JP3238634B2 - グリース組成物 - Google Patents
グリース組成物Info
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Description
ルベアリング、等速ジョイントグリース等に用いられる
自動車用グリース、或いは製鉄設備用のグリース等のい
ろいろな用途で用いられる高温・高速軸受用に適するグ
リース組成物に関し、とりわけ等速ジョイントに好適な
グリース組成物に関する。
用機械、或いは建設機械を始めとするいろいろな機械の
摺動部分の潤滑剤として用いられているが、これら機械
の一層の高性能化、高効率化に伴い、更に特性の優れる
ものが要求されている。
ざましく、例えば、FF車に使用される等速ジョイント
用グリースについては、精製鉱油にリチウム石鹸あるい
はウレア系化合物を増ちょう剤として加えたベースグリ
ースに、二硫化モリブデンと硫黄−リン系化合物、鉛系
化合物等を添加したものが用いられている。また、上記
ベースグリースに窒化硼素粉体を含有させて、特にフレ
ーキング性に優れた等速ジョイント用グリースが開発さ
れている(特開平4−279698号公報参照)。
ース性能は充分でなく、特に摩擦係数の安定性が良好で
あり、安定な運転が可能なグリースが切望されている。
即ち、本発明者らが上記事情に鑑みていろいろ検討した
結果、窒化硼素粉のグリース組成物中での凝集状態を特
定するときに低い摩擦係数を有し、しかも長期間にわた
り優れた安定性を示すという格別の効果を奏することを
実験的に見いだし、本発明に至ったものであり、本発明
の目的は、摩擦係数の安定性に優れ、例えば等速ジョイ
ント、或いは高温・高速軸受に用いて良好で、機械・装
置の長期間の安定な運転が可能なグリース組成物を提供
することにある。
剤及び六方晶窒化硼素を含有してなり、前記増ちょう剤
が、リチウム石鹸であって、その含有割合が 基油と増
ちょう剤の合計中2〜25重量%、前記六方晶窒化硼素
が、黒鉛化指数が4以下、平均粒子径が1μm以上30
μm以下、しかも二次粒子の存在が認められないもので
あって、その含有割合が全量中0.5〜20重量%であ
ることを特徴とするグリース組成物である。
イント用グリース組成物として好適なものである。
晶等のいろいろな結晶系に属するもの或いはPBN、t
−BN等いろいろのものが公知であるが、本発明では、
六方晶窒化硼素である。これは、六方晶窒化硼素のみ
が、その結晶構造に由来して滑り性能を有するためであ
る。
は、マイクロトラックによる粒子径の評価方法が公知で
あり、本発明の平均粒子径も前記方法で測定したもので
ある。
硼素は、一般の微細粒子を含む粉体と同様に、その一部
の粒子が凝集して二次粒子を構成することが多い。本発
明において、前記平均粒子径の測定とともに、二次粒子
の大きさ、特に二次粒子の最大径を測定することが重要
である。二次粒子の最大径は、光学顕微鏡を用いて容易
にすることができる。即ち、窒化硼素を含有するグリー
スの少量を2枚のスライドガラスに挟み、光を透過させ
ながら光学顕微鏡で200〜400倍の倍率で観察する
と、微細な粒子が凝集している二次粒子は粒子内が暗色
となる。このとき粒子内部が明色のものは二次粒子でな
く、粒子同士の凝集のない一次粒子である。視野中の前
記二次粒子について、その長径と短径(長径と直角方向
の径)を測定し、短径の最大値をもって二次粒子の最大
径とする。
窒化硼素について、グリース組成中で窒化硼素粒子相互
の凝集が生じないことが安定したグリース特性を発揮す
るために特に重要であるという知見を得て、本発明に至
ったものである。
含まれて実際にグリースとして用いられる際に、上記し
たとおりの窒化硼素固有の滑り性能を発揮する為には、
その粒子は大きいほうが良いが、一方で二つの摺動面の
間に容易に入り込むようにはその粒子は小さい方が良
い。更に、窒化硼素の一次粒子は一般に偏平な形状であ
るが、一部は凝集して二次粒子を形成する場合がある。
この二次粒子は、一次粒子と比較して偏平ではないこと
から、摺動面の間には進入しにくいので、結果的にグリ
ースの摩擦特性が劣化する。また、二次粒子を構成する
一次粒子間の隙間に充分にベースグリースが浸透しづら
く、空気が二次粒子内部に残り易いという問題がある。
空気の残留があると、窒化硼素周囲のベースグリースの
量が不足するので、結果的に充分な量のグリースが摺動
面に供給されず、摩擦係数が変動する現象を生じる。
晶窒化硼素の粒子については、その粉体集合体としての
粒子径並びに二次粒子径について適切な大きさが存在
し、本発明者らの実験的検討の結果によれば、平均粒子
径で1μm以上30μm以下であり、二次粒子は前記確
認手段によってはその存在が認められないものであるこ
とを見いだした。平均粒子径が1μm未満の場合や30
μmを超える場合には、粒子が小さくて窒化硼素固有の
滑り特性が十分には発揮されなかったり、摺動面の間に
窒化硼素粒子が供給されない等の理由で、グリースの摩
擦係数が十分に低下しない或いは安定して、長期間に渡
って低い摩擦係数を維持できないという問題が発生する
ことがある。また、二次粒子が存在すると、摩擦抵抗の
安定性が充分でなくなる。
ら、結晶が発達したものが望ましい。六方晶の窒化硼素
の結晶の発達程度を知る指数として、化1式で表される
黒鉛化指数が公知である。
(102)のX線回折におけるピーク面積を示し、黒鉛
化指数が小さいほど結晶性は良好である。
窒化硼素に限定するとき、摩擦係数の安定性が良好で、
一層好ましいグリース特性を有するグリース組成物が得
られる。
成物全量中に0.5〜20重量%、好ましくは1〜10
重量%の範囲である。0.5重量%未満では窒化硼素の
充分な量が摺動面に供給されず、20重量%を越えると
グリース組成物の粘度が高くなり過ぎて充分な潤滑性能
を発揮することができない。用途に応じて要求される摺
動特性は異なるので、前記範囲内で用途毎に選択する
が、特に1〜10重量%の範囲では広範囲の用途に用い
て、低い摩擦係数が安定して達成され好適である。
油や合成油の各種潤滑油を用いることができる。前記石
油系潤滑油としては、例えば、原油を常圧や減圧で蒸留
して得られる潤滑油留分を、いろいろな精製処理を組み
合せて得られるパラフィン系、ナフテン系等の潤滑油が
好ましい。また合成油としては、ポリブテン等のα−オ
レフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジ
トリデシルグルタレート等のジエステル、ポリオールエ
ステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニ
ルエーテル、シリコーン油、パーフルオロアルキルエー
テル等が挙げらる。前記基油は使用に際して単独若しく
は混合物として用いることができる。
ア基を有する化合物(いわゆるウレア系増ちょう剤)や
金属石鹸等が用いることができ、その添加量は基油と増
ちょう剤からなるべースグリース全量中の2〜25重量
%が一般的である。前記ウレア系増ちょう剤としては、
例えば4,4’ビス(3オクチルウレイド)ジフェニル
メタン等の脂肪族ジウレア、その他に脂環族ジウレア、
芳香族ジウレア、トリウレア、テトラウレア等いろいろ
知られているが、いずれも用いることができる。また、
前記金属石鹸としては、例えばナトリウム石鹸、カルシ
ウム石鹸、アルニウム石鹸、及び例えばリチウム−12
ヒドロキシステアレート等のリチウム石鹸等を用いるこ
とができる。更に、これらのウレア系増ちょう剤、金属
石鹸はそれぞれ単独で或いはウレア系増ちょう剤同士、
金属石鹸同士を混合して用いることができる。また、前
記ウレア基を有する化合物は、ジイソシアネートと第1
級アミンや第2級アミンの化合物とを混合し、基油中で
10〜200℃で反応させることで得ることもできる。
らの検討によれば、摩擦係数の安定性は、窒化硼素と増
ちょう剤との組み合わせにも影響を受け、窒化硼素を含
有する本発明のグリース組成物においては、リチウム石
鹸を用いるが一層摩擦係数が低く、安定するので良好で
ある。
方晶窒化硼素以外の成分を、グリース特性が劣化しない
範囲で添加することができる。前記成分の例として、黒
鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテトラフロロ
エチレン、硫化アンチモン、アルカリ金属やアルカリ土
類金属のほう酸塩等の固体潤滑剤や、いおう系化合物や
リン系化合物で代表されるいろいろな極圧剤、フェノー
ル系化合物やアミン系化合物で代表されるいろいろな酸
化防止剤、更にはラウリルアミン等の油性剤、ポリメタ
クリレート等の粘度指数向上剤、さび止め防止剤等があ
げられる。
に説明する。
脂肪族ジウレア系化合物(4,4’ビス(3オクチルウ
レイド)ジフェニルメタン)またはリチウム石鹸(リチ
ウム−12ヒドロキシステアレート)を全量中に18重
量%となるように添加したベースグリースを用いて、一
次粒子の平均径、二次粒子の最大径及び黒鉛化指数が異
なるいろいろな六方晶窒化硼素をグリース組成物中に3
重量%となるように配合し、3段ロールミルにて混合し
ていろいろなグリース組成物を作製した。
四球試験機(神鋼造機株式会社製「高速四球形摩擦試験
機」)を用い、ASTMD4172に基づいて、 試験荷重 : 40kgf 回転速度 :1200rpm グリース温度: 75℃ 試験時間 : 60min の条件で摺動試験を行なった。
される摩擦係数について、試験開始後15minから6
0minまでの間の摩擦係数を次の式により、その変動
率を算出した。 変動率=(最大値−最小値)/平均値×100(%) ここで、摩擦係数の最大値、最小値はいずれも前記期間
中に示した摩擦係数の最大値と最小値を示し、平均値は
前記期間中での摩擦係数の最頻値である。この結果を表
1に示す
安定性が優れるので、自動車ホイールベアリング、等速
ジョイント等に用いる自動車用グリース、或いは製鉄設
備用のグリース等、いろいろな用途で用いられる高温・
高速軸受用グリース等に適し、これらの安定な運転に役
立ち、産業上有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 基油、増ちょう剤及び六方晶窒化硼素を
含有してなり、前記増ちょう剤が、リチウム石鹸であっ
て、その含有割合が 基油と増ちょう剤の合計中2〜2
5重量%、前記六方晶窒化硼素が、黒鉛化指数が4以
下、平均粒子径が1μm以上30μm以下、しかも二次
粒子の存在が認められないものであって、その含有割合
が全量中0.5〜20重量%であることを特徴とするグ
リース組成物。 - 【請求項2】 等速ジョイント用途であることを特徴と
する請求項1記載のグリース組成物。
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JP25888896A JP3238634B2 (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | グリース組成物 |
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1996
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