられ、前記機能性成分は、クルクミン、ルテイン、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンからなる群から選ばれる、請求項1に記載の機能性素材用超微粒子化装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
TW110209222 | 2021-08-03 | ||
TW110209222U TWM628415U (zh) | 2021-08-03 | 2021-08-03 | 機能原料超微米化設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022002548U Active JP3239326U (ja) | 2021-08-03 | 2022-08-02 | 機能性素材用超微粒子化装置 |
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2022
- 2022-07-26 CN CN202221944976.0U patent/CN218501747U/zh active Active
- 2022-08-02 JP JP2022002548U patent/JP3239326U/ja active Active
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