JP3239177B2 - 起伏スクリーン式除塵装置 - Google Patents

起伏スクリーン式除塵装置

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JP3239177B2
JP3239177B2 JP16861392A JP16861392A JP3239177B2 JP 3239177 B2 JP3239177 B2 JP 3239177B2 JP 16861392 A JP16861392 A JP 16861392A JP 16861392 A JP16861392 A JP 16861392A JP 3239177 B2 JP3239177 B2 JP 3239177B2
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章雄 飯田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、河川から水道用水、
発電用水等を取水する取水設備に設置して、水に混入し
ている塵芥を除去したり、また用水路に設置して流水に
混入している塵芥を除去、清掃するための起伏スクリー
ン式除塵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流れる水から塵芥を除去するため
の除塵装置としては、水路に平鋼等を下流側に傾けて並
べてスクリーンにし、これに掛かった塵芥をワイヤロー
プやチェーンで駆動する熊手によって掻き揚げるものが
多種類発明され、実用に供せられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自然河
川に面した取水設備では、予想以上に大きい寸法の塵芥
が流されてきて掻き揚げ不能になったり、また用水路を
横断して設置した場合、流れてくる塵芥の量が除塵装置
の能力を越えて、スクリーンに多量の塵芥が掛かって流
水が堰き上げられ人工洪水を引き起こす不安がある等の
欠点があった。
【0004】この発明の起伏スクリーン式除塵装置は、
流下する塵芥の大部分が水の表面付近に集中することに
着目し、水路底に設けた曲げ・ねじりともに充分な強度
を有する回転軸に、櫛の歯状に植付けたスクリーンバー
を下流側に緩やかに傾斜して設け、かつスクリーンバー
の最高部が水面下の適当な深さになるよう位置付けると
ともに、スクリーンバーの最高部を水とともに越えてく
る塵芥を塵芥受箱に受けて捕捉し、塵芥受箱を昇降反転
装置に取付けて塵芥が溜ったら、塵芥受箱を持ち上げて
反転し、塵芥受台に揚げるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明の起伏
スクリーン式除塵装置は、櫛の歯状スクリーンバーと、
このスクリーンバーを植付けられ、軸受によって水路底
に設置された、曲げ・ねじりともに充分な強度を有する
回転軸と、上記スクリーンバーを起立・倒伏操作するた
めに、回転軸に取付けた支持アームの先端に連結したワ
イヤロープを操作する地上の巻上機と、水路の下流側に
緩やかに傾斜したスクリーンバーの先端から越流する塵
芥や水を受ける位置に、透水性良く製作した塵芥受箱を
取付けた昇降枠と、かつ昇降枠に設けられガイドレール
に案内される上下の車輪および復元用対重と、さらに反
転運動が可能なように昇降枠の下部に取付けたワイヤロ
ープを上げ下げ操作するための地上高所の巻上機と、加
えて円弧を含む曲線によって上下の車輪を誘導し、ワイ
ヤロープを制限一杯まで巻上げたときは、昇降枠、塵芥
受箱、上下の車輪、対重を含む全体を反転させて、塵芥
受箱の内に貯溜した塵芥を放出し、また逆にワイヤロー
プを緩めると逆方向に回転させて復元するようその上部
を構成したガイドレールとを有するようにしたことを特
徴とするものである。
【0006】
【作用】この発明の起伏スクリーン式除塵装置によれ
ば、 .大きな寸法の塵芥の処理が容易である。 .塵芥の引き揚げ能力を飛躍的に大きくすることがで
きる。 .除塵装置が安価に設置できる。 .洪水時スクリーンバーを水路底に倒伏させ、塵芥受
箱を水路上に引上げれば水路内の水の流れを妨げること
が無くなって人工洪水の心配がない。等の利点がある。
【0007】
【実施例】以下、この発明の起伏スクリーン式除塵装置
の実施例を、図面に基いて説明する。
【0008】図1ないし図3は、この発明の起伏スクリ
ーン式除塵装置の1実施例を説明するものである。
【0009】図1ないし図3において、1は櫛の歯状の
スクリーンバーで、水路の底に軸受3によって回転自在
に設けた、曲げ・ねじりともに充分な強度を有する回転
軸2に取付けられている。この発明の起伏スクリーン式
除塵装置が除塵機能を発揮するためには、上記スクリー
ンバー1は下流側に緩やかに傾斜して設けられ、かつそ
の最高部が水面下の適当な深さになるよう水路の側壁に
近寄った位置で、回転軸2にスクリーンバー1と同様に
取付けた支持アーム4とワイヤロープ5を介して巻上機
6によって姿勢を調整される。
【0010】この状態では、流れる水のほとんどはスク
リーンバー1の隙間を通って流れ下るのであるが、一部
分がスクリーンバー1の先端(最高部)を越えて流れ
る。このとき、水と一緒に流れてくる塵芥の大部分は水
の表面付近を流れてくるので、スクリーンバー1の先端
を越えることができる。また一部水路の底を転がるよう
に流れてきたものや水中を流れてきたものはスクリーン
バー1に掛かるのであるが、スクリーンバー1の傾斜が
緩やかであるため流れる水の力に押されてスクリーンバ
ー1の先端に導かれ、結局スクリーンバー1の先端を越
えてしまう。
【0011】もし、水中を流れてくるものや、水路の底
を流れてくるものの量が多く、また塵芥の比重が水に近
く、流れる水の力だけではこれをスクリーンバー1の先
端に導くことが困難な現場においては、図7のように回
転軸2の下部または上部に噴出口21,22を設けてス
クリーンバー1に沿う方向に圧縮空気や圧力を加えた水
を噴出させたり、潜り堰23を設けてスクリーンバー1
の隙間の水の下方の流れを和らげることにより、これら
塵芥をスクリーンバー1の先端に導き、越流させること
ができる。
【0012】この場合、回転軸2の上部の噴出口21か
らは圧力を加えた水を噴出させると効果が良く、回転軸
2の下部の噴出口22からは圧縮空気を噴出させると効
果が上がるのが一般的であるが、これを併用するか単独
で使用するか、圧力を加えた水か圧縮空気かは現場の水
の流量、流速、水面に発生する水位差の大きさ、塵芥の
性質等により判断し、決定する必要がある。
【0013】スクリーンバー1の先端を越流した塵芥
は、平鋼、丸棒鋼等によって透水性が良く、塵芥が絡み
にくいよう配慮して製作した塵芥受箱7内に落ち、これ
に捕捉され、貯溜される。
【0014】このとき、塵芥受箱7の上流側先端はスク
リーンバー1の裏面の近くにあり、またスクリーンバー
1の下流側水面は、水路底に落差があること、水がスク
リーンバー1の隙間を流れるための損失水頭等によって
適度な水位差だけ上流側水面より低くなるようにするか
ら、塵芥受箱7の内の塵芥は外部に流失することはな
い。
【0015】塵芥受箱7は昇降枠8に取付けられ、昇降
枠8には復元降下用の対重9、ガイドレール15にした
がって昇降枠8と塵芥受箱7の昇降、反転を制御する上
車輪10、下車輪11がある。これら全体を駆動するの
はピン12によって昇降枠8の下部に取付けたワイヤロ
ープ13と、巻上機14である。
【0016】塵芥受箱7を引き揚げるときは、図4のよ
うに塵芥受箱7の上流側先端をスクリーンバー1の裏面
近くにあるよう巻上機6と巻上機14の速度を調整して
スクリーンバー1を引き起こし、同時に塵芥受箱7を引
き揚げると、塵芥受箱7内の塵芥を流失させることなく
引き揚げることができ、かつスクリーンバー1の先端か
らの水と塵芥の越流を一時的に停止させることができ
る。
【0017】図5は、スクリーンバー1が充分に起立し
て塵芥の流下を完全に防止し、一方塵芥受箱7、昇降枠
8は、ワイヤロープ13を介して巻上機14によって引
き揚げられている。この状態では、塵芥受箱7、昇降枠
8、対重9は、上車輪10と下車輪11がガイドレール
15にしたがって運動するので時計回りに回転し、塵芥
受箱7に貯溜されていた塵芥は塵芥受台17の上に放出
される。
【0018】塵芥受台17は、図では最も簡単な床面と
したが、塵芥の量、性質、管理の方針等により、搬出用
コンベアやダンプトラックの荷箱等とすることができ
る。
【0019】塵芥の放出の終わった塵芥受箱7と昇降箱
8を復元させるためには、巻上機14によってワイヤロ
ープ13を緩めてやると、上車輪10はガイドレール1
5のストッパ16に当たっており、対重9の作用により
塵芥受箱7、昇降枠8、対重9、上車輪10、下車輪1
1を含む全体の重心が、上車輪10の中心より充分に左
側にあるので、全体が反時計回りに回転して上車輪1
0、下車輪11ともにガイドレール15の鉛直部分に導
かれる。
【0020】このとき、ガイドレール15を設置する水
路の側壁面は図3に示すように一般の水路側壁より凹ん
でおり、昇降枠8の側部にピン12により取付けたワイ
ヤロープ13は水路幅の方向で塵芥受箱7と外れている
ので、この回転運動に支障はない。
【0021】この後、まず塵芥受箱7を図4の位置に降
ろし、次にスクリーンバー1を倒して同じく図4の位置
にしてスクリーンバー1の裏面を塵芥受箱7の先端に接
近させる。
【0022】引続いて巻上機6と巻上機14の速度を調
整して、スクリーンバー1の裏面と塵芥受箱7の先端と
を接近させながらスクリーンバー1を倒し、塵芥受箱7
を降ろして図1の状態に復元させれば、塵芥の捕捉と貯
溜を再び開始することができる。
【0023】図6のように塵芥受箱7を水路の上まで引
き揚げ、同時にスクリーンバー1を水路底に倒伏させる
と、この水路には水の流れを妨げるものが無くなるの
で、洪水時に除塵装置による人工洪水の心配がなくな
る。
【0024】
【発明の効果】この発明の起伏スクリーン式除塵装置に
よれば、 .大きな寸法の塵芥の処理が容易である。 .塵芥の掻き揚げ能力を飛躍的に大きくすることがで
きる。 .除塵装置が安価に設置できる。 .洪水時スクリーンバーを水路底に倒伏させ、塵芥受
箱を水路上に引上げれば水路内の水の流れを妨げること
が無くなって人工洪水の心配がない等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る起伏スクリーン式除塵装置の1
実施例を示す断面図である。
【図2】そのスクリーンバー部分の正面図である。
【図3】塵芥受箱の昇降反転装置の正面図である。
【図4】除塵装置の塵芥受箱の引き揚げを開始した状態
の断面図である。
【図5】スクリーンバーが起立して塵芥の流下を防止
し、一方塵芥受箱は引き揚げられ反転して塵芥を放出し
た状況を示す断面図である。
【図6】洪水に備えてスクリーンバーが倒伏し、塵芥受
箱が引き揚げられて流水を妨げるものがなくなった状況
を示す断面図である。
【図7】水路底に沈んで流れてくる塵芥が多い場合、ス
クリーンバーの回転軸の下部または上部に噴出口を設け
て圧縮空気または圧力を加えた水を噴出させ、あるいは
スクリーンバーの下流側に潜り堰を設けてスクリーンバ
ーの周囲の下向きの水流を和らげるようにして塵芥がス
クリーンバーの最高部を越えるようにした状況を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 スクリーンバー 2 回転軸 3 軸受 4 支持アーム 5 ワイヤロープ 6 巻上機 7 塵芥受箱 8 昇降枠 9 対重 10 上車輪 11 下車輪 12 ピン 13 ワイヤロープ 14 巻上機 15 ガイドレール 16 ストッパ 17 塵芥受台 21,22 噴出口 23 潜り堰
フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭59−4005(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 5/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 櫛の歯状スクリーンバーと、このスクリ
    ーンバーを植付けられ、軸受によって水路底に設置され
    た、曲げ・ねじりともに充分な強度を有する回転軸と、
    上記スクリーンバーを起立・倒伏操作するために、回転
    軸に取付けた支持アームの先端に連結したワイヤロープ
    を操作する地上の巻上機と、水路の下流側に緩やかに傾
    斜したスクリーンバーの先端から越流する塵芥や水を受
    ける位置に、透水性良く製作した塵芥受箱を取付けた昇
    降枠と、かつ昇降枠に設けられガイドレールに案内され
    る上下の車輪および復元用対重と、さらに反転運動が可
    能なように昇降枠の下部に取付けたワイヤロープを上げ
    下げ操作するための地上高所の巻上機と、加えて円弧を
    含む曲線によって上下の車輪を誘導し、ワイヤロープを
    制限一杯まで巻上げたときは、昇降枠、塵芥受箱、上下
    の車輪、対重を含む全体を反転させて、塵芥受箱の内に
    貯溜した塵芥を放出し、また逆にワイヤロープを緩める
    と逆方向に回転させて復元するようその上部を構成した
    ガイドレールとを有するようにしたことを特徴とする起
    伏スクリーン式除塵装置。
  2. 【請求項2】 緩やかに傾斜したスクリーンバーに掛か
    った塵芥をスクリーンバーの先端に導くためにスクリー
    ンバーの回転軸の上部また下部に設けた噴出口から圧力
    を加えた水や圧縮空気を噴出させ、またスクリーンバー
    の下流側に潜り堰を設けてスクリーンバーの周囲の下向
    きの水流を和らげるよう構成してなる請求項1記載の起
    伏スクリーン式除塵装置。
JP16861392A 1992-06-02 1992-06-02 起伏スクリーン式除塵装置 Expired - Lifetime JP3239177B2 (ja)

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CN104372769B (zh) * 2014-11-03 2016-06-08 大唐陕西发电有限公司石泉水力发电厂 一种直角梳齿式抓斗的生产方法
JP7310619B2 (ja) * 2020-01-22 2023-07-19 Ubeマシナリー株式会社 除塵装置の運転方法
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