JP3239133U - 蓄尿袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数、製作工数を低減することができ、製作コストを低減することが可能な蓄尿袋を提供する。【解決手段】蓄尿袋は、尿を蓄える蓄尿袋本体と、前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できる。【選択図】図1

Description

本考案は、畜尿袋に係り、特に、蓄尿袋本体及び被覆布材を備える畜尿袋に関する。
一般に、、病気やその他の原因によりトイレへ行くことに困難を伴う場合や、尿意はあっても、排尿が困難な場合や、垂れ流し状態排等の、いわゆる「排尿障害」がある場合には、導尿管を使用して蓄尿袋へ尿を排出するようにしている。このような「排尿障害」は、特に、高齢者に多くみられる。
このような場合には、バルーンカテーテル(尿道留置カテーテル)を膀胱内へ挿入配置して導尿管を接続し、導尿管の先端部を蓄尿袋に接合して使用する。
この場合、蓄尿袋本体は、内部に蓄積される尿の状態、量を、看護師等が外部から確認する必要があることから、透明又は半透明に形成されている。
しかしながら、このような蓄尿袋を使用する場合、バルーンカテーテルに接合された導尿管及び蓄尿袋は、入院中の患者の場合、医師、看護師が外部から確認できるように、ベッド脇に吊架されるものであることから、見舞客の目にも触れることとなるため、患者にとっては感情的に苦痛な場合もあり、患者のプライバシー保護の観点からは、何らかの改善が望まれていた。
このような蓄尿袋に関しては、本件出願人による特許文献1に記載された蓄尿袋が提案されている。
この蓄尿袋は、「蓄尿袋本体と、蓄尿袋本体の表面に貼付された被覆布部とにより構成され、被覆布部の横長長方形状の蓄尿袋の長さ方向端部寄りに所定幅のフラップ部を、フラップ部を蓄尿袋本体の長さ方向端部において着脱可能に面ファスナーにより固定することにより、フラップ部により蓄尿袋の幅方向端部よりに設けられた尿量計測部を遮蔽可能に設け、蓄尿袋の使用時にはフラップを固定して蓄尿袋全体を被覆し、尿量計測時にはフラップ部の固定を解除して外部から蓄尿袋の尿量計測部において視認して尿量を計測する」ように構成されている。
しかしながら、このように構成された従来の蓄尿袋は、以下のような問題点がある。
(1)
蓄尿袋に尿が溜まり蓄尿袋が膨らんだ場合に、尿は蓄尿袋の中央側に溜まりやすく、中央側が大きく膨らんだ場合には、フラップ部が幅方向(上下方向)に撓み、形状が変化し、フラップ部の固定時に固定しにくくなる。
(2)
フラップの中央部が大きく膨らんだ場合には、フラップ部の中央部が隆起し蓄尿袋表面部との間に隙間が形成され、隙間を介して外方から蓄尿袋内部が視認されてしまう。
(3)蓄尿袋の上端部にフラップを溶着して、上下方向に開閉するように構成することも考えられるが、上記同様に、蓄尿時に中央部が膨らみ固定しにくい、という問題がある。
(4)蓄尿袋の製造時には、蓄尿袋の表側布材及び裏側布材と、被覆布材とを端部で溶着して接合するが、従来のように「フラップ部を蓄尿袋本体の長さ方向端部において着脱可能に面ファスナーにより固定する」ように構成した場合には、長さ方向端部を重ねて溶着できないことから、表側布材及び裏側布材を先ず溶着した後に、被覆布材を溶着する必要があり、製造工程が複数必要で製作作業が煩雑である。
実願2012-1278号公報
そこで、本考案の課題は、部品点数、製作工数を低減することができ、製作コストを低減することが可能な畜尿袋を提供することにある。
上記課題達成のため、請求項1記載の考案にあっては、尿を蓄える蓄尿袋本体と、前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できるようにしたことを特徴とする。
従って、請求項1記載の考案にあっては、被覆布材を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材で形成することができる。
請求項2記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体には、前記被覆布材の開放部分を固定できる固定部材が設けられ、必要時には前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定しておけるようにしたことを特徴とする。
従って、請求項2記載の考案にあっては、固定部材によって、蓄尿袋本体に対して被覆布材をしっかりと固定することができる。
請求項3記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されていることを特徴とする。
従って、請求項3記載の考案にあっては、蓄尿袋本体のサイズよりも被覆布材のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体は被覆布材により被覆される。
請求項4記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体の上端部に配置され、前記蓄尿袋本体に尿を供給する導尿管を備え、前記被覆布材は、前記導尿管に対向する部分は固定しない状態で取付けられていることを特徴とする。
従って、請求項4記載の考案にあっては、被覆布材が導尿管との干渉を避けることができる。
請求項5記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の内部が視認不能な不透明な素材で形成されていることを特徴とする。
従って、請求項5記載の考案にあっては、被覆布材の後方にある蓄尿袋本体が透けて見えなくなり、蓄尿袋本体内の尿を隠すことができる。
請求項6記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前面に絵柄表示部が形成されていることを特徴とする。
従って、請求項6記載の考案にあっては、被覆布材に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができる。
請求項7記載の考案にあっては、前記固定部材は、前記蓄尿袋本体の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材であり、前記被覆布材の側端部には、前記複数の紐部材に対応した複数の開口部が形成されており、前記開口部に前記紐部材を挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定することを特徴とする。
従って、請求項7記載の考案にあっては、紐部材を結ぶだけで簡単に被覆布材を蓄尿袋本体に固定することができる。
請求項1記載の考案にあっては、尿を蓄える蓄尿袋本体と、前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できるようにしたことから、一枚の布材で蓄尿袋の正面部を隠す部材を形成することができ、従来のように、被覆布材を固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、部品点数を減少できる。
また、製作時には、蓄尿袋本体を構成する表部材にフラップを溶着固定した後に、裏部材を溶着固定して蓄尿袋を作成する必要がなく、製作工程を低減することができる。その結果、蓄尿袋を製作する際の製作コストを低減することが可能となる。
請求項2記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体には、前記被覆布材の開放部分を固定できる固定部材が設けられ、必要時には前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定しておけるようにしたことから、固定部材によって、蓄尿袋本体に対して被覆布材をしっかりと固定することができるため、例えば、病院や家庭内での移動時に被覆布材が不用意にめくれ、蓄尿袋内部の尿を外部から視認されてしまう事態を防止することができる。
請求項3記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されていることから、蓄尿袋本体のサイズよりも被覆布材のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体が被覆布材からはみ出すことがなくなるため、被覆布材によって蓄尿袋本体を確実に被覆して、内部の尿を隠すことができる。
請求項4記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体の上端部に配置され、前記蓄尿袋本体に尿を供給する導尿管を備え、前記被覆布材は、前記導尿管に対向する部分は固定しない状態で取付けられていることから、導尿管の接合部位に被覆布材は干渉することはなく固定される。また、被覆布材の使用の際に導尿管の存在は支障をきたすことはない。
請求項5記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の内部が視認不能な不透明な素材で形成されていることから、蓄尿袋本体は、透明又は半透明に形成されていた場合であっても、被覆布材の裏面側の蓄尿袋本体が透けて見えなくなるため、被覆時には確実に内部の尿の存在を隠すことができると共に、被覆布材をめくりあげた場合には、看護師等は容易に内部の尿の量を確認することができるため、使用者、患者のプライバシーの保護と、尿の確認の双方の要請を満たすことができる。
請求項6記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前面に絵柄表示部が形成されていることから、被覆布材に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができるため、蓄尿袋全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
請求項7記載の考案にあっては、前記固定部材は、前記蓄尿袋本体の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材であり、前記被覆布材の側端部には、前記複数の紐部材に対応した複数の開口部が形成されており、前記開口部に前記紐部材を挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定することから、紐部材を結ぶだけで簡単に被覆布材を蓄尿袋本体に固定することができるため、被覆布材がめくれてしまうことを簡単な構成で防止することができる。
本考案に係る畜尿袋の一実施の形態を示す正面図である。 本考案に係る畜尿袋の一実施の形態(第1形態)を示す正面図である。 本考案に係る畜尿袋の一実施の形態(第2形態)を示す正面図である。 本考案に係る畜尿袋の一実施の形態(第3形態)を示す正面図である。 本考案に係る畜尿袋の一実施の形態(第4形態)を示す正面図である。 本考案に係る畜尿袋の一実施の形態における使用方法を示す図である。
以下、本考案に係る一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面においては、理解を容易にするために、部材の形状や寸法を誇張して図示したり一部の部材を省略したりして図示している箇所もある。
図1に示すように、本実施の形態に係る畜尿袋10は、尿を蓄える蓄尿袋本体11と、蓄尿袋本体11の前面11aを被覆できる被覆布材12と、を備え、蓄尿袋本体11の上端部11bに、被覆布材12の上端部12aを固定すると共に、被覆布材12の上端部12a以外の部位12bは蓄尿袋本体11に固定しない状態で被覆布材12を取付けている。
蓄尿袋本体11の上端部11bと、被覆布材12の上端部12aとは、蓄尿袋本体11と被覆布材12との間に形成された溶着部13によって溶着固定されている。
本実施の形態に係る畜尿袋10は、図1(A)に示すように、使用時には、蓄尿袋本体11の前面11aを被覆布材12で被覆し、図1(B)に示すように、蓄尿袋本体11の内部を確認する必要のある場合には、被覆布材12をまくり上げて蓄尿袋本体11に蓄積された尿の状態を視認できるようにしている。
その結果、被覆布材12をまくり上げた際には、蓄尿袋本体11と被覆布材12との間の開放部分14を利用して、蓄尿袋本体11の内部(尿量や性状など)を確認することができる。
従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、従来のように、被覆布材12を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材12で形成することができる。
被覆布材12は、蓄尿袋本体11の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されている。従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11のサイズよりも被覆布材12のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体11が被覆布材12からはみ出すことがなく、蓄尿袋本体11を被覆布材12により、蓄尿袋本体11の正面側において蓄尿袋本体11の全体を覆うことができる。
蓄尿袋本体11の上端部11bには、蓄尿袋本体11に尿を供給する導尿管15が配置されている。被覆布材12は、導尿管15に対向する部分は固定しない状態で取付けられている。溶着部13は導尿管15の部位を回避して設けられている。
本実施の形態にあっては、被覆布材12は、蓄尿袋本体11の内部が視認不能な不透明な素材(所定の厚さ寸法の麻や綿などの織物、布、生地など)で形成されている。従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、被覆布材12の裏面側にある蓄尿袋本体11が外方から透けて見えるという事態を回避できる。
本実施の形態にあっては、被覆布材12は、前面に花を模した絵柄表示部16が形成されている。従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、被覆布材12に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができ、蓄尿袋10全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
図2~図5に示すように、畜尿袋10は、様々な形状のものがある(第1形態の畜尿袋10-1、第2形態の畜尿袋10-2、第3形態の畜尿袋10-3、第4形態の畜尿袋10-4)。
図2(A)に示すように、第1形態の畜尿袋10-1は、正面視で長方形と三角形とを組み合わせた五角形の形状(野球のホームベースの形状)の蓄尿袋本体11を備えている。蓄尿袋本体11の前面11aには、尿量を図る目盛りが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11には、図2(B)に示すように、蓄尿袋本体11よりもサイズの大きい横長の長方形の形状の被覆布材12が取付けられる。被覆布材12は、前面に、花を模した絵柄表示部16が形成されている。
なお、図2に示す第1形態の畜尿袋10-1は、図1に示す畜尿袋10と同様の形状である。また、その他の構成は、図1において説明した構成と同様である(以下説明するその他の形態の畜尿袋においても同様)。
図3(A)に示すように、第2形態の畜尿袋10-2は、正面視で横長の長方形の形状の蓄尿袋本体11-2を備えている。蓄尿袋本体11-2の前面11aには、尿量を図る目盛り11cが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11-2には、図3(B)に示すように、蓄尿袋本体11-2よりもサイズの大きい横長寸法の長方形の形状の被覆布材12-2が取付けられる。被覆布材12-2は、前面に、複数の魚を模した絵柄表示部16-2が形成されている。
図4(A)に示すように、第3形態の畜尿袋10-3は、正面視で縦長の長方形の形状の蓄尿袋本体11-3を備えている。蓄尿袋本体11-3の前面11aには、尿量を図る目盛り11cが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11-3には、図4(B)に示すように、蓄尿袋本体11-3よりもサイズの大きい縦長の長方形の形状の被覆布材12-3が取付けられる。被覆布材12-3は、前面に、花を模した絵柄表示部16が形成されている。
このように、畜尿袋10としては、様々な形の、導尿管15の位置も様々なものがある。そこで、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11よりも少し大きいサイズの被覆布材12(垂れ幕となる部材)を蓄尿袋本体11の上端部11bで溶着固定し、蓄尿袋本体11の上端部11bから被覆布材12を垂らして蓄尿袋本体11を隠すように構成している。
このため、蓄尿袋本体11の上端部11bと、被覆布材12の上端部12aとを溶着固定することにより、作成作業も迅速にでき、簡易な構成の畜尿袋10とすることができる。
図5に示す畜尿袋10にあっては、被覆布材12のめくれ防止の構成を有している(第4形態)。第4形態の畜尿袋10-4は、蓄尿袋本体11に、被覆布材12を着脱可能に固定できる固定部材17が設けられ、必要時には被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定しておけるようにしている。
なお、第4形態の畜尿袋10-4は、図1の畜尿袋10と比較して、上下左右方向の寸法は異なっているが、寸法以外の構成は、図1において説明した構成と同様である。
従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、必要時には、固定部材17によって、蓄尿袋本体11に対して被覆布材12を固定することができる。
図5(A)に示すように、固定部材17は、蓄尿袋本体11の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材17a、17b、17c、17dである。具体的には、第1紐部材17aと第2紐部材17bとが組になっており、第3紐部材17cと第4紐部材17dとが組になっている。
第1紐部材17aは、蓄尿袋本体11の左上側端部に固定されており、第2紐部材17bは、蓄尿袋本体11の左下側端部に固定されており、第3紐部材17cは、蓄尿袋本体11の右上側端部に固定されており、第4紐部材17dは、蓄尿袋本体11の右下側端部に固定されている。
また、被覆布材12の側端部には、被覆部材12が蓄尿袋本体11の正面側に配置された場合に、複数の紐部材17a、17b、17c、17dに対応して配置される複数の開口部18が形成されている。
具体的には、第1紐部材17aに対応して第1開口部18aが形成されており、第2紐部材17bに対応して第2開口部18bが形成されており、第3紐部材17cに対応して第3開口部18cが形成されており、第4紐部材17dに対応して第4開口部18dが形成されている。
そして、図5(B)に示すように、開口部18に紐部材17a、17b、17c、17dを挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができる。
具体的には、第1開口部18aに第1紐部材17aを挿通させ、第2開口部18bに第2紐部材17bを挿通させ、第1紐部材17aと第2紐部材17bとを結ぶ。また、第3開口部18cに第3紐部材17cを挿通させ、第4開口部18dに第4紐部材17dを挿通させ、第3紐部材17cと第4紐部材17dとを結ぶ。これにより、蓄尿袋本体11に被覆布材12をしっかりと固定して、被覆布材11のめくれ防止の配慮をすることができる。
従って、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、紐部材17a、17b、17c、17dを結ぶだけで簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができる。
次に、本実施の形態に係る畜尿袋10の使用方法について説明する。
使用者に排尿障害の症状がある際に畜尿袋10を使用する場合、図示しないバルーンカテーテルを使用者20の膀胱内へ挿入配置し、バルーンカテーテルに導尿管15を接続し、導尿管15の先端部を蓄尿袋本体11の接合部に接合して使用する。
使用者が病院に入院している場合には、畜尿袋10はベッド30の側面に取り付けたり、移動時には点滴吊架具に吊り下げたりして移動することができる。
この場合、蓄尿袋本体11内に尿が蓄積されていても、被覆布材12は、蓄尿袋本体11を覆っているため、蓄尿袋本体11内部の尿が人の目に触れることがなくなる。
以上説明したように、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、被覆布材12を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材12で形成することができるため、従来の蓄尿袋のような欠点がなく、簡易な構成で従来と同様の効果を得ることができるだけでなく、部品点数、製作工数を低減することができ、製作コストを低減することが可能となる。
また、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、固定部材17によって、蓄尿袋本体11に対して被覆布材12をしっかりと固定することができるため、必要時(例えば、移動時、外出時等)に被覆布材12が不用意にめくれてしまうことを防止することができる。
さらに、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11のサイズよりも被覆布材12のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体11が被覆布材12からはみ出すことがなくなるため、被覆布材12によって蓄尿袋本体11を確実に覆うことができる。
さらにまた、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、被覆布材12と導尿管15との干渉を避けることができる。
また、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、不透明な素材で形成された被覆部材11により被覆布材12の裏面側にある蓄尿袋本体11が透けて見えなくなるため、被覆布材12の隠蔽効果を確保することができる。
また、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、被覆布材12に対して、隠蔽の機能だけでなく装飾的機能も追加することができるため、蓄尿袋全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
さらに、本実施の形態に係る畜尿袋10にあっては、紐部材17a、17b、17c、17dを結ぶだけで簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができるため、被覆布材12がめくれてしまうことを簡単な構成で防止することができる。また、紐部材
17a、17b、17c、17dの締結を解除するのみで、簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11からめくりあげることができるため、医師、看護師等は、容易に蓄尿袋本体11内の尿の状態を確認することもできる。
上述した実施の形態にあっては、以下の変形が可能である。
(1)
導尿管15に対向する部分は溶着しない例で説明したが、溶着してもよい。
(2)固定部材17は、紐部材17a、17b、17c、17dの例で説明したが、テープやボタンホック、面ファスナー、クリップなどで着脱可能に固定するようにしてもよい。
(3)蓄尿袋本体11の平面形状と、被覆布材12の平面形状は、同一の寸法に形成してもよい。
本考案は畜尿袋に係ることから、広く産業上の利用可能性を有している。
10 畜尿袋
10-1 第1形態の畜尿袋
10-2 第2形態の畜尿袋
10-3 第3形態の畜尿袋
10-4 第4形態の畜尿袋
11、11-2、11-3 蓄尿袋本体
11a 蓄尿袋本体11の前面
11b 蓄尿袋本体11の上端部
11c 目盛り
12、12-2、12-3 被覆布材
12a 被覆布材12の上端部
12b 被覆布材12の上端部12a以外の部位
13 溶着部
14 開放部分
15 導尿管
16、16-2 絵柄表示部
17 固定部材
17a 第1紐部材
17b 第2紐部材
17c 第3紐部材
17d 第4紐部材
18 開口部
18a 第1開口部
18b 第2開口部
18c 第3開口部
18d 第4開口部
20 使用者
30 ベッド
本考案は、尿袋に係り、特に、蓄尿袋本体及び被覆布材を備える尿袋に関する。
一般に、、病気やその他の原因によりトイレへ行くことに困難を伴う場合や、尿意はあっても、排尿が困難な場合や、垂れ流し状態排等の、いわゆる「排尿障害」がある場合には、導尿管を使用して蓄尿袋へ尿を排出するようにしている。このような「排尿障害」は、特に、高齢者に多くみられる。
このような場合には、バルーンカテーテル(尿道留置カテーテル)を膀胱内へ挿入配置して導尿管を接続し、導尿管の先端部を蓄尿袋に接合して使用する。
この場合、蓄尿袋本体は、内部に蓄積される尿の状態、量を、看護師等が外部から確認する必要があることから、透明又は半透明に形成されている。
しかしながら、このような蓄尿袋を使用する場合、バルーンカテーテルに接合された導尿管及び蓄尿袋は、入院中の患者の場合、医師、看護師が外部から確認できるように、ベッド脇に吊架されるものであることから、見舞客の目にも触れることとなるため、患者にとっては感情的に苦痛な場合もあり、患者のプライバシー保護の観点からは、何らかの改善が望まれていた。
このような蓄尿袋に関しては、本件出願人による特許文献1に記載された蓄尿袋が提案されている。
この蓄尿袋は、「蓄尿袋本体と、蓄尿袋本体の表面に貼付された被覆布部とにより構成され、被覆布部の横長長方形状の蓄尿袋の長さ方向端部寄りに所定幅のフラップ部を、フラップ部を蓄尿袋本体の長さ方向端部において着脱可能に面ファスナーにより固定することにより、フラップ部により蓄尿袋の幅方向端部よりに設けられた尿量計測部を遮蔽可能に設け、蓄尿袋の使用時にはフラップを固定して蓄尿袋全体を被覆し、尿量計測時にはフラップ部の固定を解除して外部から蓄尿袋の尿量計測部において視認して尿量を計測する」ように構成されている。
しかしながら、このように構成された従来の蓄尿袋は、以下のような問題点がある。
(1)
蓄尿袋に尿が溜まり蓄尿袋が膨らんだ場合に、尿は蓄尿袋の中央側に溜まりやすく、中央側が大きく膨らんだ場合には、フラップ部が幅方向(上下方向)に撓み、形状が変化し、フラップ部の固定時に固定しにくくなる。
(2)
フラップの中央部が大きく膨らんだ場合には、フラップ部の中央部が隆起し蓄尿袋表面部との間に隙間が形成され、隙間を介して外方から蓄尿袋内部が視認されてしまう。
(3)蓄尿袋の上端部にフラップを溶着して、上下方向に開閉するように構成することも考えられるが、上記同様に、蓄尿時に中央部が膨らみ固定しにくい、という問題がある。
(4)蓄尿袋の製造時には、蓄尿袋の表側布材及び裏側布材と、被覆布材とを端部で溶着して接合するが、従来のように「フラップ部を蓄尿袋本体の長さ方向端部において着脱可能に面ファスナーにより固定する」ように構成した場合には、長さ方向端部を重ねて溶着できないことから、表側布材及び裏側布材を先ず溶着した後に、被覆布材を溶着する必要があり、製造工程が複数必要で製作作業が煩雑である。
実願2012-1278号公報
そこで、本考案の課題は、部品点数、製作工数を低減することができ、製作コストを低減することが可能な尿袋を提供することにある。
上記課題達成のため、請求項1記載の考案にあっては、尿を蓄える蓄尿袋本体と、前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できるようにしたことを特徴とする。
従って、請求項1記載の考案にあっては、被覆布材を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材で形成することができる。
請求項2記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体には、前記被覆布材の開放部分を固定できる固定部材が設けられ、必要時には前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定しておけるようにしたことを特徴とする。
従って、請求項2記載の考案にあっては、固定部材によって、蓄尿袋本体に対して被覆布材をしっかりと固定することができる。
請求項3記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されていることを特徴とする。
従って、請求項3記載の考案にあっては、蓄尿袋本体のサイズよりも被覆布材のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体は被覆布材により被覆される。
請求項4記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体の上端部に配置され、前記蓄尿袋本体に尿を供給する導尿管を備え、前記被覆布材は、前記導尿管に対向する部分は固定しない状態で取付けられていることを特徴とする。
従って、請求項4記載の考案にあっては、被覆布材が導尿管との干渉を避けることができる。
請求項5記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の内部が視認不能な不透明な素材で形成されていることを特徴とする。
従って、請求項5記載の考案にあっては、被覆布材の後方にある蓄尿袋本体が透けて見えなくなり、蓄尿袋本体内の尿を隠すことができる。
請求項6記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前面に絵柄表示部が形成されていることを特徴とする。
従って、請求項6記載の考案にあっては、被覆布材に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができる。
請求項7記載の考案にあっては、前記固定部材は、前記蓄尿袋本体の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材であり、前記被覆布材の側端部には、前記複数の紐部材に対応した複数の開口部が形成されており、前記開口部に前記紐部材を挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定することを特徴とする。
従って、請求項7記載の考案にあっては、紐部材を結ぶだけで簡単に被覆布材を蓄尿袋本体に固定することができる。
請求項1記載の考案にあっては、尿を蓄える蓄尿袋本体と、前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できるようにしたことから、一枚の布材で蓄尿袋の正面部を隠す部材を形成することができ、従来のように、被覆布材を固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、部品点数を減少できる。
また、製作時には、蓄尿袋本体を構成する表部材にフラップを溶着固定した後に、裏部材を溶着固定して蓄尿袋を作成する必要がなく、製作工程を低減することができる。その結果、蓄尿袋を製作する際の製作コストを低減することが可能となる。
請求項2記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体には、前記被覆布材の開放部分を固定できる固定部材が設けられ、必要時には前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定しておけるようにしたことから、固定部材によって、蓄尿袋本体に対して被覆布材をしっかりと固定することができるため、例えば、病院や家庭内での移動時に被覆布材が不用意にめくれ、蓄尿袋内部の尿を外部から視認されてしまう事態を防止することができる。
請求項3記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されていることから、蓄尿袋本体のサイズよりも被覆布材のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体が被覆布材からはみ出すことがなくなるため、被覆布材によって蓄尿袋本体を確実に被覆して、内部の尿を隠すことができる。
請求項4記載の考案にあっては、前記蓄尿袋本体の上端部に配置され、前記蓄尿袋本体に尿を供給する導尿管を備え、前記被覆布材は、前記導尿管に対向する部分は固定しない状態で取付けられていることから、導尿管の接合部位に被覆布材は干渉することはなく固定される。また、被覆布材の使用の際に導尿管の存在は支障をきたすことはない。
請求項5記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の内部が視認不能な不透明な素材で形成されていることから、蓄尿袋本体は、透明又は半透明に形成されていた場合であっても、被覆布材の裏面側の蓄尿袋本体が透けて見えなくなるため、被覆時には確実に内部の尿の存在を隠すことができると共に、被覆布材をめくりあげた場合には、看護師等は容易に内部の尿の量を確認することができるため、使用者、患者のプライバシーの保護と、尿の確認の双方の要請を満たすことができる。
請求項6記載の考案にあっては、前記被覆布材は、前面に絵柄表示部が形成されていることから、被覆布材に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができるため、蓄尿袋全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
請求項7記載の考案にあっては、前記固定部材は、前記蓄尿袋本体の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材であり、前記被覆布材の側端部には、前記複数の紐部材に対応した複数の開口部が形成されており、前記開口部に前記紐部材を挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定することから、紐部材を結ぶだけで簡単に被覆布材を蓄尿袋本体に固定することができるため、被覆布材がめくれてしまうことを簡単な構成で防止することができる。
本考案に係る尿袋の一実施の形態を示す正面図である。 本考案に係る尿袋の一実施の形態(第1形態)を示す正面図である。 本考案に係る尿袋の一実施の形態(第2形態)を示す正面図である。 本考案に係る尿袋の一実施の形態(第3形態)を示す正面図である。 本考案に係る尿袋の一実施の形態(第4形態)を示す正面図である。 本考案に係る尿袋の一実施の形態における使用方法を示す図である。
以下、本考案に係る一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面においては、理解を容易にするために、部材の形状や寸法を誇張して図示したり一部の部材を省略したりして図示している箇所もある。
図1に示すように、本実施の形態に係る尿袋10は、尿を蓄える蓄尿袋本体11と、蓄尿袋本体11の前面11aを被覆できる被覆布材12と、を備え、蓄尿袋本体11の上端部11bに、被覆布材12の上端部12aを固定すると共に、被覆布材12の上端部12a以外の部位12bは蓄尿袋本体11に固定しない状態で被覆布材12を取付けている。
蓄尿袋本体11の上端部11bと、被覆布材12の上端部12aとは、蓄尿袋本体11と被覆布材12との間に形成された溶着部13によって溶着固定されている。
本実施の形態に係る尿袋10は、図1(A)に示すように、使用時には、蓄尿袋本体11の前面11aを被覆布材12で被覆し、図1(B)に示すように、蓄尿袋本体11の内部を確認する必要のある場合には、被覆布材12をまくり上げて蓄尿袋本体11に蓄積された尿の状態を視認できるようにしている。
その結果、被覆布材12をまくり上げた際には、蓄尿袋本体11と被覆布材12との間の開放部分14を利用して、蓄尿袋本体11の内部(尿量や性状など)を確認することができる。
従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、従来のように、被覆布材12を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材12で形成することができる。
被覆布材12は、蓄尿袋本体11の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されている。従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11のサイズよりも被覆布材12のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体11が被覆布材12からはみ出すことがなく、蓄尿袋本体11を被覆布材12により、蓄尿袋本体11の正面側において蓄尿袋本体11の全体を覆うことができる。
蓄尿袋本体11の上端部11bには、蓄尿袋本体11に尿を供給する導尿管15が配置されている。被覆布材12は、導尿管15に対向する部分は固定しない状態で取付けられている。溶着部13は導尿管15の部位を回避して設けられている。
本実施の形態にあっては、被覆布材12は、蓄尿袋本体11の内部が視認不能な不透明な素材(所定の厚さ寸法の麻や綿などの織物、布、生地など)で形成されている。従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、被覆布材12の裏面側にある蓄尿袋本体11が外方から透けて見えるという事態を回避できる。
本実施の形態にあっては、被覆布材12は、前面に花を模した絵柄表示部16が形成されている。従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、被覆布材12に対して、隠蔽の機能だけでなく、装飾の機能も追加することができ、蓄尿袋10全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
図2~図5に示すように、尿袋10は、様々な形状のものがある(第1形態の尿袋10-1、第2形態の尿袋10-2、第3形態の尿袋10-3、第4形態の尿袋10-4)。
図2(A)に示すように、第1形態の尿袋10-1は、正面視で長方形と三角形とを組み合わせた五角形の形状(野球のホームベースの形状)の蓄尿袋本体11を備えている。蓄尿袋本体11の前面11aには、尿量を図る目盛りが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11には、図2(B)に示すように、蓄尿袋本体11よりもサイズの大きい横長の長方形の形状の被覆布材12が取付けられる。被覆布材12は、前面に、花を模した絵柄表示部16が形成されている。
なお、図2に示す第1形態の尿袋10-1は、図1に示す尿袋10と同様の形状である。また、その他の構成は、図1において説明した構成と同様である(以下説明するその他の形態の尿袋においても同様)。
図3(A)に示すように、第2形態の尿袋10-2は、正面視で横長の長方形の形状の蓄尿袋本体11-2を備えている。蓄尿袋本体11-2の前面11aには、尿量を図る目盛り11cが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11-2には、図3(B)に示すように、蓄尿袋本体11-2よりもサイズの大きい横長寸法の長方形の形状の被覆布材12-2が取付けられる。被覆布材12-2は、前面に、複数の魚を模した絵柄表示部16-2が形成されている。
図4(A)に示すように、第3形態の尿袋10-3は、正面視で縦長の長方形の形状の蓄尿袋本体11-3を備えている。蓄尿袋本体11-3の前面11aには、尿量を図る目盛り11cが形成されている。
そして、この蓄尿袋本体11-3には、図4(B)に示すように、蓄尿袋本体11-3よりもサイズの大きい縦長の長方形の形状の被覆布材12-3が取付けられる。被覆布材12-3は、前面に、花を模した絵柄表示部16が形成されている。
このように、尿袋10としては、様々な形の、導尿管15の位置も様々なものがある。そこで、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11よりも少し大きいサイズの被覆布材12(垂れ幕となる部材)を蓄尿袋本体11の上端部11bで溶着固定し、蓄尿袋本体11の上端部11bから被覆布材12を垂らして蓄尿袋本体11を隠すように構成している。
このため、蓄尿袋本体11の上端部11bと、被覆布材12の上端部12aとを溶着固定することにより、作成作業も迅速にでき、簡易な構成の尿袋10とすることができる。
図5に示す尿袋10にあっては、被覆布材12のめくれ防止の構成を有している(第4形態)。第4形態の尿袋10-4は、蓄尿袋本体11に、被覆布材12を着脱可能に固定できる固定部材17が設けられ、必要時には被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定しておけるようにしている。
なお、第4形態の尿袋10-4は、図1の尿袋10と比較して、上下左右方向の寸法は異なっているが、寸法以外の構成は、図1において説明した構成と同様である。
従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、必要時には、固定部材17によって、蓄尿袋本体11に対して被覆布材12を固定することができる。
図5(A)に示すように、固定部材17は、蓄尿袋本体11の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材17a、17b、17c、17dである。具体的には、第1紐部材17aと第2紐部材17bとが組になっており、第3紐部材17cと第4紐部材17dとが組になっている。
第1紐部材17aは、蓄尿袋本体11の左上側端部に固定されており、第2紐部材17bは、蓄尿袋本体11の左下側端部に固定されており、第3紐部材17cは、蓄尿袋本体11の右上側端部に固定されており、第4紐部材17dは、蓄尿袋本体11の右下側端部に固定されている。
また、被覆布材12の側端部には、被覆部材12が蓄尿袋本体11の正面側に配置された場合に、複数の紐部材17a、17b、17c、17dに対応して配置される複数の開口部18が形成されている。
具体的には、第1紐部材17aに対応して第1開口部18aが形成されており、第2紐部材17bに対応して第2開口部18bが形成されており、第3紐部材17cに対応して第3開口部18cが形成されており、第4紐部材17dに対応して第4開口部18dが形成されている。
そして、図5(B)に示すように、開口部18に紐部材17a、17b、17c、17dを挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができる。
具体的には、第1開口部18aに第1紐部材17aを挿通させ、第2開口部18bに第2紐部材17bを挿通させ、第1紐部材17aと第2紐部材17bとを結ぶ。また、第3開口部18cに第3紐部材17cを挿通させ、第4開口部18dに第4紐部材17dを挿通させ、第3紐部材17cと第4紐部材17dとを結ぶ。これにより、蓄尿袋本体11に被覆布材12をしっかりと固定して、被覆布材11のめくれ防止の配慮をすることができる。
従って、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、紐部材17a、17b、17c、17dを結ぶだけで簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができる。
次に、本実施の形態に係る尿袋10の使用方法について説明する。
使用者に排尿障害の症状がある際に尿袋10を使用する場合、図示しないバルーンカテーテルを使用者20の膀胱内へ挿入配置し、バルーンカテーテルに導尿管15を接続し、導尿管15の先端部を蓄尿袋本体11の接合部に接合して使用する。
使用者が病院に入院している場合には、尿袋10はベッド30の側面に取り付けたり、移動時には点滴吊架具に吊り下げたりして移動することができる。
この場合、蓄尿袋本体11内に尿が蓄積されていても、被覆布材12は、蓄尿袋本体11を覆っているため、蓄尿袋本体11内部の尿が人の目に触れることがなくなる。
以上説明したように、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、被覆布材12を、固定部とフラップ部のように分割して構成する必要がなく、一枚の被覆布材12で形成することができるため、従来の蓄尿袋のような欠点がなく、簡易な構成で従来と同様の効果を得ることができるだけでなく、部品点数、製作工数を低減することができ、製作コストを低減することが可能となる。
また、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、固定部材17によって、蓄尿袋本体11に対して被覆布材12をしっかりと固定することができるため、必要時(例えば、移動時、外出時等)に被覆布材12が不用意にめくれてしまうことを防止することができる。
さらに、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、蓄尿袋本体11のサイズよりも被覆布材12のサイズの方が大きくなり、正面から見て、蓄尿袋本体11が被覆布材12からはみ出すことがなくなるため、被覆布材12によって蓄尿袋本体11を確実に覆うことができる。
さらにまた、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、被覆布材12と導尿管15との干渉を避けることができる。
また、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、不透明な素材で形成された被覆部材11により被覆布材12の裏面側にある蓄尿袋本体11が透けて見えなくなるため、被覆布材12の隠蔽効果を確保することができる。
また、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、被覆布材12に対して、隠蔽の機能だけでなく装飾的機能も追加することができるため、蓄尿袋全体の外観品質を向上させ、排尿処理製品としての蓄尿袋の使用に際しての使用者の快適性を向上することができる。
さらに、本実施の形態に係る尿袋10にあっては、紐部材17a、17b、17c、17dを結ぶだけで簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11に固定することができるため、被覆布材12がめくれてしまうことを簡単な構成で防止することができる。また、紐部材
17a、17b、17c、17dの締結を解除するのみで、簡単に被覆布材12を蓄尿袋本体11からめくりあげることができるため、医師、看護師等は、容易に蓄尿袋本体11内の尿の状態を確認することもできる。
上述した実施の形態にあっては、以下の変形が可能である。
(1)
導尿管15に対向する部分は溶着しない例で説明したが、溶着してもよい。
(2)固定部材17は、紐部材17a、17b、17c、17dの例で説明したが、テープやボタンホック、面ファスナー、クリップなどで着脱可能に固定するようにしてもよい。
(3)蓄尿袋本体11の平面形状と、被覆布材12の平面形状は、同一の寸法に形成してもよい。
本考案は尿袋に係ることから、広く産業上の利用可能性を有している。
10 尿袋
10-1 第1形態の尿袋
10-2 第2形態の尿袋
10-3 第3形態の尿袋
10-4 第4形態の尿袋
11、11-2、11-3 蓄尿袋本体
11a 蓄尿袋本体11の前面
11b 蓄尿袋本体11の上端部
11c 目盛り
12、12-2、12-3 被覆布材
12a 被覆布材12の上端部
12b 被覆布材12の上端部12a以外の部位
13 溶着部
14 開放部分
15 導尿管
16、16-2 絵柄表示部
17 固定部材
17a 第1紐部材
17b 第2紐部材
17c 第3紐部材
17d 第4紐部材
18 開口部
18a 第1開口部
18b 第2開口部
18c 第3開口部
18d 第4開口部
20 使用者
30 ベッド

Claims (7)

  1. 尿を蓄える蓄尿袋本体と、
    前記蓄尿袋本体の前面を被覆できる被覆布材と、を備え、
    前記蓄尿袋本体の上端部に、前記被覆布材の上端部を固定すると共に、前記被覆布材の上端部以外の部位は前記蓄尿袋本体に固定しない状態で前記被覆布材を取付け、使用時には、前記蓄尿袋本体の前面を被覆し、前記蓄尿袋本体の内部を確認する必要のある場合には、前記被覆布材をまくり上げて内部を視認できるようにしたことを特徴とする蓄尿袋。
  2. 前記蓄尿袋本体には、前記被覆布材の開放部分を固定できる固定部材が設けられ、必要時には前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定しておけるようにしたことを特徴とする請求項1記載の蓄尿袋。
  3. 前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の平面形状よりも大きい寸法の平面形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓄尿袋。
  4. 前記蓄尿袋本体の上端部に配置され、前記蓄尿袋本体に尿を供給する導尿管を備え、
    前記被覆布材は、前記導尿管に対向する部分は固定しない状態で取付けられていることを特徴とする請求項1記載の蓄尿袋。
  5. 前記被覆布材は、前記蓄尿袋本体の内部が視認不能な不透明な素材で形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓄尿袋。
  6. 前記被覆布材は、前面に絵柄表示部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓄尿袋。
  7. 前記固定部材は、前記蓄尿袋本体の側端部に固定された二本で一組となる複数の紐部材であり、
    前記被覆布材の側端部には、前記複数の紐部材に対応した複数の開口部が形成されており、
    前記開口部に前記紐部材を挿通させ、一方の紐部材と他方の紐部材とを結ぶことにより前記被覆布材を前記蓄尿袋本体に固定することを特徴とする請求項2記載の蓄尿袋。
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