JP3238954U - ナノファイバーを含むエアフィルター部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低圧損のエアフィルター部材を提供する。【解決手段】基材N1をモノフィラメントで粗い目の強度のある織編物とし、織編物に高分子接着剤N2をファイバー状にして基材に吹き付けマイクロファイバー積層体からなる補強基材を形成し、該補強基材に100nmから10μmのナノファイバーを含むファイバー紡糸剤を網目の隙間を塞がないように、フィルター構成高分子樹脂N4をファイバー状にして、吹き付けナノファイバー層を形成する。高分子接着剤は10μmから100μmのマイクロファイバーを基材に吹き付けてマイクロファイバー積層体を形成し、マイクロファイバー積層体の上面に離型紙N7を貼り付けた。【選択図】図7

Description

本考案は、エアフィルター部材であって、特に、ナノファイバーを含むファイバー層を用いたエアフィルター部材であり、きわめて良好な低圧損のエアフィルター部材に関する。
近時、一般的に直径が1マイクロオーダー以下の太さの繊維のファイバーの製造法としては、ESD(Electro-Spray Deposition)法、或いは、エレクトロ・スピニング法と呼ばれる技法が最も注目され、その技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、エレクトロ・スピニング法での製造では高圧の電圧が必要となることから、危険であり、取り扱いが厄介であった。
また、高圧電極を使用しない従来の合成繊維であるマイクロオーダーの製造法として、非特許文献1には、前掲のエレクトロ・スピニング法の他に、現在、海島複合紡糸法、低粘度の溶融ポリマーを吹き飛ばすメルトブロー紡糸法、ポリマー溶液を急激に膨脹させてポリマーを吹き飛ばしながら固化・繊維化させるフラッシュ紡糸法が開発されていることが開示されている。この溶融だけの極細繊維の製造方法として、上記の非特許文献1には、溶液に溶かして紡糸する方法としてポリマーブレンド紡糸法があり、これは2種のポリマーをブレンドしておき、これを繊維化した後に、海ポリマーを溶出する極細紡糸法であり、μmオーダーの太さが限界とされている。
そこで、本考案者らは、特許文献2に示すように高分子を溶剤に溶かして低粘度にし、さらに極細径のノズルから噴射空気とともに吹き出して延伸し、ナノファイバーを製造することに成功した。これを利用して、呼吸器系に沈着して健康に影響を及ぼす大気中に浮遊する微小粒子状物質PM2.5を捕捉する薄膜防臭遮蔽部材を製造している。
ところで、低圧損で通気性を保ちつつ、微小ダストを捕捉するナノファイバーを使用したエアフィルター又はマスク用不織布基材は、本考案者らが開発した考案が特許文献3として開示されている。
特開2011-127234号公報 特開2014-144579号公報 特開2019-37963号公報
SEN'I GAKKAISHI(繊維と工業)Vol.63,No.12(2007)423~425P[溶融紡糸型ナノファイバーの開発]越智隆志
しかしながら、上述した特許文献2は、ナノファイバー積層体を用いた遮蔽部材であるが、大気中に浮遊する微小粒子状物質PM2.5を捕捉するための薄膜防臭遮蔽部材であるため、ナノファイバーの積層体だけだと製造コストが嵩み、また、若干、通気性で圧損が高いという問題点があった。また、特許文献3のエアフィルター又はマスク用不織布基材も同様な問題点があった。
本考案の課題は、このような問題点に鑑みてなされたもので、主材がナノファイバーを含む不織布を使用した低圧損のエアフィルター部材及びその製造方法で、極めて簡単に製造できるにも拘わらず、十分に空気中に浮遊するゴミの捕捉が可能であり、ナノファイバーを含む不織布層と基材との接着が強個で、洗浄に対しても堅牢であり、安価なエアフィルターを提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本考案は、基材をモノフィラメントで粗い目の強度のある織編物とし、該織編物に高分子接着剤をファイバー状にして前記基材に吹き付け補強基材とし、該補強基材に高分子紡糸剤を100nmから10μmのナノファイバーを含むファイバー状とした接着剤を網目の隙間を塞がないように吹き付け、前記高分子紡糸剤は10μmから100μmのマイクロファイバー状の径としたファイバーを基材に吹き付けてマイクロファイバー層を形成し、マイクロファイバー層の上面に離型紙を貼り付けたことを特徴とするエアフィルター部材である。
前記高分子紡糸剤は、製造過程で高分子接着剤に接着性がよければ、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)から選択する長分子配列を有する高分子材料であればよい。
ここで、前記モノフィラメントは0.1~0.5mm径のポリプロピレン(PP)であり、モノフィラメントによる織編物の粗い目はメッシュ15~30であることを特徴とし、前記高分子接着剤は、10μmから100μmのマイクロファイバーを基材に吹き付けることを特徴とし、更に、前記高分子接着剤は基材の網目を固定するとともに、前記高分子紡糸剤に接着性を有し、且つ粗い目を塞ぐフィルム状にならないように接着することを特徴とする。
さらに、前記ナノファイバーを含むエアフィルター部材を所望の形状に切断し、切断した形状のエアフィルター部材から前記離型紙を剥がし、該切断した形状の外周に沿って、所定幅の両面粘着テープに貼り付け、使用に際しては前記両面粘着テープの剥離紙を剥がしてエアコンの吸入開口に貼り付けることを特徴とするエアフィルター部材である。
本考案のエアフィルター部材によれば、表面基材とナノファイバー層の組み合わせであるので低圧損であり、十分な通気性を有し、エアコンやコンピューターのファン回りに用いるエアフィルターとしてファンの効率が向上し、且つ、きわめて薄く軽量である。
また、薄いナノファイバーを含むファイバー層の部材であるのにも拘わらず、微粒子捕捉効率も高く、十分な強度を有し耐久性を増してナノファイバーを含むファイバー積層体と基材の剥離が少なく、フィルターの掃除でも耐久性があり、堅牢であるので、洗浄も簡単に行える。
更に、製造工程で比較的に簡単で安価に製造できる。
本考案における実施例のエアフィルター部材を製造する製造方法の全体概念概略図、 図1の高分子接着剤(高分子紡糸剤)ノズルの断面図、 図2のノズル及びその先端部分の噴射空気吹出ノズルの拡大図、 図4(a)は、溶融樹脂導入管23の側面図、図4(b)は図4(a)のX1-X1線での溶融樹脂導入管23の断面図、 図1の補強基材形成部2と接着材捕集部3と第1冷却装置4と拡大図、 図5のペルチェディバイスの説明図、 本実施例の離型紙付きフィルター部材N8の模擬断面図、 実施例1の表面基材N1の50倍の顕微鏡写真図、 実施例1の補強基材N2の50倍の顕微鏡写真図、 実施例1のフィルター積層体N5の50倍の顕微鏡写真図、 高分子紡糸剤にポリオレフィンホットメルト接着剤を使用したフィルター積層体N5だけの50倍の顕微鏡写真図である。
[実施例1]
本考案のエアフィルター部材、及びその製造手段の好適な実施例1の図面を参照して説明する。
本実施例1は、1μm(ミクロン)以下の高分子素材の目付重量30g/m2 程度の粗い目の網の目の織布の基材にマイクロファイバーを付着固定した低圧損のエアフィルター、及びその製造手段であり、更に詳しくは、前記高分子素材としては縦糸と横糸がともにポリプロピレン(PP)の通気性のある織布である。
なお、本実施例の目付重量は30g/m2としたが、この目付重量は20~40g/m2 が良好であり、これ以上の目付重量であると空気通過の際の圧損が増え好ましくはなく、ファン等の効率が低下し、これ以下の目付重量だと圧損は小さくなり材料が少なくなって安価となるが、表面基材としての強度が弱まり好ましくない。
[全体構成]
ここで先ず、図面に沿って、織布に粘着剤で補強した基材に、フィルター積層体を付着するエアフィルター部材の製造方法の概略を説明する。
本実施例の全体構成は、図1に示すように、表面基材N1を基材(N1)供給部から供給し、補強基材形成部2で高分子樹脂接着剤N3を表面基材N1に吹付け、表面基材N1の裏側で不必要な高分子樹脂接着剤N3を接着材捕集部3で捕集するとともに、高分子樹脂接着剤N2を硬化するために第1冷却装置を通過させ、次に、フィルター積層体形成部5に移送して、フィルター構成高分子樹脂N4をファイバー状にして補強基材N3に吹き付けフィルター積層体N5に形成するとともに、不必要なファイバーをファイバー捕集部6で捕集し、フィルター構成高分子樹脂N4を硬化するために第2冷却装置7を通過させ、比較的長い距離の移送距離を経て、さらに、完全に硬化する前に、フィルター積層体N5に消臭付与装置8により消臭作用を付与し、完全に硬化した後に離型紙N7をフィルター積層体N5の表面に貼り付け、最後にマイクロファイバー積層体巻取部8に製品の離型紙付きフィルター部材N8を巻き取る。
[基材供給部1]
図1において、基材N1であるモノフィラメントで粗い目の強度のある織布を基材供給部1にはロール状の巻取ロッド11がセットされ、この巻取ロッド11からは下側に圧接するフィードローラ12により複数の案内ローラ13と張力調整機構14とを経て次工程の[補強基材形成部2]に送られる。
本実施例1の表面基材N1の単体は、50倍の顕微鏡写真の図8に示すようなもので、通常の0.25mm径のPP(ポリプロピレン)の織布であり、厚さは125μm、目付30g/m2であって十分に通気性があり、この表面基材N1は建材や送風機のエアフィルターのフィルターとして使用するには十分に強度がある。なお、表面基材N1としては、上記のPP(ポリプロピレン)以外として、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエステル(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、グラスファイバー等を用いてもよい。
[補強基材形成部2]
網状の補強繊維形成部2は、送り出される表面基材N1に高分子樹脂接着剤吹付け部で高分子樹脂接着剤N2を吹き付けて初期の中間製品(N3)を形成するが、これは蜘蛛の巣状或いはジグザグ状のマイクロファイバーで架橋して網目を形成し、表面基材N1の織り成した網目がずれるのを防止するとともに、更に、表面基材N1の網目の空間にさらに細かい網目を形成して、後工程での積層する薄いマイクロファイバー積層体の強度を補強して、マイクロファイバー積層体(N5)層が破れることを防止する。
この表面基材N1に空間部分を高分子樹脂接着剤N2が平均で太い10~100μmであるが、やや太い繊維で、蜘蛛の巣状或いはジグザグ状のファイバーを架橋し張り巡らせてより細かい網目を形成し、この細かい網目に後工程でのナノファイバーを含むファイバー積層体N5を高分子樹脂接着剤N2により接着してナノファイバーを含むファイバー積層体N5の強度を向上させている。
すなわち、ここで使用する高分子樹脂接着剤は、表面基材N1に対して接着性が強く、また、ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4に対しても接着性が高く、表面基材N1の織布のモノフィラメントに絡みつき、硬化した際には強固に互い固定し、基材を補強するのである。
この高分子樹脂の高分子樹脂接着剤N2は、架橋及び補強用の高分子樹脂接着剤(株式会社製;クライベリットPUR反応性ホットメルト(品番:No.703.5)で、蜘蛛の巣状に糸を引くように延びる性質があり、細かい架橋した網目を形成するには好都合である。また、この高分子樹脂接着剤の接着剤は加熱する必要がなく、室温で徐々に硬化(数秒)するので、の表面基材N1やフィルター構成高分子樹脂N4に変質を与えることがない。
ただし、高分子樹脂接着剤N2は、速乾性であっても硬化が完全ではないと、つまり、表面基材N1と後工程でフィルター構成高分子樹脂N4との固着が十分でなく剥離することが多かった。
このため、高分子樹脂接着剤N2は、速乾性であっても次工程に移行するまでにより固化(硬化)を完全に終了することが必要であり、このために次工程で詳細に説明するが高分子樹脂接着剤N2を吹付た高分子樹脂接着剤を冷却する工程の[第1冷却装置4]を設けている。
また、この高分子樹脂接着剤N2で表面基材N1における正方形の網目の空間部に蜘蛛の巣状或いはジグザグ状の網目を形成する理由は、フィルター構成高分子樹脂N4が形成する空間を塞ぐことを少なくするためで、表面基材N1のモノフィラメント自体で網の目の空間を小さくすると、遮蔽部材の重量も増すという不都合が生じるからである。
この蜘蛛の巣状或いはジグザグ状のファイバーを張り巡らせる網状の補強基材形成部2を図1、図2及び図3で説明する。
図1に示すように、補強基材形成部2は、[基材供給部1]と[第1冷却装置4]との間に位置し、ポリプロピレン(或いはポリプロエチレン)の表面基材N1の織布の表面に、高分子樹脂接着剤N2を吹き付けて表面基材N1の正方形の空間に細かい網目を形成するものであるので、フィルター構成高分子樹脂N4が表面基材N1に吹き付けられる前に、図2、図3に示すように、ノズル部22からナノファイバーよりも若干太く強度もある繊維状にして表面基材N1に吹き付ける。
なお、本実施例では基材を図7に示すように縦糸N1’と横糸N1’’からなる織布を用いたが、編布でもよく、要は大きな空間を有する基材であれば良い。
実施例1で用いた高分子樹脂接着剤N2は、株式会社クライベリットジャパン製のポリウレタンホットメルト高分子樹脂接着剤(湿気硬化型)(PUR反応性ホットメルト(品番)No.703.5)であり物性は以下の[表1]ようなものである。
[表1]
(A)主成分 ポリウレタン
粘度
120℃:11.000 mPas
140℃: 6.000 mPas
オープンタイム(溶剤を蒸発させる所用(硬化)時間)φ3mmビード:30sec オープンタイム90μm:30sec
特徴:耐熱、耐水、耐寒性、低温塗工、弾性タイプ・糸引き性
この高分子樹脂接着剤N2を表面基材N1に吹き付けるに際しては、表面基材N1の比較的粗い隙間を埋めてしまうと、折角の良好な通気性が阻害されてしまうので、高分子樹脂接着剤N2の噴射ではできるだけ細く、蜘蛛の巣状或いはジグザグ状の網を形成するように、表面基材1の隙間を埋めることがないように形成することが重要である。
付言すれば、高分子樹脂接着剤N2はPUR反応性ホットメルト((品番)No.703.5)としたがその選定条件は、次のようなものである。
(1)表面基材N1の網目空間(メッシュ間)の補強、及び、後述するフィルター構成高分子樹脂N4の高分子樹脂接着剤の塗布面の拡大(接着面積の拡大)が計れること、
(2)ファイバー状になり糸引き性が強く、架橋性に優れていること、
(3)補強基材形成部2の吹付け工程から、ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4の吹付け工程までの距離が短いので、高分子樹脂接着剤N2の塗布後、なるべく速く表面が硬化することが必要である。
なお、前記の他の高分子樹脂接着剤N2としては、株式会社クライベリットジャパン製の無黄色変色タイプ(透明又は白色)の品番VP9484/10のポリウレタンホットメルト高分子樹脂接着剤(湿気硬化型)でも同様の結果が得られた。
図1において、補強基材形成部2の高分子樹脂接着剤N2の高分子樹脂接着剤吹付け部21は、下部案内ローラ13eから中間案内ローラ13fまでの表面基材N1が移動する所定の位置に配置され、ノズル部22が表面基材N1の面に対して平行な距離110cm(エアフィルター部材の生成幅)を往復移動させている。これは、高分子樹脂接着剤N2は積層させる必要がなく、表面基材N1の強度が補強されればよく、むしろ少ないほうが良いからである。
上記の高分子樹脂接着剤N2は高温で粘度が低くなり、140℃での粘度は6000(mPa・s)であるので、この状態で使用できるようにするため、ノズル部22には加熱器(ヒータ)264を設けてある。なお、高分子樹脂接着剤N2は後述するナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4と全体が溶けて融合しないよう速乾性(数秒)のものを用いる必要がある。
ここで、高分子樹脂接着剤N2の高分子樹脂吹付け部21とノズル部22の詳細を、図1、図2及び図3に沿って説明するが、140℃程度に加熱した高分子樹脂接着剤N2の供給部24から供給ポンプ242によって、高分子樹脂接着剤N2の供給管241から先端ノズル直径が0.15mmの中心ノズル221に供給される。この中心ノズル221の先端の外筒の外周部2224を包むように筒状の熱風吹出部26を設け、この熱風吹出部26の熱風吹出ノズル部261から高速加熱空気Hを噴射して中心ノズル221から溶融した高分子樹脂接着剤N2を引き抜くようにファイバー状にして表面基材N1に向かって噴射する。
このとき、熱風吹出ノズル部261に供給する高速加熱空気Hを送風するエアポンプ28で50リットル/分で加熱空気発生器281、加熱空気供給管282、加熱空気導入部枠体272を介して加熱空気路形成キャップ27と溶融樹脂導入管23の間に形成される高速風吹出通路に導入され、高温高速の吹出通路に連なる加熱された高速風吹出口263先端の熱風吹出ノズル部261から高速加熱空気Hが噴出される。
この空気吹出ノズル部261の噴出面積2mm程度とし、ノズル部22全体を約140℃にヒータ264で高温に調整しつつ、噴出空気も140℃程度に加熱して噴出し、高分子樹脂接着剤がノズル部22先端でも140℃を維持するようにしている。なお、必要に応じて、ノズル部22の先端近傍で外部から噴射空気が乱流にならないように、加熱空気路形成キャップ27の先端の雄ネジ部271にノズル風洞を設けても良い。
また、前述したように高分子樹脂接着剤N2のノズル部22に連なる溶融樹脂導入路234を中心に有する、溶融樹脂導入管23の下流側の外周部231には、ノズル部22に連なる複数の熱風導入溝232が設けられ、この熱風導入溝232には他端には熱風発生器281に連通している。
この熱風導入溝232は、図4(a),(b)に示すように、断面円形の溶融樹脂導入管23の外周部231に複数の熱風導入溝232(8本)を切削したもので、本実施例では8本の長い熱風導入溝232を形成している。この熱風導入溝232は外周に均一間隔で構成が良く、これは高速風吹出口263から対向する熱風が交差するように吹き出すので、高分子樹脂接着剤を延伸するように作用する。また、長い導入路が形成されるので、高速風吹出口263から熱風が整然と吹き出される。
このような構成により、高分子樹脂接着剤N2が繊維径100nm~500μmのファイバー状で大量に生成されることが判明し、この内10μmから100μmのマイクロファイバー状に溶融した高分子樹脂接着剤N2がポリプロピレンの表面基材N1に蜘蛛の巣状、或いはジグザグ状に貼り付くよう吹き付けられ、全体に均一に塗布される。
ノズル本体221は中心軸孔2211の周りには、中心軸孔2211を包むように同軸状にリング状の高速熱風の吹出通路262が設けられ、高速熱風の吹出通路262の先端には所定の吹出角度を有したリング状の高速風吹出口263が設けられ、ノズル本体221の吐出口2212は高速風吹出口263より僅かにX=3mm程度(2~4mm)突出して、整流が生じるようにしている。
この吐出口2212の高速風吹出口263からの突出量Xは、図3に示されるように、加熱空気路形成キャップ27の高速熱風の吹出通路262が斜行しており、中心のノズル本体221の外周も斜行しているので、加熱空気路形成キャップ27と加熱空気導入部枠体272の間に熱風吹出口の微調整用ワッシャー273を介在させ、この微調整用ワッシャー273の異なった厚さのものを選択するか、枚数を調整することによって、前記突出量Xを調整することができる。これは、突出量Xを調整すると同時に、高速熱風の吹出通路262の熱風吹出通路の内壁とノズル本体221の外周と間、すなわち、熱風吹出ノズル部261の開口面積も微調整することができる。
このように、熱風吹出ノズル部261の熱風吹出量を微調整することができるので、図1に示すように、複数のノズル部22の熱風吹出量を同じにすることができ、より均一な高分子樹脂接着剤及び分子材料のマイクロファイバー状の接着材N2を製造することができる。
また、ノズル部22は主にノズル本体221とノズル支持体222とからなり、図3における吐出口2212の近傍の拡大図に示すように、ノズル本体221には長手方向に溶融高分子が噴出する中心軸孔2211が設けられるが、この中心軸孔2211の下流側の先端部には吐出口2212が設けられる。ここで重要なのはノズル本体221の材質であるが、本考案の紡糸ノズル部22におけるノズル本体221の材質はセラミック又はルビーが最適で、本実施例ではルビーである。
この吐出口2212であるノズル内径は0.13mmから0.18mmとしたが、0.18mm以上だとナノ或いはマイクロ単位の繊維が生成しづらく、0.13mm以下だとノズル内径に溶融した高分子樹脂接着剤が詰まってしまうので、本実施例では0.15mm程度とした。また、従来の前掲の特許文献4では、ノズル内径を0.15mmとしたが、材質を金属のステンレスとしたため、すぐに太いファイバーに変質してしまうことが判明した。これは繰り返し加重や圧力の為にステンレスのノズル内径が拡がってしまうことに起因することが判った。
このため、耐熱性や対摩耗性に優れ高温下でも変形しないルビー(セラミック)を使用すると、長時間連続稼働させても、高品質の高分子マイクロファイバー積層体N5を生成することができた。[ノズル部2]
[ノズル部22]
ところで、ネジ等を設けた金属のノズル支持体222にノズル吐出口2212をネジ等で固着することが困難であり、図3に示すように、ノズル本体221の上流の末端に外側に突出した肉厚の鍔部2213を設け、対応するノズル支持体222の内孔2221の下流の末端に内側に突出する係止部2222を設けて、ノズル本体221をノズル支持体222の内孔2221の上流の開口2223から挿入して、前記鍔部2213を係止部2222に密着嵌合させて固着する。このような構造なので、下流側に高い圧力で溶融高分子が挿入されてもノズル本体221がノズル支持体222から離脱することがない。この場合、内孔2221の内径はノズル本体221の外径および鍔部2213の外径よりも大きく、ノズル支持体222の先端係止部2222の内径はノズル本体221の外径よりも小さく、鍔部2213の外径よりも小さくする必要がある。
また、ノズル部22に連通する溶融樹脂導入管23には、適宜の手段により溶融樹脂が供給されるが、例えば、図2に示されるように、高分子樹脂接着剤N2の供給部24から供給ポンプ242及び高分子樹脂接着剤供給管241により接続され供給される。
このノズル本体221は、必要に応じて表面基材N1に対して水平方向に同じ距離を保って移動するようにすれば、ノズル本体221の数を少なくすることが可能となる。
[接着剤捕集部3]
ここで、表面基材N1は目が粗く、高分子樹脂接着剤N2が表面基材N1を通過するので、背後に接着剤捕集部3を設けて捕集している。
この接着剤捕集部3は、図5に示すようなもので、捕集面31の裏側には、吸引室32と吸引ダクトとこれらに連なる空気の吸引機構33が設けられ、該吸引ダクト33にはそれぞれ風量を調整する風量調整シャッター34が付随して設けられ、捕集面31から不必要な繊維N2を吸い寄せて破棄する。
捕集面31を平面に保つためにその裏面に合成樹脂等の平面保持部材等が間隔を隔てて設けられている。
吸引ダクトにはそれぞれ風量を調整する風量調整シャッター34が付随して設けられているが、捕集面31での高分子樹脂接着剤N2や後述するナノフィルターを含むフィルター構成高分子樹脂N4の吸い付き量は、吸引ダクトの開口面積が同じであると、表面基材N1の移動の上流(下方側)ほどファイバーの積層量は少なくなり風速は速くなるので、捕集面31の平面の全面で風速をほぼ均一にするために、開口面積を調整するためである。
次に、高分子樹脂接着N2を硬化のために冷却する[第1冷却装置]に移行する。
[高分子樹脂接着剤N2の第1冷却装置4]
本実施例1でファイバー状の高分子樹脂接着剤N2の第1冷却装置4での冷却は、ペルチェ素子を使用したものである。
アルミ板の冷却板41は、図5に示すように、表面温度を-10℃~-20℃に冷却し、冷却板41に対向して断熱板42を配置してその間隔区を5mm以下とし、前工程で表面基材N1に高分子樹脂接着剤N2を塗布した補強基材N3と冷却板41との間隔は1.5mm以下にすることが、高分子樹脂接着剤N2の硬化の促進や省エネの観点からも好ましい。
冷却板41の背後にはペルチェ素子の冷却機構43が組み込まれているが、ペルチェ素子の原理は図6に示すように、ペルチェディバイス44は、例えば、複数のペルチェ素子から構成され、複数のN型熱電半導体(n)441とP型熱電半導体(p)442とが交互に並べられ、それらを金属電極443で千鳥状に接続して両端に直流電源445からの電流を供給する構成となっている。この接続状態では、図6で右向きの矢印に示すように、半導体中の電子やホールが熱を下側に運ぶので、左側の金属電極443uが冷え、右側の金属電極443dが加熱される。
この左側金属電極443uの複数の上面を連ねて薄板状の絶縁材444で覆われ、その絶縁材444を介して冷暖房する冷却板41に熱が効率よく伝導するように密接接触するように重ねられている。また、同様に右側金属電極443dの複数の上面を連ねて薄い絶縁材444で覆われ、その絶縁材444を介して冷却(吸熱)(発熱)する冷却板41へ熱が効率よく伝導するように密接接触するように重ねられている。
この[第1冷却装置4]は非常に重要であって、この高分子樹脂接着剤N2は冷却装置4を通過させた場合の顕微鏡写真図の図9はナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4のファイバーが綺麗に蜘蛛の巣状の網目で補強されている。この網状補強された表面基材N1の補強基材N3は高分子樹脂接着剤N2の固化(硬化)が促進されて、次の[フィルター積層体形成部5]、[ファイバー捕集部6]、[第2冷却装置7]の順に移行する。
[フィルター積層体形成部5、ファイバー捕集部6、第2冷却装置7]
まず、[フィルター積層体形成部5]では、フィルター積層体のナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4をファイバー状にして補強基材N3にフィルター用高分子樹脂吹付け部51により吹き付けるが、ノズル以下の構成は、高分子樹脂接着剤吹付け部21と同じであるので説明は省略する(ノズルの符号22以下は語頭の2を5に読みかえる。例えば22は52)。同様に、これに続くファイバー捕集部6も接着剤捕集部3の構成と同じであるので説明は省略する(捕集面の符号31以下は語頭の3を6に読みかえる。例えば31は61)。同様に、更に続く第2冷却装置7も第1冷却装置4の構成と同じであるので説明は省略する(第1冷却装置4の符号41以下は語頭の4を7に読みかえる。例えば41は71)。
ただし、使用するフィルター構成高分子樹脂N4は主にナノファイバーを含むファイバー積層体N5を形成する樹脂で、高分子樹脂接着時とは異なるので、この点を以下に詳しく説明する。
フィルター構成高分子樹脂N4は、株式会社クライベリットジャパン製のポリウレタンホットメルト高分子樹脂紡糸(接着)剤(湿気硬化型)(PUR反応性ホットメルト(品番)No.701.1又は701.2)、及び、積水フーラー株式会社製のポリオレフィンホットメルト接着剤(製品番号JM-5013-F)であり、物性は以下の[表2]のようなものである。なお、実施例1ではUR反応性ホットメルト(品番)No.701.2を使用した。また、他のフィルター積層体高分子樹脂N4としては、株式会社ヘンケル製の無黄色変色タイプ(透明又は白色)の品番LA7575UVのポリウレタンホットメルト高分子樹脂接着剤(湿気硬化型)でも同様の結果が得られた。
[表2]
(B)PUR反応性ホットメルト(品番)No.701.1 主成分 ポリウレタン
粘度
80℃:12.000 mPas
100℃:4.000 mPas
120℃:2.000 mPas
オープンタイム:>1hour
グリーン強度:強
特徴:低温塗工・工耐加水分解性
(C)PUR反応性ホットメルト(品番)No.701.2 主成分 ポリウレタン
粘度(製造時)
brookfield HBTD 10rpm 100℃ 約5.000 ±1.500mPas 120℃ 約3.000 ±1.000mPas オープンタイム.φ3mmビード:3~4sec、
(D)ポリオレフィンホットメルト接着剤
(積水フーラー株式会社製:製品番号JM-5013-F)
粘度:160℃:18.600mPa’s
170℃:6.540mPa’s
180℃:4.990mPa’s)
軟化点:150±5℃
なお、実際の図1使用条件は、N4でのノズル部22の温度は180℃であった。
ナノファバーを含むフィルター積層体高分子樹脂N4はPUR反応性ホットメルト(品番:No.701.1又は701.2)、及び、ポリオリフィンホットメルト(フーラー株式会社製:製品番号JM-5013-F)としたがその選定条件は、下記のようなものである。
(1)表面基材N1の織布表面と高分子樹脂接着剤N2の架橋で作った補強網目の表面基材N1との接着性が良好なこと、
(2)織布の通気空間を塞ぐことがなく、変形が少ないこと、
(3)フィルター積層体高分子樹脂N4を塗布後の表面が硬化するまでの時間が長く、表面が硬化するまでの比較的長時間(3分~1時間)ので、第2冷却装置7の他にも、巻き取りまでの移動距離を長くして硬化を促進させ、完全に硬化する前に消臭作用のある酸化チタンをイソプロピルアルコール等で溶かして酸化チタン溶液にしフィルター積体N5に散布して、その後に離型紙を貼付することが必要である。したがって、これらの条件を満たし、100nmから10μmの繊維径としたナノファイバー含むファイバー層を形成することができる高分子樹脂紡糸(接着)剤であれば他の高分子高分子樹脂剤でも良い。
[消臭付与装置]
上記の消臭付与装置8を説明すると、消臭作用のある酸化チタンをフィルター積層体高分子樹脂N4にスプレする構成で、図1に示すように、酸化チタンの溶液を密閉した加圧タンク83に貯留し、この加圧タンク83には外部84から圧縮空気を挿入し酸化チタン溶液83を酸化チタンの散布ノズル81から散布する。この際、この散布ノズル81からフィルター積層体高分子樹脂N4へ満遍なく酸化チタンを散布するために、散布ノズル81を左右トラバースさせるノズル移動装置82によってフィルター積層体高分子樹脂N4へ満遍なく酸化チタンをフィルター積層体高分子樹脂N4が硬化する前に完了する。
[ナノファイバーを含むファイバー積層体巻取部]
このため、ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4は表面基材N1や高分子樹脂接着剤N2との接着する機能を高め、十分な接着時間を維持し、比較的ゆっくり硬化するものが望ましい。実施例1も図1に示すように、フィルター構成高分子樹脂N4をマイクロファイバー積層体巻取部8の巻取ロッドまでに十分に長い距離を移行する構成になっている。
すなわち、通常、表面基材N1の移動速度90mm/12secから90mm/6secであるが、実施例1においてはフィルター積層体形成部5から巻取ロッド81までの距離は15mで、表面基材N1の移動速度90mm/9secとし、フィルター構成高分子樹脂N4がゆっくりと硬化するのに十分な時間を保つようにしている。
上記数値の90mm/9secの意味は、表面基材N1が上下距離「90mm」を、9sec」かけて移動することを意味し、ノズル先端も巾1mをトラバースする。
[製品:離型紙付きナノファイバーを含むフィルター部材]
ここで、ナノファイバーを含むフィルター積層体N5の出来上がった離型紙付きフィルター部材N8は模擬的示す図7の断面図に示すように、表面基材N1の粗く織られた縦糸N1’と横糸N1’’からなる表面基材N1に縦横糸の交差点に高分子樹脂接着材N2が絡みつき、その上にナノファイバーを含むフィルター積層体N4が貼り付き表面基材N1の裏面に離型紙が添えられる。
この離型紙は、型崩れしない表面基材N1に直接貼り付いているので、空気の出入り口に使用に際しては、簡単に離型紙を剥がして出入り口の外周近傍に貼り付ければよい。
この表面基板N1の顕微鏡写真が図8で、高分子樹脂接着材N2を吹き付けた補強基材Nの顕微鏡写真が図9で、表面基材N1+高分子樹脂接着剤N2+フィルター構成高分子樹脂N4のナノファイバーを含むフィルター積層体N5の顕微鏡写真が図10である。
このように高分子樹脂接着剤N2よりも更に細めの100nmから10μm(好ましくは50nm~10μm)の繊維径としたフィルター構成高分子樹脂N4を網状の表面基材N1に薄く吹き付けて蜘蛛の巣状に隙間を塞がないように収縮させてある。このように、高分子樹脂接着剤N2が表面基材N1にまとわり付いた状態に、ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4が付着収縮する。
したがって、図9の高分子樹脂接着剤N2(表面基材N1+高分子樹脂接着剤N2)の状態に比べて、図10の顕微鏡写真は、ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4が、網目の隙間を塞がないように薄く吹き付けられ、比較的大径の花粉やP2.5を捕捉するフィルター機能を有している。
図11は、高分子紡糸剤のナノファイバー層と紡糸樹脂として、ポリオレフィンホットメルト接着剤(D)を平面板に吹き付けたナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N5の50倍の顕微鏡写真で網目の隙間を塞がないように薄く吹き付けられている。
なお、高分子樹脂接着剤N2とフィルター構成高分子樹脂N3の厚さについては、高分子樹脂接着剤N1は速乾性ですぐに固化するので厚さの測定は可能であるが、本実施例1では、高分子樹脂接着剤N2+ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂N4の厚さは、80μmで、目付は47g/m2 であった。フィルター構成高分子樹脂N4の粘性が低く、これらの高分子樹脂接着剤N2とフィルター構成高分子樹脂N4の厚さは表面基材N1や高分子樹脂接着剤N2に浸み込むので正確な厚さ測定は難しいが、図10に示すように全体として極めて薄い層である。なお、図8、図9、図10、及び図11(N5だけ)は、それぞれ表面基材N1、補強基材N3、フィルター積層体N5の50倍の顕微鏡写真図である。
[圧損試験等の性能テスト]
次に、実施例1のフィルター積層体N5の圧損試験と花粉粒子の捕集濾過効率を測定した。
圧損は、1Pa以下(65.675L/min)
花粉粒子の捕集濾過効率は、68%(一般財団法人カケンテストセンターの調べ).
なお、花粉粒子の捕集濾過効率は、50%以上であれば通常問題はない。
[実施例2]
実施例2は、実施例1のN2の高分子樹脂接着剤と、N4の高分子樹脂接着剤を以下のような組成に代え、フィルター積層体N5を作成してゴミ捕捉、圧損を試験した。
N2高分子接着剤としてPUR反応性ホットメルト(品番:NH703(DIC株式会社)
N4高分子紡糸剤としてPUR反応性ホットメルト(品番:NE210(DIC株式会社)
上記N2、N4のナノファイバーを含む高分子紡糸(紡糸)剤(PUR反応性ホットメルト)を使用して、フィルター積層体を作成して、圧損試験と花粉粒子の捕集濾過効率を測定した。
圧損は、1Pa以下(65.675L/min)
花粉粒子の捕集濾過効率は、75%(一般財団法人カケンテストセンターの調べ)
実施例2において、N2、N4を代えることによって花粉粒子の捕集濾過効率は、75%に向上した。
以上のように、本考案の各実施例のエアフィルター部材は、ナノファイバーを含むファイバー使用により低圧損であるのでエアコンやコンピューターのファン回りに用いると効率が向上し、微粒子捕捉効率も高く、且つ、きわめて薄く軽量である。なお、実施例では紡糸ファイバーの樹脂をポリウレタン及びポリオレフィンにして100nm程度のナノファイバーを含む積層体を製造できたが、加熱で粘性を有するものでナノファイバー積層体ができる高分子であれば、長分子配列を有する高分子材料であるポリプロピレン又はナイロン又はポリエチレンテレフタレート(PET)でもよく、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とすれば、耐侯性にも優れており、放射線にも強い樹脂であるので、戸外に配備するエアコンの空気吸入口のファイルターとしても使用できる。
また、簡単製造工程で安価に製造でき。且つ堅牢であるので、洗浄も簡単に行える。
なお、本考案の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
N1・・表面基材、N2・・高分子樹脂接着剤、N3・・補強基材、
N4・・ナノファイバーを含むフィルター構成高分子樹脂、
N5・・フィルター積層体、N6・・酸化チタンが付着したフィルター積層体、
N7・・離型紙、N8・・離型紙付きフィルター部材、
H・・高速加熱空気
1・・基材(N1)供給部、11・・巻取ロッド、12・・フィードローラ、
13(a,~h)・・案内ローラ、14(a,b)・・張力調整機構、
2・・補強基材形成部、
21・・高分子樹脂接着剤吹付け部
22・・ノズル部、
221・・ノズル本体、2211・・中心軸孔、
2212・・吐出口、2213・・鍔部、222・・ノズル支持体、
2221・・内孔、2222・・係止部、2223・・開口、
2224・・外周部、
23・・溶融樹脂導入管、231・・外周部、232・・熱風導入溝、
234・・溶融樹脂導入路、24・・接着剤供給部、241・・接着剤供給管、
242・・供給ポンプ、25・・接着剤捕集部、
26・・熱風吹出部、261・・熱風吹出ノズル部、
262・・高速熱風の吹出通路、263・・高速風吹出口、
264・・加熱器(ヒータ)、
27・・加熱空気路形成キャップ、271・・雄ネジ部、
272・・加熱空気導入部枠体、273・・微調整用ワッシャー、
28・・エアポンプ、281・・熱風発生器、282・・空気供給管、
3・・接着剤捕集部、31・・捕集面、32・・吸引室、33・・吸引機構、
34・・風量調整シャッター、
4・・第1冷却装置、41・・冷却板、42・・断熱板、43・・冷却機構、
44・・ペルチェディバイス、441・・N型熱電半導体、
442・・P型熱電半導体、443,443u,443d・・金属電極、
444・・絶縁材、445・・直流電源
5・・フィルター積層体形成部
51・・フィルター用高分子樹脂吹付け部、
6・・ファイバー捕集部
7・・第2冷却装置、
8・・消臭付与装置、81・・酸化チタン散布ノズル、82・・ノズル移動装置
83・・加圧タンク、84・・圧縮空気、85・・酸化チタン溶液、
9・・(ナノファイバーを含む)ファイバー積層体巻取部、91・・巻取ロッド、
92・・フィードローラ、
93・・離型紙供給ロッド

Claims (6)

  1. 基材をモノフィラメントで粗い目の強度のある織編物とし、
    該織編物に高分子接着剤を100nmから10μmのナノファイバーを含むファイバー状にして前記基材に吹き付け補強基材とし、
    前記基剤と前記高分子接着剤の補強材の上に100nmから10μmを径とした高分子紡糸剤のナノファイバー層を、前記基材と前記高分子接着剤で形成する網目の隙間を塞がないように吹き付け、
    前記基材の上面に離型紙を貼り付けたことを特徴とするエアフィルター部材。
  2. 前記高分子紡糸剤は、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)から選択する長分子配列を有する高分子材料であることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター部材。
  3. 前記モノフィラメントは0.1~0.5mm径のポリプロピレン(PP)であり、モノフィラメントによる織編物の粗い目はメッシュ15~30であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルター部材。
  4. 前記高分子接着剤は、10μmから100μmのファイバー状の径としたマイクロファイバーを基材に吹き付けることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター部材。
  5. 前記高分子接着剤は基材の網目を固定するとともに、前記高分子紡糸剤は接着性を有し、且つ粗い目を塞ぐフィルム状にならないように接着することを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター部材。
  6. 前記請求項1のエアフィルター部材を所望の形状に切断し、切断した形状のエアフィルター部材から前記離型紙を剥がし、該切断した形状の外周に沿って、所定幅の両面粘着テープに貼り付け、使用に際しては前記両面粘着テープの剥離紙を剥がしてエアコンの吸入開口に貼り付けることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター部材。
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